JP2020070738A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディザ制御処理の実行によって燃焼状態や排気特性の悪化をもたらすことなどを抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】三元触媒の昇温要求が生じる場合、噴射量補正要求値αが「0」よりも大きい値とされ、気筒#1〜#4のうちの1つの気筒#w(w=1〜4)を、理論空燃比よりもリッチとするリッチ燃焼気筒とし、残りの気筒#x,#y,#z(x,y,z=1〜4)を、理論空燃比よりもリーンとするリーン燃焼気筒とするディザ制御を実行する。噴射弁操作処理M46は、吸気行程後半の燃料噴射を実行する際にディザ制御を実行する場合には、リッチ燃焼気筒の燃料噴射開始時期を進角させる。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の気筒から排出された排気を浄化する排気浄化装置と、前記複数の気筒毎に燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御対象とする内燃機関の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1にみられるように、内燃機関の複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、残りの気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とするディザ制御処理を実行する制御装置が記載されている。
特開2016−169665号公報
ところで、ディザ制御処理を実行する場合、ディザ制御処理を実行しない場合に対して噴射期間が変化する。そのため、ディザ制御処理を実行する場合には、実行しない場合に様々な要求要素を満たすべく設定された噴射時期に対してずれが生じる結果、燃焼状態や排気特性の悪化をもたらす等、要求要素を十分に満たすことができなくなる懸念がある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.内燃機関の制御装置は、複数の気筒から排出された排気を浄化する排気浄化装置と、前記複数の気筒毎に燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御対象とし、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とすべく、前記燃料噴射弁を操作するディザ制御処理と、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射期間が吸気行程の後半の期間を含む場合、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射開始時期を進角させる進角処理と、を実行する。
吸気行程後半の燃料噴射は、噴射終了時期が過度に遅角すると、シリンダ内壁面への燃料の付着によって潤滑油の希釈につながるおそれがある。そのため、ディザ制御処理によってリッチ燃焼気筒の噴射期間が伸長する場合、噴射終了時期が過度に遅角されることによって、潤滑油の希釈につながるおそれがある。そこで上記構成では、リッチ燃焼気筒に対応する燃料の噴射開始時期を進角させることにより、リッチ燃焼気筒に対応する燃料の噴射終了時期が過度に遅角側となることを抑制する。これにより、潤滑油の希釈が生じることを抑制できる。
2.前記進角処理は、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射終了時期が遅角限界よりも遅角側であるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理によって前記遅角側であると判定される場合に、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射開始時期を進角させる処理と、を含む上記1記載の内燃機関の制御装置である。
上記構成では、進角処理を実行しない場合の噴射終了時期が遅角限界よりも遅角側であると判定処理によって判定される場合にリッチ燃焼気筒における燃料の噴射開始時期を進角させることにより、進角処理の実行を必要最小限とすることができる。
3.前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射期間が吸気行程の前半の期間を含む場合、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を遅角させる遅角処理を実行する上記1または2記載の内燃機関の制御装置である。
吸気行程前半の燃料噴射は、噴射した燃料がピストン頂面に付着し、粒子状物質(PM)の発生を招くおそれがある。そのため、ディザ制御処理によってリッチ燃焼気筒の噴射期間が伸長する場合、噴射開始時期が過度に進角されることによって、PMの発生を招くおそれがある。そこで上記構成では、吸気行程の前半の噴射の場合にリッチ燃焼気筒における噴射終了時期を遅角させることにより、遅角させない場合と比較して、噴射開始時期が進角側となることを抑制できる。このため、PMの発生を抑制できる。
4.前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射期間が吸気行程の前半の期間を含む場合、前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を進角させる進角処理を実行する上記3記載の内燃機関の制御装置である。
リーン燃焼気筒においては、ディザ制御処理を実行しない場合と比較して噴射期間が短くなる。そのため、上記構成では、進角処理を実行することによって、進角処理を実行しない場合と比較して、ディザ制御処理を実行する場合の噴射開始時期をディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期に近づけることができる。
