JP2020067571A - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

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順治 神田
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Abstract

【課題】可視化部材の回収量を十分に確保して、クリーニング性を向上させることが可能なクリーニング装置及び当該クリーニング装置を備える画像形成装置を提供する。【解決手段】像担持体(中間転写ベルト45)に当接して可視化部材を除去するクリーニング部材(クリーニングブレード471)と、像担持体の回転方向においてクリーニング部材の上流側に配置され、クリーニング部材への可視化部材の供給量を規制する規制部材472と、を備える。規制部材472は、クリーニング部材の上流側に配置された第1規制部材472aと、第1規制部材472aの上流側に配置された第2規制部材472bと、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを連動して回動可能に軸支する支点軸472cと、を備える。第1規制部材472aは、可視化部材との接触により可視化部材の搬送方向に移動し、第2規制部材472bは、第1規制部材472aの移動に連動して像担持体に当接する方向に移動する。【選択図】図2

Description

本発明は、クリーニング装置及び当該クリーニング装置を備える画像形成装置に関する。
従来、感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を転写部にて用紙に転写し、転写されたトナー像を定着部にて定着することで、用紙上に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。また、ノズルから用紙に対してインクを吐出して所望のパターンで着弾させていくことで、用紙に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。
いずれの画像形成装置においても、被転写媒体に転写しなかった可視化部材(電子写真方式におけるトナー、インクジェット方式におけるインク)を次工程の画像形成前に像担持体(電子写真方式における感光体又は中間転写ベルト、インクジェット方式における搬送ベルト、アナログ印刷方式におけるドラム)から除去する必要がある。以下、電子写真方式において、像担持体としての中間転写ベルトをクリーニングする構成を例示して説明する。
電子写真方式において、中間転写ベルトをクリーニングする方法としては、安価でクリーニング性能が高いクリーニングブレードを用いたものが一般的である。クリーニング時に中間転写ベルトの表面が柔らかい場合、印字枚数が多くなると、クリーニングブレードと中間転写ベルトの間に介在するトナーやその添加物成分により、徐々に中間転写ベルト表面が摩耗して荒れや凹みが発生する。摩耗した中間転写ベルト表面とクリーニングブレードが接すると、隙間が生じるため、その隙間からトナーがすり抜けてしまい、画像形成の次工程に影響を及ぼす、所謂クリーニング不良が発生するという課題がある。
そこで、中間転写ベルト表面の摩耗を抑制すべく、中間転写ベルトの表面の硬度を上げて耐摩耗性を高くすることで、中間転写ベルト表面の荒れや凹みの発生を抑制し、クリーニング性を維持する方法が知られている。
しかしながら、中間転写ベルトの表面を硬くして耐摩耗性を高くすると、中間転写ベルト表面が摩耗しにくくなるため、中間転写ベルト表面に異物が残りやすくなる。異物の中には、粘性があり凝集力が強いもの(例えばトナーに含まれる滑剤や外添剤など)もある。これらが他のプロセスで発生した放電生成物と反応して中間転写ベルトに付着すると、異物が付着した中間転写ベルトとトナーとの付着力や、異物が付着した中間転写ベルトとクリーニングブレードとの摩擦力が上がるため、クリーニングブレードの先端が過度に変形してしまい、トナーを除去できない現象(クリーニング不良)が発生する。
中間転写ベルト表面の異物の発生量や異物の付着量を抑制することで、クリーニング性を改善することはできる。しかしながら、異物の元となる添加物の量を変えたりすると、他のプロセスにも影響を与えてしまう。
そこで、クリーニングブレードの上流側に、ベルト部材の表面に当接してベルト部材の表面に付着した異物を除去する除去部材を設置する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、クリーニングブレードの上流側に、像担持体に対して所定のギャップ(所定値以上の大きさの紙粉を通過させない間隔)を空けて対向するように規制部材を設置する構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−27225号公報 特開2016−103006号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の構成は、予め設定されたトナー像の用紙への転写の有無に応じて除去部材の当接圧を制御する構成であるため、実際の残留トナー量に応じて当接圧を制御することができず、トナーの回収量が必ずしも安定しないという課題がある。
また、上記特許文献2記載の構成は、予め規制部材の位置を固定する構成であるため、実際の残留トナー量に応じて規制部材の位置を制御することができず、やはりトナーの回収量が安定しないという課題がある。
本発明は、可視化部材の回収量を十分に確保して、クリーニング性を向上させることが可能なクリーニング装置及び当該クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
