JP2020067114A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2020067114A
JP2020067114A JP2018199221A JP2018199221A JP2020067114A JP 2020067114 A JP2020067114 A JP 2020067114A JP 2018199221 A JP2018199221 A JP 2018199221A JP 2018199221 A JP2018199221 A JP 2018199221A JP 2020067114 A JP2020067114 A JP 2020067114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boot
constant velocity
mounting
joint member
velocity universal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018199221A
Other languages
English (en)
Inventor
美香 小原
Mika Obara
美香 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2018199221A priority Critical patent/JP2020067114A/ja
Publication of JP2020067114A publication Critical patent/JP2020067114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 外側継手部材の被取り付け面に溶着したブーツの取り付け部を、被取り付け面から剥がれにくくする。【解決手段】 ブーツ35の取り付け部35aを外側継手部材23の被取り付け面40に溶着して、ブーツ35と外側継手部材23を接合一体化する。ブーツ35に、取り付け部35aと蛇腹部35cを接続し、かつ外径側に凹部361、その内径側に凸部362を有する接続部36を設ける。外側継手部材23の外周面に、接続部36の凸部362を収容する収容部42を設ける。【選択図】図7

Description

本発明は、等速自在継手に関する。
例えば自動車や各種産業機械の動力伝達機構に組み込まれる等速自在継手には、継手内部への塵埃などの異物侵入防止や継手内部に封入されたグリースの漏洩防止を目的として、ブーツ(等速自在継手用ブーツ)が使用される。
図14に示すように、ブーツ15は、大径の取り付け部15aと、小径の取り付け部15bと、大径の取り付け部15aと小径の取り付け部15bとを連結する蛇腹部15cとからなる。ブーツ15の大径の取り付け部15aは外側継手部材3の開口端で締結バンド16により締め付け固定され、その小径の取り付け部は内側継手部材6と結合したシャフト10の所定部位に締結バンド17により締め付け固定されている。
このような締結バンドの一例として、レバー式ブーツバンドが知られている(特許文献1)。レバー式ブーツバンドは、リング状に形成されるバンド本体と、このバンド本体の接合部に付設されるレバーとを備えたものである。レバーの内面をバンド本体の外径面に重ね合わさるようにレバーを折り返すことで、ブーツ15に締結力が付与される。
また、締結バンドの他の例として、係合爪と係合孔による締付バンドも知られている(特許文献2)。
このようなバンドを用いる場合、バンドを別部品として使用する必要があり、部品点数が多くなり、等速自在継手の組立てに必要な製造コストが嵩む。
かかる課題を解決するものとして、ブーツと相手部材とを、高周波誘導加熱により接合する手法(特許文献3)、およびレーザ光の照射により接合する手法(特許文献4)が提案されている。何れの場合も締付バンド(ブーツバンド)は使用されない。
特開2011−252594号公報 特表2004−510113号公報 特開2009−52688号公報 特開2009−185879号公報
このように高周波誘導加熱によりブーツと外側継手部材を溶着接合し、ブーツとシャフトを溶着接合すれば、バンドを用いた締付け構造と比べ、部品点数を少なくし、等速自在継手の組立工程を簡素化できる利点がある。