5.前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射期間が圧縮行程の前半の期間を含む場合、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を遅角させる遅角処理を実行する上記1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置である。
圧縮行程前半の燃料噴射は、噴射した燃料がピストン頂面に付着し、粒子状物質(PM)の発生を招くおそれがある。そのため、ディザ制御処理によってリッチ燃焼気筒の噴射期間が伸長する場合、噴射開始時期が過度に進角されることによって、PMの発生を招くおそれがある。そこで上記構成では、圧縮行程の前半の噴射の場合にリッチ燃焼気筒における噴射終了時期を遅角させることにより、遅角させない場合と比較して、噴射開始時期が進角側となることを抑制できる。このため、PMの発生を抑制できる。
6.前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射期間が圧縮行程の前半の期間を含む場合、前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を進角させる進角処理を実行する上記5記載の内燃機関の制御装置である。
リーン燃焼気筒においては、ディザ制御処理を実行しない場合と比較して噴射期間が短くなる。そのため、上記構成では、進角処理を実行することによって、進角処理を実行しない場合と比較して、ディザ制御処理を実行する場合の噴射開始時期をディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期に近づけることができる。
7.空燃比を目標空燃比に制御するための1燃焼サイクル当たりの要求噴射量を算出する要求噴射量算出処理と、前記内燃機関の動作点に応じて、1燃焼サイクル当たりの噴射回数を設定する噴射回数設定処理と、を実行し、前記ディザ制御処理は、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とすべく、1燃焼サイクルにおいて前記一部の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して増量し前記別の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して減量するように前記燃料噴射弁を操作する処理であり、前記噴射回数が複数回の噴射は、吸気行程における噴射と圧縮行程における噴射とを含む上記1〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置である。
一実施形態にかかる制御装置および内燃機関を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理を示すブロック図。 (a)〜(c)は、本実施形態にかかる噴射パターンを例示するタイムチャート。 同実施形態にかかる噴射時期の設定処理の手順を示す流れ図。
以下、本実施形態にかかる内燃機関の制御装置の一実施形態について説明する。
図1に示す内燃機関10において、吸気通路12から吸入された空気は、各気筒の燃焼室14に流入する。燃焼室14には、燃料を噴射する燃料噴射弁16と、火花放電を生じさせる点火装置18とが設けられている。燃焼室14において、空気と燃料との混合気は、燃焼に供され、燃焼に供された混合気は、排気として、排気通路20に排出される。排気通路20には、酸素吸蔵能力を有した三元触媒22が設けられている。
制御装置30は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量(トルク、排気成分比率等)を制御するために、燃料噴射弁16や、点火装置18等の内燃機関10の操作部を操作する。すなわち制御装置30は、燃料噴射弁16および点火装置18のそれぞれに操作信号MS1,MS2を出力することによってそれら操作部を操作する。この際、制御装置30は、三元触媒22の上流側の空燃比センサ40によって検出される空燃比Afや、クランク角センサ42の出力信号Scr、エアフローメータ44によって検出される吸入空気量Gaを参照する。また、CPU32は、水温センサ46によって検出される内燃機関10の冷却水の温度(水温THW)や、油温センサ48によって検出される内燃機関10の潤滑油の温度(油温Toil)を参照する。制御装置30は、CPU32、ROM34、および周辺回路36を備えており、それらが通信線38を介して互いに接続されている。ここで、周辺回路36は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路、リセット回路等を含む。
図2に、制御装置30が実行する処理の一部を示す。図2に示す処理は、ROM34に記憶されたプログラムをCPU32が実行することにより実現される。
ベース噴射量算出処理M10は、充填効率ηに基づき、燃焼室14内の混合気の空燃比を目標空燃比とするための燃料量のベース値であるベース噴射量Qbを算出する処理である。詳しくは、ベース噴射量算出処理M10は、たとえば充填効率ηが百分率で表現される場合、空燃比を目標空燃比とするための充填効率ηの1%当たりの燃料量QTHに、充填効率ηを乗算することによりベース噴射量Qbを算出する処理とすればよい。ベース噴射量Qbは、燃焼室14内に充填される空気量に基づき、空燃比を目標空燃比に制御するために算出された燃料量である。ちなみに、目標空燃比は、たとえば理論空燃比とすればよい。なお、充填効率ηは、燃焼室14内に充填される空気量を示すパラメータであり、CPU32により、吸入空気量Gaおよび回転速度NEに基づき算出される。なお、回転速度NEは、CPU32により、クランク角センサ42の出力信号Scrに基づき算出される。