像担持体の表面に付着した可視化部材を除去するクリーニング装置であって、
前記像担持体に当接して前記可視化部材を除去するクリーニング部材と、
前記像担持体の回転方向において前記クリーニング部材の上流側に配置され、前記クリーニング部材への前記可視化部材の供給量を規制する規制部材と、
を備え、
前記規制部材は、
前記像担持体の回転方向において前記クリーニング部材の上流側に配置された第1規制部材と、
前記像担持体の回転方向において前記第1規制部材の上流側に配置された第2規制部材と、
前記第1規制部材及び前記第2規制部材を連動して回動可能に軸支する支点軸と、
を備え、
前記第1規制部材は、前記像担持体による前記可視化部材の搬送に伴う前記可視化部材との接触により前記可視化部材の搬送方向に移動し、
前記第2規制部材は、前記像担持体に当接可能に構成され、前記第1規制部材の移動に連動して前記像担持体に当接する方向に移動することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、
前記第2規制部材は、前記クリーニング部材への前記可視化部材の供給量が、前記クリーニング部材のみで回収可能な量を超えた場合に、前記像担持体に当接することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクリーニング装置において、
前記第2規制部材は、前記支点軸からの長さが前記第1規制部材よりも長いことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクリーニング装置において、
前記第1規制部材の先端と前記像担持体との距離は、前記クリーニング部材のみで回収可能な前記可視化部材の量に基づいて決定されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のクリーニング装置において、
前記第1規制部材及び前記第2規制部材は、前記支点軸と直交する方向に切れ込みが形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のクリーニング装置において、
前記像担持体は、表面のマルテンス硬さが150N/mm以上であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクリーニング装置において、
前記像担持体は、最表面の粗さRzが0.5μm以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
画像形成装置において、
用紙に画像を形成する画像形成部を備え、
前記画像形成部は、
表面にトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体の表面に付着した可視化部材を除去する請求項1〜7のいずれか一項に記載のクリーニング装置と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、可視化部材の回収量を十分に確保して、クリーニング性を向上させることができる。
本実施形態に係る画像形成装置を構成する各装置の主制御構成を示すブロック図である。 画像形成部の概略構成を示す図である。 クリーニング装置の概略構成を示す図である。 クリーニングブレードのみでトナーの回収が行われている様子の一例を示す図である。 供給されるトナーの量がクリーニングブレードのみで回収可能な量を超えている場合の一例を示す図である。 離間機構の概略構成を示す図である。 クリーニング装置におけるクリーニング性能に係る評価結果の一例を示す図である。 局所的な複層ベタが規制部材に供給された様子の一例を示す平面図である。 第1規制部材及び第2規制部材に切れ込みを形成した様子の一例を示す平面図である。 インクジェット記録装置の画像形成部の概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ又は外部機器から受信した画像データに基づいて、電子写真方式により用紙上にカラー画像を形成する画像形成装置である。
画像形成装置1は、図1に示すように、制御部10と、画像読取部20と、操作表示部30と、画像形成部40と、記憶部50と、通信部60と、を備えて構成されている。
制御部10は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種プログラムをRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置1の動作を統括的に制御する。また、RAMは、画像形成部40が受け取る画像データ及び印刷ジョブを印刷完了まで保持する。
画像読取部20は、図示しない原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光し、その反射光を読み取りセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして画像形成部40に転送される。なお、画像形成部40に転送される画像データとしては、画像読取部20で読み取ったものに限らず、例えば、通信部60により画像形成装置1に接続された外部装置(図示省略)から受信したものであってもよい。
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイを備え、ディスプレイ上には、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルを備えて構成される。
