JP2020069761A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面印刷時、生産性を維持しつつ、カールに起因するヘッドでの用紙の詰まりを防ぐ。【解決手段】制御部は第1面の特定領域に吐出するインク量(特定領域インク量)を確認し、インク量率を求める。インク量率が基準インク量率を超えているとき、制御部は、変換対象範囲の画素の黒変換処理を行う。特定領域は、副走査方向で向かい合う辺のうち、第1面の用紙の搬送方向の上流側の端辺を含み、副走査方向の幅が所定距離である短冊状の領域である。変換対象範囲は、第1面の画像データ内の特定領域に対応する範囲である。黒変換処理は、シアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換する処理である。【選択図】図6

Description

本発明は、ラインヘッドを含み、インクを用いて画像形成(印刷、描画)を行う画像形成装置に関する。
画像形成装置には、インクを用いて印刷するものがある。インクを用いて印刷する画像形成装置では、用紙に吹き付けたインクが用紙に染みこみ、裏写りが生ずることがある。また、用紙のうち、インクが付着した部分は膨らむ。膨らみによって、カール、波打ち(コックリング)が生ずることがある。裏写り、カール、波打ちを考慮したインクジェット記録装置の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1には、両面印刷可能であり、片面印刷と両面印刷とで同領域に印刷するパ
ス回数が異なり、両面印刷のパス回数が片面印刷のパス回数より多いインクジェット記録装置が記載されている。この技術は、パス回数を多くするほど、裏写りが減少し、カール量は少なくなり、コックリング量も少なくなる点に着目する。パス回数を片面印刷と両面印刷とで変え、それぞれの印刷で最適なパス回数を設定しようとする(特許文献1:請求項1、請求項2、段落[0052]、[0053])。
特開特開2001−071479号公報
用紙は、吹き付けられたインクを吸収する。インクを吸収した部分は膨らむ。その結果、用紙の副走査方向(用紙搬送方向)の端部がカールする(巻き上がる)ことがある。膨張した面(インクが吐出された面)と逆方向にカールする。例えば、インクが吐出された面が用紙の上側の面のとき、用紙の端部は下方向にカールする。また、一般に、用紙の端部に吐出されたインクが多いほど、カール量は多くなる。
両面印刷を行うとき、ヘッドは、最初に、用紙の一方の面にインクを吐出する。片面印刷後、用紙の表裏が反転される。表裏が反転した用紙は、ヘッドの上流に送り返される。そして、片面印刷済の用紙がヘッドに搬送される。ヘッドは、用紙のもう一方の面にインクを吐出する。これにより、用紙の両面に印刷がなされる。
ノズル(ヘッド)と用紙の間隔が広いほど、インクの着弾位置がずれる。そのため、ノズルと、用紙を搬送する搬送路の間隔は、短い。例えば、間隔は数ミリ以下とされる。間隔が狭いので、両面印刷のとき、片面印刷済の用紙の端部のカール量が多いと、ヘッドと搬送路の隙間で用紙が詰まるという問題がある。用紙が詰まると、用紙の除去作業が必要となる。画像形成装置の生産性が低下する。また、詰まった用紙により、ヘッドが傷つく場合もある。
特許文献1記載のインクジェット記録装置では、裏写りやカールを減らすため、パス回数を増加させる。例えば、1面あたり、4〜8パス程度増加させる(特許文献1:図20、図21参照)。特許文献1記載の技術では、両面印刷では1枚の印刷に要するパス回数が多くなり、生産性(印刷速度)がかなり低下するおそれがある。特許文献1記載の技術は、生産性の点で問題が残る。
本発明は上記の課題に鑑み、両面印刷時、生産性を維持しつつ、カールに起因するヘッドでの用紙の詰まりを防ぐ。
本発明に係る画像形成装置は、ラインヘッド、用紙搬送部、スイッチバック部、第1搬送部、第2搬送部、制御部を含む。前記ラインヘッドは、搬送される用紙にインクを吐出するノズルを含む。前記ラインヘッドは固定される。前記用紙搬送部は、搬送ローラーを含む。前記用紙搬送部は前記ラインヘッドに向けて用紙を搬送する。前記用紙搬送部は、間隔を設けつつ前記ノズルと用紙を向かい合わせて用紙を搬送する。前記スイッチバック部はスイッチバックローラー対を含む。前記スイッチバック部は両面印刷のため、用紙の表裏と用紙の前後を逆転させる。前記第1搬送部は、前記ラインヘッドが印刷した用紙を前記スイッチバック部に向けて搬送する。前記第2搬送部は、前記スイッチバック部がスイッチバックした用紙を搬送する。前記第2搬送部は、前記ラインヘッドの上流側の前記用紙搬送部に用紙を戻す。前記ラインヘッドは、インク色ごとに複数設けられる。前記インク色は、少なくとも、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを含む。両面印刷の場合、前記制御部は、表面と裏面のうち、何れか一方を第1面と設定し、他方を第2面と設定する。前記制御部は、前記第1面から印刷を開始し、前記第1面の印刷後、前記第2面を印刷させる。前記第1面の印刷に用いる第1面の画像データに基づき、前記制御部は、前記第1面のうち特定領域に吐出するインク量である特定領域インク量を確認する。前記制御部は、前記特定領域インク量を予め定められたベタ印刷時インク量で除してインク量率を求める。求めた前記インク量率が予め定められた基準インク量率を超えているとき、前記制御部は、前記第1面の画像データ内の変換対象範囲に含まれる画素について黒変換処理を行う。前記特定領域は、副走査方向において向かい合う辺のうち、前記第1面の用紙の搬送方向の上流側の端辺を含み、前記副走査方向の幅が所定距離である短冊状の領域である。前記変換対象範囲は、前記第1面の画像データ内の前記特定領域に対応する範囲である。前記黒変換処理は、シアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換する処理である。
本発明によれば、両面印刷時、生産性を下げることなく、カールに起因するヘッドでの用紙の詰まりを防ぐことができる。
