JP2020071040A - 振動解析診断システム及び振動解析診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理を軽減しつつ機械設備の振動解析診断を行うことができる振動解析診断システムを提供すること。【解決手段】振動解析診断システム10は、機械設備1の複数部位の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサ21と、複数の振動センサ21を個別に切り替えて、機械設備1の異常を診断する情報端末装置40と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、振動解析診断システム及び振動解析診断方法に関する。
例えば、エレベータ巻上機や、これに付帯する回転設備、エスカレータ駆動装置、プラント等の工作機械用スピンドルやモータ等の回転機械設備では、転がり軸受等の回転部品が多用されている。これらの機械設備において、回転部品の振動測定や軸受の異常の有無、異常発生部位等を判定するためには、複数部位における振動解析を行う必要がある。また、軸受の異常をより高精度に検出するために、3軸方向の振動を検出する場合がある。このような複数部位又は複数方向で振動解析を行う必要がある場合において、より簡易に振動解析を行うことが可能な振動解析診断システムが望まれている。
従来、複数の振動センサと、振動センサユニットから送信される無線信号を受信して設備機器の異常診断を行う振動診断部とを備え、周波数解析、リサージュ解析、実稼働解析、コヒーレンス関数解析等のプログラムにより、設備機器の振動状態を判別する携帯型振動診断装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2012−098149号公報
上記従来技術では、複数箇所に設置された振動センサユニットから送信される振動波形データを中継ユニットで同時に受信し、中継ユニットで受信した各振動波形データを1つの携帯型PC等に搭載される機器及びプログラムを実行することによって実現する振動診断部によって、解析処理を行う構成である。このため、振動診断部における解析処理や、振動センサユニットと中継ユニットとの間の通信の負荷が増大し、異常発熱やフリーズを招く可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、処理を軽減しつつ機械設備の振動解析診断を行うことができる振動解析診断システム及び振動解析診断方法を提供すること、を目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る振動解析診断システムは、機械設備の複数部位の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサと、複数の前記振動センサを個別に切り替えて、前記機械設備の異常を診断する情報端末装置と、を備える。
これにより、振動解析診断処理にかかる負荷を軽減することができる。
振動解析診断システムの望ましい態様として、1つの前記振動センサに対応して設けられ、当該振動センサから入力された振動信号の振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する複数の振動分析装置を備え、前記情報端末装置は、複数の前記振動分析装置から無線送信された振動分析結果を受信し、前記機械設備の複数部位ごとに、前記振動分析結果に基づき前記機械設備の異常を診断することが好ましい。
上記構成により、機械設備の各部位の振動分析を各部位ごとに対応した振動分析装置で行うことができ、機械設備の異常診断を1つの情報端末装置で行うことができる。これにより、情報端末装置における処理を軽減することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、複数の前記振動センサから送信された振動信号の1つを選択して振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する振動分析装置を備え、前記情報端末装置は、前記振動分析装置から無線送信された振動分析結果を受信し、前記振動分析結果に基づき、前記機械設備の異常を診断することが好ましい。
上記構成により、複数の振動センサからの振動信号を切り替えて振動分析を行う構成とすることができる。これにより、振動解析診断システムを簡素化することができ、機械設備の振動解析にかかるコストを削減することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記振動センサは、前記振動信号を無線送信しても良い。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記振動センサは、前記振動信号を有線送信しても良い。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記振動分析装置は、前記振動センサにより検出された信号の波形から所定の周波数帯域を抽出するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部で得られたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る演算処理回路と、を備えることが好ましい。
これにより、振動分析装置から情報端末装置に送信するデータ量を削減することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記情報端末装置は、前記振動分析装置から送信された前記スペクトルデータに含まれる周波数成分と、前記機械設備の損傷に起因する損傷周波数と、を比較し、前記機械設備の異常を診断する診断部と、前記診断部が診断した診断結果を出力する表示部と、を備えることが好ましい。
これにより、振動分析装置から情報端末装置に送信するデータ量を削減することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記情報端末装置は、前記機械設備の損傷に起因する損傷周波数を、前記機械設備の部位の所定の回転速度を基に換算した換算損傷周波数として保存するデータベースを備え、前記損傷周波数は、前記データベースの換算損傷周波数を、前記機械設備の部位の実際の回転速度を用いて計算することで与えられることが好ましい。
これにより、情報端末装置に個々の機械設備の部位の諸元を保存する必要が無く、機械設備の部位の諸元を秘匿化することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記データベースに保存された前記換算損傷周波数は、複数の名番の前記機械設備の部位ごとに、前記損傷周波数を与える所定の関係式に対して、前記名番の前記機械設備の部位の諸元と、前記機械設備の部位の所定の回転速度を基に算出されたものであり、前記損傷周波数は、前記データベースの該名番に対応する前記換算損傷周波数を、前記機械設備の部位の実際の回転速度を用いて計算することで与えられることが好ましい。
これにより、情報端末装置に個々の機械設備の部位の諸元を保存する必要が無く、機械設備の部位の諸元を秘匿化することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記情報端末装置は、前記機械設備の部位の名番を入力又は選択する表示操作部をさらに備え、前記入力又は選択された前記名番に対応する前記換算損傷周波数が前記データベースにある場合には、前記損傷周波数は、前記データベースの前記名番に対応する前記換算損傷周波数を、前記機械設備の部位の実際の回転速度を用いて計算することで与えられ、前記入力又は選択された前記名番に対応する前記換算損傷周波数が前記データベースにない場合には、前記損傷周波数は、前記損傷周波数を与える所定の関係式に対して、前記表示操作部から直接入力された前記機械設備の部位の諸元と、前記機械設備の部位の実際の回転速度とを基に算出されるか、または、前記表示操作部から直接入力された前記換算損傷周波数と、前記機械部品の実際の回転速度とを基に算出されることが好ましい。
これにより、情報端末装置に個々の機械設備の部位の諸元を保存する必要が無く、機械設備の部位の諸元を秘匿化することができる。
また、振動解析診断システムの望ましい態様として、前記機械設備の部位は、軸受であり、前記データベースは、前記軸受の内輪、外輪、及び転動体の損傷に起因する軸受損傷周波数を、前記軸受の所定の回転速度を基に換算した換算軸受損傷周波数として保存し、前記軸受損傷周波数は、前記データベースの換算軸受損傷周波数を、前記軸受の実際の回転速度を用いて計算することで与えられることが好ましい。