操作表示部30は、制御部10から入力される表示制御信号に従って、各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等の表示を行う。操作表示部30は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部10に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作表示部30は、表示画面外に各種ハードキーを備え、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部10に出力する。ユーザーは、操作表示部30を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに、装置の起動、停止操作などを行うことができる。
画像形成部40は、画像読取部20から受け取った画像データ又は外部機器から通信ネットワーク経由で受け取った印刷ジョブに基づいて用紙上に画像を形成し、印刷物を作成する。
画像形成部40は、図2に示すように、イエロー作像部Yと、マゼンタ作像部Mと、シアン作像部Cと、ブラック作像部Kと、中間転写ベルト(像担持体)45と、2次転写部46と、クリーニング装置47と、を備えて構成されている。
各作像部YMCKは、回転する感光体41の周辺に、帯電部42、露光部43及び現像部44を配置した構成となっている。各作像部YMCKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を感光体41に形成し、感光体41に形成されたYMCK各色のトナー像を中間転写ベルト45に一次転写する。
なお、各作像部YMCKの構成及び動作はいずれも同様であるため、以下、ブラック作像部Kを例に挙げて、画像形成部40が行う一連の画像形成動作について説明する。
感光体41は、ドラム状の金属基体の外周面に有機光導電体を含有させた樹脂からなる感光層が形成された有機感光体により構成され、図中反時計回りに回転駆動される。感光層を構成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
帯電部42は、帯電チャージャーを用いて感光体41を一定の電位に帯電する。
露光部43は、制御部10からの画像データに基づいて感光体41の非画像領域を露光して露光した部分の電荷を除去し、感光体41の画像領域に静電潜像を形成する。
現像部44は、感光体41に形成された静電潜像上に現像剤であるトナー(可視化部材)を供給し、感光体41にブラックのトナー像を形成する。
各作像部YMCKは、感光体41に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を中間転写ベルト45に一次転写する。これにより、中間転写ベルト45上にYMCK各色のカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト45は、対向ローラー451及び2次転写部46の対をなす一方のローラーを含む複数のローラーに懸架され回転可能に支持された半導電性エンドレスベルトであり、ローラーの回転に伴って図中時計回りに回転駆動される。各感光体41の表面に現像された各トナー像は、順次中間転写ベルト45に一次転写される。
中間転写ベルト45は、表面のマルテンス硬さが150N/mm以上となるように構成されている。中間転写ベルト45を上記の条件を満たす表面硬度とすることで、クリーニングブレード471や規制部材472との接触による傷付きを抑制することができる。
また、中間転写ベルト45は、最表面の粗さRz(Jis B0601;2001)が0.5μm以下となるように構成されている。中間転写ベルト45を上記の条件を満たす粗さとすることで、表面の荒れや凹みの発生を防止することができる。
なお、トナーを除去するために、中間転写ベルト45表面に接するクリーニングブレード471の接触圧を上げる方法も考えられるが、表面の荒れや凹みの発生を防止する目的で初期の表面形状を平滑にしている中間転写ベルト45の場合、クリーニングブレード471と中間転写ベルト45の接触圧が上がると、クリーニングブレード471と中間転写ベルト45の接触面積が多くなるため、更に摩擦力が上がってしまい、クリーニングブレード471の先端が過度に変形するおそれがある。しかしながら、本実施形態では、クリーニング装置47に規制部材472を備えたことで、ある一定の平滑性を保った中間転写ベルト45表面でもトナーを除去することが可能である。
2次転写部46は、一対のローラーを備えて構成され、中間転写ベルト45に一次転写されたトナー像を用紙に二次転写する。2次転写部46は、対をなす一方のローラーが中間転写ベルト45に圧接し、他方が中間転写ベルト45を巻き回す複数のローラーのうちの1つを構成している。2次転写部46は、対をなすローラー間で形成される転写ニップを用紙が通過することにより、中間転写ベルト45上のトナー像を、用紙収容部(図示省略)から搬送されてきた用紙に二次転写する。
その後、定着部(図示省略)により用紙にトナー像が加熱定着され、トナー像が加熱定着された用紙は、排紙トレイ(図示省略)に排出される。
以上が画像形成部40による一連の画像形成動作である。
クリーニング装置47は、中間転写ベルト45の回転方向において2次転写部46の下流側であって中間転写ベルト45を懸架する対向ローラー451と対向する位置に配置され、二次転写後の中間転写ベルト45に付着したトナーを除去する。クリーニング装置47は、クリーニングブレード471を中間転写ベルト45に常時当接させるブレードクリーニング方式を採用している。これにより、中間転写ベルト45の表面が清掃され、画像形成装置1から排出される用紙がトナー等により汚れないようになっている。
クリーニング装置47は、図2及び図3に示すように、クリーニングブレード471と、規制部材472と、を備えて構成され、中間転写ベルト45の表面に付着したトナーを除去する。
クリーニングブレード(クリーニング部材)471は、弾性体(例えばポリウレタンゴム)からなる平板状(シート状)のブレードであり、中間転写ベルト45に当接してトナーを除去する。