実施形態に係るプリンターの一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターの一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターの片面印刷時の処理の流れの一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターの両面印刷時の第1面と第2面の設定の流れの一例を示す図である。 実施形態に係る表面端領域と裏面端領域の一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターの両面印刷時の処理の流れの一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターの両面印刷時の処理の流れの一例を示す図である。 用紙のカールの一例を示す図である。 インク量率に対するカール量の一例を示す図である。 インク吐出からカール量の変化の一例を示す図である。
以下、図1〜図10を用いて、本発明の実施形態を説明する。画像形成装置として、プリンター100を例に挙げて説明する。プリンター100は、インクジェット方式のものである。なお、プリンター100は、例えば、スキャナーを含む複合機でもよい。
(プリンター100の概要)
まず、図1及び図2を用いて、実施形態に係るプリンター100の概要を説明する。図1、図2は、実施形態に係るプリンター100の一例を示す図である。
プリンター100は制御部1、記憶部2、操作パネル3、印刷部4、通信部10を含む。制御部1はプリンター100の各部を制御する。制御部1は、制御回路11と画像処理回路12を含む。制御回路11は、例えば、CPUである。制御回路11は、記憶部2に記憶される制御プログラムや制御データに基づき演算、処理を行う。記憶部2は、ROM、ストレージ(HDD、フラッシュROM)のような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置を含む。
操作パネル3は、表示パネル31、タッチパネル32を含む。表示パネル31は設定画面や情報を表示する。制御部1は、キー、ボタン、タブのような操作用画像を表示パネル31に表示させる。タッチパネル32は、表示パネル31へのタッチ操作を検知する。タッチパネル32の出力に基づき、制御部1は、操作された操作用画像を認識する。制御部1は、使用者が行った設定操作を認識する。
プリンター100は印刷部4を含む。制御部1は印刷部4の動作を制御する。印刷部4は、給紙部4a、用紙搬送部5、画像形成部6、第1搬送部7、スイッチバック部8、第2搬送部9を含む。給紙部4aは用紙束を収容する。給紙部4aは給紙ローラー41を含む。給紙ローラー41は給紙部4a内にセットされた用紙束のうち、最上位の用紙と接する。給紙ローラー41を回転させるための給紙モーター(不図示)が設けられる。印刷ジョブのとき、制御部1は、給紙モーターを回転させて給紙ローラー41を回転させる。これにより、給紙部4aから用紙が用紙搬送部5に送り出される。
用紙搬送部5は用紙を搬送する。制御部1は、画像形成部6に向けて、給紙部4aから供給された用紙を用紙搬送部5に搬送させる。図2において用紙搬送経路を太線で示す。搬送経路に沿って、搬送ローラー50と複数の用紙搬送ローラー対51が設けられる。これらの回転体を回転させるための用紙搬送モーター(不図示)が設けられる。印刷ジョブのとき、制御部1は、用紙搬送モーターを回転させて、搬送ローラー50と用紙搬送ローラー対51を回転させる。
用紙搬送部5は搬送ユニット53を含む。搬送ユニット53は駆動ローラー54と複数の従動ローラー55と搬送ベルト56を含む。搬送ベルト56は、駆動ローラー54と各従動ローラー55に架け回される。印刷ジョブのとき、制御部1は、ベルトモーターを回転させる。ベルトモーターは駆動ローラー54を回転させる。その結果、給紙部4aから供給された用紙は、搬送ベルト56上で搬送される。なお、搬送ユニット53は吸着部を含む。吸着部は空気の吸入、又は、静電力により、搬送ベルト56に用紙を吸着させる。吸着により、用紙の位置及び各ノズルと用紙の距離が固定される。印刷時、制御部1は吸着部を動作させる。
画像形成部6は、搬送用紙にインクを吐出して画像を記録する。画像形成部6は、複数のラインヘッド60を含む。具体的に、プリンター100は、4本のラインヘッド60(6Bk、6C、6M、6Y)を含む。ラインヘッド6Bkはブラックのインクを吐出する。ラインヘッド6Cはシアンのインクを吐出する。ラインヘッド6Mはマゼンタのインクを吐出する。ラインヘッド6Yはイエローのインクを吐出する。
搬送ベルト56の上方に各ラインヘッド60が設けられる。各ラインヘッド60固定される。各ラインヘッド60は複数のノズルを含む。ノズルは主走査方向(搬送方向と垂直な方向)で並べられる。各ノズルは搬送される用紙にインクを吐出する。各ノズルの開口は搬送ベルト56と向かい合う。印刷のとき、用紙搬送部5は、ラインヘッド60に向けて用紙を搬送するとともに、ノズルと向かい合わせで用紙を搬送する。
各ラインヘッド60と搬送ベルト56の間には隙間(間隔)が設けられる。間隔の長さは、予め定められる。間隔は、例えば、1ミリ〜数ミリ程度である。ノズルから吐出されたインクは搬送用紙に着弾する。これにより、画像が記録(形成)される。なお、ラインヘッド60ごとに、インクを供給するインクタンクが設けられる。
制御部1は、ラインヘッド60を通過した用紙を第1搬送部7に搬送させる。第1搬送部7は、排出トレイ73、又は、スイッチバック部8に向けて用紙を搬送する。第1搬送部7は、複数の第1搬送ローラー対70、第1切替ガイド71、第2切替ガイド72を含む。各第1搬送ローラー対70を回転させるため、第1搬送モーター(不図示)が設けられる。第1切替ガイド71、第2切替ガイド72は、用紙の搬送経路を切り替えるためのガイド板である。第1切替ガイド71は、排出トレイ73、又は、スイッチバック部8に用紙を導く。第1切替ガイド71を回動させるため、第1切替モーター(不図示)が設けられる。第2切替ガイド72は、用紙をスイッチバック部8、又は、用紙搬送部5(画像形成部6の上流)に導く。また、第2切替ガイド72を回動させるため、第2切替モーター(不図示)が設けられる。
