JP2020063387A - 封止用樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

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真也 中村
晃広 野崎
Akihiro Nozaki
晃広 野崎
雄大 小野
Takehiro Ono
雄大 小野
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Abstract

【課題】硬化後の耐熱性に優れる封止用樹脂組成物、及び耐熱性に優れる電子部品装置の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と硬化剤とを含み、前記エポキシ樹脂はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む、封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物及び電子部品装置に関する。
トランジスタ、IC等の電子部品を封止するための材料(封止材)として、エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物が広く用いられている。
近年、電気自動車等の普及に伴って動力源の制御に用いるパワー半導体の需要が拡大している。パワー半導体は一般に発熱量が大きいため、これに用いる封止材の耐熱性の向上が求められている。
エポキシ樹脂を含有する封止材の耐熱性を向上させるための方法としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤及びマレイミド化合物を含有する方法(例えば、特許文献1参照)、特許文献1と同様の組合せで特定の硬化促進剤を使用する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
特開平01−188518号公報 特開平03−197527号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、速硬化性が低く成形性が満足されないという問題点があった。また、特許文献2の方法では、成形時及び後硬化時にテトラフェニルボレートアニオンに由来してベンゼンが環境中に放出されるという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑み、硬化後の耐熱性に優れる封止用樹脂組成物、及び耐熱性に優れる電子部品装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>エポキシ樹脂と硬化剤とを含み、前記エポキシ樹脂はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む、封止用樹脂組成物。
<2>前記硬化剤がフェノール硬化剤である、<1>に記載の封止用樹脂組成物。
<3>前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は150g/eq〜200g/eqである、<1>又は<2>に記載の封止用樹脂組成物。
<4>前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の軟化点は40℃〜100℃である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
<5>前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の150℃における粘度は10.0dPa・s以下である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
<6>素子と、前記素子を封止する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える電子部品装置。
本発明によれば、硬化後の耐熱性に優れる封止用樹脂組成物、及び耐熱性に優れる電子部品装置が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<封止用樹脂組成物>
本開示の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とを含み、前記エポキシ樹脂はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む。
(エポキシ樹脂)
封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む。本開示においてフェノールノボラック型エポキシ樹脂とは、下記式(1)で表される構造単位を主鎖に含むエポキシ樹脂を意味する。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、式(1)で表される構造単位のみを主鎖に含むものであっても、式(1)で表される構造単位と、他の構造単位(例えば、芳香環にグリシジルオキシ基以外の置換基が結合した構造単位)とを主鎖に含むものであってもよい。本開示において主鎖を構成する構造単位全体に占める式(1)で表される構造単位の割合が75質量%以上であるエポキシ樹脂は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂に該当するものとする。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂が式(1)で表される構造単位と、他の構造単位とを主鎖に含む場合は、主鎖を構成する構造単位全体に占める式(1)で表される構造単位の割合が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明者らの検討の結果、エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む封止用樹脂組成物は、封止材用のエポキシ樹脂として一般的なクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む場合に比べて硬化後のガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れていることがわかった。
エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む封止用樹脂組成物が硬化後の耐熱性に優れていることの理由は必ずしも明らかではないが、例えば、主鎖を構成する芳香環にメチル基が結合しているクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に比べ、主鎖を構成する芳香環にメチル基が結合していないフェノールノボラック型エポキシ樹脂の方がエポキシ基1個あたりの分子量が小さく架橋構造が密になること、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の方がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に比べて硬化反応の速度が速いことから反応率が上昇しやすいこと等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されない。硬化前の流動性と硬化後の耐熱性の観点からは、重量平均分子量は300〜20000であることが好ましく、350〜10000であることがより好ましく、400〜8000であることがさらに好ましい。
本開示において、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された値をいう。GPCによるMwの測定は、分析用GPCカラムに東ソー株式会社のG2000HXL及び3000HXLを使用し、移動相にはテトラヒドロフランを用い、試料濃度を0.2質量%とし、流速を1.0mL/minとして測定を行う。ポリスチレン標準サンプルを用いて検量線を作成し、ポリスチレン換算値でMwを計算する。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されない。硬化前の流動性と硬化後の耐熱性の観点からは、エポキシ当量は150g/eq〜200g/eqであることが好ましく、160g/eq〜192g/eqであることがより好ましく、170g/eq〜187g/eqであることがさらに好ましく、170g/eq〜182g/eqであることが特に好ましい。
本開示においてフェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、過塩素酸滴定法により測定される値である。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の軟化点は、特に制限されない。硬化前の流動性と硬化後の耐熱性の観点からは、軟化点は40℃〜100℃であることが好ましく、50℃〜80℃であることがより好ましく、50℃〜65℃であることがさらに好ましく、50℃〜64℃であることが特に好ましい。
本開示においてフェノールノボラック型エポキシ樹脂の軟化点は、環球法により測定される値である。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の粘度は、特に制限されない。硬化前の流動性と硬化後の耐熱性の観点からは、150℃における粘度(溶融粘度)は10.0dPa・s以下であることが好ましく、5.0dPa・s以下であることがより好ましく、3.0dPa・s以下であることがさらに好ましい。
