JP2020069828A - 制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキドラムが熱膨張によって一時的に大径となった電動ドラムブレーキ装置に対して制動制御を行う場合に、その後にブレーキドラムが冷却して径方向に収縮しても過大な制動力が発生しないようにする。【解決手段】実施形態による制動制御装置において、制御部は、電動ドラムブレーキ装置による制動を制御する場合に、ブレーキドラムの温度を取得または推定し、その温度に基いて、その後にブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときに制動力が所定の上限制動力を超えないように、ロック制御、および、リリース制御の少なくともいずれかにより制動力を調整する制動力調整制御を実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、制動制御装置に関する。
車両の車輪に対して設けられるブレーキ装置の1つに、電動ドラムブレーキ装置がある。電動ドラムブレーキ装置に対する制御には、大きく分けて、モータを正回転させることによって制動部材を被制動部材の内周面に当接させて制動力を発生させるロック制御と、モータを逆回転させることによって制動力を解除するリリース制御の2つがある。
特開2016−176574号公報
電動ドラムブレーキ装置では、例えば、短時間に多くのブレーキ動作が実行されると、ブレーキドラムが熱膨張によって一時的に大径となる場合がある。そして、その状態でロック制御を実行して所定の制動力を発生させると、その後にブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときに、過大な制動力(クランプ力)が発生してしまうことがある。
そこで、本発明の課題は、ブレーキドラムが熱膨張によって一時的に大径となった電動ドラムブレーキ装置に対して制動制御を行う場合に、その後にブレーキドラムが冷却して径方向に収縮しても過大な制動力が発生しないようにすることができる制動制御装置を提供することである。
本発明による制動制御装置は、車両の複数の車輪に対して設けられた電動ドラムブレーキ装置を制御する制動制御装置であって、前記電動ドラムブレーキ装置におけるモータを回転させることによって制動部材を被制動部材の内周面に当接させて制動力を増加させるロック制御、および、前記モータを回転させることによって前記制動力を減少させるリリース制御を実行することで、前記電動ドラムブレーキ装置による制動を制御する制御部を備える。前記制御部は、前記電動ドラムブレーキ装置による制動を制御する場合に、ブレーキドラムの温度を取得または推定し、前記温度に基いて、その後に前記ブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときに制動力が所定の上限制動力を超えないように、前記ロック制御、および、前記リリース制御の少なくともいずれかにより前記制動力を調整する制動力調整制御を実行する。
図1は、第1実施形態の制動制御装置の制御対象であるブレーキ装置の概要構成図である。 図2は、第1実施形態における右後輪に設けられたブレーキ装置の車幅方向外方からの側面図である。 図3は、第1実施形態における制動制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、第1実施形態における各構成等の経時的変化の様子を示すタイムチャートである。 図5は、第1実施形態における制動制御装置が実行する一連の処理を示すフローチャートである。 図6は、第2実施形態における各構成等の経時的変化の様子を示すタイムチャートである。 図7は、第3実施形態におけるドラム温度とクランプ力の関係を示すグラフである。 図8は、第4実施形態におけるロック制御時とリリース制御時のEPB電流値の経時的変化の様子を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、本発明は以下の記載内容に限定されるものではない。
図1は、第1実施形態の制動制御装置200(図3)の制御対象であるブレーキ装置100の概要構成図である。ブレーキ装置100は、例えば、四輪の一般的な車両に設けられる。
ブレーキ装置100は、前輪である車輪2FL、2FRと、後輪である車輪2RL、2RRと、の両方に制動力(摩擦制動トルク)を付与することが可能に構成された液圧ブレーキ1と、後輪である車輪2RL、2RRのみに制動力を付与することが可能に構成された電動駐車ブレーキ2と、を備える。
以下の説明においては、液圧ブレーキ1が発生する制動力と、電動駐車ブレーキ2が発生する制動力と、を区別する必要がある場合には、液圧ブレーキ1が発生する制動力を液圧制動力と表記し、電動駐車ブレーキ2が発生する制動力を駐車制動力と表記する。
液圧ブレーキ1は、圧力発生部32と、ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRと、圧力調整部34FL、34FR、34RLおよび34RRと、還流機構37と、を備える。
