JP2020061241A - 端子接続部品、及び蓄電モジュール - Google Patents

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暢之 松村
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Abstract

【課題】特殊工具を用いることなく、電気的な接続作業を行う。【解決手段】重ねられた第1端子11と第2端子12とを接続する端子接続部品10であって、第1端子11に対して回転規制された規制部15と、第1端子11、第2端子12、及び規制部15を貫通する軸部13に固定されると共に第2端子12を押圧する押圧部35を有する回転部材14と、軸部13のうち規制部15と反対側の端部に組み付けられると共に、軸部13と電気的に絶縁された把持部36を有するハンドル16と、を備え、ハンドル16を回転させることにより、軸部13に設けられたカムピン19と、規制部15に設けられたカム部28とが摺接して、規制部15と押圧部35との間で第1端子11及び第2端子12が挟まれる。【選択図】図1

Description

本明細書に開示された技術は、複数の端子を電気的に接続するための接続構造に関する。
例えば電気自動車やハイブリッドカー等では、動力源等として、複数の蓄電素子を接続してなる蓄電モジュールが用いられることがある。更に、複数の蓄電モジュールが接続されたものが動力源とされる場合もある。複数の蓄電素子あるいは複数の蓄電モジュールを接続する場合、例えば特許文献1に記載されているように、バスバー等の接続部材を隣り合う蓄電素子のボルト状の電極端子間に配置して、電極端子にナットを締め付けることにより接続する。
特開平11−67184号公報
しかしながら、複数の蓄電素子の電極端子に対してボルト締結を行う場合、電極端子には高電圧が印加されているので、高度に絶縁された特殊工具が用いられる。このため、製造コストが上昇する虞がある。また、特殊工具を用いた場合であっても、ボルト締結作業の安全性が懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、特殊工具を用いることなく、電気的な接続作業を行うことができる技術を提供することを目的とする。
本明細書に開示された技術は、重ねられた第1端子と第2端子とを接続する端子接続部品であって、前記第1端子に対して、前記第2端子と反対側において回転規制された規制部と、前記第1端子、前記第2端子、及び前記規制部を貫通する軸部を有し、前記軸部に固定されると共に前記第2端子を押圧する押圧部を有する回転部材と、
前記軸部のうち前記規制部と反対側の端部に組み付けられると共に、前記軸部と電気的に絶縁された把持部を有するハンドルと、を備え、前記ハンドルを回転させることにより、前記軸部に設けられたカムピンと、前記規制部に設けられたカム部とが摺接して、前記規制部と前記押圧部との間で前記第1端子及び前記第2端子が挟まれる。
上記の構成によれば、作業者が、軸部と電気的に絶縁された把持部を把持してハンドルを回転させることにより、第1端子と第2端子とが重ねられた状態で、規制部と押圧部とに挟圧される。これにより、作業者は絶縁性の材料からなるハンドルを操作することにより、特殊工具を用いることなく、第1端子と第2端子とを電気的に接続することができる。
また、本願明細書に開示された技術は、蓄電モジュールであって、電極端子を有するとともに、並び方向に沿って並べられた複数の蓄電素子と、前記電極端子に重なる接続端子と、前記電極端子に対して、前記接続端子と反対側において回転規制された規制部と、前記電極端子、前記接続端子、及び前記規制部を貫通する軸部を有し、前記軸部に固定されると共に前記接続端子を押圧する押圧部を有する回転部材と、
前記軸部のうち前記規制部と反対側の端部に組み付けられると共に、前記軸部と電気的に絶縁された把持部を有するハンドルと、を備え、前記ハンドルを回転させることにより、前記軸部に設けられたカムピンと、前記規制部に設けられたカム部とが摺接して、前記規制部と前記押圧部との間で前記電極端子及び前記接続端子が挟まれる。
上記の構成によれば、作業者が軸部と電気的に絶縁された把持部を把持してハンドルを回転させることにより、電極端子と接続端子とが重ねられた状態で、規制部と押圧部とに挟圧される。これにより、作業者は絶縁性の材料からなるハンドルを操作することにより、特殊工具を用いることなく、電極端子と接続端子とを電気的に接続することができる。
