JP7264318B2 - 振動診断装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、より簡単にかつ効率的に正確な振動解析を行うことができる振動診断装置を提供することを目的とする。
前記情報端末装置は、前記診断対象の損傷に起因するパルス周波数を、前記診断対象の所定の回転速度を元に換算した損傷周波数として保存するデータベースを備え、前記損傷周波数は、前記データベースのパルス周波数を、前記診断対象の実際の回転速度を用いて計算することで与えられてもよい。
前記診断部は、前記振動診断装置の演算処理部によるエンベロープ処理により得られたFFTスペクトルに基づき、軸受呼び番号、回転輪の回転数、軸受損傷を診断する判定レベルを変更して再診断してもよい。
また、前記振動診断装置の内部メモリに保存した、振動センサで取得した振動信号をAD変換したデータを呼び出して、フィルタ処理や解析処理を変更して算出したエンベロープ処理後のFFTスペクトルを適用してもよい。
前記出力部は、画像表示部と音声出力部の少なくとも一方を含むことができる。
なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で変更及び修正等をすることが可能である。
図1~図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は第1実施形態に係る機械部品診断システム100のブロック図である。機械部品診断システム100は、サーバ10と振動診断装置20と情報端末装置40を有する。機械部品診断システム100は機械部品の診断を行うシステムである。本実施形態では、診断対象(機械部品)の例として転がり軸受11を説明する。振動診断装置20は、複数のモード(軸受損傷診断、振動値測定、簡易診断、周波数分析など)のいずれかで動作できるとする。
例えば、振動センサ21が取り付けられる振動診断装置20の先端部には、不図示の雌ねじ部が形成されており、雌ねじ部に螺合する部材に磁石を取り付けることで、振動診断装置20をハウジング15に固定してもよい。
情報端末装置40は、インターネットを介してアプリケーションプログラムをインストールしたり、アプリケーションプログラムをアップデートすることができる。符号42aはアンテナである。情報端末装置40は、当該アプリケーションプログラムを利用することにより、振動診断装置20から受信した各種データに基づき、振動値表示、波形表示、軸受損傷解析、判定結果表示、判定結果の保存、振動データから音への変換、当該音の再生をすることができる。
送受信部42は、振動診断装置20との間で各種データの送受信を行う。例えば、送受信部42は、振動診断装置20へ動作指令を送信する。また、送受信部42は、スペクトルデータや振動測定結果を振動診断装置20から受信する。
演算処理部43は、振動診断装置20の送受信部26から受信したスペクトルデータに基づいて、第1内部メモリ44に記憶された損傷に起因したパルス周波数などのデータベース44aを参照しながら、転がり軸受11の損傷の有無、及び損傷部位を診断する。
転がり軸受11の呼び番号入力は情報端末装置40の表示操作部45の画面に表示される一覧表から選択してもよく、個別に手動入力することもできる。なお、呼び番号が登録されていない転がり軸受11については、所定の回転速度における部品ごとの換算周波数を入力することで、演算処理部43によって図2の表50に示された所定の関係式を用いて、転がり軸受11の部品ごとの損傷に起因するパルス周波数が計算される。
尚、情報処理装置40の第1内部メモリ44及び第2内部メモリ47に保存されるデータは、サーバ10またはその他の装置(例えば、ホストコンピュータ)などに保存してもよい。
操作者は振動診断装置20の電源31のスイッチをONにすると共に、情報端末装置40の表示操作部45の入力画面から、測定メニューを選択する(ステップS1)。測定メニューとして、軸受損傷診断機能、振動値測定機能、簡易診断機能、周波数分析機能、時間波形分析機能、データ保存と表示機能の各機能が入力画面に表示されるとする。
振動値測定機能は、振動の変位、速度、加速度などの実効値、ピーク値、波高率を測定する。
