JP2017125151A - バイオマス固形物素材の製造方法 - Google Patents
バイオマス固形物素材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017125151A JP2017125151A JP2016006490A JP2016006490A JP2017125151A JP 2017125151 A JP2017125151 A JP 2017125151A JP 2016006490 A JP2016006490 A JP 2016006490A JP 2016006490 A JP2016006490 A JP 2016006490A JP 2017125151 A JP2017125151 A JP 2017125151A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- biomass
- drying
- raw material
- solid material
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/10—Biofuels, e.g. bio-diesel
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/30—Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/10—Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working
Landscapes
- Drying Of Solid Materials (AREA)
- Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
Abstract
【課題】バイオマス固形物の製造にあたり、その製造工程の実施前に、バイオマス固形物の原料となるバイオマス固形物素材を生成するのに必要な乾燥処理を、エネルギを無駄なく利用して行うと共に、かつ効率良く行うことができるバイオマス固形物素材の製造方法を提供する。【解決手段】バイオマス固形物素材の製造方法は、光合成に起因するバイオマス原料4に乾燥処理を施したバイオコークス素材3を、加圧成形してなるバイオコークス2を製造にするあたり、乾燥処理では、バイオマス原料4を、乾燥装置30の乾燥室32内に収容し、コージェネ10の動力源11の排熱HTを用いて乾燥させる。乾燥時間は、コージェネ10の排熱HTによる排熱量に応じて可変させる。【選択図】 図1
Description
この発明は、バイオマス固形物の製造にあたり、その製造工程の実施前に、バイオマス原料に必要な乾燥処理を施して、バイオマス固形物の原料となるバイオマス固形物素材を生成するバイオマス固形物素材の製造方法に関する。
近年、バイオマス固形物の一種であるバイオコークスは、環境に優しいゼロエミッションの固形燃料であることから、石炭コークスの代替固形燃料として、広く注目されている。バイオコークスは、例えば、木屑、樹皮、茶殻、コーヒー粕、リンゴの搾り粕等、光合成に起因する全ての植物性バイオマスを原料として、含水率10%程度に乾燥させたこのようなバイオマス固形物素材を、圧縮した状態で200℃程度に加熱した後、冷却により高密度に固形化して生成される。元の状態の植物性バイオマスでは、その種類にも因るが、バイオマスの大半で含水率が10%を超えているため、バイオコークスの製造工程前には、粉砕化したバイオマス固形物素材を、乾燥装置により、予め含水量10%程度まで乾燥させておく前処理が必要になる。
特許文献1は、微細藻類(バイオマス原料)を用いたバイオマス燃料の燃焼時に、生じた熱を利用して発電を行う発電装置と、この燃焼時に発生する二酸化炭素を用いて微細藻類を培養する培養装置と、発電装置で発生する排熱により、培養装置で培養された微細藻類を乾燥する燃料形成装置と、燃料形成装置で得られたバイオマス燃料を発電装置に供給する燃料供給装置を有するバイオマス発電システムである。バイオマス燃料の燃焼で発電を行うこの発電システムでは、バイオマス燃料が燃焼すると、燃焼時に生じる二酸化炭素が、培養装置で培養する微細藻類に用いられると共に、燃焼時に生じる排熱が、培養した微細藻類を乾燥するのに利用される。乾燥した微細藻類は、ペレット化され、バイオマス燃料として発電装置に供給される。システム内では、このようなサイクルが繰り返し行われる。
しかしながら、特許文献1の技術は、発電した電力の需要量に応じて、発電システムを稼働するという制約を受けてしまうため、電力の需要が少なく、発電量が少ないときには、培養装置で培養している微細藻類に供給される排熱に、制限がかかってしまう。そのため、培養装置において培養された微細藻類が、乾燥した状態になるまでの間、循環するシステム内で工程にロスが生じてしまい、バイオマス原料からバイオマス燃料を効率良く生成することができない問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、バイオマス固形物の製造にあたり、その製造工程の実施前に、バイオマス固形物の原料となるバイオマス固形物素材を生成するのに必要な乾燥処理を、エネルギを無駄なく利用して行うと共に、かつ効率良く行うことができるバイオマス固形物素材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るバイオマス固形物素材の製造方法は、以下の構成を有する。
(1)光合成に起因するバイオマス原料に乾燥処理を施したバイオマス固形物素材を、加圧成形してなるバイオマス固形物を製造するにあたり、前記乾燥処理では、前記バイオマス原料を、乾燥炉内に収容し、コージェネレーションシステムの排熱を用いて乾燥させ、前記バイオマス原料の乾燥時間を、前記コージェネレーションシステムの前記排熱による排熱量に応じて、可変させること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記排熱により、前記乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、前記乾燥炉内に収容されている前記バイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量と、を取得し、前記乾燥時間を、前記供給熱量と前記需要熱量とに基づいて制御すること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記乾燥炉は、前記バイオマス原料を送出方向に移動させながら搬送する搬送コンベアの搬送路に沿って、インライン上に配置され、前記バイオマス固形物素材は、前記バイオマス原料を前記搬送コンベアの前記搬送路上に載置された状態で前記乾燥炉を通過して、生成されること、を特徴とする。
