JP2020060683A - 虚像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両への搭載性と、虚像の視認性とを両立した虚像表示装置を提供する。
【解決手段】虚像表示装置としてのHUD装置100は、表示器20と、光路を形成する導光部30と、を備える。導光部30は、光路上に配置され、表示光を、投影部3aへ向けて、回折によって反射する回折反射素子35と、光路上において表示器20と回折反射素子35との間に配置され、表示器20からの表示光を、回折反射素子35へ向けて、回折によって反射する回折反射素子31と、を有する。回折反射素子35が投影部3aへ向けて回折によって反射する射出角をθ1と、回折反射素子31から回折反射素子35に入射する入射角をθ2と、回折反射素子31が回折反射素子35へ向けて回折によって反射する射出角をθ3と、表示器20から回折反射素子31に入射する入射角をθ4と、定義する。θ1がθ2よりも小さく、かつ、θ3がθ4よりも大きい。
【選択図】図2

Description

この明細書による開示は、虚像表示装置に関する。
従来、車両に搭載されるように構成され、投影部に画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像表示する虚像表示装置が知られている。特許文献1に開示の装置は、表示器及び導光部を備えている。導光部は、表示器から発せられた表示光を投影部へと導光する光路を形成している。
導光部は、第1のホログラム及び第2のホログラムを有している。第1のホログラムは、回折像をx方向に拡大し、第2のホログラムは、回折像をx方向と略垂直なy方向に拡大する。
特開平7−285357号公報
特許文献1では、導光部にホログラムを採用することにより、導光部の小型化を試みている。しかしながら、第1のホログラムで回折像をx方向に拡大すると、x方向の色収差が発生し、第2のホログラムで回折像をy方向に拡大すると、y方向の色収差が発生する。この結果、虚像においてx方向にもy方向にも色収差が多く残存した状態となっており、虚像の視認性が良好ではなかった。
開示されるひとつの目的は、車両への搭載性と、虚像の視認性とを両立した虚像表示装置を提供することにある。
ここに開示されたひとつの態様は、車両(1)に搭載されるように構成され、投影部(3a)に画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像(VRI)として表示する虚像表示装置であって、
画像の表示光を、基準波長の光と、基準波長とは異なる別波長の光とを含むように発する表示器(20,220,320)と、
表示器から発せられた表示光を投影部へと導光する光路を形成する導光部(30)と、を備え、
導光部は、
光路上に配置され、表示光を、投影部へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する投影部側回折反射素子(35,235,335)と、
光路上において表示器と投影部側回折反射素子との間に配置され、表示器からの表示光を、投影部側回折反射素子へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する表示器側回折反射素子(31,231,331)と、を有し、
車両の鉛直面に沿った断面上に定義される角度として、
投影部側回折反射素子が投影部へ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角をθ1と、
表示器側回折反射素子から投影部側回折反射素子に入射する基準波長の光の入射角をθ2と、
表示器側回折反射素子が投影部側回折反射素子へ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角をθ3と、
表示器から表示器側回折反射素子に入射する基準波長の光の入射角をθ4と、定義すると、
θ1がθ2よりも小さく、かつ、θ3がθ4よりも大きい。
このような態様によると、第1に、表示器側回折反射素子での表示光の反射において、θ3がθ4よりも大きい。要するに、θ3が正反射よりも大きな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ3よりも大きくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ3よりも小さくなるように色ずれする。
第2に、投影部側回折反射素子での表示光の反射において、θ1がθ2よりも小さい。要するに、θ1が正反射よりも小さな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ1よりも小さくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ1よりも大きくなるように色ずれする。
すなわち、表示器側回折反射素子での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれと、投影部側回折反射素子での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれとは、逆方向への色ずれとなる。故に、両回折反射素子での反射において、鉛直面に沿った断面での色収差の少なくとも一部が相殺されるので、虚像においても上下方向の色収差を低減することができる。故に、虚像の視認性を高めることができる。
さらには、投影部側回折反射素子での表示光の反射において、θ2がθ1よりも大きなことにより、θ1で反射された表示光の光路幅に対して、θ2で入射する表示光の光路幅を小さくすることができる。このような光路幅の圧縮効果により、光路上において、投影部側回折反射素子よりも表示器側に配置された表示器側回折反射素子のサイズを比較的小さくすることができるので、HUD装置の体格増大を抑制し、車両への搭載性を良好なものとすることができる。
以上により、車両への搭載性と、虚像の視認性とを両立した虚像表示装置を提供することができる。