スイッチバック部8は、スイッチバックローラー対80を含む。両面印刷のため、制御部1は、用紙の表裏と用紙の前後をスイッチバック部8に逆転させる。
第2搬送部9は、スイッチバック部8がスイッチバックした用紙を搬送する。第2搬送部9は、第2搬送ローラー対90を含む。第2搬送ローラー対90を回転させるため、第2搬送モーター(不図示)が設けられる。制御部1は、スイッチバックされた用紙を第2搬送部9に搬送させる。第2搬送部9は、ラインヘッド60の上流側にスイッチバックされた用紙を戻す。第2搬送部9は、スイッチバックされた用紙を用紙搬送部5に合流させる。
制御部1は通信部10と接続される。通信部10は通信用のハードウェア(コネクタ、通信用回路)とソフトウェアを含む。通信部10はコンピューター200と通信する。コンピューター200は、例えば、PCやサーバーである。制御部1はコンピューター200から印刷用データを受信する。印刷用データは、例えば、ページ記述言語で記述されたデータと印刷設定情報を含む。印刷設定情報は、印刷ジョブの設定情報である。使用者がコンピューター200で行った印刷設定が印刷設定情報に含まれる。例えば、コンピューター200で両面印刷を行う設定がなされたとき、両面印刷を行う旨の印刷設定情報が印刷用データに含まれる。
制御部1(画像処理回路12)は、受信した(入力された)印刷用データ(ページ記述言語で記述されたデータ)を解析する。ページ記述言語で記述されたデータに基づき、制御部1は、印刷用画像データ(ラスターデータ)を生成する。制御部1は、印刷用画像データに基づき、画像処理を行う。最終的に、制御部1は、網点処理のような画像処理を行い、インク吐出用画像データを生成する。インク吐出用画像データは、インクを吐出すべきノズルの位置と吐出タイミングを示すデータである。インク吐出用画像データに基づき、制御部1は、1ラインごとにラインヘッド60にインクを吐出させる。
(片面印刷時の処理)
次に、図3を用いて、実施形態に係るプリンター100の片面印刷時の処理の流れの一例を示す。図3は、実施形態に係るプリンター100の片面印刷時の処理の流れの一例を示す図である。なお、複数枚の用紙に連続して印刷するとき、制御部1は図3の処理を並行して行ってもよい。
まず、制御部1は、受信した印刷用データに基づき、印刷するページのインク吐出用画像データを生成する(ステップ♯11)。次に、制御部1は、給紙部4aに用紙を供給させる(ステップ♯12)。これにより、用紙が給紙部4aから送り出させる。次に、制御部1は、画像形成部6に向けて、用紙を用紙搬送部5に搬送させる(ステップ♯13)。用紙が画像形成部6に到達すると、制御部1は、生成したインク吐出用画像データに基づき、インク吐出を各ラインヘッド60に行わせる(ステップ♯14)。各ラインヘッド60のインク吐出により、用紙の片面の印刷(描画)が完了する。
そして、制御部1は、排出トレイ73に向けて、第1搬送部7に用紙を搬送させる(ステップ♯15)。このとき、制御部1は、複数の第1搬送ローラー対70を回転させる。また、制御部1は、排出トレイ73に用紙が排出される位置に、第1切替ガイド71を回動させる。言い換えると、制御部1は、スイッチバック部8への通路を第1切替ガイド71に閉じさせる。最終的に、第1搬送部7は、印刷済の用紙を排出トレイ73に排出する(ステップ♯16、図2のA方向に排出)。これにより、1ページの用紙の片面印刷が完了する(エンド)。
(第1面と第2面の設定)
次に、図4、図5を用いて、実施形態に係るプリンター100の両面印刷時の第1面と第2面の設定の流れの一例を示す。図4は、実施形態に係るプリンター100の両面印刷時の第1面と第2面の設定の流れの一例を示す図である。図5は、実施形態に係る表面端領域F1と裏面端領域F2の一例を示す図である。
図4のスタートは、受信した印刷用データに基づき、両面印刷を開始する時点である。この場合、印刷用データは、両面印刷を行うことが定義された印刷設定情報を含む。制御部1は、印刷設定情報を解析し、両面印刷を行うべきことを認識する。
まず、制御部1は、受信した印刷用データに基づき、表面と裏面の各ページのインク吐出用画像データを生成する(ステップ♯21)。両面印刷のとき、印刷用データは、表側のページのページ記述言語で記述されたデータと、裏側のページのページ記述言語で記述されたデータを含む。制御部1(画像処理回路12)は、表と裏の各ページの印刷用画像データ(ラスターデータ)を生成する。そして、制御部1は、表と裏の各ページのインク吐出用画像データを生成する。カラー印刷の場合、制御部1は、表面については、C、M、Y、Kのインク吐出用画像データを生成する。また、制御部1は、裏面についても、C、M、Y、Kのインク吐出用画像データを生成する。
次に、1ページ目の表面のインク吐出用画像データに基づき、制御部1は、表面のうちの表面端領域F1に吐出する表面インク量を求める(ステップ♯22)。また、1ページ目の裏面のインク吐出用画像データに基づき、制御部1は、裏面のうちの裏面端領域F2に吐出する裏面インク量を求める(ステップ♯23)。
図5に示すように、表面端領域F1は、副走査方向において向かい合う辺のうち、用紙搬送方向の上流側(後尾側)の端辺を含む。用紙搬送方向の上流側(後尾側)は、表面を印刷する場合の上流側である。表面端領域F1は副走査方向の幅が所定距離L1である。表面端領域F1は短冊状の領域である。一方、図6に示すように、裏面端領域F2は表面端領域F1の裏の領域である。表面端領域F1と裏面端領域F2のサイズは同じである。