圧力発生部32は、車両の運転者によるブレーキペダル31の操作に応じた圧力(液圧)を発生させる機構である。
ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRは、それぞれ、制動部材を加圧することで車輪2FL、2FR、2RL、および2RRに制動力を付与する機構である。
圧力調整部34FL、34FR、34RLおよび34RRは、それぞれ、ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRに与えられる液圧を調整する機構である。還流機構37は、液圧を発生させる媒体としてのフルード(作動流体)を上流側へ戻す機構である。
上記構成において、圧力発生部32は、マスタシリンダ32aと、リザーバタンク32bと、を備える。マスタシリンダ32aは、ブレーキペダル31の操作(踏み込み)に伴って押し込まれることで、リザーバタンク32bから補充されるフルードを2つの吐出ポートに吐出する。これら2つの吐出ポートは、それぞれ、開状態と閉状態とを電気的に切り替え可能な電磁弁33を介して、フロント側の圧力調整部34FRおよびリヤ側の圧力調整部34RLと、フロント側の圧力調整部34FLおよびリヤ側の圧力調整部34RRと、に接続される。
また、圧力調整部34FL、34FR、34RL、および34RRは、それぞれ、開状態と閉状態とを電気的に切り替え可能な電磁弁35および36を有している。電磁弁35および36は、電磁弁33と、リザーバ41と、の間に設けられている。電磁弁35は、電磁弁33に接続され、電磁弁36は、リザーバ41に接続されている。
電磁弁35および36は、制動制御装置200(図3参照)の制御に基いて開閉することで、ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRで発生する圧力を、昇圧したり、維持したり、減圧したりすることが可能である。なお、ホイールシリンダ38FLは、圧力調整部34FLの電磁弁35および36の間に接続され、ホイールシリンダ38FRは、圧力調整部34FRの電磁弁35および36の間に接続されている。また、ホイールシリンダ38RLは、圧力調整部34RLの電磁弁35および36の間に接続され、ホイールシリンダ38RRは、圧力調整部34RRの電磁弁35および36の間に接続されている。
還流機構37は、リザーバ41およびポンプ39と、フロント側およびリヤ側のポンプ39を回転してフルードを上流側に輸送するポンプモータ40と、を備える。リザーバ41およびポンプ39は、圧力調整部34FRおよび34RLの組み合わせと、圧力調整部34FLおよび34RRの組み合わせと、に対応してそれぞれ1つずつ設けられる。
なお、液圧ブレーキ1には、ブレーキペダル31の操作量(ストローク)を検出可能なストロークセンサ51や、マスタシリンダ32aで発生する圧力を検出可能な圧力センサ(図1には不図示)などが設けられている。
リヤ側のホイールシリンダ38RLおよび38RRの各々には、制動制御装置200(図3参照)の制御に基いて駆動するEPB(Electric Parking Brake)モータ60が接続されている。これにより、リヤ側のホイールシリンダ38RLおよび38RRの制動部材がEPBモータ60の駆動に応じて加圧されることで、後輪である車輪2RLおよび2RRに制動力が付与される。
したがって、リヤ側のホイールシリンダ38RLおよび38RRと、これら2個のホイールシリンダ38RLおよび38RRに接続された2個のEPBモータ60とが、液圧ブレーキ1による液圧制動力とは別個の駐車制動力を発生可能な電動駐車ブレーキ2として機能する。
なお、上記のような液圧ブレーキ1および電動駐車ブレーキ2が設けられた車両では、運転者は、液圧ブレーキ1に液圧制動力を発生させる操作(液圧ブレーキ操作)と、電動駐車ブレーキ2に駐車制動力を発生させる操作(駐車ブレーキ操作)と、を適宜使い分けることで、状況に応じて適切な制動力を車両に発生させることが可能である。例えば、液圧ブレーキ操作のみによって車両が停車状態になっている状況では、その後の駐車ブレーキ操作によって十分な駐車制動力が得られた場合、液圧ブレーキ操作が解除されて液圧制動力がゼロになったとしても、駐車状態がそのまま維持される。
ここで、電動駐車ブレーキ2として構成されたブレーキ装置3RLおよびブレーキ装置3RRについて説明する。この場合において、ブレーキ装置3RLおよびブレーキ装置3RRは、同様の構成であるので、右後輪2RRに設けられたブレーキ装置3RRを例として説明する。
図2は、第1実施形態における右後輪に設けられたブレーキ装置3RRの車幅方向外方からの側面図である。ブレーキ装置3RRは、電動ドラムブレーキ装置として構成されており、右後輪2RRの円筒状のホイールの周壁(不図示)の内側に収容されている。
ブレーキ装置3RRは、前後に離間した二つのブレーキシュー13L、13T(制動部材)を備える。二つのブレーキシュー13L、13Tは、円筒状のドラム12(被制動部材。ブレーキドラム)の内周面12aに沿って円弧状に伸びている。