ここに開示された他のひとつの態様は、車両(1)に搭載されるように構成され、投影部(3a)に画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像(VRI)として表示する虚像表示装置であって、
画像の表示光を、基準波長の光と、基準波長とは異なる別波長の光とを含むように発する表示器(220,320)と、
表示器から発せられた表示光を投影部へと導光する光路を形成する導光部(30)と、を備え、
導光部は、
光路上に配置され、表示光を、投影部へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する投影部側回折反射素子(235,335)と、
光路上において表示器と投影部側回折反射素子との間に配置され、表示器からの表示光を、投影部側反射素子へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する表示器側回折反射素子(231,331)と、を有し、
車両の水平面に沿った断面上に定義される角度として、
投影部側回折反射素子が投影部へ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角をθ5と、
表示器側回折反射素子から投影部側回折反射素子に入射する基準波長の光の入射角をθ6と、
表示器側回折反射素子が投影部側回折反射素子へ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角をθ7と、
表示器から表示器側回折反射素子に入射する基準波長の光の入射角をθ8と、定義すると、
θ5がθ6よりも小さく、かつ、θ7がθ8よりも小さい。
このような態様によると、第1に、表示器側回折反射素子での表示光の反射において、θ7がθ8よりも小さい。要するに、θ7が正反射よりも小さな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ7よりも小さくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ7よりも大きくなるように色ずれする。
第2に、投影部側回折反射素子での表示光の反射において、θ5がθ6よりも小さい。要するに、θ5が正反射よりも小さな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ5よりも小さくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ5よりも大きくなるように色ずれする。
すなわち、表示器側回折反射素子での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれと、投影部側回折反射素子での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれとは、逆方向への色ずれとなる。故に、両回折反射素子での反射において、水平面に沿った断面での色収差の少なくとも一部が相殺されるので、虚像においても左右方向の色収差を低減することができる。故に、虚像の視認性を高めることができる。
さらには、投影部側回折反射素子での表示光の反射において、θ6がθ5よりも大きなことにより、θ5で反射された表示光の光路幅に対して、θ6で入射する表示光の光路幅を小さくすることができる。このような光路幅の圧縮効果により、光路上において、投影部側回折反射素子よりも表示器側に配置された表示器側回折反射素子のサイズを比較的小さくすることができるので、HUD装置の体格増大を抑制し、車両への搭載性を良好なものとすることができる。
以上により、車両への搭載性と、虚像の視認性とを両立した虚像表示装置を提供することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
第1実施形態のHUD装置の車両への搭載状態を示す図である。 第1実施形態のHUD装置のYZ断面を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の投影部側の回折反射素子における色ずれを説明するための図である。 第1実施形態の表示器側の回折反射素子における色ずれを説明するための図である。 第1実施形態のHUD装置における色ずれの補正を説明するための図である。 第1実施形態における光路幅の圧縮を説明するための図である。 第2実施形態のHUD装置のYZ断面を部分的かつ模式的に示す部分側面断面図である。 第2実施形態の表示器及び両回折反射素子のXY断面を説明するための模式的な上面図である。 第2実施形態のHUD装置における色ずれの補正を説明するための図である。 第3実施形態のHUD装置のXY平面を部分的かつ模式的に示す部分上面断面図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本開示の第1実施形態による虚像表示装置は、車両1としての自動車に搭載されるように構成され、当該車両1のインストルメントパネル2内に収容されているヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置)100となっている。ここで車両とは、自動車、鉄道車両の他、航空機、船舶、移動しないゲーム用筐体等の各種乗り物を含むように広義に解される。
HUD装置100は、車両1のウインドシールド3に設定された投影部3aへ向けて画像の表示光を投射する。これにより、HUD装置100は、画像を、視認者としての車両1の乗員により視認可能に虚像表示する。すなわち、投影部3aにて反射される表示光が、車両1の室内に設定された視認領域EBに到達することにより、視認領域EBにアイポイントEPが位置する乗員が当該表示光を虚像VRIとして知覚する。そして、乗員は、虚像VRIとして表示される各種情報を認識することができる。虚像表示される各種情報としては、例えば車速、燃料残量等の車両1の状態を表す情報、又は視界補助情報、道路情報等のナビゲーション情報等が挙げられる。
以下において、特に断り書きが無い限り、前、後、上、下、左及び右が示す各方向は、水平面上の車両1を基準として表記される。そして、図面上に記載されているように、X軸が左右方向に沿い、Y軸が前後方向に沿い、Z軸が上下方向に沿うように、3次元座標が定義される。