本明細書に開示された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記ハンドルが回転して、前記ハンドルの延びる方向が前記並び方向に沿うように配された状態で、前記規制部と前記押圧部とによって前記電極端子と前記接続端子とが挟まれるようになっている。
上記の構成によれば、電極端子と接続端子とが電気的に接続された状態において、ハンドルは蓄電素子が並ぶ並び方向に沿って延びるように配されるので、ハンドルが蓄電素子の外部に突出しないようになっている。これにより、電極端子と接続端子とが電気的に接続された状態において、ハンドルが異物と衝突することによって電極端子と接続端子との電気的な接続が解除されてしまうことが抑制される。
前記接続端子は、隣り合う前記蓄電素子の前記電極端子同士を接続する。
上記の構成によれば、特殊工具を用いることなく、隣り合う蓄電素子の電極端子同士を電気的に接続することができる。
本明細書に開示された技術によれば、特殊工具を用いることなく、電気的な接続作業を行うことができる。
実施形態1に係る端子接続部品を示す分解斜視図 端子接続部品を示す分解斜視図 カム部を示す一部切欠拡大斜視図 規制部を示す底面図 回転部材を示す側面図 ハンドルを示す底面図 重ねられた状態の、規制部と、第1端子と、第2端子とに、回転部材が組み付けられたハンドルを取り付ける工程を示す斜視図 重ねられた状態の、規制部と、第1端子と、第2端子とに、回転部材が組み付けられたハンドルを取り付ける工程を示す斜視図 カムピンが解除位置にある状態における、ハンドルの配置を示す斜視図 カムピンが解除位置にある状態における、ハンドルの配置を示す斜視図 カムピンが解除位置にある状態を示す一部切欠拡大側面図 カムピンが解除位置にある状態を示す一部切欠拡大斜視図 カムピンが傾斜部の傾斜面に乗り上げた状態を示す一部拡大切欠側面図 カムピンが傾斜部の傾斜面に乗り上げた状態を示す一部拡大切欠側面図 カムピンが接続位置にある状態における、ハンドルの配置を示す斜視図 カムピンが接続位置にある状態における、ハンドルの配置を示す斜視図 カムピンが接続位置にある状態を示す一部切欠拡大斜視図 カムピンが接続位置にある状態を示す一部切欠拡大側面図 カムピンが接続位置にある状態を示す、端子接続部材の断面図 実施形態2に係る蓄電モジュールを示す一部拡大斜視図 ハンドル、回転部材、アッパーケース、接続端子、電極端子、規制部、及びロアケースを示す分解斜視図 カムピンが解除位置にある状態における、ハンドルの配置を示す平面図 カムピンが接続位置にある状態における、ハンドルの配置を示す平面図
<実施形態1>
本明細書に開示された技術を端子接続部品10に適用した実施形態1を、図1から図19を参照しつつ説明する。以下の説明においては、Z方向を上方とし、Y方向を前方とし、X方向を左方として説明する。
端子接続部品10
図1及び図2に示すように、端子接続部品10は、重ねられた状態の第1端子11と第2端子12とを貫通する軸部13を有する回転部材14と、第1端子11に対して第2端子12と反対側において回転規制された規制部15と、軸部13のうち規制部15と反対側の端部に組み付けられるハンドル16と、を備える。
第1端子11
第1端子11は、導電性の金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。第1端子11を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を適宜に選択できる。第1端子11は、上方から見て、前後方向に細長く延びた長方形状をなしている。
第1端子11は、前端部寄りの位置に、上下方向に貫通する貫通孔17を有する。貫通孔17の孔縁は、上方から見て円形状をなす軸挿通部18と、軸挿通部18から前方及び後方に延びると共に、後述するカムピン19が挿通されるピン挿通部20と、を有する。軸挿通部18の前部に設けられたピン挿通部20と、軸挿通部18の後部に設けられたピン挿通部20とは、前後方向について対称な形状を有する。
第2端子12