そして、所定距離L1は、用紙搬送方向で最も上流側のラインヘッド60に最も近い搬送ローラー50から用紙搬送方向で最も上流側のラインヘッド60までの用紙搬送距離である。図2において、ラインヘッド60に最も近い搬送ローラーには、符号50を付している。所定距離L1は、搬送ローラー50から、用紙搬送方向で最も上流側のラインヘッド60の主走査方向と平行な側面までの距離である。このように、所定距離L1は、搬送ローラー50と搬送ベルト56のニップから、間隔が始まる場所までの距離である。
表面インク量と裏面インク量の算出について説明する。まず、1画素に吐出するインクの量は、色ごとに決まっている。また、本実施形態のプリンター100では、1画素に吐出するインクの量は、各色同じである(異なっていてもよい)。例えば、1画素に吐出するインクの量は、1色あたり、5〜7.5pL程度である。
制御部1は、表面のインク吐出用画像データの表面端領域F1に相当する領域のうち、インクを吐出する画素数を色ごとに数える。制御部1は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックのそれぞれについて、インクを吐出する画素の数を求める。制御部1は、各色の画素数の合計値を求める。制御部1は、1色かつ1画素に吐出するインク量と求めた合計値を乗じて、表面インク量を求める(ステップ♯22)。
また、制御部1は、裏面のインク吐出用画像データの裏面端領域F2に相当する領域のうち、インクを吐出する画素数を色ごとに数える。制御部1は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックのそれぞれについて、インクを吐出する画素の数を求める。制御部1は、各色の画素数の合計値を求める。制御部1は、1色かつ1画素に吐出するインク量と求めた合計値を乗じて、裏面インク量を求める(ステップ♯23)。
次に、制御部1は、表面インク量が裏面インク量以下か否かを確認する(ステップ♯24)。言い換えると、制御部1は、表面端領域F1と裏面端領域F2のうち、インク吐出量の多い方の領域は何れかを確認する。
表面インク量が裏面インク量以下のとき(ステップ♯24のYes)、制御部1は、表面を第1面、裏面を第2面と設定する(ステップ♯25)。一方、表面インク量が裏面インク量を超えているとき(ステップ♯24のNo)、制御部1は、表面を第1面、裏面を第2面と設定する(ステップ♯26)。ステップ♯25、又は、ステップ♯26により、本フローは終了する(エンド)。制御部1は、表面と裏面のうち、何れか一方を第1面と設定し、他方を第2面と設定する。以後、制御部1は、第1面から各用紙の印刷を開始し、第1面の印刷後、第2面を印刷させる。これにより、制御部1は、表面と裏面のうち、何れの面から印刷するかを定める。
なお、複数枚の用紙を連続して両面印刷する印刷ジョブのとき、1枚目で表面を第1面と設定したとき、制御部1は、全てのページで表面を第1面と設定する。1枚目で裏面を第1面と設定したとき、制御部1は、全てのページで裏面を第1面と設定する。これにより、排出された用紙の全てのページの表裏が揃う。
(両面印刷の流れ)
次に、図6〜図10を用いて、実施形態に係るプリンター100での両面印刷の流れの一例を説明する。図6、図7は実施形態に係るプリンター100の両面印刷時の処理の流れの一例を示す図である。図8は、用紙のカールの一例を示す図である。図9は、インク量率に対するカール量の一例を示す図である。図10は、インク吐出からカール量の変化の一例を示す図である。
第1面と第2面の設定後、制御部1は、特定領域のインク量である特定領域インク量を確認する(ステップ♯31)。ここで、特定領域は、用紙のうち、副走査方向において向かい合う辺のうち、用紙搬送方向の上流側(後尾側)の端辺を含む。用紙搬送方向の上流側(後尾側)とは、第1面を印刷する場合の上流側である。特定領域は副走査方向の幅が所定距離L1である。特定領域は短冊状の領域である。
表面が第1面のとき、表面端領域F1が特定領域に相当する。裏面が第1面のとき、特定領域は、副走査方向において向かい合う辺のうち、裏面印刷時の用紙搬送方向の上流側(後尾側)の端辺を含む。用紙搬送方向の上流側(後尾側)とは、裏面を印刷する場合の上流側である。
表面が第1面のとき、制御部1は、表面インク量を特定領域インク量とする。裏面が第1面のとき、制御部1は、裏面のインク吐出用画像データのうち、特定領域に相当する領域でインクを吐出する画素数を色ごとに数える。制御部1は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックのそれぞれについて、インクを吐出する画素の数を求める。制御部1は、各色の画素数の合計値を求める。制御部1は、1色かつ1画素に吐出するインク量と求めた合計値を乗じて、特定領域インク量を求める(ステップ♯31)。
そして、制御部1は、インク量率を求める(ステップ♯32)。制御部1は、特定領域インク量を、ベタ印刷時インク量21で除した値を、インク量率として求める。ベタ印刷時インク量21は、予め定められる。記憶部2はベタ印刷時インク量21を不揮発的に記憶する(図1参照)。制御部1は、記憶部2に記憶されたベタ印刷時インク量21を用いて算出を行う。
ベタ印刷時インク量21は、特定領域の全画素に全色のインクに吐出したときのインク量である。言い換えると、ベタ印刷時インク量21は、特定領域の全画素に、C、M、Y、Kのインクを吐出するときに消費されるインク量である。特定領域の全画素数と、1色の1画素当たりのインク吐出量と、4(4色)とを乗ずることにより、ベタ印刷時インク量21を求めることができる(インク量400%)。インク量率は、4色ベタ印刷時のインク量に対する特定領域のインク量の比率を示す。
そして、制御部1は、求めたインク量率が基準インク量率22を超えているか否かを確認する(ステップ♯33)。基準インク量率22は、用紙のカール量がラインヘッド60と用紙(搬送ベルト56)の隙間(間隔)となるときのインク量率である。基準インク量率22は予め定められる。記憶部2は、基準インク量率22を不揮発的に記憶する。制御部1は、記憶部2に記憶された基準インク量率22を参照する。