車両1のウインドシールド3は、例えばガラスないしは合成樹脂により透光性の板状に形成され、インストルメントパネル2よりも上方に配置されている。ウインドシールド3は、前方から後方へ向かう程、インストルメントパネル2に対して離間するように傾斜している。ウインドシールド3は、表示光が投影される投影部3aを、滑らかな凹面状又は平面状に形成している。なお、投影部3aは、ウインドシールド3に設けられていなくてもよい。例えば車両1と別体となっているコンバイナをインストルメントパネル2の上面に設置して、投影部3aが当該コンバイナに設けられていてもよい。
視認領域EBは、HUD装置100により表示される虚像VRIが所定の規格を満たすように(例えば虚像VRI全体が所定の輝度以上となるように)視認可能となる空間領域であって、アイボックスとも称される。視認領域EBは、典型的には、車両1に設定されたアイリプスと重なるように設定される。アイリプスは、乗員のアイポイントEPの空間分布を統計的に表したアイレンジに基づいて、楕円体状に設定されている。
このようなHUD装置100の具体的構成を、図2も用いて、以下に説明する。HUD装置100は、筐体10、表示器20、及び導光部30等により構成されている。
筐体10は、例えば合成樹脂により遮光性の壁部11により内部空間ISを形成した中空箱状を呈している。筐体10は、表示器20、表示器20を制御する制御基板、及び導光部30等を、内部空間ISに収容すると共に保持している。筐体10において投影部3aと上下方向に対向する上部には、表示光を透過させるために光学的に開口している窓部12が設けられている。窓部12は、物理的に開口していてもよく、透光性の薄板状に形成された防塵シートによって覆われていてもよい。
表示器20は、虚像VRIとして結像されることとなる画像を実像面21上に表示する。表示器20としては、透過型又は反射型の液晶パネルを用いて画像を表示する液晶表示器、エレクトロルミネッセンスを用いて自発光するEL表示器、レーザスキャナ方式の表示器、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたDLP(Digital Light Processing;登録商標)方式の表示器等を採用することができる。ここで特に本実施形態の表示器20は、カラー画像を表示し、赤色光、緑色光、及び青色光が組み合わされた表示光を導光部へと射出する。また表示器20は、可視域の各波長を含む白色光を、表示光として射出してもよい。
本実施形態の表示器20は、筐体10の内部空間ISにおいて下側に配置され、上方かつ後方である斜め方向に、表示光を発するようになっている。
導光部30は、表示器20から発せられた表示光を、装置外部の投影部3aへと導光する光路を形成している。本実施形態の導光部30は、2つの回折反射素子31,35を有している。なお、回折反射素子31を表示器側回折反射素子とも称し、回折反射素子35を投影部側回折反射素子とも称する。
各回折反射素子31,35は、回折構造を有し、表示光を回折によって反射可能に形成されている。例えば本実施形態の各回折反射素子31,35は、その媒質中に周期的な屈折率分布をもつ素子である。各回折反射素子31,35は、ホログラム層を、一対の透光基板層によって挟むことにより、薄板状に、特に平板状に形成されたホログラム素子となっている。ホログラム層での周期的な屈折率分布が、回折構造として機能する。なお、ホログラム素子としては、回折効率及び波長依存性を考慮して、体積型のホログラム素子が採用されることが好適である。
一対の透光基板層は、例えば合成樹脂ないしはガラス等により透光性を有する薄板状に形成され、ホログラム層を保護し、補強している。
ホログラム層は、予め、ホログラム材料に、物体光の振幅及び位相の情報を、参照光との干渉縞として記録した状態で形成されている。ここでいう干渉縞とは、上述の周期的な屈折率分布により具現された干渉縞である。ホログラム材料には、合成樹脂を主体とした材料、ゼラチン感光材料、又は銀塩感光材料等、屈折率の空間的な変調によって物体光の振幅及び位相の情報を記録可能な材料が選択的に採用され得る。
回折反射素子31は、光路上において、回折反射素子35よりも表示器20側、すなわち表示器20と回折反射素子35との間に配置されている。回折反射素子31のホログラム層には、表示光をブラッグ反射させるような干渉縞が形成されている。例えば、当該干渉縞において屈折率が変調する変調方向は、回折反射素子31の表面32とは斜めに交差する方向に設定される。これにより、回折次数のうち回折効率が最も高い1次の回折光(以下、1次回折光という)にて、当該表面32の法線を基準とした入射角と射出角とは、互いに異なったものとなる。
回折反射素子35は、光路上において、回折反射素子31よりも投影部3a側、すなわち回折反射素子31と窓部12の間に配置されている。回折反射素子35のホログラム層にも、表示光をブラッグ反射させるような干渉縞が形成されている。例えば、当該干渉縞において屈折率が変調する変調方向は、回折反射素子35の表面36とは斜めに交差する方向に設定される。これにより、1次回折光にて、当該表面36の法線を基準とした入射角と射出角とは、互いに異なったものとなる。
こうして表示器20から発せられた表示光は、導光部30により形成された光路を、回折反射素子31、回折反射素子35の順に回折によって反射されて、投影部3aへ投影されることとなる。
本実施形態において、回折反射素子31と回折反射素子35とは、互いの表面32,36が正対することを避けるように、表面32,36の接線方向に沿ってずれて配置されている。回折反射素子31は、表示器20と上下方向に対向し、回折反射素子35は、投影部3aと上下方向に対向している。表示器20からの表示光は、回折反射素子31において下方かつ前方の斜め方向を向く表面32に入射し、当該表面32から回折反射素子35へ向けて射出される。その後、表示光は、回折反射素子35において上方かつ後方の斜め方向を向く表面36に入射し、当該表面36から投影部3aへ向けて射出される。
