JP2010192174A - 照明装置および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LED22の発光効率を上げて輝度低下を無くすとともに、温度ムラによるバックライト装置2全体としての輝度ムラを無くす。省電力化を図る。
【解決手段】バックライト装置2は、基板21上に配置されるLED22およびペルチェ素子24と、熱電モジュール23とを有している。LED22は、基板21上で複数の領域に配置される。熱電モジュール23は、各領域に対応して設けられ、対応する領域内にあるLED22の熱を基板21を介して吸収してそれを電力に変換する。複数のペルチェ素子24は、各領域に対応して設けられ、駆動電力に応じて、対応する領域内にあるLED22の熱を吸収することにより、LED22を冷却する。ペルチェ素子24は、対応する領域の熱電モジュール23で得られる電力によって駆動される。これにより、各領域ごとにLED22の冷却度合いを調整することができる。
【選択図】図1
【解決手段】バックライト装置2は、基板21上に配置されるLED22およびペルチェ素子24と、熱電モジュール23とを有している。LED22は、基板21上で複数の領域に配置される。熱電モジュール23は、各領域に対応して設けられ、対応する領域内にあるLED22の熱を基板21を介して吸収してそれを電力に変換する。複数のペルチェ素子24は、各領域に対応して設けられ、駆動電力に応じて、対応する領域内にあるLED22の熱を吸収することにより、LED22を冷却する。ペルチェ素子24は、対応する領域の熱電モジュール23で得られる電力によって駆動される。これにより、各領域ごとにLED22の冷却度合いを調整することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光ダイオード(以下、LEDとも称する)を有する照明装置と、その照明装置を備えた液晶表示装置とに関するものである。
従来、液晶パネルを照明する照明装置としてLEDを用いたものが、例えば特許文献1、2に開示されている。特に、特許文献2の照明装置は、LEDの熱を熱電変換モジュールによる発電に利用し、生じる電力をLEDの駆動に利用することにより、LEDの駆動のためのエネルギー効率を向上させている。
ところで、液晶パネルの直下にLEDを2次元的に配置して液晶パネルを照明する構成において、照明装置の薄型化を求めると、輝度を均一にするためには多数のLEDを敷き詰める必要がある。しかし、例えば液晶テレビに必要な輝度を得るために必要な量の電流をLEDに流すと、個々のLEDの発熱が大きくなり、かなりの高温になる。この結果、LEDの発光効率が低下して輝度が低下する。さらに、液晶テレビのように照明装置を立てて使用する場合(LEDが搭載される基板を立てて使用する場合)、熱は上方に移行するため、筐体の上下で数十度の温度差(温度ムラ)が生じ、この温度差によって上下で輝度ムラが生じてしまう。
この点、特許文献2では、省電力化を図る構成については開示されているものの、LED単体での輝度低下を無くす構成や、温度ムラによる照明装置全体としての輝度ムラを無くす構成については一切開示されていない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、LEDの発光効率を上げて輝度低下を無くすとともに、温度ムラによる照明装置全体としての輝度ムラを無くすことができる、省電力の照明装置と、その照明装置を備えた液晶表示装置とを提供することにある。
本発明の照明装置は、基板上で複数の領域に配置される発光ダイオードと、各領域に対応して設けられ、対応する領域内にある前記発光ダイオードの熱を前記基板を介して吸収してそれを電力に変換する熱電変換手段と、各領域に対応して設けられ、駆動電力に応じて、対応する領域内にある前記発光ダイオードの熱を吸収することにより、前記発光ダイオードを冷却する冷却手段とを備え、前記冷却手段は、対応する領域の前記熱電変換手段で得られる電力によって駆動されることを特徴としている。
