発明の詳細な説明
定義
本明細書において別段の定義がない限り、本発明に関連して使用される科学用語および専門用語は、当業者が一般に理解する意味を有するものとする。さらに、他に状況によって必要とされない限り、単数の用語は、複数を含むものとし、複数の用語は、単数を含むものとする。一般に、本明細書に記載されている細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学およびタンパク質および核酸化学およびハイブリダイゼーションとの関連で使用される命名法、ならびにこれらの技術は、当技術分野で周知であり、一般に使用されるものである。公知の方法および技術は、他に示さない限り、当技術分野で周知の通常の方法によって、および本明細書を通して考察される様々な一般のおよびより特定の参考文献において記載されているように一般に行われる。酵素反応および精製技術は、当技術分野で一般に達成されるように、または本明細書に記載のように、製造元の仕様によって行われる。本明細書に記載されている実験室の手順および技術に関連して使用される命名法は当技術分野で周知のものであり、一般に使用される。
下記の用語は、他に示さない限り、下記の意味を有すると理解するものとする。
本明細書において使用する場合、「a」、「an」、および「the」という用語は、他に特に留意しない限り、1つまたは複数を指すことができる。
「または」という用語の使用は、代替物のみを言及することが明確に示され、または代r替物が相互排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。本明細書において使用する場合、「別の」は、少なくとも第2またはそれ超を意味することができる。
本出願を通して、「約」という用語は、その値が、値を決定するために用いられているデバイス、方法についての固有の誤差の変動、または試料の間に存在する変動を含むことを示すために使用される。
「固体支持体」または「支持体」という用語は、その上に生体分子が結合し得る基材を提供する構造を意味する。例えば、固体支持体は、アッセイウェル(すなわち、例えば、マイクロタイタープレート)であり得、または固体支持体は、アレイ上の位置、または移動性の支持体、例えば、ビーズであり得る。
「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、合成抗体およびキメラ抗体、例えば、コンビナトリアル変異誘発およびファージディスプレイによって生じたものを含む。「抗体」という用語はまた、抗体の模倣物またはペプチド模倣物を含む。ペプチド模倣物は、ペプチドおよびタンパク質に基づいた、またはペプチドおよびタンパク質に由来する化合物である。本発明のペプチド模倣物は典型的には、非天然アミノ酸、コンホメーション制限、アイソスター置換などを使用した、公知のペプチド配列の構造的改変によって得ることができる。
「結合剤」という用語は、第2の(すなわち、異なる)対象分子に特異的および選択的に結合することができる分子を指す。相互作用は、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、または静電相互作用もしくは疎水的相互作用の結果として非共有結合性であり得、あるいは相互作用は共有結合性であり得る。「可溶性結合剤」という用語は、固体支持体に会合(すなわち、共有結合または非共有結合)していない結合剤を指す。
本明細書において使用する場合、「分析物」は、測定される分子、化合物または細胞を指す。対象の分析物は、特定の実施形態において、結合剤と相互作用し得る。本明細書に記載のように、「分析物」という用語は、対象のタンパク質またはペプチドを指し得る。分析物は、アゴニスト、アンタゴニスト、またはモジュレーターであり得る。または、分析物は、生物学的効果を有し得ない。分析物は、小分子、糖、オリゴ糖、脂質、ペプチド、ペプチド模倣物、有機化合物などを含み得る。
「検出可能な部分」または「検出可能な生体分子」または「レポーター」または「インジケーター部分」という用語は、定量的アッセイにおいて測定することができる分子を指す。例えば、検出可能な部分は、基質を、測定することができる産物(例えば、目に見える産物)に変換するために使用し得る酵素を含み得る。または、検出可能な部分は、定量化することができる放射性同位体であり得る。または、検出可能な部分は、フルオロフォアであり得る。または、検出可能な部分は、ルミネセンス分子であり得る。または、他の検出可能な分子を使用し得る。
本明細書において使用する場合、「等量域(equivalence zone)」という用語は、抗原および抗体の濃度が最大の沈降をもたらす沈降反応における領域を示す。このように、抗原または抗体のいずれかが過剰である場合、沈降は起こらない。
本明細書において使用する場合、「バクテリオファージ」または「ファージ」は、複数の細菌ウイルスの1つまたは複数を含む。本開示において、「バクテリオファージ」および「ファージ」という用語は、ウイルス、例えば、マイコバクテリオファージ(例えば、TBおよびパラTBについて)、マイコファージ(例えば、真菌について)、マイコプラrズマファージ、ならびに生きている細菌、真菌、マイコプラズマ、原生動物、酵母、および他の顕微鏡レベルの(microscopic)生きている生物に侵入することができ、それ自体が複製するためにこれらを使用するウイルスを指す任意の他の用語を含む。ここで、「顕微鏡レベル」とは、最も大きな寸法が1ミリメートル以下であることを意味する。バクテリオファージは、これら自体が複製する手段として細菌を使用するように自然の中で進化したウイルスである。ファージは、ファージ自体が細菌に付着し、そのDNA(またはRNA)をその細菌中に注入し、細菌がファージを数百回またはそれどころか数千回複製するように誘導することによってこれを行う。これは、ファージ増幅と称される。