ドラム12は、車幅方向に沿う回転中心C回りに、右後輪2RRのホイールと一体に回転する。そして、ブレーキ装置3RRは、二つのブレーキシュー13L、13Tを、円筒状のドラム12の内周面12aに接触するよう移動させ、ブレーキシュー13L、13Tとドラム12との摩擦によって、ドラム12ひいては右後輪2RRのホイールを制動する。
なお、車両の前進時における右後輪2RRのホイールの回転方向Rwが図2における時計回り方向である場合、図2の右側のブレーキシュー13Lが、リーディングシューの一例であり、左側のブレーキシュー13Tが、トレーリングシューの一例である。
ブレーキ装置3RRは、ブレーキシュー13L、13Tを動かすアクチュエータとして、油圧によって作動するホイールシリンダ38RRと、通電によって作動するEPBモータ60(図1参照)と、を備える。ホイールシリンダ38RRおよびEPBモータ60は、それぞれ、二つのブレーキシュー3L,3Tを動かすことができる。ホイールシリンダ38RRは、例えば、走行中の制動に用いられ、EPBモータ60は、例えば、駐車時の制動に用いられる。なお、EPBモータ60は、走行中の制動に用いられてもよい。
ブレーキ装置3RRは、円盤状のバックプレート14を備える。バックプレート14は、回転中心Cと交差した姿勢で設けられている。すなわち、バックプレート14は、回転中心Cと交差する方向に略沿って、具体的には回転中心Cと直交する方向に略沿って、広がっている。
バックプレート14は、ブレーキ装置3RRの各構成部品を直接的または間接的に支持する。バックプレート14は、図2に示されるような当該バックプレート14よりも車幅方向外方に位置される部品を支持する。また、バックプレート14は、当該バックプレート14よりも車幅方向内方に位置される部品(不図示)を支持する。バックプレート14に支持される車幅方向内方に位置される部品は、例えば、EPBモータ60や、EPBモータ60の回動をケーブル62(あるいはロッド)の直動に変換する運動変換機構(不図示)等である。バックプレート4は、支持部材の一例である。また、ケーブル62は、作動部材とも称されうる。
また、バックプレート14は、車体との接続部材(不図示)に結合されている。接続部材は、例えば、サスペンションの一部(例えば、アーム、リンク、取付部材等)である。バックプレート14に設けられた開口部14aは、接続部材との結合に用いられる。
図2のブレーキ装置3RRは、駆動輪および非駆動輪のいずれにも用いることができる。ブレーキ装置3RRが駆動輪に用いられる場合、バックプレート14の略中央に設けられた開口部14bを不図示の車軸が貫通することとなる。
(ホイールシリンダによるブレーキシューの作動)
図2に示されるように、ブレーキシュー13L,13Tの下端部13aは、回動中心C1回りに回動可能に、バックプレート14に支持されている。回動中心C1は、右後輪2RRのホイールの回転中心Cと略平行である。回動中心C1は、回動支持点とも称される。
ホイールシリンダ38RRは、バックプレート14の上部に支持されている。ホイールシリンダ38RRは、車両前後方向(図1の左右方向)に突出可能な二つの押圧部21L、21Tを有する。ホイールシリンダ38RRは、内部の圧力室の与圧に応じて、二つの押圧部1L、21Tを突出させる。
突出した二つの押圧部21L、21Tは、それぞれ、ブレーキシュー13L,13Tの上部13bを押す。二つの押圧部21L、21Tの突出により、二つのブレーキシュー13L,13Tは、それぞれ、回動中心C1回りに回動し、上部13b同士が車両前後方向に互いに離間するように移動する。これにより、二つのブレーキシュー13L,13Tは、右後輪2RRのホイールの回転中心Cの径方向外方に移動する。
各ブレーキシュー13L、13Tの外周部には、円筒面に沿う帯状のライニング13cが設けられている。これにより、二つのブレーキシュー13L、13Tの、回転中心Cの径方向外方への移動により、ライニング13cとドラム12の内周面12aとが接触し、ライニング13cと内周面12aとの摩擦により、ドラム12ひいては、右後輪2RRのホイールが制動される。なお、ブレーキシュー13L,13Tの非制動位置と制動位置との間のストロークは微少であり、例えば1mm以下である。
また、ブレーキ装置3RRは、復帰部材15を備える。復帰部材15は、ホイールシリンダ38RR内の圧力室が除圧され、押圧部21L、21Tによる二つのブレーキシュー13L、13Tの押圧が解除された場合に、二つのブレーキシュー13L、13Tを、ドラム12の内周面12aと接触する位置(制動位置)からドラム12の内周面12aとは接触しない位置(非制動位置)へ戻すように作用する。
復帰部材15は、例えば、コイルスプリング等の弾性部材であり、ブレーキシュー13Lがブレーキシュー13Tに近づく方向の力およびブレーキシュー13Tがブレーキシュー13Lに近付く方向の力を与える。すなわち、復帰部材15は、二つのブレーキシュー13L、13Tがドラム12の内周面12aから離れる方向の力を与えている。復帰部材15は、付勢部材や弾性部材とも称される。
また、ブレーキ装置3RRは、電動駐車ブレーキ2として、移動機構16を備える。EPBモータ60および運動変換機構を含む駆動機構(不図示)の作動に基いて、移動機構16は、二つのブレーキシュー13L、13Tを非制動位置から制動位置に移動させる。
