以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、「プリンター」と略する。)を例にして説明する。
図1は、プリンター1の構成を説明するための概略正面図である。同図では、X軸方向がプリンター1を正面側から見たときの左右方向に相当し、Y軸方向が上下方向に相当する。X軸とY軸の双方に直交する方向をZ軸方向(奥行方向)という場合がある。
同図に示すようにプリンター1は、作像部10Y、10M、10C、10K、中間転写部20、給紙部30、定着部40などを備えるタンデム型の画像形成装置であり、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置(不図示)から送られて来た画像データに基づいて記録用のシートSにカラー画像をプリントするプリントジョブを含む各種ジョブを実行可能である。
作像部10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配設された帯電部12、露光部13、現像部14、一次転写ローラー15、感光体ドラム11を清掃するためのクリーナー16などを備えており、矢印方向に回転駆動される感光体ドラム11上にY色のトナー像を作像する。他の作像部10M、10C、10Kについても作像部10Yと同様の構成になっており、作像部ごとに、対応する色(M、CまたはK色)のトナー像を感光体ドラム11上に作像する。作像部10M〜10Kについては符号の表記を省略している。
中間転写部20は、無端状の中間転写ベルト21と、これを張架する駆動ローラー22と従動ローラー23を備え、中間転写ベルト21を同図の矢印方向に周回走行させる。
給紙部30は、記録用のシートSを収容する給紙カセット31と、給紙カセット31内のシートSを1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー32と、繰り出されたシートSを搬送経路39に沿って搬送する搬送ローラー対33と、搬送されるシートSを二次転写位置35aに送り出すタイミングをとるためのタイミングローラー対34と、二次転写ローラー35などを備えている。タイミングローラー対34は、第1搬送部材としての第1タイミングローラー301と第2搬送部材としての第2タイミングローラー302からなる。第1タイミングローラー301、第2タイミングローラー302、二次転写ローラー35などの各ローラーは、その軸方向がZ軸方向に平行になるように配置されている。
定着部40は、相互に圧接される円筒状の定着ローラー41と加圧ローラー42と、定着ローラー41を加熱するためのヒーター43などを備えている。
このような構成において、プリントジョブを実行する場合、外部の端末装置からネットワークを介して送られて来た画像データに基づき、作像部10Y〜10Kごとに露光部13の光源から光ビームLが出射されて、感光体ドラム11が露光走査される。
この露光走査の前に、作像部10Y〜10Kごとの感光体ドラム11は、帯電部12により一様に帯電されており、露光部13からの光ビームLの露光走査によって感光体ドラム11上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、対応する現像部14に収容されている現像剤により現像されて、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。
作像部10Y〜10Kごとに、感光体ドラム11上のトナー像は、感光体ドラム11と一次転写ローラー15との間に作用する静電力により中間転写ベルト21上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に重ね合わせて多重転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により、二次転写ローラー35と中間転写ベルト21とが接触している二次転写位置35aに移動する。
上記の作像タイミングに合わせて、給紙部30からは、タイミングローラー対34を介してシートSが給送されて来ており、そのシートSは、周回走行する中間転写ベルト21と二次転写ローラー35の間に挟まれて搬送される。その際、二次転写ローラー35の静電力の作用により、中間転写ベルト21上の各色トナー像が一括して二次転写位置35aでシートS上に二次転写される。
二次転写位置35aを通過したシートSは、定着部40に搬送され、定着部40を通過する際に、シートS上のトナー像が加熱、加圧されてシートSに定着された後、排出ローラー対36を介して排出され、収容トレイ37に収容される。
作像部10Y〜10Kと、中間転写部20と、第1タイミングローラー301は、装置本体を構成する本体フレーム2(破線)に支持されている。第2タイミングローラー302と二次転写ローラー35は、本体フレーム2とは別の支持ユニット50に回転自在に支持されている。
支持ユニット50は、後述のように本体フレーム2に設けられた4個の位置決め部材に、これらに対応する4個の被位置決め部材が嵌合することにより本体フレーム2に位置決めされる。この位置決めにより、第2タイミングローラー302が第1タイミングローラー301を圧接した状態になり、二次転写ローラー35が中間転写ベルト21を二次転写位置35aで圧接した状態になる。
支持ユニット50を挟んで本体フレーム2とは反対側には、横開き方式のジャム処理用開閉カバー60(以下、単に「カバー60」という。)が設けられている。支持ユニット50は、後述のようにカバー60に3箇所で連結されるとともにカバー60に対して一定範囲内で移動自在に支持されている。