フィードバック処理M12は、フィードバック制御量である空燃比Afを目標値Af*にフィードバック制御するための操作量である補正比率δに「1」を加算したフィードバック補正係数KAFを算出する処理である。フィードバック補正係数KAFは、ベース噴射量Qbの補正係数である。ここで、補正比率δが「0」である場合、ベース噴射量Qbの補正比率は、ゼロである。また、補正比率δが「0」よりも大きい場合、ベース噴射量Qbを増量補正し、補正比率δが「0」よりも小さい場合、ベース噴射量Qbを減量補正する。本実施形態では、目標値Af*と空燃比Afとの差を入力とする比例要素および微分要素の各出力値の和と同差に応じた値の積算値を出力する積分要素の出力値との和を補正比率δとする。
要求噴射量算出処理M14は、ベース噴射量Qbにフィードバック補正係数KAFを乗算することによってベース噴射量Qbを補正し、要求噴射量Qdを算出する処理である。
噴射回数設定処理M20は、回転速度NEおよび充填効率ηによって規定される内燃機関10の動作点に基づき、要求噴射量Qdの燃料を噴射する回数(噴射回数)を設定する処理である。本実施形態では、噴射回数が1回または2回とされる。噴射回数設定処理M20では、1回目の噴射量の要求噴射量Qdに対する比率(分割比率K)によって、噴射回数を規定する。すなわち、分割比率Kは、「0」よりも大きく且つ「1」以下の値であり、分割比率Kが「1」の場合、噴射回数が1回となり、分割比率Kが「1」未満の場合、噴射回数が2回となる。
詳しくは、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし分割比率Kを出力変数とするマップデータをROM34に記憶しておき、CPU32により分割比率Kをマップ演算する。なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とし、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
分割後第1噴射量算出処理M22は、要求噴射量Qdに分割比率Kを乗算することによって、1回目の噴射量(分割後第1噴射量)を算出する処理である。分割後第2噴射量算出処理M24は、要求噴射量Qdに「1−K」を乗算することによって、2回目の噴射量(分割後第2噴射量)を算出する処理である。
要求値出力処理M30は、クランク軸が2回転する期間において燃焼対象となる混合気である気筒#1〜#4のそれぞれにおける混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比としつつも、燃焼対象とする混合気の空燃比を気筒間で異ならせるディザ制御の噴射量補正要求値αを算出して出力する処理である。ここで、本実施形態にかかるディザ制御では、第1の気筒#1〜第4の気筒#4のうちの1つの気筒を、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチとするリッチ燃焼気筒とし、残りの3つの気筒を、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンとするリーン燃焼気筒とする。そして、リッチ燃焼気筒における噴射量を、上記要求噴射量Qdの「1+α」倍とし、リーン燃焼気筒における噴射量を、要求噴射量Qdの「1−(α/3)」倍とする。これにより、以下の2つの値(ア)および値(イ)が等しくなる。
値(ア):リッチ燃焼気筒における要求噴射量Qdに対する増量比率(ここでは、「α」)の、クランク軸が2回転する期間におけるリッチ燃焼気筒の燃焼行程の出現回数(ここでは、1回)分の和(ここでは、「α」自体)。
値(イ):リーン燃焼気筒における要求噴射量Qdに対する減量比率(ここでは、「α/3」)の、クランク軸が2回転する期間におけるリーン燃焼気筒の燃焼行程の出現回数(ここでは、3回)分の和(ここでは、「α」自体)。
値(ア)と値(イ)とを等しくすることにより、1燃焼サイクルにおいて気筒#1〜#4のそれぞれに充填される空気量が同一であるなら、内燃機関10の気筒#1〜#4のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比を目標空燃比と同一とすることができる。
三元触媒22の暖機要求が生じる場合や、三元触媒22に堆積した硫黄の被毒回復処理の実行要求が生じる場合、要求値出力処理M30により、噴射量補正要求値αがゼロよりも大きい値とされる。ここで、三元触媒22の暖機要求は、内燃機関10の始動からの吸入空気量Gaの積算値InGaが第1規定値Inth1以上である旨の条件(c1)と、積算値InGaが第2規定値Inth2(>Inth1)以下であって且つ水温THWが所定温度THWth以下である旨の条件(c2)との論理積が真である場合に生じるものとする。なお、条件(c1)は、三元触媒22の上流側の端部の温度が活性温度となっていると判定される条件である。また、条件(c2)は、三元触媒22の全体が未だ活性状態とはなっていないと判定される条件である。一方、硫黄被毒回復処理の実行要求は、三元触媒22の硫黄被毒量が予め定められた値以上となる場合に生じるとすればよく、また硫黄被毒量は、たとえば回転速度NEが高いほど、充填効率ηが高いほど被毒量の増加量を多く算出し、増加量を積算することによって算出すればよい。ただし、ディザ制御が実行される場合、実行されない場合と比較して被毒量の増加量は低減される。
詳しくは、要求値出力処理M30は、回転速度NEおよび充填効率ηに基づき、噴射量補正要求値αを可変設定する処理を含む。具体的には、ROM34に、入力変数としての回転速度NEおよび充填効率ηと出力変数としての噴射量補正要求値αとの関係を定めたマップデータを記憶しておき、CPU32がこれを用いて噴射量補正要求値αをマップ演算すればよい。
補正係数算出処理M32は、「1」に、噴射量補正要求値αを加算して、リッチ燃焼気筒に関し、要求噴射量Qdの補正係数を算出する処理である。リッチ側第1ディザ補正処理M34は、分割後第1噴射量「K・Qd」に補正係数「1+α」を乗算することによって、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの1回目の噴射量指令値Q1*を算出する処理である。ここで、「w」は、「1」〜「4」のいずれかを意味する。リッチ側第2ディザ補正処理M36は、分割後第2噴射量「(1−K)・Qd」に補正係数「1+α」を乗算することによって、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの2回目の噴射量指令値Q2*(#w)を算出する処理である。