等速自在継手が作動角をとってトルクを伝達する際には、ブーツの変形により、溶着した接合部に大きな力が作用する。特に外側継手部材とブーツの接合部には、ブーツの取り付け部を捲り上げるような大きな力が作用する。高周波誘導加熱によりブーツを外側継手部材とシャフトに接合した従来品では、作動角をとった際に、この捲り上げるような力で外側継手部材とブーツの接合部が剥がれ、耐久性やシール性の低下を招く場合がある。近年では、等速自在継手のより一層の高作動角化が要請されており、この問題がより一層顕在化する傾向にある。
そこで、本発明は、外側継手部材の被取り付け面に溶着したブーツの取り付け部を、被取り付け面から剥がれにくくすることを目的とする。
以上の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、樹脂製のブーツと、前記ブーツが取り付けられる被取り付け面を備えた金属製の外側継手部材とを有し、前記ブーツが、蛇腹部と、前記外側継手部材の被取り付け面に取り付ける取り付け部とを備え、前記取り付け部を前記被取り付け面に溶着させて、前記ブーツと前記外側継手部材を接合一体化した等速自在継手において、前記ブーツに、前記取り付け部と前記蛇腹部を接続し、かつ外径側に凹部、その内径側に凸部を有する接続部を設け、前記外側継手部材の外周面に、前記接続部の凸部を収容する収容部を設けたことを特徴とする。
かかる構成であれば、接続部の凹部がブーツを折り曲げる際の起点となるため、蛇腹部の折り畳みが安定したものとなる。また、ブーツの取り付け部に捲れ方向の力が生じ難くなる。そのため、ブーツの取り付け部を外側継手部材の被取り付け面から剥がれにくくし、被取り付け面に対する取り付け部の接合状態を安定して保持することが可能となる。
接続部の凹部の底は、取り付け部の外周面よりも内径側で、かつ取り付け部の内周面よりも外径側に設けるのが好ましい。
接続部の凸部は、収容部に接触させるのが好ましい。これにより作動角をとった際に、接続部をブーツの折り曲げの起点にすることができる。
接続部の凹部の深さは、取り付け部の肉厚の40%以上、70%以下にするのが好ましい。深さdが取り付け部の肉厚Yの40%を下回ると、接続部の剛性が高くなり、蛇腹部を折り畳む際に接続部が曲げの起点とならない場合がある。また、深さdが肉厚Yの70%を超えると、凹部付近の肉厚が薄くなり、ブーツ破損の起点となるおそれがある。
接続部の凹部の幅を、当該凹部の深さの2倍以上、4倍以下にするのが好ましい。凹部の幅が凹部の深さdの2倍を下回ると、接続部の剛性が高くなり、蛇腹部を折り畳む際に接続部が折り曲げの起点とならない場合がある。凹部の幅が凹部の深さdの4倍を上回ると、折り曲げの起点が不安定となる。
取り付け部と被取り付け面の間の嵌め合いは締まり嵌めにするのが好ましい。これにより、ブーツの取り付け部と外側継手部材の被取り付け面の間の密着度を高めて、接合強度を向上させることができる。
取り付け部は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成するのが好ましい。熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、コストに対して機械的強度、屈曲強度、耐熱性、耐油性等に優れた特性を示す。また、分解温度が400〜500℃程度であり、取り付け部を溶着する際に電磁誘導加熱等で加熱し易い分解温度帯を有する点でも好都合である。
本発明によれば、外側継手部材の被取り付け面に溶着したブーツの取り付け部を、被取り付け面から剥がれにくくすることができる。これにより、これにより、ブーツによるシール性を長期間安定して維持することが可能となり、等速自在継手の耐久性を向上させることができる。また、等速自在継手の高作動角化にも対応が可能となる。
実施形態に係る等速自在継手を示す縦断面図である。 電磁誘導加熱による接合工程を示す平面図である。 電磁誘導加熱による接合工程を示す縦断面図である。 図3中のP−P線に沿った横断面図である。 電磁誘導加熱による接合工程を示す縦断面図である。 (a)図は本実施形態のブーツを示す断面図であり、(b)図は、特許文献3に記載された従来のブーツを示す断面図である。 ブーツの大径取り付け部と蛇腹部の境界部付近を拡大して示す断面図である。 本実施形態に係る等速自在継手が作動角をとった時に、ブーツ圧縮側の変形形態の解析結果を示す断面図である。 従来品に係る等速自在継手が作動角をとった時に、ブーツ圧縮側の変形形態の解析結果を示す断面図である。 図8において、最大作動角近くまで作動角を大きくした時の解析結果を示す断面図である。 ブーツの接続部および収容部の周辺を拡大して示す断面図である。 大径取り付け部と蛇腹部の境界部付近を拡大して示す断面図である。 大径取り付け部と蛇腹部の境界部付近を拡大して示す断面図である。 従来の等速自在継手を示す縦断面図である。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