図2は、閉塞状態のカバー60を装置正面側から見たときの概略斜視図であり、図3は、開放状態のカバー60を装置正面側から見たときの概略斜視図である。なお、図2と図3において、説明に関係のない部分については図示が省略されている。この一部の省略については、図4以降についても同様である。
図2と図3に示すようにカバー60は、プリンター1の右側面を構成する外装カバー3(外装体)の中央部に開けられた開口3aを塞ぐカバーであり、装置背面側に設けられた支軸6aを中心に矢印G方向に回転することで閉塞状態から開放状態に遷移する。開口3aは、本体フレーム2に架設されている第1タイミングローラー301や駆動ローラー22の架設箇所相当部位をプリンター1の外部に開放するための開口である。なお、支軸6aは、本体フレーム2またはプリンター1内の他の部材に設けられた軸受(不図示)に回転自在に支持されている。
カバー60には、フック68a、68b(図3、図4)を有する開閉レバー69が設けられている。開閉カバー60が閉塞状態のときにフック68a、68bが本体フレーム2に設けられた2つのストッパー2d(図3では一方のみ示し、他方は省略されている)に引っ掛けられることにより、カバー60の開放方向への回転が禁止(ロック)されて閉塞状態が維持される。カバー60が閉塞状態のときに、カバー60に連結されている支持ユニット50が本体フレーム2に位置決めされた状態になる。
位置決めは、図3に示すように本体フレーム2に設けた4個の位置決め部材101、102、103、104に、支持ユニット50に設けた4個の被位置決め部材71、72、73、74(ただし、73、74は図5に示す)が嵌合、具体的には凸部が凹部に嵌まり込む凹凸嵌合により行われる。位置決め部材101〜104は、シート幅方向(シート搬送方向に直交するシート先端縁に沿った方向:Z軸方向に相当)にシートSの通紙領域Saの外の位置に配置されている。
具体的には、搬送されるシートSを挟んでシート幅方向の一方側である装置正面側に位置決め部材101、102が配置され、他方側である装置背面側に位置決め部材103、104が配置されている。
カバー60が閉塞状態にあるときにユーザーが開閉レバー69を開操作することにより、フック68a、68bのストッパー2dとの引っ掛かりが解除される。これにより、カバー60の開放方向へのロックが解除される。ユーザーは、開閉レバー69を把持したまま矢印G方向にカバー60を引き出すように力を掛けることで、カバー60を開けることができる。
カバー60には、支持ユニット50が連結されているので、カバー60の開放動作に伴ってカバー60の回転による引っ張り力が支持ユニット50に伝わり、この引っ張り力により支持ユニット50の被位置決め部材71〜74と本体フレーム2の位置決め部材101〜104との凹凸嵌合が解除され、支持ユニット50が本体フレーム2から離間する。
この嵌合の解除は、凹部に嵌っている凸部が凹部から引き出されることで行われるが、簡単に外れて位置決めが損なわれることがないように、凸部が凹部にしっかりと密着して嵌まり込むように構成されている。このため、嵌合の解除には、凸部を凹部から引き離すのに要する一定以上の力を掛ける必要があり、その一定以上の力よりも小さな力では解除できないようになっている。
本実施の形態では、この嵌合の解除のためにユーザーがカバー60を開放する際にできるだけ大きな力を掛けることなく開放操作を行えるように、支持ユニット50とカバー60との連結機構が工夫されている。以下、この連結機構と、支持ユニット50の装置本体フレーム2への位置決め機構について説明する。
図4は、支持ユニット50とカバー60の正面分解斜視図であり、図5は、図4の矢印C方向から支持ユニット50を見たときの背面斜視図である。
図4と図5に示すように支持ユニット50は、第2タイミングローラー302を回転自在に支持する支持部52と二次転写ローラー35を回転自在に支持する支持部53とを有する。また、支持ユニット50は、支持部52よりも下方の位置に、シートSを第2タイミングローラー302に案内する第1ガイド54と、二次転写ローラー35よりも上方の位置に、二次転写ローラー35を通過後のシートSを定着部40に案内する第2ガイド55を有する。
さらに、図4に示すように支持ユニット50の装置正面側の側面51aには、カバー60から遠い側、つまり本体フレーム2に近い側の端部に凸状の被位置決め部材71、72が上下方向に間隔を開けて設けられており、カバー60に近い側の端部に凸状の係合突起81、82が上下方向に間隔を開けて設けられている。
また、図5に示すように支持ユニット50の装置背面側の側面51bには、本体フレーム2に近い側の端部に凸状の被位置決め部材73、74が上下方向に間隔を開けて設けられ、カバー60に近い側の端部に凸状の係合突起83が設けられている。以下、被位置決め部材を位置決めピン、係合部材を係合ピンという。
図4に示すように支持ユニット50に対向する側のカバー60の内面61には、支持ユニット50に設けられた係合ピン81、82を支持する正面側支持部材90aと係合ピン83を支持する背面側支持部材90bとが立設されている。
正面側支持部材90aは、上下に細長い薄板状であり、X−Y平面に沿った姿勢でカバー60の内面61に立設されており、Z軸方向(シート幅方向に相当)に貫通する2つの透孔91、92が上下方向に間隔を開けて穿設されている。下側の透孔91には、装置正面側の係合ピン81、82のうち、下側の係合ピン81が遊嵌され、上側の透孔92には、上側の係合ピン82が遊嵌される。