これにより、情報端末装置に個々の軸受の諸元を保存する必要が無く、軸受の諸元を秘匿化することができる。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る振動解析診断方法は、機械設備の複数部位の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサから出力される振動信号に基づき、前記機械設備の異常を診断する振動解析診断処理を実施する振動解析診断方法であって、前記振動解析診断処理を実施する際の初期設定を行うステップと、前記初期設定において設定された前記振動センサを順次切り替えて、前記振動解析診断処理を実施するステップと、複数の前記振動センサの前記振動解析診断処理の結果を、少なくとも前記振動解析診断処理を実施した日時、診断対象の機械設備、及び測定部位の情報を含むタグとして一覧表示するステップと、前記一覧表示されたタグが選択されることにより、前記振動解析診断処理の結果を表示するステップと、を有する。
これにより、複数の振動センサを順次切り替えて振動解析診断処理を実施することができるので、振動解析診断処理にかかる負荷を軽減することができる。また、複数の振動センサによる振動解析診断処理結果を、振動解析診断処理を実施した日時、診断対象の機械設備、及び測定部位の情報を含むタグとして一覧表示することで、診断対象の機械設備の保全管理が容易となる。
図1は、実施形態1に係る振動解析診断システムの診断対象となる機械設備の一例を示す図である。 図2は、実施形態1に係る振動解析診断システムの概念図である。 図3は、実施形態1に係る振動解析診断システムの概略構成を示す模式図である。 図4は、実施形態1に係る振動分析装置の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、実施形態1に係る情報端末装置の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、軸受の部位と損傷周波数との関係を示す図である。 図7は、実施形態1に係る振動解析診断システムにおける初期設定手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの初期画面の一例を示す図である。 図9は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムのユーティリティ画面の一例を示す図である。 図10Aは、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断条件設定画面の一例を示す図である。 図10Bは、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断条件設定画面の一例を示す図である。 図10Cは、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断条件設定画面の一例を示す図である。 図10Dは、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断条件設定画面の一例を示す図である。 図11は、実施形態1に係る振動解析診断システムにおける振動解析診断手順の一例を示すフローチャートである。 図12は、軸受診断処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、振動値測定処理の一例を示すフローチャートである。 図14は、簡易診断処理の一例を示すフローチャートである。 図15は、周波数分析処理の一例を示すフローチャートである。 図16は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断処理終了画面の一例を示す図である。 図17は、実施形態1に係る振動解析診断システムにおける保存データ表示手順の一例を示すフローチャートである。 図18は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの保存データ表示画面の一例を示す図である。 図19は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの振動解析診断処理結果表示画面の一例を示す図である。 図20は、実施形態1に係る情報端末装置の構成の変形例を示すブロック図である。 図21は、運転音再生処理の一例を示すフローチャートである。 図22は、実施形態2に係る振動解析診断システムの概略構成を示す模式図である。 図23は、実施形態2に係る振動分析装置の構成の一例を示すブロック図である。 図24は、無線式の振動センサを示す図である。 図25は、実施形態3に係る振動解析診断システムの概略構成を示す模式図である。 図26は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の一例を示すブロック図である。 図27は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の第1変形例を示すブロック図である。 図28は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の第2変形例を示すブロック図である。 図29は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の第3変形例を示すブロック図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る振動解析診断システムの診断対象となる機械設備の一例を示す図である。なお、以下の説明では、機械設備に設けられた転がり軸受11を例に説明する。
転がり軸受11は、機械設備1のハウジング15等に内嵌される外輪12と、機械設備1の回転軸に外嵌される内輪13と、外輪12と内輪13との間で転動可能に配置された複数の転動体14と、転動体14を転動自在に保持する不図示の保持器と、を有する。以下、転がり軸受11を単に「軸受11」とも称する。
図2は、実施形態1に係る振動解析診断システムの概念図である。図2に示すように、実施形態1に係る振動解析診断システム10は、概念上の構成として、図1に示す機械設備1の複数の部位(ここでは、軸受11)の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサ21と、これら複数の振動センサ21を個別に切り替えて、機械設備1の異常を診断する情報端末装置40と、を備える。
本開示において、複数の振動センサ21は、図1に示す機械設備1に設けられた複数の軸受11に対応して設けられる。
情報端末装置40は、例えば、タブレット等の携帯情報端末装置である。また、情報端末装置40は、インターネットやWi−Fi(登録商標)等の通信回線網を介して不図示のホストコンピュータとも接続可能であり、当該ホストコンピュータから後述する振動解析診断プログラム等のアプリケーションプログラムや、後述する損傷周波数データベース等の更新データを取得して更新することもできる。
図3は、実施形態1に係る振動解析診断システムの概略構成を示す模式図である。図3に示すように、実施形態1に係る振動解析診断システム10は、振動センサ21により検出される振動信号が入力され、振動センサ21から入力された信号振動の分析結果を情報端末装置40に送信する複数の振動分析装置20を備えている。本実施形態では、複数の振動センサ21に対応して、それぞれ振動分析装置20を有する構成である。
振動分析装置20と情報端末装置40との間は、第1通信手段100によりデータや各種指令信号の送受信が行われる。本開示において、第1通信手段100は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の無線通信手段である。
図4は、実施形態1に係る振動分析装置の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、振動分析装置20は、フィルタ処理部22としてのハイパスフィルタ(HPフィルタ)27及びアンチエイリアスフィルタ(AAフィルタ)29、増幅器28、A/D変換回路30、演算処理回路23、内部メモリ24、送受信部26、及び電源31を主に備える。
振動センサ21は、例えば、圧電式加速度センサ等で構成される。振動センサ21は、振動分析装置20に取り付けられた構成であってもよい。この場合、振動センサ21が取り付けられる振動分析装置20の先端部には、例えば、不図示の雌ねじ部が形成されており、雌ねじ部に螺合する部材に磁石を取り付けることで、振動分析装置20が機械設備1のハウジング15に着脱可能な構成であっても良い。
電源31は、例えばリチウム電池等で構成される二次電池であり、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して外部から充電可能である。また、振動分析装置20の側面には、電源31をON/OFFする不図示のスイッチが設けられている。
振動センサ21により検出された振動信号は、HPフィルタ27、増幅器28、AAフィルタ29、及びA/D変換回路30の順に通過する。このため、検出された振動信号は、フィルタ処理部22を構成するHPフィルタ27及びAAフィルタ29がバンドパスフィルタとして機能することで特定の周波数帯域が抽出され、増幅器28によって増幅され、さらにA/D変換回路30によってデジタル信号に変換されて、演算処理回路23に送られる。