乗算処理M38は、噴射量補正要求値αを「−1/3」倍する処理であり、補正係数算出処理M40は、「1」に、乗算処理M38の出力値を加算して、リーン燃焼気筒に関し、要求噴射量Qdの補正係数を算出する処理である。リーン側第1ディザ補正処理M42は、分割後第1噴射量「K・Qd」に補正係数「1−(α/3)」を乗算することによって、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの1回目の噴射量指令値Q1*を算出する処理である。ここで、「x」,「y」,「z」は、「1」〜「4」のいずれかであって、且つ、「w」,「x」,「y」,「z」は、互いに異なるものとする。リーン側第2ディザ補正処理M44は、分割後第2噴射量「(1−K)・Qd」に補正係数「1−(α/3)」を乗算することによって、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの2回目の噴射量指令値Q2*を算出する処理である。
ちなみに、気筒#1〜#4のうちのいずれがリッチ燃焼気筒となるかは、クランク軸が2回転する期間よりも長い周期で変更されることが望ましい。
噴射弁操作処理M46は、噴射量指令値Q1*(#w),Q2*(#w)に基づき、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの燃料噴射弁16の操作信号MS1を生成して、同燃料噴射弁16に出力する処理である。また、噴射弁操作処理M46は、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z),Q2*(#x,#y,#z)に基づき、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zの燃料噴射弁16の操作信号MS1を生成して、同燃料噴射弁16に出力する処理である。
また、噴射弁操作処理M46は、噴射回数設定処理M20によって設定される噴射回数に応じて、図3(a)〜図3(c)に示す噴射パターンによる燃料噴射を実行する。
図3(a)は、吸気行程前半において1回の燃料噴射で要求噴射量Qdの燃料を噴射するシングル噴射処理の噴射パターンを示す。これに対し、図3(b)および図3(c)は、2回の燃料噴射で要求噴射量Qdの燃料を噴射するマルチ噴射処理の噴射パターンを示す。特に図3(b)は、吸気行程前半と圧縮行程前半とのそれぞれに1回ずつ燃料を噴射する噴射パターンを示し、図3(c)は、吸気行程後半と圧縮行程前半とのそれぞれに1回ずつ燃料を噴射する噴射パターンを示す。CPU32は、噴射回数が複数回の場合、回転速度NEおよび充填効率ηに応じて、図3(b)に示す噴射パターンであるのか図3(c)に示す噴射パターンであるのかを定める。詳しくは、CPU32は、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηに基づき、各燃料噴射の噴射開始時期を可変設定する。ここで、噴射開始時期は、以下の観点から決められている。
すなわち、吸気行程前半の噴射については、ピストン頂面への燃料の付着に起因した粒子状物質(PM)の発生を抑制する観点から定まる噴射開始時期の進角限界を超えて進角側の開始時期とならないように噴射開始時期が設定されている。また、吸気行程後半の噴射については、シリンダ壁面への燃料の付着に起因して潤滑油が希釈される事態を抑制する観点から定まる燃料噴射の終了時期の遅角限界を超えて遅角側の噴射時期とならないように噴射開始時期が設定されている。すなわち、燃料噴射の終了時期が過度に遅角側となる場合、シリンダ壁面に付着した燃料がその後のピストンの上昇に伴って燃焼室からクランクケース側へと流入しやすく、これにより、潤滑油が希釈されるおそれがある。また、圧縮行程前半の噴射については、ピストン頂面への燃料の付着に起因したPMの発生を抑制する観点から定まる噴射開始時期の進角限界を超えて進角側の開始時期とならないように噴射開始時期が設定されている。すなわち、噴射開始時期が過度に進角側である場合、ピストンの変位速度がより低速度であることから、ピストン頂面に燃料が付着しやすく、PMが発生しやすくなる。
図4に、噴射時期の設定処理の手順を示す。図4に示す処理は、ROM34に記憶されたプログラムをCPU32が、たとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」を付与した数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図4に示す一連の処理において、CPU32は、まず、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηに基づき、第1回目の噴射開始時期Is1を算出する(S10)。詳しくは、回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし噴射開始時期Is1を出力変数とするマップデータがROM34に記憶された状態で、CPU32により噴射開始時期Is1をマップ演算すればよい。次にCPU32は、気筒#wの第1回目の噴射終了時期Ire1を、第1回目の噴射開始時期Is1に、噴射量指令値Q1*(#w)に応じた噴射時間Tを加算することによって算出する(S12)。本実施形態では、噴射時期を、遅角側ほど大きい角度となるようにして定量化されている。なお、CPU32は、噴射時間Tを、噴射量指令値Q1*(#w)が大きい場合に小さい場合よりも大きい値に算出する。次にCPU32は、気筒#x,#y,#zの噴射終了時期Ile1を、第1回目の噴射開始時期Is1に、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)に応じた噴射時間Tを加算することによって算出する(S14)。ここで、CPU32は、噴射時間Tを、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が大きい場合に小さい場合よりも大きい値に算出する。なお、ディザ制御を実行している場合、気筒#wの噴射時間Tの方が、気筒#x,#y,#zの噴射時間Tよりも長くなることから、気筒#wの噴射終了時期Ire1の方が気筒#x,#y,#zの噴射終了時期Ile1よりも遅角側となる。
