JP2020069567A - 主軸装置および工作機械 - Google Patents

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修二 曽我
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Abstract

【課題】工具を着脱可能に支持する主軸と、該主軸の駆動源である電動モータとを備える主軸装置、および、該主軸装置を備える工作機械において、電動モータの性能にかかわらず、種々の加工に対応することができる主軸装置を提供する。【解決手段】主軸装置1は、電動モータ5の回転を、ダブルキャビティ型かつハーフトロイダル型のトロイダル無段変速機4により、減速または増速して、主軸3に伝達する。前記トロイダル無段変速機4は、入力部材15と、1対の出力ディスク16a、16bと、複数のパワーローラ17と、押圧装置18とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、工具を着脱可能に支持する主軸と、該主軸の駆動源である電動モータとを備える主軸装置、および、該主軸装置を備える工作機械に関する。
フライス盤やマシニングセンタなどの工作機械は、主軸装置に着脱可能に支持された工具を、高速で回転させつつ、テーブルに保持された被加工物の表面に押し付けることにより、該被加工物に切削などの加工を施す。主軸装置は、工具を着脱可能に支持する主軸を、電動モータにより直接回転駆動するか、または、前記主軸に、前記電動モータの回転を、変速機により減速若しくは増速して伝達するようにしている。
特開平11−207558号公報
電動モータの最高回転数(最大回転速度)と最大トルクの大きさとは、トレードオフの関係にある。すなわち、最高回転数を高くすると、最大トルクは小さくなるのに対し、最大トルクを大きくすると、最高回転数は低くなる。
フライス盤やマシニングセンタなどの工作機械を用いる加工のうち、チタンやニッケル基超合金などの難削材の加工や重切削加工などにおいては、大きなトルクが必要となるのに対し、金型などの仕上げ加工などにおいては、回転数を高くする必要がある。
主軸装置の先行技術としては、例えば、特開平11−207558号公報に記載の構造がある。特開平11−207558号公報に記載の主軸装置では、電動モータの回転を、遊星歯車式の変速機により減速してから主軸に伝達するようにしている。しかしながら、特開平11−207558号公報に記載の主軸装置では、遊星歯車式の変速機の変速比を変更することができない。このため、工作機械を導入(購入)する時点で、該工作機械を、難削材の加工や重切削加工など、工具を低速かつ高トルクで回転させる加工に使用するか、あるいは、仕上げ加工など、工具を高速かつ低トルクで回転させる加工に使用するかを選択する必要がある。
本発明は、上述のような事情に鑑み、電動モータの性能にかかわらず、種々の加工に対応することができる、主軸装置の構造を実現することを目的としている。
本発明の主軸装置は、ハウジングと、主軸と、トロイダル無段変速機と、電動モータとを備える。
前記主軸は、前記ハウジングの内側に回転自在に支持されている。
前記トロイダル無段変速機は、入力部材と、1対の出力ディスクと、複数のパワーローラと、押圧装置とを含む。
前記入力部材は、前記主軸、または、該主軸と同軸にかつ該主軸と同期して回転するように配置された出力軸の周囲に、該主軸または該出力軸に対する相対回転を可能に支持されて、軸方向両側の側面に入力トロイダル曲面をそれぞれ有する。
前記1対の出力ディスクは、前記主軸または前記出力軸のうち、前記入力部材を挟んだ軸方向2箇所位置に、該主軸または該出力軸と同期して回転するように支持されて、前記入力トロイダル曲面と軸方向に対向する側面に出力トロイダル曲面を有する。
前記パワーローラのそれぞれは、前記入力部材と前記出力ディスクとの間部分に挟持されて、前記入力トロイダル曲面と前記出力トロイダル曲面とにそれぞれの周面を転がり接触させた転動面を有する。
前記押圧装置は、前記出力ディスクと前記入力部材とを互いに近づく方向に押圧する。
前記電動モータは、前記入力部材を回転駆動する。
本発明の主軸装置では、前記入力部材を、中空軸と、1対のディスク素子とを備えるものとすることができる。