演算処理回路23は、例えばMCU(Micro Control Unit)等のマイクロコントローラやDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサにより構成される回路である。
演算処理回路23は、振動センサ21から軸受11の振動の時間波形(振動加速度)を振動信号として取得する。このとき、演算処理回路23は、加速度振動値として、10Hz以上20kHz以下の周波数範囲の実効値、ピーク値、及び波高値(ピーク値/実効値)を算出し、内部メモリ24に一時的に記憶する。また、演算処理回路23は、速度振動値として、10Hz以上1kHz以下の周波数範囲の実効値、ピーク値、及び波高値(ピーク値/実効値)を算出し、内部メモリ24に一時的に記憶する。また、演算処理回路23は、変位として、10Hz以上1kHz以下の周波数範囲の両振幅値を算出し、内部メモリ24に一時的に記憶する。
演算処理回路23は、フィルタ処理機能を備え、HPフィルタ27及びAAフィルタ29によって抽出された特定の周波数帯域に対してフィルタ処理を行う。したがって、本実施形態では、演算処理回路23のフィルタ処理機能が、本開示のフィルタ処理部22の一部として機能する。
また、演算処理回路23は、フィルタ処理後の信号を、必要に応じて、絶対値化処理やエンベロープ処理を行った後、FFT解析してスペクトルデータを生成する。算出されたスペクトルデータは、内部メモリ24に一時的に記憶される。なお、本実施形態において、スペクトルデータは、指数平均を用いて平均化処理されている。
送受信部26は、例えば、情報端末装置40からの各種指令信号を受信すると共に、演算処理回路23の分析機能により得られたスペクトルデータ等の信号を情報端末装置40へ送信する。なお、本開示では、上述したように、振動分析装置20と情報端末装置40との間は、無線通信手段である第1通信手段100によりデータや各種指令信号の送受信が行われる例について説明するが、振動分析装置20と情報端末装置40との間の通信は、有線で行われてもよい。
図5は、実施形態1に係る情報端末装置の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、情報端末装置40は、送受信部42、演算処理回路43、内部メモリ44、表示操作部(表示部)45、及びスピーカ46を主に備える。
送受信部42は、振動分析装置20との間で、各種指令信号の送信や、スペクトルデータ等の信号の受信等を行う。
表示操作部45は、例えば、タッチ検出機能付きの液晶パネル等で構成される。表示操作部45は、情報端末装置40に内蔵する制御ソフトにより画面表示が切り替え可能である。表示操作部45は、振動値、診断結果、各種波形等の処理結果を表示すると共に、軸受11の振動解析診断機能における各種設定情報、例えば、軸受11の名番、回転輪の回転速度等の各情報を選択して入力することができる。表示操作部45は、本開示における表示部に対応する。
演算処理回路43は、例えばMCU(Micro Control Unit)等のマイクロコントローラやDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサにより構成される回路である。
演算処理回路43は、振動分析装置20の送受信部26から受信したスペクトルデータに基づいて、内部メモリ44に記憶された損傷周波数データベース(DB)を参照し、軸受11の異常の有無、及び異常部位を診断する。演算処理回路43は、本開示における軸受診断部(診断部)に対応する。
なお、内部メモリ44の損傷周波数データベース(DB)に記憶されている損傷周波数は、軸受11の所定の回転速度を基に換算した、軸受11の部位ごとの換算損傷周波数であり、診断に使用される損傷周波数は、換算損傷周波数を、軸受11の実際の回転速度を用いて計算することで得られる。
図6は、軸受の部位と損傷周波数との関係を示す図である。例えば、図6に示す関係式を用いて、内部メモリ44の損傷周波数データベース(DB)に登録されている軸受11の名番の内部諸元(図6に示す関係式に必要な寸法、転動体の数等)から予め算出しておいた単位回転速度時の内輪傷成分Si、外輪傷成分So、転動体傷成分Sbを換算軸受損傷周波数とする。内部メモリ44に記憶される損傷周波数データベース(DB)には、機械設備1の複数の軸受11に対応して設けられた各振動センサ21と、軸受11ごとの各換算軸受損傷周波数とが関連付けられて、DLL(Dynamic Link Library)として保存されている。
軸受11の名番入力は、表示操作部45に表示される名番一覧表から選択してもよく、個別に手動入力することもできる。なお、名番が登録されていない軸受11については、軸受11の諸元と、機械部品の実際の回転速度とを直接入力することで、図6に示す所定の関係式を用いて、軸受11の部位ごとの損傷に起因する損傷周波数を計算することができる。また、名番が登録されていない軸受11については、換算損傷周波数を入力してもよい。この場合、内部メモリ44には、図6に示す所定の関係式が保存されている。若しくは、名番が登録されていない軸受11については、外部で計算した所定の回転速度における換算損傷周波数を表示操作部45から直接入力しておき、演算処理回路43が、この換算損傷周波数を用いて、機械部品の実際の回転速度を基に損傷周波数を算出するようにしてもよい。何れにおいても、名番が登録されていない軸受11の換算損傷周波数は、実際の機械設備1の運転時に呼び出せるように、名番と共に、内部メモリ44に保存されることが好ましい。
次に、本実施形態に係る振動解析診断システム10及び振動解析診断方法における初期設定手順について説明する。
図7は、実施形態1に係る振動解析診断システムにおける初期設定手順の一例を示すフローチャートである。図8は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの初期画面の一例を示す図である。図9は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムのユーティリティ画面の一例を示す図である。図10A、図10B、図10C、及び図10Dは、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断条件設定画面の一例を示す図である。なお、図7に示す初期設定手順の前に、振動解析診断対象の機械設備の複数箇所に各振動センサ21が設置されているものとする。
操作者が情報端末装置40の表示操作部45(図5参照)を操作し、実施形態1に係る振動解析診断プログラムを起動すると(ステップS1)、情報端末装置40は、図8に示す振動解析診断プログラムの初期画面2を表示する(ステップS2)。
図8に示すように、振動解析診断プログラムの初期画面2には、例えば、診断条件読み込みボタン201、診断開始ボタン202、ユーティリティボタン203、終了ボタン204等が表示される。
診断条件読み込みボタン201は、予め設定した診断条件の読み込みを行うための操作ボタンである。診断開始ボタン202は、振動解析診断の開始を指示するための操作ボタンである。ユーティリティボタン203は、図9に示すユーティリティ画面3を表示させるための操作ボタンである。終了ボタン204は、振動解析診断プログラムを終了させるための操作ボタンである。
操作者が初期画面2上のユーティリティボタン203を操作して、「ユーティリティ」を選択すると(ステップS3)、情報端末装置40は、図9に示す振動解析診断プログラムのユーティリティ画面3を表示する(ステップS4)。
図9に示すように、振動解析診断プログラムのユーティリティ画面3には、例えば、診断条件設定ボタン301、保存データ読み出しボタン302、データ送信ボタン303、測定点情報更新ボタン304、戻るボタン305等が表示される。
診断条件設定ボタン301は、診断条件の設定を行うための操作ボタンである。保存データ読み出しボタン302は、振動解析処理後の保存データを読み出すための操作ボタンである。データ送信ボタン303は、例えばデータサーバー装置(不図示)に保存データを送信するための操作ボタンである。測定点情報更新ボタン304は、図10Aから図10Dに示す診断条件設定画面において設定した測定点の情報を更新するための操作ボタンである。戻るボタン305は、図8に示す振動解析診断プログラムの初期画面2を再表示させるための操作ボタンである。
操作者がユーティリティ画面3上の診断条件設定ボタン301を操作して、「診断条件設定」を選択すると(ステップS5)、情報端末装置40は、図10Aに示す診断条件設定画面4−1を表示する(ステップS6)。なお、図10Aに示す診断条件設定画面4−1、図10Bに示す診断条件設定画面4−2、図10Cに示す診断条件設定画面4−3、及び図10Dに示す診断条件設定画面4−4は、任意に切替可能である。また、図10Aに示す診断条件設定画面4−1、図10Bに示す診断条件設定画面4−2、図10Cに示す診断条件設定画面4−3、及び図10Dに示す診断条件設定画面4−4は、各振動センサ21毎に表示される。なお、図10A、図10B、図10C、及び図10Dに示す例では、3つの振動センサ21にそれぞれ対応した「CH1」、「CH2」、「CH3」の何れかを選択可能となっている。図10A、図10B、図10C、及び図10Dでは、「CH1」の振動センサ21が選択された例を示している。