規制部材472は、第1規制部材472aと、第2規制部材472bと、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを連動して回動可能に軸支する支点軸472cと、を備えて構成され、クリーニングブレード471へのトナーの供給量を規制する(供給量が回収トナー許容量(クリーニングブレード471のみで回収可能な量)を超えないように規制する)。
第1規制部材472a及び第2規制部材472bは、厚さ0.2mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いて形成されている。本実施形態において、第2規制部材472bは、支点軸472cからの長さが第1規制部材472aよりも長くなるように形成されている。
第1規制部材472aは、中間転写ベルト45の回転方向においてクリーニングブレード471の上流側に配置され、中間転写ベルト45によるトナーの搬送に伴うトナーとの接触によりトナーの搬送方向に移動する。
第2規制部材472bは、中間転写ベルト45の回転方向において第1規制部材472aの上流側に配置され、中間転写ベルト45に当接可能に構成されている。第2規制部材472bは、第1規制部材472aの移動に連動して中間転写ベルト45との当接方向(中間転写ベルト45に当接する方向)に移動する。第2規制部材472bは、クリーニングブレード471へのトナーの供給量が回収トナー許容量を超えた場合に、中間転写ベルト45に当接する。
第1規制部材472aは、図3及び図4に示すように、クリーニングブレード471のみでトナーTの回収が可能な場合(すなわち、中間転写ベルト45に残留するトナー量が回収トナー許容量(クリーニングブレード471のみで回収可能な量)以下の場合)には、中間転写ベルト45と接触しない(すなわち、第1規制部材472aと中間転写ベルト45の間をトナーが通過する)ように配置されている。第1規制部材472aの先端と中間転写ベルト45との距離は、回収トナー許容量に基づいて決定される。なお、第1規制部材472aの先端と中間転写ベルト45との距離は、0.05mm以下とすることが好ましい。第1規制部材472aの先端と中間転写ベルト45との距離を0.05mm以下とすることで、回収トナー許容量以下のトナーが供給される場合は適度に通過し、回収トナー許容量を超えるトナーが供給される場合はトナーの粉圧により第1規制部材472a及び第2規制部材472bが連動して回動する。
一方で、第1規制部材472aは、図5に示すように、供給されるトナーTの量が回収トナー許容量を超えている場合(例えば、画像形成装置1本体が用紙を排紙トレイに排出する前にJAMが発生した場合)には、まず、回収トナー許容量を超えるトナーTの粉圧により、トナーTの搬送方向(摺動方向の下流方向)に移動する。その動きに連動して第2規制部材472bも中間転写ベルト45に接触する方向へと移動し、第2規制部材472bが中間転写ベルト45に接触する。この時、第1規制部材472aは、中間転写ベルト45に接触又は非接触の状態となり、転写残トナーが第2規制部材472bからクリーニング装置47に回収される経路及び転写残トナーがクリーニングブレード471からクリーニング装置47に回収される経路の2つの廃トナー回収経路が形成される。これにより、過剰なトナーが供給された場合であっても、第2規制部材472bの中間転写ベルト45への接触によりトナーが回収されるため、クリーニングブレード471によりトナーを回収することができる。
ところで、図5に示した状態となると、第2規制部材472bは、常に中間転写ベルト45に当接した状態となる。第2規制部材472bを中間転写ベルト45に当接したままにすると、クリープ変形するおそれがある。また、第2規制部材472bが常時当接している場合、表面硬度が高い中間転写ベルト45表面であっても、傷が付くリスクが増大する。よって、第2規制部材472bは、供給されるトナーTの量が回収トナー許容量以下のとき、中間転写ベルト45から離間する必要がある。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、第2規制部材472bを中間転写ベルト45から離間するための離間機構473が設けられている。
離間機構473は、カム機構473aと、カム機構473a及び支点軸472cに連結されたカム連動部材473bと、を備えて構成されている。カム機構473a及びカム連動部材473bは、規制部材472(支点軸472c)の長手方向端部に配置され、カム連動部材473bは、支点軸472cの長手方向端部に連結されている。
第2規制部材472bの圧接時は、図6(A)に示すように、規制部材472(支点軸472c)の動きに連動してカム連動部材473bが上方に押し上げられ、カム機構473aが起ち上がる。
一方、第2規制部材472bの離間時は、図6(B)に示すように、カム機構473aが回動してカム連動部材473bが下方へと移動し、その動きに連動して第2規制部材472bが中間転写ベルト45から離間する方向に規制部材472(支点軸472c)が回動する。
なお、第2規制部材472bを中間転写ベルト45から離間するタイミングは、例えば、画像情報である白黒比の閾値を超えた時、又は、転写残トナーがそのまま中間転写ベルト45上に残る可能性が高い動作時(例えば、JAM後の復帰時など)とする。
記憶部50は、不揮発メモリー等を備えて構成され、各種プログラムや各種設定データ、ジョブデータ等を制御部10から読み書き可能に記憶する。また、記憶部50は、読取画像、ファックス画像、フォントデータ等を記憶する。
