JPH11160648A - 表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型、低コストでメンテナンス性に優れた表示
装置を提供する。 【解決手段】板状のコンバイナ３に設けられる第１ホロ
グラム層１３と第２ホログラム層１４は、互いに間隔を
おいて配置されると共にコンバイナ３の外表面に対して
傾斜される。その第１ホログラム層１３に向かい画像表
示光Ｌを出射する。その画像表示光Ｌは、第１ホログラ
ム層１３における回折によりコンバイナ３の外表面に沿
ってコンバイナ３内を進行して第２ホログラム層１４に
導かれ、その第２ホログラム層１４における回折により
コンバイナ３の外表面からコンバイナ３外に出射され
る。その画像表示光Ｌと第２ホログラム層１４を通過す
るようにコンバイナ３を透過する光Ｌ′とが、そのコン
バイナ３により合成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像の表示光をコ
ンバイナを介して画像観察者の視野範囲に導く表示装置
であって、例えばヘッドアップディスプレイや頭部装着
型表示装置として利用できるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に示すように、ＣＲＴやＬＣＤ等の
表示器１０１から出射される画像表示光Ｌを、集光機能
を有する光学系１０２を介してハーフミラー等の板状コ
ンバイナ１０３に導き、そのコンバイナ１０３の外表面
により構成される反射面１０３ａにより反射することで
画像観察者の瞳Ｅに導く表示装置が従来から用いられて
いる。その観察者は、その画像表示光Ｌとコンバイナ１
０３を透過する光Ｌ′の合成光により、画像と前方に実
在するものとを視認できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の表示装置では、
画像表示光Ｌを観察者の瞳Ｅに導くため、コンバイナ１
０３を視線方向に対して大きく傾斜させる必要がある。
しかし、その傾斜角度を大きくすると、表示画像を大き
くするにはコンバイナ１０３を大型化する必要があり、
スペースの制限された場所では使用できないという問題
がある。

【０００４】また、表示画像を大きくするには、光学系
１０２を構成するレンズ等も大きくする必要があり、装
置が大型化すると共に製造コストが増大するという問題
がある。

【０００５】また、コンバイナ１０３の反射面１０３ａ
はハウジング１０４の外部に露出するため、汚れや傷が
生じ易く、メンテナンス性が悪いという問題がある。

【０００６】本発明は、上記問題を解決することのでき
る表示装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の表示装置は、板
状のコンバイナと、そのコンバイナに設けられる第１お
よび第２のホログラム層と、その第１ホログラム層に向
かい画像表示光を出射可能な手段とを備える。その画像
表示光が、第１ホログラム層における回折によりコンバ
イナの外表面に沿ってコンバイナ内を進行して第２ホロ
グラム層に導かれ、その第２ホログラム層における回折
によりコンバイナの外表面からコンバイナ外に出射され
るように、その第１、第２ホログラム層は互いに間隔を
おいて配置されると共にコンバイナの外表面に対して傾
斜される。その画像表示光と第２ホログラム層を通過す
るようにコンバイナを透過する光とを、そのコンバイナ
により合成可能である。上記構成によれば、画像表示光
を第１ホログラム層における回折によりコンバイナの外
表面に沿ってコンバイナ内を進行させ、第２ホログラム
層における回折により観察者の瞳に導くことができるの
で、コンバイナを観察者の視線方向に対して大きく傾斜
させることなく画像を大きくでき、また、コンバイナを
コンパクト化し、コンバイナの寸法制限や配置スペース
の制限を低減できる。

【０００８】その第２ホログラム層はコンバイナの内部
に配置されるのが好ましい。これにより、その第２ホロ
グラム層をコンバイナにより保護し、汚れや傷が生じる
のを防止できるので、メンテナンス性を向上できる。

【０００９】その第１ホログラム層が画像表示光の集光
機能を有するのが好ましい。これにより、光学系を用い
ることなく表示画像を大きくすることができ、小型化と
コスト低減を図ることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。