図10Aに示すように、振動解析診断プログラムの診断条件設定画面4−1には、例えば、基本設定ウィンドウ401−1、保存ボタン402、取り消しボタン403等が表示される。
図10Bに示すように、振動解析診断プログラムの診断条件設定画面4−2には、例えば、軸受設定ウィンドウ401−2、保存ボタン402、取り消しボタン403等が表示される。
図10Cに示すように、振動解析診断プログラムの診断条件設定画面4−3には、例えば、測定条件設定ウィンドウ401−3、保存ボタン402、取り消しボタン403等が表示される。
図10Dに示すように、振動解析診断プログラムの診断条件設定画面4−4には、例えば、判定条件設定ウィンドウ401−4、保存ボタン402、取り消しボタン403等が表示される。
図10Aに示す基本設定ウィンドウ401−1は、振動解析の基本設定を行う表示領域である。基本設定ウィンドウ401−1で入力される基本設定項目としては、例えば、振動センサの種類、振動信号に対するゲイン設定、感度、プラント、診断対象設備、測定部位等の情報を含む。
図10Bに示す軸受設定ウィンドウ401−2は、各振動センサ21の振動検出対象の軸受に関する情報を設定する表示領域である。軸受設定ウィンドウ401−2で入力される軸受設定項目としては、例えば、モード、軸受の名番、回転数、回転輪等を含む。
図10Cに示す測定条件設定ウィンドウ401−3は、振動測定の際の各振動センサ21の測定条件を設定するための表示領域である。測定条件設定ウィンドウ401−3で入力される測定条件設定項目としては、例えば、最大周波数、各種フィルタのカットオフ周波数、平均化回数等を含む。
図10Dに示す判定条件設定ウィンドウ401−4は、振動センサ21毎の判定条件を設定するための表示領域である。判定条件設定ウィンドウ401−4で入力される判定条件設定項目としては、例えば、加速度(平均値)における判定閾値、加速度(ピーク値)における判定閾値等を含む。
以下、診断条件設定画面4−1,4−2,4−3,4−4を特段に区別しない場合には、「診断条件設定画面4」と称する。また、基本設定ウィンドウ401−1、軸受設定ウィンドウ401−2、測定条件設定ウィンドウ401−3、及び判定条件設定ウィンドウ401−4を特段に区別しない場合には、「設定ウィンドウ401」と称する。なお、各設定ウィンドウ401において設定可能な各項目は一例であり、各設定ウィンドウ401において設定する項目により本開示が限定されるものではない。
図10A、図10B、図10C、及び図10Dに示す保存ボタン402は、各設定ウィンドウ401において設定した各種設定を保存し、図9に示す振動解析診断プログラムのユーティリティ画面3を再表示させるための操作ボタンである。
図10A、図10B、図10C、及び図10Dに示す取り消しボタン403は、各設定ウィンドウ401において設定した各種設定を取り消し、図9に示す振動解析診断プログラムのユーティリティ画面3を再表示させるための操作ボタンである。
操作者が情報端末装置40の表示操作部45を操作して、例えば、診断条件設定画面4上の設定ウィンドウ401をタップすると、表示操作部45にキーボードウィンドウ(不図示)が表示され、設定ウィンドウ401内の各種基本設定項目が入力可能となる。
操作者は、情報端末装置40の表示操作部45を操作して、診断条件設定画面4上の設定ウィンドウ401内の各種設定項目を入力する(ステップS7)。
操作者が診断条件設定画面4上の保存ボタン402又は取り消しボタン403を操作して、各種設定の「保存」又は「取り消し」を選択すると(ステップS8)、情報端末装置40は、図9に示す振動解析診断プログラムのユーティリティ画面3を再表示する(ステップS9)。ここで、操作者が診断条件設定画面4上の保存ボタン402を操作して、各種設定の「保存」を選択すると、情報端末装置40は、診断条件設定画面4上の設定ウィンドウ401内で入力された各種設定項目を内部メモリ44に記憶する。
さらに、操作者がユーティリティ画面3上の戻るボタン305を操作して、「戻る」を選択すると(ステップS10)、情報端末装置40は、図8に示す振動解析診断プログラムの初期画面2を再表示する(ステップS11)。
そして、操作者が初期画面2上の終了ボタン204を操作して、「終了」を選択すると(ステップS12)、情報端末装置40は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムを終了し、振動解析診断システム10における初期設定手順を終了する。
次に、本実施形態に係る振動解析診断システム10及び振動解析診断方法における振動解析診断手順について説明する。
図11は、実施形態1に係る振動解析診断システムにおける振動解析診断手順の一例を示すフローチャートである。
操作者が情報端末装置40の表示操作部45(図5参照)を操作し、実施形態1に係る振動解析診断プログラムを起動すると(ステップS21)、情報端末装置40は、図8に示す振動解析診断プログラムの初期画面2を表示する(ステップS22)。
操作者が初期画面2上の診断条件読み込みボタン201を操作して、「診断条件読み込み」を選択すると(ステップS23)、情報端末装置40は、内部メモリ44に記憶された各種設定を読み出す(ステップS24)。
各種設定の読み出しを行っている間、情報端末装置40は、初期画面2上の診断開始ボタン202を、表示操作部45上においてグレーアウト表示とし、「診断開始」を選択不可とする。
内部メモリ44に記憶された各種設定の読み出しが終了すると、情報端末装置40は、初期画面2上の診断開始ボタン202を、表示操作部45上においてグレーアウト表示を解除し、「診断開始」を選択可能とする。
操作者が初期画面2上の診断開始ボタン202を操作して、「診断開始」を選択すると(ステップS25)、情報端末装置40は、上述した初期設定手順で設定した各振動センサ21に対し、順次、本実施形態に係る振動解析診断システム10における振動解析診断処理を実施する。
ここで、本実施形態に係る振動解析診断システム10における振動解析診断機能について説明する。図3に示した本実施形態に係る振動解析診断システム10は、振動分析装置20及び情報端末装置40を用いた振動解析診断機能として、軸受診断機能、振動値測定機能、簡易診断機能、周波数分析機能の各機能を主に備える。
軸受診断機能は、軸受の内外輪、及び転動体の損傷の有無、及びその損傷部位を診断する機能である。
振動値測定機能は、振動の変位、速度、加速度などの実効値、ピーク値、波高率を測定する機能である。
簡易診断機能は、検出された振動の変位、速度、加速度などの実効値、ピーク値、波高率を、予め設定されている閾値と比較して、回転部のアンバランスや転がり軸受の異常の有無を簡易的に診断する機能である。
周波数分析機能は、FFTなどにより振動波形を周波数分析したFFT波形を表示する機能である。
本実施形態において、振動解析診断システム10は、振動解析診断機能として、少なくとも上述した軸受診断機能、振動値測定機能、簡易診断機能、周波数分析機能の1つを実現する。
具体的に、情報端末装置40(図5参照)は、例えば、上述した初期設定手順において「CH1」に設定された振動センサ21を選択し(ステップS26)上述した振動解析診断機能を実現するための振動解析診断処理を実施する(ステップS27)。
まず、軸受診断機能による軸受診断処理について、図12を参照して説明する。図12は、軸受診断処理の一例を示すフローチャートである。
情報端末装置40の演算処理回路43は、選択された振動センサ21に対応する軸受診断指令を送受信部42に出力する。送受信部42は、選択された振動センサ21に対応する振動分析装置20(図5参照)に対して、軸受診断指令を送信する(ステップS102)。
送受信部26を介して軸受診断指令を受信した振動分析装置20の演算処理回路23は、軸受診断処理を開始する(ステップS103)。
振動分析装置20は、振動センサ21から軸受11の振動の時間波形(振動加速度)を振動信号として取得する(ステップS104)。
取得された振動信号は、HPフィルタ27及びAAフィルタ29によりフィルタ処理され(ステップS105)、特定の周波数帯域が抽出される。演算処理回路23は、抽出された所定の周波数帯域に対して周波数分析を行い、FFT波形を算出する(ステップS106)。その後、演算処理回路23は、特定の周波数帯域から、演算処理回路23のフィルタ機能(不図示のHPフィルタ及びLPフィルタの組み合わせ、もしくは、バンドパスフィルタ等によるフィルタ処理)で所定の周波数帯域をさらに抽出し(ステップS107)し、エンベロープFFT波形を算出する(ステップS108)。
なお、FFT波形は、指数平均を用いて、平均化処理が行われている。演算処理回路23は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部でもあり、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動信号の周波数スペクトルを算出する。
