以下に、本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図11に基づいて説明する。
図1から図4の符号1は、本実施形態の電気配線ブロック接合体を示す。また、図1の符号JBと符号WHは、各々、その電気配線ブロック接合体1を備えた本実施形態の電気接続箱と、この電気接続箱JBを備えた本実施形態のワイヤハーネスと、を示す。
電気配線ブロック接合体1とは、電子部品EPを収容する複数の電気配線ブロック(後述する第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20)が接合されたものである(図1から図4)。また、電気接続箱JBとは、筐体JBaに複数の電気配線ブロックが電子部品EPと共に収容されたものである(図1)。その筐体JBaには、少なくとも1つの電気配線ブロック接合体1が収容される。よって、この電気接続箱JBは、電気配線ブロック接合体1とは別の電気配線ブロック接合体や電気配線ブロックが筐体JBaに収容される場合もある。電気配線ブロック接合体1は、その筐体JBaに周知のロック機構(図示略)等を介して保持される。ワイヤハーネスWHとは、その電気接続箱JBの電子部品EPに対して電気的に接続された電線(電力供給線や信号線等)Weを筐体JBaの内方から外方に引き出したものである(図1)。尚、図中の筐体JBaは、フレームの外壁のみを示した概念図であり、このフレームの2つの開口を各々のカバーで塞いでいる。
電気接続箱JBは、電線Weと共にワイヤハーネスWHとして、例えば、車両(図示略)のエンジンコンパートメント等に設置される。この電気接続箱JBにおいては、車両に搭載された接続対象物(図示略)が電子部品EPに対して電線Weを介して電気的に接続されている。例えば、この電気接続箱JBにおいては、電子部品EPに対して少なくとも2本の電線Weを電気的に接続し、この電子部品EPを介して少なくとも2つの接続対象物の間を電気的に繋ぐ。電子部品EPとは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタ、端子金具などのことを指している。本実施形態では、回路基板、電子制御ユニット(いわゆるECU)等の電子機器についても、筐体JBaに収容される電子部品EPの一形態として考える。また、接続対象物とは、二次電池などの電源、電気機器(アクチュエータ等)などの負荷、センサなどのことを指している。
以下に、電気配線ブロック接合体1について具体的に説明する。
電気配線ブロック接合体1は、先に示したように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。電気配線ブロックとは、電子部品EPの他に導電性のバスバも収容し、その電子部品EPとバスバを内方で電気的に接続させるものである。この電気配線ブロック接合体1においては、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックを接合させ、それぞれの電気配線ブロックに収容されたバスバ同士を結合させることによって、それぞれのバスバを電気的に接続させる。この電気配線ブロック接合体1は、後で詳述するが、それぞれのバスバの電気接続部を電気的に接続させる接続部材を備えている。
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック10、第2電気配線ブロック20)を備えた電気配線ブロック接合体1について例示する(図1から図4)。第1電気配線ブロック10(図1から図5)と第2電気配線ブロック20(図1から図4及び図6)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1電気配線ブロック10は、電子部品EPとしてリレーEP1を収容すると共に、バスバ30を収容する(図6)。この第1電気配線ブロック10には、リレーEP1を収容及び保持する第1収容室11と、バスバ30を収容及び保持する第2収容室12と、が形成されている。この第1電気配線ブロック10においては、6つのリレーEP1を収容し、それぞれのリレーEP1を1つのバスバ30を介して電気的に接続させる。よって、この例示では、第1収容室11が格子状に6つ並べて配置されており、それぞれの第1収容室11に開口部11aを介してリレーEP1が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室11には、第2収容室12に収容したバスバ30の端子接続部31が各々挿入されている。従って、リレーEP1は、第1収容室11に収容した際に、バスバ30に対して端子接続部31を介して物理的且つ電気的に接続される。
ここで、バスバ30は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ30は、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(図5)。このバスバ30は、リレーEP1毎の6つの端子接続部31を有している。この例示の端子接続部31は、所謂雄タブ型に形成されており、リレーEP1の一方の雌型の端子接続部(図示略)に挿入され且つ嵌合される。このバスバ30は、同一平面上で略等間隔に並べられた3つの端子接続部31の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせが対向配置されている。このバスバ30は、一方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部32と、他方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部33と、を有する。このバスバ30においては、それぞれの端子接続部31を第1連結部32と第2連結部33から同一平面上で同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向がリレーEP1の端子接続部との挿抜方向になる。更に、このバスバ30は、第1連結部32と第2連結部33を端子接続部31側とは逆側で連結させる矩形の第3連結部34を有する。このバスバ30においては、6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34とで主体部分が形成されている。