第2端子12は、導電性の金属板材を所定の形状にプレス加工して形成されている。第2端子12を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を適宜に選択できる。第2端子12は、上方から見て、前後方向に細長く延びた長方形状をなしている。第1端子11を構成する金属と、第2端子12を構成する金属とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2端子12は、後端部における左右方向の中央付近から前方に向かって凹んだ溝部21を有する。溝部21は上方から見て概ねU字状をなしている。溝部21の前端部には、溝部21の左右方向の幅寸法よりも幅狭なピン挿通部22が、前方に延びて形成されている。このピン挿通部22には、カムピン19が挿通可能になっている。
規制部15
第1端子11の前端部寄りの位置には、第1端子11の下方に、規制部15が取り付けられている。規制部15は、金属製であってもよいし、また、合成樹脂製であってもよい。規制部15は、底壁23と、底壁23の左側縁及び右側縁から上方に延びる規制壁24を有する。規制壁24の、底壁23の上面からの上方への高さ寸法は、第1端子11の上下方向の厚さ寸法よりも小さく設定されている。底壁23の左右方向の幅寸法と、第1端子11の左右方向の幅寸法とは、同じであってもよく、また、同じでない場合であっても、実質的に同じと認定しうる場合も含む。
規制部15が第1端子11の下方から第1端子11に組み付けられた状態で、規制部15の各規制壁24は、第1端子11の左側面及び右側面に、それぞれ、当接するようになっている。これにより、規制部15は、第1端子11に対して相対的に回転することが規制されるようになっている(図7及び図8参照)。
図3及び図4に示すように、規制部15の底壁23は、前後方向及び左右方向について中央付近に、上下方向に貫通する貫通孔25を有する。貫通孔25の孔縁は、上方から見て、円形状をなす軸挿通部26と、軸挿通部26から前方及び後方に延びると共に、後述するカムピン19が挿通されるピン挿通部27と、を有する。軸挿通部26の前部に設けられたピン挿通部27と、軸挿通部26の後部に設けられたピン挿通部27とは、前後方向について対称な形状を有する。
第1端子11に形成された貫通孔17と、規制部15の底壁23に形成された貫通孔25とは、上方から見て、同じ形状をなしていてもよいし、また、同じ形状でなくても実質的に同じと認定しうる形状であってもよい。
規制部15の底壁23の下面には、貫通孔25の周囲に、下方に突出するカム部28が設けられている。カム部28は、下方から見て、前後方向に延びるピン挿通部27から図4における反時計回り方向に沿ってに延びると共に下面に傾斜面29が形成された傾斜部30と、傾斜面29から上方に凹むと共に左右方向に延びる受け溝31と、受け溝31から反時計回り方向に沿って延びると共に傾斜部30よりも下方に突出した係止部32と、を有する。
傾斜部30の傾斜面29は、ピン挿通部27から受け溝31に至るまで、緩やかに下方に傾斜するようになっている。受け溝31の内面は、後述するカムピン19の外周面に倣った形状に形成されている。受け溝31のうち、係止部32側における規制部15の底壁23からの突出高さ寸法は、傾斜面29側における規制部15の底壁23からの突出高さ寸法よりも高く設定されている。
回転部材14
図5に示すように、回転部材14は、金属製であって、鋳造、切削加工等、公知の手法により所定の形状に形成される。回転部材14は、上下方向に延びる軸部13を有する。軸部13は概ね上下方向に延びる円柱状をなしている。軸部13の下端部寄りの位置には、左右方向に突出する円柱状をなす一対のカムピン19が形成されている。左方に突出したカムピン19と、右方に突出したカムピン19とは、左右方向について対称に形成されている。
軸部13の上端部は、後述するハンドル16に挿入される挿入部33とされる。挿入部33の左側面、及び右側面には、それぞれ、当接面34が形成されている。
軸部13のうち、上下方向について、カムピン19と挿入部33の間の位置には、押圧部35が、軸部13と直交する方向に突出して形成されている。押圧部35は、上下方向から見て円板状をなしている。本実施形態に係る押圧部35は、軸部13のうち上下方向の中央位置付近に形成されているが、押圧部35は、上下方向について軸部13の任意の位置に設けることができる。また、上下方向から見て押圧部35の形状は、四角形、六角形等の多角形状でもよく、また、長円形状でもよく、任意の形状とすることができる。