通信部60は、通信用IC及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部10の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。また、通信部60は、USBを介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
以下に、クリーニング装置47におけるクリーニング性能に係る評価結果を、図7を用いて説明する。実施例では、高温高湿環境であるHH環境(30℃、80%RH)において、ブルー(Blue)の未転写トナー(A3サイズ)を中間転写ベルト45に供給した際のトナーの拭き残しの状況を目視で確認した。比較例は、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けない従来の構成である。実施例1は、(支点軸472cからの)長さが4mmの第1規制部材472a及び(支点軸472cからの)長さが5mmの第2規制部材472bを設けた構成である。実施例2は、(支点軸472cからの)長さが4mmの第1規制部材472a及び(支点軸472cからの)長さが6mmの第2規制部材472bを設けた構成である。上記の各構成において、クリーニングブレード471先端の摩耗幅及びクリーニングブレード471の中間転写ベルト45に対する当接力を振って比較した。
<評価基準>
○:トナーのすり抜けなし
×:トナーのすり抜けあり
の二段階で評価した。
クリーニングブレード471先端の摩耗幅が15μmの場合、比較例では、クリーニングブレード471の当接力が30N/m以上のとき、評価が○となっている。一方、実施例1では、クリーニングブレード471の当接力が20N/m以上のとき、評価が○となっている。また、実施例2ではクリーニングブレード471の当接力が15N/m以上のとき、評価が○となっている。
以上より、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けた構成(実施例1、実施例2)の方が、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けない構成(比較例)と比べ、クリーニングブレード471の当接力が弱くてもトナーのすり抜けを抑制できることがわかった。
また、クリーニングブレード471先端の摩耗幅が30μmの場合、比較例では、全ての評価が×となっている。一方、実施例1では、クリーニングブレード471の当接力が30N/m以上のとき、評価が○となっている。また、実施例2ではクリーニングブレード471の当接力が25N/m以上のとき、評価が○となっている。
以上より、クリーニングブレード471先端の摩耗幅にかかわらず、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けた構成(実施例1、実施例2)の方が、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けない構成(比較例)と比べ、トナーのすり抜けを抑制する効果が高いことがわかった。
また、クリーニングブレード471先端の摩耗幅が15μm及び30μmのいずれの場合であっても、第2規制部材472bの長さが長い実施例2の構成の方が、第2規制部材472bの長さが短い実施例1の構成と比べ、クリーニングブレード471の当接力が弱くてもトナーのすり抜けを抑制できることがわかった。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1のクリーニング装置47は、像担持体(中間転写ベルト45)に当接して可視化部材(トナーT)を除去するクリーニング部材(クリーニングブレード471)と、像担持体の回転方向においてクリーニング部材の上流側に配置され、クリーニング部材への可視化部材の供給量を規制する規制部材472と、を備える。また、規制部材472は、像担持体の回転方向においてクリーニング部材の上流側に配置された第1規制部材472aと、像担持体の回転方向において第1規制部材472aの上流側に配置された第2規制部材472bと、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを連動して回動可能に軸支する支点軸472cと、を備える。また、第1規制部材472aは、像担持体による可視化部材の搬送に伴う可視化部材との接触により可視化部材の搬送方向に移動し、第2規制部材472bは、像担持体に当接可能に構成され、第1規制部材472aの移動に連動して像担持体に当接する方向に移動する。
したがって、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、クリーニング部材への可視化部材の供給量に応じて像担持体に接触する規制部材472の位置が変わり、可視化部材の回収経路を第2規制部材472bとクリーニング部材の2つ形成することができるので、可視化部材の回収量を十分に確保することが可能となり、クリーニング性を向上させることができる。特に、表面硬度が大きく、耐摩耗性の高い像担持体に対してより有効である。
また、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、第2規制部材472bは、クリーニング部材への可視化部材の供給量が、クリーニング部材のみで回収可能な量を超えた場合に、像担持体に当接する。
したがって、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、不必要に第2規制部材472bを像担持体に接触させることがないので、第2規制部材472bのクリープ変形や中間転写ベルト45表面の傷の発生を抑制することが可能となり、クリーニング不良の発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、第2規制部材472bは、支点軸472cからの長さが第1規制部材472aよりも長い。
