JP2020063360A - 湿式摩擦材用接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着強度に優れるとともに、作業性、塗工性が良好な湿式摩擦材用接着剤組成物を提供する。【解決手段】レゾール型フェノール樹脂と、ポリビニルブチラールと、亜鉛の有機酸塩および無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩と、を含む湿式摩擦材用接着剤組成物。前記亜鉛の有機酸塩が、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、ギ酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、および乳酸亜鉛から選択される少なくとも1つである、前記湿式摩擦材用接着剤組成物。前記亜鉛塩が、組成物の固形分全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下の量である、前記湿式摩擦材用接着剤組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、湿式摩擦材用接着剤組成物に関する。
オートマチック車等の自動変速機には、エンジンとトランスミッション(変速機)の間に取り付けられ、発進、停止、変速時にエンジンの力をトランスミッションに伝えたり遮断したりするために、クラッチが使用されている。摩擦材は、当該クラッチが適切に機能するために用いられるが、一般に、オイルを使用する「湿式摩擦材」と、オイルを使用しない「乾式摩擦材」とに分けられる。湿式摩擦材は、オイルを使用することにより、摩擦熱の上昇を抑制することができる。湿式摩擦材は、コアプレートと呼ばれる金属に接着剤を塗布し、フェノール樹脂等を含浸・硬化させた紙等からなる部材と接着することにより製造される。
クラッチやブレーキ等の摩擦材を作製する際に使用される接着剤には、機械的特性、電気的特性および接着性に優れた樹脂材料であるレゾール型フェノール樹脂が従来使用されている。そのため、レゾール型フェノール樹脂については、得られる湿式摩擦材の耐摩擦特性を向上させるために、接着強度等の硬化特性を改善すべく、従来から種々の検討がなされてきた。
湿式摩擦材に用いられるレゾール型フェノール樹脂として、例えば、特許文献1、2記載のものがある。特許文献1には、硬化時間を短縮し、耐熱性を得るため、レゾール型フェノール樹脂と、ポリビニルブチラール樹脂と、多価の金属塩である酢酸ニッケルまたは酢酸コバルトと、亜硝酸の金属塩または亜硝酸のエステルとを含む接着剤組成物が開示されている。
特許文献2には、優れた接着強度を示す、レゾール型フェノール樹脂と、硝酸塩又は硝酸とを含む湿式摩擦板用接着剤が開示されている。
近年、湿式摩擦材用の接着剤に対する要求はますます高くなっている。本発明は、高い要求に応えるべく開発されたものであり、接着強度に優れるとともに、作業性、塗工性が良好な湿式摩擦材用接着剤組成物を提供するものである。
本発明者らは、レゾール型フェノール樹脂を含む組成物に、亜鉛塩を配合することにより、優れた接着力を有するとともに、使用時の取扱い性において優れた、湿式摩擦材用途に好適に使用できる接着剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
レゾール型フェノール樹脂と、
ポリビニルブチラールと、
亜鉛の有機酸塩および無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩と、を含む湿式摩擦材用接着剤組成物が提供される。
レゾール型フェノール樹脂と、
ポリビニルブチラールと、
亜鉛の有機酸塩および無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩と、を含む湿式摩擦材用接着剤組成物が提供される。
また本発明によれば、
金属基材と、
前記金属基材に、上記湿式摩擦材用接着剤組成物を介して接着された摩擦材と、を備える湿式摩擦板が提供される。
金属基材と、
前記金属基材に、上記湿式摩擦材用接着剤組成物を介して接着された摩擦材と、を備える湿式摩擦板が提供される。
本発明によれば、接着強度に優れるとともに、作業性、塗工性が良好な湿式摩擦材用接着剤組成物が提供される。
本実施形態の湿式摩擦材用接着剤組成物(以下、「接着剤組成物」とも称する)は、レゾール型フェノール樹脂と、ポリビニルブチラールと、亜鉛の有機酸塩および亜鉛の無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩とを含む。以下に、各成分について説明する。
[レゾール型フェノール樹脂]
本実施形態の接着剤組成物に用いられるレゾール型フェノール樹脂としては、塩基性触媒下、フェノール類と、アルデヒド類とを反応溶媒中で公知の方法により反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が用いられる。
本実施形態の接着剤組成物に用いられるレゾール型フェノール樹脂としては、塩基性触媒下、フェノール類と、アルデヒド類とを反応溶媒中で公知の方法により反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が用いられる。