(4)(3)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記乾燥時間は、前記排熱により前記乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、前記乾燥炉内に収容されている前記バイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量とに基づいて、前記搬送コンベアの前記搬送路の送出速度を制御することにより、可変されること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記コージェネレーションシステムの動力源に使用する燃料は、ガスであること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記バイオマス固形物素材は、粉砕された状態の前記バイオマス原料を、その全体重量比で含水率5〜10%の範囲内に乾燥させたものであること、を特徴とする。
(1)光合成に起因するバイオマス原料に乾燥処理を施したバイオマス固形物素材を、加圧成形してなるバイオマス固形物を製造するにあたり、前記乾燥処理では、前記バイオマス原料を、乾燥炉内に収容し、コージェネレーションシステムの排熱を用いて乾燥させ、前記バイオマス原料の乾燥時間を、前記コージェネレーションシステムの前記排熱による排熱量に応じて、可変させること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記排熱により、前記乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、前記乾燥炉内に収容されている前記バイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量と、を取得し、前記乾燥時間を、前記供給熱量と前記需要熱量とに基づいて制御すること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記乾燥炉は、前記バイオマス原料を送出方向に移動させながら搬送する搬送コンベアの搬送路に沿って、インライン上に配置され、前記バイオマス固形物素材は、前記バイオマス原料を前記搬送コンベアの前記搬送路上に載置された状態で前記乾燥炉を通過して、生成されること、を特徴とする。
(4)(3)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記乾燥時間は、前記排熱により前記乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、前記乾燥炉内に収容されている前記バイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量とに基づいて、前記搬送コンベアの前記搬送路の送出速度を制御することにより、可変されること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記コージェネレーションシステムの動力源に使用する燃料は、ガスであること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、前記バイオマス固形物素材は、粉砕された状態の前記バイオマス原料を、その全体重量比で含水率5〜10%の範囲内に乾燥させたものであること、を特徴とする。
上記構成を有する本発明に係るバイオマス固形物素材の製造方法の作用・効果について説明する。
(1)光合成に起因するバイオマス原料に乾燥処理を施したバイオマス固形物素材を、加圧成形してなるバイオマス固形物を製造するにあたり、乾燥処理では、バイオマス原料を、乾燥炉内に収容し、コージェネレーションシステムの排熱を用いて乾燥させ、バイオマス原料の乾燥時間を、コージェネレーションシステムの排熱による排熱量に応じて、可変させること、を特徴とする。この特徴により、例えば、燃料である都市ガスによるエネルギ等、一つのエネルギから、複数のエネルギとして、発電した電力によるエネルギと、動力源からの排ガスの排熱によるエネルギとを同時に取り出すコージェネレーションシステムを用いているため、排熱によるエネルギも、バイオマス原料の乾燥に無駄なく利用できている。しかも、このコージェネレーションシステムの発電部の運転状態に応じて、発電量が変動しても、バイオマス原料の乾燥時間を調整しているため、歩留まりを高くして効率良く、バイオマス固形物素材を生成することができる。
(1)光合成に起因するバイオマス原料に乾燥処理を施したバイオマス固形物素材を、加圧成形してなるバイオマス固形物を製造するにあたり、乾燥処理では、バイオマス原料を、乾燥炉内に収容し、コージェネレーションシステムの排熱を用いて乾燥させ、バイオマス原料の乾燥時間を、コージェネレーションシステムの排熱による排熱量に応じて、可変させること、を特徴とする。この特徴により、例えば、燃料である都市ガスによるエネルギ等、一つのエネルギから、複数のエネルギとして、発電した電力によるエネルギと、動力源からの排ガスの排熱によるエネルギとを同時に取り出すコージェネレーションシステムを用いているため、排熱によるエネルギも、バイオマス原料の乾燥に無駄なく利用できている。しかも、このコージェネレーションシステムの発電部の運転状態に応じて、発電量が変動しても、バイオマス原料の乾燥時間を調整しているため、歩留まりを高くして効率良く、バイオマス固形物素材を生成することができる。
従って、本発明に係るバイオマス固形物素材の製造方法によれば、バイオマス固形物の製造にあたり、その製造工程の実施前に、バイオマス固形物の原料となるバイオマス固形物素材を生成するのに必要な乾燥処理を、エネルギを無駄なく利用して行うと共に、かつ効率良く行うことができる、という優れた効果を奏する。
(2)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、排熱により、乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、乾燥炉内に収容されているバイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量と、を取得し、乾燥時間を、供給熱量と需要熱量とに基づいて制御すること、を特徴とする。この特徴により、電力をコージェネレーションシステムの発電部から電力需要先に供給するとき、電力量の変動に起因して、供給熱量が変化してしまう場合でも、需要熱量に応じて、バイオマス原料の乾燥時間が調整されるため、例えば、含水率10%程度等、所望の含水率に下げて調整されたバイオマス固形物素材の生成に、支障をきたすことはない。