前記中空軸は、前記主軸または前記出力軸のうち、軸方向に関して前記出力ディスク同士の間部分の周囲に、前記主軸または前記出力軸に対する相対回転を可能に支持される。
前記1対のディスク素子は、前記中空軸の軸方向両側の端部に、該中空軸と同期して回転するように支持されて、前記出力トロイダル曲面と軸方向に対向する側面に前記入力トロイダル曲面を有する。
この場合、前記電動モータを、前記中空軸に外嵌固定されたロータと、前記ハウジングに支持固定されたステータとを備えるものとする。
本発明の工作機械は、本発明の主軸装置を備える。
上述のような本発明の主軸装置は、電動モータの回転を、変速比を調節可能なトロイダル無段変速機により、減速または増速して、主軸に伝達するようにしている。このため、本発明の主軸装置によれば、電動モータの性能にかかわらず、種々の加工に対応することができる。
図1は、本発明の実施の形態の1例の主軸装置を示す断面図である。 図2は、図1の右側部分の拡大図である。
図1および図2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の主軸装置1は、ハウジング2と、主軸3と、トロイダル無段変速機4と、電動モータ5とを備える。すなわち、主軸装置1は、電動モータ5の回転を、変速比を調節可能なトロイダル無段変速機4により、減速または増速して、主軸3に伝達する。
ハウジング2は、内側に、主軸3を回転自在に支持する主軸側ハウジング6と、内側に、トロイダル無段変速機4および電動モータ5を収納するモータ側ハウジング7とを軸方向に結合してなる。
主軸3は、先端部(工具側の端部。図1の左端部)の内周面に、先端側に向かうほど内径寸法が大きくなるテーパ凹部8を有する。このようなテーパ凹部8に、図示しない工具の基端部外周面に形成されたテーパ凸部を嵌合することにより、主軸3に対する工具の径方向および軸方向に関する位置合わせを図ることができる。すなわち、工具を主軸3と同軸に配置した状態で、工具を主軸3に対して支持固定することができる。
主軸3は、主軸側ハウジング6の内側に、それぞれがラジアル荷重およびスラスト荷重を支承可能な複数組(図示の例では2組)の軸受装置10a、10bにより回転自在に支持されている。
本例では、軸受装置10a、10bのうち、主軸3の基端部(モータ側の端部。図1の右端部)を主軸側ハウジング6に回転自在に支持する軸受装置10aは、1対のアンギュラ玉軸受11a、11bを、転動体の接触角を互いに逆向きにして(転動体に背面組み合わせ型の接触角を付与して)組み合わせることにより構成されている。
軸受装置10a、10bのうち、主軸3の軸方向中間部を主軸側ハウジング6に回転自在に支持する軸受装置10bは、4個のアンギュラ玉軸受13a、13を備える。すなわち、軸受装置10bは、アンギュラ玉軸受13a、13bを、主軸3の外周面と主軸側ハウジング6の内周面との間の軸方向2箇所位置に、1対ずつ隣接して配置することにより構成されている。本例では、軸方向片側(工具側。図1および図2の左側)の1対のアンギュラ玉軸受13aの転動体の接触角と、軸方向他側(電動モータ5側。図1および図2の右側)の1対のアンギュラ玉軸受13bの転動体の接触角とを、互いに逆向きにしている。すなわち、軸方向片側の1対のアンギュラ玉軸受13aの転動体と、軸方向他側の1対のアンギュラ玉軸受13bの転動体とに、背面組み合わせ型の接触角を付与している。なお、軸方向片側の1対のアンギュラ玉軸受13aのうちの軸方向他側のアンギュラ玉軸受13aの内輪および外輪のそれぞれの軸方向他側面と、軸方向他側の1対のアンギュラ玉軸受13bのうちの軸方向片側のアンギュラ玉軸受13bの内輪および外輪のそれぞれの軸方向片側面との間に、スリーブ12a、12bをそれぞれ挟持している。これにより、軸方向片側の1対のアンギュラ玉軸受13aと軸方向他側の1対のアンギュラ玉軸受13bとの軸方向に関する位置決めを図っている。
トロイダル無段変速機4は、ダブルキャビティ型かつハーフトロイダル型のもので、出力軸14と、入力部材15と、1対の出力ディスク16a、16bと、複数のパワーローラ17と、押圧装置18とを備える。