上記の構成によれば、LEDの熱は、基板を介して熱電変換手段(例えば熱電モジュール)に吸収され、電力に変換される。そして、この熱電変換手段で得られた電力を利用して冷却手段(例えば複数のペルチェ素子)が駆動され、LEDが冷却される。これにより、例えば別の駆動源からの電力によってファンを駆動し、LEDを冷却する手法に比べて、省電力となる。また、LEDの冷却により、LEDの発光効率を上げることができるので、LED単体での輝度低下を回避することができる。
また、熱電変換手段および冷却手段は、LEDが配置される各領域に対応して設けられており、冷却手段は、対応する領域の熱電変換手段で得られる電力によって駆動されるので、例えば基板を立てたときに熱が上方に移行する等により、各領域間で温度分布が不均一となる場合でも、各領域ごとにLEDの冷却度合い(冷却効果)を調整して、温度分布を均一にすることができる。その結果、各領域間でLEDの発光特性を均一にすることができ、照明装置全体としての輝度ムラを無くすことができる。
本発明の照明装置において、前記発光ダイオードは、前記基板上で2次元的に配置されており、前記各領域には、前記基板を垂直に立てたときに水平方向に並ぶ前記発光ダイオードの各列がそれぞれ配置されていることが望ましい。
この場合、LEDの各列を、基板を立てたときに温度差が生じる領域(例えば上方の高温部、下方の低温部を含む)に対応させることが容易となり、その温度差が生じる領域ごとに、その温度状況に応じた冷却効果を得ることが可能となる。したがって、基板を立てて使用する用途(例えば液晶テレビなどの液晶表示装置)において、本発明が特に有効となる。
本発明の照明装置において、前記熱電変換手段は、複数の熱電変換素子を含んでおり、前記複数の熱電変換素子は、前記基板を介して前記発光ダイオードの真下に配置されていることが望ましい。
この場合、LEDの熱を基板を介して複数の熱電変換素子に効率よく導くことができ、複数の熱電変換素子による熱電変換を効率よく行うことができる。
本発明の照明装置において、前記冷却手段は、複数のペルチェ素子で構成されており、前記複数のペルチェ素子は、前記基板上において、対応する領域内で隣り合う発光ダイオードの間にそれぞれ配置されていてもよい。
この構成では、各ペルチェ素子が、対応する領域内で隣り合う2つのLEDの熱を基板を介して吸収するので、同一領域内の複数のLEDを効率よく冷却することができる。
本発明の照明装置は、前記ペルチェ素子を覆う反射シートをさらに備えていることが望ましい。
この構成では、隣り合うLEDからの光を反射シートで反射させて使用することができるので、光の有効利用を図ることができ、照明装置全体としての輝度低下を低減することができる。
本発明の照明装置において、前記基板は、前記発光ダイオードの熱を伝導する放熱シートと、前記放熱シートを挟持するマウント基板および金属板とを含み、前記冷却手段は、複数のペルチェ素子で構成されており、前記放熱シートは、前記マウント基板を介して個々の発光ダイオードの真下に位置している一方、前記複数のペルチェ素子は、対応する領域内で各放熱シートの隣にそれぞれ配置されていてもよい。
この構成では、LEDの熱は、マウント基板、放熱シートおよび金属板を介して熱電変換手段に伝達される。このとき、放熱シートが個々のLEDの真下に位置し、複数のペルチェ素子が各放熱シートの隣に配置されていることにより、ペルチェ素子が吸収したLEDの熱も金属板に伝わり、熱電変換手段での熱電変換に供される。これにより、熱の利用効率を向上させることができる。
本発明の液晶表示装置は、上述した本発明の照明装置と、前記照明装置によって照明される液晶パネルとを備えていることを特徴としている。
この構成では、液晶表示装置を例えば液晶テレビとして使用する場合でも、照明装置に起因する輝度ムラの無い良好な映像を表示することが可能となる。
本発明によれば、熱電変換手段で得られた電力を利用して冷却手段が駆動されるので、省電力である。また、冷却手段によるLEDの冷却により、LEDの発光効率を上げて、LED単体での輝度低下を回避することができる。さらに、熱電変換手段および冷却手段は、LEDが配置される各領域に対応して設けられており、冷却手段は、対応する領域の熱電変換手段で得られる電力によって駆動されるので、各領域ごとにLEDの冷却度合いを調整して温度分布を均一にすることができ、照明装置全体としての輝度ムラを無くすことができる。したがって、液晶表示装置においては、照明装置に起因する輝度ムラの無い良好な映像を表示することが可能となる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