背面側支持部材90bは、薄板状であり、正面側支持部材90aよりも装置背面側の位置で、X−Y平面に沿った姿勢で開閉カバー60の内面61に立設されており、Z軸方向に貫通する透孔93が穿設されている。この透孔93には、装置背面側の係合ピン83が遊嵌される。つまり、係合ピンに対して透孔がいわゆるバカ孔になっている。
支持ユニット50は、係合ピン81〜83が透孔91〜93に遊嵌されることにより、カバー60に対してY軸方向(上下方向:支軸6aの軸方向に相当)とX軸方向(カバー60に対する遠近方向)に一定の範囲内で移動自在に支持される。係合ピン81〜83と透孔91〜93が支持ユニット50をカバー60に対して上下方向と遠近方向に移動自在に支持、連結する連結機構を構成する。
ユーザーがカバー60を閉じる閉操作で支持ユニット50が本体フレーム2に近づいていき、支持ユニット50に設けられた位置決めピン71〜74が本体フレーム2の位置決め部材101〜104の凹部に嵌合されると、支持ユニット50の装置本体フレーム2への位置決めが完了する。その後、カバー60のフック68a、68bのそれぞれが本体フレーム2のストッパー2dに引っ掛ってロックされると、カバー60が閉塞状態になる。
次に、本体フレーム2側の位置決め部材101〜104について説明する。
図6(a)は、装置正面側かつ下側の位置決め部101の拡大斜視図である。
同図に示すように位置決め部101は、受け部110と、レバー112と、圧縮コイルバネ113を有する。ここで、X軸に平行で矢印X方向とは逆方向(支持ユニット50に近づく方向)をX´方向という。
受け部110は、X´方向に開口する凹部111を有する。
レバー112は、図6(b)の拡大斜視図に示すように軸受部116からX´方向にアーム117が延出されてなる。軸受部116には、Z軸方向に貫通する貫通孔161が穿設されており、この貫通孔161に本体フレーム2に設けられた固定軸2eが挿通される。これにより、レバー112が固定軸2eを中心に矢印E方向とこれの逆方向のいずれにも回転可能になる。
アーム117の先端部には、上に突出する凸部109を有する。凸部109は、頂部190を挟んで軸受部116に近い側に第1傾斜面191を有し、軸受部116から遠い側に第2傾斜面192を有する。第1傾斜面191は、頂部190を起点に軸受部116に近づくに連れて下降する傾斜面であり、第2傾斜面192は、頂部190を起点に軸受部116から遠ざかるに連れて下降する傾斜面である。
圧縮コイルバネ113は、アーム117の下方に配置されており、弾性力によりアーム117を上方に付勢する。アーム117は、圧縮コイルバネ113により上方に付勢されつつ、軸受部116に近い部分に設けられた突起193が受け部110に設けられたストッパー(不図示)に当たることで、ストッパーよりも上方への動きが規制される。図6(a)は、アーム117がストッパーの規制により最上位に位置している様子を示している。同図に示すレバー112の位置をホーム位置という。
図6(c)〜図6(e)は、カバー60の閉操作により支持ユニット50側の位置決めピン71が位置決め部101に位置決めされる様子を段階的に示す正面模式図である。
図6(c)は、矢印X方向に移動する位置決めピン71がホーム位置に位置するレバー112の第2傾斜面192に向かう様子を示している。
図6(d)に示すように位置決めピン71がレバー112の第2傾斜面192に当たると、位置決めピン71からレバー112に傾斜面192の傾斜角に応じた下方への分力が作用し、レバー112のアーム117が圧縮コイルバネ113の付勢力に抗して固定軸2eを中心に矢印E方向に回り、頂部190が下方に動く。
位置決めピン71の矢印X方向への移動がさらに進み、位置決めピン71がアーム117の頂部190を越えると、アーム117の第1傾斜面191上を下降しながら、凹部111の開口114から凹部111の中に入り込み始め、これに並行してアーム117が圧縮コイルバネ113の付勢力により固定軸2eを中心に矢印E方向とは反対方向に回り、頂部190が上方に動き始める。
その後、図6(e)に示すように凹部111の中に入り込んだ位置決めピン71が凹部111の奥底面151に当たると、位置決めピン71の移動が規制される。この規制位置で位置決めピン71は、凹部111の奥底面151、下面152、上面153と、レバー112の第1傾斜面191とに上下左右から囲まれた状態で凹部111に嵌合される。係合ピン71は、凹部111の下面152と上面153とにより上下方向に位置決めされ、圧縮コイルバネ119の付勢力が作用しているレバー112の第1傾斜面191により凹部111の奥底面151に押圧されることにより、左右方向に位置決めされる。
図7は、装置正面側かつ上側の位置決め部102の拡大斜視図である。
同図に示すように位置決め部102は、鉛直方向(Y軸方向)に対してX´方向に所定角度(例えば10°程度)だけ傾斜した斜め上方向に開口する凹部121を有する。
カバー60の閉操作により、矢印X方向に移動する支持ユニット50側の位置決めピン72が凹部121の上面126を越えると、凹部121の開口122から支持ユニット50の自重で凹部121の中に落ち込み、凹部の121の底面123に当たる。これにより、位置決めピン72が凹部121の底面123と側面124、125に囲まれた状態で凹部121に嵌合され、上下方向と左右方向に位置決めされる。
