以下、この発明の実施形態のいくつかを、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、高さ方向を第1方向Zとし、第1方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を第2方向Xとし、第1方向Z及び第2方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第3方向Yとする。また、各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
<発電機能付発光装置>
図1は、第1実施形態に係る発電機能付発光装置の一例を示す模式断面図である。図2は、第1実施形態に係る発電機能付発光装置の一例を分解して示した模式分解断面図である。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る発電機能付発光装置(以下、発光装置と略記)200は、LED(Light Emitting Diode)素子210と、熱電素子1と、を有する。LED素子210は、電気エネルギーを光エネルギーに変換する。熱電素子1は、LED素子210から放出された熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。発光装置200では、熱伝導性LED基板220を、さらに含む。
<<熱伝導性LED基板:220>>
熱伝導性LED基板220は、熱伝導性ベース221と、第1基板配線222aと、第2基板配線222bと、第3基板配線222cと、第4基板配線222dと、を含む。熱伝導性ベース221には、熱伝導度が高い材料が用いられる。材料の例としては、アルミニウム、銅、又はアルミニウムと銅との合金等を挙げることができる。熱伝導性ベース221の第1方向Zに沿った厚さは、例えば1mm以上10mm以下である。熱伝導性ベース221は、搭載面221aと、開放面221bとを有する。開放面221bは、搭載面221aと対向する。第1〜第4基板配線222a、222b、222c、及び222dのそれぞれは、熱伝導性ベース221の搭載面221a上に、熱伝導性ベース221と電気的に絶縁されて設けられている。例えば、熱伝導性ベース221の搭載面221a上には、絶縁物223が設けられている。第1〜第4基板配線222a、222b、222c、及び222dのそれぞれは、例えば、絶縁物223上に設けられている。これにより、第1〜第4基板配線222a、222b、222c、及び222bのそれぞれは、熱伝導性ベース221と電気的に絶縁される。絶縁物223の材料の例としては、耐熱性が良い絶縁性セラミック、又は耐熱性が良い絶縁性樹脂等を挙げることができる。絶縁性セラミックの一例は、アルミニウム酸化物である。絶縁性樹脂の例は、エポキシ樹脂、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)、又はPEI(Poly Ether Imide)等である。
なお、熱伝導性LED基板220には、周知のものを使用することができる。
熱伝導性ベース221は、スペース221hを有し、スペース221h内に熱電素子1が設けられる。スペース221hは、搭載面221aに対して凹状に形成されるほか、例えば側面に対して凹状に形成されてもよい。
熱伝導性ベース221の形状は、用途に応じて任意に設定できる。熱伝導性ベース221の形状は、平板状のほか、例えば第1方向Zに沿って延びるフィンを有してもよい。スペース221hの形状は、熱電素子1が1つ以上設けられる形状であれば任意であり、例えば四角形状に形成される。
熱伝導性ベース221は、例えば図21に示すように、一部にスペース221hを有した平板部221sと、平板部221s下に設けられたフィン部221fとを接合した形状でもよい。この場合、スペース221hは、少なくとも平板部221sに形成され、平板部221sからフィン部221fの一部まで形成されてもよい。
熱伝導性LED基板220は、例えば、第1中間配線224aと、第2中間配線224bと、を含む。第1中間配線224aは、第3基板配線222c、及び熱電素子1の第1外部筐体端子101と電気的に接続される。第2中間配線224bは、第4基板配線222d、及び熱電素子1の第2外部筐体端子102と電気的に接続される。
第1、第2中間配線224a及び224bは、例えば絶縁物223を第1方向Zに沿って貫通する。第1、第2中間配線224a及び224bは、例えば絶縁物223を貫通する部分を、第3、第4基板配線222c及び222dと一体に形成されてもよい。この場合、絶縁物223からスペース221hに露出する部分に、第1、第2外部筐体端子101及び102の何れかと接続する第1、第2中間配線224a及び224bを取り付けてもよい。第1、第2中間配線224a及び224bとして、導電性材料が用いられ、例えば絶縁被膜に覆われた銅線が用いられる。
第1、第2中間配線224a及び224bの形状は、熱伝導性ベース221と電気的に離間する大きさであれば任意である。第1、第2中間配線224a及び224bを設けることで、LED素子210から放出された熱エネルギーが、熱電素子1に伝達され易くなる。このため、LED素子210と、熱電素子1との間に絶縁物223が設けられる場合においても、熱電素子1の発電効率を向上させることが可能となる。
<<LED素子:210>>
LED素子210は、第1、第2基板配線222a及び222bと電気的に接続されている。LED素子210は、熱伝導性ベース221上に、1つ以上設けられる。
LED素子210は、LEDチップ211と、パッケージ基板212と、リフレクタ213と、透光性封入樹脂214と、第1電極配線215aと、第2電極配線215bと、を含む。LED素子210は、LEDパッケージである。
LEDチップ211は、パッケージ基板212上に設けられている。リフレクタ213はパッケージ基板212上に設けられ、LEDチップ211の周囲を囲む。透光性封入樹脂214は、LEDチップ211を封入する。LED素子210が白色LEDの場合、少なくとも1つの単色のLEDチップ211が、パッケージ基板212を底とし、リフレクタ213を壁としつつ、透光性封入樹脂214によって封入される。白色LEDの場合、透光性封入樹脂214には、蛍光体が分散される。また、LED素子210がフルカラーLEDの場合、赤、緑、青(RGB)のそれぞれに対応した少なくとも3つのLEDチップ211が、パッケージ基板212を底とし、リフレクタ213を壁としつつ、透光性封入樹脂214によって封入される。フルカラーLEDの場合、透光性封入樹脂214には、蛍光体が分散されなくてもよい。第1電極配線215aは、パッケージ基板212上に設けられている。第1電極配線215aは、LEDチップ211の、例えば、アノード(A)を、リフレクタ213及び透光性封入樹脂214の外へ導出する。第1電極配線215aは、第1基板配線222aと電気的に接続される。第2電極配線215bは、パッケージ基板212上に設けられている。第2電極配線215bは、LEDチップ211の、例えばカソード(K)を、リフレクタ213及び透光性封入樹脂214の外へ導出する。第2電極配線215bは、第2基板配線222bと電気的に接続される。
なお、LED素子210には、周知のものを使用することができる。
<<電源回路:300>>
発光装置200では、例えば図22に示す電源回路300を、さらに含む。電源回路300は、外部入力電力Pin、及び補助入力電力Pinaのそれぞれの入力が可能に構成される。外部入力電力Pinは、発光装置200の外部から供給される電力である。外部入力電力Pinは、外部電源、例えば、商用電源310から供給される。商用電源310は、電池であってもよい。補助入力電力Pinaは、例えば第3、第4基板配線222c及び222d、並びに第1、第2中間配線224a及び224bを介して、熱電素子1から供給される。電源回路300は、外部入力電力Pin及び補助入力電力PinaのそれぞれをLED入力電力Poutに変換し、LED入力電力PoutをLED素子210へ出力する。