本開示においてフェノールノボラック型エポキシ樹脂の粘度は、ICIコーンプレート粘度計により測定される値である。
封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂のみを含んでいても、フェノールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック型エポキシ樹脂に該当しないエポキシ樹脂とを含んでいてもよい。ただしこの場合は、エポキシ樹脂全体に占めるフェノールノボラック型エポキシ樹脂の割合が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂に該当しないエポキシ樹脂として具体的には、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物とを酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物の共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはシリコーン樹脂のエポキシ化物、アクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、耐リフロー性と流動性のバランスの観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、共重合型エポキシ樹脂及びアラルキル型エポキシ樹脂からなる群より選ばれるエポキシ樹脂(これらを「特定エポキシ樹脂」と称する)が好ましい。特定エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂が特定エポキシ樹脂を含む場合、特定エポキシ樹脂の性能を発揮する観点からは、その含有率がエポキシ樹脂全体の30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
特定エポキシ樹脂の中でも、流動性の観点からは、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂又は硫黄原子含有型エポキシ樹脂がより好ましく、耐熱性の観点からは、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂又はアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。以下、好ましいエポキシ樹脂の具体例を示す。
ビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂の中でもRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基であり、それ以外のRが水素原子であるYX−4000H(三菱ケミカル株式会社、商品名)、全てのRが水素原子である4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、全てのRが水素原子の場合及びRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基でそれ以外のRが水素原子である場合の混合品であるYL−6121H(三菱ケミカル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(II)中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数4〜18の芳香族基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
スチルベン型エポキシ樹脂は、スチルベン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(III)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(III)で表されるエポキシ樹脂の中でも、Rのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基であり、それ以外のRが水素原子であり、R10の全てが水素原子である場合と、Rのうち3,3’,5,5’位のうちの3つがメチル基であり、1つがt−ブチル基であり、それ以外のRが水素原子であり、R10の全てが水素原子である場合との混合品であるESLV−210(住友化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(III)中、R及びR10は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
ジフェニルメタン型エポキシ樹脂は、ジフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R11の全てが水素原子であり、R12のうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基であり、それ以外のR12が水素原子であるYSLV−80XY(新日鉄住金化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(IV)中、R11及びR12は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
硫黄原子含有型エポキシ樹脂は、硫黄原子を含有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。下記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R13のうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’位がt−ブチル基であり、6,6’位がメチル基であり、それ以外のR13が水素原子であるYSLV−120TE(新日鉄住金化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(V)中、R13は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
ノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。例えば、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂をグリリシジルエーテル化等の手法を用いてエポキシ化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(VI)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VI)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R14の全てが水素原子であり、R15がメチル基であり、i=1であるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるESCN−190、ESCN−195(住友化学株式会社、商品名)、R14の全てが水素原子であり、i=0である部分とi=1であり、R15が-CH(CH)-Phである部分を有するスチレン変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂であるYDAN−1000−10C(新日鉄住金化学株式会社、商品名)、R14の全てが水素原子であり、i=1であり、R15がメチル基である部分とi=2であり、R15のうち一つがメチル基で一つがベンジル基である部分を有するベンジル基変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるHP−5600(DIC株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(VI)中、R14は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R15は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料としてエポキシ化して得られるエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂の中でも、i=0であるHP−7200(DIC株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(VII)中、R16は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、トリフェニルメタン骨格を持つ化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば特に制限されない。例えば、トリフェニルメタン骨格を持つ化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フェノール樹脂等のトリフェニルメタン型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、kが0である1032H60(三菱ケミカル株式会社、商品名)、EPPN−502H(日本化薬株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(VIII)中、R17及びR18は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数、kは各々独立に0〜4の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