出力軸14は、主軸3と同軸に、かつ、該主軸3と同期して回転するように配置されている。本例では、出力軸14の軸方向片側(主軸3の側。図1および図2の左側)の部分を、後述する押圧装置18および軸方向片側の出力ディスク16aを介して、主軸3の軸方向他側(電動モータ5の側。図1および図2の右側)の端部に、該主軸3と同期した回転を可能に接続している。なお、出力軸14の軸方向片側の端部外周面と、主軸3の基端部内周面との間には、真鍮などの自己潤滑性を有する材料製のブッシュ(滑り軸受)59を配置している。一方、出力軸14の軸方向他側(反主軸3の側。図1および図2の右側)の端部を、モータ側ハウジング7に対して回転自在に支持している。具体的には、出力軸14の軸方向他側の端部に螺合したローディングナット19を、円筒ころ軸受20を介して、モータ側ハウジング7の軸方向他側の端部内周面に回転自在に支持している。
以下の説明において、軸方向および径方向とは、特に断らない限り、出力軸14の軸方向および径方向のことをいう。なお、出力軸14の軸方向および径方向は、主軸3、並びに、入力部材15および出力ディスク16a、16bの軸方向および径方向と一致する。
なお、本例では、出力軸14は、中心部を軸方向に貫通する潤滑油流路9と、該潤滑油流路9の内周面と出力軸14の外周面とを連通するように、軸方向複数箇所に形成された通油孔57とを有する。潤滑油(トラクションオイル)は、潤滑油流路9のうち、図示しない供給口から潤滑油流路9内に導入されて、通油孔57を通じて転がり接触部や回転部分に供給され、当該部分を潤滑する。
入力部材15は、出力軸14の軸方向中間部の周囲に、該出力軸14に対する相対回転を可能に支持されて、軸方向両側の側面に、断面円弧形の入力トロイダル曲面21を有する。本例では、入力部材15は、出力軸14の軸方向中間部の周囲に配置された中空軸22の軸方向両側の端部に、1対のディスク素子23を、スプライン係合などにより、中空軸22と同期して回転するように結合固定してなる。1対のディスク素子23は、互いに反対側を向いた軸方向側面に入力トロイダル曲面21を有する。
入力部材15は、1対のディスク素子23のそれぞれの内周面のうち、中空軸22との嵌合部から軸方向に外れた部分と、出力軸14の外周面との間に、ラジアルニードル軸受24を配置することにより、出力軸14の軸方向中間部の周囲に、該出力軸14に対する相対回転を可能に支持されている。また、中空軸22の軸方向両側部分の外周面と、モータ側ハウジング7の軸方向中間部2箇所位置に配置された隔壁部25a、25bの内周面との間に、軸受装置26a、26bをそれぞれ配置している。本例では、中空軸22の軸方向片側部分の外周面と軸方向片側の隔壁部25aの内周面との間に配置された軸受装置26aとして、ラジアル荷重およびスラスト荷重を支承可能なものを使用している。具体的には、軸方向片側の軸受装置26aを、1対のアンギュラ玉軸受27a、27bを、転動体の接触角を互いに逆向きにして組み合わせることにより構成している。すなわち、軸方向片側の軸受装置26aを、転動体に背面組み合わせ型の接触角を付与した、複列アンギュラ玉軸受により構成している。これに対し、中空軸22の軸方向他側部分の外周面と軸方向他側の隔壁部25bの内周面との間に配置された軸受装置26bを、円筒ころ軸受により構成している。
1対の出力ディスク16a、16bは、出力軸14のうち、入力部材15を挟んだ軸方向2箇所位置に、出力軸14と同期して回転するように支持されて、軸方向に関して、入力トロイダル曲面21に対向する側面に、出力トロイダル曲面28をそれぞれ有する。本例は、1対の出力ディスク16a、16bは、出力軸14の軸方向両側部分に、該出力軸14に対する軸方向の相対変位を可能に、かつ、該出力軸14と同期して回転するように支持されている。具体的には、本例では、軸方向片側の出力ディスク16aを、出力軸14のうちで軸方向片側のディスク素子23の軸方向片側の端面よりも軸方向片側に突出する部分に、ボールスプライン29を介して支持している。一方、軸方向他側の出力ディスク16bの内周面の円周方向複数箇所に、軸方向に伸長するように形成されたディスク側凹溝30と、出力軸14のうちで軸方向他側のディスク素子23の軸方向他側の端面よりも軸方向他側に突出する部分の外周面の円周方向複数箇所に、軸方向に伸長するように形成された軸側凹溝31との間にそれぞれ、ニードル32を配置している。なお、軸方向片側の出力ディスク16aは、軸方向片側面の径方向外側部分に、円周方向に関する凹凸である駆動側カム面33を有する。