等速自在継手は、駆動軸と従動軸間の角度変位を許容する機械要素であり、外側継手部材と、外側継手部材の内周に配置された内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材の間に配置されたトルク伝達部材とを主要な構成要素とする。図1は、等速自在継手の一例として、バーフィールド型と呼ばれる固定式等速自在継手を示している。
図1に示す等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝21が内径面22に円周方向等間隔に形成された外側継手部材23と、軸方向に延びる複数のトラック溝24が外径面25に円周方向等間隔に形成された内側継手部材26と、外側継手部材23のトラック溝21と内側継手部材26のトラック溝24との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材としての複数のボール27と、外側継手部材23の内径面22と内側継手部材26の外径面25との間に介在してボール27を保持するケージ28とを備えている。
内側継手部材26の軸心孔の内周に雌スプライン29が形成されている。この軸心孔に、雄スプライン31を形成したシャフト30を挿入し、雌スプライン29と雄スプライン31を嵌合することで、内側継手部材26とシャフト30がトルク伝達可能に結合される。シャフト30の端部に形成した周方向溝32に止め輪33を装着することで、内側継手部材26に対するシャフト30の抜け止めがなされる。
外側継手部材は、鋼等の金属材料、例えばS53C前後の炭素鋼で形成される。
外側継手部材23の開口部にはブーツ35が装着される。ブーツ35は、軸方向一端に設けられた大径の取り付け部35aと、軸方向他端に設けられた小径の取り付け部35bと、大径の取り付け部35aと小径の取り付け部35bとを連結する蛇腹部35cとを主要な構成要素とする。取り付け部35a,35bは何れも円筒状に形成されている。蛇腹部35cは、複数の山部と谷部を有し、その全体形状は軸方向一方側に向けて徐々に縮径している。以下の説明では、軸方向の一方側(図1の右側)を「ブーツ小径側」と呼び、軸方向の他方側(図1の左側)を「ブーツ大径側」と呼ぶ。
ブーツ35は、ポリエステル系、シリコーン系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリスチレン系、塩化ビニル系、フッ素系等の熱可塑性エラストマーを主成分とする樹脂材料で形成される。本実施形態ではこの中でも、コストに対して機械的強度、屈曲強度、耐熱性、耐油性等に優れた特性を示すポリエステル系の熱可塑性エラストマーを主成分とする樹脂材料で形成される。熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、分解温度が400〜500℃程度であり、後で説明する電磁誘導加熱でも加熱し易い分解温度帯を有する点でも好都合である。
ブーツ35の大径取り付け部35aは、外側継手部材23の開口側外周面に設けられた被取り付け面40に取り付けられる。また、小径取り付け部35bは、シャフト30の大径部の外周面に設けられた被取り付け面41に取り付けられる。
これらの取り付けは、電磁誘導加熱により行われる。図2〜図4は電磁誘導加熱による接合工程を示すもので、図2は平面図、図3は縦断面図、図4は図3中のP−P線に沿った横断面図である。
この電磁誘導加熱では、図2および図3に示すように、ブーツ35の大径取り付け部35aおよび小径取り付け部35bの外径側に高周波誘導加熱コイル50A,50Bが配置される。図4に示すように、ブーツ35の小径取り付け部35bの外径側に配置されたコイル50Bは、180°対向位置の分割線Lで分割した二体の半割コイル501,502の両端同士を衝合させたものである。図示は省略するが、ブーツ35の大径取り付け部35aの外径側に配置されたコイル50Aも、同様に二体の半割コイルを衝合させて構成されている。
外側継手部材23とブーツ35の接合に際しては、図3に示すように、外側継手部材23の被取り付け面40にブーツ35の大径取り付け部35aを嵌合する。次いで、二体の分割コイル501,502を大径取り付け部35aの外周面に沿って並べて互いに結合し、大径取り付け部35aの周囲にリング状のコイル50Aを配置する。その後、コイル50Aに高周波電流を流す。シャフト30とブーツ35の接合も、シャフト30の被取り付け面41にブーツ35の小径取り付け部35bを嵌合し、小径取り付け部35bの外周に同様の手順でコイル50Bを配置し、さらにコイル50Bに高周波電流を流すことで行われる。一般に、シャフト30とブーツ35の接合を行ってから、外側継手部材23とブーツ35の接合が行われる。