図2は、本実施形態の液晶表示装置の概略の構成を示す断面図である。この液晶表示装置は、液晶パネル1と、バックライト装置2とを備えている。
液晶パネル1は、バックライト装置2からの照明光を画像データに応じて各画素ごとに変調することにより画像を表示する表示素子であり、2つの透明基板11・12と、これら2つの透明基板11・12で挟持される液晶層13とを有して構成されている。一方の透明基板11には、各画素をON/OFFするためのスイッチング素子(例えばTFT;Thin Film Transistor)や、各種の配線(走査線、信号線)等が形成されている。他方の透明基板12には、カラーフィルタや対向電極等が形成されている。また、2つの透明基板11・12の外側(液晶層13とは反対側)には、図示しない偏光板がそれぞれ配置されている。
バックライト装置2は、液晶パネル1を照明するための照明装置であり、液晶パネル1の直下に配置されている。ここで、図1は、バックライト装置2の概略の構成を示す断面図である。バックライト装置2は、基板21と、LED22と、熱電モジュール23と、ペルチェ素子24と、反射シート25と、図示しない光学シート(拡散板等)とを有して構成されている。上記の光学シートは、バックライト装置2において最も液晶パネル1側に配置されており、LED22が発した光を拡散して均一にし、これを照明光として液晶パネル1に供給する。以下、バックライト装置2の詳細について説明する。
基板21は、LED22の搭載側から、反射シート21a、マウント基板21b、放熱シート21c、金属板21dをこの順で積層して構成されている。反射シート21aは、LED22からの光を液晶パネル1側に反射させる光学シートであり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂で構成されている。マウント基板21b上に反射シート21aを設けることにより、LED22の光の利用効率が向上し、輝度が向上する。
マウント基板21bは、例えば厚さ1mmのガラスエポキシ材で構成されており、このマウント基板21b上に反射シート21aを介して上記のLED22が搭載されている。放熱シート21cは、LED22が発した熱を伝導するものであり、例えば厚さ1mmのアクリル系シートで構成されている。金属板21dは、例えば厚さ1mmの鉄(Fe)からなる板金である。
LED22は、基板21上で2次元的に配置されている。これにより、液晶パネル1をその直下から面状に照明する面状光源を実現することができる。ここで、図3(a)は、バックライト装置2の平面図である。本実施形態では、LED22は、マトリクス状の配置となっているが、千鳥配置であってもよい。なお、マトリクス状の配置とは、隣接する行同士または列同士で行方向または列方向に同一ピッチとなるLED22の配置を指し、千鳥配置とは、隣接する行同士または列同士で行方向または列方向に互いに半ピッチずらしたLED22の配置を指す。
バックライト装置2を直下型として用いる場合、LED22の配列ピッチが基板21から上記の拡散板までの距離とほぼ等しくなければ輝度ムラを無くすことがかなり困難となる。このことを考慮して、本実施形態では、LED22は、行方向および列方向に例えば16.5mmピッチで配置されている。
LED22は、基板21上で複数の領域A1〜A5に配置されている。ここで、各領域A1〜A5は、バックライト装置2を液晶パネル1と対向する面内で複数に分割したときの個々の領域に対応する。本実施形態では、各領域A1〜A5は、基板21を垂直に立てたときに水平方向に並ぶLED22の各列と対応付けられている。つまり、各領域A1〜A5には、基板21を垂直に立てたときに水平方向に並ぶLED22の各列がそれぞれ配置されている。なお、本実施形態では、説明の便宜上、各領域の個数を5つ(A1〜A5)とし、横1列のLED22の段数を5段としているが、これらの数に限定されるわけではない。
