JP2020069674A - 棒状芯繰出具 - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献2のメカニカルペンシルは、軸筒又は先部材内に、芯の後退を阻止するチャックユニットと、芯を保持する機能を有する摺動ユニットが配置され、摺動ユニットの外周に鋸歯状の連なる溝が形成され、その鋸歯状の連なる溝と係合する突起を有する回転子の回転により、前記摺動ユニットが前後動し、且つ、その摺動ユニットの前後動の距離が間欠的に異なり、複数回の筆記圧の付加と解除によって、芯の回転と芯の繰り出しとが同時且つ自動的に行ってくれるものである。
「1.軸筒と、当該軸筒内に配設され筆記用の芯を把持するチャックとチャックに外嵌された締具と前記芯を収納する芯タンクとを有する芯繰出機構と、を備え、前記チャックが前後動するよう操作することで前記芯繰出機構が作動し、前記芯を前記軸筒の前端開口部から出没可能に構成した棒状芯繰出具であって、
前記軸筒の内部に前後動自在且つ回動自在に配設された回転子を備え、前記回転子は、前記軸筒を前後に振ることで前後動するよう当該軸筒内に遊嵌されると共にその前後動に伴い当該軸筒に対して回転するよう構成され、前記チャックが前記回転子の回転に連動して前記軸筒に対して回転するよう構成したことを特徴とする棒状芯繰出具。
2.前記軸筒の内側面または前記回転子の外側面に、互いの対向する端部にカム斜面を有する前部カム突起と後部カム突起とを備え、前記前部カム突起と前記後部カム突起は軸周方向に半位相ずれた状態で形成され、
前記回転子の外側面または前記軸筒の内側面に、前後端にカム斜面を備えたカム突起が形成され、
前記回転子の前後動に伴い前記カム突起が前記前部カム突起及び前記後部カム突起に対して交互に当接し、前記カム斜面に沿って移動することで、当該回転子が当該軸筒に対して回転するよう構成したことをと特徴とする前記1項に記載の棒状芯繰出具。
3.前記軸筒を前後に振ることにより、前記芯を回転させると共に前記芯繰出機構が作動して当該芯が前方へ繰り出されるように構成したことを特徴とする前記1項または2項に記載の棒状芯繰出具。
4.前記芯繰出機構の外側面に形成した窓部に操作体が配設され、前記操作体と前記回転子とが当接することで当該回転子の前方への移動量を制限すると共に、前記操作体を操作することで前記回転子の前方への移動制限が解除されるよう構成したことを特徴とする前記3項に記載の棒状芯繰出具。
5.前記軸筒の窓部に係止部が形成され、前記操作体に前記窓部の係止部と係止する被係止部が形成され、前記係止部と前記被係止部との係止状態を解除することで前記操作体が操作可能となるよう構成したことを特徴とする前記4項に記載の棒状芯繰出具。」である。
尚、本発明では軸筒を前後に振る動作により回転子を前後動させ、回転子の前後動によりチャックを回転させるため、軸筒を振った際、回転子に大きな慣性力が働くよう、回転子は一定以上の重量を有するように構成することが好ましい。また、回転子に重量を持たせる手段としては、回転子を金属などの比重の重い素材で形成してもよく、回転子に重りとなる重量体を固着させることで重量を増やしても良い。
尚、係止部と被係止部との係止状態を解除する方法としては、指が触れても簡単には係止状態が解除されないように、一定以上の力を掛けることで解除されるよう構成してもよく、筆記時に指が操作体に触れても操作体が移動し難い方向(例えば軸周方向または後退方向等)に力を掛けることで解除されるよう構成してもよい。
また、本実施例では、軸筒の長手方向において、先口がある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。更に、軸筒の軸径方向において、チャックがある方を内方と表現し、その反対側を外方と表現する。
尚、説明を分かりやすくするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
図1は実施例1のシャープペンシル1(棒状芯繰出具)の正面図であり、図2は図1の拡大縦断面図であり、図3は図2のA−A線における拡大断面図であり、図4は軸筒4内に配置される芯繰出機構8と回転子18と重量体17の側面図である。図1及び図2に示すように、シャープペンシル1は、筒状に形成された前軸2と前軸2の前部に螺着された先口3とで軸筒4が構成され、軸筒4の後部には外側部にクリップ部5aが形成された後筒体5と後筒体5の後端開口部5bから後方へ突出するようノック体6とを有するノックユニット7が装着され、軸筒4の内部には芯繰出機構8が挿入され、更に、前軸2の外側部の窓部2hには操作体9を装着して構成してある。
図2に示すように、軸筒4の内方には、頭部10aが3分割された黄銅製のチャック10が配設してある。そして、チャック10の頭部10aを覆うように筒状の締具11が外嵌され、締具11の後部に当接するように前部に鍔部12aを備えた筒状体12を配設してある。