この第1電気配線ブロック10においては、リレーEP1の他方の雌型の端子接続部(図示略)に電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば雄タブ型の端子金具を介してリレーEP1に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、リレーEP1毎に設けられている。
第2電気配線ブロック20は、電子部品EPとして回路保護部品EP2を収容すると共に、バスバ40を収容する(図6)。この第2電気配線ブロック20には、回路保護部品EP2を収容及び保持する第1収容室21と、バスバ40を収容及び保持する第2収容室22と、が形成されている。この第2電気配線ブロック20においては、10個の回路保護部品EP2を収容し、それぞれの回路保護部品EP2を1つのバスバ40を介して電気的に接続させる。よって、この例示では、第1収容室21が格子状に10個並べて配置されており、それぞれの第1収容室21に開口部21aを介して回路保護部品EP2が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室21には、第2収容室22に収容したバスバ40の端子接続部41が各々挿入されている。従って、回路保護部品EP2は、第1収容室21に収容した際に、バスバ40に対して端子接続部41を介して物理的且つ電気的に接続される。
ここで、バスバ40は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ40は、第1電気配線ブロック10のバスバ30と同じように、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(図6)。このバスバ40は、回路保護部品EP2毎の10個の端子接続部41を有している。この例示の端子接続部41は、所謂音叉端子型に形成されており、回路保護部品EP2の一方の雄タブ型の端子接続部EP2a(図6)が挿入されることで、この回路保護部品EP2の端子接続部EP2aを挟み込む。このバスバ40は、同一平面上で略等間隔に並べられた5つの端子接続部41の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせが対向配置されている。このバスバ40は、一方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部42と、他方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部43と、を有する。このバスバ40においては、それぞれの端子接続部41を第1連結部42と第2連結部43から同一平面上で同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向が回路保護部品EP2の端子接続部EP2aとの挿抜方向になる。更に、このバスバ40は、第1連結部42と第2連結部43を端子接続部41側とは逆側で連結させる矩形の第3連結部44を有する。このバスバ40においては、10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44とで主体部分が形成されている。
この第2電気配線ブロック20においては、回路保護部品EP2の他方の雄タブ型の端子接続部EP2b(図6)に電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば音叉端子型の端子金具を介して回路保護部品EP2に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、回路保護部品EP2毎に設けられている。
ここで示した第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、第1収容室11の開口部11a(リレーEP1の挿入口)と第1収容室21の開口部21a(回路保護部品EP2の挿入口)とが同じ向きに口を開けるように接合する。先に示したように、この電気配線ブロック接合体1においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20を接合させ、それぞれのバスバ30,40同士を結合させることによって、それぞれのバスバ30,40を電気的に接続させる。ここで、後述する接続部材50を用いて電気的に接続される2つのバスバ(この例示のそれぞれのバスバ30,40)は、接合対象となる2つの電気配線ブロック(この例示の第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20)を組み付けることによって互いに隣り合い、かつ、接続部材50によって接触状態で挟み込まれる電気接続部35,45を各々有している(図2及び図7から図10)。ここでは、そのそれぞれの電気接続部35,45を結合させることによって、それぞれのバスバ30,40を電気的に接続させる。この例示では、それぞれの電気接続部35,45を各々矩形の平板板上に形成している。
バスバ30においては、主体部分(6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34)から突出させた状態で電気接続部35を設ける。このバスバ30においては、第1連結部32の端部(一辺)から電気接続部35を突出させる。ここでは、第1連結部32において、3つの端子接続部31の配列方向における一方の端部に電気接続部35を設けている。この例示の電気接続部35は、その第1連結部32と同一平面上で矩形の板状に形成されている(図5及び図7)。