電源回路300は、回路基板320と、電子部品330と、を含む。電子部品330は、回路基板320上に設けられる。電子部品330は、電源回路300を構成する回路素子である。回路素子の例としては、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード、トランジスタ、トランス、及びレギュレータ等を挙げることができる。なお、電子部品330は、例えば、回路基板320の表面及び裏面のそれぞれを利用して、回路基板320上に設けられることがある。
<<熱電素子:1>>
熱電素子1は、第1、第2中間配線224a及び224bを介して、第3、第4基板配線222c及び222dと電気的に接続される。熱電素子1は、熱伝導性ベース221内に設けられる。熱電素子1は、熱伝導性ベース221と電気的に絶縁され、熱伝導性ベース221及び絶縁物223の少なくとも何れかと熱的に接続されている。熱電素子1は、熱伝導性ベース221のスペース221h内に1つ以上設けられ、例えば第1方向Zに沿って2つ以上積層されてもよい。
図3(a)及び図3(b)は、熱電素子の一例を示す模式図である。図3(a)に示す模式断面は、図3(b)中のIIIA−IIIA線に沿う。図3(b)に示す模式断面は、図3(a)中のIIIB−IIIB線に沿う。図4は、接合の一例を示す模式断面図である。図4は、図3(a)に示す模式断面に対応する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、熱電素子1は、筐体部10と、第1電極部11と、第2電極部12と、中間部14と、を含む。筐体部10は、スペース221h内の底面上に、例えば、接着部材30によって接着される(図2)ほか、例えばはんだ等のろう材によって固着される。なお、筐体部10は、例えばスペース221h上に設けられる絶縁物223に接着又は固着されてもよい。熱電素子1の第1方向Zに沿った厚さTzは、約20μm〜約6mmである(図2)。
筐体部10は、熱電素子1では、第1基板10aと、第2基板10bと、を含む。第1、第2基板10a及び10bのそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば10μm以上2mm以下である。第1、第2基板10a及び10bのそれぞれの材料としては、絶縁性を有する板状の材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、石英、パイレックス(登録商標)等のガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。第1、第2基板10a及び10bは、薄板状であるほか、例えばフレキシブルなフィルム状でもよい。例えば、第1、第2基板10a又は10bを、フレキシブルなフィルム状とする場合には、例えばPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、及びポリイミド等を用いることができる。また、第1、第2基板10a及び10bは、絶縁性でなくてもよい。半導体基板や金属基板の表面を、例えば、絶縁膜によって被覆してもよい。このような絶縁被膜付基板としては、例えば、シリコン(Si)基板の表面に、シリコン酸化物(例えば、SiO2)膜を形成したものを挙げることができる。
第1基板10aは、例えば、第1支持部13aを含む。第1支持部13aは、第1基板10aから第1方向Zに沿って第2基板10bに向かって延びる。第1支持部13aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。第2基板10bは、例えば、第2支持部13bを含む。第2支持部13bは、第2基板10bから第1方向Zに沿って第1基板10aに向かって延びる。第2支持部13bの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。第1、第2支持部13a及び13bのそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば10nm以上10μm以下である。第2支持部13bと、第1支持部13aとは、例えば、2つのスリット17a及び17bを介して離れている。
第1、第2支持部13a及び13bは、それぞれ、第1、第2基板10a及び10bと一体に設けられてもよいし、別々に設けられてもよい。一体に設ける場合、第1、第2支持部13a及び13bのそれぞれの材料は、第1、第2基板10a及び10bと同じ材料となる。別々に設ける場合、第1、第2支持部13a及び13bの材料の例としては、シリコン酸化物、及びポリマー等を挙げることができる。ポリマーの例としては、ポリイミド、PMMA(Polymethyl methacrylate)、及びポリスチレン等を挙げることができる。
スリット17a及び17bは、それぞれ、封止部材31a及び31bによって封止される。封止部材31a及び31bは、一体であってもよい。この場合、封止部材31aと封止部材31bとは、1つの封止部材31となり、第1、第2支持部13a及び13bのそれぞれの外側面に沿って、環状に設けられる。封止部材31a及び31bの材料の例としては、絶縁性樹脂を挙げることができる。絶縁性樹脂の例としては、フッ素系絶縁性樹脂を挙げることができる。
第1電極部11は、収容部10d内に設けられる。第1電極部11は、熱電素子1では、第1基板10a上に設けられる。第2電極部12は、収容部10d内に設けられる。第2電極部12は、熱電素子1では、第2基板10b上に設けられる。第1電極部11と、第2電極部12とは、1対の平行平板型電極対を構成する。熱電素子1は、平行平板型熱電素子である。
熱電素子1では、第1電極部11は、例えば白金(仕事関数:約5.65eV)を含む。第2電極部12は、例えばタングステン(仕事関数:約4.55eV)を含む。仕事関数が大きい電極部はアノードA(コレクタ電極)として機能し、仕事関数が小さい電極部はカソードK(エミッタ電極)として機能する。熱電素子1では、第1電極部11がアノードAであり、第2電極部12がカソードKである。このような熱電素子1では、仕事関数差を有する第1電極部11と第2電極部12との間に発生する、絶対温度による電子放出現象が利用される。このため、熱電素子1は、第1電極部11と第2電極部12との温度差が小さい場合であっても、熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる。さらに、熱電素子1は、第1電極部11と第2電極部12との間に温度差がない場合であっても、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。なお、第1電極部11をカソードKとし、第2電極部12をアノードAとしてもよい。
第1、第2電極部11及び12のそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば1nm以上1μm以下である。より好ましくは、1nm以上50nm以下である。第1、第2電極部11及び12のそれぞれの材料は、例えば、以下に示す金属から選ぶことができる。
白金(Pt)
タングステン(W)
アルミニウム(Al)
チタン(Ti)
ニオブ(Nb)
モリブデン(Mo)
タンタル(Ta)
レニウム(Re)