次に、熱電モジュール23について説明する。図3(b)は、バックライト装置2の底面図である。熱電モジュール23は、上記した各領域A1〜A5に対応して、基板21の裏側に設けられており、対応する領域内にあるLED22の熱を基板21を介して吸収してそれを電力に変換する熱電変換手段を構成している。
この熱電モジュール23は、図1に示すように、基板21の金属板21dに接触して設けられている。より詳しくは、熱電モジュール23は、複数の熱電変換素子であるP型半導体23aとN型半導体23bとを交互に並べ、それらの吸熱側を金属板21dに接触させる一方、一対のN型半導体23bとP型半導体23aとにおける金属板21dとの接触側とは反対側を金属板23cで連結した構造となっている。P型半導体23aとN型半導体23bとを複数組み合わせて熱電モジュール23を構成することにより、効率よく発電量を稼ぐことができる。なお、P型半導体23aおよびN型半導体23bとしては、例えばBi/Te系の材料を用いることができる。
複数の熱電変換素子(P型半導体23a、N型半導体23b)は、基板21を介してLED22の真下に配置されている。これにより、LED22の熱を基板21を介して複数の熱電変換素子に効率よく導くことができ、複数の熱電変換素子による熱電変換を効率よく行うことができる。熱電変換によって得られる電力(電流)は、金属板23cに接続されるリード線23dを介して、各領域A1〜A5ごとに(横一列ごとに)取り出される。
ペルチェ素子24は、駆動電力に応じて、LED22の熱を吸収することにより、LED22を冷却する素子であり、基板21上に設けられているとともに、図3(a)に示すように、各領域A1〜A5内に複数個ずつ設けられている。各領域A1〜A5ごとに、すなわち、各領域A1〜A5に対応して設けられる複数のペルチェ素子24は、駆動電力に応じて、対応する領域内にあるLED22の熱を吸収することにより、上記領域内のLED22を冷却する冷却手段(冷却機構、ペルチェ素子群)を構成している。
ペルチェ素子24は、基本的には、上記した熱電モジュール23と同じ構造を採用することができる。すなわち、ペルチェ素子24は、一対のP型半導体およびN型半導体と、それらを連結する金属板とを有して構成されている。P型半導体およびN型半導体の吸熱側を金属板を介して基板21に接触させ、それらに電流を流すことにより、吸熱側から放熱側に熱が移行する。なお、上記のP型半導体およびN型半導体としては、例えばBi/Te系の材料を用いることができる。
複数のペルチェ素子24は、基板21上において、対応する領域内で隣り合うLED22・22の間にそれぞれ配置されている。これにより、各ペルチェ素子24は、隣り合う2つのLED22・22の熱を基板21を介して吸収するので、同一領域内の複数のLED22を効率よく冷却することができる。本実施形態では、基板21上におけるLED22の配列ピッチが例えば16.5mmであるため、ペルチェ素子24の大きさを約8mm角とし、隣り合う2つのLED22・22の間にペルチェ素子24を配置している。
複数のペルチェ素子24は、各領域A1〜A5ごとに、配線24aによって直列接続されている。そして、配線24aは、各領域A1〜A5ごとに、熱電モジュール23のリード線23dとそれぞれ接続されている。これにより、各領域A1〜A5のペルチェ素子24は、対応する領域の熱電モジュール23で得られる電力によって駆動されるようになる。このように、本実施形態では、1つの熱電モジュール23と、横一列に配置される同一領域内の複数のペルチェ素子24(冷却手段)とが、1対1の対応関係にある。
反射シート25は、基板21上の各ペルチェ素子24を覆うように形成されており、隣り合うLED22・22からの光を反射させる。基板21の上面にペルチェ素子24を配置すると、ペルチェ素子24の配置部分では、基板21の反射シート21aの反射機能が無くなるため、輝度低下が懸念される。そこで、上記のように反射シート25を設けて、隣り合うLED22・22からの光を反射シート25で反射させて使用することにより、光の有効利用を図ることができ、照明装置全体としての輝度低下を低減することができる。なお、反射シート25は、上述した反射シート21aと同一材料で構成することが可能である。