パワーローラ17は、入力部材15と1対の出力ディスク16a、16bとの間部分に、それぞれ複数個ずつ(例えば2〜3個ずつ)挟持されており、外周面に、入力トロイダル曲面21と出力トロイダル曲面28とに転がり接触する転動面34をそれぞれ有する。
パワーローラ17のそれぞれは、トラニオン35により、入力部材15および出力ディスク16a、16bの中心軸に対しねじれの位置に存在する傾転軸を中心とする揺動変位を自在に支持されている。本例では、パワーローラ17をトラニオン35の内側面に、変位軸36と、複数の転がり軸受を介して支持している。
トラニオン35のそれぞれは、図示しない1対の傾転軸と、該1対の傾転軸の間に存在する支持梁部37とを備える。トラニオン35は、1対の傾転軸を、モータ側ハウジング7に対し、該傾転軸を中心とする回転を自在に、かつ、該傾転軸の軸方向に関する変位を可能に支持されている。支持梁部37は、内側面に、有底で円形の断面形状を有する凹孔38を有する。
変位軸36は、円板部39と、該円板部39の内側面の中央位置から径方向内方に突出した枢支軸部40と、該円板部39の外側面の中央位置から外れた部分から径方向外方に突出した支持軸部41とを備える。すなわち、枢支軸部40と支持軸部41とは、互いに平行で、かつ、偏心している。
変位軸36は、トラニオン35の内側面に、支持軸部41を中心とする揺動を可能に支持されている。このために、支持軸部41を、トラニオン35の凹孔38の内側にラジアルニードル軸受42を介して回転自在に支持するとともに、円板部39の外側面と支持梁部37の内側面との間にスラストニードル軸受43を配置している。
パワーローラ17は、変位軸36の枢支軸部40の周囲に、該枢支軸部40を中心とする回転を自在に支持されている。このために、枢支軸部40の外周面とパワーローラ17の内周面との間にラジアルニードル軸受44を配置するとともに、円板部39の内側面とパワーローラ17の外側面との間にスラスト玉軸受45を配置している。
このような構造により、パワーローラ17の転動面34と入力トロイダル曲面21および出力トロイダル曲面28との接触状態を適正に維持すべく、トラニオン35に対してパワーローラ17を、入力部材15および出力ディスク16a、16bの軸方向に関して変位可能としている。
押圧装置18は、入力部材15と1対の出力ディスク16a、16bとを互いに近づく方向に押圧して、パワーローラ17の転動面34と、入力トロイダル曲面21および出力トロイダル曲面28との転がり接触部であるトラクション部の面圧を確保するためのものである。
本例では、押圧装置18は、ローディングカム式のものであって、出力軸14と軸方向片側の出力ディスク16aとの間に配置されており、カム板46と、該軸方向片側の出力ディスク16aとカム板46との間に配置された複数個のローラ47とを備える。
カム板46は、内径側部材48と外径側部材49とを、トルク伝達可能に組み合わせてなる。ただし、カム板46として、全体を一体に構成されたものを使用することもできる。カム板46は、軸方向他側面の径方向外側部分に、円周方向に関する凹凸である被駆動側カム面50を有する。カム板46は、出力軸14の軸方向片側の端部の周囲に、アンギュラ玉軸受51により、出力軸14に対する回転を可能に支持されるとともに、主軸3に対し、トルクの伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に係合している。具体的には、例えば、カム板46の径方向中間部の軸方向他側面(外径側部材49の軸方向他側面の径方向内側部分)に形成され、かつ、周方向に関して凹部と凸部とを交互に配置してなる駆動側凹凸部と、主軸3の軸方向他側の端部に形成され、かつ、周方向に関して凹部と凸部とを交互に配置してなる被駆動側凹凸部とを凹凸係合させることができる。ただし、主軸3と出力軸14とは、バックラッシュが存在しない方法により、トルクの伝達を可能に結合することが好ましく、例えば、弾性部材を有する継手を介するなどして結合することもできる。
ローラ47は、円柱状で、軸方向片側の出力ディスク16aの駆動側カム面33とカム板46の被駆動側カム面50との間に、それぞれの中心軸を放射方向に向け、かつ、保持器58のポケットのそれぞれに複数個ずつ(図示の例では3個ずつ)保持した状態で配置されている。
