JP2020067187A - 乾燥装置、及び乾燥システム - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥処理量の減少や、設備の大型化を招くことなく乾燥室内での被乾燥物の滞留時間を長くすることができて、乾燥能力を向上させることができる乾燥装置、及び乾燥システムを提供する。【解決手段】乾燥用空気が導入されるケーシング41内で上下に段状に配設される複数のベルトコンベヤ42を備える乾燥装置4であって、ベルトコンベヤ42は、無端ベルト体53の上部領域の外周面上に載置されて搬送されている木質チップMを無端ベルト体53の下部領域の内周面上へと落下させる上側被乾燥物落下手段91と、上側被乾燥物落下手段91によって落下された後に無端ベルト体53における下部領域の内周面上に載置されて搬送されている木質チップMを下方へと落下させる下側被乾燥物落下手段92とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、木質チップ等のバイオマス燃料を搬送しながら乾燥用空気により乾燥する乾燥装置、及び乾燥システムに関する。
近年、重油等の化石燃料に代わる燃料として、植物等の有機物に由来するバイオマス燃料が注目されている。バイオマス燃料は、その生長過程で大気中のCOを取り込んだ有機物であることから、これを燃焼させても大気中のCOを増加させない「カーボンニュートラル」という特質を有している。
バイオマス燃料が例えば木質チップである場合、木質チップの有効熱量は、木質チップに含まれる水分に応じて増減する。通常、伐採直後の木質資源を木質チップに成形した場合、木質チップの水分率は50%前後であり、有効熱量となる低位発熱量は8000kJ/kg程度である。これは木質資源が絶対量として有する高位発熱量約20000kJ/kgに対して半分以下の熱量であり、木質チップのバイオマス燃料としての有効性と価値を大きく上げるためには、木質チップの水分率を低減して、木質チップを改質することが重要である。このような木質チップの改質は、燃料としての品質向上、すなわち単位質量当たりの熱量の増加となり、木質チップを燃料として消費する燃焼施設におけるボイラーやポンプ、送風機等の付属設備の負担を軽減することになり、設備コストの低減や、長寿命化に貢献することになる。
また、木質チップの水分量は、燃焼設備の炉内燃焼状況(温度や圧力)に影響を及ぼし、木質チップの水分量が高い水準で推移した場合、燃焼設備の安定運転を阻害することになる。日常環境下での木質チップは、50%程度の水分率のため、燃焼設備において安定的に燃焼させるためには、燃料として使用する前に乾燥処理を行い、水分率を低減する必要がある。
従来、木質チップの乾燥処理として、発電タービンに供給される蒸気の一部を抽出し、抽出した蒸気を用いて木質チップを乾燥させるという方法や、FIT(固定価格買取制度)発電において、電力単価評価が低い建築廃材等を燃料として用い、別途設けられたボイラーで蒸気を生成し、生成した蒸気を用いて木質チップを乾燥させるという方法がある。
また、斜め下向きに傾斜が付されたロータリキルンの回転ドラムの内部に木質チップを投入するとともに、例えば、燃料である木質チップの燃焼熱を回転ドラムに対し供給して、投入された木質チップを回転ドラムの回転動作によって撹拌しながら回転ドラムの傾斜に沿って下流側へと送ることにより木質チップを乾燥させる木質チップの乾燥処理方法もある。
さらに、木質チップ等のバイオマス燃料を乾燥するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。
特開2016−80217号公報 特開2015−209452号公報 特許第6353164号公報 特開2016−57047号公報
特許文献1には、排熱を吸収した熱媒体と大気から吸引した空気との間で熱交換を行い、熱交換によって加温された温風空気を貯留ホッパの下部から貯留ホッパ内に送給して貯留ホッパ内の木質燃料を乾燥させる木質燃料乾燥設備に関する技術が開示されている。
特許文献2には、吸水材と木質材料とを交互、且つ多段に積層し、木質材料を吸水材で覆うようにして、木質材料に含まれる水分を吸水材で吸収することにより、木質材料を一定の水分量にまで乾燥させるようにしたバイオマス燃料前処理システムに関する技術が開示されている。
特許文献3には、発電所の煙道ガス余熱を利用したバイオマス燃料の乾燥設備に関する技術が開示されている。この乾燥設備においては、乾燥室を形成するケーシング内に所要の横方向仕切板を上下方向に間隔をあけて配設することにより、高温区、中温区、及び低温区がそれぞれ区画形成されている。これら高温区、中温区、及び低温区のそれぞれには、ベルトコンベヤが配設されている。一方、発電所の煙道ガス余熱を利用して空気を段階的に加熱することにより、高温乾燥空気、中温乾燥空気、及び低温乾燥空気がそれぞれ生成される。そして、高温乾燥空気を前記高温区に、中温乾燥空気を前記中温区に、低温乾燥空気を前記低温区に、それぞれ供給しながら、高温区、中温区、及び低温区のそれぞれに配設されたベルトコンベヤにより、バイオマス燃料を高温区から中温区を経て低温区に順次に落下するように蛇形(S字形)に搬送することでバイオマス燃料を乾燥する。
特許文献4には、熱風が導入されるケーシング内に上下に段状に複数のベルトコンベヤを配設し、複数のベルトコンベヤにより木質チップを順次に下段側へと搬送しながら乾燥させるようにした多段式木質チップドライヤーに関する技術が開示されている。