そして、表示器20の実像面21、回折反射素子31の表面32、及び回折反射素子35の表面36は、左右方向へ傾斜することを避けるように配置されている。回折反射素子31における車両1の前後方向に沿った鉛直面に沿った断面(すなわちYZ断面)上では、回折反射素子31に対して表示光が斜めに入射するように構成されている。また、回折反射素子35におけるこうしたYZ断面上では、回折反射素子35に対して表示光が斜めに入射するように構成されている。
ここで、図2に示されるYZ断面上において定義される各角度θ1〜θ4の関係について説明する。回折反射素子31におけるYZ断面上において、回折反射素子35が投影部3aへ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角をθ1とする。また、こうしたYZ断面上において、回折反射素子31から回折反射素子35に入射する基準波長の光の入射角をθ2とする。また、回折反射素子31におけるYZ断面上において、回折反射素子31が回折反射素子35へ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角θ3とする。また、こうしたYZ断面上において、表示器20から回折反射素子31に入射する基準波長の光の入射角をθ4とする。本実施形態の各角度θ1〜θ4は、表面32,36を基準として定義される。
なお、角度θ1,θ3にて反射される基準波長の光は、本実施形態では、上述の通り1次回折光となっている。基準波長の光と基準波長とは異なる別波長の光を含むように発せられる表示器20の表示光のうち、任意の波長を基準波長として定めることが可能であるが、本実施形態では、各色の波長の中央値に最も近い緑色光の波長を基準波長と定めて以下の説明を行なう。
基準波長の光は、回折反射素子31,35により、YZ断面上においてジグザグ状に進むように反射されていく。そして本実施形態では、θ1がθ2よりも小さくなるように、回折反射素子35の干渉縞が形成され、かつ、θ3がθ4よりも大きくなるように、回折反射素子31の干渉縞が形成されている。
図3に示すように、回折反射素子35における反射において、基準波長の緑色光は、θ2で入射し、θ1で反射される。すなわち、射出角θ1は、回折を伴わない正反射における反射角よりも小さな角度である。この場合に、基準波長よりも長波長の光は、θ1よりも小さな射出角にて反射され、基準波長よりも短波長の光は、θ1よりも大きな射出角にて反射される。
したがって、回折反射素子35に、緑色光よりも長波長の赤色光がθ2で入射すると、赤色光は、θ1よりも小さな射出角にて反射される。また仮に、回折反射素子35に、緑色光よりも短波長の青色光がθ2で入射すると、青色光は、θ1よりも大きな射出角にて反射される。
また、図4に示すように、回折反射素子31における反射において、基準波長の緑色光は、θ4で入射し、θ3で反射される。すなわち、射出角θ3は、回折を伴わない正反射における反射角よりも大きな角度である。この場合に、基準波長よりも長波長の光は、θ3よりも大きな射出角にて反射され、基準波長よりも短波長の光は、θ3よりも小さな射出角にて反射される。
したがって、仮に、回折反射素子31に、緑色光よりも長波長の赤色光がθ4で入射すると、赤色光は、θ3よりも大きな射出角にて反射される。また仮に、回折反射素子31に、緑色光よりも短波長の青色光がθ4で入射すると、青色光は、θ3よりも小さな射出角にて反射される。
このように、回折反射素子35での反射にて生じる色ずれの方向と、回折反射素子31での反射にて生じる色ずれの方向とが、逆方向の色ずれとなる。故に、図5に示すように、表示器20の略同じ箇所(画素)から発せられた各色の表示光が、回折反射素子31、回折反射素子35の順に反射されると、その間に、鉛直面方向(虚像VRIとして表示されたときには、上下方向が対応する)の色ずれが相殺される。表示光は、最終的に鉛直面方向の色ずれの少ない状態で導光部30から射出される。
また、本実施形態の表示器20の実像面21、回折反射素子31の表面32、及び回折反射素子35の表面36は、左右方向へ傾斜することを避けるように配置されている。回折反射素子31における水平面に沿った断面(すなわちXY平面)上では、回折反射素子31に対して表示光が略垂直に入射するように構成されている。また、回折反射素子35におけるXY断面上では、回折反射素子35に対して表示光が略垂直に入射するように構成されている。したがって、水平面方向(すなわち虚像VRIとして表示されたときには、左右方向が対応する)の色ずれの発生が抑制されている。また、θ2とθ3との差を小さく設定することにより、色ずれの相殺、すなわち色収差の低減効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、θ2がθ3よりも小さくなっている。したがって、回折反射素子31がより寝た姿勢となるように(表面32がより下方を向くように)、配置できる。したがって、θ4を小さくしても、表示器20と回折反射素子35とは、干渉しないように、離間して配置可能となる。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
第1実施形態によると、第1に、回折反射素子31での表示光の反射において、θ3がθ4よりも大きい。要するに、θ3が正反射よりも大きな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ3よりも大きくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ3よりも小さくなるように色ずれする。
第2に、光路上において回折反射素子31よりも投影部3a側に配置された回折反射素子35での表示光の反射において、θ1がθ2よりも小さい。要するに、θ1が正反射よりも小さな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ1よりも小さくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ1よりも大きくなるように色ずれする。