第1電気配線ブロック10においては、そのバスバ30の主体部分を第2収容室12に収容させ、かつ、このバスバ30の電気接続部35を外方に突出させる(図3)。この第1電気配線ブロック10は、その突出状態の電気接続部35の一方の壁面35aに間隔を空けて対向配置させる第1壁体13aと、その突出状態の電気接続部35の他方の壁面35bに間隔を空けて対向配置させる第2壁体13bと、を有する。第1壁体13aは、対向配置方向で電気接続部35の一方の壁面35aの全体を覆うことが可能なものとして形成する。また、第2壁体13bは、対向配置方向で電気接続部35の他方の壁面35bの全体を覆うことが可能なものとして形成する。つまり、第1壁体13aと第2壁体13bは、収容室(第1収容室11、第2収容室12)側から突出させ、その間に電気接続部35が収容されるように形成する。この例示の第1壁体13aと第2壁体13bは、各々、矩形の平板状に形成している。
また、バスバ40においては、主体部分(10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44)から突出させた状態で電気接続部45を設ける。このバスバ40においては、第1連結部42の端部(一辺)から電気接続部45を突出させる。ここでは、第1連結部42において、5つの端子接続部41の配列方向における一方の端部に電気接続部45を設けている。この例示の電気接続部45は、その第1連結部42と同一平面上で矩形の板状に形成されている(図6及び図7)。
第2電気配線ブロック20においては、そのバスバ40の主体部分を第2収容室22に収容させ、かつ、このバスバ40の電気接続部45を外方に突出させる(図4)。この第2電気配線ブロック20は、その突出状態の電気接続部45の一方の壁面45aに間隔を空けて対向配置させる第1壁体23aと、その突出状態の電気接続部45の他方の壁面45bに間隔を空けて対向配置させる第2壁体23bと、を有する。第1壁体23aは、対向配置方向で電気接続部45の一方の壁面45aの全体を覆うことが可能なものとして形成する。また、第2壁体23bは、対向配置方向で電気接続部45の他方の壁面45bの全体を覆うことが可能なものとして形成する。つまり、第1壁体23aと第2壁体23bは、収容室(第1収容室21、第2収容室22)側から突出させ、その間に電気接続部45が収容されるように形成する。この例示の第1壁体23aと第2壁体23bは、各々、矩形の平板状に形成している。
この例示の電気配線ブロック接合体1においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とが組み付けられた際に、第1電気配線ブロック10における第1壁体13aと第2壁体13bとの間に第2電気配線ブロック20における第1壁体23aと第2壁体23bとが収容される。ここでは、第1壁体13aと電気接続部35との間に第2壁体23bが挿入され、第2壁体13bと電気接続部35との間に第1壁体23aが挿入される。この電気配線ブロック接合体1においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とが組み付けられた際に、その第1壁体13aと第2壁体13bと第1電気配線ブロック10の収容室(第1収容室11、第2収容室12)側の壁面と第1壁体23aと第2壁体23bと第2電気配線ブロック20の収容室(第1収容室21、第2収容室22)側の壁面とによって、両端を開口させた角筒状の筒状部が形成される(図11)。この電気配線ブロック接合体1では、その筒状部の内方の空間がそれぞれの電気接続部35,45と下記の接続部材50の収容室1aとなる(図1及び11)。また、この電気配線ブロック接合体1では、その筒状部における一方の開口が接続部材50の収容室1aへの挿入口となる。
この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45を電気的に接続させる接続部材50を備えている(図1から図4及び図7から図10)。その接続部材50は、それぞれの電気接続部35,45を結合させると共に、その結合状態を保つための部材である。この接続部材50は、それぞれの電気接続部35,45を結合させたまま保持することによって、これらを電気的に接続させる。
接続部材50は、一方の壁面35a,45a同士を対向配置させているそれぞれの電気接続部35,45が差し込み挿入されていくことによって、その一方の壁面35a,45a同士が互いに重ね合わされた状態でそれぞれの電気接続部35,45を結合し、かつ、それぞれの電気接続部35,45を結合状態のまま保持する。
そこで、この接続部材50は、それぞれの電気接続部35,45が一方の壁面35a,45a同士を互いに重ね合わせて収容される収容空間51と、それぞれの電気接続部35,45を収容空間51に一括挿入可能な差し込み口52と、を有している(図3、図4及び図7から図10)。また、この接続部材50は、互いに対向配置させ、収容空間51に収容されたそれぞれの電気接続部35,45を他方の壁面35b,45bに押圧力を作用させながら挟み込む2つの押圧壁体53を有している(図3、図4及び図7から図10)。更に、この接続部材50は、差し込み口52とは逆側でそれぞれの押圧壁体53を連結させる連結壁体54を有している(図3、図4及び図7から図10)。この接続部材50においては、その2つの押圧壁体53と連結壁体54とで囲まれた空間が収容空間51になる。また、この接続部材50においては、2つの押圧壁体53における連結壁体54側とは逆側の端部間が差し込み口52になる。この例示では、それぞれの電気接続部35,45の一括挿入を容易ならしめるべく、その2つの押圧壁体53のそれぞれの端部を収容空間51とは逆側に折り曲げることによって、2つの押圧壁体53におけるそれぞれの電気接続部35,45の挟持位置(後述する押圧部53a)の間隔よりも差し込み口52を拡張させている。