熱電素子1では、第1電極部11と第2電極部12との間に仕事関数差が生じればよい。したがって、第1電極部11及び12の材料には、上記以外の金属を選ぶことが可能である。また、第1、第2電極部11及び12の材料には、上記金属の他、合金、金属間化合物、及び金属化合物を選ぶことも可能である。金属化合物は、金属元素と非金属元素とが化合したものである。金属化合物の例としては、例えば六ホウ化ランタン(LaB6)を挙げることができる。
第1、第2電極部11及び12の材料として、非金属導電物を選ぶことも可能である。非金属導電物の例としては、シリコン(Si:例えばp型Si、あるいはn型Si)、及びグラフェン等のカーボン系材料等を挙げることができる。
第1、第2電極部11及び第2電極部12の材料として、高融点金属(refractory metal)以外の材料を選ぶと、以下に説明される利点を、さらに得ることができる。本明細書において、高融点金属は、例えば、W、Nb、Mo、Ta、及びReとする。第1電極部(アノードA)11に、例えばPtを用いた場合、第2電極部(カソードK)12には、Al、Si、Ti、及びLaB6の少なくとも1つを用いることが好ましい。
例えば、Al及びTiの融点は、上記高融点金属より低い。したがって、Al及びTiのそれぞれからは、上記高融点金属に比較して、加工しやすい、という利点を得ることができる。
例えば、Siは、上記高融点金属に比較して、その形成が、さらに容易である。したがって、Siからは、上記加工のしやすさに加え、熱電素子1の生産性がより向上する、という利点を、さらに得ることができる。
例えば、LaB6の融点は、Ti及びNbより高い。しかし、LaB6の融点は、W、Mo、Ta、及びReより低い。LaB6は、W、Mo、Ta、及びReに比較して加工しやすい。しかも、LaB6の仕事関数は、約2.5〜2.7eVである。LaB6は、上記高融点金属に比較して電子を放出させやすい。したがって、LaB6からは、熱電素子1の発電効率の更なる向上が可能、という利点を、さらに得ることができる。
なお、第1電極部11、及び第2電極部12のそれぞれの構造は、上記材料を含む単層構造の他、上記材料を含む積層構造とされてもよい。
熱電素子1は、第1接続配線15aと、第2接続配線16aと、を、さらに含む。
第1接続配線15aは、収容部10d内において、第1電極部11と電気的に接続されている。これにより、第1電極部11と第1接続配線15aとの第1電気的接点11aは、収容部10d内に設けられる。第1支持部13aの基板接合面13aa上において、第1接続配線15aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。これは、第1支持部13aの平面形状と、ほぼ同じである。第1接続配線15aは、第1支持部13aと、第2基板10bとの間において、第1接合金属18aと接合される。第1接合金属18aは、第2基板10b上に設けられている。第1接合金属18aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。これは、基板接合面13aa上における第1接続配線15aの平面形状と、ほぼ同じである。
第2接続配線16aは、収容部10d内において、第2電極部12と電気的に接続されている。これにより、第2電極部12と第2接続配線16aとの第2電気的接点12aは、収容部10d内に設けられる。第2支持部13bの基板接合面13ba上において、第2接続配線16aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。これは、第2支持部13bの平面形状と、ほぼ同じである。第2接続配線16aは、第2支持部13bと、第1基板10aとの間において、第2接合金属18bと接合される。第2接合金属18bは、第1基板10a上に設けられている。第2接合金属18bの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。これは、基板接合面13ba上における第2接続配線16aの平面形状と、ほぼ同じである。
第1、第2接合金属18a及び18bは、第1、第2接続配線15a及び16aと接合可能な、例えば、金属を含む。これにより、例えば、図4に示すように、第2基板10bは、第1接続配線15aと第1接合金属18aとの接合、並びに第2接続配線16aと第2接合金属18bとの接合によって、第1基板10aと接合することができる。そして、筐体部10には、収容部10dが得られる。第1、第2接続配線15a及び16a、並びに第1、第2接合金属18a及び18bのそれぞれに、例えば、Auを用いた場合には、第1、第2接続配線15a及び16aを、それぞれ、第1、第2接合金属18a及び18bと熱圧着によって接合することができる。第1、第2接続配線15a及び16a、並びに第1、第2接合金属18a及び18bのそれぞれには、金以外にも、例えば、熱圧着、共晶接合等が可能な金属、又は合金であれば用いることができる。
なお、第1、第2接続配線15a及び16a、並びに第1、第2接合金属18a及び18bのそれぞれに用いた金属、又は合金の仕事関数は、第1電極部11の仕事関数と、第2電極部12の仕事関数との間にあることが、例えば、発電効率の低下を抑制する観点から好ましい。また、共晶接合等、金属どうしの接合によって、接合部分に金属間化合物が生成される場合には、生成された金属間化合物の仕事関数についても、第1電極部11の仕事関数と、第2電極部12の仕事関数との間にあることが好ましい。
第1接続配線15aは、第1支持部13aの内側面上、基板接合面13aa上、及び第1支持部13aの外側面上のそれぞれに、さらに設けられている。第1接続配線15aは、第1電極部11を収容部10dの外に導出する。第2接続配線16aは、第2支持部13bの内側面上、及び基板接合面13aa上のそれぞれに、さらに設けられている。第2接続配線16aは、第2電極部12を収容部10dの外に導出する。
第1基板10aは、第1主面10afと、第2主面10abと、を有する。第2主面10abは、第1主面10afと対向する。第1外部筐体端子101及び第2外部筐体端子102のそれぞれは、第1基板10aの第1主面10af上に設けられている。第1外部筐体端子101は、第1接続配線15aと電気的に接続されている。第2外部筐体端子102は、第2接続配線16aと電気的に接続されている。第1主面10afは、例えば、第1、第2支持部13a及び13bのそれぞれから外側に張り出した部分を有する。第1外部筐体端子101は、例えば、第1主面10afの第1支持部13aから外側に張り出し部分に設けられる。第2外部筐体端子102は、例えば、第1主面10afの第2支持部13bから外側に張り出した部分に設けられる。熱電素子1では、第1外部筐体端子101は、第1接続配線15aのパターンを利用し、第1接続配線15aと同じ導電物で得ている。また、第2外部筐体端子102は、第2接合金属18bのパターンを利用し、第2接合金属18bと同じ導電物で得ている。
図5(a)は、中間部14の一例を示す模式断面図である。図5(b)は、中間部14の他の例を示す模式断面図である。
図5(a)に示すように、中間部14は、収容部10d内の、第1電極部11と第2電極部12との間に設けられている。中間部14は、第1電極部11の仕事関数と第2電極部12の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む。中間部14は、例えば、第2電極部(カソードK)12から放出された電子を、第1電極部(アノードA)11へと移動させる部分である。