(3)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、乾燥炉は、バイオマス原料を送出方向に移動させながら搬送する搬送コンベアの搬送路に沿って、インライン上に配置され、バイオマス固形物素材は、バイオマス原料を搬送コンベアの搬送路上に載置された状態で乾燥炉を通過して、生成されること、を特徴とする。この特徴により、コージェネレーションシステムの発電部が稼働している間、バイオマス固形物素材を、バイオマス固形物の製造工程に向けて連続的に供給することが可能になり、バイオマス固形物の生産性向上に寄与する。
(4)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、乾燥時間は、排熱により乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、乾燥炉内に収容されているバイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量とに基づいて、搬送コンベアの搬送路の送出速度を制御することにより、可変されること、を特徴とする。この特徴により、乾燥炉内から出たバイオマス固形物素材では、個々の含水率にバラツキが少なく、安定した品質のバイオコークス素材を生成することができる。
(5)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、コージェネレーションシステムの動力源に使用する燃料は、ガスであること、を特徴とする。この特徴により、コージェネレーションシステムの動力源から生じる排ガスには、酸性雨の原因の一つとされている硫黄酸化物(Sox)が発生せず、窒素酸化物(Nox)の発生も比較的少なく抑えることができる。また、都市ガスの中でも、特に天然ガスの場合には、地球温暖化原因の一つとされる二酸化炭素(CO2)の発生が、石油や石炭による燃料の場合に比べて、少なく抑えられる。また、天然ガスは、電力、高圧蒸気または低圧蒸気、温水と、エネルギとして、多段階に無駄なく有効利用することが可能になる。
(6)に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、バイオマス固形物素材は、粉砕された状態のバイオマス原料を、その全体重量比で含水率5〜10%の範囲内に乾燥させたものであること、を特徴とする。この特徴により、バイオマス原料の含水率が10%を超えていても、例えば、バイオマス固形物の一種で、石炭コークスの代替燃料として、再生可能なエネルギとして有意性の高い固体燃料であるバイオコークスの生成に大いに貢献し、生産性の高いバイオコークスの製造が可能になる。
以下、本発明に係るバイオマス固形物素材の製造方法について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係るバイオマス固形物は、本実施形態では、バイオコークスであり、本発明に係るバイオマス固形物素材の製造方法は、このバイオコークスを製造するのにあたり、その素材となるバイオマス固形物素材を製造するための方法である。バイオコークスは、特許第4088933号公報に開示されている通り、石炭コークスの代替燃料として、広く注目されている固形燃料である。
はじめに、バイオコークスについて、簡単に説明する。図3は、小さく加工された状態のバイオマス原料とバイオコークス素材とを模式的に示す図であり、(a)は、バイオマス原料を示す図であり、(b)は、バイオコークス素材を示す図である。図4は、バイオコークスの製造工程を示す説明図である。図5は、バイオコークス素材を模式的に示す斜視図である。図6は、バイオコークスを模式的に示す斜視図である。
バイオコークス2は、後述するバイオコークス素材3(本発明のバイオマス固形物素材に対応)またはバイオマス原料4を基に、図6に例示する円柱形状のように、立体的な形状に成形して固化された固体燃料である。バイオコークス素材3等は、本実施形態では、後述する植物性バイオマスを予め、図示しないプラント内で行う凝集や破砕等により、図3(a)に示すように、例えば、1〜2cm3程度の大きさに小さく加工されている。
また、このようなバイオコークス素材3等では、単位体積当たりの重量に占める水分の割合(含水率)が、好ましくは5〜10%の範囲内、より好ましくは10%程度の状態にあることが好適とされている。バイオコークス2は、図4に示すように、充填工程P1と、圧縮工程P2と、加熱工程P3と、冷却工程P4との4つの製造工程に大別され、この順に各工程を経て製造される。
充填工程P1では、図5に示すように、バイオコークス素材3等が、シリンダ等の成形用筒内に充填される。次の圧縮工程P2では、成形用筒内のバイオコークス素材3等は、加圧ピストンにより加圧され、バイオコークス素材3等を加圧した状態で、加熱工程P3が行われる。加熱工程P3では、バイオコークス素材3等は約15分間、200℃程度に加熱される。その後、成形用筒内のバイオコークス素材3等は、冷却工程P4により固形化され、成形用筒内から取り出される。かくして、バイオコークス2が生成される。
バイオコークス素材3とバイオマス原料4は、その原料として、光合成に起因する植物性バイオマスからなる。植物性バイオマスとは、例えば、木質類、草本類、農作物類、厨芥類等に挙げられるバイオマスである。具体的には、木質類のバイオマスの一例に、木、木屑、樹皮、枯葉、枯葉の廃棄物である林地残渣、剪定・葉刈り材、流木、紙類等がある。また、草本類のバイオマスの一例には、ケナフ、ひまわりの茎等がある。また、農作物類のバイオマスの一例には、オオバ茎、ゴマ茎、芋づる、籾殻等、農作物の中で非食とされる部分がある。また、厨芥類等のバイオマスの一例には、コーヒー粕、茶殻、リンゴの搾り粕、おから等がある。
このような植物性バイオマスの中でも、バイオコークス2は、少なくとも含水率5%以上のバイオコークス素材3、またはバイオマス原料4を原料としている。すなわち、バイオコークス2の原料となる植物性バイオマスでは元々、含水率5〜10%程度のバイオマス原料4もあれば、含水率10%を超えるバイオマス原料4もあり、含水率は、植物性バイオマスの種類によって異なる。そのため、含水率5〜10%程度のバイオマス原料4を用いてバイオコークス2を製造する場合には、図3(a)に示すように、小さく加工されたバイオマス原料4をそのまま成形用筒内に充填して、前述の充填工程P1が行われる。
他方、含水率10%を超えるバイオマス原料4を用いてバイオコークス2を製造する場合には、バイオコークス2の製造工程を実施する前に、バイオマス原料4の含水率を、本実施形態に係るバイオコークス素材の製造方法による乾燥処理により、含水率10%程度まで予め調整しておく必要がある。本実施形態では、バイオコークス素材3は、この乾燥処理により、バイオマス原料4を含水率10%程度に調整された状態のものをいう。