しかしながら、上述した蒸気を用いて木質チップを乾燥させるようにしたものでは、発電量の低下、又は蒸気を別途生成するための燃料コスト増の問題点があることに加えて、木質チップに含まれる水分を蒸発させるために、木質チップに対して潜熱を含めたエネルギーを供給しなければならず、大量のエネルギーが必要となるため、乾燥効率が悪いという問題点がある。
また、ロータリキルンを用いて木質チップを乾燥するようにしたものでは、木質チップの搬送距離によって実質的に乾燥能力が決定されるため、乾燥能力を向上させるためには搬送距離を延ばす必要があり、回転ドラムとして全長が長いものを採用しなければならず、導入において幅広い敷地面積が必要になるという問題点がある。
また、特許文献1に係る木質燃料乾燥設備では、貯留ホッパ内に貯留される木質燃料の貯留量と貯留ホッパに対する温風空気の送給量とによって乾燥能力が決定されるため、乾燥能力の向上のためには大容量の貯留ホッパを採用しなければならず、設備の大型化を招くという問題点がある。
また、特許文献2に係るバイオマス燃料前処理システムでは、吸水材の吸水面積と積層段数とによって乾燥能力が決定されるため、乾燥能力の向上のためには吸水面積の大きい吸水材を用い、且つ積層段数を増やさなければならず、設備の大型化を招くという問題点がある。
ところで、特許文献3に係る発電所の煙道ガス余熱を利用したバイオマス燃料の乾燥設備においては、バイオマス燃料が乾燥室内に滞留する時間に比例してバイオマス燃料の含水率を低下させることができるので、乾燥能力を向上させるためには、バイオマス燃料の乾燥室内での滞留時間を可及的に長くする必要がある。バイオマス燃料の乾燥室内での滞留時間を延ばす手法としては、ベルトコンベヤの搬送速度を減少させる、又はベルトコンベヤの設置段数を増やして搬送距離を延ばすことが考えられる。しかしながら、前者のベルトコンベヤの搬送速度を減少させるという手法では、バイオマス燃料の乾燥処理量が減少して生産効率が悪くなるという問題点がある。また、後者のベルトコンベヤの設置段数を増やして搬送距離を延ばすという手法では、バイオマス燃料の乾燥処理量を減少させることなく乾燥室内での滞留時間を延ばすことができるものの、設備の大型化を招くという問題点がある。
また、特許文献4に係る多段式木質チップドライヤーにおいても、木質チップの含水率をより低下させようとすると、乾燥室を形成するケーシング内での木質チップの滞留時間を延ばす必要があり、ベルトコンベヤの搬送速度を減少させる、又はベルトコンベヤの設置段数を増やさなければならず、前記特許文献3に係る乾燥設備と同様に、生産効率の悪化、又は設備の大型化を招くという問題点がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、乾燥処理量の減少や、設備の大型化を招くことなく乾燥室内での被乾燥物の滞留時間を長くすることができて、乾燥能力を向上させることができる乾燥装置、及び乾燥システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る乾燥装置の特徴構成は、
被乾燥物を乾燥させるための乾燥用空気が導入される乾燥室を形成するケーシングと、前記ケーシング内で上下に段状に配設されて被乾燥物を順次に下段側へと搬送する複数のベルトコンベヤとを備える乾燥装置であって、
前記ベルトコンベヤは、
水平方向に所定の軸間距離を有して配設される駆動輪及び従動輪と、
前記駆動輪及び従動輪に巻き掛け装着され、載置された被乾燥物を搬送する無端ベルト体と、
前記無端ベルト体における前記駆動輪及び従動輪に対し上側の上部領域の外周面上に載置されて搬送されている被乾燥物を、前記無端ベルト体における前記駆動輪及び従動輪に対し下側の下部領域の内周面上へと落下させる上側被乾燥物落下手段と、
前記上側被乾燥物落下手段によって落下された後に前記無端ベルト体における前記下部領域の内周面上に載置されて搬送されている被乾燥物を下方へと落下させる下側被乾燥物落下手段と、
を備えることにある。
本構成の乾燥装置によれば、ケーシング内で上下に段状に配設される複数のベルトコンベヤのそれぞれにおいて、無端ベルト体における上部領域の外周面と下部領域の内周面とによって被乾燥物が搬送されるので、無端ベルト体における上部領域の外周面のみで被乾燥物を搬送する従来のベルトコンベヤを用いる場合と比べて被乾燥物の搬送距離を理論上最大2倍程度にまで延長することができ、乾燥処理量の減少や、設備の大型化を招くことなく乾燥室内での被乾燥物の滞留時間を長くすることができて、乾燥能力を向上させることができる。なお、被乾燥物が搬送中に落下を繰り返し撹拌される回数も増えるため、被乾燥物の乾燥がより促進されるとともに、被乾燥物に含まれる水分を一定値以下にできるという効果がある。
本発明に係る乾燥装置において、
前記上側被乾燥物落下手段は、前記無端ベルト体における前記上部領域の搬送方向の終端近傍位置で被乾燥物を落下させ、
前記下側被乾燥物落下手段は、前記無端ベルト体における前記下部領域の搬送方向の終端近傍位置で被乾燥物を落下させることが好ましい。
本構成の乾燥装置によれば、無端ベルト体の上部領域の外周面上に載置されて搬送されている被乾燥物が、その上部領域の搬送方向の終端近傍位置において上側被乾燥物落下手段により落下され、この上側被乾燥物落下手段によって落下された後に無端ベルト体の下部領域の内周面上に載置されて搬送されている被乾燥物が、その下部領域の搬送方向の終端近傍位置において下側被乾燥物落下手段により下方へと落下されるので、ベルトコンベヤによる被乾燥物の搬送距離を最大限長くすることができ、これによって乾燥室内での被乾燥物の滞留時間を最大限に長くすることができて、乾燥能力を最大限に高めることができる。