図8は、装置背面側かつ上側の位置決め部103の拡大斜視図である。
同図に示すように位置決め部103は、位置決め部102と同様に斜め上方向に開口する凹部131と、凹部131から矢印X´方向に延出され、矢印X´方向に向かうに連れて下方に傾斜する傾斜面137を有する。
カバー60の閉操作により、矢印X方向に移動する支持ユニット50側の位置決めピン73が傾斜面137に沿って斜め上方に案内され、傾斜面137を越えると、凹部131の上面136を経て凹部131の開口132から支持ユニット50の自重で凹部131の中に落ち込み、凹部の131の底面133に当たる。これにより、位置決めピン73が凹部131の底面133と側面134、135に囲まれた状態で凹部131に嵌合され、上下方向と左右方向に位置決めされる。
図9は、装置背面側かつ下側の位置決め部104の拡大斜視図である。
同図に示すように位置決め部104は、位置決め部102と同様に斜め上方向に開口する凹部141と、凹部141から矢印X´方向に延出され、矢印X´方向に向かうに連れて下方に傾斜する傾斜面147を有する。
カバー60の閉操作により、矢印X方向に移動する支持ユニット50側の位置決めピン74が傾斜面147に沿って斜め上方に案内され、傾斜面147を越えると、凹部141の上面146を経て凹部141の開口142から支持ユニット50の自重で凹部141の中に落ち込み、凹部の141の底面143に当たる。これにより、位置決めピン74が凹部141の底面143と側面144、145に囲まれた状態で凹部141に嵌合され、上下方向と左右方向に位置決めされる。
上記のように支持ユニット50側の位置決めピン71〜74が本体フレーム2側の位置決め部101〜104の凹部に嵌合することにより、支持ユニット50が装置本体フレーム2に対して4箇所で位置決めされる。
このように支持ユニット50が本体フレーム2に4箇所で位置決めされた状態で、ユーザーがカバー60を開放する操作を行うと、本実施の形態では、4箇所のうち、まず装置正面側かつ下側の位置決め部101の凹部111との位置決めピン71の嵌合が最初に解除される。その解除の後、上側の位置決め部102の凹部121との位置決めピン72の嵌合が解除され、さらにその解除の後、装置背面側の位置決め部103、104の凹部131、141との位置決めピン73、74の嵌合が解除される構成になっている。
図10(a)〜図10(d)は、カバー60が開放するに連れて支持ユニット50の装置正面側に位置する位置決めピン71、72が本体フレーム2の位置決め部材101、102の凹部111、121からこの順に解除される様子を段階的に示す模式図である。
図11(a)〜図11(d)は、カバー60が開放するに連れて支持ユニット50の装置背面側に位置する位置決めピン73、74が本体フレーム2の位置決め部材103、104の凹部131、141から略同時に解除される様子を段階的に示す模式図である。
以下、閉塞状態のカバー60が支軸6aを中心に回転することにより開いていくときのその回転角度を開角度θ(°)、閉塞状態のカバー60の開角度θ=0°として、開角度θが大きくなるに伴って、本体フレーム2に対する支持ユニット50の位置決めが位置決めピン71、72、73(または74)の順に解除されていく動作を具体的に説明する。
カバー60が閉塞状態(開角度θ=0°)のとき、図10(a)と図11(a)に示すように位置決めピン71〜74が位置決め部101〜104の凹部111〜141に嵌合されている。
また、図10(a)に示すように係合ピン81、82は、カバー60の正面側支持部材90aに穿設された透孔91、92に遊嵌されている。
開角度θ=0°のとき、係合ピン81、82は、支持ユニット50の自重で透孔91、92の底壁部91a、92aに当たっている。これにより、支持ユニット50の装置正面側の上下方向の位置が決まる。ここで、底壁部91a、92aは、正面視でX軸方向に沿った水平壁部であり、底壁部91aのX軸方向(左右方向)長さが係合ピン81の径の約2倍であり、底壁部92aの左右方向長さが係合ピン82の径の約1.5倍になっている。係合ピン81、82、83の径は、同じである。
下側の透孔91における本体フレーム2に近い側の側壁部91bは、正面視でY軸方向(上下方向)に沿った鉛直壁部であり、側壁部91bの上下方向長さがピン81の径の約2倍になっている。側壁部91bの下端と底壁部91aの左端とが連続しており、側壁部91bと底壁部91aとが直交している。同図では、係合ピン81が透孔91の底壁部91aと側壁部91bの両方に接している様子を示している。ここで、凹部111に嵌合されている状態の位置決めピン71と、透孔91の底壁部91aに当接している係合ピン81とは、Y軸方向(支軸6aの軸方向)の位置が少しずれているが、同じ位置にすることもできる。
上側の透孔92における本体フレーム2に近い側の側壁部92bは、正面視で上下方向に沿った鉛直壁部92dと、鉛直壁部92dの下端92jと底壁部92aの左端92iとを結ぶ傾斜壁部92cを含む。
鉛直壁部92dの上下方向長さが係合ピン82の径の約1.5倍になっている。
傾斜壁部92cは、係合ピン82の径よりも少し長く、底壁部92aの左端92iから見て鉛直壁部92dの下端92jが斜め上方に位置するように傾斜、ここではX軸に対して約30°の角度で傾斜している。同図では、係合ピン82が透孔92の底壁部92aに接し、傾斜壁部92cには接していない、つまり透孔92内で最下位置に位置している様子を示している。