本実施形態で用いられるレゾール型フェノール樹脂の合成のために使用されるフェノール類としては、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類;p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類;p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体:及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類;レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態で用いられるレゾール型フェノール樹脂の合成のために使用されるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上組み合わせて使用してもよい。また、これらアルデヒド類の前駆体あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することも可能である。中でも、製造コストの観点から、ホルムアルデヒド水溶液を使用することが好ましい。
本実施形態で用いられるレゾール型フェノール樹脂の合成のために使用される塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;石灰等の酸化物;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;リン酸ナトリウム等のリン酸塩;アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。
本実施形態で用いられるレゾール型フェノール樹脂の合成のために使用される反応溶媒としては、水が一般的であるが、有機溶媒を使用してもよい。このような有機溶媒の具体例としては、アルコール類、ケトン類、芳香族類等が挙げられる。またアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。芳香族類の具体例としてはとしては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂の形態としては、固形、水溶液、溶剤溶液、および水分散液が挙げられる。中でも、作業性が良好となる点から、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、およびアセトンの溶剤溶液であることが好ましい。
[ポリビニルブチラール]
ポリビニルブチラールは、酸触媒の存在下、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られるエラストマーである。
ポリビニルブチラールの重量平均分子量は、特に限定されないが、ポリビニルブチラールの取り扱い性等の観点から、好ましくは1.0×104〜1.0×105であり、より好ましくは2.0×104〜8.0×104であり、さらに好ましくは3.3×104〜5.5×104である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたポリスチレン換算によるものをいう。
ポリビニルブチラールは、酸触媒の存在下、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られるエラストマーである。
ポリビニルブチラールの重量平均分子量は、特に限定されないが、ポリビニルブチラールの取り扱い性等の観点から、好ましくは1.0×104〜1.0×105であり、より好ましくは2.0×104〜8.0×104であり、さらに好ましくは3.3×104〜5.5×104である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたポリスチレン換算によるものをいう。
ポリビニルブチラールの重合度は、200〜3000のものが好ましい。重合度を200以上とすることにより、十分な接着強度が得られ、重合度を3000以下とすることにより、得られる接着剤組成物の溶融時の粘度を低く抑えることができ、これにより、金属基材と摩擦材とを強固に接着することができる。
ポリビニルブチラールの含有量は、レゾール型フェノール樹脂100重量部に対し、1〜50重量部であり、好ましくは5〜30重量部である。ポリビニルブチラールの含有量を下限値以上とすることにより、十分な接着強度が得られるようになり、上限値以下とすることにより、接着剤の溶融時の粘度を低く抑えることができる。
[亜鉛塩]
本実施形態の接着剤組成物は、亜鉛の有機酸塩および無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩を含む。接着剤組成物の接着性をより向上させる観点から、亜鉛の有機酸塩を用いることが好ましい。亜鉛の有機酸塩は、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、ギ酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、および乳酸亜鉛から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。中でも、得られる接着剤組成物の接着性と溶剤溶解性とを良好なバランスで改善する観点から、酢酸亜鉛または硝酸亜鉛が好ましく用いられる。