簡易診断機能は、検出された振動の変位、速度、加速度などの実効値、ピーク値を、予め設定した判定値と比較して、回転部の異常の有無を簡易的に診断する。
周波数分析機能は、振動信号を周波数分析したFFTスペクトルを表示する。
時間波形分析機能は、振動信号の時間領域波形を表示する。
データ保存と表示機能は、軸受損傷診断、振動値測定、周波数分析、時間波形分析の一連の測定結果の保存と表示を行う。
機械部品診断システム100において軸受損傷診断機能(軸受損傷診断モード)が選択されると、図3に示すようにステップS1において診断すべき軸受の呼び番号、回転輪の回転数、損傷の判定レベルなどを選択して入力し、第1内部メモリ44から記憶されている軸受の呼び番号に対応する損傷に起因したパルス周波数などの各種情報を呼び出して設定し診断開始を指示する(ステップS2)。
そして、演算処理部23がフィルタ処理部22で抽出された周波数帯域に対して周波数分析を行い、FFTスペクトル波形を生成する(ステップS5)か、あるいは、絶対値検波処理やエンベロープ処理を行った後に周波数分析を行い、エンベロープFFTスペクトルを生成する(ステップS6)。
周波数スペクトルは、スペクトルデータとして振動診断装置20の送受信部26から情報端末装置40に送信される。情報端末装置40に送信されるデータは、振動センサ21で検出された時間波形信号をFFT処理したスペクトルデータであるので、時間波形を情報端末装置40に送信する場合に比べて送信するデータ量が大幅に削減されている。このため、データの転送時間が短くなり通信時間が短縮される。
さらに、内部メモリ24に保存した振動センサ21で取得した振動信号を呼び出して(ステップS3‘)、ステップS4以降の処理を実行することもできる。
ステップS1において、振動診断装置20による振動値測定/簡易診断機能(振動値測定/簡易診断モード)が選択されると、図4に示すように、振動値測定/簡易診断の動作指令が、情報端末装置40の送受信部42を介して診断装置20に送信されて、振動センサ21が転がり軸受11の振動の時間波形を取得する(ステップS3)。
次いで、演算処理部23が、簡易診断機能で判定に使用される判定パラメータである振動値を算出する(ステップS10)。判定パラメータとして、振動の加速度や速度の実効値(RMS)、ピーク値(PEAK)、波高率(CF)、及び変位のP-P値の少なくとも一つの振動値が算出される。P-PはPeak-to-Peakの略であり、P-P値は振動の時間波形における両振幅値を示している。
振動値の判定結果は、振動診断装置20の送受信部26を介して情報端末装置40に送信され、表示操作部45が判定結果をカラー表示する(ステップS12)。
このように、振動値測定/簡易診断モードでは、演算処理部23は、振動センサ21により検出された信号の波形から得られる少なくとも一つの振動の基本統計量を算出し、診断対象(転がり軸受11)の異常の有無を診断する。
ステップS1において、機械部品診断システム100による周波数分析機能(周波数分析モード)が選択されると、図5に示すように、周波数分析の動作指令が、情報端末装置40の送受信部42を介して振動診断装置20に送信される。振動診断装置20は、情報端末装置40から受信した指令信号に基づいて作動して、振動センサ21が振動の時間波形を取得する(ステップS3)。
取得された振動の時間波形は、フィルタ処理部22によりフィルタ処理され(ステップS4)、特定の周波数帯域が抽出される。そして、演算処理部23が、フィルタ処理部22で算出された特定の周波数帯域における、振動信号の周波数分析を行う(ステップS5)。演算処理部23は、振動信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部であり、FFTアルゴリズムに基づいてFFTスペクトルを算出する。なお、FFT波形には、指数平均を用いて、平均化処理が行われている。また、エンベロープ処理を選択的に実行可能である。
以上説明したように、本実施形態の無線型振動診断装置20によれば、振動センサ21が転がり軸受11(機械部品)の振動を検出し、フィルタ処理部22が振動信号の波形から所定の周波数帯域を抽出し、演算処理部23がフィルタ処理後の波形を周波数分析してスペクトルデータを取得し、送受信部26がスペクトルデータを情報端末装置40に送信し、情報端末装置40が転がり軸受11の振動を診断するので、振動診断装置20から情報端末装置40に送信するデータ量を削減して、データの転送時間を短縮することができる。また、データの転送時間を短縮できることで、振動診断装置20の消費電力も低減することができる。