【００１１】図１、図２に示すヘッドアップディスプレ
イ１は、箱形のハウジング２、このハウジング２により
下部が覆われると共に上部がハウジング２の上面から突
出する板状のコンバイナ３、そのハウジング２に内蔵さ
れた画像表示器４および光学系５を備える。そのハウジ
ング２は、例えば車両のダッシュボードの上面に取り付
けられることで、そのコンバイナ３は観察者（ドライバ
ー）の瞳Ｅの前方（図１において左方）に配置される。

【００１２】その板状コンバイナ３は第１部材１１と第
２部材１２とから構成される。このコンバイナ３に、第
１ホログラム層１３、第２ホログラム層１４、第１反射
防止膜１５、および第２反射防止膜１６が設けられてい
る。

【００１３】その第１部材１１は、矩形の板状透明部材
を、下端面１１ａと上端面１１ｂとが前後面１１ｃ、１
１ｄに対して下方に向かうに従い前方に向かうように傾
斜するように切断、研磨することで形成されている。そ
の下端面１１ａの面積は、後述のように画像表示光Ｌを
導入できるように設定され、その上端面１１ｂの面積は
観察者に視認させる画像の大きさに対応して設定され
る。

【００１４】その第１部材１１の下端面１１ａに第１ホ
ログラム層１３が形成され、上端面１１ｂに第２ホログ
ラム層１４が形成されている。各ホログラム層１３、１
４は、その上下端面１１ａ、１１ｂにフォトレジスト等
の感光材料を塗布し、その感光材料を一定波長のレーザ
ー光を用いる２光束干渉法により露光し、後述のように
画像表示器４から出射される画像表示光Ｌを回折するた
めの干渉縞を現像することで生成できる。なお、各ホロ
グラム層１３、１４を、酸化珪素膜等の保護膜により被
覆してもよい。

【００１５】その第２部材１２は、矩形の板状ガラス
を、後面１２ａが前面１２ｂに対して下方に向かうに従
い前方に向かうように傾斜し、下端がエッジ状の楔形と
なるように切断、研磨することで形成されている。この
第２部材１２の後面１２ａが、上記第１部材１１の上端
面１１ｂに形成された第２ホログラム層１４に接着材等
を介して接合される。その第１部材１１の後面１１ｄと
第２部材１２の前面１２ｂは互いに平行とされる。その
第１部材１１の前面１１ｃと第２部材１２の前面１２ｂ
は同一面上に配置される。これにより、その第１部材１
１の前面１１ｃと第２部材１２の前面１２ｂとがコンバ
イナ３の前方外表面を構成し、第１部材１１の後面１１
ｄがコンバイナ３の後方外表面を構成し、第１、第２ホ
ログラム層１３、１４は互いに間隔をおいて配置される
と共にコンバイナ３の外表面に対して傾斜され、第２ホ
ログラム層１４はコンバイナ３の内部に配置される。

【００１６】その第１部材１１の後面１１ｄにおける第
２ホログラム層１４との対向領域に第１反射防止膜１５
が形成され、第２部材１２の前面１２ｂにおける第２ホ
ログラム層１４との対向領域に第２反射防止膜１６が形
成されている。なお、各反射防止膜１５、１６の形成タ
イミングは、第２部材１２を第２ホログラム層１４に接
合する前でも後でもよい。

【００１７】その第１部材１１の材質としては、例えば
厚さ５ｍｍ程度のＢＫ７等のガラスや、アクリル樹脂等
を用いることができる。その第２部材１２の材質は、そ
の第２ホログラム層１４を通過するようにコンバイナ３
を透過する光Ｌ′の屈折を可及的に小さくできるよう
に、第１部材１１の材質と同一であるのが好ましい。

【００１８】その画像表示器４は、例えばナビゲーショ
ン情報等に対応する画像表示光Ｌを第１ホログラム層１
３に向かい出射するもので、バックライト付液晶表示器
やＣＲＴディスプレイ等により構成できる。

【００１９】その光学系５は、その画像表示器４と上記
第１ホログラム層１３との間に配置され、その画像表示
器４から出射された画像表示光Ｌを集光して平行光線束
にし、その第１ホログラム層１３に導く。