次に、バックライト装置2の上記構成による作用効果について説明する。図1において、LED22が発した熱は、基板21を介して対応する領域の熱電モジュール23に吸収され、電力に変換される。そして、熱電モジュール23で得られた電力がリード線23dおよび配線24a(図3(a)参照)を介して、対応するペルチェ素子24に供給される。供給された電力に応じてペルチェ素子24が駆動されることにより、LED22が冷却される。
このように、熱電モジュール23で得られた電力を利用してペルチェ素子24が駆動されるので、例えば別の駆動源からの電力によってファンを駆動し、LED22を冷却する構成に比べて、省電力のバックライト装置2を実現することができる。また、LED22の冷却により、LED22の発光効率を上げることができ、LED22単体での輝度低下を回避することができる。したがって、本実施形態の構成は、特に、個々のLED22が高温となってその発光効率が低下しやすくなる、バックライト装置2の薄型化に非常に有効となり、バックライト装置2ひいては液晶表示装置の薄型化に大きく貢献することができる。
また、LED22の冷却にファンやその駆動源を必要としないので、ファンの駆動による騒音、別の駆動源を必要とすることによるエネルギー効率の低下、バックライト装置2の厚さ増大等の問題を全く心配する必要がない。
また、液晶パネル1は、バックライト装置2の前面に配置されており、バックライト装置2の温度の影響を少なからず受ける。つまり、LED22が高温になってバックライト装置2が高温になると、その影響が液晶パネル1の応答速度等に現れる。しかし、個々のLED22はペルチェ素子24によって冷却されるので、液晶パネル1の応答速度の低下等を回避することができる。
さらに、バックライト装置2の上記構成によれば、温度ムラによるバックライト装置2全体の輝度ムラを無くすことができる。以下、この効果についてより詳しく説明する。
図4は、バックライト装置2全体の温度分布が、2つの領域R1・R2で温度ムラのある状態から均一な状態に移行する様子を模式的に示す説明図である。なお、領域R1は、基板21を垂直に立てたときに領域R2よりも下方に位置する領域であり、例えば図3(a)の領域A1がこれに相当すると考えることができる。また、領域R2は、基板21を垂直に立てたときに領域R1よりも上方に位置する領域であり、例えば図3(a)の領域A5がこれに相当すると考えることができる。
本実施形態では、ペルチェ素子24は、対応する領域の熱電モジュール23で得られる電力によって駆動されるので、各領域ごとにLED22の冷却度合い(冷却効果)を調整することができる。これにより、例えば、本実施形態の液晶表示装置を液晶テレビとして用いる場合のように、バックライト装置2の基板21を立てて使用する用途において、熱が上方に移行することによってバックライト装置2の異なる領域R1・R2間で温度分布が不均一となり、温度ムラが生じる場合でも、各領域R1・R2ごとの冷却度合いの調整により、全体の温度分布を均一にすることができる。
つまり、バックライト装置2の基板21を立てて使用する場合、熱の上方への移行により、相対的に上方に位置する領域R2が外気との温度差が大きい高温部となり、相対的に下方に位置する領域R1が外気との温度差が小さい低温部となる。そして、高温部では、熱電モジュール23の発電量が大きくなるので、ペルチェ素子24の駆動電力も大きくなり、ペルチェ素子24によるLED22の冷却効果が大きくなる。逆に、低温部では、外気との温度差が小さく、熱電モジュール23の発電量は小さくなるので、ペルチェ素子24の駆動電力も小さくなり、ペルチェ素子24によるLED22の冷却効果が小さくなる。その結果、領域R1と領域R2とで温度差がほとんどなくなり、各領域R1・R2間で温度分布が均一となる。