この接続部材50は、収容室1aに挿入していくことによって、差し込み口52からそれぞれの電気接続部35,45が差し込み挿入されていく。この接続部材50においては、その収容室1aへの挿入と差し込み挿入の進行と共に、一方の壁面35a,45a同士が互いに重ね合わされたまま、それぞれの電気接続部35,45が差し込み口52とは逆側の連結壁体54に向けて収容空間51の中を移動する。この接続部材50においては、それぞれの電気接続部35,45が所定位置まで収容空間51の中を移動することによって、それぞれの電気接続部35,45の収容空間51への収容が完了する。2つの押圧壁体53は、その収容空間51に収容されたそれぞれの電気接続部35,45の他方の壁面35b,45bに押圧力を作用させながら挟み込む。
例えば、この接続部材50は、金属等の導電性材料で成形する。この例示の接続部材50は、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである。この例示の接続部材50は、2つの押圧壁体53と連結壁体54とを各々矩形の片体状に形成している。押圧壁体53は、差し込み口52側を収容空間51側にオフセットさせた矩形の押圧部53aと、その押圧部53aと連結壁体54との間の矩形の根元部53bと、を有する(図3、図4及び図7から図10)。押圧部53aは、電気接続部35(45)の他方の壁面35b(45b)に押圧力を作用させる。一方、根元部53bは、その電気接続部35(45)の他方の壁面35b(45b)との間に隙間を形成する。
この接続部材50は、連結壁体54側を支点にしてそれぞれの押圧壁体53を撓ませることができ、それぞれの押圧壁体53の対向配置された内壁面の間隔を変えることができる。そして、この接続部材50においては、その撓みを弾性域内で発生させることによって、それぞれの押圧壁体53の間にバネ力を発生させることができる。この接続部材50は、収容空間51にそれぞれの電気接続部35,45が収容される前に、それぞれの押圧部53aの対向配置された内壁面の間隔がそれぞれの電気接続部35,45の板厚の合計値よりも狭くなるように形成する。これにより、この接続部材50においては、差し込み口52からそれぞれの電気接続部35,45が収容空間51に差し込み挿入されていった際に、それぞれの電気接続部35,45の他方の壁面35b,45bによって、それぞれの押圧部53aが内壁面側から押し広げられ、それぞれの押圧壁体53に弾性域内での撓みが発生する。これにより、それぞれの押圧部53aは、それぞれの電気接続部35,45の他方の壁面35b,45bに押圧力を作用させることができ、それぞれの電気接続部35,45を重ね合わせた状態のまま挟持することができる。よって、この接続部材50は、それぞれのバスバ30,40を結合させ、互いの電気的な接続状態を保持することができる。
このように、この接続部材50は、それぞれの電気接続部35,45が差し込み口52から差し込み挿入されていく形状のものである。よって、それぞれの電気接続部35,45は、先に示した様々な公差によって、必ずしも差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係に配置されるとは限らない。例えば、この接続部材50においては、それぞれの電気接続部35,45を差し込み口52から一括挿入させる際に、それぞれの電気接続部35,45の間隔が離れすぎていると、それぞれの電気接続部35,45を差し込み口52で拾えず、その差し込み口52からそれぞれの電気接続部35,45を一括挿入させることが難しくなってしまう可能性がある。
そこで、この電気配線ブロック接合体1においては、それぞれの電気接続部35,45を差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係に予め位置決めしておき、その位置関係にあるそれぞれの電気接続部35,45に対して接続部材50を組み付ける。具体的に、接続部材50を用いて電気的に接続される2つのバスバ(この例示のそれぞれのバスバ30,40)の内の少なくとも一方には、それぞれの電気接続部35,45を差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係に位置決めする位置決め構造60を設ける(図1から図4及び図7から図10)。その位置決め構造60は、接合対象となる2つの電気配線ブロック(この例示の第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20)が組み付けられた際にそれぞれの電気接続部35,45を前記位置関係に位置決めさせるものとして構成する。
この電気配線ブロック接合体1は、そのような位置決め構造60を設けることによって、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とが組み付けられた際に、それぞれの電気接続部35,45を差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係に位置決めすることができる。つまり、この電気配線ブロック接合体1においては、それぞれの電気接続部35,45に対しての接続部材50の組付け作業を行う前に、差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係にそれぞれの電気接続部35,45が位置決めされている。よって、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45に接続部材50を組み付ける際に、差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係となるように作業者がそれぞれの電気接続部35,45の位置を直す必要がない。従って、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45に接続部材50を組み付ける際の組付け作業性を向上させることができる。これに伴い、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45を他方の壁面35b,45b側から接続部材50で挟み込み、一方の壁面35a,45a同士の接触状態を保つことができるので、バスバ30,40間の通電品質を向上させることができる。そして、本実施形態の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体1を備えているので、この電気配線ブロック接合体1が奏する効果を同様に得ることができる。