振動分析装置20は、演算処理回路23が算出した周波数スペクトルを、スペクトルデータとして送受信部26から情報端末装置40に送信する。情報端末装置40に送信されるデータは、振動センサ21で検出された時間波形信号が振動分析装置20にてFFT処理されたスペクトルデータである(図3参照)ので、時間波形を直接情報端末装置40に送信する場合に比べて送信するデータ量が大幅に削減されている。このため、データの転送時間が短くなり、通信時間が短縮される。また、後述する情報端末装置40の演算処理回路43における処理が軽減されるため、情報端末装置40の異常発熱やフリーズを未然に防ぐことができる。
情報端末装置40の送受信部42で受信されたスペクトルデータは、演算処理回路43に入力される。演算処理回路43は、内部メモリ44に記録されている損傷周波数データベース(DB)を参照し、軸受11の異常の有無等を診断する(ステップS107)。
具体的に、演算処理回路43は、軸受11の部位ごとの損傷に起因する軸受損傷周波数を、軸受に対応する換算軸受損傷周波数と、軸受11の実際の回転速度とを用いて予め計算する。そして、振動分析装置20から受信したスペクトルデータを対象に、軸受損傷周波数ごとの照合(「ピーク周波数=軸受損傷周波数」の成否)により、軸受11の傷等の異常の発生有無及びその部位を特定する。
ここで、軸受11の軸受損傷周波数成分には、軸受傷成分、すなわち、内輪傷成分Si、外輪傷成分So、及び転動体傷成分Sbがあり、各周波数成分のそれぞれのレベルを抽出することになる。そして、異常の部位が、外輪12、内輪13、転動体14のいずれかであるかを特定する。
そして、演算処理回路43は、上述のようにして得た軸受11の診断結果を振動解析診断処理結果として内部メモリ44に記憶し(ステップS108)、図11に示す振動解析診断手順に戻る。
次に、振動値測定機能による振動値測定処理について、図13を参照して説明する。図13は、振動値測定処理の一例を示すフローチャートである。
情報端末装置40(図5参照)の演算処理回路43は、選択された振動センサ21に対応する振動値測定指令を送受信部42に出力する。送受信部42は、選択された振動センサ21に対応する振動分析装置20(図4参照)に対して、振動値測定指令を送信する(ステップS202)。
送受信部26を介して振動値測定指令を受信した振動分析装置20の演算処理回路23は、振動センサ21から軸受11の振動の時間波形(振動加速度)を振動信号として取得する(ステップS203)。
続いて、演算処理回路23は、振動の加速度や速度の実効値(rms)、ピーク値(peak)、波高率(c.f.)、及び変位のピーク値(peak)の少なくとも一つの振動値を算出する(ステップS204)。
そして、振動分析装置20は、演算処理回路23が算出した振動値を、振動値データとして送受信部26から情報端末装置40に送信する。
情報端末装置40の送受信部42で受信された振動値データは、演算処理回路43に入力される。演算処理回路43は、上述のようにして得た軸受11の振動値算出結果を振動解析診断処理結果として内部メモリ44に記憶し(ステップS205)、図11に示す振動解析診断手順に戻る。
次に、簡易診断機能による簡易診断処理について、図14を参照して説明する。図14は、簡易診断処理の一例を示すフローチャートである。
情報端末装置40(図5参照)の演算処理回路43は、選択された振動センサ21に対応する簡易診断指令を送受信部42に出力する。送受信部42は、選択された振動センサ21に対応する振動分析装置20(図4参照)に対して、簡易診断指令を送信する(ステップS302)。
送受信部26を介して簡易診断指令を受信した振動分析装置20の演算処理回路23は、振動センサ21から軸受11の振動の時間波形(振動加速度)を振動信号として取得する(ステップS303)。
続いて、演算処理回路23は、簡易診断において使用される診断パラメータである振動値を算出する(ステップS304)。具体的に、演算処理回路23は、診断パラメータとして、振動の加速度や速度の実効値(rms)、ピーク値(peak)、波高率(c.f.)、及び変位のピーク値(peak)の少なくとも一つの振動値を算出する。
そして、振動分析装置20は、演算処理回路23が算出した振動値を、振動値データとして送受信部26から情報端末装置40に送信する。
情報端末装置40の送受信部42で受信された振動値データは、演算処理回路43に入力される。振動値データに含まれる加速度、速度、及び変位の診断パラメータから、簡易診断機能によるISO基準(例えば、ISO 10816−1等)の絶対値判定が可能となる。また、任意の閾値を用いて簡易診断を行うことも可能である。例えば、演算処理回路43は、加速度や速度の実効値(rms)、ピーク値(peak)、波高率(c.f.)、及び変位のピーク値(peak)を、それぞれの閾値と比較して簡易診断を行う(ステップS305)。具体的に、演算処理回路43は、「実効値(rms)、ピーク値(peak)、波高率(c.f.)>各閾値」であるときには、回転部あるいは軸受11の異常有りと判定し、各値が閾値以下である場合には、異常なしと判定する。この場合、各閾値は、内部メモリ44に保存されていることとすればよい。
そして、演算処理回路43は、上述のようにして得た軸受11の簡易診断結果を振動解析診断処理結果として内部メモリ44に記憶し(ステップS306)、図11に示す振動解析診断手順に戻る。
なお、ステップS305における簡易診断は、振動分析装置20の演算処理回路23で行ってもよい。
次に、周波数分析機能による周波数分析処理について、図15を参照して説明する。図15は、周波数分析処理の一例を示すフローチャートである。
情報端末装置40(図5参照)の演算処理回路43は、選択された振動センサ21に対応する周波数分析指令を送受信部42に出力する。送受信部42は、選択された振動センサ21に対応する振動分析装置20(図4参照)に対して、周波数分析指令を送信する(ステップS402)。
送受信部26を介して周波数分析指令を受信した振動分析装置20の演算処理回路23は、振動センサ21から軸受11の振動の時間波形(振動加速度)を振動信号として取得する(ステップS403)。
取得された振動信号は、HPフィルタ27及びAAフィルタ29によりフィルタ処理され(ステップS404)、特定の周波数帯域が抽出される。その後、演算処理回路23は、周波数分析を行い、FFT波形を算出する(ステップS405)。演算処理回路23は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部であり、FFTアルゴリズムに基づいてFFT波形を算出する。なお、FFT波形は、指数平均を用いて、平均化処理が行われている。また、エンベロープ処理を選択的に実行可能である。
そして、振動分析装置20は、演算処理回路23が算出したFFT波形を、FFT波形データとして送受信部26から情報端末装置40に送信する。
情報端末装置40の送受信部42で受信されたFFT波形データは、演算処理回路43に入力される。演算処理回路43は、上述のようにして得た軸受11のFFT波形を振動解析診断処理結果として内部メモリ44に記憶し(ステップS406)、図11に示す振動解析診断手順に戻る。
本実施形態において、振動解析診断システム10は、振動解析診断機能として、上述した軸受診断処理(図12参照)、振動値測定処理(図13参照)、簡易診断処理(図14参照)、周波数分析処理(図15参照)のうちの1つ以上を実現する。
図11に示す振動解析診断手順に戻り、情報端末装置40は、上述した初期設定手順において設定された全ての振動センサ21、具体的には、「CH1」、「CH2」、「CH3」に設定された振動センサ21において、振動解析診断処理が終了したか否かを判定する(ステップS28)。振動解析診断処理が終了していない振動センサ21があれば(ステップS28;No)、ステップS26の処理に戻り、全ての振動センサ21の振動解析診断処理が終了するまで、ステップS26からステップS28までの処理を繰り返し実施する。
図16は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの診断処理終了画面の一例を示す図である。
全ての振動センサ21の振動解析診断処理が終了すると(ステップS28;Yes)、情報端末装置40は、図16に示す振動解析診断プログラムの診断処理終了画面5を表示し(ステップS29)、振動解析診断システム10における振動解析診断手順を終了する。
図16に示すように、振動解析診断プログラムの診断処理終了画面5には、例えば、各振動センサ21の簡易診断結果、図16に示す例では、図14に示す簡易診断処理によって取得された、「CH1」、「CH2」、「CH3」の各振動センサ21の簡易診断結果501−1,501−2,501−3、再測定(個別CH)ボタン502、再測定(全CH)ボタン503、個別に再測定を行う場合の振動センサ21を選択するための選択ボタン504等が表示される。