ナフトール化合物及びフェノール化合物と、アルデヒド化合物とから得られるノボラック樹脂をエポキシ化した共重合型エポキシ樹脂は、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。例えば、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を用いたノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(IX)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(IX)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R21がメチル基でiが1であり、jが0であり、kが0であるNC−7300(日本化薬株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(IX)中、R19〜R21は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数、jは各々独立に0〜2の整数、kは各々独立に0〜4の整数を示す。l及びmはそれぞれ平均値であり、0〜10の数であり、(l+m)は0〜10の数を示す。式(IX)で表されるエポキシ樹脂の末端は、下記式(IX−1)又は(IX−2)のいずれか一方である。式(IX−1)及び(IX−2)において、R19〜R21は、i、j及びkの定義は式(IX)におけるR19〜R21は、i、j及びkの定義と同じである。nは1(メチレン基を介して結合する場合)又は0(メチレン基を介して結合しない場合)である。
上記一般式(IX)で表されるエポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体等が挙げられる。これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合型エポキシ樹脂としては、下記2種の構造単位をランダム、交互又はブロックの順序で含むメトキシナフタレン・クレゾールホルムアルデヒド共縮合型エポキシ樹脂である、下記の一般式で表されるエピクロンHP−5000(DIC株式会社、商品名)もまた好ましい。下記一般式では、n及びmはそれぞれ平均値であり、0〜10の数であり、(n+m)は0〜10の数を示し、好ましくはn及びmはそれぞれ平均値であり、1〜9の数であり、(n+m)は2〜10の数を示す。
アラルキル型エポキシ樹脂は、フェノール、クレゾール等のフェノール化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル又はこれらの誘導体から合成されるフェノール樹脂と、を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。例えば、フェノール、クレゾール等のフェノール化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル又はこれらの誘導体とから合成されるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(X)及び(XI)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。
下記一般式(X)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、R38が水素原子であるNC−3000S(日本化薬株式会社、商品名)、iが0であり、R38が水素原子であるエポキシ樹脂と一般式(II)の全てのRが水素原子であるエポキシ樹脂を質量比80:20で混合したCER−3000(日本化薬株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。また、下記一般式(XI)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、jが0であり、kが0であるESN−175(新日鉄住金化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(X)及び(XI)において、R38は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R37、R39〜R41は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、jはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、lはそれぞれ独立に0〜6の整数を示す。nは平均値であり、それぞれ独立に0〜10の数である。
上記一般式(II)〜(XI)中のR〜R21及びR37〜R41について、「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(II)中の8〜88個のRの全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。他のR〜R21及びR37〜R41についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。また、R〜R21及びR37〜R41はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、RとR10の全てについて同一でも異なっていてもよい。
また、一般式(III)〜(XI)における炭素数1〜18の有機基はアルキル基又はアリール基であることが好ましい。
上記一般式(II)〜(XI)中のnは、平均値であり、それぞれ独立に0〜10の範囲であることが好ましい。nが10以下であると樹脂成分の溶融粘度が高くなりすぎず、封止用樹脂組成物の溶融成形時の粘度が低下し、充填不良、ボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形等の発生が抑制される傾向にある。nは0〜4の範囲に設定されることがより好ましい。
エポキシ樹脂の官能基当量は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性及び電気的信頼等の各種特性バランスの観点からは、エポキシ樹脂の官能基当量は、100g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、150g/eq〜500g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂の軟化点又は融点は特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは40℃〜180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点からは50℃〜130℃であることがより好ましい。
封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有率は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%〜50質量%であることが好ましく、2質量%〜30質量%であることがより好ましい。
(硬化剤)
封止用樹脂組成物に含まれる硬化剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂の種類、封止用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。
硬化剤として具体的にはフェノール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。硬化性及びポットライフの両立の観点からはフェノール硬化剤、アミン硬化剤及び酸無水物硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、電気的信頼性の観点からはフェノール硬化剤がより好ましい。
フェノール硬化剤としては、例えば、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂及び多価フェノール化合物が挙げられる。具体的には、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等とから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール硬化剤の中でも、耐リフロー性の観点からはアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、及びノボラック型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(これらを「特定フェノール硬化剤」と称する)が好ましい。特定フェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤が特定フェノール硬化剤を含む場合、それらの性能を充分に発揮する観点から、特定フェノール硬化剤の含有率は硬化剤全体の30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等とから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等が挙げられる。アラルキル型フェノール樹脂は、更に他のフェノール樹脂と共重合していてもよい。共重合したアラルキル型フェノール樹脂としては、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂等が挙げられる。