第1電極部11と第2電極部12との間には、第1方向Zに沿って電極間ギャップGが設定される。熱電素子1では、電極間ギャップGは、第1、第2支持部13a及び13bのそれぞれの第1方向Zに沿った厚さによって設定される。電極間ギャップGの幅の一例は、例えば、10μm以下の有限値である。電極間ギャップGの幅は狭いほど、電子eを第2電極部(カソードK)12から効率よく放出させることができ、かつ、第2電極部12から第1電極部(アノードA)11へ、効率よく移動させることができる。このため、熱電素子1の発電効率が向上する。また、電極間ギャップGの幅は狭いほど、熱電素子1の第1方向Zに沿った厚さを薄くできる。このため、例えば、電極間ギャップGの幅は狭い方がよい。電極間ギャップGの幅は、例えば、10nm以上100nm以下であることがより好ましい。なお、電極間ギャップGの幅と、第1支持部13a〜第3支持部13cの、第1方向Zに沿った厚さとは、ほぼ等価である。
中間部14は、例えば、複数のナノ粒子141と、溶媒142と、を含む。複数のナノ粒子141は、溶媒142内に分散されている。中間部14は、例えば、ナノ粒子141が分散された溶媒142を、ギャップ部140内に充填することで得られる。ナノ粒子141の粒子径は、電極間ギャップGよりも小さい。ナノ粒子141の粒子径は、例えば、電極間ギャップGの1/10以下の有限値とされる。ナノ粒子141の粒子径を、電極間ギャップGの1/10以下とすると、ギャップ部140内に、ナノ粒子141を含む中間部14を形成しやすくなる。これにより、熱電素子1の生産に際し、作業性が向上する。
ナノ粒子141は、例えば導電物を含む。ナノ粒子141の仕事関数の値は、例えば、第1電極部11の仕事関数の値と、第2電極部12の仕事関数の値との間にある。例えば、ナノ粒子141の仕事関数の値は、3.0eV以上5.5eV以下の範囲とされる。これにより、中間部14に放出された電子eを、ナノ粒子141を介して、例えば、第2電極部12から第1電極部11へと移動させることができる。これにより、中間部14内にナノ粒子141がない場合に比較して、電気エネルギーの発生量を、さらに増加させることが可能となる。
ナノ粒子141の材料の例としては、金及び銀の少なくとも1つを選ぶことができる。なお、ナノ粒子141の仕事関数の値は、第1電極部11の仕事関数の値と、第2電極部12の仕事関数の値との間にあればよい。したがって、ナノ粒子141の材料には、金及び銀以外の導電性材料を選ぶことも可能である。
ナノ粒子141の粒子径は、例えば、電極間ギャップGの1/10以下の有限値とされる。具体的には、ナノ粒子141の粒子径は、2nm以上10nm以下である。また、ナノ粒子141は、例えば、平均粒径(例えばD50)3nm以上8nm以下の粒子径を有してもよい。平均粒径は、例えば粒度分布計測器を用いることで、測定することができる。粒度分布計測器としては、例えば、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII-EX150等)を用いればよい。
ナノ粒子141は、その表面に、例えば絶縁膜141aを有する。絶縁膜141aの材料の例としては、絶縁性金属化合物及び絶縁性有機化合物の少なくとも1つを選ぶことができる。絶縁性金属化合物の例としては、例えば、シリコン酸化物及びアルミナ等を挙げることができる。絶縁性有機化合物の例としては、アルカンチオール(例えばドデカンチオール)等を挙げることができる。絶縁膜141aの厚さは、例えば20nm以下の有限値である。このような絶縁膜141aをナノ粒子141の表面に設けておくと、電子eは、例えば、第2電極部(カソードK)12とナノ粒子141との間、並びにナノ粒子141と第1電極部(アノードA)11との間を、トンネル効果を利用して移動できる。このため、例えば、熱電素子1の発電効率の向上が期待できる。
溶媒142には、例えば、沸点が60℃以上の液体を用いることができる。このため、室温(例えば15℃〜35℃)以上の環境下において、熱電素子1を用いた場合であっても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することができる。液体の例としては、有機溶媒及び水の少なくとも1つを選ぶことができる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、テトラデカン、及びアルカンチオール等を挙げることができる。なお、溶媒142は、電気的抵抗値が高く、絶縁性である液体がよい。
また、図5(b)に示すように、中間部14は、溶媒142を含まず、ナノ粒子141のみを含むようにしてもよい。中間部14が、ナノ粒子141のみを含むことで、例えば、熱電素子1を、高温環境下で用いる場合であっても、溶媒142の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温環境下における熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
<熱電素子1の動作>
熱エネルギーが熱電素子1に与えられると、例えば、第2電極部(カソードK)12から中間部14に向けて電子eが放出される。放出された電子eは、中間部14から第1電極部(アノードA)11へと移動する。電流は、第1電極部11から第2電極部12に向かって流れる。このようにして、熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。
このような発光装置200であると、熱電素子1は、筐体部10の収容部10d内に、第1電極部11と、第1電極部11とは異なった仕事関数を有する第2電極部12と、第1電極部11の仕事関数と第2電極部12の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子141を含む中間部14と、を含む。これにより、熱電素子1の中に温度差を生じさせなくても、熱電素子1は発電できる。よって、低温材料や、低温材料を冷やすチラーが不要となる。低温材料、及び低温材料を冷やすチラーが不要となる結果、発光装置200の製造コストの増大、及び発光装置200のサイズの大型化のそれぞれを抑制できる。
さらに、発光装置200によれば、以下のような利点を、さらに得ることができる。
(1)熱電素子1の筐体部10は、熱伝導性ベース221のスペース221h内に設ける。これにより、熱電素子1を搭載するエリアを、発光装置200に新たに確保せずに済み、発光装置200のサイズの増大を抑制できる。
(2)第1、第2電気的接点11a及び12aのそれぞれを、収容部10d内に設ける。これにより、熱電素子1を、熱伝導性ベース221のスペース221h内に形成するとき、第1、第2電気的接点11a及び12aが破断したり、損傷したりすることを抑制できる。これにより、発光装置200の製造条件を容易にすることができる。
(3)筐体部10は、第1主面10afと、第1主面10afと対向し、熱伝導性ベース221の開放面221bと向き合う第2主面10abと、を有する第1基板10aを含む。そして、第1、第2外部筐体端子101及び102のそれぞれを、第1基板10aの第1主面10af上に設ける。第1主面10afは、例えば、筐体部10の側面と比較して、第1、第2外部筐体端子101及び102のそれぞれに、広い面積を提供できる。また、筐体部10の側面と比較して、作業者による視認、あるいは作業ロボットによるワークポイントの抽出がしやすい。上記に加え、熱伝導性ベース221と、第1、第2外部筐体端子101及び102のそれぞれとを電気的に離間させることを、容易に実現することができる。これらにより、例えば、熱電素子1と、第3、第4基板配線222c及び222dとを接続する第1、第2中間配線224a及び224bを形成する工程を容易にすることができる。また、発光装置200が、電源回路300を、さらに備える場合には、熱電素子1と電源回路300との電気的な接続作業を容易化できる。