再測定(個別CH)ボタン502は、選択ボタン504により選択された振動センサ21(ここでは、「CH1」、「CH2」、「CH3」の何れか)において個別に再測定を行うための操作ボタンである。再測定(全CH)ボタン503は、全ての振動センサ21(ここでは、「CH1」、「CH2」、「CH3」)において再測定を行うための操作ボタンである。
操作者が診断処理終了画面5上の選択ボタン504を操作して、振動センサ21(ここでは、「CH1」、「CH2」、「CH3」の何れか)を選択し、再測定(全CH)ボタン503を操作して、「再測定(個別CH)」を選択することで、選択した振動センサ21の振動解析診断処理を再実施することができる。また、操作者が診断処理終了画面5上の再測定(全CH)ボタン503を操作して、「再測定(全CH)」を選択することで、全ての振動センサ21(ここでは、「CH1」、「CH2」、「CH3」)の振動解析診断処理を再実施することができる。診断処理終了画面5において「再測定(個別CH)」「再測定(個別CH)」を選択することによって取得された振動解析診断処理結果は、上述した振動解析診断手順によって取得された振動解析診断処理結果と同様に、内部メモリ44に記憶される。
次に、本実施形態に係る振動解析診断システム10及び振動解析診断方法における保存データ表示手順について説明する。
図17は、実施形態1に係る振動解析診断システムにおける保存データ表示手順の一例を示すフローチャートである。図18は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの保存データ表示画面の一例を示す図である。図19は、実施形態1に係る振動解析診断プログラムの振動解析診断処理結果表示画面の一例を示す図である。
操作者が情報端末装置40(図5参照)の表示操作部45を操作し、実施形態1に係る振動解析診断プログラムを起動すると(ステップS31)、情報端末装置40は、図8に示す振動解析診断プログラムの初期画面2を表示する(ステップS32)。
操作者が初期画面2上のユーティリティボタン203を操作して、「ユーティリティ」を選択すると(ステップS33)、情報端末装置40は、図9に示す振動解析診断プログラムのユーティリティ画面3を表示する(ステップS34)。
操作者がユーティリティ画面3上の保存データ読み出しボタン302を操作して、「保存データ読み出し」を選択すると(ステップS35)、情報端末装置40は、図18に示す振動解析診断プログラムの保存データ表示画面6を表示する(ステップS36)。
図18に示すように、振動解析診断プログラムの保存データ表示画面6には、例えば、保存データ表示ウィンドウ601、表示ボタン602、削除ボタン603、編集ボタン604等が表示される。
上述した振動解析診断手順、及び、振動解析診断プログラムの診断処理終了画面5において「再測定(個別CH)」「再測定(全CH)」を選択することによって取得された振動解析診断処理結果は、当該振動解析診断処理結果を取得した「日付/時刻」、「プラント」、「設備」、「測定位置」、及び振動センサ21の「CH」等の情報と関連付けられて内部メモリ44に記憶されている。保存データ表示ウィンドウ601には、振動解析診断処理結果を取得した「日付/時刻」、「プラント」、「診断対象設備」、「測定部位」、及び振動センサ21の「CH」等の情報がタグとして表示され、各振動解析診断処理結果が一覧表示される。操作者は、保存データ表示ウィンドウ601に表示されたタグの左端に設けられたチェックボックスをチェックすることで、各振動解析診断処理結果を選択することができる。
表示ボタン602は、保存データ表示ウィンドウ601において選択された振動解析診断処理結果を表示するための選択ボタンである。削除ボタン603は、保存データ表示ウィンドウ601において選択された振動解析診断処理結果を削除するための選択ボタンである。編集ボタン604は、保存データ表示ウィンドウ601において選択された振動解析診断処理結果を編集するための選択ボタンである。
操作者が保存データ表示画面6上の保存データ表示ウィンドウ601を操作して、左端のチェックボックスをチェックして振動解析診断処理結果を選択し(ステップS37)、さらに、操作者が保存データ表示画面6上の表示ボタン602を操作して、「表示」を選択すると(ステップS38)、情報端末装置40は、図19に示す振動解析診断プログラムの振動解析診断処理結果表示画面7を表示して(ステップS39)、振動解析診断システム10における保存データ表示手順を終了する。
図19に示すように、振動解析診断プログラムの振動解析診断処理結果表示画面7には、例えば、振動解析診断処理結果表示ウィンドウ701、振動解析診断機能ボタン702−1,702−2,702−3,702−4等が表示される。図19では、「CH1」の振動センサ21における簡易診断機能による簡易診断処理結果が振動解析診断処理結果表示ウィンドウ701に表示され、軸受診断機能、振動値測定機能、周波数分析機能、聴音機能(後述)の各機能を表示するためのボタンが振動解析診断機能ボタン702−1,702−2,702−3,702−4としてそれぞれ割り当てられた例を示している。
操作者が振動解析診断処理結果表示画面7上の振動解析診断機能ボタン702−1,702−2,702−3,702−4を操作することで、軸受診断機能、振動値測定機能、簡易診断機能、周波数分析機能、聴音機能(後述)の各振動解析診断機能における振動解析診断処理結果を選択して振動解析診断処理結果表示ウィンドウ701に表示することができる。
(変形例)
図20は、実施形態1に係る情報端末装置の構成の変形例を示すブロック図である。図20に示す情報端末装置40aは、図5に示す構成に加え、フィルタ処理部47を備えている。
変形例に係る振動解析診断システム10は、振動解析診断機能として、上述した軸受診断機能、振動値測定機能、簡易診断機能、周波数分析機能の各機能に加えて、上述した聴音機能を備える。聴音機能は、軸受11の運転音をスピーカ46によって再生する機能である。
聴音機能による運転音再生処理について、図21を参照して説明する。図21は、運転音再生処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示す振動解析診断処理(ステップS27)を実施する際、情報端末装置40aの演算処理回路43aは、選択された振動センサ21に対応する周波数分析指令を送受信部42に出力する。送受信部42は、選択された振動センサ21に対応する振動分析装置20に対して、運転音再生指令を送信する(ステップS502)。
送受信部26を介して運転音再生指令を受信した振動分析装置20(図4参照)の演算処理回路23は、振動センサ21から軸受11の振動の時間波形(振動加速度)を取得する(ステップS503)。
振動分析装置20は、演算処理回路23が取得した振動の時間波形(振動加速度)を、時間波形データとして送受信部26から情報端末装置40aに送信する。
情報端末装置40aの送受信部42で受信された時間波形データは、演算処理回路43aに入力される。演算処理回路43aは、振動の時間波形(振動加速度)の繰り返し使用を可能とするため、時間波形データを振動解析診断処理結果として内部メモリ44に記憶し(ステップS504)、図11に示す振動解析診断手順に戻る。
操作者が図19に示す振動解析診断プログラムの振動解析診断処理結果表示画面7において聴音機能が割り当てられた振動解析診断機能ボタン702−4を操作して、「聴音機能」を選択すると、情報端末装置40aのフィルタ処理部47は、操作者が聴音を希望する特定の周波数帯域を抽出するフィルタ処理を行う(ステップS505)。演算処理回路43aは、FFTアルゴリズムに基づいて、フィルタ処理後の振動信号のFFT波形を算出し(ステップS506)、スピーカ46に出力する。これにより、スピーカ46から軸受11の運転音が再生される(S507)。
情報端末装置40aの演算処理回路43aは、操作者からの入力待機状態に移行し(ステップS508)、入力待機状態において操作者が行った操作が聴音機能の停止操作であるか否かを判定する(ステップS509)。
操作者が聴音機能の停止操作を行うと(ステップS509;Yes)、演算処理回路43aは、運転音の再生を停止させる(ステップS510)。
操作者が聴音機能の停止を選択しなかった場合に(ステップS509;No)、入力内容に応じた処理を行う。ここでは、例えば、操作者が聴音を希望する周波数帯域を変更した場合には、ステップS505に戻る。すなわち、ステップS505において、操作者が聴音を希望する特定の周波数帯域を抽出するフィルタ処理を行い、ステップS506以降の処理を行う。
このように、情報端末装置40aにフィルタ処理部47を設け、演算処理回路43aでFFT解析を行うようにすることで、操作者が所望する周波数帯域での運転音を再生することができる。
以上説明したように、実施形態1に係る振動解析診断システム10は、機械設備1の複数部位の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサ21と、複数の振動センサ21を個別に切り替えて、機械設備1の異常を診断する情報端末装置40,40aと、を備える。
これにより、振動解析処理にかかる負荷を軽減することができる。