次にCPU32は、内燃機関10の動作点に基づき1回目の燃料噴射が吸気行程後半であるか否かを判定する(S16)。そしてCPU32は、吸気行程後半であると判定する場合(S16:YES)、気筒#wの噴射終了時期Ire1が遅角限界Irethよりも遅角側であるか否かを判定する(S18)。ここで、遅角限界Irethは、下死点BDCよりも進角側に設定されている。また、CPU32は、遅角限界Irethを、内燃機関10の動作点および油温Toilに応じて可変設定する。詳しくは、CPU32は、たとえば、回転速度NEが大きい場合に小さい場合よりも遅角限界Irethをより進角側とすればよい。またたとえば、CPU32は、充填効率ηが大きい場合に小さい場合よりも遅角限界Irethをより進角側とすればよい。さらにたとえば、CPU32は、油温Toilが低い場合に高い場合よりも遅角限界Irethをより進角側とすればよい。
詳しくは、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηと油温Toilとを入力変数とし、遅角限界Irethを出力変数とするマップデータがROM34に予め記憶された状態で、CPU32により遅角限界Irethがマップ演算される。
CPU32は、遅角限界Irethよりも遅角側であると判定する場合(S18:YES)、気筒#wの噴射終了時期Ire1に、遅角限界Irethを代入し、また、噴射終了時期Ire1が遅角限界Irethとなるように、第1回目の噴射開始時期Is1(#w)を進角させる(S20)。
CPU32は、S20の処理を完了する場合や、S16,S18の処理において否定判定する場合には、S10の処理において算出した第1回目の噴射開始時期Is1がマルチ噴射処理における1回目の噴射開始時期であるか否かを判定する(S22)。そしてCPU32は、マルチ噴射処理におけるものであると判定する場合(S22:YES)、内燃機関10の動作点に基づき、2回目の噴射開始時期Is2を算出する(S24)。詳しくは、回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし噴射開始時期Is2を出力変数とするマップデータが予めROM34に記憶された状態で、CPU32により噴射開始時期Is2をマップ演算すればよい。そしてCPU32は、気筒#wにおける2回目の噴射終了時期Ire2を、第2回目の噴射開始時期Is2に、噴射量指令値Q2*(#w)に応じた噴射時間Tを加算することによって算出する(S26)。ここでCPU32は、噴射時間Tを、噴射量指令値Q2*(#w)が大きい場合に小さい場合よりも大きい値に算出する。またCPU32は、気筒#x,#y,#zにおける2回目の噴射終了時期Ile2を、第2回目の噴射開始時期Is2に、噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)に応じた噴射時間Tを加算することによって算出する(S28)。ここでCPU32は、噴射時間Tを、噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)が大きい場合に小さい場合よりも大きい値に算出する。このため、ディザ制御を実行している場合、噴射量指令値Q2*(#w)の方が噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)よりも大きいことから、気筒#wの噴射終了時期Ire2の方が気筒#x,#y,#zの噴射終了時期Ile2よりも遅角側となる。
なお、CPU32は、S28の処理を完了する場合や、S22の処理において否定判定する場合には、図4に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU32は、内燃機関10の動作点に基づき噴射開始時期Is1,Is2を可変設定する。CPU32は、ディザ制御を実行しているときに吸気行程前半で燃料を噴射する場合、動作点に基づき設定した噴射開始時期Is1を守る。そのため、ディザ制御を実行しない場合と比較して、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wにおいては噴射終了時期Ire1が遅角され、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zにおいては噴射終了時期Ile1が進角される。これにより、噴射開始時期が過度に進角側となり、噴射した燃料がピストン頂面に付着してPMが発生することを抑制できる。
また、CPU32は、ディザ制御を実行しているときに圧縮行程前半で燃料を噴射する場合にも、動作点に基づき設定した噴射開始時期Is2を守る。そのため、ディザ制御を実行しない場合と比較して、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wにおいては噴射終了時期Ire2が遅角され、リーン燃焼気筒とされる気筒#x,#y,#zにおいては噴射終了時期Ile2が進角される。これにより、噴射開始時期が過度に進角側となり、噴射した燃料がピストン頂面に付着してPMが発生することを抑制できる。