(4)電源回路300は、外部から供給される外部入力電力、及び熱電素子1から供給される補助入力電力のそれぞれをLED入力電力に変換してLED素子210へ出力する。これにより、発光装置200の消費電力を減らすことができる。また、第1、第2中間配線224a及び224b、並びに第3、第4基板配線222c及び222dを介して、電源回路300と熱電素子1とを電気的に接続することができる。このため、新たな配線等を形成する必要が無い。これにより、電源回路300の配置に伴う発光装置200のサイズの増大を抑制することが可能となる。
(第1実施形態:第1変形例)
次に、第1実施形態の第1変形例を説明する。第1変形例は、熱電素子の変形に関する。
図6(a)〜図6(c)は、第1変形例に係る熱電素子の一例を示す模式図である。図6(a)に示す模式断面は、図6(c)中のVIA−VIA線に沿う。図6(b)に示す模式断面は、図6(c)中のVIB−VIB線に沿う。図6(c)に示す模式断面は、図6(a)及び図6(b)中のVIC−VIC線に沿う。図7は、接合の一例を示す模式断面図である。
図7は、図6(b)に示す模式断面に対応する。
図6(a)〜図6(c)に示すように、第1変形例に係る熱電素子1bが、熱電素子1と異なるところは、第1電極部11の第1方向Zから見た平面形状、及び第2電極部12の第1方向Zから見た平面形状のそれぞれが、櫛歯型であることである。
第1、第2電極部11及び12のそれぞれの櫛歯部は、第3方向Yに沿って延びる。櫛歯の向きは、第1電極部11と第2電極部12とで、互いに反対である。第1電極部11の櫛歯部と、第2電極部12の櫛歯部とは、互いに離間しながら噛み合う。これにより、第1電極部11の櫛歯部と、第2電極部12の櫛歯部との間に、電極間ギャップGが規定される。熱電素子1bにおいて、電極間ギャップGが規定される方向は、第2方向X(電極間ギャップGx)と、第3方向Y(電極間ギャップGy)との2方向になる(図10(c))。
熱電素子には、平行平板型電極を持つ熱電素子1の他、櫛歯型電極を持つ熱電素子1bを用いることもできる。
熱電素子1bでは、第1、第2電極部11及び12を櫛歯型とするので、平行平板型の熱電素子1と比較して、LED素子210の熱による電極間ギャップGの変動が、より少なくなる。これにより、例えば、熱電素子1bは、熱電素子1と比較して、発電効率の微小な変動を抑制しやすい、という利点を、さらに得ることができる。
さらに、熱電素子1bにおいては、下記のさらなる工夫がなされている。
・筐体部10が、第1基板10aと、蓋体10cと、を含むこと
・第1電極部11、第2電極部12、第1接続配線15a、及び第2接続配線16aのそれぞれが、第1主面10af上に設けられていること
以下、熱電素子1bについて、より詳細に説明する。
蓋体10cは、第3支持部13cを含む。第3支持部13cは、蓋体10cから第1方向Zに沿って第1基板10aに向かって延びる。第3支持部13cの平面形状は、第1方向Zから見て、枠状である。蓋体10cは、第3支持部13cと、一体に設けられてもよいし、別々に設けられてもよい。
第1、第2電極部11及び12のそれぞれは、収容部10d内に設けられる。収容部10dは、第2方向X及び第3方向Yに広がる平面を蓋体10cによって囲み、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに沿って第3支持部13cによって囲むことで、筐体部10に得られる。
第1接続配線15aは、収容部10d内において、第1電極部11と電気的に接続されている。これにより、第1電極部11と第1接続配線15aとの第1電気的接点11aは、収容部10d内に設けられる。第2接続配線16aは、収容部10d内において、第2電極部12と電気的に接続されている。これにより、第2電極部12と第2接続配線16aとの第2電気的接点12aは、収容部10d内に設けられる。
第3支持部13cの基板接合面13ca上において、第1接続配線15aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。第1接続配線15aは、第3支持部13cと、第1基板10aとの間において、第1接合金属18aと接合される。第1接合金属18aは、蓋体10cの基板接合面13ca上に設けられている。第1接合金属18aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。これは、基板接合面13ca上における第1接続配線15aの平面形状と、ほぼ同じである。
第3支持部13cの基板接合面13ca上において、第2接続配線16aの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。第2接続配線16aは、第3支持部13cと、第1基板10aとの間において、第2接合金属18bと接合される。第2接合金属18bは、蓋体10cの基板接合面13ca上に設けられている。第2接合金属18bの平面形状は、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yのそれぞれに延在したL字状である。これは、基板接合面13ca上における第2接続配線16aの平面形状と、ほぼ同じである。
これにより、例えば、図7に示すように、蓋体10cは、第1接続配線15aと第1接合金属18aとの接合、並びに第2接続配線16aと第2接合金属18bとの接合によって、第1基板10aと接合することができる。そして、筐体部10には、収容部10dが得られる。
第1接続配線15aと、第2接続配線16aとは、第1主面10af上において、互いに接触しないようにスリット17a及び17bを介して離れている。第1、第2接合金属18a及び18bは、それぞれ、第1、第2接続配線15a及び16aと電気的に接続されることがある。このような場合には、図6(c)に示したように、第1接合金属18aと、第2接合金属18bとを、互いに接触しないように、スリット17a及び17bを介して離しておけばよい。これにより、第1、第2接合金属18a及び18bを介した、第1接続配線15aと、第2接続配線16aとの短絡を抑制することができる。
図8は、スリットの一例を示す模式断面図である。図8に示す模式断面は、図6(c)中のVIII−VIII線に沿う。
図8に示すように、スリット17a及び17bは、熱電素子1bに微小なすきま17cを生じさせる。このため、ギャップ部140に注入された溶媒142が、微小なすきまから漏れる可能性がある。そこで、図6(c)に示すように、第1基板10aと蓋体10cとの間に封止部材31a及び31bを設け、スリット17a及び17bを、それぞれ、封止部材31a及び31bで塞いでもよい。これにより、スリット17a及び17bを介した、溶媒142の漏れを抑制することができる。
熱電素子1bでは、さらに、第1電極部11と蓋体10cとの間に、第1方向Zに沿ったギャップGel1を設け、第2電極部12と蓋体10cとの間に、ギャップGel2を設けている。ギャップGel1及びGel2を設けることにより、蓋体10cと第1基板10aとの間にすきまを生じさせることなく、第1、第2電極部11及び12のそれぞれを、収容部10d内に収容することが可能となる。ギャップGel1の長さと、ギャップGel2の長さとは、互いに等しくなるように設定されてもよいし、互いに異なるように設定されてもよい。後者の場合は、例えば、第1電極部11の仕事関数と、第2電極部12の仕事関数との差を大きくするために、いずれか一方の電極部の表面に、コーティングや、表面改質等の表面処理が行われた場合に見られる。あるいは、互いに材料が異なる第1電極部11と、第2電極部12とを、1つのエッチング工程によって、同時に形成した場合に見られる。
図9(a)及び図9(b)は、溶媒注入の一例を示す模式断面図である。図9(a)に示す模式断面は、図6(a)に示す模式断面に対応する。図9(b)に示す模式断面は、図6(b)に示す模式断面に対応する。