すなわち、回折反射素子31での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれと、回折反射素子35での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれとは、逆方向への色ずれとなる。故に、両回折反射素子31,35での反射において、鉛直面に沿った断面での色収差の少なくとも一部が相殺されるので、虚像VRIにおいても上下方向の色収差を低減することができる。故に、虚像VRIの視認性を高めることができる。
さらには、回折反射素子35での表示光の反射において、θ2がθ1よりも大きなことにより、図6に示すように、θ1で反射された表示光の光路幅に対して、θ2で入射する表示光の光路幅を小さくすることができる。このような光路幅の圧縮効果により、光路上において、回折反射素子35よりも表示器20側に配置された回折反射素子31のサイズを比較的小さくすることができるので、HUD装置100の体格増大を抑制し、車両1への搭載性を良好なものとすることができる。
以上により、車両1への搭載性と、虚像VRIの視認性とを両立したHUD装置100を提供することができる。
また、第1実施形態によると、θ2がθ3よりも小さい。このようにすると、θ4がθ3よりも小さい状況下であっても、θ3をθ2よりも大きくすることで、回折反射素子31に対して表示器20を必要以上に遠ざけなくても、表示器20を回折反射素子35から遠ざける配置が可能となる。回折反射素子31に対して表示器20を必要以上に遠ざけないことにより、HUD装置100の車両1への搭載性を高めることができる。これと共に、表示器20と回折反射素子35とが近づき過ぎて光学的に干渉することが抑制できるので、虚像VRIの視認性を高めることができる。
(第2実施形態)
図7〜9に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態では、第1実施形態で説明したθ1〜θ4の関係を成立させつつ(図7参照)、さらにXY断面上で以下のようなθ5〜θ8の関係が成立するように、表示器220、回折反射素子231,235が配置されている。
具体的に、表示器220の実像面221は、法線方向が概ね上方かつ右方である斜め方向を向き、上方かつ右方である斜め方向に、表示光を発する。回折反射素子231は、表示器220と概ね上下かつ左右の斜め方向に対向し、その表面232は、下方かつ左方の斜め方向を向いている。光路上において回折反射素子231よりも投影部3a側に配置された回折反射素子235は、表示器220に対して前方かつ上方かつ右方に位置すると共に、回折反射素子231に対して前方かつ左方に位置している。回折反射素子235の表面236は、後方かつ上方の斜め方向を向いている。
このように、第2実施形態において表示器220の実像面221及び回折反射素子231の表面232は、前後方向に加えて、左右方向にも傾斜するように配置されている。回折反射素子231におけるXY断面上では、回折反射素子231に対して表示光が斜めに入射するように構成されている。また、回折反射素子235におけるXY断面上では、回折反射素子235に対して表示光が斜めに入射するように構成されている。
ここで、図8に示されるXY断面上において定義される各角度θ5〜θ8の関係について説明する。回折反射素子235におけるXY断面上において、回折反射素子235が投影部3aへ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角をθ5とする。また、こうしたXY断面上において、回折反射素子231から回折反射素子235に入射する基準波長の光の入射角をθ6とする。また、回折反射素子231におけるXY断面上において、回折反射素子231が回折反射素子235へ向けて回折によって反射する基準波長の光の射出角θ7とする。また、こうしたXY断面上において、表示器220から回折反射素子231に入射する基準波長の光の入射角をθ8とする。本実施形態の各角度θ5〜θ8は、表面232,236を基準として定義される。
なお、角度θ5,θ7にて反射される基準波長の光は、角度θ1,θ3と同様の1次回折光であって、例えば緑色光の波長の光として扱うことができる。
基準波長の光は、回折反射素子231,235により、XY断面上においてU字状に進むように(旋回するように)反射されていく。そして本実施形態では、θ5がθ6よりも小さくなるように、回折反射素子235の干渉縞が形成され、かつ、θ7がθ8よりも小さくなるように、回折反射素子231の干渉縞が形成されている。このようにすると、図9に示すように、回折反射素子231での反射にて拡がるように色ずれする各波長の表示光が、回折反射素子235での反射にて、拡がりを縮小するように射出される。例えば各波長の表示光が平行に近づく。したがって、水平面方向の色ずれが相殺できる。また、θ6とθ7との差を小さく設定することにより、色ずれの相殺、すなわち色収差の低減効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、θ6がθ5よりも大きくなっている。したがって、回折反射素子231が回折反射素子235の正面から外れた位置に配置することができる。そのため表示器220と回折反射素子235とは、干渉しないように、離間して配置可能となる。
また、各回折反射素子231,235に入射する表示光のうち一部には、回折の影響を受けずに、表面232,236で、正反射される表示光(以下、0次光という)が存在する。
回折反射素子231に反射された0次光は、θ4及びθ8の角度で反射されることとなる。表示器220及び回折反射素子235は、θ4及びθ8での反射方向を避けた位置に配置されている。互いに離間した表示器220と回折反射素子235との間には、0次光処理用空間ZSが形成されている。こうした配置により、回折反射素子231に反射された0次光は、0次光処理用空間ZSを抜けて遮光性の壁部11で吸収処理される。