例えば、その位置決め構造60は、自身が設けられている一方のバスバ30(40)の電気接続部35(45)における一方の壁面35a(45a)と、その一方の壁面35a(45a)に間隔を空けて対向配置され、この一方の壁面35a(45a)との間に他方のバスバ40(30)の電気接続部45(35)を挿入させる位置決め部62と、で構成する。この例示では、一方の壁面35a(45a)における一部分61と、この一部分61との間に他方のバスバ40(30)の電気接続部45(35)を挿入させる位置決め部62と、で位置決め構造60を構成している(図3、図5及び図7)。
この例示の位置決め部62は、可撓性を有し、かつ、他方のバスバ40(30)の電気接続部45(35)における他方の壁面45b(35b)に押圧力を作用させる押圧部として形成する。この押圧部としての位置決め部62は、接続部材50の押圧壁体53が他方の壁面35b,45bに作用させる押圧力よりも低い押圧力を作用させるものとして形成することが望ましい。これにより、この位置決め構造60においては、接続部材50の押圧壁体53よりも位置決め部62の方が撓み易くなっているので、一方の壁面35a(45a)と位置決め部62との間に電気接続部45(35)を挿入する際の挿入作業が容易になる。ここでは、可撓性を有し、かつ、他方のバスバ40(30)の電気接続部45(35)における他方の壁面45b(35b)に押圧力を作用させる片持ちの押圧部として位置決め部62を形成している。
ここで、この例示の電気配線ブロック接合体1においては、端子接続部31,41の配列方向(バスバ30,40におけるそれぞれの電気接続部35,45の主体部分からの突出方向)を第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の組付け方向としている。この電気配線ブロック接合体1においては、その組付け方向に沿って第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを組み付けていくことによって、第1壁体13aと第2壁体13bとの間に第1壁体23aと第2壁体23bとが収容されながら、その組付け方向に沿ってそれぞれの電気接続部35,45が互いに近づいていく。位置決め構造60は、その組付け方向に沿ってそれぞれの電気接続部35,45が互いに近づいていった際に、一方の壁面35a(45a)と位置決め部62との間に電気接続部45(35)が挿入されるように形成する。そこで、この位置決め構造60は、片持ちの押圧部としての位置決め部62の固定端側と自由端側とを結ぶ仮想直線が、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の組付け方向に対する直交方向を向き、かつ、その組付け方向側の開口が、他方のバスバ40(30)における電気接続部45(35)の差し込み口になるものとして形成する。
この例示では、その位置決め構造60をバスバ30の矩形の電気接続部35に設けている(図5及び図7)。その電気接続部35においては、接続部材50への差し込み挿入の起点となる一方の辺部35cと、この一方の辺部35cに対向配置されている他方の辺部35dと、に位置決め構造60を各々設けている。一方の辺部35cでは、それぞれの隅部に位置決め構造60を各々設けている。また、他方の辺部35dでは、その略中央部分に位置決め構造60を1つ設けている。
一方の辺部35cに設けた位置決め構造60は、一方の壁面35aの一方の辺部35cの隅部における一部分61と、この一部分61との間にバスバ40の電気接続部45を挿入させる片持ちの押圧部としての位置決め部62と、で構成している。その位置決め部62は、一方の辺部35c側を固定端とし、他方の辺部35d側に向けて延出させた片体状に形成している。よって、この位置決め構造60は、所謂クリップの如き形態を成すものとして構成されている。
他方の辺部35dに設けた位置決め構造60は、一方の壁面35aの他方の辺部35dの略中央部分における一部分61と、この一部分61との間にバスバ40の電気接続部45を挿入させる片持ちの押圧部としての位置決め部62と、で構成している。その位置決め部62は、他方の辺部35d側を固定端とし、一方の辺部35c側に向けて延出させた片体状に形成している。よって、この位置決め構造60は、所謂クリップの如き形態を成すものとして構成されている。
その3つの位置決め構造60においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の組付け方向におけるバスバ30の主体部分側とは逆側の開口が電気接続部45の挿入口(差し込み口)60aになる(図5及び図7)。ここでは、一部分61と位置決め部62との間隔が電気接続部45よりも僅かに狭くなるように位置決め構造60を形成し、接続部材50の押圧壁体53が他方の壁面35b,45bに作用させる押圧力よりも低い押圧力を位置決め部62が作用させるものとして形成する。