【００２０】その画像表示光Ｌは、その第１ホログラム
層１３における回折により、コンバイナ３の外表面に沿
って第１部材１１内を進行して第２ホログラム層１４に
導かれ、その第２ホログラム層１４における回折によ
り、コンバイナ３の第１部材１１の後面１１ｄからコン
バイナ３外に出射され、後方に向かって進行する。これ
により、その画像表示光Ｌと第２ホログラム層１４を通
過するようにコンバイナ３を透過する光Ｌ′は、コンバ
イナ３により合成された後に、観察者の瞳Ｅに導かれる
ので、観察者は、その画像表示光Ｌにより形成される画
像と、前方の実際物の双方を視認できる。

【００２１】上記構成によれば、画像表示光Ｌを第２ホ
ログラム層１４における回折によりコンバイナ３の外表
面に沿ってコンバイナ３内を進行させ、第２ホログラム
層１４における回折により観察者の瞳に導くことができ
るので、コンバイナ３を観察者の視線方向に対して大き
く傾斜させることなく画像を大きくでき、また、コンバ
イナ３をコンパクト化し、コンバイナ３の寸法制限や配
置スペースの制限を低減できる。また、ハウジング２外
において画像表示光Ｌの光路を変更する第２ホログラム
層１４を第２部材１２により保護できるので、汚れや傷
が生じ難く、メンテナンス性を向上できる。

【００２２】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、第１ホログラム層１３を、画像表示光Ｌを
回折するだけでなく集光して平行光線束にするレンズ機
能を持つように生成することで、図３の第１変形例に示
すように、上記のような光学系５を用いることなく画像
表示器４から出射される画像表示光Ｌを第１ホログラム
層１３に直接に導くことができる。これにより、光学系
を用いることなく表示画像を大きくすることができ、小
型化とコスト低減を図ることができる。なお、第１変形
例における他の構成は上記実施形態と同様で、同一部分
は同一符号で示す。図４の第２変形例に示すように、第
１ホログラム層１３をコンバイナ３の前後面に対して下
方に向かうに従い後方に向かうように傾斜するものと
し、コンバイナ３を第１、第２、第３部材１１、１２、
２１から構成し、第１、第２部材１１、１２と同材質の
楔状の第３部材２１を第１ホログラム層１３に接着材等
を介して接合することで、第１ホログラム層１３をコン
バイナ３の内部に配置してもよい。なお、第２変形例に
おける他の構成は上記実施形態と同様で、同一部分は同
一符号で示す。コンバイナの形状は矩形以外であっても
よい。また、本発明の表示装置を観察者の頭部に装着可
能なヘッドマウントディスプレイとして利用してもよ
い。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、小型、低コストでメン
テナンス性に優れた表示装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の表示装置の断面図

【図２】本発明の実施形態の表示装置の斜視図

【図３】本発明の第１変形例の表示装置の断面図

【図４】本発明の第２変形例の表示装置の断面図

【図５】従来の表示装置の構成説明図

【符号の説明】

１ ヘッドアップディスプレイ（表示装置） ３ コンバイナ ４ 画像表示器 １３ 第１ホログラム層 １４ 第２ホログラム層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状のコンバイナと、 そのコンバイナに設けられる第１および第２のホログラ
   ム層と、 その第１ホログラム層に向かい画像表示光を出射可能な
   手段とを備え、 その画像表示光が、第１ホログラム層における回折によ
   りコンバイナの外表面に沿ってコンバイナ内を進行して
   第２ホログラム層に導かれ、その第２ホログラム層にお
   ける回折によりコンバイナの外表面からコンバイナ外に
   出射されるように、その第１、第２ホログラム層は互い
   に間隔をおいて配置されると共にコンバイナの外表面に
   対して傾斜され、 その画像表示光と第２ホログラム層を通過するようにコ
   ンバイナを透過する光とを、そのコンバイナにより合成
   可能な表示装置。
2. 【請求項２】 その第１ホログラム層は画像表示光の集
   光機能を有し、その第２ホログラム層は前記コンバイナ
   の内部に配置される請求項１に記載の表示装置。