以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本発明の一実施の形態に係る文書ファイリングシステムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る文書ファイリングシステム10のブロック図である。
図1に示すように、文書ファイリングシステム10は、文書を管理するECM(Enterprise Content Management)を実現する文書管理システム20と、文書管理システム20によって管理されている文書を表示する文書表示部としてのコンピューター30と、文書管理システム20によって管理されている文書を用紙などの記録媒体に印刷する文書印刷部としてのプリンター専用機40と、プリンター専用機40によって印刷された文書を読み取る文書読取部としてのスキャナー専用機50とを備えている。
文書管理システム20と、コンピューター30と、プリンター専用機40と、スキャナー専用機50とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
文書ファイリングシステム10は、コンピューター30以外にも、コンピューター30と同様の構成のコンピューターを少なくとも1つ備えることが可能である。文書ファイリングシステム10は、プリンター専用機40以外にも、プリンター専用機40と同様の構成のプリンター専用機を少なくとも1つ備えることが可能である。文書ファイリングシステム10は、スキャナー専用機50以外にも、スキャナー専用機50と同様の構成のスキャナー専用機を少なくとも1つ備えることが可能である。
文書管理システム20は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
図2は、1台のコンピューターによって構成される場合の文書管理システム20のブロック図である。
図2に示す文書管理システム20は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部23と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部24と、文書管理システム20全体を制御する制御部25とを備えている。
記憶部24は、文書を示す文書データ24aを記憶可能である。記憶部24は、文書データ24a以外にも、文書データを文書毎に記憶可能である。
記憶部24は、特定の文書に対して追記などの編集が実行された内容、すなわち、特定の文書との差分の内容を示す差分データ24bを記憶可能である。差分データ24bは、差分の画像と、この画像が含まれるページの番号と、このページにおける、この画像の位置とを含むデータである。記憶部24は、差分データ24b以外にも、差分データを記憶可能である。
記憶部24は、文書を表示するために必要な情報を示す文書表示用情報24cを記憶可能である。
制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部25のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部25のCPUは、記憶部24または制御部25のROMに記憶されているプログラムを実行する。
図3は、文書表示用情報24cの一例を示す図である。
図3に示すように、文書表示用情報24cは、文書の大本の文書の文書データのアドレスと、文書の画像の生成に必要な差分データのアドレスと、文書の保存日時と、文書の保存者名とを、文書毎に示している。なお、文書は、大本の文書のファイル名と、バージョンとの組み合わせで識別される。
図3において、「AD_File_01」とは、ファイル名「File_01」の文書の文書データのアドレスを示している。「AD_File_01_1.1」とは、ファイル名「File_01」の文書のバージョン「1.1」の差分データのアドレスを示している。同様に、「AD_File_01_1.2」、「AD_File_01_1.3」、「AD_File_01_1.4」とは、それぞれ、ファイル名「File_01」の文書のバージョン「1.2」、「1.3」、「1.4」の差分データのアドレスを示している。「AD_File_01」、「AD_File_01_1.1」、「AD_File_01_1.2」、「AD_File_01_1.3」、「AD_File_01_1.4」は、実際には具体的なアドレスである。
図4は、コンピューター30のブロック図である。
図4に示すように、コンピューター30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、コンピューター30全体を制御する制御部35とを備えている。
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部35のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
図5は、プリンター専用機40のブロック図である。
図5に示すように、プリンター専用機40は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部41と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部42と、記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター43と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部44と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部45と、プリンター専用機40全体を制御する制御部46とを備えている。