次に、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法について、説明する。図1は、実施形態に係るバイオコークス素材の製造方法により乾燥処理を行う乾燥システムについて、代表的な概略図として示した説明図である。図1に示すように、乾燥システム1は、コージェネレーションシステム10(以下、「コージェネ10」と略称する。)と、乾燥装置30(本発明の乾燥炉に対応)と、搬送コンベア40と、制御装置50等から構成されている。
乾燥装置30は、後述するコージェネ10の動力源11による排熱HTを利用した熱源で、バイオマス原料4を含水率10%程度に乾燥させ、バイオコークス素材3を生成する装置であり、本実施形態では、大別して、給気部31と乾燥室32とからなる熱風乾燥装置である。この乾燥装置30では、給気部31から供給される送風が、コージェネ10の排熱HTにより加熱されて熱風となり、この熱風が、乾燥室32内に配設された送風ノズル33から吹き出すと共に、乾燥室32内の湿った雰囲気が、図示しない排気管により外部に排気される。給気部31と乾燥室32内の送風ノズル33との間は、管内温度計22と管内流量計23と電磁弁24を介して、管20により接続され、連通している。
搬送コンベア40は、例えば、ベルト状、メッシュ状、ローラ状等に形成された搬送路41を、駆動プーリ42と従動プーリ43とに掛架し、この搬送路41を繰り返し循環させながら送出方向Fに送出する。駆動プーリ42は、モータ44の駆動軸に連結されている。モータ44は、駆動軸に対し、回転方向を正逆可変であると共に、インバータ制御等により、回転数を可変できる電動機である。このモータ44の駆動力を駆動プーリ42に伝達することにより、搬送路41は、駆動プーリ42と従動プーリ43との回転を伴って動作し、モータ44の駆動軸の回転を制御することで、搬送路41の送出速度Vが、自在に可変できる。
乾燥装置30の乾燥室32は、搬送コンベア40の搬送路41に沿う送出方向Fに、搬送コンベア40のインライン上に配置されている。乾燥室32に対し、送出方向F一端側(図1中、左側)は、バイオマス原料4の搬入口であり、他端側(図1中、右側)は、バイオコークス素材3の搬出口である。乾燥室32内には、雰囲気の温度を計測する室内温度計34が設けられている。
投入部45は、乾燥室32を挟む送出方向F一端側で、バイオマス原料4を搬送コンベア40の搬送路41に供給する受入ホッパ等である。排出部46は、乾燥室32を挟む送出方向F他端側で、乾燥装置30で乾燥処理されたバイオコークス素材3を、搬送コンベア40の搬送路41から集荷する払出ホッパ等である。
乾燥システム1では、バイオマス原料4が、投入部45から搬送コンベア40の搬送路41に供給され、搬送路41上に載置した状態で、送出方向Fに移動しながら乾燥室32の搬入口に搬送されて、乾燥室32内を通過する。乾燥室32内では、送風ノズル33から吹き出す熱風により、バイオマス原料4に含有する水分が蒸発し、含水率10%程度となって、バイオコークス素材3が、乾燥室32の搬出口から搬送され、排出部46で集荷される。
乾燥装置30の給気部31とコージェネ10との間は、管内圧力計21を介して、管20により接続され連通されている。コージェネ10は、動力源11と、発電部12とからなる。動力源11は、本実施形態では、例えば、圧縮天然ガス、液化石油ガス(LPガス)(LPG:liquefied petroleum gas)等、都市ガスを燃料とする発電用ガスタービンエンジンである。本実施形態のように、ガスタービンエンジン式の動力源11を備えたコージェネ10では、コージェネ10全体が小型であっても、発電部12の発電出力を比較的大きくできる利点がある。
なお、動力源11の燃料に都市ガスと石油とが併用可能なコージェネ10であっても良い。また、コージェネ10の動力源11は、内燃機関の一種であるガスタービンエンジン以外にも、例えば、ガスエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関であっても良い。さらに、動力源11は、内燃機関に限らず、例えば、蒸気ボイラー、蒸気タービン、スターリングエンジン等の外燃機関であっても良い。
送風ノズル33から吹き出す熱風は、前述したように、動力源11で燃焼された排ガスによる排熱HTを熱源としている。具体的には、図示しない熱交換器が、コージェネ10の動力源11と乾燥装置30の給気部31との間に設けられている。排熱HTは、動力源11で生じた排ガスを、図示しない熱交換器の一次側に供給し、高温(例えば、560℃等)状態にあるこの排ガスの熱である。給気部31による送風が、熱交換器の二次側に伝導する熱により加熱されて、例えば、120〜200℃等の熱風となり、送風ノズル33を通じて乾燥室32に通風される。
なお、尿素等の触媒により窒素酸化物(Nox)の濃度を下げ、一酸化炭素(CO)等の有害物質の排出を異物除去フィルタで抑えることにより、動力源11の排ガスが、浄化されて清浄なガスになっていれば、熱風として、この浄化した状態の排ガスが、送風ノズル33から乾燥室32に供給されても良い。
コージェネ10の発電部12は、主な電力供給源のバックアップである非常用発電のほか、電力需要の負荷平準化のための補完的な発電等を目的として発電され、動力源11の稼動により発電した電力を、電力系統14を通じて、例えば、病院、ビル、大型商用施設等の電力需要先Wに供給する。なお、発電部12により発電した電力は、このような電力需要先Wのほかにも、バイオマス原料4を、図3(a)に示すように、小さく加工する粉砕装置に、その動力源として供給されても良い。電力系統14には、電力量計13が電気的に接続されている。
コージェネ10は、電力需要先Wから電力の供給を必要とされるときに、動力源11を稼動して必要な電力量を発電し、電力需要先Wに電力を供給する。このとき、動力源11の稼働時に生じる、排ガスによる排熱HTは、乾燥システム1でバイオマス原料4の乾燥処理に利用される。この乾燥処理では、制御装置50が、乾燥装置30の乾燥室32に収容されたバイオマス原料4の乾燥時間を、コージェネ10の排熱HTによる排熱量の変化に応じて制御する。
すなわち、制御装置50は、コージェネ10の動力源11で生じる排ガスの排熱HTにより、乾燥装置30の乾燥室32内に供給可能な熱量である供給熱量Qsと、乾燥室32内に収容されているバイオマス原料4を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量Qnとを取得する。そして、制御装置50は、供給熱量Qsと需要熱量Qnとに基づいて、搬送コンベア40の搬送路41の送出速度Vを制御することにより、バイオマス原料4の乾燥時間を調整する。