コイル50A,50Bに高周波電流を流すことにより、導電体である外側継手部材23の被取り付け面40およびシャフト30の被取り付け面41が、鉄損(渦電流損とヒステリシス損の和)により発熱する。この熱で、被取り付け面40、41に接する樹脂製の取り付け部35a,35bの表層が分解温度以上に急速に加熱され、泡が発生する。泡の発生に伴って生じた融液により、取り付け部35a,35bがそれぞれ被取り付け面40,41に溶着される。これにより、ブーツ35の大径取り付け部35aが外側継手部材23と接合一体化され、ブーツ35の小径取り付け部35bがシャフト30と接合一体化される。
コイル50A,50Bと被取り付け面40,41の間には、非導電性材料からなる取り付け部35a、35bが介在するため、図3および図4に示すように、コイル50A,50Bを取り付け部35a,35bに接触させても、コイル50A,50Bが破損することはない。取り付け部35a、35bは肉厚一定に形成されるため、コイル50A,50Bを取り付け部35a、35bに接触させれば、外側継手部材23の被取り付け面40とコイル50Aの間、および シャフト30の被取り付け面41とコイル50Bの間の間隔をそれぞれ一定にすることができる。そのため、周方向で均一かつ安定した接合力を得ることが可能となる。
このようにコイル50A,50Bとブーツ35の取り付け部35a,35bを接触させて接合を行う場合、ブーツと金属製の被着材(外側継手部材23およびシャフト30)との間の密着度が重要となる。そのため、接合前の状態では、大径取り付け部35aの内周面と被取り付け面40との間の嵌め合いを締まり嵌めとするのが好ましい。同様に、小径取り付け部35bの外周面と被取り付け面41との間の嵌め合いも締まり嵌めとするのが好ましい。
また、コイル50Aの内径寸法を取り付け部35aの外径寸法よりも小さくし、コイル50Bの内径寸法を取り付け部35bの外径寸法よりも小さくするのが好ましい。これにより、コイル50A,50Bが取り付け部35a,35bに食い込むため、ブーツ35と被着材の間の密着度をより高めて、接合強度を向上させることができる。
図示は省略するが、コイル50A,50Bと対向する取り付け部35a,35bの外周面にリブを設けておけば、コイル50A,50Bとブーツ35の各取り付け部35a,35b間の締め代がより一層大きくなり、ブーツと被着材の間の密着度をさらに高めることができる。
以上の実施形態では、コイル50A,50Bを取り付け部35a,35bに接触させて加熱する場合を説明したが、図5に示すように、コイル50Aと取り付け部35aの間、および、コイル50Bと取り付け部35bの間に、それぞれ環状の隙間を設けることもできる。この場合、各コイル50A,50Bは、分割が不要であるために一体のリング状に形成することができる。
図6(a)は、本実施形態のブーツ35を示す断面図であり、図6(b)は、特許文献3に記載された従来のブーツ15を示す断面図である。また、図7は、本実施形態のブーツ35における大径取り付け部35aと蛇腹部35cの境界部付近を拡大して示す断面図である。
図6(a)および図7に示すように、本実施形態のブーツ35では、ブーツ35の大径取り付け部35aと蛇腹部35cの間に、両者を接続し、外径側に凹部361、その内径側に内径側に突出する凸部362を有する環状の接続部36が設けられる。なお、図6(b)に示すように、従来のブーツ15では、大径取り付け部15aと蛇腹部15cの間の接続部に相当する部分15dは、軸方向で平坦な円筒面状に形成されている。
図7に示すように、接続部36の凹部361よりもブーツ大径側の領域の外周面は、大径取り付け部35aの外周面と同じ直径寸法で形成され、当該外周面と滑らかにつながっている。その一方で、接続部36の凹部361よりもブーツ小径側の領域は、大径取り付け部35aの外周面よりも外径側に達するまで起立し、その後、ブーツ小径側に屈曲して蛇腹部35cの最終山部351(蛇腹部35cのブーツ小径側の端部に位置する山部を最初の山部とする)につながっている。
接続部36の凹部361の底は、大径取り付け部35aの外周面よりも内径側で、かつ大径取り付け部35aの内周面よりも外径側に設けられる。また、凹部361の軸方向両側の壁面は、半径方向に延びるストレート面で形成されている。凹部361の形態はこれに限られず、例えば外径側に向けて両壁面間の軸方向距離を拡大させた形態を採用することもできる。なお、これとは逆に、凹部361を、外径側に向けて両壁面間の軸方向距離が縮小する形状に形成すると、樹脂ブーツ35の成形時に離型することが困難となり、樹脂ブーツ35の成形性が低下する。