さらに、CPU32は、ディザ制御を実行しているときに吸気行程後半で燃料を噴射する場合、リッチ燃焼気筒とされる気筒#wの噴射終了時期Ire1が遅角限界Irethよりも遅角側であるか否かを判定する。そしてCPU32は、遅角側であると判定する場合、噴射終了時期Ire1が遅角限界Irethとなるように、噴射開始時期を進角させる。これにより、噴射終了時期Ire1が過度に遅角側となり、シリンダ壁面に燃料が付着し、これがピストンによって掻き落とされて潤滑油が希釈されることを抑制できる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]排気浄化装置は、三元触媒22に対応する。ディザ制御処理は、噴射量補正要求値αが「0」よりも大きい場合における、要求値出力処理M30、補正係数算出処理M32,M40、リッチ側第1ディザ補正処理M34、リッチ側第2ディザ補正処理M36、リーン側第1ディザ補正処理M42、リーン側第2ディザ補正処理M44、乗算処理M38、および噴射弁操作処理M46に対応する。進角処理は、S20の処理に対応する。[2]判定処理は、S18の処理に対応する。[3]遅角処理は、S12の処理に対応する。すなわち、噴射量指令値Q1*(#w)を用いて算出される噴射時間T{Q1*(#w)}が分割後第1噴射量「K・Qd」を用いて算出される噴射時間よりも長いため、噴射終了時期が遅角される。[4]進角処理は、S14の処理に対応する。すなわち、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)を用いて算出される噴射時間T{Q1*(#x,#y,#z)}が分割後第1噴射量「K・Qd」を用いて算出される噴射時間よりも短いため、噴射終了時期が進角される。[5]遅角処理は、S26の処理に対応する。すなわち、噴射量指令値Q2*(#w)を用いて算出される噴射時間T{Q2*(#w)}が分割後第2噴射量「(1−K)・Qd」を用いて算出される噴射時間よりも長いため、噴射終了時期が遅角される。[6]進角処理は、S28の処理に対応する。すなわち、噴射量指令値Q2*(#x,#y,#z)を用いて算出される噴射時間T{Q2*(#x,#y,#z)}が分割後第2噴射量「(1−K)・Qd」を用いて算出される噴射時間よりも短いため、噴射終了時期が進角される。[7]図3(b)および図3(c)に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「ディザ制御を実行しない場合の噴射時期の設定について」
上記実施形態では、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηに基づき、噴射開始時期を可変設定したが、これに限らない。たとえば負荷としての充填効率ηに代えて、要求噴射量Qdを用いてもよい。また、内燃機関10の動作点に基づき噴射開始時期を設定する代わりに、内燃機関10の動作点に基づき噴射終了時期を設定してもよい。具体的には、たとえば、内燃機関10の動作点を入力変数とし噴射終了時期を出力変数とするマップデータをROM34に記憶しておき、CPU32により噴射終了時期をマップ演算してもよい。
・「遅角限界Irethについて」
上記実施形態では、回転速度NE、充填効率η、および油温Toilに基づき、遅角限界Irethを算出したが、これに限らない。たとえば負荷として充填効率ηに代えて、要求噴射量Qdやアクセル操作量を用いてもよい。またたとえば、油温Toilに代えて、内燃機関10の冷却水の温度を用いてもよい。なお、回転速度NE、負荷、および温度の3つのパラメータに基づき遅角限界Irethを定めることは必須ではなく、それら3つのパラメータに関しては、それらのうちの2つのパラメータのみに基づき定めたり、1つのパラメータに基づき定めたりしてもよい。
・「吸気行程後半の噴射について」
上記実施形態では、吸気行程後半の噴射の場合、リッチ燃焼気筒の噴射終了時期Ire1が遅角限界Irethよりも遅角側であると判定する場合に、噴射終了時期Ire1を進角させ、ひいては噴射開始時期を進角させたが、これに限らない。たとえば、「ディザ制御を実行しない場合の噴射時期の設定について」の欄に記載したように、内燃機関10の動作点に基づき噴射終了時期を設定する場合には、ディザ制御処理の実行の有無にかかわらず噴射終了時期を守ることによって、実行しない場合に設定される噴射開始時期に対して実際の噴射開始時期を進角させることとしてもよい。
・「吸気行程前半の噴射について」
上記実施形態では、吸気行程前半の噴射の場合、ディザ制御処理を実行する場合であってもディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期Is1を採用したが、これに限らない。たとえばリッチ燃焼気筒に関しては、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が遅角される範囲で、噴射開始時期を、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期Is1に対して進角させてもよい。この場合であっても、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が遅角されることにより、遅角されない場合と比較して、ディザ制御処理の実行の有無による噴射開始時期の変動を抑制できる。またたとえばリーン燃焼気筒に関しては、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が進角される範囲で、噴射開始時期を、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期Is1に対して遅角させてもよい。この場合であっても、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が進角されることにより、進角されない場合と比較して、ディザ制御処理の実行の有無による噴射開始時期の変動を抑制できる。なお、こうした処理は、「ディザ制御を実行しない場合の噴射時期の設定について」の欄に記載したように、内燃機関10の動作点に基づき噴射終了時期を設定する場合に特に有効である。
・「圧縮行程前半の噴射について」