まず、図8を用いて、用紙のカールについて説明する。インクは用紙に吐出される。用紙は吐出されたインクを吸収する。インクを吸収した部分は膨らむ。用紙の一方の面と他方の面の膨張率が異なる場合、用紙はカールする。図8の例は、上側の面にインクが吐出される例を示す。例えば、用紙搬送方向上流側の上面にインクが吐出された場合、用紙の上流側端部が下向きにカール(湾曲)する。
図8に示すように、カール量は、用紙端部が持ち上がる量(高さ)である。カール量は、水平面に用紙を置いたとき、垂直方向での水平面と用紙端部の距離ともいえる。そして、図9に示すように、特定領域に吐出されるインクが多いほど、カール量は多くなる。用紙に吸収される液体が増え、膨張の程度が強まるためである。
ここで、図9に基準インク量率22の一例を破線で示す。実験を繰り返すことにより、カール量が間隔と等しくなるインク量率を確認することができる。インク量率が基準インク量率22のときに両面印刷を行うと、用紙がラインヘッド60で詰まる確率が高くなる。基準インク量率22は、用紙がラインヘッド60で詰まるか否かを判定するための基準となる。
求めたインク量率が基準インク量率22を超えているとき(ステップ♯33のYes)、制御部1は、第1面の画像データ(第1面のインク吐出用画像データ)の内、変換対象範囲に含まれる画素について黒変換処理を行う(ステップ♯34)。変換対象範囲は、第1面のインク吐出用画像データの内、特定領域に対応する範囲である。
一方、求めたインク量率が基準インク量率22以下のとき(ステップ♯33のNo)、制御部1は、ステップ♯34、ステップ♯35をスキップする。つまり、制御部1は、変換対象範囲の画素の黒変換処理を行わない。
黒変換処理は、シアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換する処理である。黒を再現する場合、1つの画素にシアン、マゼンタ及びイエローのインクを重ねることがある。シアン、マゼンタ及びイエローのインクを重ねる画素にブラックのインクのみが吐出されるようにする。具体的に、制御部1は、シアン、マゼンタ及びイエローのインク吐出用画像データのうち、シアン、マゼンタ及びイエローの3色が重なる画素を、不吐出(白)に変換する。また、制御部1は、ブラックのインク吐出用画像データのうち、不吐出に変換した画素と同じ位置の画素を吐出(黒)とする。これにより、当該画素については、使用されるインク量が1/3に減る。黒変換処理を行うことにより、特定領域のカール量を減らすことができる。
ここで、制御部1(画像処理回路12)は、変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素の全てを、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換してもよい(第1の手法)。この場合、制御部1は、特定領域に吐出されるインク量ができるだけ減るように、黒変換処理を行う。
また、制御部1(画像処理回路12)は、インク量率が基準インク量率22以下となるように、変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換してもよい(第2の手法)。第2の黒変換手法では、目標インク量率が予め定められる。目標インク量率は、基準インク量率22でもよい。また、目標インク量率は、基準インク量率22よりも小さい値であり、予め定められた値でもよい。
例えば、制御部1は、求められたインク量率と基準インク量率22の差の絶対値を求める。制御部1は、絶対値にベタ印刷時インク量21を乗じて削減目標値を求める。削減目標値は、インク量率を目標インク量率とするために減らすべきインク量を示す。目標減少値を黒変換処理したときの1画素あたりの使用インクの減少量で除すことにより、制御部1は、黒変換処理すべき画素数を求めることができる。制御部1は、求めた黒変換処理すべき画素数の黒変換処理を行う。なお、黒変換処理可能な画素数が黒変換処理すべき画素数よりも少ないとき、制御部1は、全ての黒変換処理可能な画素の黒変換処理を行う。
また、制御部1(画像処理回路12)は、変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素のうち、予め定められた変換数(上限数)の画素をブラックのインクのみを吐出する画素に変換するようにしてもよい(第3の手法)。黒変換処理により、画像の色味、雰囲気が変わることがある。上限の変換数を定めておくことにより、画像の色味、雰囲気の変化を減らすことができる。
操作パネル3は、第1〜第3の手法のうち、用いる黒変換処理の選択を受け付けてもよい。この場合、制御部1(画像処理回路12)は、選択された黒変換処理を実行する。
黒変換処理を行った場合、制御部1は、変換後の第1面の画像データ(第1面のインク吐出用画像データ)に基づき、変換後インク量率を求める(ステップ♯35)。具体的に、制御部1は、特定領域に吐出するインク量である変換後インク量を求める。制御部1は、変換後の第1面のインク吐出用画像データのうち、特定領域に相当する領域でインクを吐出する画素数を色ごとに数える。制御部1は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックのそれぞれについて、インクを吐出する画素の数を求める。制御部1は、各色の画素数の合計値を求める。制御部1は、1色かつ1画素に吐出するインク量と求めた合計値を乗じて、変換後インク量を求める。そして、制御部1は、求めた変換後インク量を、ベタ印刷時インク量21で除して、変換後インク量率を求める。
次に、制御部1は、給紙部4aに用紙を供給させる(ステップ♯36)。これにより、用紙が給紙部4aから送り出させる。次に、制御部1は、画像形成部6に向けて、用紙を用紙搬送部5に搬送させる(ステップ♯37)。用紙が画像形成部6に到達すると、制御部1は、第1面のインク吐出用画像データに基づき、インク吐出を各ラインヘッド60に行わせる(ステップ♯38)。各ラインヘッド60のインク吐出により、用紙の片面の印刷(描画)が完了する。