接続部36の凸部362は、その内周面が断面円弧状となるように形成されている。凸部362の最小内径寸法は、外側継手部材23の被取り付け面40の外径寸法よりも小さい。

外側継手部材23の外周面の被取り付け面40よりもブーツ小径側には、被取り付け面40よりも小径にした収容部42が形成される。収容部42は円筒面状に形成される。収容部42のブーツ小径側は、外側継手部材23の開口側端面23aに達している。また、収容部42のブーツ大径側は、アール(R)もしくはチャンファ43(図11参照)を介して被取り付け面40につながっている。収容部42と、被取り付け面40をブーツ小径側に延長した仮想面とで挟まれた空間に、接続部36の凸部362が収容される。
図8〜10は、等速自在継手が作動角をとった時にブーツ圧縮側の変形形態を解析した結果を示す断面図である。図8が本実施形態を表し、図9がブーツを電磁誘導加熱により外側継手部材23に接合した従来品(特許文献3)を表す。図10は、図8において、最大作動角近くまで作動角を大きくした状態を示す。
本実施形態では、図8に示すように、接続部36の凹部361がブーツ35の折り曲げの起点となるため、蛇腹部35cの折り畳みが安定したものとなる。また、ブーツ35の大径取り付け部35aに捲れ方向の力が生じ難くなる。そのため、大径取り付け部35aが被取り付け面40から剥がれにくくなり、被取り付け面40に対する大径取り付け部35aの接合状態を安定して保持することができる。これにより、ブーツ35によるシール性を長期間安定して維持することが可能となり、等速自在継手の耐久性が高まる。また、等速自在継手の高作動角化にも対応が可能となる。
さらに、作動角を大きくすると、図10に示すように、蛇腹部35cの最終谷部352が外側継手部材23の収容部42上に乗り上げる。この場合でも大径取り付け部35aは捲り上がらず、被取り付け面40との密着状態を保持する。また、ブーツ35の蛇腹部35cが安定して折り畳まれるので、蛇腹部35cに過大な応力が作用することもない。
その一方で、従来品では、図9に示すように、ブーツ15の折り曲げの起点が明確に生じないため、大径取り付け部15aに捲れ方向の過大な力が作用し、大径取り付け部15aが外側継手部材3の被取り付け面40から剥がれやすくなる。
電磁誘導加熱でブーツ35を接合する場合において、ブーツ35と外側継手部材23の接合部、および、ブーツ35とシャフト30の接合部でブーツ35の剛性を大きくすれば、取り付け部35a,35bの捲れを抑えて被取り付け面40,41から剥がれにくくすることができる。ブーツ35の剛性を図る上では、ブーツの肉厚を増大させることが簡便な手段となる。
しかしながら、ブーツ35と外側継手部材23の接合部、および、ブーツ35とシャフト30の接合部は、接合前の時点で締め代を有するため、均一にブーツ35の肉厚を増大させると、被取り付け面40,41に各取り付け部35a、35bを嵌合することが困難となる。そのため、ブーツの装着作業性が低下する。これに対し、本実施形態の構成であれば、ブーツ35の各取り付け部35a,35bの肉厚を増加させなくても、取り付け部35a,35bの捲れを抑えてブーツ35を剥がれにくくすることができる。
加えて、本実施形態では、接続部36の凹部361周辺の外周面に外径側に突出した部分がなく、蛇腹部35cを折り畳んだ際(図8、図10参照)に、折り畳んだ蛇腹部35cと干渉するような凸状の部分が存在しない。従って、蛇腹部35cの折り畳みを安定して行うことができる。
以上に述べた作用効果を得る上で好ましい各部の寸法関係を図11〜図13に基づいて説明する。図11は、ブーツ35の接続部36および収容部42の周辺を拡大して示す断面図であり、図12および図13は、大径取り付け部35aと蛇腹部35cの境界部付近を拡大して示す断面図である。なお、以下に述べる各寸法関係は、全て採用する必要は必ずしもなく、必要に応じた寸法関係を選択することができる。
図11に示すように、凹部361の深さdは、大径取り付け部35aの肉厚Yの40%以上、70%以下にするのが好ましい。深さdが肉厚Yの40%を下回ると、接続部36の剛性が高くなり、蛇腹部35cを折り畳む際に接続部36が曲げの起点とならない場合がある。また、深さdが肉厚Yの70%を超えると、凹部361付近の肉厚が薄くなり、ブーツ破損の起点となるおそれがある。