具体的に説明する。制御装置50には、電力量計13と、管内圧力計21と、管内温度計22と、管内流量計23と、電磁弁24と、モータ44とが、それぞれ電気的に接続されている。この制御装置50は、大別して制御部と演算部とからなり、中央演算ユニット(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等からなる公知のマイクロコンピュータ(図示省略)を備えている。
ROMには、前述した電力需要先Wで必要される電力の需要量(電力負荷の大きさ)を、電力量計13(またはスマートメータ13でも良い)により検出し、その検出値に基づいて、モータ44の回転を自動制御するのに必要なプログラムが格納されている。また、管20内を流通する排ガスに対し、管内圧力計21により測定された圧力値、管内温度計22により測定された実測温度、そして管内流量計23により測定された流量値を、各々取得して記憶するプログラムが格納されている。また、室内温度計34により測定された乾燥室32内の雰囲気温度を取得して記憶するプログラムが格納されている。また、電磁弁24の自動開閉を制御するプログラムや、その他のプログラムが予め格納されている。
また、RAMには、供給熱量Qsと需要熱量Qnとを、ROMに格納されたプログラムで算出するのに必要な種々の測定値等が、入力可能になっており、記憶される。演算部は、乾燥室32におけるバイオマス原料4の乾燥時間を、この供給熱量Qsと需要熱量Qnとに基づいて算出し、モータ44の回転を制御すること等を行う。そして、格納されたプログラムを用いてCPUにロードすることで、例えば、搬送路41を送出する速度制御、搬送路41の動作開始及びその停止、モータ44の回転が停止した状態では、電磁弁24を閉弁し、回転している状態では、電磁弁24を開弁する等の所定の動作が、制御部を通じて実行可能になっている。
図2は、図1中、搬送コンベアの送出速度の制御プロセスを示すフローチャート図である。前述したように、乾燥システム1で行う乾燥処理の対象は、含水率10%を超えるバイオマス原料4であり、このバイオマス原料4が、図1及び図3(a)に示すように、ペレット状に小さく加工された状態で、投入部45に搬入され、搬送コンベア40の搬送路41上に供給可能な状態にある。また、排出部46は、搬送路41の送出方向F他端側エンドに配置され、搬送路41によって搬送されるバイオコークス素材3を集荷可能な状態にある。また、搬送コンベア40の初期状態として、搬送路41の搬送速度Vは、制御装置50に予め設定された所定の動作速度となっている。
はじめに、コージェネ10による発電が、電力需要先Wから必要とされ、動力源11が稼働して、発電部12が発電している状態にある。また、電磁弁24が開弁し、コージェネ10の排熱HTによる熱風が、送風ノズル33より乾燥室32に通風できる状態にある。
S11では、制御装置50が、動力源11から排出して管20に流通する排ガスに対し、管内圧力計21により圧力の測定、管内温度計22により温度の測定、及び管内流量計23により流量の測定を行う。次いで、制御装置50は、測定されたこれらの圧力値、温度、及び流量値より、乾燥装置30の乾燥室32内に供給可能な供給熱量Qsを算出する(S12)。次いで、制御装置50は、室内温度計34により乾燥室32内の雰囲気温度を測定する(S13)。次いで、制御装置50は、測定された温度より、乾燥室32内に収容されているバイオマス原料4を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量Qnを算出する(S14)。
次に、S15では、制御装置50は、供給熱量Qsと需要熱量Qnとの差を算出する。供給熱量Qs>需要熱量Qnの関係を満たす場合(YES)には、S16に進み、この関係を満たさない場合(NO)には、S17へ進む。供給熱量Qsが需要熱量Qnより大きいと、乾燥室32内では、バイオマス原料4に含有する水分の蒸発がより促進されて、バイオマス原料4の含水率が、速やかに低下し易くなる。
そのため、制御装置50は、モータ44の駆動軸の回転数を上昇させ、搬送路41の搬送速度Vを、設定された所定の動作速度より増大させる(S16)。これにより、バイオマス原料4が、搬送路41を所定速度で送出する場合に比して、短い時間で乾燥室32を通過しても、バイオマス原料4は、その内部の水分除去に必要な需要熱量Qnより大きい十分な供給熱量Qsで乾燥処理されるため、バイオコークス素材3を効率良く製造することができる。ひいては、バイオコークス2の生産性の向上に寄与することができる。
一方、S17では、供給熱量Qsと需要熱量Qnとの大小関係について、制御装置50は、供給熱量Qs<需要熱量Qnを満たすか否かを判断する。供給熱量Qs<需要熱量Qnを満たす場合には、S18に進み、この関係を満たさない場合(NO)には、S19へ進む。供給熱量Qsが需要熱量Qnより小さいと、バイオマス原料4に含有する水分は、乾燥室32内で蒸発し難く、バイオマス原料4の含水率は、速やかに低下しない。
そのため、制御装置50は、モータ44の駆動軸の回転数を下降させ、搬送路41の搬送速度Vを、設定された所定の動作速度より減少させる(S18)。これにより、たとえ需要熱量Qnが供給熱量Qsを下回っていても、乾燥室32においてバイオマス原料4の通過時間を、搬送路41を所定の送出速度Vで送出する場合に比べ、より長くすることで、バイオマス原料4に含有する水分は、除去できる。
供給熱量Qs<需要熱量Qnを満たさない場合には、供給熱量Qsと需要熱量Qnとのバランスがとれており、モータ44の駆動軸の回転数を変化させることなく、設定された所定の送出速度Vを維持したまま、搬送路41を送出する(S19)。乾燥室32内でバイオマス原料4の乾燥処理を終えると、含水率10%程度のバイオコークス素材3の生成が完了する(S20)。そして、このバイオコークス素材3は、搬送路41により乾燥室32の搬出口から投入部45に向けて搬送され、投入部45で集荷されたバイオコークス素材3が、前述した充填工程P1に供給され、バイオコークス2が生成される。
本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法について、作用と効果を説明する。
本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、光合成に起因するバイオマス原料4に乾燥処理を施したバイオコークス素材3を、加圧成形してなるバイオコークス2を製造するにあたり、乾燥処理では、バイオマス原料4を、乾燥装置30の乾燥室32内に収容し、コージェネ10の動力源11の排熱HTを用いて乾燥させ、バイオマス原料4の乾燥時間を、コージェネ10の排熱HTによる排熱量に応じて、可変させること、を特徴とする。この特徴により、一つのエネルギ(本実施形態では、燃料である都市ガスによるエネルギ)から、複数のエネルギ(発電部12で発電した電力によるエネルギと、動力源11からの排ガスの排熱HTによるエネルギ)を同時に取り出すコージェネ10を用いているため、排熱HTによるエネルギも、バイオマス原料4の乾燥に無駄なく利用できている。しかも、このコージェネ10の発電部12の運転状態に応じて、発電量が変動しても、バイオマス原料4の乾燥時間を調整しているため、歩留まりを高くして効率良く、バイオコークス素材3を生成することができる。