そして、制御部1は、スイッチバック部8に向けて、第1搬送部7に用紙を搬送させる(ステップ♯39)。制御部1は、用紙をスイッチバック部8に進入させる。制御部1は、複数の第1搬送ローラー対70を回転させる。また、制御部1は、スイッチバック部8に用紙が送られる位置に、第1切替ガイド71を回動させる。言い換えると、制御部1は、スイッチバック部8への通路を第1切替ガイド71に開かせる。また、制御部1は、用紙がスイッチバック部8に進入するように、第2切替ガイド72を回動させる。その結果、図2において、B方向に用紙が搬送される。
そして、制御部1は、スイッチバック部8にスイッチバック動作を行わせる(ステップ♯310)。まず、制御部1は、スイッチバック部8の奥側に進入するように、スイッチバックローラー対80を回転させる。そして、制御部1は、用紙がスイッチバックローラー対80のニップを通過する前にスイッチバックローラー対80を停止させる。用紙の後端が第1搬送部7とスイッチバック部8と第2搬送部9の分岐点を超えた時点で、制御部1はスイッチバックローラー対80を停止させる。これにより、以後の搬送では、用紙のうち、特定領域のある端部が用紙搬送方向下流側(先頭側)となる。特定領域のある端部がラインヘッド60(ノズルと搬送ベルト56の間隔)に最初に進入する。
そして、制御部1は黒変換処理を行ったか否かを確認する(ステップ♯311)。黒変換処理を行った場合(ステップ♯311のYes)、制御部1は、変換後インク量率が基準インク量率22を超えているか否かを確認する(ステップ♯312)。変換後インク量率が基準インク量率22を超えているとき(ステップ♯312のYes)、制御部1は、予め定められた待ち時間23、スイッチバック部8で片面印刷済用紙を待機させる(ステップ♯313)。
図10に示すように、インク吐出から時間が経過するほど、用紙端部のカール量が減ってゆく傾向がある。第1面へのインク吐出後、スイッチバックした用紙のラインヘッド60への進入を遅らせることにより、ラインヘッド60での用紙の詰まりを避けられる場合がある。記憶部2は、待ち時間23を不揮発的に記憶する。制御部1は、記憶部2に記憶された待ち時間23を参照する。待ち時間23は、適宜定めることができる。待ち時間23は複数種類、定められてもよい。例えば、変換後インク量率が大きいほど、長い待ち時間23が定義されてもよい。また、特定領域にベタ印刷時インク量21を吐出した場合、特定領域のカール量がノズルと搬送ベルト56の間隔以下となる時間が待ち時間23と定義されてもよい。
片面印刷済用紙の待機後(ステップ♯313)、制御部1は、用紙(片面印刷済)をラインヘッド60の上流側に戻す(ステップ♯314)。また、黒変換処理を行っていない場合(ステップ♯311のNo)、又は、変換後インク量率が基準インク量率22を超えていないとき(ステップ♯312のNo)、制御部1は、待たずに(待ち時間23を設けずに)、用紙(片面印刷済)をラインヘッド60の上流側に戻す(ステップ♯314)。
制御部1は、用紙搬送部5(画像形成部6の上流)に導く角度に第2切替ガイド72を回動させる。また、制御部1は、スイッチバック部8から排出する方向にスイッチバックローラー対80を回転させる。また、制御部1は、第2搬送ローラー対90(第2搬送モーター)を回転させ、用紙を用紙搬送部5の搬送経路に合流させる。
第2面の印刷を開始するため、制御部1は、画像形成部6に向けて、用紙を用紙搬送部5に搬送させる(ステップ♯315)。第1面の印刷時とは、用紙の前後、表裏が逆転された用紙が搬送される。スイッチバックされた用紙が画像形成部6に到達すると、制御部1は、第2面のインク吐出用画像データに基づき、インク吐出を各ラインヘッド60に行わせる(ステップ♯316)。各ラインヘッド60のインク吐出により、用紙の第2面の印刷(描画)が完了する。
そして、制御部1は、排出トレイ73に向けて、第1搬送部7に用紙を搬送させる(ステップ♯317)。やがて、両面印刷された用紙は、排出トレイ73に排出される。次に、制御部1は、印刷ジョブが完了したか否かを確認する(ステップ♯318)。言い換えると、制御部1は、印刷ジョブで印刷すべき両面印刷し終えたか否かを確認する。印刷ジョブが完了したとき(ステップ♯318のYes)、本フローは終了する(エンド)。印刷ジョブが未完了のとき(ステップ♯318のNo)、フローは、ステップ♯31に戻る。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(プリンター100)は、ラインヘッド60、用紙搬送部5、スイッチバック部8、第1搬送部7、第2搬送部9、制御部1を含む。ラインヘッド60は、搬送される用紙にインクを吐出するノズルを含む。ラインヘッド60は固定される。用紙搬送部5は、搬送ローラー50を含む。用紙搬送部5はラインヘッド60に向けて用紙を搬送する。用紙搬送部5は、間隔を設けつつノズルと用紙を向かい合わせて用紙を搬送する。スイッチバック部8はスイッチバックローラー対80を含む。スイッチバック部8は両面印刷のため、用紙の表裏と用紙の前後を逆転させる。第1搬送部7は、ラインヘッド60が印刷した用紙をスイッチバック部8に向けて搬送する。第2搬送部9は、スイッチバック部8がスイッチバックした用紙を搬送する。第2搬送部9は、ラインヘッド60の上流側の用紙搬送部5に用紙を戻す。ラインヘッド60は、インク色ごとに複数設けられる。インク色は、少なくとも、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを含む。両面印刷の場合、制御部1は、表面と裏面のうち、何れか一方を第1面と設定し、他方を第2面と設定する。制御部1は、第1面から印刷を開始し、第1面の印刷後、第2面を印刷させる。第1面の印刷に用いる第1面の画像データに基づき、制御部1は、第1面のうち特定領域に吐出するインク量である特定領域インク量を確認する。制御部1は、特定領域インク量を予め定められたベタ印刷時インク量21で除してインク量率を求める。求めたインク量率が予め定められた基準インク量率22を超えているとき、制御部1は、第1面の画像データ内の変換対象範囲に含まれる画素について黒変換処理を行う。特定領域は、副走査方向において向かい合う辺のうち、第1面の用紙の搬送方向の上流側の端辺を含み、副走査方向の幅が所定距離L1である短冊状の領域である。変換対象範囲は、第1面の画像データ内の特定領域に対応する範囲である。黒変換処理は、シアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換する処理である。