本実施形態の接着剤組成物は、亜鉛の有機酸塩および無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩を含む。接着剤組成物の接着性をより向上させる観点から、亜鉛の有機酸塩を用いることが好ましい。亜鉛の有機酸塩は、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、ギ酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、および乳酸亜鉛から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。中でも、得られる接着剤組成物の接着性と溶剤溶解性とを良好なバランスで改善する観点から、酢酸亜鉛または硝酸亜鉛が好ましく用いられる。
接着剤組成物中の亜鉛塩の含有量は、接着剤組成物の固形分全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。亜鉛塩を上記範囲の量で用いることにより、優れた接着性を有するとともに、湿式摩擦材用接着剤として使用するのに適切な溶剤溶解性を有する接着剤組成物を得ることができる。
本実施形態の接着剤組成物は、上記成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、ニトリルブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴム等のエラストマー、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、シランカップリング剤等の添加剤を加えてもよい。
実施形態の接着剤組成物は、従来の接着剤に使用されていたニッケルやコバルトといった環境負荷の高い物質を実質的に含まない。このような接着剤組成物は、これを用いて作製される摩擦板の制動時に発生する摩耗粉に環境負荷の高い物質が含まれないため、環境汚染の虞がない。
本実施形態に係る接着剤組成物は、上述した成分を、公知の方法により混合することにより得られる。接着剤組成物は、取扱い性の観点から、有機溶媒に溶解された溶液形態で提供されてもよい。有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶媒、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒及びこれらの混合物が挙げられる。
本実施形態の接着剤組成物は、上記成分を含むことにより、優れた接着性を有するとともに、溶剤溶解性に優れる。本実施形態の接着剤組成物は、溶解性の指標としてのメタノールトレランス(25℃)が1000%以上である。そのため、使用時の作業性および塗工性に優れる。なお、メタノールトレランスの値が高いほど、メタノールに対する溶解性が高いことを示し、湿式摩擦材用接着剤の用途においては、湿式摩擦材用接着剤の用途においては、100%以上が求められる。
なお、メタノールトレランスは、以下のようにして測定できる。
まず、500mlのメスシリンダーに10mlの接着剤組成物を測り取り、25℃に保ち撹拌しながら、徐々にメタノールを添加して行う。接着剤組成物とメタノールの混合溶液が白濁した時点のメタノールの添加量(体積)から次式により算出する。
メタノールトレランス(%)=(メタノール添加量(ml)/接着剤組成物10ml)×100
なお、メタノールトレランスは、以下のようにして測定できる。
まず、500mlのメスシリンダーに10mlの接着剤組成物を測り取り、25℃に保ち撹拌しながら、徐々にメタノールを添加して行う。接着剤組成物とメタノールの混合溶液が白濁した時点のメタノールの添加量(体積)から次式により算出する。
メタノールトレランス(%)=(メタノール添加量(ml)/接着剤組成物10ml)×100
また、本実施形態の接着剤組成物の粘度は、300mPa以上、10000mPa以下であることが好ましく、450mPa以上、8000mPa以下であることがより好ましい。かかる数値範囲とすることにより、高い接着強度を保持しつつ、作業性、塗工性を向上できる。
なお、粘度は、JIS Z8803に準拠して、E型粘度計(東機産業社製)を用いて測定される。
なお、粘度は、JIS Z8803に準拠して、E型粘度計(東機産業社製)を用いて測定される。
本実施形態の接着剤組成物は、湿式摩擦板を作製するために好適に使用される。湿式摩擦板は、金属基材(鋼板)と摩擦板とを、本実施形態の接着剤組成物を用いて接着することにより作製できる。このようにして得られた湿式摩擦板は、摩擦板と金属基材とが強固に接着され、また耐熱性に優れる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
[レゾール型フェノール樹脂の合成]
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、フェノール100重量部、37%ホルマリン水溶液117重量部(F/Pモル比=1.2)、30%アンモニア水溶液4重量部を添加し、還流条件下で40分間反応させた。その後、91kPaの減圧条件下で脱水を行いながら系内の温度が70℃に達したところでメタノールを20重量部加えて、80℃で1時間反応させた。次いで、メタノールを80重量部を加えることにより、不揮発分50%のレゾール型フェノール樹脂を得た。
[レゾール型フェノール樹脂の合成]