この電気配線ブロック接合体1においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とが組み付けられていくことで、位置決め構造60の挿入口60aから電気接続部45が一方の壁面35aにおける一部分61と位置決め部62との間に挿入されていく。そして、この電気配線ブロック接合体1においては、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20との組み付けを終えた際に、電気接続部45が3つの位置決め構造60で挟持されるので、それぞれの電気接続部35,45が接続部材50の差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係に位置決めされる。ここでは、それぞれの電気接続部35,45の一方の壁面35a,45a同士が接触状態にある。よって、この電気配線ブロック接合体1においては、接続部材50を収容室1aに収容しながら、先に示した直し等の特別な作業を行わずとも、それぞれの電気接続部35,45を差し込み口52から一括挿入させることができる。従って、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45に接続部材50を組み付ける際の組付け作業性を向上させることができる。これに伴い、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45を他方の壁面35b,45b側から接続部材50で挟み込み、一方の壁面35a,45a同士の接触状態を保つことができるので、バスバ30,40間の通電品質を向上させることができる。
更に、この電気配線ブロック接合体1においては、接続部材50を組み付ける際に、この接続部材50を一方の辺部35cにおけるそれぞれの隅部の位置決め構造60の間に入り込ませる。つまり、この電気配線ブロック接合体1においては、その2つの位置決め構造60が接続部材50の位置決めの機能をも兼ねることになるので、この点からも、それぞれの電気接続部35,45に接続部材50を組み付ける際の組付け作業性を向上させることができ、バスバ30,40間の通電品質を向上させることができる。また、この電気配線ブロック接合体1においては、その2つの位置決め構造60と接続部材50との間隔を接続部材50の組付け作業性を低下させない範囲内で狭めることによって、この2つの位置決め構造60が組付け後の接続部材50の位置ずれを抑えるための部位として利用可能になる。よって、この電気配線ブロック接合体1は、この点からも、バスバ30,40間の通電品質を向上させることができる。
以上示したように、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、バスバ30,40間の通電品質を向上させることができる。そして、本実施形態の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体1を備えているので、この電気配線ブロック接合体1が奏する効果を同様に得ることができる。
[変形例]
図12から図15の符号2は、本変形例の電気配線ブロック接合体を示す。この電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態の電気配線ブロック接合体1において、第1電気配線ブロック10を下記の第1電気配線ブロック110に置き換え、かつ、第2電気配線ブロック20を下記の第2電気配線ブロック120に置き換え、かつ、バスバ30,40を下記のバスバ130,140に置き換えたものに相当する。よって、以下においては、実施形態の説明で示したものと同等の部品や部位等の説明を適宜省略する。また、本変形例の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWH(図示略)は、実施形態の電気配線ブロック接合体1に替えて、本変形例の電気配線ブロック接合体2が具備されているものに相当する。尚、本変形例の位置決め構造60は、押圧力を付与するものであってもよく、押圧力を付与せずに位置決め機能のみを持つものであってもよい。
先ず、本変形例のバスバ130,140について説明する。
本変形例のバスバ130,140は、実施形態のバスバ30,40と同じように、接合対象となる2つの電気配線ブロック(この例示の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120)を組み付けることによって互いに隣り合い、かつ、接続部材50によって接触状態で挟み込まれる電気接続部135,145を各々有している(図13から図15)。それぞれのバスバ130,140においては、実施形態と同じように、一方の壁面135a,145aを対向配置させ、他方の壁面135b,145b側から接続部材50で挟み込むことによって、一方の壁面135a,145a同士の接触状態を保たせる。
本変形例のバスバ130は、実施形態のバスバ30において、電気接続部35を下記の電気接続部135に置き換えたものに相当する(図16)。よって、本変形例のバスバ130は、実施形態のバスバ30と同様の主体部分(6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34)を有する。ここでは、便宜上、その主体部分を成す各部位の符号を実施形態に対して変えずに示すことにする。
その電気接続部135は、実施形態の電気接続部35と同じように、主体部分における第1連結部32の端部(3つの端子接続部31の配列方向における一方の端部)から突出させる。この例示の電気接続部135は、その第1連結部32と同一平面上で矩形の板状に形成されている。
本変形例のバスバ130においては、実施形態のバスバ30と同じように、電気接続部135に位置決め構造60を設けている。但し、本変形例のバスバ130では、電気接続部135における接続部材50への差し込み挿入の起点となる一方の辺部135cのみに位置決め構造60を設ける。その一方の辺部135cでは、それぞれの隅部に位置決め構造60を各々設けている。