アラルキル型フェノール樹脂は、フェノール化合物及びナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(XII)〜(XIV)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
式(XII)〜(XIV)において、R23は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R22、R24、R25及びR28は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R26及びR27は水酸基又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、jはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、pはそれぞれ独立に0〜4の整数である。nは平均値であり、それぞれ独立に0〜10の数である。
上記一般式(XII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、R23が全て水素原子であるMEH−7851(明和化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(XIII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であるXL−225、XLC(三井化学株式会社、商品名)、MEH−7800(明和化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(XIV)で表されるフェノール樹脂の中でも、jが0であり、kが0であり、pが0であるSN−170(新日鉄住金化学株式会社、商品名)、jが0であり、kが1であり、R27が水酸基であり、pが0であるSN−395(新日鉄住金化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料として得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(XV)で表されるフェノール樹脂が好ましい。下記一般式(XV)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であるDPP(新日本石油化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XV)中、R29は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂は、トリフェニルメタン骨格を有する化合物を原料として得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(XVI)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVI)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であるMEH−7500(明和化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XVI)中、R30及びR31は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数である。nは平均値であり、0〜10の数である。
ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂は、ベンズアルデヒド骨格を有する化合物を原料として得られるフェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(XVII)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であり、qが0であるHE−510(エア・ウォーター・ケミカル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XVII)中、R32〜R34は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、qはそれぞれ独立に0〜5の整数である。l及びmはそれぞれ平均値であり、それぞれ独立に0〜11の数である。ただし、lとmの合計は1〜11の数である。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール化合物及びナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(XVIII)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVIII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、R35が全て水素原子であるタマノル758、759(荒川化学工業株式会社、商品名)、HP−850N(日立化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XVIII)中、R35は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R36は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
上記一般式(XII)〜(XVIII)におけるR22〜R36について記載した「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」は、例えば、式(XII)中のi個のR22の全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。他のR23〜R36についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。また、R22〜R36は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R22及びR23の全てについて同一でも異なっていてもよく、R30及びR31の全てについて同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(XII)〜(XVIII)におけるnは、0〜10の範囲であることが好ましい。10以下であると樹脂成分の溶融粘度が高くなりすぎず、封止用樹脂組成物の溶融成形時の粘度も低くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形が発生し難くなる。1分子中の平均nは0〜4の範囲に設定されることが好ましい。
硬化剤の官能基当量(フェノール硬化剤の場合は水酸基当量)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、70g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、80g/eq〜500g/eqであることがより好ましい。
硬化剤の軟化点又は融点は、特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは、40℃〜180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点からは、50℃〜130℃であることがより好ましい。
エポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわちエポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の官能基数の比(エポキシ樹脂中のエポキシ基/硬化剤中の官能基)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える関連からは、0.5〜2.0の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.8の範囲に設定されることがより好ましく、0.8〜1.5の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(硬化促進剤)
封止用樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂の種類、封止用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。