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、フェノール100重量部、37%ホルマリン水溶液117重量部(F/Pモル比=1.2)、30%アンモニア水溶液4重量部を添加し、還流条件下で40分間反応させた。その後、91kPaの減圧条件下で脱水を行いながら系内の温度が70℃に達したところでメタノールを20重量部加えて、80℃で1時間反応させた。次いで、メタノールを80重量部を加えることにより、不揮発分50%のレゾール型フェノール樹脂を得た。
得られたレゾール型フェノール樹脂100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)13重量部と、酢酸亜鉛を0.5重量部と、メタノール15重量部を溶解させて混合し、固形分全体に対して酢酸亜鉛を1質量%含む湿式摩擦材用接着剤組成物を得た。
<比較例1>
得られたレゾール型フェノール樹脂100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)12重量部と、メタノール12重量部を溶解させて混合し、湿式摩擦材用接着剤組成物を得た。
得られたレゾール型フェノール樹脂100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)12重量部と、メタノール12重量部を溶解させて混合し、湿式摩擦材用接着剤組成物を得た。
実施例および比較例で得られた接着剤組成物を用いて、以下の評価を行った。
・接着剤組成物の溶剤への溶解性:溶剤への溶解度は、メタノールトレランスを測定することにより行った。メタノールトレランスは、500mlのメスシリンダーに10mlの接着剤組成物を測り取り、25℃に保ち撹拌しながら、徐々にメタノールを添加して行った。接着剤組成物とメタノールの混合溶液が白濁した時点のメタノールの添加量(体積)から次式により算出した。
メタノールトレランス(%)=(メタノール添加量(ml)/接着剤組成物(10ml))×100
メタノールトレランス(%)=(メタノール添加量(ml)/接着剤組成物(10ml))×100
・粘度:JIS Z8803に準拠して、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、接着剤組成物の粘度を測定した。結果を表1に示す。
・接着強度(非剥離面積率):酸洗鋼板に、上述の接着剤組成物を塗布し、アラミド基材にフェノール樹脂を含浸・硬化させて作製した含浸紙を熱プレス(250℃、10MPa)で接着し、90℃折り曲げた時に接着面が剥離していない面積を測定し、折り曲げる前の接着面積に対する割合(%)を算出した。結果を表1に示す。
・作業性:接着剤組成物をステンレスバットに入れ、メタノールでステンレスバットを洗浄した際の洗浄作業性を、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
◎:洗浄作業性が非常に良好。
○:洗浄作業性が良好。
×:ステンレスバット内に付着物が見られ洗浄性が悪かった。
◎:洗浄作業性が非常に良好。
○:洗浄作業性が良好。
×:ステンレスバット内に付着物が見られ洗浄性が悪かった。
実施例の接着剤組成物は、高い接着強度を有するとともに、作業性においても優れており、湿式摩擦材用の接着剤として好適に使用できるものであった。
Claims (5)
- レゾール型フェノール樹脂と、
ポリビニルブチラールと、
亜鉛の有機酸塩および無機酸塩から選択される少なくとも1つの亜鉛塩と、を含む湿式摩擦材用接着剤組成物。 - 前記亜鉛塩が亜鉛の有機酸塩であり、
前記亜鉛の有機酸塩が、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、ギ酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、および乳酸亜鉛から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の湿式摩擦材用接着剤組成物。 - 前記亜鉛塩が、湿式摩擦材用接着剤組成物の固形分全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下の量である、請求項1または2に記載の湿式摩擦材用接着剤組成物。
- ニッケルおよびコバルトのいずれも実質的に含まない、請求項1〜3のいずれかに記載の湿式摩擦材用接着剤組成物。
- メタノールトレランス(25℃)が1000%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の湿式摩擦材用接着剤組成物。
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JP2018195685A JP2020063360A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 湿式摩擦材用接着剤組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7351439B1 (ja) * | 2022-04-05 | 2023-09-27 | 住友ベークライト株式会社 | 湿式摩擦材用接着剤組成物および湿式摩擦板 |
WO2023195481A1 (ja) * | 2022-04-05 | 2023-10-12 | 住友ベークライト株式会社 | 湿式摩擦材用接着剤組成物および湿式摩擦板 |
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