移動機構16は、バックプレート14の車幅方向外方に設けられている。移動機構16は、押圧レバー61と、ケーブル62と、ホイールシリンダ38RRと、を含む。
押圧レバー61は、二つのブレーキシュー13L、13Tのうち一方、例えば図2において、左側のブレーキシュー13Tと、バックプレート14との間に設けられ、当該ブレーキシュー13Tに回動中心C2回りに回動可能に支持されている。ここで、回動中心C2は、ブレーキシュー13Lの、回動中心C1とは反対側(図2では上側)の端部に位置され、回動中心C1と略平行である。
ケーブル62は、バックプレート14に略沿って移動し、押圧レバー61の、回動中心C2から遠い側の下端部61aを、他方、例えば、図2においては、右側のブレーキシュー3Lに近付く方向に動かすこととなる。押圧レバー61がケーブル62によって動かされた作動位置PL1は、図2中に二点鎖線で示されている。
押圧レバー61は、ブレーキシュー13Tの内周面に当接する突起61bを有している。この突起61bにより、押圧レバー61のケーブル62によって動かされる前の状態での初期位置PL0が定まっている。突起61bは、初期位置設定部とも称される。
そして、ホイールシリンダ38RRに移動可能に収容された可動部品である押圧部21L、21Tが、ケーブル62によって動かされる押圧レバー61と、当該押圧レバー61と連結されたブレーキシュー13Tとは別のブレーキシュー13Lと、の間に介在して突っ張ることができる。ここで、押圧レバー61と可動部品である押圧部21Tとの接続位置P1は、回動中心C2と、ケーブル62と押圧レバー61との接続位置P2と、の間に設定されている。
このような構成において、EPBモータ60の作動によりケーブル62が引かれて図2の右方へ動くことにより、押圧レバー61が、初期位置PL0からブレーキシュー13Lに近付く方向へ動くと(矢印a、作動位置PL1)、押圧レバー61はホイールシリンダ38RRの可動部品である押圧部21Lを介してブレーキシュー13Lを押す(矢印b)。
これにより、ブレーキシュー13Lは、非制動位置から回動中心C1回りに回動し(矢印c)、ドラム12の内周面12aと接触する制動位置へ動く。この状態では、ケーブル62と押圧レバー61との接続位置P2は力点、回動中心C2は支点、押圧レバー61と可動部品である押圧部21L、21Tとの接続位置P1は作用点に相当する。さらに、ブレーキシュー3Lが、内周面12aに接触した状態で、押圧レバー61が図1の右方、すなわち、可動部品110がブレーキシュー3Lを押す方向へ動くと(矢印b)、可動部品110が突っ張ることにより、押圧レバー61は可動部品110との接続位置P1を支点として、押圧レバー61の動く方向とは逆方向、すなわち、図2における反時計回りに回動する(矢印d)。
これにより、ブレーキシュー13Tは、非制動位置から回動中心C1回りに回動し、ドラム12の内周面12aと接触する制動位置へ動く。上述したように、移動機構16の作動により、ブレーキシュー13L、13Tは、いずれも非制動位置から制動位置へ動くこととなる。なお、ブレーキシュー13Lがドラム12の内周面12aに接触した以降の状態では、押圧レバー61と可動部品110との接続位置P1が支点となる。
また、ブレーキシュー13Lが非制動位置に戻ると同時に押圧レバー61の突起61bがブレーキシュー13Tの内周面に当接し、押圧レバー61が初期位置に戻る。このように、本実施形態では、ホイールシリンダ38RRの可動部品である押圧部21L、21Tが、ブレーキ装置3RRが電動駐車ブレーキ2として作動する際に、押圧レバー61とともにブレーキシュー13L、13T間に介在するストラットとして機能する。
次に、図3を参照して、制動制御装置200の機能的構成について説明する。図3は、第1実施形態における制動制御装置200の機能的構成を示すブロック図である。制動制御装置200は、例えば、プロセッサやメモリなどの通常のコンピュータと同様のハードウェアを備えたブレーキECU(Electronic Control Unit)の一部を構成する。なお、制動制御装置200は、ブレーキECUの他の部分と一体化されてもよいし、当該他の部分とは別個に構成されてもよい。
制動制御装置200は、液圧ブレーキ1と電動駐車ブレーキ2とを制御可能に構成されている。制動制御装置200は、機能的構成として、検出部201と、制御部202と、を備える。制御部202は、液圧ブレーキ制御部203と、EPB制御部204(制御部)と、を備える。これらの機能的構成は、例えば、制動制御装置200のプロセッサがメモリに格納された種々のプログラムを実行した結果として実現される。なお、これらの機能的構成の一部または全部が専用の回路などによって実現されてもよい。
また、制動制御装置200は、路面の勾配(車両の前後方向の傾き)を検出する加速度センサ、ジャイロセンサ等として構成された勾配検知センサ3の出力に基いて動作する機能を有する。