更に、チャック10の頭部10aの外周部は前方へ向って拡径するようにテーパ状に形成してあり、頭部10aに締具11を外嵌している状態では、頭部10aの内周部でシャープペンシル用の芯13を狭持可能に構成してある。そして、チャック10の頭部10aに締具11を外嵌していない状態では、頭部10aが互いに離間して開くように形成してあり、その状態では頭部10aで芯13の狭持が解除されるよう構成してある。
更に、重量体17の外周部には筒状の回転子18を圧入装着して重量体17と回転子18とを一体化してあり、回転子18の外側面には前後端にカム斜面18b(前方カム斜面18b1、後方カム斜面18b2)を備えたカム突起18aを形成してある。尚、カム突起18aは軸周方向に沿って3つの突起が均等配置(120°毎に配置)されるように形成してある。
尚、前記カム突起2bと後部カム突起2cは軸周方向に半位相分(本実施例では60°)ずれた状態で形成してある。
尚、本発明においては、1度の振り動作で回転子が回転する角度が小さいと芯の片減りを解消する効果が弱く、回転する角度が大きすぎると芯のエッジ部で筆記する場合が発生し、芯が欠けたり折れやすくなることから、1度の振り動作で回転子が回転する角度は、30°以上180°以下が好ましく、60°以上、150°以下とすることがより好ましい。本実施例では、例えば回転子が最前進した位置からで考えると、後退時に60°、後退後の前進時に60°となるよう構成しているため、1回の前後への振り動作による回転子の前後動により回転子は120°回転する。
そして、前軸2の中央外側部には内孔まで貫通する窓部2hが形成してあり、その前部両側部には凹状の係止部2iが連続して2箇所(第一係止部2i1、第二係止部2i2)形成してある。また、窓部には前述した操作体9が前後動可能に挿入してある。
尚、本実施例では、操作体9の係止突起9a(被係止部)と前軸2の窓部2hの係止部2i(第一係止部2i1、第二係止部2i2)との係止状態を解除は、操作体9を前方または後方へ押圧することで実行することができるが、解除に必要な押圧力は5.0N以上に設定してあり、振動作時に重量体17が当接した際に発生する押圧力は最大でも3.0N程度、筆記時に指が操作体9に誤って触れた際に発生する押圧力が最大でも同じく3.0N程度であることから、係止突起9aと係止部2iとの嵌合力の方が十分に大きいため、筆記時や振動作時に操作体9と窓部2hとの係止状態が解除されて操作体9が移動してしまうことが無いように構成してある。
尚、筒状体12の前端と先口3のリブ3cとを当接させているため、その当接部の接触面積は全周で当接する場合の約50%まで小さくなる。このため、後述する軸筒4の振り動作で芯繰出機構8が回転する際に、芯繰出機構8が軸筒4に対して回転し易くなるよう構成してある。
また、前方内筒部5dの外周面には、クリップ部5aの真下の位置に、係止用突起5fと回転位置決め突起5gを形成するとともに、回転位置決め突起5gの後方に長手方向に延びる開口窓5hを軸心に対向するように2箇所形成してある。
そして、押圧部材23の突起23aを後筒体5の開口窓5gに挿入することで、押圧部材23を後筒体5に対して前後動可能且つ回動不能に係止し、押圧部材23の外鍔23bの前端と後筒体5の段部5eとの間にリターンスプリング22を張架することで押圧部材23を後方へ弾発してある。更に、押圧部材23の内面には芯挿通孔を有する内鍔23cが形成してあり、この内鍔23cの前面がノック時(芯繰り出し時)に芯タンク16の後端を押圧する押圧面として機能するよう構成してある。
そして、後筒体5とリターンスプリング22とノック体6とでノックユニット7が構成される。
筆記時に筆記姿勢を維持した状態(図1及び図2の状態)で軸筒4を前後に振ると、始めに軸筒4に対して遊嵌している回転子18と回転子18に圧入装着して一体化させてある重量体17とが共に慣性力で後方へ移動する。この際、図5の矢印Xに示すように、回転子18のカム突起18aが後方側へ移動し、カム突起18aの後方カム斜面18b2と前軸2の後部カム突起2cの後部カム斜面2c1とが当接することで回転子18は後部カム斜面2c1に沿って図5における右方向(前軸2を後方から視て反時計回り方向)に回転する。この回転子18の回転に伴い重量体17と回動不能に係止している芯タンク16が回転し、更に、芯タンク16の回転に伴い当該芯タンク16に圧入装着している連結体14を介してチャック10が回転する。そして、チャック10の回転に伴い締具11と締具11の後部に当接している筒状体12と筒状体12を前方へ弾発しているチャックスプリング15が同時に回転するため芯繰出機構8全体が前軸2(軸筒4)に対して回転すると共に、チャック10に狭持されている芯13も同方向へ回転する。