この構成によれば、特定領域に吐出するインク量に基づき、インク量率を求めることができる。特定領域は、第1面を印刷するときの用紙搬送方向上流側(副走査方向で後尾側)の領域である。両面印刷のためにスイッチバックされたとき(第2面の印刷のとき)、特定領域は、用紙搬送方向下流側(副走査方向で先頭側)となる。つまり、特定領域は、第2面の印刷時に最初にラインヘッド60に到達する部分となる。そして、求めたインク量率と基準インク量率22と比較し、第2面の印刷時に特定領域のカールが大きいか否かを判定することができる。言い換えると、2回目のパス(用紙のラインヘッド60下方の通過)のとき、第2面を印刷する用紙の先頭(搬送方向下流側)のカールが大きいか否かを判定することができる。
第2面の印刷時、特定領域のカールが大きいと予測されるとき、黒変換処理を行うことができる。黒変換処理により、第2面の印刷時(2回目のパス時)、特定領域のカール量を抑えることができる。カール量を抑えることができるので、ラインヘッド60での用紙の詰まりを防ぐことができる。また、カールを抑えるために、パス回数を増やす必要はない。両面印刷時、生産性を維持しつつ、ヘッドでの用紙の詰まりを防ぐことができる。
基準インク量率22は、用紙のカール量が間隔となるときのインク量率である。制御部1は、求めたインク量率が基準インク量率22以下のとき、変換対象範囲に含まれる画素について黒変換処理を行わない。ラインヘッド60で用紙が詰まらない程度のカール量のとき、黒変換処理を行わないようにすることができる。両面印刷の第2面の印刷のとき(2回目のパスのとき)、用紙の詰まりが生ずるほどのカールが生ずるときのみ、黒変換処理を行うことができる。
制御部1は、表面のうちの表面端領域F1に吐出する表面インク量を求める。制御部1は、裏面のうちの表面端領域F1の裏の領域である裏面端領域F2に吐出する裏面インク量を求める。表面インク量が裏面インク量以下のとき、制御部1は、表面を第1面、裏面を第2面と設定する。表面インク量が裏面インク量を超えているとき、制御部1は、裏面を第1面、表面を第2面と設定する。表面端領域F1は、副走査方向において向かい合う辺のうち、表面を印刷するときの用紙搬送方向の上流側の端辺を含み、副走査方向の幅が所定距離L1である短冊状の領域である。表面と裏面のうち、特定領域に対応する領域で使用されるインクが少ない方を第1面に設定することができる。両面印刷の第2面の印刷のとき(2回目のパスのとき)、用紙搬送方向下流側(副走査方向で先頭側)の端部のカールがより少ない面から印刷を開始することができる。
所定距離L1は、用紙搬送方向で最も上流側のラインヘッド60に最も近い搬送ローラー50から用紙搬送方向で最も上流側のラインヘッド60までの用紙搬送距離である。搬送ローラー50は用紙と接する。搬送ローラー50を通過すると、用紙の押さえがなくなる。その結果、搬送ローラー50のニップを通過すると、用紙の端部のカールが再びカールする。ラインヘッド60に最も近い搬送ローラー50を通過してから、ラインヘッド60に到達するまでにカールする部分に基づき、特定領域、表面端領域F1、裏面端領域F2の副走査方向の幅を定めることができる。
制御部1は、変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素の全てを、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換してもよい。第1面の特定領域に吐出するインクの量を最も少なくすることができる。特定領域のカールをできるだけ抑えることができる。
制御部1は、インク量率が基準インク量率22以下となるように、変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換してもよい。両面印刷の第2面の印刷のとき(2回目のパスのとき)、用紙搬送方向下流側(副走査方向で先頭側)の端部のカールを、用紙の詰まりが生じない程度に抑えることができる。しかも、黒変換処理する画素の数をできるだけ少なくすることもできる。
制御部1は、変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素のうち、予め定められた変換数の画素をブラックのインクのみを吐出する画素に変換してもよい。両面印刷の第2面の印刷のとき(2回目のパスのとき)、ラインヘッド60で用紙の詰まりが生じない程度にカールを抑えることができる。一定数の画素を黒変換処理することができる。
黒変換処理を行った場合、制御部1は、変換後の第1面の画像データに基づき、特定領域に吐出するインク量である変換後インク量を求める。制御部1は、求めた変換後インク量を、ベタ印刷時インク量21で除して、変換後インク量率を求める。求めた変換後インク量率が基準インク量率22を超えているとき、制御部1は、予め定められた待ち時間23、スイッチバック部8で片面印刷済用紙を待機させる。インクの吐出後、時間が経過するほど、一般的に、カール量は少なくなる。この構成によれば、黒変換処理を行っても、ラインヘッド60で用紙が詰まるほど第1面の特定領域にインクが吐出されたとき、スイッチバック部8で用紙を待機することができる。両面印刷の第2面の印刷のとき(2回目のパスのとき)、用紙搬送方向下流側(副走査方向で先頭側)の端部のカール量を減らしてから、ラインヘッド60下側に用紙を進入させることができる。
複数の用紙を連続して印刷する場合、制御部1は、1枚目で表面を第1面と設定したとき、全てのページで表面を第1面と設定する。1枚目で裏面を第1面と設定したとき、制御部1は、全てのページで裏面を第1面と設定する。印刷済用紙の表裏の関係を全てのページで統一することができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、インクを用いて両面印刷する画像形成装置に利用可能である。