図9(a)及び図9(b)に示すように、蓋体10cには、第1充填孔71a及び第2充填孔71bを設けることもできる。第1、第2充填孔71a及び71bは、例えば、ギャップ部140内への溶媒142の注入に利用される。溶媒142の注入に、第1、第2充填孔71a及び71bを利用するとき、ギャップGel1及びGel2がギャップ部140内にあると、溶媒142が、ギャップGel1及びGel2を介して、第1電極部11と第2電極部12との間に廻り込むようになる。これにより、第1電極部11と第2電極部12との間に、溶媒142を充填しやすくなる、という利点を得ることができる。
溶媒142は、例えば、第1充填孔71aから、ギャップ部140内へ注入される。このとき、もう1つの第2充填孔71bは、例えば、エア抜きの孔として利用される。また、第2充填孔71bを介して、ギャップ部140内を真空引きしながら、第1充填孔71aから溶媒142を注入してもよい。
第1変形例ように、熱電素子には、平行平板型電極を持つ熱電素子1の他、櫛歯型電極を持つ熱電素子1bを用いることもできる。
(第1実施形態:第2変形例)
第2変形例は、発光装置の変形に関する。
図10は、第2変形例に係る発光装置の一例を示す模式平面図である。
図10に示すように、第2変形例に係る発光装置200bは、熱伝導性ベース221を含む。熱伝導性ベース221の第1方向Zから見た平面形状は、円形である。円形の熱伝導性ベース221上には、複数のLED素子210が、例えば、環状に配置されている。配置されるLED素子210の数は、任意である。また、LEDの配置パターンは、環状に限らず、任意である。
第2変形例のように、熱伝導性ベースには、平面形状が円形である熱伝導性ベース221を用いることもできる。
(第1実施形態:第3変形例)
第3変形例は、発光装置の変形に関する。
図11は、第3変形例に係る発光装置の一例を示す模式平面図である。
図11に示すように、第3変形例に係る発光装置200cは、熱伝導性ベース221を含む。熱伝導性ベース221の第1方向Zから見た平面形状は、矩形である。矩形の熱伝導性ベース221上には、複数のLED素子210が、例えば、行列に配置されている。例えば、発光装置200cでは、複数のLED素子210が、2ロウ×4カラムに配置されている。第2変形例においても、配置されるLED素子210の数は、任意である。また、LEDの配置パターンは、2ロウ×4カラムに環状に限られることはない。
第3変形例のように、熱伝導性ベースには、平面形状が矩形である熱伝導性ベース221を用いることもできる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態に係る発光装置を備えた照明装置の例に関する。
(第2実施形態:第1例)
図12(a)は、第2実施形態に係る照明装置の第1例を示す模式図である。図12(b)は、第2実施形態に係る照明装置の第1例の一部を透視して示した模式図である。
図12(a)及び図12(b)に示すように、第1例に係る照明装置は、電球型LEDランプ400である。電球型LEDランプ400は、発光装置200と、ヒートシンク401と、透光性カバー402と、口金部403と、を含む。
発光装置200は、電球型LEDランプ400の光源として使用される。発光装置200は、LED素子210と、熱伝導性LED基板220と、熱電素子1と、電源回路300と、を含む。LED素子210は、熱伝導性LED基板220の搭載面221a上に設けられた基板配線(図示せず)と電気的に接続されている。熱電素子1は、熱伝導性LED基板220の熱伝導性ベース221内に設けられている。熱電素子1は、図示せぬ基板配線と電気的に接続される。熱電素子1は、熱伝導性LED基板220の熱伝導性ベース221と電気的に絶縁され、例えば熱伝導性ベース221と熱的に結合されている。電源回路300は、外部から供給される外部入力電力、及び熱電素子1から供給される補助入力電力のそれぞれの入力が可能である。電源回路300は、外部入力電力及び補助入力電力のそれぞれをLED入力電力に変換し、LED素子210へ出力する。
ヒートシンク401は、開放面221b上に設けられている。ヒートシンク401は、熱伝導性ベース221と電気的に絶縁され、熱伝導性ベース221と熱的に結合されている。ヒートシンク401は、例えば、筒状であり、内部に空洞部401aを有する。電源回路300は、空洞部401a内に収容される。熱電素子1は、熱伝導性ベース221内に設けられる。熱電素子1は、図1に示した第1、第2中間配線224a及び224b、第3、第4基板配線222c及び222d、並びに空洞部401a内に配線された図示せぬリード線を介して、電源回路300と電気的に接続されている。これにより、熱電素子1は、電源回路300へ、補助入力電力を供給する。同様に、LED素子210も、第1、第2基板配線222a及び222b、並びに空洞部401a内に配線された図示せぬリード線を介して、電源回路300と電気的に接続されている。これにより、電源回路300は、LED素子210へ、LED入力電力を供給する。
透光性カバー402は、ヒートシンク401上に設けられ、発光装置200を収容する。
口金部403は、ヒートシンク401の、発光装置200の取付側とは反対側の部分に設けられている。口金部403は、図示せぬソケットと着脱自在、かつ、電気的に接続可能である。口金部403は、ヒートシンク401と電気的に絶縁されている。口金部403は、電源回路300と、空洞部401a内に配線された図示せぬリード線を介して電気的に接続されている。これにより、口金部403は、電源回路300へ、外部入力電力を供給する。
このように、発光装置200は、例えば、電球型LEDランプ400に利用することができる。
(第2実施形態:第2例)
図13(a)は、第2実施形態に係る照明装置の第2例を示す模式図である。図13(b)は、図13(a)中のXIIIB−XIIIB線に沿う模式断面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、第2例に係る照明装置は、直管型LEDランプ400bである。直管型LEDランプ400bは、発光装置200と、ヒートシンク401と、透光性カバー402と、一対の口金部403a及び403bと、を含む。
直管型LEDランプ400bにおいても、ヒートシンク401は、開放面221b上に設けられている。直管型LEDランプ400bでは、電源回路300は、例えば、口金部403a及び403bの少なくとも1つ、あるいは空洞部401a内に収容される。熱電素子1は、熱伝導性ベース221内に設けられている。
このように、発光装置200は、例えば、直管型LEDランプ400bに利用することができる。
発光装置200を、照明装置の光源として使用した場合には、上述した実施形態の利点に加え、例えば、以下のような利点を得ることができる。
(1)電源回路300は、外部から供給される外部入力電力、及び熱電素子1から供給される補助入力電力のそれぞれをLED入力電力に変換してLED素子210へ出力する。これにより、照明装置の消費電力を減らすことができる。
(2)発光装置200が、照明装置に組み込まれた場合には、補助入力電力を、非常用電源として活用することも可能である。このような照明装置は、停電時において、無電源にて点灯させることが可能である。即ち、照明装置を、例えば、日本国消防法で定められた時間以上、無電源にて点灯させることもできる。これにより、発光装置は、避難通路等の非常照明や誘導灯の光源としても使用できる。しかも、停電時において、放電可能な時間しか点灯できない電池や蓄電池を内蔵した常用−非常用兼用型照明装置と比較して、より長時間の点灯が可能である。
このように、発光装置200は、照明装置、例えば、電球型LEDランプ400や直管型LEDランプ400bの光源として使用することができる。