さらに、内部メモリ24に保存した振動センサ21で取得した振動信号を呼び出して、ステップS4以降の処理を実行することもできる。
従って、本実施形態によれば、より簡単にかつ効率的に正確な振動診断及び振動解析を行うことができる。
上記した実施形態では、情報端末装置40の第1内部メモリ44と第2内部メモリ47は別々のメモリ(記憶部)として示されているが、第1内部メモリ44と第2内部メモリ47を統合して1つのメモリとしてもよい。
(1)軸受損傷解析の判定レベルを変更できる。
(2)振動センサで検出した振動データを内部メモリから呼び出し、上記(1)の他に解析条件を変更して再診断できる。
本実施形態による解析診断装置では、振動を1回測定すれば、その振動データに基づき各種条件を変更して再解析や損傷診断をすることができるので、確実でかつ効率的な回転設備の保全検査を提供できる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る機械部品診断システム100Aの構成を示すブロック図である。第1実施形態と同様な構成には同じ参照符号を付けて、説明を省略する。
図6に示すように、機械部品診断システム100Aは、無線型振動診断装置20と、情報端末装置40Aと、を備える。本実施形態では、第1実施形態で説明した転がり軸受11の診断に加え、転がり軸受11の運転音をスピーカ46によって再生する。転がり軸受11の運転音をスピーカ46によって再生する機能を聴音機能と称する。このため、第2実施形態では、診断メニューに聴音機能が追加される。スピーカ46は運転音を出力するので、出力部と称してもよい。
次に、本実施形態の機械部品診断システム100Aによる処理手順について説明する。振動診断装置20Aは、複数のモード(軸受損傷診断、振動値測定、簡易診断、周波数分析、聴音など)のいずれかで動作できるとする。軸受損傷診断、振動値測定、簡易診断、周波数分析については、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
図7は、選択メニューで聴音が選択された場合の機械部品診断システム100Aが実行する処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、第2実施形態では、ステップS1において、機械部品診断システム100Aによる聴音機能が選択されると、聴音の動作指令が情報端末装置40Aの送受信部42を介して振動診断装置20に送信される。
取得された振動の時間波形(データ)は、振動診断装置20の送受信部26を介して情報端末装置40Aに送信される。受信された振動の時間波形(データ)は、当該時間波形データの繰り返し使用を可能とするため、第1内部メモリ44に保存される(ステップS20)。
特に、情報端末装置40Aにフィルタ処理部49を設け、演算処理部43でFFT解析を行うようにすることで、複数の周波数帯域での運転音を再生・出力することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態の機械部品診断システム100と同様である。
また、無線型振動診断装置20に設置されたUSB端子は、上述したように、外部から電源31を充電する機能に加え、時間波形やスペクトルデータを有線で情報端末装置40(40A)へ送信するようにしてもよい。
前記複数の設備ごとに前記振動の時間経過の傾向を管理すること、
前記スペクトルデータ及び前記波形の信号を表示すること、
診断部43aの診断結果を表示すること、
演算処理部23の診断による異常の有無を表示すること、
軸受13の軸受呼び番号及び回転輪の回転数を変更すると共に、診断部43aの軸受損傷診断レベルを変更して、診断部43aに再診断をさせること、
前記複数の設備を診断する際の巡回ルートの設定を行うこと、
前記傾向の管理、前記波形の信号の表示、前記診断結果の表示、前記異常の有無の表示、前記軸受呼び番号、回転輪の回転数、異常診断レベル及び巡回ルートの報告を自動作成すること、を実行してよい。