本発明に係る乾燥装置において、
前記無端ベルト体は、被乾燥物が載置される複数の被乾燥物載置部材を有し、
前記被乾燥物載置部材は、搬送方向側端部を支点として上下方向に回動自在で前記無端ベルト体の周方向に並ぶように配設され、
前記被乾燥物載置部材に被乾燥物が載置されている状態を保ちつつ搬送方向に移動するように前記被乾燥物載置部材を案内し、且つ下側から支えるレール部材を備え、
前記上側被乾燥物落下手段及び下側被乾燥物落下手段は何れも、被乾燥物を落下させる位置において前記レール部材を設けないようにすることにより、被乾燥物を落下させる位置で前記被乾燥物載置部材が搬送方向側端部を支点として重力作用により下向きに回動するようにして、前記被乾燥物載置部材に載置されている被乾燥物を落下させる構成であることが好ましい。
本構成の乾燥装置によれば、被乾燥物を落下させる位置においてレール部材を設けないようにして、搬送方向側端部を支点として被乾燥物載置部材を重力作用により下向きに回動させて、被乾燥物載置部材に載置されている被乾燥物を落下させるように構成されているので、上側被乾燥物落下手段及び下側被乾燥物落下手段のそれぞれの機能を簡易な構成によって実現することができる。また、被乾燥物載置部材が回動することにより、被乾燥物載置部材への被乾燥物の固着が防止されるため、無端ベルト体と駆動輪及び従動輪との間に被乾燥物が挟まって目詰まりが生じることを防止できる。
本発明に係る乾燥装置において、
被乾燥物を落下させる位置で搬送方向側端部を支点として下向きに回動された前記被乾燥物載置部材を搬送方向への移動に伴う衝突により突き上げるようにする突上げ部材を備えることが好ましい。
本構成の乾燥装置によれば、被乾燥物を落下させる位置から搬送方向への移動に伴い被乾燥物載置部材が突上げ部材によって突き上げられるので、簡易な構成で被乾燥物載置部材を被乾燥物が載置可能な状態に復帰させることができる。また、突上げ部材が被乾燥物載置部材を突き上げる際の衝撃によって、被乾燥物載置部材に付着している細かな残留物を振り落とすことができる。
次に、上記課題を解決するための本発明に係る乾燥システムの特徴構成は、
上記に記載の乾燥装置を用いて被乾燥物を乾燥させる乾燥システムであって、
排熱を吸収した熱媒体と大気から吸引した空気との間での熱交換により前記乾燥用空気を生成する熱交換器を備えることにある。
本構成の乾燥システムによれば、例えば、バイオマス発電設備におけるボイラー等から排出される排ガスが持つ排熱を利用し、この排熱を吸収した熱媒体と大気から吸引した空気との間での熱交換により加温されて生成された乾燥用空気を用いて乾燥装置により被乾燥物が乾燥されるので、発電タービンに供給される蒸気の一部を用いて木質チップ(被乾燥物)を乾燥したり、建築廃材等を燃料として別途設けたボイラーにより発生させた蒸気を用いて木質チップ(被乾燥物)を乾燥したりするといった従来の乾燥システムと比べて、発電量を低下させたり、別途燃料を消費したりすることなく、被乾燥物を乾燥することができ、従来の乾燥システムと比べてランニングコストを低く抑えることができる。また、大気から生成した乾燥用空気を用いるとともに、乾燥室内での被乾燥物の滞留時間が長く乾燥能力が高められた乾燥装置を用いて被乾燥物を乾燥するようにされているので、水分率が高い被乾燥物でも効果的に乾燥することができる。
本発明に係る乾燥システムにおいて、
規定の大きさの被乾燥物を選別し、選別した被乾燥物を前記乾燥装置へと定量供給する被乾燥物供給装置を備えることが好ましい。
本構成の乾燥システムによれば、被乾燥物供給装置によって規定の大きさの被乾燥物が乾燥装置へと定量供給されるので、乾燥装置によって乾燥処理が施された被乾燥物の水分率のバラツキを抑えることができ、品質が安定した被乾燥物を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥システムの全体概略構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置の縦断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置を構成するベルトコンベヤを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図4は、図3のA−A線断面図である。 図5は、図3のB部を一部破断して示す拡大図である。 図6は、図3のC−C線要部断面図である。 図7は、図4の要部拡大図を示し、(a)はD部拡大図、(b)はE部拡大図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態及び実施例では、乾燥対象としてバイオマス燃料、特に、木質チップを例に挙げて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面、実施例に記載される構成に限定されることは意図しない。
図1には、本発明の一実施形態に係る乾燥システムの全体概略構成を示すブロック図が示されている。
<全体構成>
図1に示される乾燥システム1は、排熱から熱エネルギを回収し乾き度の高い乾燥用空気を生成する排熱エネルギ回収装置2と、規定の範囲のサイズの木質チップを選別し定量供給する木質チップ供給装置3と、排熱エネルギ回収装置2で生成した乾燥用空気を用いて、木質チップ供給装置3から定量供給される木質チップを乾燥する乾燥装置4とを備えて構成されている。