なお、照明装置の例としては、例えば電球型LEDランプ、直管型LEDランプの他、ディスプレイの照明として利用されるバックライト等を挙げることができる。さらに、照明装置は、照明器具を含む。照明器具としては、LEDダウンライト、LEDスポットライト、LED投光器、LED街路灯、LEDベースライト、及びLEDシーリングライト等を挙げることができる。発光装置200は、照明器具の光源としても用いることができる。照明器具は、屋内型、及び屋外型のいずれであってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態に係る発光装置を備えた表示装置の例に関する。
(第3実施形態:第1例)
図14は、第3実施形態に係る表示装置の第1例を示す模式図である。
図14に示すように、第1例に係る表示装置は、ディスプレイ451、又はディスプレイ451を含む電子機器、例えばパーソナルコンピュータ450である。ディスプレイ451は、バックライト452により照明される。バックライト452は、直下型であってもよく、エッジライト型であってもよい。発光装置200は、バックライト452の光源として利用することができる。
ディスプレイ451は、パーソナルコンピュータ450のディスプレイに限られることはない。テレビ等のディスプレイであってもよい。
(第3実施形態:第2例)
図15は、第3実施形態に係る表示装置の第2例を示す模式図である。
図15に示すように、第2例に係る表示装置は、フルカラーLEDディスプレイ461、又はフルカラーLEDディスプレイ461を含む電子機器、例えば、フルカラーLED表示装置460である。フルカラーLEDディスプレイ461は、画素462としてフルカラーLED素子が使用される。発光装置200は、画素462として利用することができる。
表示装置の例としては、鉄道、空港等で用いられるフルカラーLED案内表示板等を挙げることができる。その他、スポーツ競技場や、イベント会場、及び公共広場で用いられるフルカラーLEDスクリーンを挙げることができる。フルカラーLEDスクリーンは、常設型、及び移動型の双方を含む。
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1実施形態に係る発光装置に使用可能な電源回路の例に関する。
図16は、第4実施形態に係る発電機能付発光装置の一例を示す模式ブロック図である。
図16に示すように、電源回路300は、例えば、回路基板320上に設けられる。回路基板320上には、例えば、第1外部端子331a〜第6外部端子331fが設けられている。第1外部端子331a及び第2外部端子331bは、外部電源、例えば、商用電源310と電気的に接続される。これにより、電源回路300には、第1、第2外部端子331a及び331bを介して、外部入力電力Pinが入力される。第3外部端子331c及び第4外部端子331dは、熱電素子1と電気的に接続される。これにより、電源回路300には、第3、第4外部端子331c及び331dを介して、補助入力電力Pinaが入力される。第3外部端子331cは、熱電素子1のカソードKと電気的に接続されている。第4外部端子331dは、熱電素子1のアノードAと電気的に接続されている。第5外部端子331e及び第6外部端子331fは、LED素子210と電気的に接続される。これにより、電源回路300は、第5、第6外部端子331e及び331fを介して、LED入力電力Poutを出力する。第5外部端子331eは、LED素子210のアノードAと電気的に接続されている。第6外部端子331fは、LED素子210のカソードKと電気的に接続されている。
図17は、第4実施形態に係る発光装置の一例を示す模式回路図である。
図17に示すように、電源回路300は、コンバータ332を含む。外部電源が商用電源310である場合、コンバータ332は、AC−DCコンバータ(整流回路)となる。外部電源が電池である場合には、コンバータ332は、DC−DCコンバータとなる。コンバータ332がAC−DCコンバータである場合、交流電力を直流電力に整流する。整流された直流電力は、電流制限回路333に供給される。電流制限回路333は、直流電流を制限してLED入力電力Poutを生成し、出力する。
コンバータ332の高電位側出力ノードN1は、電流制限回路333の高電位側入力ノードN2と、第1スイッチ334を介して電気的に結合されている。第1スイッチ334と高電位側入力ノードN2との接続ノードN3は、電源回路300の低電位側配線335と、コンデンサ336を介して電気的に結合されている。コンデンサ336は、平滑コンデンサである。また、コンデンサ336には、抵抗337が並列に接続されている。抵抗337は、放電用抵抗である。接続ノードN3は、第2スイッチ338を介して熱電素子1のカソードKと電気的に結合されている。第1、第2スイッチ334及び338には、例えば、トランジスタが使用される。電流制限回路333の高電位側出力ノードN4は、LED素子210のアノードAと電気的に結合される。LED素子210のカソードK、及び熱電素子1のアノードAは低電位側配線335と電気的に結合されている。
発光装置200を点灯させるとき、第1スイッチ334をオン、第2スイッチ338をオフさせる。高電位側出力ノードN1は、コンデンサ336の一方電極と電気的に接続され、コンデンサ336が充電される。コンデンサ336の充電完了後、高電位側出力ノードN1は、高電位側入力ノードN2と電気的に接続される。コンバータ332は、電流を電流制限回路333に供給する。電流制限回路333は、供給された電流を制限してLED入力電力Poutを生成し、出力する。これにより、LED素子210は、点灯する。
LED素子210が点灯すると、LED素子210は発熱する。熱は、熱電素子1へ伝わる。やがて、熱電素子1は、発電可能な状態、例えば、コンデンサ336を充電可能な電流を生成可能な状態となる。熱電素子1が発電可能な状態となった後、第2スイッチ338をオンさせる。熱電素子1のカソードKは、コンデンサ336の一方電極と電気的に接続される。熱電素子1は、コンバータ332とともに、電流を電流制限回路333に供給する。これにより、LED素子210は、点灯を続ける。
また、第1スイッチ334、及び第2スイッチ338によって、コンデンサ336の一方電極に、高電位側出力ノードN1を結合するか、熱電素子1のカソードKを結合するかのいずれかを選択することもできる。
例えば、発光装置200を点灯させるとき、第1スイッチ334をオン、第2スイッチ338をオフさせて、発光装置200を、外部入力電力Pinを用いて点灯させる。外部入力電力Pinを用いて点灯された状態を、便宜上、通常エネルギーモードと呼ぶ。
点灯後、例えば、熱電素子1が、コンデンサ336を充電可能な電流を生成可能な状態となったら、第1スイッチ334をオフ、第2スイッチ338をオフさせる。電力の供給元は、外部入力電力Pinから、補助入力電力Pinaに切り替わる。これにより、発光装置の動作モードは、通常エネルギーモードから、熱電素子1からの補助入力電力Pinaを用いた省エネルギーモードへと切り替わる。通常エネルギーモードから省エネルギーモードへの切り替えは、自動、もしくは手動により行うことができる。省エネルギーモードは、一般的には、発光装置200の明るさを低下させて、商用電源、もしくは電池の消費電力を下げることをいう。しかし、第4実施形態における省エネルギーモードは、通常エネルギーモードとは別の補助入力電力Pinaに切り替えることをいう。このため、省エネルギーモードであっても、発光装置200の明るさ低下は、抑制される。
また、コンデンサ336には、電源回路300中に設けられている平滑コンデンサを利用することもできる。平滑コンデンサを利用した場合には、電源回路300中の既存回路素子を利用して、熱電素子1を電源回路300に接続できる。これにより、電源回路300に必要な回路素子や電子部品330の増加を抑制できる。