検出部201は、液圧ブレーキ1に液圧制動力を発生させるための操作(液圧ブレーキ操作)や、駐車制動力を発生可能な状態に設定するための操作(駐車ブレーキ操作)などの運転者による制動操作を検出する。ここで、液圧ブレーキ操作とは、例えば、運転者によるブレーキペダル31の操作である。一方、駐車ブレーキ操作とは、例えば、運転席付近に設けられるEPBスイッチやレバー(図1には不図示)などの操作である。すなわち、検出部201は、ストロークセンサ51などの検出結果に基いて液圧ブレーキ操作を検出し、EPBスイッチやレバーなどの操作に応じて出力される電気信号などに基いて駐車ブレーキ操作を検出する。
液圧ブレーキ制御部203は、液圧ブレーキ1に発生させる液圧制動力を制御可能に構成されている。また、EPB制御部204は、電動駐車ブレーキ2に発生させる駐車制動力を制御可能に構成されている。
EPB制御部204は、具体的には、EPBモータ60を正回転させることによってブレーキシュー13L、13Tをドラム12の内周面12aに当接させて制動力を増加させるロック制御、および、EPBモータ60を逆回転させることによって制動力を減少させるリリース制御を実行することで、電動駐車ブレーキ2による制動を制御する。
ところで、例えば、短時間に多くのブレーキ動作が実行されると、ドラム12が熱膨張によって一時的に大径となる場合がある。そして、その状態でロック制御を実行して所定の制動力を発生させると、その後にドラム12が冷却して径方向に収縮したときに、過大な制動力(クランプ力)が発生してしまうことがある。
そこで、以下では、ドラム12が熱膨張によって一時的に大径となった電動駐車ブレーキ2に対して制動制御を行う場合に、その後にドラム12が冷却して径方向に収縮しても過大な制動力が発生しないようにすることができる制動制御装置200について説明する。
EPB制御部204は、電動駐車ブレーキ2による制動を制御する場合に、ドラム12の温度を取得または推定し、当該温度に基いて、その後にドラム12が冷却して径方向に収縮したときに制動力が所定の上限制動力を超えないように、ロック制御、および、リリース制御の少なくともいずれかにより制動力を調整する制動力調整制御を実行する。
ドラム12の温度を計測する温度センサ(不図示)が設けられている場合、EPB制御部204は、その温度センサからドラム12の温度の情報を取得することができる。
また、ドラム12の温度を計測する温度センサ(不図示)が設けられていない場合、EPB制御部204は、例えば、車速やブレーキ動作の履歴情報に基いて、ドラム12の温度を推定することができる。例えば、ブレーキ動作の強さの度合いや頻度によってドラム12の温度上昇の度合いが変わると考えられ、EPB制御部204は、そのことを示す関数やマップの情報等を予め記憶しておくことによってドラム12の温度を推定することができる。
なお、ブレーキ動作は、例えば、運転者によるブレーキペダル31の操作に基く液圧ブレーキ動作や、運転者によるEPBスイッチやレバーなどの操作に基く電動駐車ブレーキ動作だけでなく、ABS(Antilock Brake System)やESC(Electronic Stability Control:横滑り防止装置)に基く液圧ブレーキ動作等も含む。また、ドラム12の温度を推定するのに、外気温センサ(不図示)からの得られる外気温の情報等の他の情報をさらに用いてもよい。
また、EPB制御部204は、ドラム12の温度の時間変化の情報であるドラム温度変化情報を記憶している。つまり、EPB制御部204は、ドラム12の温度が高くなっている場合に、そのドラム温度変化情報を参照することで、その後の経過時間ごとのドラム12の温度を推定することができる。また、EPB制御部204は、ドラム12の温度と熱膨張率の関係を示す情報であるドラム熱膨張率情報を記憶している。
次に、図4を参照して、第1実施形態における各構成等の経時的変化の様子について説明する。図4は、第1実施形態における各構成等の経時的変化の様子を示すタイムチャートである。ここでは、EPB制御部204は、制動力調整制御を実行する場合に、ドラム12の温度に基いて、その後にドラム12が冷却して径方向に収縮したときに制動力が所定の上限制動力(例えば、リリース動作可能な最大クランプ力)を超えないように、ロック制御とリリース制御を繰り返し実行する。
図4では、上から順に、ドラム12の温度、EPB状態(電動駐車ブレーキ2の状態。ロック、保持、リリース)、クランプ力(制動力)の経時的変化の概要を示している。ドラム12の温度は、時刻t0で有意に高く、以降、次第に低下する。
その場合、EPB制御部204は、まず、時刻t0〜t1の間、ロック制御を行い、クランプ力を適正クランプ力まで上昇させる。次に、時刻t1〜t2の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t2〜t3の間、リリース制御を行い、クランプ力を0まで低下させる。
次に、EPB制御部204は、時刻t3〜t4の間、ロック制御を行い、クランプ力を適正クランプ力まで上昇させる。次に、時刻t4〜t5の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t5〜t6の間、リリース制御を行い、クランプ力を0まで低下させる。