この例示では、実施形態のバスバ30と同じ構成及び配置の位置決め構造60を用いている。つまり、この一方の辺部135cに設けた位置決め構造60は、電気接続部135一方の壁面135aの一方の辺部135cの隅部における一部分61と、この一部分61との間にバスバ140の電気接続部145を挿入させる片持ちの押圧部としての位置決め部62と、で構成している。よって、その位置決め部62は、一方の辺部135c側を固定端とし、他方の辺部135d側に向けて延出させた片体状に形成している。
本変形例のバスバ140は、実施形態のバスバ40において、電気接続部45を下記の電気接続部145に置き換えたものに相当する(図17)。よって、本変形例のバスバ140は、実施形態のバスバ40と同様の主体部分(10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44)を有する。ここでは、便宜上、その主体部分を成す各部位の符号を実施形態に対して変えずに示すことにする。
その電気接続部145は、実施形態の電気接続部45と同じように、主体部分における第1連結部42の端部(5つの端子接続部41の配列方向における一方の端部)から突出させる。この例示の電気接続部145は、その第1連結部42と同一平面上で矩形の板状に形成されている。
本変形例のバスバ140においては、実施形態のバスバ40とは異なり、電気接続部145に位置決め構造60を設けている。本変形例のバスバ140では、電気接続部145における他方の辺部145d(接続部材50への差し込み挿入の起点となる一方の辺部145cとは逆側の辺部)のみに位置決め構造60を設ける。その他方の辺部145dでは、それぞれの隅部に位置決め構造60を各々設けている。
この例示では、一方の壁面145aの他方の辺部145dの隅部における一部分61と、この一部分61との間にバスバ130の電気接続部135を挿入させる片持ちの押圧部としての位置決め部62と、で他方の辺部145dの位置決め構造60を構成している。その位置決め部62は、他方の辺部145d側を固定端とし、一方の辺部145c側に向けて延出させた片体状に形成している。つまり、この他方の辺部145dに設けた位置決め構造60については、実施形態のバスバ30と同じ構成のものを用いている。
ここで、本変形例の電気配線ブロック接合体2においては、それぞれの電気接続部135,145と接続部材50との間の組付け方向(実施形態の電気配線ブロック接合体1と同じ方向)を、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120との組み付け方向にする(図14及び図15)。よって、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120は、実施形態の第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20に対して以下の点を変更している。
本変形例の第1電気配線ブロック110は、実施形態の第1電気配線ブロック10において、収容室(第1収容室11、第2収容室12)以外を以下の如く変更している。よって、ここでは、便宜上、その収容室を成す各部位の符号を実施形態に対して変えずに示すことにする。
この第1電気配線ブロック110においては、バスバ130の主体部分を第2収容室12に収容させ、かつ、このバスバ130の電気接続部135を外方に突出させる(図13から図15)。この第1電気配線ブロック110は、その突出状態の電気接続部135の一方の壁面135aに間隔を空けて対向配置させる第1壁体113aと、その突出状態の電気接続部135の他方の壁面135bに間隔を空けて対向配置させる第2壁体113bと、を有する。第1壁体113aは、実施形態の第1電気配線ブロック10の第1壁体13aと同等のものである。第2壁体113bは、実施形態の第1電気配線ブロック10の第2壁体13bと同等のものである。この第1電気配線ブロック110は、その第1壁体113aと第2壁体113bにおける突出方向側における端部同士を繋ぐ第3壁体113cを有する。その第3壁体113cには、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120との組付けに伴い電気接続部145が挿入される第1切欠き部113c1と、その組付けに伴い下記の第2壁体123bが挿入される第2切欠き部113c2と、その組付けに伴い下記の第1壁体123aが挿入される第3切欠き部113c3と、が形成されている(図14)。
一方、本変形例の第2電気配線ブロック120は、実施形態の第2電気配線ブロック20において、収容室(第1収容室21、第2収容室22)以外を以下の如く変更している。よって、ここでは、便宜上、その収容室を成す各部位の符号を実施形態に対して変えずに示すことにする。
この第2電気配線ブロック120においては、バスバ140の主体部分を第2収容室22に収容させ、かつ、このバスバ140の電気接続部145を外方に突出させる(図13から図15)。この第2電気配線ブロック120は、その突出状態の電気接続部145の一方の壁面145aに間隔を空けて対向配置させる第1壁体123aと、その突出状態の電気接続部145の他方の壁面145bに間隔を空けて対向配置させる第2壁体123bと、を有する。第1壁体123aは、実施形態の第2電気配線ブロック20の第1壁体23aと同等のものである。第2壁体123bは、実施形態の第2電気配線ブロック20の第2壁体23bと同等のものである。この第2電気配線ブロック120は、その第1壁体123aと第2壁体123bにおける突出方向側における端部同士を繋ぐ第3壁体123cを有する。