回折反射素子235に反射された0次光は、θ2及びθ6の角度で反射されることとなる。そうすると、回折反射素子235に反射された0次光は、ウインドシールド3において投影部3a以外の箇所に向かうようになっている。当該箇所でさらに反射された0次光は、視認領域EBの外部ないしアイリプスの外部へ向かうようになっている。
このようにして、表示光のうち、回折反射素子231に反射された0次光及び回折反射素子235に反射された0次光は、それぞれ光路外へと分離されるようになっている。
なお、図7において、表示器220及び回折反射素子231は、側面を示しており、表示器220及び回折反射素子231中に記載された太線がYZ断面における断面形状を模式的に示している。一方、回折反射素子235及び筐体10は、YZ断面における断面形状を模式的に示している。
またなお、図8において、表示器220及び回折反射素子231,235は、上面を示しており、表示器220及び回折反射素子231,235中に記載された太線がXY断面における断面形状を模式的に示している。筐体10の図示は省略されている。
以上説明した第2実施形態によると、第1に、回折反射素子231での表示光の反射において、θ7がθ8よりも小さい。要するに、θ7が正反射よりも小さな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ7よりも小さくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ7よりも大きくなるように色ずれする。
第2に、光路上において回折反射素子231よりも投影部3a側に配置された回折反射素子235での表示光の反射において、θ5がθ6よりも小さい。要するに、θ5が正反射よりも小さな角度であるので、別波長が基準波長よりも長波長であれば、別波長の光の反射角がθ5よりも小さくなるように色ずれし、別波長が基準波長よりも短波長であれば、別波長の光の反射角がθ5よりも大きくなるように色ずれする。
すなわち、回折反射素子231での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれと、回折反射素子235での表示光の反射における別波長の基準波長に対する色ずれとは、逆方向への色ずれとなる。故に、両回折反射素子231,235での反射において、水平面に沿った断面での色収差の少なくとも一部が相殺されるので、虚像VRIにおいても左右方向の色収差を低減することができる。故に、虚像VRIの視認性を高めることができる。
さらには、回折反射素子235での表示光の反射において、θ6がθ5よりも大きなことにより、θ5で反射された表示光の光路幅に対して、θ6で入射する表示光の光路幅を小さくすることができる。このような光路幅の圧縮効果により、光路上において、回折反射素子235よりも表示器220側に配置された回折反射素子231のサイズを比較的小さくすることができるので、HUD装置100の体格増大を抑制し、車両1への搭載性を良好なものとすることができる。
以上により、車両1への搭載性と、虚像VRIの視認性とを両立したHUD装置100を提供することができる。
また、第2実施形態によると、θ6がθ5よりも大きくなっている。したがって、回折反射素子231が回折反射素子235の正面から外れた位置に配置することができる。そのため表示器220と回折反射素子235とは、干渉しないように、離間して配置可能となる。回折反射素子231に対して表示器220を必要以上に遠ざけないことにより、HUD装置100の車両1への搭載性を高めることができる。これと共に、表示器220と回折反射素子235とが近づき過ぎて光学的に干渉することが抑制できるので、虚像VRIの視認性を高めることができる。
また、第2実施形態によると、表示器220及び回折反射素子235は、回折反射素子231に対して、表示光が回折反射素子231によって反射される0次光の反射方向を、避けた位置に配置されている。回折反射素子231の0次光が表示器220又は回折反射素子235と干渉して光路を導光されることが抑制され、回折反射素子231の0次光を光路から分離することができる。故に、虚像VRIが0次光の影響を受け難くなり、虚像VRIの視認性を高めることができる。
また、第2実施形態によると、回折反射素子235は、表示光のうち0次光を、装置外部において視認領域EBの外部へ向かうように反射する。回折反射素子235の0次光が視認領域EBにおいて虚像VRIと共に感知されてしまうことが抑制されるので、虚像VRIの視認性を高めることができる。
(第3実施形態)
図10に示すように、第3実施形態は第2実施形態の変形例である。第3実施形態について、第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第3実施形態の筐体310は、壁部311において、表示器320を配置するための収容部313を有している。また、筐体310は、光路上において回折反射素子335よりも表示器320側の回折反射素子331を配置するための収容部314を有している。収容部313と収容部314とは、内部空間ISを挟んで対向方向(本実施形態では左右方向)に対向するように配置されている。
収容部313は、筐体310の左側方の壁部311aを貫通する貫通穴状に形成されている。表示器320は、実像面321が内部空間IS側を向くように、かつ、収容部313を塞ぐように、配置されている。より詳細に、収容部313内に配置された実像面321は、上方かつ右方の斜め方向、換言すると回折反射素子331への方向を向いている。表示器320において実像面321とは反対側の部位を装置外部へ露出させることにより、表示器320で発生する熱を効率的に装置外部へ放出することができる。
収容部314は、筐体310の右側方の壁部311bにおいて、内部空間IS側から装置外部側へと凹む有底の凹穴状に形成されている。回折反射素子331は、表面332が内部空間IS側を向くように、配置されている。より詳細に、収容部314内に配置された表面332は、前方かつ下方かつ左方の斜め方向を向くように配置されている。
このような配置により、第3実施形態では、回折反射素子331におけるXY断面上では、θ7がθ8よりも小さくなるように設定されている。例えば、角度θ6とθ7とθ8の和は90度程度に設定されている。