このように、本実施形態のバックライト装置2においては、温度分布にムラがある場合でも、温度分布が自動的に均一となる。したがって、このような温度分布の均一化により、各領域R1・R2間でLED22の発光特性を均一にすることができ、バックライト装置2全体としての輝度ムラを無くすことができる。
図5(a)は、バックライト装置2の個々のLED22の温度分布を示す説明図であり、図5(b)は、LED22の冷却後におけるバックライト装置2全体での温度分布を示す説明図である。基板21を立てて使用した場合、実際、個々のLED22の温度は、図5(a)のように、最も下方に位置する領域A1から最も上方に位置する領域A5に向かうにつれて次第に高くなる。しかし、上記と同様にして各領域A1〜A5ごとに冷却度合いを調整することにより、図5(b)のように、バックライト装置2全体として温度分布を均一化することができ、全体の輝度ムラを無くすことができる。その結果、バックライト装置2を備えた液晶表示装置においては、バックライト装置2に起因する輝度ムラの無い良好な映像を表示することが可能となる。
また、本実施形態のように、LED22が基板21上で2次元的に配置されており、各領域A1〜A5には、基板21を垂直に立てたときに水平方向に並ぶLED22の各列がそれぞれ配置されていることにより、基板21を立てて使用したときに上下方向に温度差が生じる複数の領域(上方の高温部、下方の低温部を含む)にLED22の各列(各領域A1〜A5)を容易に対応させることが可能となる。これにより、温度差が生じる複数の領域ごとに(LED22の各列ごとに)、その温度状況に応じた冷却効果を得ることが可能となる。したがって、基板21を立てて使用する用途(例えば液晶テレビなどの液晶表示装置)において、本発明が特に有効となる。また、LED22の横1列ごとに温度分布を細かく制御できるので、温度分布を確実に均一にすることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図6は、本実施形態のバックライト装置2の概略の構成を示す断面図である。このバックライト装置2は、基板21の構成とペルチェ素子24の配置位置とが、実施の形態1と異なっている。
より具体的には、基板21の放熱シート21cは、マウント基板21bを介して個々のLED22の真下に位置しており、離散的な配置となっている。そして、複数のペルチェ素子24は、対応する領域内で各放熱シート21cの両隣にそれぞれ配置されている。つまり、各放熱シート21cおよびその両隣に配置されるペルチェ素子24がともに、マウント基板21bおよび金属板21dで挟持される。なお、ペルチェ素子24の吸熱側はマウント基板21b側であり、放熱側は金属板21d側である。ペルチェ素子24が、対応する領域の熱電モジュール23で得られる電力によって駆動される点は、実施の形態1と同様である。
図7(a)は、本実施形態のバックライト装置2の基板21の底面図であり、図7(b)は、上記バックライト装置2の底面図である。なお、図7(a)では、便宜上、放熱シート21cおよび金属板21dの図示を省略している。複数のペルチェ素子24は、各領域A1〜A5ごとに配線24aによって直列接続されるが、本実施形態では、各ペルチェ素子24はマウント基板21bと金属板21dとの間に配置されるため、配線24aもマウント基板21bと金属板21dとの間を通る。すなわち、ペルチェ素子24および配線24aは、基板21の表面には露出しない。
図8(a)は、本実施形態のバックライト装置2の個々のLED22の温度分布を模式的に示す説明図であり、図8(b)は、LED22の冷却後の上記バックライト装置2全体での温度分布を模式的に示す説明図である。本実施形態においても、ペルチェ素子24は、対応する領域の熱電モジュール23で得られる電力によって駆動されるので、各領域A1〜A5ごとにLED22の冷却度合いを調整することができる。これにより、バックライト装置2の領域A1〜A5間で温度分布が不均一となる場合でも、各領域A1〜A5ごとの冷却度合いの調整により、全体の温度分布を均一にすることができる。その結果、バックライト装置2全体の全体の輝度ムラを無くすことができる。