本変形例の電気配線ブロック接合体2においては、第1壁体113aと第2壁体113bと第3壁体113cと第1壁体123aと第2壁体123bと第3壁体123cとによって、両端を開口させた角筒状の筒状部が形成される(図12)。この電気配線ブロック接合体2では、その筒状部の内方の空間がそれぞれの電気接続部135,145と接続部材50の収容室2aとなる。また、この電気配線ブロック接合体2では、その筒状部における一方の開口が接続部材50の収容室2aへの挿入口となる。
先に示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2においては、それぞれの電気接続部135,145と接続部材50との間の組付け方向を、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120との組み付け方向にしている。そこで、一方のバスバ130(140)に設けた位置決め構造60は、片持ちの押圧部としての位置決め部62の固定端側と自由端側とを結ぶ仮想直線が、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の組付け方向を向き、かつ、その組付け方向における自由端側の開口が、他方のバスバ140(130)における電気接続部145(135)の差し込み口になるものとして形成する。ここで例示しているそれぞれのバスバ130,140の位置決め構造60は、そのような形状のものとして形成されており、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の組付け方向に合わせた挿入口60aを有している(図16から図21)。
この電気配線ブロック接合体2においては、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とが組み付けられていくことで、バスバ130側の位置決め構造60の挿入口60aから電気接続部145が一方の壁面135aにおける一部分61と位置決め部62との間に挿入され、かつ、バスバ140側の位置決め構造60の挿入口60aから電気接続部135が一方の壁面145aにおける一部分61と位置決め部62との間に挿入されていく。そして、この電気配線ブロック接合体2においては、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120との組み付けを終えた際に、バスバ130側の位置決め構造60でバスバ140の電気接続部145が挟持され、かつ、バスバ140側の位置決め構造60でバスバ130の電気接続部135が挟持されるので、それぞれの電気接続部135,145が接続部材50の差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係に位置決めされる。ここでは、それぞれの電気接続部135,145の一方の壁面135a,145a同士が接触状態にある。よって、この電気配線ブロック接合体2においては、接続部材50を収容室1aに収容しながら、それぞれの電気接続部135,145を差し込み口52から一括挿入させることができる。従って、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気接続部135,145に接続部材50を組み付けるに際して、その組付け作業が容易なものとなる。
ここで、本変形例の電気配線ブロック接合体2においては、実施形態の第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを用いることによって、実施形態の電気配線ブロック接合体1と同じ組付け方向で第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを組み付けることができる。この場合、バスバ130の位置決め構造60においては、その組付け方向におけるバスバ130の主体部分側とは逆側の開口が電気接続部145の挿入口60aになる(図22)。そして、バスバ140の位置決め構造60においては、その組付け方向におけるバスバ140の主体部分側とは逆側の開口が電気接続部135の挿入口60aになる(図23)。本変形例の電気配線ブロック接合体2は、このように第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の組付け方向を変えたとしても、それぞれの電気接続部135,145に接続部材50を組み付けるに際しての組付け作業が容易なものとなっている。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2においては、位置決め構造60を設けることによって、それぞれの電気接続部135,145に対しての接続部材50の組付け作業を行う前に、差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係にそれぞれの電気接続部135,145が位置決めされている。よって、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気接続部135,145に接続部材50を組み付ける際に、差し込み口52からの一括挿入が可能な位置関係となるように作業者がそれぞれの電気接続部135,145の位置を直す必要がない。従って、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気接続部135,145に接続部材50を組み付ける際の組付け作業性を向上させることができる。これに伴い、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気接続部135,145を他方の壁面135b,145b側から接続部材50で挟み込み、一方の壁面135a,145a同士の接触状態を保つことができるので、バスバ130,140間の通電品質を向上させることができる。そして、本変形例の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体2を備えているので、この電気配線ブロック接合体2が奏する効果を同様に得ることができる。