上記実施形態では、圧縮行程前半の噴射の場合、ディザ制御処理を実行する場合であってもディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期Is2を採用したが、これに限らない。たとえばリッチ燃焼気筒に関しては、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が遅角される範囲で、噴射開始時期を、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期Is2に対して進角させてもよい。この場合であっても、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が遅角されることにより、遅角されない場合と比較して、ディザ制御処理の実行の有無による噴射開始時期の変動を抑制できる。またたとえばリーン燃焼気筒に関しては、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が進角される範囲で、噴射開始時期を、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射開始時期Is2に対して遅角させてもよい。この場合であっても、ディザ制御処理を実行しない場合の噴射終了時期に対して実際の噴射終了時期が進角されることにより、進角されない場合と比較して、ディザ制御処理の実行の有無による噴射開始時期の変動を抑制できる。なお、こうした処理は、「ディザ制御を実行しない場合の噴射時期の設定について」の欄に記載したように、内燃機関10の動作点に基づき噴射終了時期を設定する場合に特に有効である。
・「噴射回数設定処理について」
上記実施形態では、噴射回数を設定するための内燃機関10の動作点を規定するパラメータとして、回転速度NEおよび充填効率ηを用いたが、これに限らない。たとえば負荷を示すパラメータとして、充填効率ηに代えて要求噴射量Qdを用いてもよい。
上記実施形態では、噴射回数を1回または2回としたが、これに限らず、たとえば3回以上に設定されることがあってもよい。
なお、1燃焼サイクルにおいて複数回の燃料噴射を実行することは必須ではなく、1回のみ実行する場合であっても、吸気行程前半の噴射または圧縮行程前半の噴射であるのか、吸気行程後半の噴射であるのかに応じて、上記実施形態の要領で噴射時期を設定することは有効である。
・「要求噴射量算出処理について」
要求噴射量算出処理としては、開ループ操作量としてのベース噴射量Qbを算出するベース噴射量算出処理M10と、フィードバック操作量を算出するフィードバック処理M12とからなるものに限らない。たとえば、ベース噴射量算出処理M10のみから構成してもよい。
・「ディザ制御処理について」
上記実施形態では、噴射回数が複数回であるときにディザ制御を実行する場合、分割後第1噴射量「K・Qd」および分割後第2噴射量「(1−K)・Qd」のそれぞれに噴射量補正要求値αを乗算したがこれに限らず、ディザ制御による各噴射量の補正量の比率を、分割比率Kとは異なる比率としてもよい。これは、たとえば分割後第2噴射量「(1−K)・Qd」については噴射量補正要求値αによる補正を実行しないことによって実現できる。この場合、たとえば上記実施形態のように1つの気筒をリッチ燃焼気筒とし残りの3つの気筒をリーン燃焼気筒とする場合、リッチ燃焼気筒については、噴射量指令値Q1*(#1)が「(K+α)・Qd」となり、リーン燃焼気筒については、噴射量指令値Q1*(#x,#y,#z)が「{K−(α/3)}・Qd」となる。
噴射量補正要求値αを、回転速度NEおよび充填効率ηに加えて、水温THWに基づき可変設定してもよい。またたとえば、回転速度NEおよび水温THW、または充填効率ηおよび水温THWの2つのパラメータのみに基づいて可変設定してもよく、またたとえば、上記3つのパラメータのうちの1つのパラメータのみに基づいて可変設定してもよい。また、たとえば内燃機関10の動作点を特定するパラメータとして回転速度NEおよび充填効率ηを用いる代わりに、負荷としての充填効率ηに代えて、たとえば負荷としてのアクセル操作量を用いてもよい。また、回転速度NEおよび負荷に代えて、吸入空気量Gaに基づき可変設定してもよい。
噴射量補正要求値αを上記パラメータに基づき可変設定すること自体必須ではない。
上記実施形態では、リッチ燃焼気筒の数よりもリーン燃焼気筒の数を多くしたが、これに限らない。たとえば、リッチ燃焼気筒の数とリーン燃焼気筒の数とを同一としてもよい。またたとえば、全ての気筒#1〜#4を、リーン燃焼気筒かリッチ燃焼気筒かにするものに限らず、たとえば1つの気筒の空燃比を目標空燃比としてもよい。さらに、クランク軸が2回転する期間において気筒#1〜#4のそれぞれに充填される空気量が同一であるなら内燃機関10の気筒#1〜#4のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比が目標空燃比と同一となる制御であることも必須ではない。たとえば、5ストローク内に燃焼行程となる気筒のそれぞれに充填される空気量が同一であるなら5ストローク内に燃焼行程となる気筒のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比が目標空燃比と同一となる制御であってもよい。またたとえば3ストローク内に燃焼行程となる気筒に充填される空気量が同一であるならそれら3ストローク内に燃焼行程となる3つの気筒のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比が目標空燃比と同一となる制御であってもよい。ただし、リッチ燃焼気筒の燃焼行程とリーン燃焼気筒の燃焼行程との双方が出現する期間が少なくともクランク軸が4回転する期間に1回以上は生じることが望ましい。換言すれば、所定期間において燃焼行程となる気筒に充填される空気量が同一であるならそれら気筒のそれぞれにおいて燃焼対象となる混合気を1つに集めた場合の空燃比が目標空燃比と同一となる制御において、所定期間をクランク軸が4回転する期間以下とすることが望ましい。ここで、たとえば所定期間をクランク軸が4回転する期間として4回転する間に1度だけリッチ燃焼気筒の燃焼行程が出現する場合、リッチ燃焼気筒の燃焼行程とリーン燃焼気筒の燃焼行程との出現順序は、リッチ燃焼気筒をR、リーン燃焼気筒をLとすると、たとえば「R,L,L,L,L,L,L,L」となる。この場合、所定期間よりも短いクランク軸が2回転する期間であって「R,L,L,L」となる期間が設けられており、気筒#1〜#4のうちの一部がリッチ燃焼気筒であり、別の気筒がリーン燃焼気筒となっている。
・「排気の昇温要求について」