排熱エネルギ回収装置2の上流側には、燃焼ボイラー設備5が設けられている。燃焼ボイラー設備5は、木質チップを燃焼するように構成された燃焼炉11と、燃焼炉11の下流側に設けられるボイラー12と、ボイラー12の下流側に設けられるエコノマイザ13と、エコノマイザ13の下流側に設けられるマルチサイクロン14と、マルチサイクロン14の下流側に設けられるバグフィルタ15と、バグフィルタ15の下流側に設けられる誘引通風機16及び煙突17とを備え、燃焼炉11で燃焼されるに伴い発生した排ガスが、誘引通風機16の作動により、燃焼炉11からボイラー12及びエコノマイザ13へと順に送られて熱回収され、熱回収された排ガスに含まれるダスト等がマルチサイクロン14及びバグフィルタ15で取り除かれ、ダスト等が取り除かれた排ガスが後述する熱交換器21を経て煙突17を介して排出される。なお、燃焼ボイラー設備5は、ボイラー12に接続されたタービン(図示省略)を用いて発電機を駆動して発電するように構成されていてもよい。
<排熱エネルギ回収装置>
排熱エネルギ回収装置2は、バグフィルタ15と誘引通風機16との間の排ガス流れ管路の途中に配設される熱交換器21を備えている。この排熱エネルギ回収装置2においては、誘引通風機16の作動によって除塵後の排ガスが熱交換器21に送り込まれるとともに、送風機22によって大気から吸引した空気が熱交換器21に送り込まれるように構成されており、排熱を吸収した熱媒体である排ガスと、大気から吸引した空気との間において熱交換器21により熱交換が行われて乾燥用空気が生成されるようになっている。生成された乾燥用空気は、乾燥装置4における後述するケーシング41内に導入される。また、熱交換器21において熱交換に供された後の排ガスは、誘引通風機16の作動によって煙突17を介して排出される。
<木質チップ供給装置>
木質チップ供給装置3は、主として、木質チップ原料貯留部31と、振動スクリーン32と、木質チップの搬送高さを揃える木質チップ均し機構33aがコンベヤ33bに付設されてなる定量調整機33とを備えて構成されている。この木質チップ供給装置3においては、木質チップ原料貯留部31に貯留されている規定サイズよりも大きいサイズの木質チップや小さいサイズの木質チップを含む木質チップ原料を、供給コンベヤ34、スクリューコンベヤ35及び連絡コンベヤ36を介して振動スクリーン32に送り込み、振動スクリーン32によって篩い分けられた規定の範囲のサイズの木質チップを、フライトコンベヤ37を介して定量調整機33に送り、定量調整機33によって規定の範囲のサイズの木質チップを一定量ずつ乾燥装置4における後述するケーシング41内へと供給することができるようになっている。こうして、規定の大きさの木質チップが乾燥装置4へと定量供給されるので、乾燥装置4によって乾燥処理が施された木質チップの水分率のバラツキを抑えることができ、品質が安定した木質チップを得ることができる。
<乾燥装置>
乾燥装置4は、主として、乾燥室を形成する外観視直方体形状のケーシング41と、ケーシング41内で上下に段状に配設される複数(本例では4基)のベルトコンベヤ42とを備えて構成されている。
<ケーシング>
ケーシング41の一側面部には、乾燥用空気を導入するための所要の乾燥用空気導入口43が設けられ、排熱エネルギ回収装置2によって生成された乾燥用空気が、乾燥用空気導入口43を通してケーシング41の内部に送り込まれるようになっている。ケーシング41の上部には、乾燥用空気を排出するための複数の乾燥用空気排出口44が設けられ、乾燥用空気導入口43を通してケーシング41の内部に送り込まれた乾燥用空気が、木質チップの乾燥のために使用された後に、乾燥用空気排出口44を通してケーシング41の外部に排出されるようになっている。なお、乾燥用空気排出口44を通してケーシング41の外部に排出された乾燥用空気は、誘引通風機45の作動より、集塵装置46に導入されて除塵された後に排気される。さらに、ケーシング41の上部には、定量調整機33によって一定量ずつ送り出される規定の範囲のサイズの木質チップが投入される木質チップ投入口47が設けられている。ここで、複数の乾燥用空気排出口44及び木質チップ投入口47は、ケーシング41の上部の一端縁から他端縁に向かう方向に順に一列に並ぶように配置されている。
乾燥装置4においては、木質チップ投入口47を通してケーシング41内に投入された木質チップを、ケーシング41内に配設された4基のベルトコンベヤ42により順次に下段側へと落下するように蛇形(S字形)に搬送しながら、乾燥用空気導入口43を通してケーシング41内に導入された乾燥用空気を用いて乾燥するようにされている。このようにして乾燥された木質チップは、最下段のベルトコンベヤ42の下方に配設される所要の排出コンベヤ48,49により、予め定められた製品置場へと搬送される。
図2には、本発明の一実施形態に係る乾燥装置の縦断面図が示されている。また、図3には、本発明の一実施形態に係る乾燥装置を構成するベルトコンベヤを示す図で、平面図(a)及び正面図(b)がそれぞれ示されている。
<ベルトコンベヤ>
図2に示されるように、ケーシング41内で上下に段状に配設される4基のベルトコンベヤ42は、基本的に同一構造である。各ベルトコンベヤ42は、主として、一対の駆動スプロケット51(片側のみ図示)、一対の従動スプロケット52(片側のみ図示)、及び無端ベルト体53を備えて構成されている。なお、駆動スプロケット51が本発明の「駆動輪」に相当し、従動スプロケット52が本発明の「従動輪」に相当する。
<駆動スプロケット>