押圧装置18は、軸方向片側の出力ディスク16aに伝達されるトルクの大きさに応じた押圧力を発生する。具体的には、軸方向片側の出力ディスク16aに伝達されるトルクが大きくなるほど、駆動側カム面33および被駆動側カム面50の凸部側へのローラ47の乗り上げ量が増大して、軸方向片側の出力ディスク16aとカム板46との間隔が拡がる。この結果、押圧装置18は、軸方向片側の出力ディスク16aに伝達されるトルクの大きさに応じた押圧力を発生し、この押圧力により、1対の出力ディスク16a、16bを互いに近づく方向に押圧する。すなわち、押圧装置18が発生する力により、軸方向片側の出力ディスク16aを、軸方向片側のディスク素子23に向け押圧するとともに、出力軸14を軸方向片側に向けて引っ張り、軸方向他側の出力ディスク16bを、軸方向他側のディスク素子23に向け押圧する。これにより、トラクション部の面圧が確保され、トラクション部における有害な滑りの発生が防止される。
なお、本例では、カム板46の軸方向他側面の径方向内側部分にスラストニードル軸受52を介して支持した円輪板状の座板53と、軸方向片側の出力ディスク16aの軸方向片側面との間に予圧ばね54を配置することにより、主軸装置1の運転直後からトラクション部に必要最低限の面圧を付与できるようにしている。
電動モータ5は、トロイダル無段変速機4の入力部材15を回転駆動する。本例では、電動モータ5は、入力部材15の中空軸22の周囲に外嵌固定されたロータ55と、モータ側ハウジング7の軸方向中間部に内嵌固定されたステータ56とを備える。すなわち、本例では、電動モータ5を、所謂ビルトインモータとしている。
本例の主軸装置1を備える工作機械により、被加工物に加工を施す際には、該被加工物を工作機械のテーブルに載置するか、あるいは、チャックにより固定するとともに、工具(刃物)の基端部外周面に形成されたテーパ凸部を、主軸3のテーパ凹部8に嵌合させて、工具を主軸3と同軸に配置した状態で、工具を主軸3に対して支持固定する。次いで、電動モータ5に通電することにより、入力部材15を回転駆動し、この入力部材15の回転を、トロイダル無段変速機4により、減速または増速して、主軸3に伝達して該主軸3を回転駆動する。このようにして、主軸3を回転駆動することにより、工具を所望の速度で回転させつつ、該工具を、前記被加工物の表面に押し付けて、該被加工物に切削などの加工を施す。
本例の主軸装置1では、トロイダル無段変速機4の変速比を調節することにより、電動モータ5と主軸3との間の変速比を調節可能としている。トロイダル無段変速機4の変速比、すなわち入力部材15と出力ディスク16a、16bとの間の変速比の調節は、パワーローラ17を回転自在に支持するトラニオン35を、図示しないアクチュエータにより、傾転軸の軸方向に変位させることにより行う。トラニオン35を、傾転軸の軸方向に変位させると、パワーローラ17の転動面34と、入力トロイダル曲面21および出力トロイダル曲面28との転がり接触部であるトラクション部に作用する接線方向の力の向きが、傾転軸の軸方向に対し変化する。具体的には、トラクション部が中立位置からずれる(すなわち、トラクション部の中心位置が、入力部材15および出力ディスク16a、16bの中心軸を含み、かつ、傾転軸の中心軸に対し直交する仮想平面上に存在する状態からずれる)と、ずれの方向に応じて、トラニオン35に、傾転軸を中心として、減速側または増速側に揺動させる方向の力が加わる。そして、トラクション部の位置が、入力部材15および出力ディスク16a、16bの径方向に関して変化し、入力部材15と出力ディスク16a、16bとの間の変速比が変化する。この変速比が所望の値になった状態で、トラクション部を中立位置に戻すことで、入力部材15と出力ディスク16a、16bとの間の変速比を、所望の値に保持する。
パワーローラ17の転動面34を、入力トロイダル曲面21の径方向外側部分と出力トロイダル曲面28の径方向内側部分とに転がり接触させれば、入力部材15と出力ディスク16a、16bとの間の変速比が増速側となる。これに対し、パワーローラ17の転動面34を、入力トロイダル曲面21の径方向内側部分と出力トロイダル曲面28の径方向外側部分とに転がり接触させれば、入力部材15と出力ディスク16a、16bとの間の変速比が減速側となる。具体的には、例えば、トロイダル無段変速機4の変速比は、0.37〜2.7程度の範囲で調節することができる。