昇温要求としては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、「排気浄化装置について」の欄に記載したように、GPFを備える場合、GPFの昇温要求であってもよい。またたとえば、排気通路20への凝縮水の付着を抑制すべく排気通路20を昇温するためにディザ制御による排気の昇温要求を生じさせてもよい。
・「排気浄化装置について」
排気浄化装置としては、三元触媒22のみからなるものに限らない。たとえば、三元触媒22の下流にガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)を備えてもよい。また、たとえば、GPFの下流に三元触媒を備えるものであってもよい。またたとえば、GPFのみを備えるものであってもよい。ただしGPFの上流に酸素吸蔵能力を有する触媒を備えない場合、ディザ制御による昇温能力を高めるうえでは、GPFに酸素吸蔵能力を付与することが望ましい。
・「制御装置について」
制御装置としては、CPU32とROM34とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
・「内燃機関について」
内燃機関としては、4気筒の内燃機関に限らない。たとえば直列6気筒の内燃機関であってもよい。またたとえば、V型の内燃機関等、第1の排気浄化装置と第2の排気浄化装置とを備え、それぞれによって排気が浄化される気筒が異なるものであってもよい。また、過給機を備えるものであってもよい。ちなみに、過給機を備える内燃機関の場合、排気中の熱が過給機で奪われることによってその下流に位置する排気浄化装置の温度が上昇しにくいことから、ディザ制御を利用することが特に有効である。
・「そのほか」
燃料噴射弁としては、燃焼室14に燃料を噴射するものに限らず、たとえば吸気通路12に燃料を噴射するものであってもよい。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…燃焼室、16…燃料噴射弁、18…点火装置、20…排気通路、22…三元触媒、30…制御装置、32…CPU、34…ROM、36…周辺回路、38…通信線、40…空燃比センサ、42…クランク角センサ、44…エアフローメータ、46…水温センサ、48…油温センサ。

Claims (7)

  1. 複数の気筒から排出された排気を浄化する排気浄化装置と、前記複数の気筒毎に燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御対象とし、
    前記複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とすべく、前記燃料噴射弁を操作するディザ制御処理と、
    前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射期間が吸気行程の後半の期間を含む場合、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射開始時期を進角させる進角処理と、を実行する内燃機関の制御装置。
  2. 前記進角処理は、
    前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射終了時期が遅角限界よりも遅角側であるか否かを判定する判定処理と、
    前記判定処理によって前記遅角側であると判定される場合に、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射開始時期を進角させる処理と、を含む請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射期間が吸気行程の前半の期間を含む場合、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を遅角させる遅角処理を実行する請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射期間が吸気行程の前半の期間を含む場合、前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を進角させる進角処理を実行する請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射期間が圧縮行程の前半の期間を含む場合、前記リッチ燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を遅角させる遅角処理を実行する請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射期間が圧縮行程の前半の期間を含む場合、前記リーン燃焼気筒における燃料の噴射終了時期を進角させる進角処理を実行する請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 空燃比を目標空燃比に制御するための1燃焼サイクル当たりの要求噴射量を算出する要求噴射量算出処理と、
    前記内燃機関の動作点に応じて、1燃焼サイクル当たりの噴射回数を設定する噴射回数設定処理と、を実行し、
    前記ディザ制御処理は、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるリッチ燃焼気筒とし、前記複数の気筒のうちの前記一部の気筒とは別の気筒を、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるリーン燃焼気筒とすべく、1燃焼サイクルにおいて前記一部の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して増量し前記別の気筒の前記燃料噴射弁から噴射する燃料量を前記要求噴射量に対して減量するように前記燃料噴射弁を操作する処理であり、
    前記噴射回数が複数回の噴射は、吸気行程における噴射と圧縮行程における噴射とを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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