尚、回転子18の後退時に回転子18と共に芯13が回転する角度は前述したように60°に設定してある。また、回転子18の後退は回転子18の後端が前軸2の内段2aに当接することで停止するよう構成してある。
尚、回転子18が後退した状態から前進した際に回転する角度は後退時と同様に60°に設定したあるため、回転子18、芯繰出機構8及び芯13の1回の前後動で回転する角度は120°回転するよう構成される。
この状態で軸筒4を前後に振ると、回転子18の回転に伴う芯繰出機構8と芯13の回転は操作体9の係止突起9aと前軸2の第二係止部2i2とを係止していた場合と同様に行わるが、図7に示すように、回転子18と重量体17とが慣性力で前進した際に重量体17の前端と芯タンク16の第一段部16cとが当接することから、重量体17に押されて芯タンク16が前進し、それに伴い連結体14とチャック10とを前進させることができる。このため、軸筒4の振り動作で芯13を回転させると共に、公知の振出式シャープペンシルと同様に芯13を前方へ繰出すことが可能となる。尚、本実施例では、ノック体6を後方から押圧することでも公知の後端ノック式シャープペンシル同様にチャックを前進させて芯13を前方へ繰出すことが可能である。
2…前軸、2a…内段、2b…前部カム突起、2b1…前部カム斜面、
2c…後部カム突起、2c1…後部カム斜面、2d…カム溝、2e…係止穴、
2f…係止溝、2g…雄螺子部、2h…窓部、2i…係止部、
2i1…第一係止部、2i2…第二係止部、
3…先口、3a…雌螺子部、3b…前端開口部、3c…リブ、
4…軸筒、
5…後筒体、5a…クリップ部、5b…後端開口部、5c…後方外筒部、
5d…前方内筒部、5e…段部、5f…係止用突起、5g…回転位置決め突起、
5h…開口窓、
6…ノック体、
7…ノックユニット、
8…芯繰出機構、
9…操作体、9a…係止突起(被係止部)、9b…突状部、
10…チャック、10a…頭部、
11…締具、
12…筒状体、12a…鍔部、12b…内段部、
13…芯、
14…連結体、
15…チャックスプリング、
16…芯タンク、16a…前部外周部、16b…中央外周部、16c…第一段部、
16d…レール部、16e…芯収容部、
17…重量体、17a…側溝、
18…回転子、18a…カム突起、18b…カム斜面、18b1…前方カム斜面、
18b2…後方カム斜面、
19…スライダーユニット、
20…ガイドパイプ、
21…スライド部材、21a…芯保持部、
22…リターンスプリング、
23…押圧部材、23a…突起、23b…外鍔、23c…内鍔、
24…消しゴム、
25…キャップ。
Claims (5)
- 軸筒と、当該軸筒内に配設され筆記用の芯を把持するチャックとチャックに外嵌された締具と前記芯を収納する芯タンクとを有する芯繰出機構と、を備え、前記チャックが前後動するよう操作することで前記芯繰出機構が作動し、前記芯を前記軸筒の前端開口部から出没可能に構成した棒状芯繰出具であって、
前記軸筒の内部に前後動自在且つ回動自在に配設された回転子を備え、前記回転子は、前記軸筒を前後に振ることで前後動するよう当該軸筒内に遊嵌されると共にその前後動に伴い当該軸筒に対して回転するよう構成され、前記チャックが前記回転子の回転に連動して前記軸筒に対して回転するよう構成したことを特徴とする棒状芯繰出具。 - 前記軸筒の内側面または前記回転子の外側面に、互いの対向する端部にカム斜面を有する前部カム突起と後部カム突起とを備え、前記前部カム突起と前記後部カム突起は軸周方向に半位相ずれた状態で形成され、
前記回転子の外側面または前記軸筒の内側面に、前後端にカム斜面を備えたカム突起が形成され、
前記回転子の前後動に伴い前記カム突起が前記前部カム突起及び前記後部カム突起に対して交互に当接し、前記カム斜面に沿って移動することで、当該回転子が当該軸筒に対して回転するよう構成したことをと特徴とする請求項1に記載の棒状芯繰出具。 - 前記軸筒を前後に振ることにより、前記芯を回転させると共に前記芯繰出機構が作動して当該芯が前方へ繰り出されるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の棒状芯繰出具。
- 前記芯繰出機構の外側面に形成した窓部に操作体が配設され、前記操作体と前記回転子とが当接することで当該回転子の前方への移動量を制限すると共に、前記操作体を操作することで前記回転子の前方への移動制限が解除されるよう構成したことを特徴とする請求項3に記載の棒状芯繰出具。
- 前記軸筒の窓部に係止部が形成され、前記操作体に前記窓部の係止部と係止する被係止部が形成され、前記係止部と前記被係止部との係止状態を解除することで前記操作体が操作可能となるよう構成したことを特徴とする請求項4に記載の棒状芯繰出具。
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