一対の駆動スプロケット51は、ケーシング41の長さ方向の一側においてケーシング41の幅方向に所定間隔を有して対向配置され、互いの回転中心部同士が駆動シャフト55によって連結されている。駆動シャフト55は、ケーシング41を構成する幅方向の両側壁部に軸受部材(図示省略)を介して回転自在に支持されている。駆動シャフト55には、電動モータ(図示省略)からの回転動力が動力伝達機構(図示省略)を介して伝達されるようになっており、電動モータの作動によって駆動スプロケット51が回転駆動される。
<従動スプロケット>
一対の従動スプロケット52は、ケーシング41の長さ方向の他側においてケーシング41の幅方向に所定間隔を有して対向配置され、互いの回転中心部同士が従動シャフト56によって連結されている。従動シャフト56は、ケーシング41を構成する幅方向の両側壁部に軸受部材(軸受部材)を介して回転自在に支持されている。
駆動スプロケット51と従動スプロケット52とにおいては、水平方向における軸間距離が所定値に設定される一方で、鉛直方向の軸間距離が0に設定されており、ベルトコンベヤ42の全体が水平状態で配置されている。なお、駆動スプロケット51と従動スプロケット52との鉛直方向の軸間距離を0よりも大きい所定値に設定して、ベルトコンベヤ42を傾斜配置する態様もある。
<無端ベルト体>
図3(a)に示されるように、無端ベルト体53は、主として、第一無端ローラチェーン61、第二無端ローラチェーン62及び複数のバタフライプレート63により構成されている。なお、バタフライプレート63が本発明の「被乾燥物載置部材」に相当する。
[無端ローラチェーン]
第一無端ローラチェーン61は、一対の駆動スプロケット51のうちの一方の駆動スプロケット51と、一対の従動スプロケット52のうちの一方の従動スプロケット52とに巻き掛け装着されるものであり、第二無端ローラチェーン62は、他方の駆動スプロケット51と他方の従動スプロケット52とに巻き掛け装着されるものである。
第一無端ローラチェーン61と第二無端ローラチェーン62とは基本的に同一構造のものであり、何れの無端ローラチェーン61,62も、複数の内リンク部材65と複数の外リンク部材66とを交互に回動自在に連結し無端環状に形成してなるものであり、内リンク部材65と外リンク部材66との連結部に回転自在に装着された大径ローラ67がスプロケット51,52の歯に噛み合うように構成されている。大径ローラ67は、スプロケット51,52の歯の形状に倣って回転することで動力を伝達しつつスプロケット51,52の歯との接触摩擦を軽減するとともに、後述する上側チェーンレールガイド68及び下側チェーンレールガイド69上で転動しながら、内リンク部材65及び外リンク部材66がそれらチェーンレールガイド68,69に接触しないように支持してチェーンレールガイド68,69に沿って無端ローラチェーン61,62をスムーズに移動させる役目をする。
図3(b)に示されるように、駆動スプロケット51と従動スプロケット52との間には、上側チェーンレールガイド68及び下側チェーンレールガイド69がそれぞれ配設されている。上側チェーンレールガイド68は、無端ローラチェーン61,62における駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し上側領域部分を支え、下側チェーンレールガイド69は、無端ローラチェーン61,62における駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し下側領域部分を支える役目をする。各チェーンレールガイド68,69は、駆動スプロケット51と従動スプロケット52との間で無端ローラチェーン61,62の進む方向を定め、無端ローラチェーン61,62の移動を案内する。
[バタフライプレート]
図3(a)に示されるように、第一無端ローラチェーン61と第二無端ローラチェーン62との間には、複数のバタフライプレート63が、無端ローラチェーン61,62の全周に亘って周方向に一列に並ぶように配設されている。
図5に示されるように、バタフライプレート63は、無端ローラチェーン61,62の周方向に所定間隔を有して配設される第一横棒71及び第二横棒72を備えている。第一横棒71及び第二横棒72における端部同士、及び一端と他端との間の部分は、当該横棒71,72の長手方向に等間隔で配設される複数(本例では5枚)の連結板73によって連結されている。第一横棒71、第二横棒72及び対向する一対の連結板73の間には、乾燥対象である木質チップを載置することができる所定開口率のパンチングメタル(多孔板)74が組み込まれている。
第一横棒71及び第二横棒72のうち、ベルトコンベヤ42の搬送方向側に配設される第一横棒71の一端部は、軸受部材75を介して第一無端ローラチェーン61における内リンク部材65に回動自在に支持され、第一横棒71の他端部は、軸受部材75を介して第二無端ローラチェーン62における内リンク部材65に回動自在に支持されている。一方、第二横棒72は、第一無端ローラチェーン61及び第二無端ローラチェーン62に直接的に支持されておらず、無端ローラチェーン61,62に対し自由に動くことができるようにされている。これにより、バタフライプレート63は、第一横棒71を支点として上下方向に回動自在となっている。