本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、光合成に起因するバイオマス原料4に乾燥処理を施したバイオコークス素材3を、加圧成形してなるバイオコークス2を製造するにあたり、乾燥処理では、バイオマス原料4を、乾燥装置30の乾燥室32内に収容し、コージェネ10の動力源11の排熱HTを用いて乾燥させ、バイオマス原料4の乾燥時間を、コージェネ10の排熱HTによる排熱量に応じて、可変させること、を特徴とする。この特徴により、一つのエネルギ(本実施形態では、燃料である都市ガスによるエネルギ)から、複数のエネルギ(発電部12で発電した電力によるエネルギと、動力源11からの排ガスの排熱HTによるエネルギ)を同時に取り出すコージェネ10を用いているため、排熱HTによるエネルギも、バイオマス原料4の乾燥に無駄なく利用できている。しかも、このコージェネ10の発電部12の運転状態に応じて、発電量が変動しても、バイオマス原料4の乾燥時間を調整しているため、歩留まりを高くして効率良く、バイオコークス素材3を生成することができる。
従って、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法によれば、バイオコークス2の製造にあたり、その製造工程の実施前に、バイオコークス2の原料となるバイオコークス素材3を生成するのに必要な乾燥処理を、エネルギを無駄なく利用して行うと共に、かつ効率良く行うことができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、排熱HTにより、コージェネ10の動力源11から乾燥装置30の乾燥室32内に供給可能な熱量である供給熱量Qsと、乾燥室32内に収容されているバイオマス原料4を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量Qnと、を取得し、バイオマス原料4の乾燥時間を、供給熱量Qsと需要熱量Qnとに基づいて制御すること、を特徴とする。この特徴により、電力をコージェネ10の発電部12から電力需要先Wに供給するとき、電力量の変動に起因して、供給熱量Qsが変化してしまう場合でも、需要熱量Qnに応じて、バイオマス原料4の乾燥時間が調整されるため、含水率10%程度に調整したバイオコークス素材3の生成に、支障をきたすことはない。また、電力需要先Wに電力の供給がない場合では、発電部12が稼働せず、乾燥システム1も稼働しない。そのため、含水率10%を超えるバイオマス原料4が、乾燥処理を行われないまま排出部46に入り、バイオコークス2の充填工程P1で成形用筒内に充填されてしまうことが回避できる。
また、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、乾燥装置30の乾燥室32は、バイオマス原料4を送出方向Fに移動させながら搬送する搬送コンベア40の搬送路41に沿って、インライン上に配置され、バイオコークス素材3は、バイオマス原料4を搬送コンベア40の搬送路41上に載置された状態で乾燥室32を通過して、生成されること、を特徴とする。この特徴により、コージェネ10の発電部12が稼働している間、バイオコークス素材3を、バイオコークス2の充填工程P1に向けて連続的に供給することが可能になり、バイオコークス2の生産性向上に寄与する。しかも、バイオマス原料4が、投入部45から搬送コンベア40の搬送路41に供給されてから、排出部46に集荷されたバイオコークス素材3が、バイオコークス2の充填工程P1で成形用筒内に充填されるまでの一連の工程を、自動化して行うことが可能になるため、ひいては、バイオコークス2が効率良く製造できるようになる。
また、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、バイオマス原料4の乾燥時間は、供給熱量Qsと需要熱量Qnとに基づいて、搬送コンベア40の搬送路41の送出速度Vを制御することにより、可変されること、を特徴とする。この特徴により、乾燥室32の搬出口から出てきたバイオコークス素材3では、個々の含水率にバラツキが少なく、安定した品質のバイオコークス素材3を生成することができる。
また、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、コージェネ10の動力源11に使用する燃料は、都市ガスであること、を特徴とする。この特徴により、コージェネ10の動力源11の排ガスには、酸性雨の原因の一つとされている硫黄酸化物(Sox)が発生せず、窒素酸化物(Nox)の発生も比較的少なく抑えることができる。また、都市ガスの中でも、特に天然ガスの場合には、地球温暖化原因の一つとされる二酸化炭素(CO2)の発生が、石油や石炭による燃料の場合に比べて、少なく抑えられる。また、天然ガスは、電力、高圧蒸気または低圧蒸気、温水と、エネルギとして、多段階に無駄なく有効利用することが可能になる。
また、本実施形態に係るバイオコークス素材3の製造方法では、バイオコークス素材3は、粉砕された状態のバイオマス原料4を、その全体重量比で含水率5〜10%の範囲内に乾燥されたものであること、を特徴とする。この特徴により、バイオマス原料4の含水率が10%を超えていても、再生可能なエネルギとして有意性の高い固体燃料であるバイオコークス2の生成に大いに貢献し、生産性の高いバイオコークス2の製造が可能になる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態では、図1に示す乾燥システム1の構成は、あくまでも例示に過ぎず、乾燥炉や搬送コンベアの構成は、実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
(2)また、実施形態では、コージェネ10の動力源11による排熱HTを利用した熱源で、バイオマス原料4を含水率10%程度に乾燥させる乾燥装置30を挙げた。しかしながら、バイオマス固形物素材の生成にあたり、含水率10%を超えるバイオマス原料の乾燥処理に利用する熱源は、コージェネレーションシステムに代えて、例えば、工業炉等による排熱を、利用することも可能である。但し、この場合には、工業炉等の排熱に対し、その熱量を、乾燥炉で必要とする熱量に追従できるよう、制御を行うことが重要になる。