上下方向について、カムピン19の上面と、押圧部35の下面との間隔は、規制部15の底壁23の厚さ寸法、第1端子11の厚さ寸法、及び第2端子12の厚さ寸法の和よりも、小さく設定されている。
ハンドル16
軸部13の上端部には、ハンドル16が取り付けられるようになっている。細長く延びた板状をなす把持部36と、把持部36の一方の端部から下方に延びる軸固定部37と、を有する。ハンドル16は、絶縁性の合成樹脂を射出成型してなる。ハンドル16を構成する合成樹脂は、強度を向上させる目的や、絶縁性を向上させる目的で合成樹脂に混練されるフィラーを含んでいてもよい。
図6に示すように、軸固定部37の外形は、下方から見て円形状をなしている。軸固定部37の下面には上方に向けて延びる挿入孔38が形成されている。軸固定部37の内面には、軸部13の挿通部に形成された当接面34に対応する位置に、被当接面39が形成されている。軸部13の当接面34と、軸固定部37の被当接面39とが当接することにより、ハンドル16が、軸固定部37に対して回転規制された状態で、固定されるようになっている。
電気的な接続構造
下から順に、規制部15と、第1端子11と、第2端子12とが重ねられた状態で、規制部15、第1端子11、及び第2端子12に軸部13が貫通されるようになっている。このとき、軸部13のカムピン19は、規制部15のピン挿通部27、第1端子11のピン挿通部20、及び第2端子12のピン挿通部22に上方から下方に向けて挿通される。カムピン19の外径寸法は、規制部15のピン挿通部27、第1端子11のピン挿通部20、及び第2端子12のピン挿通部22の、左右方向の幅寸法よりも小さく設定されている。
カムピン19の突出方向と、規制部15のピン挿通部27、第1端子11のピン挿通部20、及び第2端子12のピン挿通部22の延びる方向とが、同じ向きに配された状態では、カムピン19の上面は規制部15の底壁23とは離間している。このため、第1端子11と第2端子12に対しては、互いに接触する方向の力が加わらないようになっている。この状態におけるカムピン19の位置が、解除位置とされる。
一方、図19に示すように、カムピン19の突出方向と、規制部15のピン挿通部27、第1端子11のピン挿通部20、及び第2端子12のピン挿通部22の延びる方向とが、直交する向きに配された状態では、カムピン19の上面は、カム部28の受け溝31と当接するようになっている。これにより、カムピン19は、規制部15のカム部28に対して、上方に押圧する力を加える。これにより、規制部15と、回転部材14の押圧部35との間に第1端子11と第2端子12とが挟みつけられる。すると、軸部13が、カム部28の受け溝31の底面からの突出高さ寸法の分だけ、上下方向について弾性的に延びるように変形する。この結果、軸部13が収縮する方向の弾発力が、カムピン19と、押圧部35との間に働く。すると、カムピン19が当接する規制部15と、押圧部35とから、第1端子11と第2端子12とが互いに接近する方向の力が、第1端子11及び第2端子12に加えられる。これにより、第1端子11と第2端子12とが電気的に接触する。この状態におけるカムピン19の位置が、接続位置とされる。
端子接続部品10の接続方法
続いて、本実施形態に係る端子接続部品10により、第1端子11と第2端子12とを電気的に接続する方法について説明する。
図7及び図8に示すように、規制部15の底壁23の上に、第1端子11を重ねる。このとき、規制部15の規制壁24が、第1端子11の側面に当接するようにする。更に、規制部15の貫通孔25と、第1端子11の貫通孔17とが対応する位置に配されるようにする。
第1端子11の上に、第2端子12を重ねる。このとき、第1端子11の貫通孔17と、第2端子12の溝部21の前端部とが対応する位置に配されるようにする。これにより、規制部15の貫通孔25、第1端子11の貫通孔17、及び第2端子12の溝部21が、上下方向について対応する位置に並ぶように配される。
図9及び図10に示すように、軸部13の挿入部33を、ハンドル16の挿入孔38に下方から挿入する。このとき、軸部13の当接面34と、ハンドル16の被当接面39とが当接するようにする。これにより、軸部13に対してハンドル16が固定される。