図4に示されるように、駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し上側に位置する複数のバタフライプレート63の下方には、これらバタフライプレート63に木質チップが載置されている状態を保ちつつ搬送方向に移動するようにそれらバタフライプレート63を案内し、且つ下側から支えるレール部材81,82が配設されている。また、駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し下側に位置する複数のバタフライプレート63の下方には、これらバタフライプレート63に木質チップが載置されている状態を保ちつつ搬送方向に移動するようにそれらバタフライプレート63を案内し、且つ下側から支えるレール部材83,84が配設されている。
図5に示されるように、レール部材81は、第一横棒71及び第二横棒72のそれぞれの一端部と他端部との間の部分に配設される3枚の連結板73にそれぞれ対応するように配置されている(レール部材82,83,84についても同様)。図6に示されるように、レール部材81は、ケーシング41の長さ方向に適宜間隔をあけてケーシング41の幅方向の両側壁部の適所に架設される複数のビーム部材85上に敷設されている(レール部材82,83,84についても同様)。なお、バタフライプレート63は、搬送方向への移動の際に、連結板73がレール部材81〜84上で摺動することにより、木質チップを載置している状態を保ちつつ搬送方向への移動が案内されるので、レール部材81〜84上でバタフライプレート63をスムーズに移動させるために、レール部材81〜84の少なくとも上部部分を、金属や樹脂、複合材料等からなる摺動材で構成し、必要に応じて潤滑油を適宜に塗布しておくのがよい。
図4に示されるように、ベルトコンベヤ42は、上側被乾燥物落下手段91と、下側被乾燥物落下手段92とを備えている。
<上側被乾燥物落下手段>
図7(a)に示されるように、上側被乾燥物落下手段91は、駆動スプロケット51及び従動スプロケット52(図4参照)に対し上側に位置するバタフライプレート63のパンチングメタル74の上面に載置されて搬送されている木質チップMを、駆動スプロケット51及び従動スプロケット52(図4参照)に対し下側に位置するバタフライプレート63のパンチングメタル74の上面へと落下させる役目をする。本実施形態において、上側被乾燥物落下手段91は、木質チップMを落下させようとする位置において、当該落下位置を挟むように搬送方向の前後にレール部材82とレール部材81とをバタフライプレート63が入り込むような隙間を存して配設することにより、言い換えれば木質チップMを落下させようとする位置においてレール部材81,82を設けないようにすることにより、木質チップMを落下させようとする位置でバタフライプレート63が、軸受部材75によって支持される第一横棒71を支点として重力作用により下向きに回動するようにして、パンチングメタル74に載置されている木質チップMを落下させるように構成されている。ここで、上側被乾燥物落下手段91において、木質チップMを落下させる位置は、無端ベルト体53における駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し上側の上部領域(以下、「無端ベルト体53の上部領域」と略称する。)の搬送方向の終端近傍に設定されている。
<下側被乾燥物落下手段>
図7(b)に示されるように、下側被乾燥物落下手段92は、駆動スプロケット51及び従動スプロケット52(図4参照)に対し下側に位置するバタフライプレート63のパンチングメタル74の上面に載置されて搬送されている木質チップMを、下方へと落下させる役目をする。本実施形態において、下側被乾燥物落下手段92は、上側被乾燥物落下手段91と同様に、木質チップMを落下させようとする位置において、当該落下位置を挟むように搬送方向の前後にレール部材84とレール部材83とをバタフライプレート63が入り込むような隙間を存して配設することにより、言い換えれば木質チップMを落下させようとする位置においてレール部材83,84を設けないようにすることにより、木質チップMを落下させようとする位置でバタフライプレート63が、軸受部材75によって支持される第一横棒71を支点として重力作用により下向きに回動するようにして、パンチングメタル74に載置されている木質チップMを落下させるように構成されている。ここで、下側被乾燥物落下手段92において、木質チップMを落下させる位置は、無端ベルト体53における駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し下側の下部領域(以下、「無端ベルト体53の下部領域」と略称する。)の搬送方向の終端近傍に設定されている。
<突上げ部材>
図7(a)に示されるように、無端ベルト体53の上部領域の搬送方向終端近傍に設定された木質チップ落下位置の搬送方向側には、第一横棒71を支点として下向きに回動されたバタフライプレート63を搬送方向への移動に伴う連結板73との衝突により突き上げるようにする突上げ部材95がレール部材82と一体構成で配設されている。また、図7(b)に示されるように、無端ベルト体53の下部領域の搬送方向終端近傍に設定された木質チップ落下位置の搬送方向側には、第一横棒71を支点として下向きに回動されたバタフライプレート63を搬送方向への移動に伴う連結板73との衝突により突き上げるようにする突上げ部材96がレール部材84と一体構成で配設されている。
<反転部材>