制御部46は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部46のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部46のCPUは、記憶部45または制御部46のROMに記憶されているプログラムを実行する。
図6は、スキャナー専用機50のブロック図である。
図6に示すように、スキャナー専用機50は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部51と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部52と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー53と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部54と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部55と、スキャナー専用機50全体を制御する制御部56とを備えている。
制御部56は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部56のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部56のCPUは、記憶部55または制御部56のROMに記憶されているプログラムを実行する。
次に、文書ファイリングシステム10の動作について説明する。
まず、文書管理システム20によって管理されている文書を表示する場合の文書ファイリングシステム10の動作について説明する。
図7および図8は、文書管理システム20によって管理されている文書を表示する場合のコンピューター30の動作のフローチャートである。
利用者は、文書管理システム20によって管理されている文書の一覧の表示をコンピューター30の操作部31を介して指示することができる。コンピューター30の制御部35は、文書管理システム20によって管理されている文書の一覧の表示が指示されると、図7および図8に示すフローチャートを実行する。
図7および図8に示すように、制御部35は、文書管理システム20によって管理されている文書の一覧を示す文書一覧画面のデータを文書管理システム20に要求する(S101)。したがって、文書管理システム20の制御部25は、要求された文書一覧画面のデータを、記憶部24に記憶されている文書データ、差分データおよび文書表示用情報24cに基づいて生成し、生成したデータをコンピューター30に送信する。
コンピューター30の制御部35は、S101の処理の後、文書一覧画面のデータを受信したと判断するまで、文書一覧画面のデータを受信したか否かを判断する(S102)。
制御部35は、文書一覧画面のデータを受信したとS102において判断すると、受信したとS102において判断したデータに基づいて文書一覧画面を表示部32に表示する(S103)。
図9は、表示部32に表示される文書一覧画面60の一例を示す図である。
図9に示す文書一覧画面60は、文書管理システム20によって管理されている、大本の文書が同一である文書のうち、最新のバージョンの文書を、大本の文書が同一である文書毎に示す画面である。文書一覧画面60には、対象の文書のプレビュー画像60aと、対象の文書の大本の文書のファイル名60bと、対象の文書のバージョン60cと、対象の文書の保存日時60dと、対象の文書の保存者名60eと、対象の文書を詳細に表示するための詳細表示ボタン60fとが、文書毎に含まれている。また、文書一覧画面60には、過去のバージョンが存在する、対象の文書に対して、過去のバージョンを表示するための過去バージョン表示ボタン60gが含まれている。また、文書一覧画面60には、文書一覧画面60の表示を終了するための終了ボタン60hが含まれている。
図7および図8に示すように、制御部35は、S103の処理の後、表示部32に表示中の文書一覧画面の詳細表示ボタンが押されたか否かを判断する(S104)。
制御部35は、表示部32に表示中の文書一覧画面の詳細表示ボタンが押されたとS104において判断すると、この詳細表示ボタンに対応する文書を詳細に表示する文書詳細画面のデータを文書管理システム20に要求する(S105)。したがって、文書管理システム20の制御部25は、要求された文書詳細画面のデータを、記憶部24に記憶されている文書データ、差分データおよび文書表示用情報24cに基づいて生成し、生成したデータをコンピューター30に送信する。
コンピューター30の制御部35は、S105の処理の後、文書詳細画面のデータを受信したと判断するまで、文書詳細画面のデータを受信したか否かを判断する(S106)。
制御部35は、文書詳細画面のデータを受信したとS106において判断すると、受信したとS106において判断したデータに基づいて文書詳細画面を表示部32に表示する(S107)。
図10は、表示部32に表示される文書詳細画面61の一例を示す図である。
図10に示す文書詳細画面61には、対象の文書の画像61aと、対象の文書の大本の文書のファイル名61bと、対象の文書のバージョン61cと、対象の文書の保存日時61dと、対象の文書の保存者名61eと、対象の文書を印刷するための印刷ボタン61fと、文書詳細画面61の表示を終了するための終了ボタン61gとが含まれている。
図7および図8に示すように、制御部35は、S107の処理の後、表示部32に表示中の文書詳細画面の終了ボタンが押されたと判断するまで、表示部32に表示中の文書詳細画面の終了ボタンが押されたか否かを判断する(S108)。