なお、トラニオン35を傾転軸の軸方向変位させるためのアクチュエータは、トロイダル無段変速機4が動力を伝達している間中、この動力伝達に基づいてトラニオン35に加わる、傾転軸の軸方向のスラスト荷重(トロイダル無段変速機の技術分野で「2Ft」と呼ばれる力)を支承する。
上述のように、本例の主軸装置1では、電動モータ5の回転を、変速比を調節可能なトロイダル無段変速機4により、減速または増速して、主軸3に伝達するように構成している。このため、本例の主軸装置1によれば、電動モータ5の性能(すなわち、最高回転数および最大トルク)にかかわらず、種々の加工に対応することができる。具体的には、難削材の加工や重切削加工などを行う際には、トロイダル無段変速機4の変速比を減速側に変化させることにより、電動モータ5の回転トルクを減速してから主軸3に伝達し、該主軸3に支持固定した工具を低速かつ高トルクで回転させる。これに対し、鋼材などの切削などの汎用加工を行う際には、トロイダル無段変速機4の変速比を1または1の近傍に変化させて、主軸に支持固定した工具を中速かつ中トルクで回転させる。また、仕上加工などを行う際には、トロイダル無段変速機4の変速比を増速側に変化させることにより、電動モータ5の回転トルクを増速してから主軸3に伝達し、該主軸3に支持固定した工具を高速かつ低トルクで回転させる。
本例の主軸装置1は、変速比を調節可能な変速機構を備えていない、従来の主軸装置に比べて、駆動源である電動モータ5として同じ性能を有するものを使用した場合でも、加工速度の高速化を図りやすい。
すなわち、切削加工時の切屑排出量は、工具の出力に比例する。したがって、本例の主軸装置1では、前記従来の主軸装置において出力が不足しがちになる工具の回転数が小さい加工の際にも、トロイダル無段変速機4の変速比を減速側として、電動モータ5の回転数を減速し、かつ、トルクを増大することにより、工具の出力を十分確保することができる。この結果、本例の主軸装置1によれば、前記従来の主軸装置よりも切屑排出量を多くすることができるため、切削加工を行う際の加工速度の高速化を図りやすい。
本例の主軸装置1は、電動モータ5と主軸3との間の変速比を調節するための変速機構として、歯車同士の噛合部が存在しないトロイダル無段変速機4を使用している。したがって、本例の主軸装置1によれば、変速機構として、歯車式のものを使用した主軸装置に比べて、主軸3の振動を小さく抑えることができるとともに、運転時の静音性を向上することができる。さらに、電動モータ5から主軸3へのトルクの伝達経路中に存在するバックラッシュを小さく抑えることができるため、主軸3の回転トルクの変動(回転ムラ)を抑えることができ、加工面に筋状の切削跡(挽き目)が生じるのを抑えることができる。
また、本例の主軸装置1では、電動モータ5を、ロータ55を入力部材15の中空軸22に直接支持固定した、所謂ビルトインモータとしている。この面からも、電動モータ5から主軸3へのトルクの伝達経路中に存在するバックラッシュを小さく抑えることができて、加工面に筋状の切削跡が生じるのを抑えることができるとともに、主軸3の振動低減および運転時の静音性の向上を図れる。また、主軸装置1の外径寸法を抑えて、小型化を図ることができる。
なお、本例では、入力部材15を、中空軸22と1対のディスク素子23とから構成している。ただし、本発明の主軸装置では、入力部材として、軸方向両側の側面に、断面円弧形の入力トロイダル曲面をそれぞれ有する一体型の入力ディスクを使用することもできる。この場合には、電動モータの回転トルクを、入力ディスクの外周面に形成された入力歯車に入力したり、電動モータの出力軸と入力ディスクの外周面との間にかけ渡されたベルトやチェーンなどにより該入力ディスクに入力したりすることができる。
また、本例では、主軸3に同期した回転を可能に接続された出力軸14の周囲に、入力部材15および1対の出力ディスク16a、16bを配置しているが、入力部材および1対の出力ディスクを、主軸の周囲に直接配置することもできる。換言すれば、本例における主軸3と出力軸14とを一体に構成したような構造とすることもできる。
本例では、押圧装置18として、ローディングカム式のものを使用しているが、本発明の主軸装置では、油圧式のものを使用することもできる。また、本例では、押圧装置18を、出力軸14と軸方向片側の出力ディスク16aとの間に配置しているが、本発明の主軸装置においては、押圧装置を別の部分に配置することもできる。具体的には、例えば、押圧装置を、入力部材を構成する中空軸と1対のディスク素子との間にそれぞれ配置することができる。