図4に示されるように、バタフライプレート63がレール部材82を搬送方向側に越えた後に、バタフライプレート63の搬送方向反対側端部が重力作用により鉛直下方に向けて引っ張られた状態で、バタフライプレート63の搬送方向側端部が無端ローラチェーン61,62に枢支された状態で駆動スプロケット51の外周部に沿って移動する際に、駆動シャフト55は、バタフライプレート63の搬送方向反対側端部に当接して、バタフライプレート63を反転させる反転部材97として機能する。なお、駆動スプロケット51の回転方向が本例とは逆向きで、第一横棒71と第二横棒72との配置も逆である場合、バタフライプレート63がレール部材81を搬送方向側に越えた後に、バタフライプレート63の搬送方向反対側端部が重力作用により鉛直下方に向けて引っ張られた状態で、バタフライプレート63の搬送方向側端部が無端ローラチェーン61,62に枢支された状態で従動スプロケット52の外周部に沿って移動する際に、従動シャフト56がバタフライプレート63の搬送方向反対側端部に当接することになり、この場合、従動シャフト56がバタフライプレート63を反転させる反転部材98として機能する。
<作動説明>
以上に述べたように構成される乾燥システム1の作動について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の乾燥システム1においては、燃焼ボイラー設備5からのダスト等が取り除かれた排ガスと、送風機22によって大気から吸引した空気との間において熱交換器21により熱交換が行われて約120℃程度の乾燥用空気(熱風)が生成される。生成された乾燥用空気は、乾燥装置4におけるケーシング41内に乾燥用空気導入口43を介して導入される。一方、木質チップ供給装置3の定量調整機33から規定の範囲のサイズの木質チップが一定量ずつ乾燥装置4におけるケーシング41内に木質チップ投入口47を介して供給される。
図2に示されるように、木質チップ投入口47を介してケーシング41内に供給された木質チップMは、最上段(第四段目)に位置するコンベヤ42上に落下され、無端ベルト体53における駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し上側の上部領域のバタフライプレート63上に載置される。このバタフライプレート63上に載置された木質チップMは、駆動スプロケット51の図2中矢印方向の回転により、従動スプロケット52から駆動スプロケット51に向かう方向に搬送される。
図7(a)に示されるように、木質チップMが載置されているバタフライプレート63がレール部材81とレール部材82との間に位置すると、レール部材81,82によって支持されなくなって自由に回動できる状態になるため、バタフライプレート63が第一横棒71を支点として重力作用により下向きに回動する。これにより、バタフライプレート63のパンチングメタル74に載置されている木質チップMが落下され、無端ベルト体53における駆動スプロケット51及び従動スプロケット52に対し下側の下部領域のバタフライプレート63上に載置される。このバタフライプレート63上に載置された木質チップMは、図2に示されるように、駆動スプロケット51から従動スプロケット52に向かう方向に搬送される。なお、レール部材81とレール部材82との間で重力作用により下向きに回動して垂れ下がったバタフライプレート63は、当該バタフライプレート63の搬送方向への移動に伴い、突上げ部材95(レール部材82)と衝突して突き上げられ、木質チップMが載置可能な状態に復帰される。
図4に示されるように、バタフライプレート63がレール部材82を搬送方向側に越えた後に、バタフライプレート63の搬送方向反対側端部が重力作用により鉛直下方に向けて引っ張られた状態で、バタフライプレート63の搬送方向側端部が無端ローラチェーン61,62に枢支された状態で駆動スプロケット51の外周部に沿って移動する際に、バタフライプレート63の搬送方向反対側端部が駆動シャフト55(反転部材97)に当接する。これにより、バタフライプレート63が反転され、パンチングメタル74上に残留している木質チップMが払い落とされる。
図7(b)に示されるように、木質チップMが載置されているバタフライプレート63がレール部材83とレール部材84との間に位置すると、レール部材83,84によって支持されなくなって自由に回動できる状態になるため、バタフライプレート63が第一横棒71を支点として重力作用により下向きに回動する。これにより、バタフライプレート63のパンチングメタル74に載置されている木質チップMが落下され、第三段目に位置するベルトコンベヤ42上に落下される。
以下、同様にして、図2に示されるように、第三段目、第二段目及び第一段目のベルトコンベヤに42より木質チップMが順次に下段側へと搬送される。こうして、4基のベルトコンベヤ42によって順次に下段側へと搬送される木質チップMは、ケーシング41内に導入される乾燥用空気によって乾燥される。このようにして乾燥された木質チップMは、ケーシング41の下部に設けられた木質チップ排出口99を介してケーシング41の外部へと排出され、図1に示されるように、最下段のベルトコンベヤ42の下方に配設される所要の排出コンベヤ48,49により、予め定められた製品置場へと搬送される。
上記のように、ケーシング41内で上下に段状に配設される4基のベルトコンベヤ42のそれぞれにおいて、無端ベルト体53における上部領域の外周面と下部領域の内周面とによって木質チップMが搬送されるので、無端ベルト体53における上部領域の外周面のみで木質チップMを搬送していた従来のベルトコンベヤを用いる場合と比べて木質チップMの搬送距離を理論上最大2倍程度にまで延長することができ、乾燥処理量の減少や、設備の大型化を招くことなく乾燥室内での木質チップMの滞留時間を長くすることができて、乾燥能力を向上させることができる。また、木質チップMが搬送中に落下を繰り返し撹拌される回数も増えるため、木質チップMの乾燥がより促進されるとともに、被乾燥物に含まれる水分が均一化されるという効果がある。