重ねられた状態の規制部15、第1端子11、及び第2端子12に対し、上方から、軸部13の下端部を、規制部15の貫通孔25、第1端子11の貫通孔17、及び第2端子12の溝部21に上方から挿入する。このとき、カムピン19の突出方向を、各ピン挿通部20,22,27の延びる方向に対応させる。これにより、軸部13を、規制部15の貫通孔25、第1端子11の貫通孔17、及び第2端子12の溝部21に挿通させる。
このとき、図11及び図12に示すように、回転部材14の押圧部35が第2端子12の上面に上方から当接した状態で、カムピン19の上面は、規制部15とは離間している。カムピン19は、規制部15の貫通孔25に設けられたピン挿通部27に対応する位置に配されているからである。
さて、作業者が、ハンドル16の把持部36を持って、ハンドル16を、図9及び図10における矢線Aに示す方向に回転させる。すると、カムピン19も、図12における矢線Aに示す方向に回転する。
更に作業者がハンドル16を回転させると、図13及び図14に示すように、カムピン19は傾斜面29に沿って摺接し、カム部28の傾斜部30に設けられた傾斜面29に乗り上げる。これにより、カムピン19は、規制部15の底壁23の下面から離間する方向に移動する。
更に、作業者が、図15及び図16に示す位置までハンドル16を回転させると、カムピン19は、カム部28の受け溝31に嵌る(図17及び図18参照)。このとき、カムピン19は係止部32に係止することにより、回り止めされる。
図19に示すように、この状態で、カムピン19の上面はカム部28の受け溝31に下方から当接する。一方、押圧部35は第2端子12に対して上方から当接している。これにより、カムピン19は、規制部15のカム部28に対して、上方に押圧する力を加える。これにより、規制部15と、回転部材14の押圧部35との間に第1端子11と第2端子12とが挟みつけられる。すると、軸部13が、カム部28の受け溝31の底面からの突出高さ寸法の分だけ、上下方向について弾性的に延びるように変形する。この結果、軸部13が収縮する方向の弾発力が、カムピン19と、押圧部35との間に働く。すると、カムピン19が当接する規制部15と、押圧部35とから、第1端子11と第2端子12とが互いに接近する方向の力が、第1端子11及び第2端子12に加えられる。これにより、第1端子11と第2端子12とが電気的に接触する。
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態は、重ねられた第1端子11と第2端子12とを接続する端子接続部品10であって、第1端子11に対して、第2端子12と反対側において回転規制された規制部15と、第1端子11、第2端子12、及び規制部15を貫通する軸部13を有し、軸部13に固定されると共に第2端子12を押圧する押圧部35を有する回転部材14と、軸部13のうち規制部15と反対側の端部に組み付けられると共に、軸部13と電気的に絶縁された把持部36を有するハンドル16と、を備え、ハンドル16を回転させることにより、軸部13に設けられたカムピン19と、規制部15に設けられたカム部28とが摺接して、規制部15と押圧部35との間で第1端子11及び第2端子12が挟まれる。
上記の構成によれば、作業者が、軸部13と電気的に絶縁された把持部36を把持してハンドル16を回転させることにより、第1端子11と第2端子12とが重ねられた状態で、規制部15と押圧部35とに挟圧される。これにより、作業者は絶縁性の材料からなるハンドル16を操作することにより、特殊工具を用いることなく、第1端子11と第2端子12とを電気的に接続することができる。
<実施形態2>
次に、本明細書に開示された技術の実施形態2を図20から図23を参照しつつ説明する。本実施形態に係る蓄電モジュール50は、電極端子51を有する複数の蓄電素子52が並べられた状態で、隣り合う電極端子51同士が電気的に接続されている。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
蓄電素子52
蓄電素子52の内部には、図示しない蓄電要素が収容されている。図20に示すように、蓄電素子52の上面には、板状をなす電極端子51が、蓄電要素と電気的に接続された状態で取り付けられている。蓄電素子52には2つの電極端子51が取り付けられており、一方が正極で、他方が負極とされている。複数の蓄電素子52は、左右方向(並び方向の一例)に並んで配されている。