本明細書において使用する場合、「バクテリオファージマーカー」は、バクテリオファージの存在と関連することができる任意の生物学的エレメントまたは有機エレメントである。これらに限定されないが、これは、バクテリオファージ自体;ファージ構造中に組み込まれたタンパク質または他の分子;バクテリオファージと関連するタンパク質、もしくはバクテリオファージ中へと操作される(engineered)遺伝子産物;バクテリオファージと関連するRNAもしくはDNA;または上記のいずれかの任意のポーションであり得る。本明細書において使用する場合、「細菌マーカー」は、細胞壁構成成分、細菌核酸、タンパク質、酵素、小分子、または上記の任意のポーションを含めた、細菌がバクテリオファージによって溶菌されるとき放出される構成物などの、細菌の存在を同定するために使用することができる任意の生物学的エレメントまたは有機エレメントである。例えば、特定の実施形態において、ファージの構造成分中に遺伝子操作によって組み込まれた(例えば、キャプシドタンパク質との融合)、または可溶性タンパク質としてのルシフェラーゼタンパク質は、バクテリオファージマーカーである。
微生物の検出
本発明は、微生物の検出のための方法を提供する。本発明の方法およびシステムの実施形態のそれぞれは、細菌細胞を含めて、ならびに食物、水、臨床試料および市販の試料からの病原体を含めて、種々の微生物の検出および定量化に適用することができる。本発明の方法は、伝統的な生物学的増菌を必要とせずに、短時間で高い検出感度を提供する。例えば、本発明の実施形態は、試料中の単一の微生物(例えば、細菌細胞)の検出および定量化を提供することができる。
例えば、一実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から微生物を単離する工程と、微生物を溶菌させ、微生物中に存在するリボソームを放出させる工程と、リボソームまたはリボソームの構成物を検出する工程とを含む、対象の微生物を検出するための方法であって、リボソームまたはリボソームの構成物の検出は、微生物が試料中に存在することを示す方法を含む。
種々の微生物は、本発明の方法を使用して検出し得る。一実施形態において、微生物は、細菌、または真菌、または酵母の少なくとも1つを含む。
種々の方法を使用して、微生物を単離し得る。一実施形態において、微生物を単離する工程は、結合剤への微生物の結合を含む。例えば、微生物を単離する工程は、固体支持体に結合している結合剤への微生物の結合を含み得る。一実施形態において、結合剤は、抗体であり得る。または、微生物が細菌である場合、結合剤はバクテリオファージであり得、細菌を単離する工程は、細菌に対して特異的なバクテリオファージを利用する。
種々の方法を使用して、微生物からのリボソームを検出し得る。一実施形態において、リボソームの検出は、リボソームを認識する一次抗体、および一次抗体を認識する少なくとも1種の二次抗体の使用を含む。または、リボソームの検出は、リボソームを認識するr一次抗体、およびリボソームを認識する少なくとも1種の第2の一次抗体の使用を含み得る。特定の実施形態において、第2の一次抗体は、固体支持体に結合している。また他の実施形態において、固体支持体は、複数の第2の一次抗体を含む。
他の実施形態において、リボソームは、ラテラルフローアッセイを使用して検出し得る。例えば、一実施形態において、リボソームは、抗リボソーム抗体を含む固体支持体に曝露(すなわち、アプライ)され、支持体の表面を横切るリボソームの流れによって検出される。一実施形態において、抗リボソーム抗体を含む膜に結合しているリボソームは、さらなる抗リボソーム抗体を含む少なくとも1種のカーボンブラックナノストリングを使用して可視化し得る。
本発明の他の実施形態は、対象の微生物を検出するために、感染性因子の特異性および多様性を利用する。別の実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から少なくとも1種の微生物を単離する工程と、少なくとも1種の微生物を複数の親感染性因子に感染させる工程と、少なくとも1種の感染を受けた微生物を溶菌させ、微生物中に存在する子孫感染性因子を放出させる工程と、子孫感染性因子、または子孫感染性因子の構成物を検出する工程とを含む、対象の微生物を検出する方法であって、感染性因子または感染性因子の構成物の検出は、微生物が試料中に存在することを示す方法を含む。一実施形態において、親感染性因子は、子孫感染性因子から分離される。一実施形態において、微生物は、細菌であり、感染性因子は、バクテリオファージである。