また、1つの振動センサ21ごとに設けられ、当該振動センサ21から入力された振動信号の振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する複数の振動分析装置20を備え、情報端末装置40,40aは、複数の振動分析装置20から無線送信された振動分析結果を受信し、機械設備1の複数部位ごとに、振動分析結果に基づき機械設備1の異常を診断する。
上記構成により、機械設備1の各部位の振動分析を各部位ごとに対応した振動分析装置20で行うことができ、機械設備1の異常診断を1つの情報端末装置40,40aで行うことができる。これにより、情報端末装置40,40aにおける処理を軽減することができる。
また、実施形態1に係る振動解析診断方法は、振動解析診断処理を実施する際の初期設定を行うステップと、初期設定において設定された振動センサ21を順次切り替えて、振動解析診断処理を実施するステップと、複数の振動センサ21の振動解析診断処理の結果を、少なくとも振動解析診断処理を実施した日時、診断対象の機械設備、及び測定部位の情報を含むタグとして一覧表示するステップと、一覧表示されたタグが選択されることにより、振動解析診断処理の結果を表示するステップと、を有する。
これにより、複数の振動センサ21を順次切り替えて振動解析診断処理を実施することができるので、振動解析診断処理にかかる負荷を軽減することができる。また、複数の振動センサによる振動解析診断処理結果を、振動解析診断処理を実施した日時、診断対象の機械設備、及び測定部位の情報を含むタグとして一覧表示することで、診断対象の機械設備の保全管理が容易となる。
このように、本実施形態によれば、処理を軽減しつつ機械設備の振動解析診断を行うことができる振動解析診断システム10及び振動解析診断方法が得られる。
(実施形態2)
図22は、実施形態2に係る振動解析診断システムの概略構成を示す模式図である。なお、実施形態2に係る振動解析診断システム10aの概念図については、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、実施形態2に係る振動解析診断システム10aによる振動解析診断機能、及び、各振動解析診断機能における各種処理についても、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図22に示すように、実施形態2に係る振動解析診断システム10aは、複数の振動センサ21aにより検出される振動信号が振動分析装置20aに送信され、複数の振動センサ21aから送信された信号振動の1つを選択して振動分析を行い、分析結果を情報端末装置40に送信する構成である。
複数の振動センサ21aと振動分析装置20との間は、第2通信手段200により振動センサ21aの検出値を示す振動信号の送受信が行われる。本開示において、第2通信手段200は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の無線通信手段である。なお、図22では、第1通信手段100と第2通信手段200とを有する例を示したが、1つの第1通信手段100を複数の振動センサ21aと振動分析装置20との間の通信手段として利用する構成であってもよい。
図23は、実施形態2に係る振動分析装置の構成の一例を示すブロック図である。図24は、無線式の振動センサを示す図である。図24に示すように、振動センサ21aは、振動センサ21aの振動信号を送信するための送信部34を有する無線式の振動センサである。
本実施形態において、振動センサ21aの筐体には、例えば、不図示の雌ねじ部が形成されており、雌ねじ部に螺合する部材に磁石を取り付けることで、振動センサ21aが機械設備1のハウジング15に着脱可能な構成であっても良い。
図23に示すように、振動分析装置20aは、実施形態1の構成に加え、複数の振動センサ21aからの振動信号を受信する受信部33と、受信部33によって受信した複数の振動センサ21aの振動信号を切り替える切替部32とを備える。切替部32は、例えばマルチプレクサで構成することができる。
本実施形態において、演算処理回路23aは、情報端末装置40から送信される振動解析診断機能に応じた各種指令(軸受診断指令、振動値測定指令、簡易診断指令、周波数分析指令、運転音再生指令)に基づき、切替部32を制御する機能を有している。
このように、複数の振動センサ21aからの振動信号を切り替えて振動分析を行う構成とすることにより、振動解析診断システム10aを簡素化することができ、機械設備1の振動解析にかかるコストを削減することができる。
以上説明したように、実施形態2に係る振動解析診断システム10aは、複数の振動センサ21aから送信された振動信号の1つを選択して振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する振動分析装置20aを備え、情報端末装置40は、振動分析装置20aから無線送信された振動分析結果を受信し、振動分析結果に基づき、機械設備1の異常を診断する。
上記構成により、複数の振動センサ21aから送信された振動信号の1つを選択して振動分析を行う構成とすることができる。これにより、振動解析診断システム10aを簡素化することができ、機械設備1の振動解析にかかるコストを削減することができる。
(実施形態3)
図25は、実施形態3に係る振動解析診断システムの概略構成を示す模式図である。なお、実施形態3に係る振動解析診断システム10bの概念図については、実施形態1及び2と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、実施形態3に係る振動解析診断システム10bによる振動解析診断機能、及び、各振動解析診断機能における各種処理についても、実施形態1及び2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図25に示すように、実施形態3に係る振動解析診断システム10bは、複数の振動センサ21bにより検出される振動信号が振動分析装置20bに入力され、複数の振動センサ21bから入力された信号振動の1つを選択して振動分析を行い、分析結果を情報端末装置40に送信する構成である。
複数の振動センサ21bは、例えば、圧電式プリアンプ内蔵型加速度センサ等で構成される有線式の振動センサである。
本実施形態において、振動センサ21bの筐体には、例えば、不図示の雌ねじ部が形成されており、雌ねじ部に螺合する部材に磁石を取り付けることで、振動センサ21bが機械設備1のハウジング15に着脱可能な構成であっても良い。
図26は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の一例を示すブロック図である。図26に示すように、振動分析装置20bは、実施形態1の構成に加え、複数の振動センサ21bから入力される振動信号を切り替える切替部32を備える。切替部32は、実施形態2と同様に、例えばマルチプレクサで構成することができる。
本実施形態において、演算処理回路23aは、実施形態2と同様に、情報端末装置40から送信される振動解析診断機能に応じた各種指令(軸受診断指令、振動値測定指令、簡易診断指令、周波数分析指令、運転音再生指令)に基づき、切替部32を制御する機能を有している。
このように、複数の振動センサ21bからの振動信号を切り替えて振動分析を行う構成とすることにより、振動解析診断システム10bを簡素化することができ、機械設備1の振動解析にかかるコストを削減することができる。
また、有線式の振動センサ21bを用いることで、振動分析装置20bの構成を簡素化することができ、実施形態2よりも機械設備1の振動解析にかかるコストを削減することができる。
図27は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の第1変形例を示すブロック図である。図28は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の第2変形例を示すブロック図である。図29は、実施形態3に係る振動分析装置の構成の第3変形例を示すブロック図である。
図27に示すように、切替部32を有する切替装置50が振動分析装置20cから独立した構成であってもよい。この場合には、図27に示すように、電源31から切替装置50に電力を供給する構成であってもよいし、切替装置50が独立した電源を有する構成であってもよい。
また、図28に示すように、振動センサ21bの出力を増幅して出力する増幅器61を有する増幅装置60を振動分析装置20dから独立して設けた構成であってもよい。この場合には、図28に示すように、電源31から増幅装置60に電力を供給する構成であってもよいし、増幅装置60が独立した電源を有する構成であってもよい。増幅器61の出力は、端子部62を介して、例えば、ICレコーダ等に出力することができる。
また、図29に示すように、振動分析装置20eが切替部32及び増幅器61を含む構成であってもよい。
以上説明したように、実施形態3に係る振動解析診断システム10bは、複数の振動センサ21bから入力された検出値を切り替えて振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する振動分析装置20bを備え、情報端末装置40は、振動分析装置20bから無線送信された振動分析結果に基づき、機械設備1の複数部位ごとに、機械設備1の異常を診断する。