図21に示すように、電極端子51は金属板材を所定の形状にプレス加工して形成されている。電極端子51を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を選択することができる。正極の電極端子51を構成する金属と、負極の電極端子51を構成する金属は、同じであってもよいし、また、異なっていてもよい。
電極端子51は上方から見て長方形状をなしている。電極端子51の左右両側縁には、前後方向の中央付近に、位置決め溝54が陥没して形成されている。電極端子51の後端部寄りの位置には、蓄電要素と電気的に接続するための内部接続部55が設けられている。
電極端子51の前端部寄りの位置には、上下方向に貫通する貫通孔56が形成されている。貫通孔56の孔縁は、上方から見て、円形状をなす軸挿通部57と、軸挿通部57から前方及び後方に延びると共に、後述するカムピン19が挿通されるピン挿通部58と、を有する。
電極端子51のうち、位置決め溝54よりも前方の領域には、規制部15が下方から取り付けれている規制部15が電極端子51の下方から電極端子51に組み付けられた状態で、規制部15の規制壁24は、電極端子51の左側面及び右側面に当接するようになっている。これにより、規制部15は、電極端子51に対して相対的に回転することが規制されるようになっている。
ロアケース59
規制部15の下方には、絶縁性の合成樹脂を射出成型してなるロアケース59が配されている。ロアケース59は、規制部15が組み付けられた状態の電極端子51の前端部が収容される収容部60を有する。収容部60は上方から見て、規制部15よりもやや大きな長方形状をなしている。収容部60は、後面が開放された開口部61とされている。開口部61の孔縁部の下端部には、左右方向の内方に突出する位置決めリブ62が上方に延びて形成されている。この位置決めリブ62が、電極端子51の位置決め溝54に嵌入することにより、ロアケース59と、電極端子51との位置決めがなされるようになっている。
接続端子63
電極端子51のうち位置決め溝54よりも前方の領域には、接続端子63が上方から重ねられるようになっている。接続端子63は、導電性の金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。接続端子63を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を選択することができる。
接続端子63は、電極端子51の上に重ねられる一対の端子部64と、端子部64の前端部同士を接続する連結部65と、を有する。端子部64は、後端部から前方に向かって凹んだ溝部66を有する。溝部66の前端部には、溝部66の左右方向の幅寸法よりも幅狭なピン挿通部67が、前方に延びて形成されている。
アッパーケース68
規制部15、電極端子51、及び接続端子63が組み付けられたロアケース59の上部には、アッパーケース68が組み付けられるようになっている。アッパーケース68は、絶縁性の合成樹脂を射出成型して形成される。アッパーケース68は、上方から見て長方形状をなす上壁69と、上壁69の側縁から下方に延びる側壁70と、を有する。上壁69には、接続端子63の端子部64の上方の位置に、上方から見て円形状をなす窓部71が開口されている。窓部71の形状は、回転部材14の押圧部35と同じか、やや大きく設定されている。これにより、窓部71内に押圧部35が上方から挿入可能になっている。
ロアケース59の収容部60の前端部と、アッパーケース68のうち窓部71が形成されている領域の前方の部分には、接続端子63の端子部64が前方に導出される導出口72が、前方に開口して形成されている。
ハンドル73
回転部材14の軸部13の上端部には、ハンドル73が取り付けられるようになっている。ハンドル73は、細長く延びた板状をなす把持部74と、把持部74の一方の端部から下方に延びる軸固定部75と、を有する。ハンドル73は、絶縁性の合成樹脂を射出成型してなる。ハンドル73を構成する合成樹脂は、強度を向上させる目的や、絶縁性を向上させる目的で合成樹脂に混練されるフィラーを含んでいてもよい。
軸固定部75は、下方から見て円形状をなすと共に、回転部材14の押圧部35に上方から重なる蓋部76を有する。蓋部76の外形状は、押圧部35の外形状と同じか、やや大きく設定されている。これにより、回転部材14にハンドル73が取り付けられた状態で、押圧部35は蓋部76に上方から覆われた状態になっている。
電気的な接続構造