凹部361の幅(軸方向の幅)は、凹部の深さdの2倍以上、4倍以下が好ましい。凹部361の幅が凹部の深さdの2倍を下回ると、接続部36の剛性が高くなり、蛇腹部35cを折り畳む際に接続部36が折り曲げの起点とならない場合がある。凹部361の幅が凹部の深さdの4倍を上回ると、折り曲げの起点が不安定となる。
被取り付け面40と収容部42の半径寸法差をX、大径取り付け部35aの肉厚をY、凹部361の深さをd、凹部361の直下におけるブーツ35の最大肉厚tとした時、X+Y=d+tの関係を満たすのが好ましい。この関係を満たすことで、接続部36に形成した凸部362が収容部42に接触する。凸部362が収容部42に対して非接触の状態にあると、接続部36が折り曲げの起点とならない場合があるため、凸部362は、収容部42に接触させる。
アールもしくはチャンファ43の外径端から、外側継手部材23の開口側端面23dまでの軸方向距離をAとした時、Aの寸法は基本的に任意に定めることができる。但し、図12に示すように、作動角0°の状態で、蛇腹部35cの最終谷部352が外側継手部材23の開口側端面23dと非接触となるようにAの寸法を定めるのが好ましい。作動角0°の状態で最終谷部352が開口側端面23dに接触していると、作動角をとった時に最終谷部352が外側継手部材23の端面23dとシャフト30の間に挟まれ、ブーツ35が破損するおそれがあるためである。
また、図11に示すように、アールもしくはチャンファ43の外径端から、凹部361のブーツ小径側で起立した部分の端面44までの軸方向距離をBとした時、図11に示すように、A≧Bにするのが好ましい。A≧Bにすることにより、作動角の付与時に折り畳んだ蛇腹部35cを無理なく収容するスペースが得られるため、折り畳み不良によるブーツ35の摩耗を軽減し、あるいは山部や谷部に生じる応力、ひずみを緩和してブーツ35、ひいては等速自在継手の耐久性を向上させることができる。
その一方で、Aの寸法を過度に大きくすると、作動角をとった際に、ブーツ35が等速自在継手の周囲の構造物(車体等)と干渉するおそれがある。Aの寸法がBの寸法の2倍程度であれば、図10に示すように、高作動角をとった際にも大径取り付け部35aに捲れの力が作用せず、かつ最終谷352が収容部42の外周面への乗り上げることで蛇腹部35cの応力を緩和することができる。従って、B≦A≦2.5×Bの関係を満たすように各部を設計するのが好ましい。
図11に示すように、凸部362のブーツ大径側の端部は、アールもしくはチャンファ43の外径端と一致させるのが好ましい。これにより、大径取り付け部35aに捲れ力が作用した際にも、アールもしくはチャンファ43が凸部362のブーツ大径側への変位を規制するので、アールもしくはチャンファ43を大径取り付け部35の捲れに対するストッパーとして機能させることができる。凸部362の突出量が小さい、等の理由から上記のストッパー効果が期待できず、凸部362の被取り付け面40への乗り上げが懸念される場合には、図13に示すように、外側継手部材23の外周面に、大径取り付け部35aのブーツ大径側の端部と係合する係合部45を設けてもよい。このように係合部45を設けることにより、該係合部45をブーツストッパーとして機能させることができる。
以上の説明では、固定式等速自在継手の一例として、バーフィールド型等速自在継手を例示したが、アンダーカットフリー型等の他の固定式等速自在継手にも本実施形態を適用することができる。また、ダブルオフセットタイプ、クロスグルーブタイプ、トリポードタイプ等の摺動式等速自在継手に本実施形態を適用することもできる。
また、ブーツ35と外側継手部材23およびシャフト30との接合方法として、電磁誘導接合を例示したが、被取り付け面40,41にブーツ35の取り付け部35aを溶着する他の接合方法、例えばレーザ光の照射により取り付け部35aを被取り付け面40,41に溶着する、いわゆるレーザ接合に対しても本実施形態を同様に適用することができる。
23 外側継手部材
35 ブーツ
35a 取り付け部(大径取り付け部)
35c 蛇腹部
36 接続部
40 被取り付け面
42 収容部
361 凸部
362 凹部

Claims (7)

  1. 樹脂製のブーツと、前記ブーツが取り付けられる被取り付け面を備えた金属製の外側継手部材とを有し、前記ブーツが、蛇腹部と、前記外側継手部材の被取り付け面に取り付ける取り付け部とを備え、前記取り付け部を前記被取り付け面に溶着させて、前記ブーツと前記外側継手部材を接合一体化した等速自在継手において、