制御部35は、表示部32に表示中の文書詳細画面の終了ボタンが押されたとS108において判断すると、表示部32による文書詳細画面の表示を終了し(S109)、S103の処理を実行する。
制御部35は、表示部32に表示中の文書一覧画面の詳細表示ボタンが押されていないとS104において判断すると、表示部32に表示中の文書一覧画面の過去バージョン表示ボタンが押されたか否かを判断する(S110)。
制御部35は、表示部32に表示中の文書一覧画面の過去バージョン表示ボタンが押されたとS110において判断すると、この過去バージョン表示ボタンに対応する文書の一覧を示す過去バージョン一覧画面のデータを文書管理システム20に要求する(S111)。したがって、文書管理システム20の制御部25は、要求された過去バージョン一覧画面のデータを、記憶部24に記憶されている文書データ、差分データおよび文書表示用情報24cに基づいて生成し、生成したデータをコンピューター30に送信する。
コンピューター30の制御部35は、S111の処理の後、過去バージョン一覧画面のデータを受信したと判断するまで、過去バージョン一覧画面のデータを受信したか否かを判断する(S112)。
制御部35は、過去バージョン一覧画面のデータを受信したとS112において判断すると、受信したとS112において判断したデータに基づいて過去バージョン一覧画面を表示部32に表示する(S113)。
図11は、表示部32に表示される過去バージョン一覧画面62の一例を示す図である。
図11に示す過去バージョン一覧画面62は、文書管理システム20によって管理されている、大本の文書が同一である文書のうち、最新のバージョン以外の文書の一覧を示す画面である。過去バージョン一覧画面62には、対象の文書のプレビュー画像62aと、対象の文書の大本の文書のファイル名62bと、対象の文書のバージョン62cと、対象の文書の保存日時62dと、対象の文書の保存者名62eと、対象の文書を詳細に表示するための詳細表示ボタン62fとが、文書毎に含まれている。また、過去バージョン一覧画面62には、過去バージョン一覧画面62の表示を終了するための終了ボタン62gが含まれている。
図7および図8に示すように、制御部35は、S113の処理の後、表示部32に表示中の過去バージョン一覧画面の詳細表示ボタンが押されたか否かを判断する(S114)。
制御部35は、表示部32に表示中の過去バージョン一覧画面の詳細表示ボタンが押されたとS114において判断すると、この詳細表示ボタンに対応する文書に関して、S105〜S109の処理と同様に、S115〜S119の処理を実行する。
制御部35は、S119の処理の後、S113の処理を実行する。
制御部35は、表示部32に表示中の過去バージョン一覧画面の詳細表示ボタンが押されていないとS114において判断すると、表示部32に表示中の過去バージョン一覧画面の終了ボタンが押されたか否かを判断する(S120)。
制御部35は、表示部32に表示中の過去バージョン一覧画面の終了ボタンが押されていないとS120において判断すると、S114の処理を実行する。
制御部35は、表示部32に表示中の過去バージョン一覧画面の終了ボタンが押されたとS120において判断すると、表示部32による過去バージョン一覧画面の表示を終了し(S121)、S103の処理を実行する。
制御部35は、表示部32に表示中の文書一覧画面の過去バージョン表示ボタンが押されていないとS110において判断すると、表示部32に表示中の文書一覧画面の終了ボタンが押されたか否かを判断する(S122)。
制御部35は、表示部32に表示中の文書一覧画面の終了ボタンが押されていないとS122において判断すると、S104の処理を実行する。
制御部35は、表示部32に表示中の文書一覧画面の終了ボタンが押されたとS122において判断すると、表示部32による文書一覧画面の表示を終了し(S123)、図7および図8に示す動作を終了する。
以上においては、文書管理システム20によって管理されている文書をコンピューター30の操作部31を介した指示に応じてコンピューター30の表示部32に表示する場合について説明している。しかしながら、文書管理システム20は、自身が管理している文書をコンピューター30の操作部31を介した指示に応じてコンピューター30の表示部32に表示する動作と同様に、自身が管理している文書をプリンター専用機40の操作部41を介した指示に応じてプリンター専用機40の表示部42に表示することや、自身が管理している文書をスキャナー専用機50の操作部51を介した指示に応じてスキャナー専用機50の表示部52に表示することも可能である。
次に、文書管理システム20によって管理されている文書を印刷する場合の文書ファイリングシステム10の動作について説明する。
図12は、プリンター専用機40に文書を印刷させる場合の文書管理システム20の動作のフローチャートである。
コンピューター30の制御部35は、表示部32に文書詳細画面を表示している場合に、この文書詳細画面の印刷ボタンが押されたと判断すると、この文書詳細画面の対象の文書の印刷を文書管理システム20に指示する。文書管理システム20の制御部25は、文書の印刷が指示されると、図12に示す動作を実行する。
図12に示すように、制御部25は、対象の文書の大本の文書のファイル名と、対象の文書のバージョンとの組み合わせと、文書表示用情報24cとに基づいて、対象の文書の画像の生成に差分データが必要であるか否かを判断する(S141)。
制御部25は、差分データが必要ではないとS141において判断すると、対象の文書の大本の文書のファイル名と、対象の文書のバージョンとの組み合わせに基づいて、対象の文書の大本の文書の文書データのアドレスを文書表示用情報24cから取得する(S142)。