下から順に、規制部15と、電極端子51と、接続端子63の端子部64とが重ねられた状態で、規制部15、電極端子51、及び接続端子63に軸部13が貫通されるようになっている。このとき、軸部13のカムピン19は、規制部15のピン挿通部27、電極端子51のピン挿通部58、及び接続端子63のピン挿通部67に上方から下方に向けて挿通される。カムピン19の外径寸法は、規制部15のピン挿通部27、電極端子51のピン挿通部58、及び接続端子63のピン挿通部67の、左右方向の幅寸法よりも小さく設定されている。
カムピン19の突出方向と、規制部15のピン挿通部27、電極端子51のピン挿通部58、及び接続端子63のピン挿通部67の延びる方向とが、同じ向きに配された状態では、カムピン19の上面は規制部15の底壁23とは離間している。このため、電極端子51と接続端子63に対しては、互いに接触する方向の力が加わらないようになっている。この状態におけるカムピン19の位置が、解除位置とされる。このとき、図22に示すように、ハンドル73の把持部74は、前後方向(蓄電素子52の並び方向と直交する方向)に延びている。
一方、カムピン19の突出方向と、規制部15のピン挿通部27、電極端子51のピン挿通部58、及び接続端子63のピン挿通部67の延びる方向とが、直交する向きに配された状態では、カムピン19の上面は、カム部28の受け溝31と当接するようになっている。これにより、カムピン19は、規制部15のカム部28に対して、上方に押圧する力を加える。これにより、規制部15と、回転部材14の押圧部35との間に電極端子51と接続端子63とが挟みつけられる。すると、軸部13が、カム部28の受け溝31の底面からの突出高さ寸法の分だけ、上下方向について弾性的に延びるように変形する。この結果、軸部13が収縮する方向の弾発力が、カムピン19と、押圧部35との間に働く。すると、カムピン19が当接する規制部15と、押圧部35とから、電極端子51と接続端子63とが互いに接近する方向の力が、電極端子51及び接続端子63に加えられる。これにより、電極端子51と接続端子63とが電気的に接触する。この状態におけるカムピン19の位置が、接続位置とされる。図23に示すように、接続位置におけるハンドル73の延びる方向は、左右方向(蓄電素子52の並び方向)に沿って延びている。
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係る蓄電モジュール50は、電極端子51を有するとともに、並び方向に沿って並べられた複数の蓄電素子52と、電極端子51に重なる接続端子63と、電極端子51に対して、接続端子63と反対側において回転規制された規制部15と、電極端子51、接続端子63、及び規制部15を貫通する軸部13を有し、軸部13に固定されると共に接続端子63を押圧する押圧部35を有する回転部材14と、軸部13のうち規制部15と反対側の端部に組み付けられると共に、軸部13と電気的に絶縁された把持部74を有するハンドル73と、を備え、ハンドル73を回転させることにより、軸部13に設けられたカムピン19と、規制部15に設けられたカム部28とが摺接して、規制部15と押圧部35との間で電極端子51及び接続端子63が挟まれるようになっている。
上記の構成によれば、作業者が軸部13と電気的に絶縁された把持部74を把持してハンドル73を回転させることにより、電極端子51と接続端子63とが重ねられた状態で、規制部15と押圧部35とに挟圧される。これにより、作業者は絶縁性の材料からなるハンドル73を操作することにより、特殊工具を用いることなく、電極端子51と接続端子63とを電気的に接続することができる。
また、本実施形態によれば、ハンドル73が回転して、ハンドル73の延びる方向が並び方向に沿うように配された状態で、規制部15と押圧部35とによって電極端子51と接続端子63とが挟圧されるようになっている。
上記の構成によれば、電極端子51と接続端子63とが電気的に接続された状態において、ハンドル73は蓄電素子52が並ぶ並び方向に沿って延びるように配されるので、ハンドル73が蓄電素子52の外部に突出しないようになっている。これにより、電極端子51と接続端子63とが電気的に接続された状態において、ハンドル73が異物と衝突することによって電極端子51と接続端子63との電気的な接続が解除されてしまうことが抑制される。
また、本実施形態によれば、接続端子63は、隣り合う蓄電素子52の電極端子51同士を接続するようになっている。