    前記ブーツに、前記取り付け部と前記蛇腹部を接続し、かつ外径側に凹部、その内径側に凸部を有する接続部を設け、前記外側継手部材の外周面に、前記接続部の凸部を収容する収容部を設けたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記接続部の凹部の底を、前記取り付け部の外周面よりも内径側で、かつ前記取り付け部の内周面よりも外径側に設けた請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記接続部の凸部を、前記収容部に接触させた請求項1または2に記載の等速自在継手。
  4. 前記接続部の凹部の深さを、前記取り付け部の肉厚の40%以上、70%以下にした請求項1〜3何れか1項に記載の等速自在継手。
  5. 前記接続部の凹部の幅を、当該凹部の深さの2倍以上、4倍以下にした請求項1〜4何れか1項に記載の等速自在継手。
  6. 前記取り付け部と前記被取り付け面の間の嵌め合いを締まり嵌めとした請求項1〜5何れか1項に記載の等速自在継手。
  7. 前記取り付け部を、熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成した請求項1〜6何れか1項に記載の等速自在継手。
JP2018199221A 2018-10-23 2018-10-23 等速自在継手 Pending JP2020067114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018199221A JP2020067114A (ja) 2018-10-23 2018-10-23 等速自在継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018199221A JP2020067114A (ja) 2018-10-23 2018-10-23 等速自在継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020067114A true JP2020067114A (ja) 2020-04-30

Family

ID=70389965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018199221A Pending JP2020067114A (ja) 2018-10-23 2018-10-23 等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020067114A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10508692B2 (en) Propeller shaft and propeller shaft production method
US8882602B2 (en) Slip yoke assembly
CN102761192B (zh) 带有扩充单元的电动机以及连接电动机与扩充单元的方法
US20100130294A1 (en) Method of fixing boot
WO2011046019A1 (ja) 動力伝達用軸およびアッセンブリ体
JP2020067114A (ja) 等速自在継手
US3309117A (en) Ball-and-socket joints
JP2011236976A (ja) 等速自在継手
CN114222871A (zh) 传动轴及其制造方法
JP2001140849A (ja) ドライブシャフト
WO2016152420A1 (ja) ブーツ取付方法および等速自在継手
JP6548864B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP6612046B2 (ja) ブーツ取付方法
JP5122218B2 (ja) ブーツ取付方法
JP6612049B2 (ja) ブーツ取付方法
JP2000074081A (ja) スプライン装置
JP6612047B2 (ja) ブーツ取付方法
JP2011252594A (ja) ブーツバンド
JP2020128764A (ja) 等速自在継手
JP6612048B2 (ja) ブーツ取付方法
WO2018020991A1 (ja) 等速自在継手
JP2011106566A (ja) 動力伝達用軸構造体、中間軸、および外側継手部材
JP5501752B2 (ja) 等速自在継手およびステアリング装置
JP2019138390A (ja) 等速自在継手用ブーツの取付構造
JP5366378B2 (ja) 等速自在継手のブーツ固定方法