さらに、第3実施形態の筐体310は、前側の壁部311cにおいて、回折反射素子335を配置するための収容部315を有している。収容部315は、内部空間ISのうち収容部313と収容部314との対向によって表示器320と回折反射素子331との間に挟まれた対向空間ISTに対して、対向方向とは垂直な方向(本実施形態では前方)にずれた位置に設けられている。回折反射素子335の表面336は、上方かつ後方の斜め方向を向いている。そして、角度θ6も45度程度に設定されている。
したがって、XY断面を切り取ると、回折反射素子335の表面336は、表示器320の実像面321及び回折反射素子331の表面332に対して、略垂直な方向を向くように配置されている。
筐体310の後方の壁部311dにおいて、対向空間ISTとは後方にずれた位置、すなわち回折反射素子335と前後方向に対向する位置には、外光処理部311eが設けられている。外光(例えば太陽光)が、上方から下方へ、ウインドシールド3を透過し、窓部12を介して筐体310内の回折反射素子335に入射すると、外光の少なくとも一部は、回折の影響を受けずに、表面336にて正反射される。そうすると、外光は後方へ向かうように向きを変え、外光処理部311eに入射することとなる。外光処理部311eは、例えば、壁部311dの表面をシボ加工等により粗面状に形成すること、当該表面にフェルトを貼り付けること、又は当該表面に外光を吸収する塗料を塗布すること等により、外光の吸収率又は拡散率が高くなるように構成されている。
ここで、導光部30による光路を、投影部3aから表示光とは逆向きに進む仮想光線を定義する。仮想光線は、θ1及びθ5の入射角にて回折反射素子335に入射する。そうすると、仮想光線のうち一部には、回折の影響を受けずに、表面232,236で、正反射される0次光が存在する。この仮想光線の0次光は、回折反射素子335からθ1及びθ5の射出角にて反射される。そうすると、本実施形態において、表示器320及び回折反射素子331は、仮想光線の0次光の反射方向を避けた位置に配置されている。そして、仮想光線の0次光の反射方向には、上述の外光処理部311eが位置していることになる。
なお、図9において、表示器320及び回折反射素子331,335は、上面を示しており、表示器320及び回折反射素子331,335中に記載された太線がXY断面における断面形状を模式的に示している。一方、筐体310は、YZ断面における断面形状を模式的に示している。
以上説明した第3実施形態によると、表示器320及び回折反射素子331は、回折反射素子335に対して、上述の仮想光線が回折反射素子335によって反射される0次光の反射方向を、避けた位置に配置されている。これによれば、例えば太陽光等の外光が光路を逆行する形態で当該光路へ浸入しても、当該外光が表示器320又は回折反射素子331と干渉して光路を投影部3a側へ導光されることが抑制され、光路から分離することができる。故に、虚像VRIが外光の影響を受け難くなり、虚像VRIの視認性を高めることができる。
また、第3実施形態によると、壁部311dは、回折反射素子335に対して、上述の仮想光線が回折反射素子335によって反射される0次光の反射方向に位置し、装置外部から入射する外光を吸収及び拡散のうち少なくとも一方によって処理する外光処理部311eを有する。外光処理部311eにより外光が処理されることにより、外光が筐体10内で反射されて光路に戻る事態を抑制することができる。故に、虚像VRIが外光の影響を受け難くなり、虚像VRIの視認性を高めることができる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に変形例1としては、回折反射素子31,35は、露光によって作製されたホログラム素子でなくてもよい。例えば、露光以外の方法で、媒質中に屈折率分布をもたせた素子であってもよい。また例えば、凹凸等の機械的構造を用いた回折格子によって、回折反射素子31,35が実現されていてもよい。
変形例2としては、回折反射素子31,35は、平板状以外、例えば滑らかな曲面状の表面32,36を有する湾曲板状に形成されていてもよい。
変形例3としては、回折反射素子31,35は、正の光学パワー又は負の光学パワーを有していてもよい。
変形例4としては、回折反射素子31,35による色ずれ相殺の作用が発揮可能な態様にて、導光部30に、レンズ、ミラー、プリズム、偏光板、位相差板、光学フィルタ等が追加されてもよい。
変形例5としては、表示器20及び回折反射素子31,35等の配置は、第1〜3実施形態に対して、例えば前後反転すること、左右反転すること、全体を回転すること等、HUD装置100と投影部3aとの位置関係に適した配置となるように、適宜変更することができる。
変形例6としては、基準波長としては、緑色光の波長以外を選択することが可能である。例えば、表示器20が赤色光、緑色光及び青色光を組み合わせた表示光を発する場合に、赤色光の波長又は青色光の波長を基準波長として定めることができる。表示器20が赤色光及び青色光を組み合わせた表示光を発する場合には、赤色光の波長又は青色光の波長を基準波長として定めることができる。表示器20が白色光を発する場合には、白色光に含まれるいずれかの波長を、基準波長として定めることができる。表示光に含まれる全ての波長に対してではなく、表示光に含まれる1つの基準波長に対して、上述のθ1がθ2よりも小さく、かつ、θ3がθ4よりも大きな関係が成立してさえいれば、車両1への搭載性を向上させることができ、虚像VRIの視認性を高めることができることは言うまでもない。
第1実施形態に関する変形例7としては、θ2がθ3以上に設定されていてもよい。
第2実施形態に関する変形例8としては、回折反射素子231に反射された0次光及び回折反射素子235に反射された0次光のうち少なくとも一方が、光路内に留まる構成であってもよい。
第3実施形態に関する変形例9としては、収容部313が有底の凹穴状に形成されていてもよい。収容部314が貫通穴状に形成されていてもよい。