次に、EPB制御部204は、時刻t6〜t7の間、ロック制御を行い、クランプ力を適正クランプ力まで上昇させる。次に、時刻t7〜t8の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t8〜t9の間、リリース制御を行い、クランプ力を0まで低下させる。
次に、EPB制御部204は、時刻t9〜t10の間、ロック制御を行い、クランプ力を適正クランプ力まで上昇させる。時刻t10以降、ドラム12の温度低下量が小さく、ドラム12の径収縮はほとんど起きず、適正クランプ力が維持される。
このようにして、EPB制御部204がロック制御とリリース制御を繰り返し実行することで、ドラム12の温度低下にともなう径収縮による過大な制動力(クランプ力)の発生を回避できる。一方、図4において破線Bに示すように、最初に(時刻t0〜t1の間)ロック制御を行って、その後放置すると、クランプ力がリリース動作可能な最大クランプ力を超えてしまう。したがって、過大なクランプ力によって、EPBモータ60の起動トルクが不足し、リリース制御を実行できない事態等が発生してしまう。
次に、図5を参照して、制動制御装置200が実行する一連の処理について説明する。図5は、第1実施形態における制動制御装置200が実行する一連の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、EPB制御部204は、電動駐車ブレーキ2に対する制動制御を開始するか否かを判定し、Yesの場合はステップS2に進み、Noの場合はステップS1に戻る。このステップS1では、例えば、運転席付近に設けられるEPBスイッチやレバーなどによる駐車ブレーキ操作があった場合、EPB制御部204はYesと判定する。
ステップS2において、EPB制御部204は、ロック制御を実行する。次に、ステップS3において、EPB制御部204は、ドラム12の温度を特定(取得または推定)する。
次に、ステップS4において、EPB制御部204は、ステップS3で特定したドラム12の温度、ドラム温度変化情報、ドラム熱膨張率情報等に基いて、リリース制御が必要か否かを判定し、Yesの場合はステップS5に進み、Noの場合は処理を終了する。このステップS4では、EPB制御部204は、例えば、リリース制御を行わないと、クランプ力がリリース動作可能な最大クランプ力を超えてしまう場合、リリース制御が必要であると判定する。
ステップS5において、EPB制御部204は、リリース制御を実行し、ステップS2に戻る。
このようにして、第1実施形態の制動制御装置200によれば、ドラム12が熱膨張によって一時的に大径となっていてその後に冷却して径収縮する場合でも、過大な制動力が発生しないようにすることができる。具体的には、EPB制御部204がロック制御とリリース制御を繰り返し実行することで、ドラム12の温度低下にともなう径収縮による過大な制動力(クランプ力)の発生を回避することができる。したがって、過大なクランプ力によってEPBモータ60の起動トルクが不足してリリース制御を実行できない事態等を確実に回避できる。
また、過大なクランプ力を長時間保持することによるクランプ力保持機構への過大な負荷の発生を回避することができる。
なお、このロック制御とリリース制御の繰り返しは、二輪同時に行ってもよいし、あるいは、一輪ずつタイミングをずらして行ってもよい。例えば、車両が平坦な路面上や傾斜の緩い路面上にいて、勾配検知センサ3による出力等に基いて、二輪のすべての制動力が無くても車両が動かないと判定した場合は、二輪同時に行えばよい。
また、車両が傾斜の急な路面上にいて、勾配検知センサ3による出力等に基いて、二輪のすべての制動力が無いと車両が動いてしまうと判定した場合は、一輪ずつタイミングをずらして(二輪のすべての制動力が無い状態を回避しながら)ロック制御とリリース制御の繰り返しを行ってもよいし、あるいは、液圧制動力やPレンジ等によって停車状態を保持しながら二輪同時に行ってもよい。
つまり、例えば、EPB制御部204は、EPB制御部204が車両の停車状態を保持するために必要な目標制動力を発生させなくても、電動駐車ブレーキ2とは異なる保持手段(例えば、液圧ブレーキ1、駆動装置(トランスミッション等)、駆動トルク、回生制動力等。以下同様)により車両の停車状態を保持可能な状態にあると判断した場合に、制動力調整制御を実行するようにしてもよい。
また、EPB制御部204は、EPB制御部204が車両の停車状態を保持するために必要な目標制動力を発生させなくても、電動駐車ブレーキ2とは異なる保持手段により車両を停車状態に保持可能にした後に、制動力調整制御を実行するようにしてもよい。
また、EPB制御部204は、電動駐車ブレーキ2が設けられている複数の車輪のうちのいずれか一輪のみに発生している制動力で車両の停車状態を保持できると判断した後、または、その一輪のみで車両の停車状態を保持できるように制動力を増加させた後、その一輪以外の車輪に対して制動力調整制御を実行するようにしてもよい。