また、図6において、LED22が発した熱は、基板21(反射シート21a、マウント基板21b、放熱シート21cおよび金属板21d)を介して熱電モジュール23に伝達される。このとき、放熱シート21cが個々のLED22の真下に位置し、複数のペルチェ素子24が各放熱シート21cの隣に配置されていることにより、ペルチェ素子24は、LED22が発した熱を反射シート21aおよびマウント基板21bを介して吸収し、その熱が金属板21dを介して熱電モジュール23に伝達される。したがって、ペルチェ素子24が吸収した熱も熱電モジュール23での熱電変換に供されるので、熱の利用効率を向上させることができる。特に、ペルチェ素子24が各放熱シート21cの両隣に配置されていることにより、その効果を確実に得ることができる。
また、ペルチェ素子24が露出しないので、ペルチェ素子24の熱が液晶パネル1とバックライト装置2との間にこもって液晶パネル1に悪影響を及ぼすこともない。さらに、輝度低下を回避すべく、ペルチェ素子24を覆う実施の形態1の反射シート25を設ける必要もなくなる。
本発明の照明装置は、例えば液晶表示装置の直下型のバックライトとして利用可能である。
1 液晶パネル
2 バックライト装置(照明装置)
21 基板
21b マウント基板
21c 放熱シート
21d 金属板
22 LED
23 熱電モジュール(熱電変換手段)
23a P型半導体(熱電変換素子)
23b N型半導体(熱電変換素子)
24 ペルチェ素子(冷却手段)
25 反射シート
A1〜A5 領域
2 バックライト装置(照明装置)
21 基板
21b マウント基板
21c 放熱シート
21d 金属板
22 LED
23 熱電モジュール(熱電変換手段)
23a P型半導体(熱電変換素子)
23b N型半導体(熱電変換素子)
24 ペルチェ素子(冷却手段)
25 反射シート
A1〜A5 領域
Claims (7)
- 基板上で複数の領域に配置される発光ダイオードと、
各領域に対応して設けられ、対応する領域内にある前記発光ダイオードの熱を前記基板を介して吸収してそれを電力に変換する熱電変換手段と、
各領域に対応して設けられ、駆動電力に応じて、対応する領域内にある前記発光ダイオードの熱を吸収することにより、前記発光ダイオードを冷却する冷却手段とを備え、
前記冷却手段は、対応する領域の前記熱電変換手段で得られる電力によって駆動されることを特徴とする照明装置。 - 前記発光ダイオードは、前記基板上で2次元的に配置されており、
前記各領域には、前記基板を垂直に立てたときに水平方向に並ぶ前記発光ダイオードの各列がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。 - 前記熱電変換手段は、複数の熱電変換素子を含んでおり、
前記複数の熱電変換素子は、前記基板を介して前記発光ダイオードの真下に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。 - 前記冷却手段は、複数のペルチェ素子で構成されており、
前記複数のペルチェ素子は、前記基板上において、対応する領域内で隣り合う発光ダイオードの間にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。 - 前記ペルチェ素子を覆う反射シートをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
- 前記基板は、
前記発光ダイオードの熱を伝導する放熱シートと、
前記放熱シートを挟持するマウント基板および金属板とを含み、
前記冷却手段は、複数のペルチェ素子で構成されており、
前記放熱シートは、前記マウント基板を介して個々の発光ダイオードの真下に位置している一方、前記複数のペルチェ素子は、対応する領域内で各放熱シートの隣にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。 - 請求項1から6のいずれかに記載の照明装置と、
前記照明装置によって照明される液晶パネルとを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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