(2)また、実施形態では、コージェネ10の動力源11による排熱HTを利用した熱源で、バイオマス原料4を含水率10%程度に乾燥させる乾燥装置30を挙げた。しかしながら、バイオマス固形物素材の生成にあたり、含水率10%を超えるバイオマス原料の乾燥処理に利用する熱源は、コージェネレーションシステムに代えて、例えば、工業炉等による排熱を、利用することも可能である。但し、この場合には、工業炉等の排熱に対し、その熱量を、乾燥炉で必要とする熱量に追従できるよう、制御を行うことが重要になる。
2 バイオコークス(バイオマス固形物)
3 バイオコークス素材(バイオマス固形物素材)
4 バイオマス原料
10 コージェネ(コージェネレーションシステム)
30 乾燥装置(乾燥炉)
40 搬送コンベア
41 搬送路
HT 排熱
Qs 供給熱量
Qn 需要熱量
F 送出方向
V 送出速度
3 バイオコークス素材(バイオマス固形物素材)
4 バイオマス原料
10 コージェネ(コージェネレーションシステム)
30 乾燥装置(乾燥炉)
40 搬送コンベア
41 搬送路
HT 排熱
Qs 供給熱量
Qn 需要熱量
F 送出方向
V 送出速度
Claims (6)
- 光合成に起因するバイオマス原料に乾燥処理を施したバイオマス固形物素材を、加圧成形してなるバイオマス固形物を製造するにあたり、
前記乾燥処理では、前記バイオマス原料を、乾燥炉内に収容し、コージェネレーションシステムの排熱を用いて乾燥させ、前記バイオマス原料の乾燥時間を、前記コージェネレーションシステムの前記排熱による排熱量に応じて、可変させること、
を特徴とするバイオマス固形物素材の製造方法。 - 請求項1に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、
前記排熱により、前記乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、
前記乾燥炉内に収容されている前記バイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量と、を取得し、
前記乾燥時間を、前記供給熱量と前記需要熱量とに基づいて制御すること、
を特徴とするバイオマス固形物素材の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、
前記乾燥炉は、前記バイオマス原料を送出方向に移動させながら搬送する搬送コンベアの搬送路に沿って、インライン上に配置され、
前記バイオマス固形物素材は、前記バイオマス原料を前記搬送コンベアの前記搬送路上に載置された状態で前記乾燥炉を通過して、生成されること、
を特徴とするバイオマス固形物素材の製造方法。 - 請求項3に記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、
前記乾燥時間は、前記排熱により前記乾燥炉内に供給可能な熱量である供給熱量と、前記乾燥炉内に収容されている前記バイオマス原料を乾燥させるのに必要な熱量である需要熱量とに基づいて、前記搬送コンベアの前記搬送路の送出速度を制御することにより、可変されること、
を特徴とするバイオマス固形物素材の製造方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、
前記コージェネレーションシステムの動力源に使用する燃料は、ガスであること、
を特徴とするバイオマス固形物素材の製造方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載するバイオマス固形物素材の製造方法において、
前記バイオマス固形物素材は、粉砕された状態の前記バイオマス原料を、その全体重量比で含水率5〜10%の範囲内に乾燥させたものであること、
を特徴とするバイオマス固形物素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016006490A JP2017125151A (ja) | 2016-01-15 | 2016-01-15 | バイオマス固形物素材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016006490A JP2017125151A (ja) | 2016-01-15 | 2016-01-15 | バイオマス固形物素材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017125151A true JP2017125151A (ja) | 2017-07-20 |
Family
ID=59365478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016006490A Pending JP2017125151A (ja) | 2016-01-15 | 2016-01-15 | バイオマス固形物素材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017125151A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019103551A1 (ko) * | 2017-11-24 | 2019-05-31 | 주식회사 유기산업 | 바이오매스를 이용한 바오오차 제조 장치 및 제조방법 |
JP2020067187A (ja) * | 2018-10-22 | 2020-04-30 | ホーワエンジニアリング株式会社 | 乾燥装置、及び乾燥システム |
JP2020153568A (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | ホーワエンジニアリング株式会社 | 乾燥装置、及び乾燥システム |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02280899A (ja) * | 1989-04-20 | 1990-11-16 | Toshiba Corp | 汚泥処理の運転装置 |
US20070084077A1 (en) * | 2004-07-19 | 2007-04-19 | Gorbell Brian N | Control system for gas turbine in material treatment unit |
JP2008506529A (ja) * | 2004-07-19 | 2008-03-06 | アースリニュー・アイピー・ホールディングズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 材料を乾燥し熱処理する方法及び装置 |