また、乾燥システム1においては、燃焼ボイラー設備5から排出される排ガスが持つ排熱を利用し、この排熱を吸収した熱媒体と大気から吸引した空気との間での熱交換により加温されて生成された乾燥用空気を用いて乾燥装置4により木質チップMが乾燥されるので、発電タービンに供給される蒸気の一部を用いて木質チップ(被乾燥物)を乾燥したり、建築廃材等を燃料として別途設けたボイラーにより発生させた蒸気を用いて木質チップ(被乾燥物)を乾燥したりするといった従来の乾燥システムと比べて、発電量を低下させたり、別途燃料を消費したりすることなく、木質チップMを乾燥することができ、従来の乾燥システムと比べてランニングコストを低く抑えることができる。また、大気を加温した乾燥用空気を用いるとともに、ケーシング41内での木質チップMの滞留時間が長く乾燥能力が高められた乾燥装置4を用いて木質チップMを乾燥するようにされているので、水分率が高い木質チップMでも効果的に乾燥することができる。
次に、本発明の乾燥装置、及び乾燥システムの実施例について説明する。
<実施例>
乾燥システム1の運転時間が46.5hで、乾燥装置4での滞留時間を50分として、木質チップを乾燥させた。このときの木質チップの水分率の変化を表1に示す。
Figure 2020067187
表1に示される結果から、本発明に係る乾燥装置4、及び乾燥システム1は、高い水分率(50重量%以上)の木質チップでも低い水分率(25重量%程度)にまで乾燥することができ、乾燥効率が高いことが分かる。
本発明の乾燥装置、及び乾燥システムは、乾燥処理量の減少や、設備の大型化を招くことなく乾燥室内での被乾燥物の滞留時間を長くすることができて、乾燥能力を向上させることができるという特性を有することから、木質チップ等のバイオマス燃料を乾燥する用途において利用可能である。
1 乾燥システム
2 排熱エネルギ回収装置
3 木質チップ供給装置(被乾燥物供給装置)
4 乾燥装置
5 燃焼ボイラー設備
21 熱交換器
41 ケーシング
42 ベルトコンベヤ
51 駆動スプロケット(駆動輪)
52 従動スプロケット(従動輪)
53 無端ベルト体
63 バタフライプレート(被乾燥物載置部材)
81〜84 レール部材
91 上側被乾燥物落下手段
92 下側被乾燥物落下手段
95 突上げ部材
97,98 反転部材

Claims (6)

  1. 被乾燥物を乾燥させるための乾燥用空気が導入される乾燥室を形成するケーシングと、前記ケーシング内で上下に段状に配設されて被乾燥物を順次に下段側へと搬送する複数のベルトコンベヤとを備える乾燥装置であって、
    前記ベルトコンベヤは、
    水平方向に所定の軸間距離を有して配設される駆動輪及び従動輪と、
    前記駆動輪及び従動輪に巻き掛け装着され、載置された被乾燥物を搬送する無端ベルト体と、
    前記無端ベルト体における前記駆動輪及び従動輪に対し上側の上部領域の外周面上に載置されて搬送されている被乾燥物を、前記無端ベルト体における前記駆動輪及び従動輪に対し下側の下部領域の内周面上へと落下させる上側被乾燥物落下手段と、
    前記上側被乾燥物落下手段によって落下された後に前記無端ベルト体における前記下部領域の内周面上に載置されて搬送されている被乾燥物を下方へと落下させる下側被乾燥物落下手段と、
    を備える乾燥装置。
  2. 前記上側被乾燥物落下手段は、前記無端ベルト体における前記上部領域の搬送方向の終端近傍位置で被乾燥物を落下させ、
    前記下側被乾燥物落下手段は、前記無端ベルト体における前記下部領域の搬送方向の終端近傍位置で被乾燥物を落下させる請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記無端ベルト体は、被乾燥物が載置される複数の被乾燥物載置部材を有し、
    前記被乾燥物載置部材は、搬送方向側端部を支点として上下方向に回動自在で前記無端ベルト体の周方向に並ぶように配設され、
    前記被乾燥物載置部材に被乾燥物が載置されている状態を保ちつつ搬送方向に移動するように前記被乾燥物載置部材を案内し、且つ下側から支えるレール部材を備え、
    前記上側被乾燥物落下手段及び下側被乾燥物落下手段は何れも、被乾燥物を落下させる位置において前記レール部材を設けないようにすることにより、被乾燥物を落下させる位置で前記被乾燥物載置部材が搬送方向側端部を支点として重力作用により下向きに回動するようにして、前記被乾燥物載置部材に載置されている被乾燥物を落下させる構成である請求項1又は2に記載の乾燥装置。
  4. 被乾燥物を落下させる位置で搬送方向側端部を支点として下向きに回動された前記被乾燥物載置部材を搬送方向への移動に伴う衝突により突き上げるようにする突上げ部材を備える請求項3に記載の乾燥装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の乾燥装置を用いて被乾燥物を乾燥させる乾燥システムであって、
    排熱を吸収した熱媒体と大気から吸引した空気との間での熱交換により前記乾燥用空気を生成する熱交換器を備える乾燥システム。
  6. 規定の大きさの被乾燥物を選別し、選別した被乾燥物を前記乾燥装置へと定量供給する被乾燥物供給装置を備える請求項5に記載の乾燥システム。
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