次いで、制御部25は、S142において取得したアドレスに基づいて、対象の文書の大本の文書の文書データを記憶部24から取得する(S143)。
制御部25は、差分データが必要であるとS141において判断すると、対象の文書の大本の文書のファイル名と、対象の文書のバージョンとの組み合わせに基づいて、対象の文書の大本の文書の文書データのアドレスと、対象の文書の画像の生成に必要な差分データのアドレスとを文書表示用情報24cから取得する(S144)。
次いで、制御部25は、S144において取得したアドレスに基づいて、対象の文書の大本の文書の文書データと、対象の文書の画像の生成に必要な差分データとを記憶部24から取得する(S145)。
次いで、制御部25は、S145において取得した文書データによって示される画像に、S145において取得した差分データによって示される画像を合成する(S146)。
例えば、文書表示用情報24cが図3に示すものであって、対象の文書がファイル名「File_01」のバージョン「1.4」の文書である場合、制御部25は、ファイル名「File_01」の文書の文書データと、ファイル名「File_01」の文書のバージョン「1.1」の差分データと、ファイル名「File_01」の文書のバージョン「1.4」の差分データとをS145において取得する。ここで、ファイル名「File_01」の文書の文書データによって示される画像が図13(a)に示す画像71であり、ファイル名「File_01」の文書のバージョン「1.1」の差分データによって示される画像が図13(b)に示す画像72であり、ファイル名「File_01」の文書のバージョン「1.4」の差分データによって示される画像が図13(c)に示す画像73である場合、制御部25は、S146において図14(a)に示す画像74を生成する。
制御部25は、S143またはS146の処理の後、対象の文書を特定する文書特定情報としてのQRコード(登録商標)を、S143において取得した文書データによって示される画像、または、S146において合成した画像に合成する(S147)。ここで、文書特定情報は、対象の文書の大本の文書のファイル名と、対象の文書のバージョンとの組み合わせを示す情報である。
例えば、制御部25は、S146において図14(a)に示す画像74を生成した場合、S147において図14(b)に示す画像75を生成する。図14(b)に示す画像75は、QRコード75aを含んでいる。
制御部25は、S147の処理の後、S147において合成した画像をプリンター専用機40に印刷させて(S148)、図12に示す動作を終了する。
なお、S148における印刷先は、プリンター専用機40に限らず、コンピューター30の操作部31を介して指定可能でも良い。
S141〜S146の処理は、印刷用の文書の画像の生成のための処理である。しかしながら、文書一覧画面および過去バージョン一覧画面における文書のプレビュー画像の生成のための処理や、文書詳細画面における文書の画像の生成のための処理についても、S141〜S146の処理と同様である。
次に、印刷された文書を読み取る場合の文書ファイリングシステム10の動作について説明する。
図15は、印刷された文書がスキャナー専用機50によって読み取られた場合の文書管理システム20の動作のフローチャートである。
利用者は、図12に示す動作によって生成された文書の印刷物に対して手書きなどによって追記などの編集を実行した後、編集後の印刷物をスキャナー専用機50のスキャナー53にセットすることができる。そして、利用者は、スキャナー53にセットされた印刷物を文書としてECMに取り込むことをスキャナー専用機50の操作部51を介してスキャナー専用機50に指示することができる。スキャナー専用機50の制御部56は、スキャナー53にセットされた印刷物を文書としてECMに取り込むことが指示されると、スキャナー53にセットされた印刷物からスキャナー53によって画像を読み取り、読み取った画像をECMに取り込むことを文書管理システム20に指示する。文書管理システム20は、画像をECMに取り込むことがスキャナー専用機50から指示されると、図15に示す動作を実行する。
図15に示すように、制御部25は、編集前の文書の大本の文書のファイル名と、編集前の文書のバージョンとの組み合わせを、対象の画像に含まれるQRコードから取得する(S161)。
次いで、制御部25は、S161において取得したファイル名およびバージョンの組み合わせと、文書表示用情報24cとに基づいて、編集前の文書の画像の生成に差分データが必要であるか否かを判断する(S162)。
制御部25は、差分データが必要ではないとS162において判断すると、S161において取得したファイル名およびバージョンの組み合わせに基づいて、編集前の文書の大本の文書の文書データのアドレスを文書表示用情報24cから取得する(S163)。
次いで、制御部25は、S163において取得したアドレスに基づいて、編集前の文書の大本の文書の文書データを記憶部24から取得する(S164)。
制御部25は、差分データが必要であるとS162において判断すると、S161において取得したファイル名およびバージョンの組み合わせに基づいて、編集前の文書の大本の文書の文書データのアドレスと、編集前の文書の画像の生成に必要な差分データのアドレスとを文書表示用情報24cから取得する(S165)。
次いで、制御部25は、S165において取得したアドレスに基づいて、編集前の文書の大本の文書の文書データと、編集前の文書の画像の生成に必要な差分データとを記憶部24から取得する(S166)。