第2,3実施形態に関する変形例10としては、θ7がθ8よりも小さく、かつ、θ5がθ6よりも小さいというθ5〜θ8の関係を満たしていれば、θ1がθ2よりも小さく、かつ、θ3がθ4よりも大きいというθ1〜θ4の関係を満たしていなくてもよい。
100 HUD装置(虚像表示装置)、1 車両、3a 投影部、20,220,320 表示器、31,231,331 回折反射素子(表示器側回折反射素子)、35,235,335 回折反射素子(投影部側回折反射素子)、VRI 虚像

Claims (8)

  1. 車両(1)に搭載されるように構成され、投影部(3a)に画像を投影することにより、前記画像を視認可能に虚像(VRI)として表示する虚像表示装置であって、
    前記画像の表示光を、基準波長の光と、前記基準波長とは異なる別波長の光とを含むように発する表示器(20,220,320)と、
    前記表示器から発せられた前記表示光を前記投影部へと導光する光路を形成する導光部(30)と、を備え、
    前記導光部は、
    前記光路上に配置され、前記表示光を、前記投影部へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する投影部側回折反射素子(35,235,335)と、
    前記光路上において前記表示器と前記投影部側回折反射素子との間に配置され、前記表示器からの前記表示光を、前記投影部側回折反射素子へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する表示器側回折反射素子(31,231,331)と、を有し、
    前記車両の鉛直面に沿った断面上に定義される角度として、
    前記投影部側回折反射素子が前記投影部へ向けて回折によって反射する前記基準波長の光の射出角をθ1と、
    前記表示器側回折反射素子から前記投影部側回折反射素子に入射する前記基準波長の光の入射角をθ2と、
    前記表示器側回折反射素子が前記投影部側回折反射素子へ向けて回折によって反射する前記基準波長の光の射出角をθ3と、
    前記表示器から前記表示器側回折反射素子に入射する前記基準波長の光の入射角をθ4と、定義すると、
    θ1がθ2よりも小さく、かつ、θ3がθ4よりも大きな虚像表示装置。
  2. θ2がθ3よりも小さな請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記車両の水平面に沿った断面上に定義される角度として、
    前記投影部側回折反射素子が前記投影部へ向けて回折によって反射する前記基準波長の光の射出角をθ5と、
    前記表示器側回折反射素子から前記投影部側回折反射素子に入射する前記基準波長の光の入射角をθ6と、
    前記表示器側回折反射素子が前記投影部側回折反射素子へ向けて回折によって反射する前記基準波長の光の射出角をθ7と、
    前記表示器から前記表示器側回折反射素子に入射する前記基準波長の光の入射角をθ8と、定義すると、
    θ5がθ6よりも小さく、かつ、θ7がθ8よりも小さい請求項1又は2に記載の虚像表示装置。
  4. 車両(1)に搭載されるように構成され、投影部(3a)に画像を投影することにより、前記画像を視認可能に虚像(VRI)として表示する虚像表示装置であって、
    前記画像の表示光を、基準波長の光と、前記基準波長とは異なる別波長の光とを含むように発する表示器(220,320)と、
    前記表示器から発せられた前記表示光を前記投影部へと導光する光路を形成する導光部(30)と、を備え、
    前記導光部は、
    前記光路上に配置され、前記表示光を、前記投影部へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する投影部側回折反射素子(235,335)と、
    前記光路上において前記表示器と前記投影部側回折反射素子との間に配置され、前記表示器からの前記表示光を、前記投影部側回折反射素子へ向けて、入射角と射出角とが互いに異なるように回折によって反射する表示器側回折反射素子(231,331)と、を有し、
    前記車両の水平面に沿った断面上に定義される角度として、
    前記投影部側回折反射素子が前記投影部へ向けて回折によって反射する前記基準波長の光の射出角をθ5と、
    前記表示器側回折反射素子から前記投影部側回折反射素子に入射する前記基準波長の光の入射角をθ6と、
    前記表示器側回折反射素子が前記投影部側回折反射素子へ向けて回折によって反射する前記基準波長の光の射出角をθ7と、
    前記表示器から前記表示器側回折反射素子に入射する前記基準波長の光の入射角をθ8と、定義すると、
    θ5がθ6よりも小さく、かつ、θ7がθ8よりも小さい虚像表示装置。
  5. 前記表示器及び前記投影部側回折反射素子は、前記表示器側回折反射素子に対して、前記表示光が前記表示器側回折反射素子によって反射される0次光の反射方向を、避けた位置に配置されている請求項1から4のいずれか1項に記載の虚像表示装置。
  6. 前記投影部側回折反射素子は、前記表示光のうち0次光を、装置外部において前記虚像を視認可能な視認領域(EB)に対する外部へ向かうように反射する請求項1から5のいずれか1項に記載の虚像表示装置。
  7. 前記投影部から前記光路を前記表示光とは逆向きに進む仮想光線を定義すると、
    前記表示器及び前記表示器側回折反射素子は、前記投影部側回折反射素子に対して、前記仮想光線が前記投影部側回折反射素子によって反射される0次光の反射方向を、避けた位置に配置されている請求項1から6のいずれか1項に記載の虚像表示装置。
  8. 前記表示器、前記表示器側回折反射素子及び前記投影部側回折反射素子を収容する筐体(310)を、さらに備え、
    前記筐体は、前記投影部側回折反射素子に対して、前記仮想光線が前記投影部側回折反射素子によって反射される0次光の反射方向に位置し、装置外部から入射する外光を吸収及び拡散のうち少なくとも一方によって処理する外光処理部(311e)を有する請求項7に記載の虚像表示装置。
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