このようにカバー60が閉塞状態にあるときは、支持ユニット50の位置決めピン71、72が本体フレーム2の位置決め部材101、102の凹部111、121に嵌合した状態になり、支持ユニット50の係合ピン81、82とカバー60の透孔91、92との係合状態と協働して、第2タイミングローラー302を第1タイミングローラー301との対向状態に維持しつつ、二次転写ローラー35を中間転写ベルト21との対向状態に維持する構成となる。
一方、図11(a)に示すように支持ユニット50の装置背面側の係合ピン83は、カバー60の背面側支持部材90bに穿設された透孔93に遊嵌されている。
開角度θ=0°のとき、係合ピン83は、支持ユニット50の自重で透孔93の底壁部93aに当たっている。これにより、支持ユニット50の装置背面側の上下方向の位置が決まる。ここで、透孔93は、透孔92と同じ大きさ、同じ形状になっている。具体的には、底壁部93aは、X軸方向に沿った水平壁部であり、底壁部93aの左右方向長さが係合ピン83の径の約1.5倍になっている。
透孔93における本体フレーム2に近い側の側壁部93bは、鉛直壁部93dと、鉛直壁部93dの下端93jと底壁部93aの右端93iとを結ぶ傾斜壁部93cを含む。
鉛直壁部93dの上下方向長さが係合ピン82の径の約1.5倍になっている。
傾斜壁部93cは、係合ピン83の径よりも少し長く、底壁部93aの右端93iから見て鉛直壁部93dの下端93jが斜め上方に位置するように傾斜、ここではX軸に対して約30°の角度で傾斜している。同図では、係合ピン83が透孔93の底壁部93aに接し、傾斜壁部93cには接していない、つまり透孔93内で最下位置に位置している様子を示している。
閉塞状態のカバー60に対する開操作が開始された後、図10(b)に示すように開角度θが0°から角度Pa(例えば5°程度)に至るまでの間に、透孔91の側壁部91bに当接している係合ピン81には、カバー60の回転に伴うカバー移動方向X´に沿った引っ張り力faが作用する。
これにより、開閉カバー60が開角度Paまで開いた分、係合ピン81が開閉カバー60と一体でX´方向に移動する。係合ピン81が移動すると、係合ピン81と同じ支持ユニット50に設けられ、係合ピン81に対してカバー移動方向X´の直近に位置する位置決めピン71にも引っ張り力faと略同じ大きさのX´方向の引っ張り力が作用する。
この位置決めピン71へのX´方向の引っ張り力の作用により、位置決めピン71に当接しているレバー112の第1傾斜面191に圧縮コイルバネ113の付勢力に抗する下方の力fbが作用する。この力fbの作用により、レバー112が図10(a)に示すホーム位置(第1位置)から下方に少し下がり、係合ピン71が凹部111の開口114を介して少し出てくる。
一方、係合ピン82は、透孔92の傾斜壁部92cを少し昇った位置に位置しており、係合ピン82には、カバー60による引っ張り力が傾斜壁部92cの傾斜角に応じた上方向成分とX´方向(カバー開放方向)成分とに分解された状態で伝わる。
この係合ピン82に作用する上方向成分とX´方向成分の力は、直近の位置決めピン72にも伝わるが、係合ピン82が傾斜壁部92cを昇っている間、その傾斜角に応じた距離しかX´方向に移動できない。一方で、係合ピン81が当接する透孔91の側壁部91bは、鉛直壁部なので、傾斜壁部92cのような上方向成分への分解が生じない。
このため、係合ピン81と82のX´方向の移動量は、開角度がPaに至った時点で係合ピン82の方が係合ピン81よりもかなり少なく、この移動量の大小関係は、位置決めピン71、72のうち、係合ピン81に直近の位置決めピン71と、係合ピン82に直近の位置決めピン72との間にも当てはまる。
従って、本体フレーム2の凹部121に嵌合されている位置決めピン72は、上方向の分力とX´方向の分力により僅かに浮き上がる程度で、凹部121に入ったままの状態から変わらない。つまり、透孔91の側壁部91b(鉛直壁部)は、開閉カバー60からの開放方向(X´方向)の引っ張り力をそのまま係合ピン81に伝えるが、透孔92の傾斜壁部92cは、その引っ張り力を傾斜角の大きさに応じた上方向成分とカバー開放方向成分に分解して係合ピン82に伝えるので、カバー開放方向成分の力がかなり小さくなる。
なお、透孔92の傾斜壁部92cによる上方向の分力は、係合ピン82から支持ユニット50に伝わるので、係合ピン82が少し浮くのと同時に支持ユニット50の装置正面側の係合ピン81も透孔91の側壁部91bに当たった状態で底壁部91aから少し浮くようになる。このとき支持ユニット50の装置正面側がその上端に対して下端が本体フレーム2から離れる方向に少し傾いたようになる。
カバー60は、装置背面側の支軸6aを中心に装置正面側が回転移動するので、装置正面側と装置背面側では、同じ開角度θでも開閉カバー60の移動量は、装置背面側の方が装置正面側よりも少なくなる。
このためカバー60が開角度Paまで開いたときでも、支持ユニット50の装置背面側に位置する係合ピン83は、図11(a)に示すように透孔93の底壁部93a上を少し傾斜壁部93cに近づいた程度になり、本体フレーム2の凹部131、141に嵌合している位置決めピン73、74を凹部131、141から出させる力までは作用しない。
カバー60の開放操作が進み、図10(c)に示すように開角度θがPb(例えば10°程度)に至ると、係合ピン81のX´方向への移動がさらに進み、位置決めピン71によりレバー112がさらに下がり、位置決めピン71がレバー112の頂部190を残り越える。これにより、位置決めピン71が凹部111からX´方向に外に出て、位置決めピン81の位置決めが解除される。