100 プリンター(画像形成装置) 1 制御部
21 ベタ印刷時インク量 22 基準インク量率
23 待ち時間 5 用紙搬送部
50 搬送ローラー 60 ラインヘッド
7 第1搬送部 8 スイッチバック部
80 スイッチバックローラー対 9 第2搬送部
F1 表面端領域 F2 裏面端領域
L1 所定距離

Claims (9)

  1. 搬送される用紙にインクを吐出するノズルを含み、固定されるラインヘッドと、
    搬送ローラーを含み、前記ラインヘッドに向けて用紙を搬送するとともに、間隔を設けつつ前記ノズルと用紙を向かい合わせて用紙を搬送する用紙搬送部と、
    スイッチバックローラー対を含み、両面印刷のため、用紙の表裏と用紙の前後を逆転させるスイッチバック部と、
    前記ラインヘッドが印刷した用紙を前記スイッチバック部に向けて搬送する第1搬送部と、
    前記スイッチバック部がスイッチバックした用紙を搬送し、前記ラインヘッドの上流側の前記用紙搬送部に用紙を戻す第2搬送部と、
    制御部と、を含み、
    前記ラインヘッドは、インク色ごとに複数設けられ、
    前記インク色は、少なくとも、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを含み、
    両面印刷の場合、
    前記制御部は、
    表面と裏面のうち、何れか一方を第1面と設定し、他方を第2面と設定し、
    前記第1面から印刷を開始し、前記第1面の印刷後、前記第2面を印刷させ、
    前記第1面の印刷に用いる第1面の画像データに基づき、前記第1面のうち特定領域に吐出するインク量である特定領域インク量を確認し、
    前記特定領域インク量を予め定められたベタ印刷時インク量で除してインク量率を求め、
    求めた前記インク量率が予め定められた基準インク量率を超えているとき、前記第1面の画像データ内の変換対象範囲に含まれる画素について黒変換処理を行い、
    前記特定領域は、副走査方向において向かい合う辺のうち、前記第1面の用紙の搬送方向の上流側の端辺を含み、前記副走査方向の幅が所定距離である短冊状の領域であり、
    前記変換対象範囲は、前記第1面の画像データ内の前記特定領域に対応する範囲であり、
    前記黒変換処理は、シアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換する処理であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記基準インク量率は、用紙のカール量が前記間隔となるときのインク量率であり、
    前記制御部は、求めた前記インク量率が前記基準インク量率以下のとき、前記変換対象範囲に含まれる画素について前記黒変換処理を行わないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記表面のうちの表面端領域に吐出する表面インク量を求め、
    前記裏面のうちの前記表面端領域の裏の領域である裏面端領域に吐出する裏面インク量を求め、
    前記表面インク量が前記裏面インク量以下のとき、前記表面を第1面、前記裏面を第2面と設定し、
    前記表面インク量が前記裏面インク量を超えているとき、前記裏面を前記第1面、前記表面を前記第2面と設定し、
    前記表面端領域は、副走査方向において向かい合う辺のうち、前記表面を印刷するときの用紙搬送方向の上流側の端辺を含み、前記副走査方向の幅が前記所定距離である短冊状の領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記所定距離は、用紙搬送方向で最も上流側の前記ラインヘッドに最も近い前記搬送ローラーから用紙搬送方向で最も上流側の前記ラインヘッドまでの用紙搬送距離であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素の全てを、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記インク量率が前記基準インク量率以下となるように、前記変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素を、ブラックのインクのみを吐出する画素に変換することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記変換対象範囲内のシアン、マゼンタ及びイエローの3色を吐出する画素のうち、予め定められた変換数の画素をブラックのインクのみを吐出する画素に変換することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記黒変換処理を行った場合、
    前記制御部は、
    変換後の前記第1面の画像データに基づき、前記特定領域に吐出するインク量である変換後インク量を求め、
    求めた前記変換後インク量を、前記ベタ印刷時インク量で除して、変換後インク量率を求め、
    求めた前記変換後インク量率が前記基準インク量率を超えているとき、
    予め定められた待ち時間、前記スイッチバック部で前記片面印刷済用紙を待機させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 複数の用紙を連続して印刷する場合、
    前記制御部は、
    1枚目で前記表面を前記第1面と設定したとき、全てのページで表面を前記第1面と設定し、
    1枚目で前記裏面を前記第1面と設定したとき、全てのページで裏面を前記第1面と設定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
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