したがって、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、クリーニング部材の当接力が弱くても可視化部材のすり抜けを抑制することができるので、クリーニング性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、第1規制部材472aの先端と像担持体との距離は、クリーニング部材のみで回収可能な可視化部材の量に基づいて決定される。
したがって、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、必要な場合にのみ第2規制部材472bを像担持体に接触させることができるので、第2規制部材472bのクリープ変形や中間転写ベルト45表面の傷の発生を抑制することが可能となり、クリーニング不良の発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、像担持体は、表面のマルテンス硬さが150N/mm以上である。
したがって、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、クリーニング部材や規制部材472との接触による像担持体の傷付きを抑制することができるので、クリーニング不良の発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、像担持体は、最表面の粗さRzが0.5μm以下である。
したがって、本実施形態に係るクリーニング装置47によれば、中間転写ベルト45表面の荒れや凹みの発生を防止することができるので、クリーニング性を維持することができる。
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、局所的な複層ベタT1が中間転写ベルト45上に形成された場合、図8に示すように、第1規制部材472aに対して複層ベタ(トナー)T1の突入力(粉圧)が局所的にしか加わらないため、第1規制部材472aを動かすことができず、トナーの供給を検知できないケースが存在する。なお、図8では、説明の都合上、第2規制部材472bの記載を省略している。
そこで、図9に示すように、第1規制部材472a及び第2規制部材472bの支点軸472cと直交する方向に切れ込み472dを形成するようにしてもよい。なお、図9においても、説明の都合上、第2規制部材472bの記載を省略している。
このように、第1規制部材472a及び第2規制部材472bが、支点軸472cと直交する方向に切れ込み472dが形成されていることで、局所的な複層ベタT1が供給された場合であっても、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを動かすことが可能となり、より確実に可視化部材を回収することができる。
なお、第1規制部材472a及び第2規制部材472bの支点軸472cと直交する方向に切れ込み472dを形成する構成においても、実施形態の構成と同様、離間機構を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、クリーニング装置47を、電子写真方式の画像形成装置1における中間転写ベルト(像担持体)45に対して適用する構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、クリーニング装置47を、電子写真方式の画像形成装置1における感光体(像担持体)41に対して適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、クリーニング装置47を、電子写真方式の画像形成装置1に対して適用する構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、クリーニング装置47を、インクジェット方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)に対して適用するようにしてもよい。以下、インクジェット記録装置において、像担持体としての搬送ベルト150をクリーニングする構成を例示して説明する。
図10に、インクジェット記録装置の画像形成部100の概略構成を示す。
画像形成部100は、インク111を吐出して被記録媒体(記録紙、布等)である用紙Pに画像を形成するインクジェット記録ヘッド110と、複数の搬送ローラー120、130、140と、複数の搬送ローラー120、130、140を巻回する搬送ベルト150と、搬送ベルト150に付着したインク111を回収するクリーニング装置47Aと、を備えて構成されている。
クリーニング装置47Aは、クリーニング部材としてのクリーニングローラー474と、第1規制部材472a、第2規制部材472b及び支点軸472cを備える規制部材472と、を備えて構成されている。
用紙Pは、搬送ベルト150の上面に保持されて搬送され、インクジェット記録ヘッド110により吐出されたインク111により画像が形成された後、搬送ベルト150の搬送方向に沿って排出される。
搬送ベルト150に付着したインク111は、複数の搬送ローラー120、130、140を介して移動し、クリーニングローラー474により回収される。クリーニングローラー474は、一定の水分を含んでおり、その水分で搬送ベルト150に付着したインク111を吸収する。しかしながら、インクジェット記録ヘッド110から吐出したインク111が用紙から外れたときや、インクが用紙を透り抜けて搬送ベルト150に付着したとき等、クリーニングローラー474の清掃能力を超える量のインク111が供給されると、インク111をクリーニングしきれず、次工程の画像に影響を及ぼす。
そこで、実施形態と同様、規制部材472をクリーニングローラー474の上流に配置することで、クリーニングローラー474を補助する。