上記構成により、実施形態2と同様に、複数の振動センサ21bからの振動信号を切り替えて振動分析を行う構成とすることができる。これにより、実施形態2と同様に、振動解析診断システム10bを簡素化することができ、機械設備1の振動解析にかかるコストを削減することができる。
また、有線式の振動センサ21bを用いることで、振動分析装置20bの構成を簡素化することができる。これにより、実施形態2よりも機械設備1の振動解析にかかるコストを削減することができる。
なお、上述した実施形態では、初期設定手順で設定した各振動センサ21に対し、順次、本実施形態に係る振動解析診断システム10における振動解析診断処理を実施する例を示したが、例えば、診断対象となる振動センサを所定時間ごとにタイマーで切り替え、振動解析診断処理を実施する態様であってもよい。
また、上述した実施形態では、振動センサ21により検出された振動信号(アナログ信号)について説明したが、振動信号(アナログ信号)に限定せず、アナログ電圧信号全般の入力に対して演算処理を行うことができる。例えば、過去に採取した音もしくは振動信号を入力することにより、振動解析や軸受診断を行うことができる。また、周波数発振器からの出力信号を情報端末装置40に直接入力することで、上述した振動解析診断機能において、故障の有無をFFT波形や時間波形から確認することができる。
1 機械設備
2 初期画面
3 ユーティリティ画面
4−1,4−2,4−3,4−4 診断条件設定画面
5 診断処理終了画面
6 保存データ表示画面
7 振動解析診断処理結果表示画面
10,10a,10b 振動解析診断システム
11 軸受(転がり軸受)
12 外輪
13 内輪
14 転動体
20,20a,20b,20c,20d,20e 振動分析装置
21,21a,21b 振動センサ
22 フィルタ処理部
23 演算処理回路
24 内部メモリ
26 送受信部
27 HPフィルタ
28 増幅器
29 AAフィルタ
30 A/D変換回路
31 電源
32 切替部
33 受信部
34 送信部
40,40a 情報端末装置
42 送受信部
43 演算処理回路
44 内部メモリ
45 表示操作部(表示部)
46 スピーカ
47 フィルタ処理部
50 切替装置
60 増幅装置
61 増幅器
62 端子部
100 第1通信手段
200 第2通信手段
201 診断条件読み込みボタン
202 診断開始ボタン
203 ユーティリティボタン
204 終了ボタン
301 診断条件設定ボタン
302 保存データ読み出しボタン
303 データ送信ボタン
304 測定点情報更新ボタン
305 戻るボタン
401−1 基本設定ウィンドウ
401−2 軸受設定ウィンドウ
401−3 測定条件設定ウィンドウ
401−4 判定条件設定ウィンドウ
402 保存ボタン
403 取り消しボタン
501−1,501−2,501−3 簡易診断結果
502 再測定(個別CH)ボタン
503 再測定(全CH)ボタン
504 選択ボタン
601 保存データ表示ウィンドウ
602 表示ボタン
603 削除ボタン
604 編集ボタン
701 振動解析診断処理結果表示ウィンドウ
702−1,702−2,702−3,702−4 振動解析診断機能ボタン
Sb 転動体傷成分(損傷周波数)
Si 内輪傷成分(損傷周波数)
So 外輪傷成分(損傷周波数)

Claims (12)

  1. 機械設備の複数部位の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサと、
    複数の前記振動センサを個別に切り替えて、前記機械設備の異常を診断する情報端末装置と、
    を備える
    振動解析診断システム。
  2. 1つの前記振動センサに対応して設けられ、当該振動センサから入力された振動信号の振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する複数の振動分析装置を備え、
    前記情報端末装置は、
    複数の前記振動分析装置から無線送信された振動分析結果を受信し、前記機械設備の複数部位ごとに、前記振動分析結果に基づき前記機械設備の異常を診断する
    請求項1に記載の振動解析診断システム。
  3. 複数の前記振動センサから送信された振動信号の1つを選択して振動分析を行い、振動分析結果を無線送信する振動分析装置を備え、
    前記情報端末装置は、
    前記振動分析装置から無線送信された振動分析結果を受信し、前記振動分析結果に基づき、前記機械設備の異常を診断する
    請求項1に記載の振動解析診断システム。
  4. 前記振動センサは、前記振動信号を無線送信する
    請求項3に記載の振動解析診断システム。
  5. 前記振動センサは、前記振動信号を有線送信する
    請求項3に記載の振動解析診断システム。
  6. 前記振動分析装置は、
    前記振動センサにより検出された信号の波形から所定の周波数帯域を抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部で得られたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを得る演算処理回路と、
    を備える
    請求項2から5の何れか一項に記載の振動解析診断システム。
  7. 前記情報端末装置は、
    前記振動分析装置から送信された前記スペクトルデータに含まれる周波数成分と、前記機械設備の損傷に起因する損傷周波数と、を比較し、前記機械設備の異常を診断する診断部と、
    前記診断部が診断した診断結果を出力する表示部と、
    を備える
    請求項6に記載の振動解析診断システム。
  8. 前記情報端末装置は、
    前記機械設備の損傷に起因する損傷周波数を、前記機械設備の部位の所定の回転速度を基に換算した換算損傷周波数として保存するデータベースを備え、
    前記損傷周波数は、前記データベースの換算損傷周波数を、前記機械設備の部位の実際の回転速度を用いて計算することで与えられる
    請求項7に記載の振動解析診断システム。
  9. 前記データベースに保存された前記換算損傷周波数は、
    複数の名番の前記機械設備の部位ごとに、前記損傷周波数を与える所定の関係式に対して、前記名番の前記機械設備の部位の諸元と、前記機械設備の部位の所定の回転速度を基に算出されたものであり、
    前記損傷周波数は、
    前記データベースの該名番に対応する前記換算損傷周波数を、前記機械設備の部位の実際の回転速度を用いて計算することで与えられる
    請求項8に記載の振動解析診断システム。
  10. 前記情報端末装置は、
    前記機械設備の部位の名番を入力又は選択する表示操作部をさらに備え、
    前記入力又は選択された前記名番に対応する前記換算損傷周波数が前記データベースにある場合には、前記損傷周波数は、前記データベースの前記名番に対応する前記換算損傷周波数を、前記機械設備の部位の実際の回転速度を用いて計算することで与えられ、
    前記入力又は選択された前記名番に対応する前記換算損傷周波数が前記データベースにない場合には、前記損傷周波数は、前記損傷周波数を与える所定の関係式に対して、前記表示操作部から直接入力された前記機械設備の部位の諸元と、前記機械設備の部位の実際の回転速度とを基に算出されるか、または、前記表示操作部から直接入力された前記換算損傷周波数と、前記機械設備の部位の実際の回転速度とを基に算出される
    請求項9に記載の振動解析診断システム。
  11. 前記機械設備の部位は、軸受であり、
    前記データベースは、
    前記軸受の内輪、外輪、及び転動体の損傷に起因する軸受損傷周波数を、前記軸受の所定の回転速度を元に換算した換算軸受損傷周波数として保存し、
    前記軸受損傷周波数は、
    前記データベースの換算軸受損傷周波数を、前記軸受の実際の回転速度を用いて計算することで与えられる
    請求項8から10の何れか一項に記載の振動解析診断システム。
  12. 機械設備の複数部位の振動をそれぞれ検出する複数の振動センサから出力される振動信号に基づき、前記機械設備の異常を診断する振動解析診断処理を実施する振動解析診断方法であって、
    前記振動解析診断処理を実施する際の初期設定を行うステップと、
    前記初期設定において設定された前記振動センサを順次切り替えて、前記振動解析診断処理を実施するステップと、
    複数の前記振動センサの前記振動解析診断処理の結果を、少なくとも前記振動解析診断処理を実施した日時、診断対象の機械設備、及び測定部位の情報を含むタグとして一覧表示するステップと、
    前記一覧表示されたタグが選択されることにより、前記振動解析診断処理の結果を表示するステップと、
    を有する
    振動解析診断方法。
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