また、EPB制御部204は、制動力調整制御を実行する前に、リリース制御を実施し、EPBモータ60の電流値からブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときの熱収縮量を推定し、制動力調整制御による制動力の調整量、および、制動力調整制御を実行するタイミングの少なくともいずれかを決定するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については重複する説明を適宜省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、ロック制御とリリース制御を繰り返す点では同じであるが、リリース制御のときにクランプ力を0にまで低下させない点で異なっている。
図6は、第2実施形態における各構成等の経時的変化の様子を示すタイムチャートである。図6における各項目は図4と同様である。また、図4の場合と同様、ドラム12の温度は、時刻t20で有意に高く、以降、次第に低下する。
EPB制御部204は、まず、時刻t20〜t21の間、ロック制御を行い、クランプ力を適正クランプ力まで上昇させる。次に、時刻t21〜t22の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t22〜t23の間、リリース制御を行い、クランプ力を低下させる。
次に、時刻t23〜t24の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t24〜t25の間、リリース制御を行い、クランプ力を低下させる。
次に、時刻t25〜t26の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t26〜t27の間、リリース制御を行い、クランプ力を低下させる。
次に、時刻t27〜t28の間、EPB制御部204はEPB状態を保持とするが、ドラム12の温度低下にともなう径収縮によって、クランプ力は上昇する。次に、EPB制御部204は、時刻t28〜t29の間、リリース制御を行い、クランプ力を適正クランプ力まで低下させる。
時刻t29以降、ドラム12の温度低下量が小さく、ドラム12の径収縮はほとんど起きず、適正クランプ力が維持される。
このようにして、第2実施形態の制動制御装置200によれば、EPB制御部204がロック制御とリリース制御を繰り返し実行し、また、第1実施形態と異なってリリース制御でクランプ力を0にまで低下させなくても、ドラム12の温度低下にともなう径収縮による過大な制動力(クランプ力)の発生を回避できる。
つまり、この第2実施形態では、リリース制御で、クランプ力を0にまで低下させなくても、クランプ力がリリース動作可能な最大クランプ力を超えることがないようにすればよい。これにより、確実に車両の停車状態を保持しつつ、制動力調整制御を実施することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については重複する説明を適宜省略する。第3実施形態では、EPB制御部204は、制動力調整制御を実行する場合に、ドラム12の温度に基いて、その後にドラム12が冷却して径方向に収縮したときの制動力が車両の停車状態を保持するために必要な目標制動力となるように、ロック制御を実行する。これについて、図7を参照して説明する。
図7は、第3実施形態におけるドラム温度とクランプ力の関係を示すグラフである。図7のグラフにおいて、縦軸はクランプ力(制動力)であり、横軸はドラム温度である。図7に示すように、ドラム温度がDT1未満の場合はドラム12の熱膨張が起きないので(あるいは起きても微小なので)、ロック制御で与える制動力は通常の目標制動力とすればよい。しかし、ドラム温度がDT1以上の場合はドラム12の熱膨張が有意に起きるので、ロック制御で与える制動力は、ドラム温度が高いほど、通常の目標制動力よりも小さいものとする。例えば、ドラム温度がDT2のとき、ロック制御時の制動力をP1とすることで、その後にドラム12が冷却して径方向に収縮したときの制動力が目標制動力(P2)となる。
このようにして、第3実施形態の制動制御装置200によれば、EPB制御部204がロック制御時に与える制動力をドラム温度が高いほど小さいものとすることで、ドラム12の温度低下にともなう径収縮による過大な制動力(クランプ力)の発生を回避できる。この方法は、例えば、車両が平坦な路面上や傾斜の緩い路面上にいて、勾配検知センサ3による出力等に基いて、二輪のすべての制動力が無くても車両が動かないと判定した場合に、特に有効である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第1実施形態と同様の事項については重複する説明を適宜省略する。第4実施形態では、EPB制御部204は、ロック制御時のEPB電流値(EPBモータ60の駆動電流値)とリリース制御時のEPB電流値を比較することで、ドラム12の熱膨張の度合いを推定する。これについて、図8を参照して説明する。