具体的には、クリーニングローラー474の清掃能力を超える量のインク111が供給されると、第1規制部材472aがインク111の粉圧で移動し、第1規制部材472aの動きに連動して第2規制部材472bも移動し、搬送ベルト150に接触する。そして、搬送ベルト150に接触した第2規制部材472bによりインク111を回収することで、クリーニングローラー474による清掃を補助する。
なお、一度搬送ベルト150に接触した第2規制部材472bは、実施形態と同様、カム機構などを備えた離間機構により、搬送ベルト150から離間する。この離間動作は、画像形成後などに行われる。
以下に、クリーニング装置47におけるクリーニング性能に係る評価結果を示す。評価は、搬送ベルト150に残留したインク111を清掃するのに必要なクリーニングローラー474の水分率を測定することにより行った。クリーニングローラー474は、不織布を軸に巻いたもので、図示しない洗浄液に浸されながら搬送ベルト150をクリーニングする部材である。クリーニングローラー474の水分率が多い程、より多くのインク111を回収することができる。換言すれば、少ない水分率で清掃可能な場合は、清掃能力が高い手段であると言うことができる。クリーニングの可否は、クリーニングローラー474を通過した搬送ベルト150上にインク111が残っているか否かを目視で確認して判断を行った。その結果、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けない従来の構成では、水分率15%で十分な回収が行われたが、第1規制部材472a及び第2規制部材472bを設けた本発明の構成では、水分率10%で十分な回収を行うことができた。以上のことから、インクジェット方式の画像形成装置においても、電子写真方式の画像形成装置1と同様の効果を得られることがわかった。
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 画像形成装置
10 制御部
20 画像読取部
30 操作表示部
40、100 画像形成部
41 感光体
42 帯電部
43 露光部
44 現像部
45 中間転写ベルト(像担持体)
46 2次転写部
47、47A クリーニング装置
471 クリーニングブレード(クリーニング部材)
472 規制部材
472a 第1規制部材
472b 第2規制部材
472c 支点軸
472d 切れ込み
473 離間機構
473a カム機構
473b カム連動部材
474 クリーニングローラー(クリーニング部材)
50 記憶部
60 通信部
110 インクジェット記録ヘッド
120、130、140 搬送ローラー
150 搬送ベルト(像担持体)
T トナー(可視化部材)

Claims (8)

  1. 像担持体の表面に付着した可視化部材を除去するクリーニング装置であって、
    前記像担持体に当接して前記可視化部材を除去するクリーニング部材と、
    前記像担持体の回転方向において前記クリーニング部材の上流側に配置され、前記クリーニング部材への前記可視化部材の供給量を規制する規制部材と、
    を備え、
    前記規制部材は、
    前記像担持体の回転方向において前記クリーニング部材の上流側に配置された第1規制部材と、
    前記像担持体の回転方向において前記第1規制部材の上流側に配置された第2規制部材と、
    前記第1規制部材及び前記第2規制部材を連動して回動可能に軸支する支点軸と、
    を備え、
    前記第1規制部材は、前記像担持体による前記可視化部材の搬送に伴う前記可視化部材との接触により前記可視化部材の搬送方向に移動し、
    前記第2規制部材は、前記像担持体に当接可能に構成され、前記第1規制部材の移動に連動して前記像担持体に当接する方向に移動することを特徴とするクリーニング装置。
  2. 前記第2規制部材は、前記クリーニング部材への前記可視化部材の供給量が、前記クリーニング部材のみで回収可能な量を超えた場合に、前記像担持体に当接することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 前記第2規制部材は、前記支点軸からの長さが前記第1規制部材よりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニング装置。
  4. 前記第1規制部材の先端と前記像担持体との距離は、前記クリーニング部材のみで回収可能な前記可視化部材の量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のクリーニング装置。
  5. 前記第1規制部材及び前記第2規制部材は、前記支点軸と直交する方向に切れ込みが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のクリーニング装置。
  6. 前記像担持体は、表面のマルテンス硬さが150N/mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のクリーニング装置。
  7. 前記像担持体は、最表面の粗さRzが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のクリーニング装置。
  8. 用紙に画像を形成する画像形成部を備え、
    前記画像形成部は、
    表面にトナー像が形成される像担持体と、
    前記像担持体の表面に付着した可視化部材を除去する請求項1〜7のいずれか一項に記載のクリーニング装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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