JP2015209452A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | 株式会社日立製作所 | バイオマス燃料前処理方法及びそのシステム、これを用いたバイオマス発電システム |
-
2016
- 2016-01-15 JP JP2016006490A patent/JP2017125151A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02280899A (ja) * | 1989-04-20 | 1990-11-16 | Toshiba Corp | 汚泥処理の運転装置 |
US20070084077A1 (en) * | 2004-07-19 | 2007-04-19 | Gorbell Brian N | Control system for gas turbine in material treatment unit |
JP2008506529A (ja) * | 2004-07-19 | 2008-03-06 | アースリニュー・アイピー・ホールディングズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 材料を乾燥し熱処理する方法及び装置 |
JP2015209452A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | 株式会社日立製作所 | バイオマス燃料前処理方法及びそのシステム、これを用いたバイオマス発電システム |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019103551A1 (ko) * | 2017-11-24 | 2019-05-31 | 주식회사 유기산업 | 바이오매스를 이용한 바오오차 제조 장치 및 제조방법 |
JP2020067187A (ja) * | 2018-10-22 | 2020-04-30 | ホーワエンジニアリング株式会社 | 乾燥装置、及び乾燥システム |
JP2020153568A (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | ホーワエンジニアリング株式会社 | 乾燥装置、及び乾燥システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7811339B2 (en) | Method and apparatus for fabrication of fuels from pressed biomass and use thereof | |
Dev et al. | Advancements in drying techniques for food, fiber, and fuel | |
US20160304800A1 (en) | Torrefaction Process | |
US20030221363A1 (en) | Process and apparatus for making a densified torrefied fuel | |
US20070084385A1 (en) | Method and device for pelletizing unprocessed cellulosic fibrous material | |
JP2011521191A (ja) | 自己熱可動式焙焼装置 | |
JP2009528393A6 (ja) | バイオマス燃料の製造 | |
JP2009528393A (ja) | バイオマス燃料の製造 | |
US20110259250A1 (en) | Systems And Methods For Converting Biomass In The Field To A Combustible Fluid For Direct Replacement Or Supplement To Liquid Fossil Fuels | |
JP2017125151A (ja) | バイオマス固形物素材の製造方法 | |
CN103704865A (zh) | 一种卷烟生产的工艺方法 | |
US20130263501A1 (en) | System and method for biomass fuel production and integrated biomass and biofuel production | |
Al-Kayiem et al. | Drying of empty fruit bunches as wasted biomass by hybrid solar–thermal drying technique | |
CN103242928B (zh) | 生物质煤的制造方法 | |
Wahyono et al. | " Biopellet" as One of Future Promising Biomassbased Renewable Energy: a Review | |
CN103704866B (zh) | 膨胀烟丝加工生产线 | |
Gürdil et al. | Pelleting hazelnut husk residues for biofuel | |
KR102118253B1 (ko) | 커피추출잔사를 이용한 바이오 고형연료 성형장치 | |
CN200982807Y (zh) | 生物质农用干燥机 | |
US20130263499A1 (en) | System and method for densification of renewable coal replacement fuel | |
KR102563241B1 (ko) | 유기물을 이용한 에너지 절감형 바이오차 생산 시스템 | |
CN102640975B (zh) | 植物梗杆膨胀制丝方法和设备 | |
JP6986739B2 (ja) | 竹質バイオマス燃料製造方法 | |
Singh et al. | Improving Woody Biomass Pellets in Residential Application | |
RU81728U1 (ru) | Линия для производства гранулированного биотоплива |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180808 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190612 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190618 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20191210 |