また、本例では、変位軸36の枢支軸部40にパワーローラ17を回転自在に支持するとともに、トラニオン35の凹孔38に、変位軸36のうち、枢支軸部40に対し偏心した支持軸部41を回転自在に支持することにより、トラニオン35に対してパワーローラ17を軸方向に変位可能としている。ただし、本発明の主軸装置では、トラニオンに対してパワーローラを、入力部材および出力ディスクの軸方向に関して変位させる機構として、本例の構造とは異なる構造を採用することもできる。具体的には、例えば、トラニオンの支持梁部の内側面に形成した円筒状凸面と、パワーローラを回転自在に支持するスラスト玉軸受の外輪の外側面に形成した部分円筒面状の凹部とを係合させる構造を採用することができる。
1 主軸装置
2 ハウジング
3 主軸
4 トロイダル無段変速機
5 電動モータ
6 主軸側ハウジング
7 モータ側ハウジング
8 テーパ凹部
9 潤滑油流路
10a、10b 軸受装置
11a、11b アンギュラ玉軸受
12a、12b スリーブ
13a、13b アンギュラ玉軸受
14 出力軸
15 入力部材
16a、16b 出力ディスク
17 パワーローラ
18 押圧装置
19 ローディングナット
20 円筒ころ軸受
21 入力トロイダル曲面
22 中空軸
23 ディスク素子
24 ラジアルニードル軸受
25a、25b 隔壁部
26a、26b 軸受装置
27a、27b アンギュラ玉軸受
28 出力トロイダル曲面
29 ボールスプライン
30 ディスク側凹溝
31 軸側凹溝
32 ニードル
33 駆動側カム面
34 転動面
35 トラニオン
36 変位軸
37 支持梁部
38 凹孔
39 円板部
40 枢支軸部
41 支持軸部
42 ラジアルニードル軸受
43 スラストニードル軸受
44 ラジアルニードル軸受
45 スラスト玉軸受
46 カム板
47 ローラ
48 内径側部材
49 外径側部材
50 被駆動側カム面
51 アンギュラ玉軸受
52 スラストニードル軸受
53 座板
54 予圧ばね
55 ロータ
56 ステータ
57 通油孔
58 保持器
59 ブッシュ

Claims (3)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの内側に回転自在に支持された主軸と、
    トロイダル無段変速機とを備え、
    前記トロイダル無段変速機は、
    前記主軸、または、該主軸と同軸にかつ該主軸と同期して回転するように配置された出力軸の周囲に、該主軸または該出力軸に対する相対回転を可能に支持されて、軸方向両側の側面に入力トロイダル曲面をそれぞれ有する入力部材と、
    前記主軸または前記出力軸のうち、前記入力部材を挟んだ軸方向2箇所位置に、該主軸または該出力軸と同期して回転するように支持されて、前記入力トロイダル曲面と軸方向に対向する側面に出力トロイダル曲面を有する1対の出力ディスクと、
    前記入力部材と前記出力ディスクとの間部分に挟持されて、前記入力トロイダル曲面と前記出力トロイダル曲面とに転がり接触させた転動面を有する、複数のパワーローラと、
    前記入力部材と前記出力ディスクとを互いに近づく方向に押圧する押圧装置とを含み、
    前記入力部材を回転駆動する電動モータをさらに備える、
    主軸装置。
  2. 前記入力部材は、中空軸と、1対のディスク素子とを備え、
    前記中空軸は、前記主軸または前記出力軸のうち、軸方向に関して前記出力ディスク同士の間部分の周囲に、前記主軸または前記出力軸に対する相対回転を可能に支持されており、
    前記ディスク素子は、前記中空軸の軸方向両側の端部に、該中空軸と同期して回転するように支持されて、前記出力トロイダル曲面と軸方向に対向する側面に前記入力トロイダル曲面を有しており、
    前記電動モータは、前記中空軸に外嵌固定されたロータと、前記ハウジングに支持固定されたステータとを備える、
    請求項1に記載の主軸装置。
  3. 主軸装置を備える工作機械であって、
    前記主軸装置が、請求項1または2に記載の主軸装置である、工作機械。
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