上記の構成によれば、特殊工具を用いることなく、隣り合う蓄電素子52の電極端子51同士を電気的に接続することができる。
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)ハンドルの形状は、細長く延びる形状に限られず、任意の形状とすることができる。
(2)実施形態2に係る蓄電モジュール50においては、接続端子63は隣り合う電極端子51同士を接続する構成としたが、これに限られず、接続部材は、1つの端子部64を有して、1つの電極端子51に接続される構成であってもよい。
(3)実施形態2においては、接続端子63は隣り合う電極端子51同士を接続する構成としたが、これに限定されない。例えば、蓄電モジュール50から外部電源に電力を供給する電力線に接続されるサービスプラグに適用してもよい。
(4)実施形態1に係る端子接続部品10は、広く電気機器における端子の接続構造に適用することができる。
(5)実施形態2に係るハンドル73は、接続位置においては、蓄電素子52の並び方向に沿って延びる配置とされたが、これに限られず、ハンドル16は、接続位置において、並び方向と交差する方向に延びる配置としてもよい。
(6)実施形態1に係る規制部15は、第1端子11に一体に形成される構成としてもよい。また、実施形態2に係る規制部15は、電極端子51に一体に形成される構成としてもよい。
(7)ハンドルは、軸固定部及び把持部が金属からなり、この把持部に、絶縁性の材料からなる絶縁部材が被覆された構成としてもよい。
(8)実施形態2に係る接続端子63は、2つの端子部64を有する構成としたが、これに限られず、3つ以上の端子部64を有する構成としてもよい。3つ以上の端子部64を有する接続端子63は、3つ以上の蓄電素子52が並列接続される場合に好適に用いることができる。
10:端子接続部品
11:第1端子
12:第2端子
13:軸部
14:回転部材
15:規制部
16,73:ハンドル
19:カムピン
28:カム部
35:押圧部
36,74:把持部
50:蓄電モジュール
52:蓄電素子
51:電極端子
63:接続端子

Claims (4)

  1. 重ねられた第1端子と第2端子とを接続する端子接続部品であって、
    前記第1端子に対して、前記第2端子と反対側において回転規制された規制部と、
    前記第1端子、前記第2端子、及び前記規制部を貫通する軸部を有し、前記軸部に固定されると共に前記第2端子を押圧する押圧部を有する回転部材と、
    前記軸部のうち前記規制部と反対側の端部に組み付けられると共に、前記軸部と電気的に絶縁された把持部を有するハンドルと、を備え、
    前記ハンドルを回転させることにより、前記軸部に設けられたカムピンと、前記規制部に設けられたカム部とが摺接して、前記規制部と前記押圧部との間で前記第1端子及び前記第2端子が挟まれる、端子接続部品。
  2. 蓄電モジュールであって、
    電極端子を有するとともに、並び方向に沿って並べられた複数の蓄電素子と、
    前記電極端子に重なる接続端子と、
    前記電極端子に対して、前記接続端子と反対側において回転規制された規制部と、
    前記電極端子、前記接続端子、及び前記規制部を貫通する軸部を有し、前記軸部に固定されると共に前記接続端子を押圧する押圧部を有する回転部材と、
    前記軸部のうち前記規制部と反対側の端部に組み付けられると共に、前記軸部と電気的に絶縁された把持部を有するハンドルと、を備え、
    前記ハンドルを回転させることにより、前記軸部に設けられたカムピンと、前記規制部に設けられたカム部とが摺接して、前記規制部と前記押圧部との間で前記電極端子及び前記接続端子が挟まれる、蓄電モジュール。
  3. 前記ハンドルが回転して、前記ハンドルの延びる方向が前記並び方向に沿うように配された状態で、前記規制部と前記押圧部とによって前記電極端子と前記接続端子とが挟まれるようになっている、請求項2に記載の蓄電モジュール。
  4. 前記接続端子は、隣り合う前記蓄電素子の前記電極端子同士を接続する、請求項2または請求項3に記載の蓄電モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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