位置決めピン71がレバー112の頂部190を残り越えた時点のレバー112の位置が、カバー60の開放動作中にカバー開放方向(矢印X´方向)に移動する位置決めピン71の移動経路Pt(一点鎖線)から退避した退避位置(第2位置)になる。
一方、係合ピン82は、傾斜壁部92cの上端付近まで昇っており、その分、係合ピン72が凹部121の中での浮き上がりがかなり大きくなっているが、凹部121からは未だ出ていない。
さらに、カバー60の開放操作が進み、図10(d)に示すように開角度θがPc(例えば15°程度)に至ると、係合ピン71は、凹部111から完全に外に出ている。そして、係合ピン71がレバー112から離間しているので、レバー112が圧縮コイルバネ113による上方への付勢力fcでホーム位置(移動経路Pt上の第1位置)に戻る。
係合ピン82は、傾斜壁部92cを越えてその上の鉛直壁部92dに至っており、カバー60が開角度PbからPcまで開いた分、X´方向に移動する。つまり、傾斜壁部92cを昇っている間のように傾斜角に応じた分しかX´方向に移動できないといったことがなくなり、カバー60が開いた角度そのものに相当する距離を移動する。これにより、係合ピン72が凹部121から外に出て、係合ピン82の位置決めが解除される。
開角度θがPcのとき、装置背面側では、図11(b)に示すように係合ピン83が透孔93の傾斜壁部93cを少し昇った位置に位置しており、係合ピン83には、カバー60による引っ張り力が傾斜壁部93cの傾斜角に応じた上方向成分とX´方向(カバー開放方向)成分とに分解された状態で伝わる。
係合ピン83が傾斜壁部93cを昇っている間、上記の係合ピン82が傾斜壁部92cを昇っている間と同様に、傾斜角に応じた距離しかX´方向に移動できない。このため、本体フレーム2の凹部131、141に嵌合されている位置決めピン73,74は、上方向の分力とX´方向の分力により僅かに浮き上がる程度で、凹部131、141に入ったままの状態から変わらない。
開角度θがPcから、図11(c)に示すようにPd(例えば、20°程度)に至ると、係合ピン83が傾斜壁部93cの上端付近まで昇っており、位置決めピン73、74が凹部131、141の中でかなり浮き上がった状態になっている。さらに、開閉カバー60の開放操作が進み、図11(d)に示すように開角度θがPe(例えば、25°程度)に至ると、係合ピン83は、傾斜壁部93cを越えてその上の鉛直壁部93dに至っており、開閉カバー60が開角度PdからPeまで開いた分、X´方向に移動する。これにより、位置決めピン73、74が凹部131、141から略同時に外に出て、位置決めピン73、74の位置決めが解除される。
このように位置決めピン71〜74による4箇所の位置決めが、最初に位置決めピン71が解除され、次に位置決めピン72が解除され、その後に位置決めピン73、74が解除されるように、開閉カバー60の回転による開放方向の引っ張り力をその解除順にずらして各ピンに作用させるようにしている。
これは、次の構成による。すなわち、開放動作中のカバー60から凹凸嵌合の解除に要する引っ張り力が支持ユニット50に伝わる伝達経路は、装置正面側ではカバー60の透孔91の側壁部91b(鉛直壁面)と係合ピン81とが係合する第1経路と、透孔92の鉛直壁部92dと係合ピン82とが係合する第2経路と、装置背面側ではカバー60の透孔93の鉛直壁部93dと係合ピン83とが係合する第3経路になる。
カバー60の開放動作中には、この3経路のうち、まず第1経路に引っ張り力が伝わり、位置決めピン71の嵌合が解除され、この解除後に、第2経路に力が伝わり、位置決めピン72の嵌合が解除され、この解除後に、第3経路に力が伝わり、位置決めピン73、74の嵌合が解除される。
つまり、カバー60が閉塞状態からカバー開放方向に回転する場合、カバー60の回転による引っ張り力が最初に透孔91の側壁部91bに当接する係合ピン81から係合ピン81に直近の位置決めピン71(第1の被位置決め部材)に作用して凹部111(第1の位置決め部材)との嵌合(第1嵌合)が解除される。
第1嵌合の解除の後、開放動作によるカバー60の回転が継続すると、係合ピン82が透孔92内を移動して、透孔92の鉛直壁部92dに当接し、この当接状態を介して支持ユニット50の装置正面側がカバー60に引っ張られ、その引っ張り力により係合ピン82に直近の位置決めピン72(第2の被位置決め部材)と凹部121(第2の位置決め部材)との嵌合(第2嵌合)が解除される。
さらに、第2嵌合の解除の後、開放動作によるカバー60の回転が継続すると、係合ピン83が透孔93内を移動して、透孔93の鉛直壁部93dに当接し、この当接状態を介して支持ユニット50の装置背面側がカバー60に引っ張られ、その引っ張り力により係合ピン83に直近の位置決めピン73、74(第3の被位置決め部材)と凹部131、141(第3の位置決め部材)との嵌合(第3嵌合)が解除される。
このような第1〜第3嵌合の解除が順番に行われることで支持ユニット50の本体フレーム2からの離脱を可能とするように、第1、第2、第3の位置決め部材と第1、第2、第3の被位置決め部材が嵌合解除に至る位置関係および透孔91、92、93の大きさが装置構成に応じて定められている。
上記のように1か所の位置決め解除に要する力をFとした場合、位置決めピン71〜74を同時に解除させる構成では、ユーザーは、(4×F)の力を一気にカバー60に掛けなければならない。