(第4実施形態:第1変形例)
図18は、第4実施形態の第1変形例に係る発光装置の一例を示す模式回路図である。
熱電素子1が発生する電力では、LED素子210を点灯させるのに、十分な電圧を確保できない場合も想定される。このような場合には、熱電素子1を、昇圧回路350を介して、電源回路300と接続するようにしてもよい。図18には、昇圧回路350の一例を示す模式回路が示されている。
図18に示すように、昇圧回路350は、例えば、ダイオード351と、コイル352と、第3スイッチ353と、を含む。ダイオード351のカソードは、第2スイッチ338を介してコンデンサ336の一方電極と電気的に結合されている。ダイオード351のアノードは、コイル352を介して熱電素子1のカソードKに電気的に結合されている。コイル352は、チョークコイルである。ダイオード351のアノードと、コイル352との接続ノードN5は、低電位側配線335と、第3スイッチ353を介して電気的に結合されている。第3スイッチ353には、例えば、トランジスタが使用される。
昇圧回路350の動作は、以下のようにして、補助入力電力Pinaの電圧を昇圧する。第2スイッチ338をオンさせて、熱電素子1のカソードKを、コンデンサ336の一方電極と電気的に結合させる。この状態で、第3スイッチ353をオンさせる。熱電素子1のカソードKから、電流がコイル352を介して低電位側配線335に流れる。次いで、第3スイッチ353をオフさせる。コイル352からの電流は、すぐにはゼロにはならない。このため、コイル352から、ダイオード351、及び第2スイッチ338を介して、接続ノードN3に電流が、一気に流れる。ダイオード351は、接続ノードN3からの電流の逆流を防ぐ。このように第3スイッチ353のオンとオフとを繰り返すことで、補助入力電力Pinaの電圧は、昇圧される。
このように、熱電素子1を、昇圧回路350を介して、電源回路300と接続するようにしてもよい。なお、昇圧回路は、図18に示した昇圧回路350に限られるものでもない。昇圧回路には、例えば、トランス等、周知の昇圧回路を用いることができる。また、昇圧回路は、電源回路300中に設けることができる。
(第4実施形態:第2変形例)
図17に示したように、LED素子210のアノードAは、コンデンサ336の一方電極と、電流制限回路333を介して電気的に結合される。電流制限回路333を利用し、LED素子210へ流す電流を制限すると、LED素子210を調光することができる。LED素子210は、LEDチップ211の温度が上がるにつれて、発光効率が低下する。電流制限回路333によって、LED素子210の明るさが下がるように調光すると、LEDチップ211の温度の上昇が抑制され、発光効率の低下を抑制することができる。
また、熱電素子1は、第1、第2電極部11及び12それぞれの周囲の温度が上がるにつれて、発電効率が向上する。そこで、電流制限回路333は、LED素子210の周囲の温度を、LED素子210の発光効率と、熱電素子1の発電効率とのバランスが良い温度帯で維持されるように、LED素子210へ流す電流を制限するようにする。
図19は、温度と発光効率との関係、並びに温度と発電効率との関係を模式的に示す模式図である。図19中の線iは、LED素子210の温度と発光効率との関係を示す。図19中の線iiは、熱電素子1の温度と発電効率との関係を示す。
図19に示すように、LED素子210には、例えば、LED素子210の発光効率をこれ以上低下させたくない温度、もしくはLED素子210の温度をこれ以上上昇させたくない温度T1がある。また、熱電素子1には、例えば、実使用上、十分な発電が可能となる温度、もしくは実使用上、望まれる発電効率以上となる温度T2がある。LED素子210の周囲の温度は、例えば、温度T1を上限とし、温度T2を下限とする温度帯T0で、維持させることが好ましい。
例えば、温度センサ等を用いて、LED素子210の周囲の温度を検出する。この検出結果を、電流制限回路333に、例えば、制御信号としてフィードバックする。フィードバックされた制御信号に基づき、電流制限回路333は、LED素子210の周囲の温度が、例えば、温度帯T0で維持されるように、LED素子210へ流す電流を制限する。
電源回路300は、LED素子210の周囲にある。したがって、温度センサは、電源回路300中に設けることができる。温度センサの一例としては、サーミスタを挙げることができる。サーミスタは、温度の上昇により抵抗値が増加する素子である。LED素子210の周囲の温度は、例えば、サーミスタを用いることで検出できる。
図20は、第4実施形態の第2変形例に係る発光装置の一例を示す模式回路図である。
図20に示すように、温度検出回路370は、抵抗371と、サーミスタ372と、検出回路373と、を含む。抵抗371の一端は、熱電素子1のカソードKと電気的に結合されている。サーミスタ372の一端は、熱電素子1のアノードAと電気的に結合されている。抵抗371の他端と、サーミスタ372の他端との接続ノードN6は、検出回路373の入力端子と電気的に結合されている。検出回路373の出力端子は、電流制限回路333と電気的に結合されている。検出回路373は、制御信号Sを、電流制限回路333へ出力する。
サーミスタ372は、LED素子210の周囲の温度が上がるにつれて、抵抗値が増す。このため、接続ノードN6の電圧は、LED素子210の周囲の温度が上がるにつれて高まる。検出回路373は、接続ノードN6の電圧を検出する。
検出回路373は、LED素子210の周囲の温度が上がり、接続ノードN6の電圧が設定された値以上となると、電流制限回路333へ出力する制御信号Sをイネーブルする。これにより、電流制限回路333は、LED素子210へ流す電流を制限する。検出回路373は、LED素子210の周囲の温度が下がり、接続ノードN6の電圧が設定された値未満となると、電流制限回路333へ出力する制御信号Sをディセーブルする。これにより、電流制限回路333は、LED素子210へ流す電流の制限を、解除する。LED素子210の周囲の温度が再び上がり、接続ノードN6の電圧が設定された値以上となると、電流制限回路333へ出力する制御信号Sを、再度イネーブルする。
このように検出回路373は、サーミスタ372の抵抗値の変化に基づき、制御信号Sのイネーブルとディセーブルとを繰り返す。これにより、LED素子210の周囲の温度は、例えば温度帯T0に維持することができる。この結果、熱電素子1には、例えば、十分な発電量を確保したまま、LED素子210の周囲の温度の上昇、並びにLED素子210の発光効率の低下のそれぞれを、同時に抑制できる。
また、温度検出回路370は、電源として、熱電素子1からの入力補助電力Pinaを利用する。例えば、サーミスタ372を用いた温度検出回路370は、LED素子210の周囲の温度を検出するために、LED素子210が点灯している間、電流を流し続ける。これは、商用電源や電池からの外部入力電力を消費する。この点、温度検出回路370の電源として、補助入力電力Pinaを用いることで、外部入力電力の消費を抑制することができる。したがって、温度検出回路370によれば、より低消費電力な温度検出回路が得られる、という利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、これらの実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。また、この発明は、上記いくつかの実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記いくつかの実施形態のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。