図8は、第4実施形態におけるロック制御時とリリース制御時のEPB電流値の経時的変化の様子を示すグラフである。EPB制御部204は、図8に示す、ロック制御における最後のEPB電流値I1(時刻t31)と、リリース制御における最初の突入電流直後に減少度合が緩くなるときのEPB電流値I2(時刻t32)を比較することで、ドラム12の熱膨張の度合いを推定することができる。そのために、EPB制御部204は、例えば、EPB電流値I1とEPB電流値I2の比較結果とそれに対応するドラム12の熱膨張の度合いに関する情報を予め記憶しておけばよい。
したがって、EPB制御部204は、まず、ロック制御を行った後、クランプ力がリリース動作可能な最大クランプ力を超える可能性が発生するときより前にリリース制御を実行する。そして、その後、EPB制御部204は、EPB電流値I1とEPB電流値I2を比較してドラム12の熱膨張の度合いを推定する。そうすることで、EPB制御部204は、そのドラム12の熱膨張の度合いに応じてクランプ力を弱めるためのリリース制御を適宜実行することができる。この方法によれば、ドラム12の熱膨張の度合いを推定するために、車速やブレーキ動作の履歴情報が不要となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、または変更を行うことができる。また、上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 液圧ブレーキ
2 電動駐車ブレーキ
3 勾配検知センサ
2RL、2RR 後輪
2FL、2FR 前輪
12 ドラム
13L、13T ブレーキシュー
60 EPBモータ
100 ブレーキ装置
200 制動制御装置
201 検出部
202 制御部
203 液圧ブレーキ制御部
204 EPB制御部

Claims (7)

  1. 車両の複数の車輪に対して設けられた電動ドラムブレーキ装置を制御する制動制御装置であって、
    前記電動ドラムブレーキ装置におけるモータを回転させることによって制動部材を被制動部材の内周面に当接させて制動力を増加させるロック制御、および、前記モータを回転させることによって前記制動力を減少させるリリース制御を実行することで、前記電動ドラムブレーキ装置による制動を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記電動ドラムブレーキ装置による制動を制御する場合に、ブレーキドラムの温度を取得または推定し、前記温度に基いて、その後に前記ブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときに制動力が所定の上限制動力を超えないように、前記ロック制御、および、前記リリース制御の少なくともいずれかにより前記制動力を調整する制動力調整制御を実行する、制動制御装置。
  2. 前記制御部は、前記制動力調整制御を繰り返し実行する、請求項1に記載の制動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記制動力調整制御を実行する場合に、前記温度に基いて、その後に前記ブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときの制動力が前記車両の停車状態を保持するために必要な目標制動力となるように、前記ロック制御を実行する、請求項1または請求項2に記載の制動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記制御部が前記車両の停車状態を保持するために必要な目標制動力を発生させなくても、前記電動ドラムブレーキ装置とは異なる保持手段により前記車両の停車状態を保持可能な状態にあると判断した場合に、前記制動力調整制御を実行する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制動制御装置。
  5. 前記制御部は、前記制御部が前記車両の停車状態を保持するために必要な目標制動力を発生させなくても、前記電動ドラムブレーキ装置とは異なる保持手段により前記車両を停車状態に保持可能にした後に、前記制動力調整制御を実行する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制動制御装置。
  6. 前記制御部は、前記電動ドラムブレーキ装置が設けられている前記複数の車輪のうちのいずれか一輪のみに発生している前記制動力で前記車両の停車状態を保持できると判断した後、または、前記一輪のみで前記車両の停車状態を保持できるように前記制動力を増加させた後、前記一輪以外の前記車輪に対して前記制動力調整制御を実行する、請求項1または請求項2に記載の制動制御装置。
  7. 前記制御部は、前記制動力調整制御を実行する前に、前記リリース制御を実施し、前記モータの電流値から前記ブレーキドラムが冷却して径方向に収縮したときの熱収縮量を推定し、前記制動力調整制御による前記制動力の調整量、および、前記制動力調整制御を実行するタイミングの少なくともいずれかを決定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制動制御装置。
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