次いで、制御部25は、S166において取得した文書データによって示される画像に、S166において取得した差分データによって示される画像を合成する(S167)。
制御部25は、S164またはS167の処理の後、対象の画像からQRコードを除いた画像と、S164において取得した文書データによって示される画像、または、S167において合成した画像とが同一であるか否かを判断する(S168)。
制御部25は、対象の画像からQRコードを除いた画像と、S164において取得した文書データによって示される画像、または、S167において合成した画像とが同一であるとS168において判断すると、図15に示す動作を終了する。
制御部25は、対象の画像からQRコードを除いた画像と、S164において取得した文書データによって示される画像、または、S167において合成した画像とが同一ではないとS168において判断すると、対象の画像からQRコードを除いた画像と、S164において取得した文書データによって示される画像、または、S167において合成した画像との差分データを生成し(S169)、S169において生成した差分データを記憶部24に記憶する(S170)。
次いで、制御部25は、編集前の文書の大本の文書に対する新たなバージョンの文書の情報を文書表示用情報24cに追加する(S171)。すなわち、制御部25は、編集前の文書の大本の文書に対する現在の最新のバージョンの次のバージョンと、このバージョンの文書の画像の生成に必要な差分データのアドレスと、このバージョンの文書の保存日時と、このバージョンの文書の保存者名とを、文書表示用情報24cに追加する。ここで、S171において追加する「文書の画像の生成に必要な差分データのアドレス」は、S170におい記憶した差分データのアドレスである。また、S171において追加する「文書の保存者名」は、図15に示す動作の開始時にスキャナー専用機50を介して文書管理システム20にログインしていた利用者の利用者名である。また、S171において追加する「文書の保存日時」は、S170の処理の実行の日時である。
制御部25は、S171の処理の後、図15に示す動作を終了する。
以上に説明したように、文書ファイリングシステム10は、文書管理システム20が第1の文書を管理している場合に、スキャナー専用機50によって読み取られた第2の文書が、第1の文書が編集されたものであるとき、第1の文書より新しいバージョンの文書として第2の文書を文書管理システム20が管理し(S170およびS171)、バージョンと関連付けて文書をコンピューター30が表示する(S103、S107、S113、S117)ので、利用者が閲覧を希望するバージョンの文書を適切に表示することができる。
文書ファイリングシステム10は、スキャナー専用機50によって読み取られた文書を文書管理システム20が管理する場合に、この文書の大本の文書に対する現在の最新のバージョンの次のバージョンの文書として、この文書を文書管理システム20が管理する(S170およびS171)ので、文書のバージョンの管理を容易化することができる。
文書ファイリングシステム10は、スキャナー53によって読み取られた画像そのものではなく、差分データを文書管理システム20に記憶するので、文書管理システム20の記憶容量を節約することができ、その結果、低コストで運用されることができる。
文書ファイリングシステム10は、本実施の形態において、文書特定情報としてQRコードを採用している。しかしながら、文書ファイリングシステム10は、文書特定情報としてQRコード以外のコードを採用しても良い。
文書ファイリングシステム10は、本実施の形態において、差分データを文書データとは別に記憶する。しかしながら、差分データは、文書データと共に記憶されても良い。例えば、文書ファイリングシステム10は、文書データと、差分データとを別々のレイヤーとして1つのファイルに纏めても良い。文書ファイリングシステム10は、文書データと、差分データとを別々のレイヤーとして1つのファイルに纏める場合、全てのバージョンの文書の画像の生成に必要な差分データを全て含んだ1つのファイルのみを全バージョンの共通のファイルとして生成しても良いし、特定のバージョンの文書の画像の生成に必要な差分データのみを含んだファイルをバージョン毎に生成しても良い。
文書ファイリングシステム10は、本実施の形態において、文書表示部としてコンピューターを備えている。しかしながら、文書ファイリングシステム10は、文書表示部としてコンピューター以外のものを備えても良い。例えば、文書ファイリングシステム10は、文書表示部としてMFP(Multifunction Peripheral)を備えても良い。
文書ファイリングシステム10は、本実施の形態において、文書印刷部としてプリンター専用機を備えている。しかしながら、文書ファイリングシステム10は、文書印刷部としてプリンター専用機以外のものを備えても良い。例えば、文書ファイリングシステム10は、文書印刷部としてMFPを備えても良い。
文書ファイリングシステム10は、本実施の形態において、文書読取部としてスキャナー専用機を備えている。しかしながら、文書ファイリングシステム10は、文書読取部としてスキャナー専用機以外のものを備えても良い。例えば、文書ファイリングシステム10は、文書読取部としてMFPを備えても良い。
文書ファイリングシステム10は、本実施の形態において、文書表示部と、文書印刷部と、文書読取部とを別々のデバイスとして備えている。しかしながら、文書ファイリングシステム10は、文書表示部と、文書印刷部と、文書読取部とのうちの少なくとも2つを1つのデバイスとして備えても良い。例えば、文書ファイリングシステム10は、文書表示部と、文書印刷部と、文書読取部とを1つのMFPとして備えても良い。