硬化促進剤として具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)等のジアザビシクロアルケン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等の環状アミジン化合物;前記環状アミジン化合物の誘導体;前記環状アミジン化合物又はその誘導体のフェノールノボラック塩;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;DBUのテトラフェニルボレート塩、DBNのテトラフェニルボレート塩、2−エチル−4−メチルイミダゾールのテトラフェニルボレート塩、N−メチルモルホリンのテトラフェニルボレート塩等の環状アミジニウム化合物;ピリジン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;前記三級アミン化合物の誘導体;酢酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、リン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等のアンモニウム塩化合物;トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の三級ホスフィン;前記三級ホスフィンと有機ボロン類との錯体等のホスフィン化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と4−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−クロロフェノール、4−ヨウ化フェノール、3−ヨウ化フェノール、2−ヨウ化フェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−ナフトール、4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる、分子内分極を有する化合物;テトラフェニルホスホニウム等のテトラ置換ホスホニウム、テトラ−p−トリルボレート等のホウ素原子に結合したフェニル基がないテトラ置換ホスホニウム及びテトラ置換ボレート;テトラフェニルホスホニウムとフェノール化合物との塩などが挙げられる。
封止用樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、その量はエポキシ樹脂と硬化剤の合計100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(無機充填材)
封止用樹脂組成物は、無機充填材を含んでもよい。特に、封止用樹脂組成物を半導体パッケージの封止材として用いる場合には、無機充填材を含むことが好ましい。
無機充填材の種類は、特に制限されない。具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが好ましく、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の状態としては粉未、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
封止用樹脂組成物が無機充填材を含む場合、その含有率は特に制限されない。流動性及び強度の観点からは、封止用樹脂組成物全体の30体積%〜90体積%であることが好ましく、35体積%〜80体積%であることがより好ましく、40体積%〜70体積%であることがさらに好ましい。無機充填材の含有率が封止用樹脂組成物全体の30体積%以上であると、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の特性がより向上する傾向にある。無機充填材の含有率が封止用樹脂組成物全体の90体積%以下であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制され、流動性がより向上して成形性がより良好になる傾向にある。
無機充填材の平均粒子径は、特に制限されない。例えば、体積平均粒子径が0.2μm〜10μmであることが好ましく、0.5μm〜5μmであることがより好ましい。体積平均粒子径が0.2μm以上であると、モールドアンダーフィル用樹脂組成物の粘度の上昇がより抑制される傾向がある。体積平均粒子径が10μm以下であると、狭い隙間への充填性がより向上する傾向にある。無機充填材の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により、体積平均粒径(D50)として測定することができる。
封止用樹脂組成物又はその硬化物中の無機充填材の体積平均粒子径は、公知の方法によって測定することができる。例えば、有機溶剤、硝酸、王水等を用いて、封止用樹脂組成物又は硬化物から無機充填材を抽出し、超音波分散機などで充分に分散して分散液を調製する。この分散液を用いて、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒径を測定することができる。あるいは、硬化物を透明なエポキシ樹脂等に埋め込み、研磨して得られる断面を走査型電子顕微鏡にて観察して得られる体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒径を測定することができる。更には、FIB装置(集束イオンビームSEM)などを用いて、硬化物の二次元の断面観察を連続的に行い、三次元構造解析を行なうことで測定することもできる。
封止用樹脂組成物の流動性の観点からは、無機充填材の粒子形状は角形よりも球形が好ましく、また無機充填材の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。
[各種添加剤]
封止用樹脂組成物は、上述の成分に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、難燃剤、着色剤、応力緩和剤等の各種添加剤を含んでもよい。封止用樹脂組成物は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(カップリング剤)
封止用樹脂組成物が無機充填材を含む場合は、樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるために、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
封止用樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性がより向上する傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して5質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する傾向にある。
(イオン交換体)
封止用樹脂組成物は、イオン交換体を含んでもよい。特に、封止用樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、イオン交換体を含むことが好ましい。イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1−X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
封止用樹脂組成物がイオン交換体を含む場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、樹脂成分100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(離型剤)
封止用樹脂組成物は、成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、離型剤を含んでもよい。離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物が離型剤を含む場合、その量は樹脂成分100質量部に対して0.01質量部〜15質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる傾向にある。15質量部以下であると、より良好な接着性が得られる傾向にある。
(難燃剤)
封止用樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。例えば、樹脂成分100質量部に対して1質量部〜300質量部であることが好ましく、2質量部〜150質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
封止用樹脂組成物は、着色剤をさらに含んでもよい。着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(応力緩和剤)
封止用樹脂組成物は、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤を含むことにより、パッケージの反り変形及びパッケージクラックの発生をより低減させることができる。応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の応力緩和剤(可とう剤)が挙げられる。具体的には、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、シリコーン系応力緩和剤が好ましい。シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
(封止用樹脂組成物の調製方法)