なお、上記において特定の実施形態が説明されているが、当該実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定する意図はない。本明細書に記載された装置及び方法は上記した以外の形態において具現化することができる。また、本発明の範囲から離れることなく、上記した実施形態に対して適宜、省略、置換及び変更をなすこともできる。かかる省略、置換及び変更をなした形態は、請求の範囲に記載されたもの及びこれらの均等物の範疇に含まれ、本発明の技術的範囲に属する。
Claims (5)
- 情報端末装置と、
前記情報端末装置からの入力信号に基づいて診断対象の振動を診断する振動診断装置と、
を備える診断システムであって、
前記振動診断装置は、
前記診断対象の振動を検出する振動センサと、
前記振動センサにより検出された信号の波形から所定の周波数帯域を抽出するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部で得られたフィルタ処理後の波形を周波数分析し、スペクトルデータを生成する演算処理部と、
を有し、
前記演算処理部は、前記入力信号に基づいて、前記スペクトルデータを生成しない場合、前記振動センサにより検出された信号の波形から得られる少なくとも一つの振動の基本統計量を算出し、前記診断対象の異常の有無を診断し、
前記情報端末装置は、
前記振動診断装置との間で信号を送受信する通信部と、
前記振動診断装置から送信された前記スペクトルデータに含まれる周波数成分と、前記診断対象の損傷に起因する損傷周波数とを比較し、前記診断対象の異常を診断する診断部と、
前記診断部が診断した診断結果を出力する出力部と、
前記診断対象の損傷に起因する損傷周波数を保存するデータベースと、
前記振動診断装置の演算処理部により生成されたスペクトルデータを保存する記憶部と、
を備え、
前記診断対象は軸受であり、前記データベースは、前記軸受の内輪、外輪、転動体、の損傷に起因する振動パルス周波数を、前記軸受の所定の回転速度を元に換算した軸受損傷周波数として保存し、
前記診断部は、軸受呼び番号、回転輪の回転数、軸受損傷を診断する判定レベルをそれぞれ変更して再診断を行う場合、前記記憶部に保存されたスペクトルデータを用いることを特徴とする診断システム。 - 前記情報端末装置は、前記診断部が前記診断対象の異常を診断する場合、前記振動診断装置の前記演算処理部に対して、前記診断対象の異常の有無を診断させない設定を行うための入力信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
- 前記振動診断装置の内部メモリに保存した振動センサで取得した振動信号をAD変換したデータを呼び出して、フィルタ処理、もしくは解析処理、又はその両方を変更して算出したエンベロープ処理後のFFTスペクトルに適用できる請求項1に記載の診断システム。
- 前記出力部は、画像表示部と音声出力部の少なくとも一方を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の診断システム。
- 前記診断システムは複数の設備にそれぞれ設けられた前記診断対象を診断するシステムであって、
前記診断システムは管理ソフトウェアをインストールした外部端末器をさらに有し、
前記外部端末器は、前記情報端末装置から前記波形の信号、前記スペクトルデータ、前記演算処理部の診断結果及び前記診断部の診断結果を取得して、
前記複数の設備ごとに前記振動の時間経過の傾向を管理すること、
前記スペクトルデータ及び前記波形の信号を表示すること、
前記診断部の診断結果を表示すること、
前記演算処理部の診断による異常の有無を表示すること、
前記軸受の軸受呼び番号及び回転輪の回転数を変更すると共に、前記診断部の軸受損傷診断レベルを変更して、前記診断部に再診断をさせること、
前記複数の設備を診断する際の巡回ルートの設定を行うこと、
前記傾向の管理、前記波形の信号の表示、前記診断結果の表示、前記異常の有無の表示、前記軸受呼び番号、回転輪の回転数、異常診断レベル及び巡回ルートの報告を自動作成することができることを特徴とする請求項4に記載の診断システム。
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