これに対し、本実施の形態では、4箇所の位置決め箇所を順番にずらして解除させる構成にしているので、最大でも(2×F)程度の力で済み、4箇所を同時解除する構成よりもユーザーにとってカバー60の開操作を行い易くなり、それだけ操作性を向上できる。
また、最初に位置決めが解除される位置決め部101にのみ位置決めピン71の凹部111に対するレバー112によるロック機構を設け、他の位置決め部102、103、104では、凹部121、131、141の開口122、132、142を斜め上方向に向けてあり、位置決めピン72、73、74が支持ユニット50の自重で凹部121、131、141の中に落ち込み、底面123、133、143で支えられることで上下左右の位置決めを行うとしており、4箇所の位置決め部の全てにロック機構を設ける構成よりも部品点数が少なく、コスト面で有利になる。
上記では、カバー60の開放操作の場合を説明したが、閉操作の場合の4箇所の位置決めも順番にずらして行われる。具体的には、最初に位置決めピン73、74と凹部131、141とが嵌合して位置決めされ、次に位置決めピン72と凹部121とが嵌合して位置決めされ、最後に位置決めピン71と凹部111が嵌合して位置決めされる。
図12(a)〜図12(c)は、開放状態のカバー60の閉操作が進むに連れて支持ユニット50の装置背面側に位置する位置決めピン73、74が本体フレームの位置決め部材103、104の凹部131、141に略同時に嵌合される様子を段階的に示す模式図である。
図13(a)〜図13(c)は、カバー60の閉操作が進むに連れて支持ユニット50の装置正面側に位置する位置決めピン71、72が本体フレーム2の位置決め部材101、102の凹部111、121に位置決めピン72、71の順にずれて嵌合される様子を段階的に示す模式図である。
以下、装置背面側、正面側の順に説明する。
図12(a)に示すように装置背面側では、カバー60の矢印X方向(カバー閉方向)への回転に伴って、カバー60の開角度θがPf(例えば20°程度)になると、係合ピン83が透孔93の側壁部93eに当たり、支持ユニット50が側壁部93eに矢印X方向に押される。ここで、側壁部93eは、透孔93において鉛直壁部93dに対してカバー閉方向に反対側に位置する鉛直壁部(第3孔縁部)である。
これにより、支持ユニット50の位置決めピン73、74が本体フレーム2の位置決め部103、104の凹部131、141に近づく。位置決めピン73、74が凹部131、141に近づくと、凹部131、141よりもカバー閉方向上流側に位置する本体フレーム2側の傾斜面137、147(図8、図9)に位置決めピン73、74が乗り上げる。これにより、カバー60の閉動作が進むに伴って位置決めピン73、74が傾斜面137、147上を斜め上方に案内される。カバー60が図12(b)に示す開角度Pg(<Pf)までカバー閉方向に動くと、係合ピン83が透孔93の側壁部93eで押される状態が続き、その押圧力により位置決めピン73、74が凹部131、141の開口132、142に至る。
さらに、カバー60が図12(c)に示す開角度Ph(<Pg)までカバー閉方向に動くと、カバー60の押圧力により位置決めピン73、74が凹部131、141の中に押し込まれ、支持ユニット50の自重で凹部131、141に落ち込む。
開角度θがPhに至ったとき、装置正面側では、図13(a)に示すように係合ピン82が透孔92の側壁部92eに当たり、係合ピン81が透孔91の側壁部91eに当たる。ここで、側壁部92eは、透孔92において鉛直壁部92dに対してカバー閉方向(矢印X方向)に反対側に位置する鉛直壁部(第2孔縁部)である。また、側壁部91eは、透孔91において鉛直壁部である側壁部91bに対してカバー閉方向(矢印X方向)に反対側に位置する傾斜壁部(第1孔縁部)である。
これにより、係合ピン82には、鉛直壁部である側壁部92eにより、カバー閉方向へのカバー60の回転による押圧力がそのまま作用するが、係合ピン81には、側壁部91eの傾斜角に応じてカバー閉方向と斜め上方の分力が作用する。
カバー60の閉動作の継続により、位置決めピン72が凹部121に近づくと、凹部121よりもカバー閉方向上流側に位置する本体フレーム2側の傾斜面127(図7)に位置決めピン72が乗り上げる。これにより、カバー60の閉動作に伴って位置決めピン72が傾斜面127上を斜め上方に案内される。
カバー60の閉動作が進み、図13(b)に示す開角度Pi(<Ph)に至ると、カバー60の押圧力により位置決めピン72が凹部121の開口に押し込まれ、支持ユニット50の自重で凹部121に落ち込む。このとき、位置決めピン71は、レバー112の頂部190を下に押し付けており、位置決め部101の凹部111の中には入っていない。
カバー60の閉動作がさらに進み、図13(c)に示す開角度Pj(<Pi)に至ると、カバー60の押圧力により位置決めピン71がレバー112の頂部190を通過して、凹部111の開口から中に押し込まれる。さらに、閉動作が進み、開角度θが0°になると、図10(a)に示すように位置決めピン71が凹部111に嵌合され、カバー60が閉塞状態になる。各位置決めピンの凹部への嵌合が上記の順に行われるように、透孔91、92、93の側壁部91e、92e、93eのカバー閉方向における位置関係が定められている。