封止用樹脂組成物の調製方法は、特に制限されない。一般的な手法としては、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を均一に撹拌及び混合し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。
封止用樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であることが好ましい。封止用樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。封止用樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
<電子部品装置>
本開示の一実施形態である電子部品装置は、素子と、前記素子を封止する上述の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ、有機基板等の支持部材に、素子(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子など)を搭載して得られた素子部を封止用樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
より具体的には、リードフレーム上に素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング、バンプ等で接続した後、封止用樹脂組成物を用いてトランスファ成形等によって封止した構造を有するDIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した素子を封止用樹脂組成物で封止した構造を有するTCP(Tape Carrier Package);支持部材上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した素子を、封止用樹脂組成物で封止した構造を有するCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール等;裏面に配線板接続用の端子を形成した支持部材の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と支持部材に形成された配線とを接続した後、封止用樹脂組成物で素子を封止した構造を有するBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント配線板においても封止用樹脂組成物を好適に使用することができる。
封止用樹脂組成物を用いて電子部品装置を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。これらの中では、低圧トランスファ成形法が一般的である。
以下、上記実施形態を実施例により具体的に説明するが、上記実施形態の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[封止用樹脂組成物の調製]
下記の材料を表1に記載の組成(質量部)で混合し、混練温度80℃、混練時間15分の条件でロール混練を行うことによって、実施例1〜2及び比較例1の封止用樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表1中の空欄は、その成分が未配合であることを意味する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:エポキシ当量181g/eq、軟化点57℃、ICIコーンプレート粘度計による150℃溶融粘度1.3dPa・sのフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社、商品名「EXA−760−DM」)
エポキシ樹脂2:エポキシ当量190g/eq、軟化点69℃、ICIコーンプレート粘度計による150℃溶融粘度5.4dPa・sのフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社、商品名「N−770」)
エポキシ樹脂A:エポキシ当量197g/eq、ICIコーンプレート粘度計による150℃溶融粘度1.1dPa・sのオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(Chang Chun Plastics Co.,Ltd.、商品名「CNE−195LLB」)
(硬化剤)
硬化剤1:水酸基当量106g/eq、軟化点81℃のフェノールノボラック樹脂(日立化成株式会社、商品名「HP−850N」)
(硬化促進剤)
硬化促進剤:2−フェニル−4−メチルイミダゾール
(無機充填剤)
溶融シリカ(球状溶融シリカ、平均粒子径17.5μm、比表面積3.8m/g)
(カップリング剤)
カップリング剤:エポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
(着色剤)
カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名「MA−100」)
(離型剤)
カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)

(封止用樹脂組成物の評価)
実施例1〜2及び比較例1で調製した封止用樹脂組成物の特性を、次の特性試験により評価した。結果を表2に示す。なお、封止用樹脂組成物の成形は、明記しない限りトランスファ成形機により、金型温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で成形した。また、必要に応じて後硬化を175℃で5時間の条件で行った。
(1)スパイラルフロー
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用樹脂組成物を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)熱時硬度
封止用樹脂組成物を上記条件で直径50mm×厚み3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計(株式会社上島製作所、HD−1120(タイプD))を用いて測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
封止用樹脂組成物を上記条件で長さ50mm×幅5mm×厚み2mmのサイズに成形し、上記条件で後硬化した。その後、粘弾性測定装置(TAインスツルメンツ社、RSA−3)を用い、3点曲げモードで昇温速度10℃/min、周波数1Hzの条件で測定した。測定結果より、Tanδが最大となる温度(℃)を読み取った。
(4)260℃での弾性率
封止用樹脂組成物を上記条件で長さ50mm×幅5mm×厚み2mmのサイズに成形し、上記条件で後硬化した。その後、粘弾性測定装置(TAインスツルメンツ社、RSA−3)を用い、3点曲げモードで昇温速度10℃/min、周波数1Hzの条件で弾性率を測定した。測定結果より、260℃での弾性率(GPa)を読み取った。

表2に示すように、フェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いた実施例1〜2は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂に該当しないエポキシ樹脂を用いた比較例1に比べ、封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度と高温での弾性率が上昇した。これらの結果は、実施例1〜2の封止用樹脂組成物が、比較例1の封止用樹脂組成物よりも硬化後の耐熱性に優れていることを示している。さらに、実施例1〜2の封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度と高温の弾性率の上昇度合いは、樹脂の構造や水酸基当量から予想される以上の結果である。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂と硬化剤とを含み、前記エポキシ樹脂はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含む、封止用樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤はフェノール硬化剤を含む、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は150g/eq〜200g/eqである、請求項1又は請求項2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の軟化点は40℃〜100℃である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  5. 前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の150℃における粘度は10.0dPa・s以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  6. 素子と、前記素子を封止する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える電子部品装置。
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