このようにカバー60の閉操作でも、各位置決めが順番にずれて行われるので、ユーザーは、4箇所を同時に位置決めする構成のように一度に大きな力をカバー60に掛ける必要がなくなり、カバー60の閉操作を行い易くなる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の構成に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、本体フレーム2側の位置決め部材を凹部、支持ユニット50側の被位置決め部材を凸部とする構成例を説明したが、これに限られない。本体側の位置決め部材と支持ユニット側の被位置決めの嵌合により位置決めが行われれば良い。例えば、本体側にピンなどの凸部を設け、支持ユニット側にこの凸部が嵌合される凹部を設ける構成をとることもできる。
(2)上記実施の形態では、支持ユニット50をカバー60に連結する連結手段として、支持ユニット50に設けた係合ピン(係合突起)81〜83をカバー60に設けた透孔91〜93に遊嵌させる構成例を説明したが、これに限られない。例えば、カバー60側に係合突起を設け、支持ユニット50側に、カバー60側の係合突起が遊嵌される透孔を設ける構成をとることもできる。
(3)上記実施の形態では、カバー60の開放動作中に、装置正面側の2箇所の位置決め部101、102と装置背面側の2箇所の位置決め部103、104のうち、まず位置決め部101、102をこの順に解除し、その後、位置決め部103と104を同時に解除する構成例を説明したが、これに限られない。
例えば、位置決め部101、102の解除順はそのままで、位置決め部103、104の一方を他方よりも早く解除する構成をとることもできる。また、位置決め部101、102の解除順はそのままで、位置決め部102の解除と略同時に位置決め部103、104も解除する構成も考えられる。この場合、位置決め部101の解除の後、3箇所を同時に解除することになるが、4箇所を同時に解除する構成よりも、カバー60の開放操作時にユーザーが掛ける力を抑えることはできる。
(4)上記実施の形態では、装置正面側の位置決め部101が位置決め部102よりもシート搬送方向上流側に位置し、装置背面側の位置決め部104が位置決め部103よりもシート搬送方向上流側に位置する構成例を説明したが、これに限られない。
例えば、位置決め部101が位置決め部102よりもシート搬送方向下流側に位置し、位置決め部104が位置決め部103よりもシート搬送方向下流側に位置する構成とすることもできる。
また、位置決め部を4箇所とする構成に代えて、例えば3箇所、具体的には装置正面側にシート搬送方向に沿って2箇所の位置決め部を設け、装置背面側に1箇所の位置決め部を設ける構成をとることもできる。
(5)上記実施の形態では、装置正面側の位置決めピン71、72と係合ピン81、82の位置関係として、図10(d)に示すようにY軸方向(支軸6aの軸方向に相当)における位置決めピン71(第1の被位置決め部材)の第1位置と位置決めピン72(第2の被位置決め部材)の第2位置の中間位置を通り、Y軸方向に直交する仮想平面Pmを挟んで、位置決めピン71に近い一方の側に係合ピン81(第1の係合突起)が位置し、位置決めピン71から遠い(位置決めピン72に近い)他方の側に係合ピン82(第2の係合突起)が位置し、係合ピン81と仮想平面Pmとの距離と係合ピン82と仮想平面Pmとの距離とが略同じになる構成例を説明したが、これに限られない。位置決め部101、102がこの順に解除されるような位置関係であれば良く、例えば上記の距離が同じ構成や多少異なる構成などをとることもできる。
(6)上記実施の形態では、装置正面側において、カバー60の正面側支持部材90aに、支持ユニット50の係合ピン81、82が遊嵌される透孔91、92を設ける構成例を説明したが、これに限られない。位置決め部101、102をこの順に解除できるならば、係合ピン81を透孔91に遊嵌する構成に代えて、例えば止まり嵌めにしたり、係合ピン81を支持部材90aに固定支持したりする構成をとることも可能であろう。
(7)上記実施の形態では、画像形成装置としてプリンターの構成例を説明したが、これに限られず、シートを搬送する搬送機構を有し、横開き方式の開閉カバーによりシートの搬送路を開放可能な複写機やファクシミリ装置などの画像形成装置に適用できる。
また、第1の搬送部材としての第1タイミングローラー301を本体フレーム2に設け、第2の搬送部材としての第2タイミングローラー302を本体フレーム2から分離可能な支持ユニット50に設ける構成例を説明したが、これに限られない。例えば、第1と第2の搬送部材の一方がシートSを搬送するローラーであり、他方がシートSを案内するガイドである構成や両方がガイドである構成もあり得る。
また、プリンターの右側面に横開き方式のカバーを設けた構成例を説明したが、これに限られず、例えば左側面、正面、背面などに設ける構成も採り得る。また、例えば、プリント後のシート束をステープル綴じするなどの後処理を行う後処理装置までシートを水平な搬送経路に沿って搬送する搬送装置を含む構成の場合に、その搬送経路に沿った支軸を中心に回転して搬送経路を開閉可能にする開閉カバーにも適用可能である。
さらに、位置決めピン、凹部、係合ピン、透孔などの各部材の大きさや形状が上記のものに限られることはなく、装置構成に適した大きさや形状が決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の構成をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。