例えば、一実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から少なくとも1種の細菌を単離する工程と、少なくとも1種の細菌を複数の親バクテリオファージに感染させる工程と、少なくとも1種の感染を受けた細菌を溶菌させ、細菌中に存在する子孫バクテリオファージを放出させる工程と、子孫バクテリオファージまたは子孫バクテリオファージの構成物を検出する工程とを含む、対象の微生物を検出する方法であって、バクテリオファージまたはバクテリオファージの構成物の検出は、細菌が試料中に存在することを示す方法を含み得る。一実施形態において、親バクテリオファージは、子孫バクテリオファージから分離される。
方法は、子孫感染性因子、例えば、バクテリオファージの検出のための種々のフォーマットを含み得る。例えば、一実施形態において、子孫感染性因子は、インジケーター部分を含み得る。一実施形態において、子孫感染性因子におけるインジケーター部分は、構造タンパク質(例えば、ファージキャプシドタンパク質)に融合しているルシフェラーゼを含み得る。一実施形態において、子孫感染性因子中のインジケーター部分は、これらに限定されないが可溶性ルシフェラーゼタンパク質などの、感染性因子の複製の間に発現する検出可能な部分であり得る。代替の実施形態において、方法は、インジケーター微生物を子孫感染性因子に感染させる工程を含み得、インジケーター微生物は、インジケーター微生物の溶菌によって放出されるタンパク質を含み得る。一実施形態において、インジケーター微生物から放出されるタンパク質(the protein release from the indicator microorganism)は、検出可能な部分を含む。例えば、一実施形態において、放出されるタンパク質は、ルシフェラーゼタンパク質である。代替の実施形態において、感染を受けた試料細胞および/またはインジケーター細胞からの子孫感染性因子は、カーボンブラックナノストリングを用いるラテラルフローアッセイによって検出し得る。
または、インジケーター微生物から放出されるタンパク質は、リボソームを含み得る。このようにして、方法は、感染性因子(例えば、バクテリオファージ)による感染によって提供される増幅と、リボソーム検出によって提供される増幅とを合わせる。
微生物の単離
特定の実施形態において、本発明は、試料中に存在する低レベルの微生物(例えば、単一の微生物)を検出する手段として、対象の微生物に結合することができる高い特異性の作用物質を使用する。例えば、一実施形態において、本発明は、試料からの微生物の単離のために感染性因子の特異性を利用する方法およびシステムを含む。例えば、特定の実施形態において、バクテリオファージを使用して、細菌を単離し得る。
または、本発明は、微生物に対して特異的な抗体を使用し得る。例えば、抗体、感染性因子、または他の結合剤との相互作用によって単離されると、微生物を、本明細書に記載のようなリボソームおよび/または子孫感染性因子のアッセイのために溶菌させ得る。
このように、特定の実施形態において、微生物を単離する工程は、微生物を認識する結合剤に微生物結合させることを含み、したがって、試料の残部から微生物を隔離するために使用される。本明細書に記載されている方法は、試料中に存在する低レベルの微生物(例えば、単一の微生物)を検出および単離する手段としての役割を果たし得る。例えば、1立方マイクロメートル未満の容量を有し得る単一の細菌は、1012立方マイクロメートルの容量を有する1ミリリットルの試料から単離することができる。
特定の実施形態において、本発明は、試料からの単一の細菌細胞の迅速かつ高感度の単離のための、抗体の特異性を利用する方法およびシステムを含む。方法は、試料と、損なわれていない細胞に対して産生される複数の抗体とを接触させる工程を含み得る。抗体は、アフィニティー精製し得る。さらにおよび/または代わりに、抗体は、ビオチン標識し得る。方法は、抗体が細菌を結合することを可能とすることをさらに含み得る。抗体がビオチンで標識される場合、方法は、試料と複数のストレプトアビジンでコーティングした磁気ビーズとを接触させて、細菌−抗体複合体を結合することと、磁石によってビーズ−抗体−細菌複合体を隔離することとをさらに含み得る。または、ビオチン−抗体:細菌複合体を精製する他の方法を使用し得る。この方法では、1ミリリットルの試料中の細菌は、約1マイクロリットルに濃縮(約1000倍)することができ、本明細書に記載されている方法によるさらなる検出および/または定量化を促進し得る。例えば、本明細書においてより詳細に記載するように、単離されると、細菌をリボソームのアッセイのために溶菌させ得る。
代わりの実施形態において、本発明は、試料からの単一の微生物の迅速かつ高感度の単離のための、感染性因子(例えば、微生物に対して特異的なウイルス)の特異性を利用する方法およびシステムを含む。このように、さらに別の実施形態において、方法は、試料と、固体支持体(例えば、磁気ビーズ)に結合した複数の特定の感染性因子(例えば、細菌細胞の単離におけるバクテリオファージ)とを接触させ、バクテリオファージ−固体支持体複合体が細菌を見出し、結合し、感染することを可能とすることを含み得る。次いで、固体支持体−バクテリオファージ−細菌複合体は、溶菌の前に隔離し得る。
このように、特定の実施形態において、ビオチン化ファージが使用され、試料中の細菌に感染し得る。ビオチン化ファージは、ストレプトアビジンでコーティングした固体支持体上に固定化し得る。他の実施形態において、感染性因子(例えば、バクテリオファージ)は、感染性因子に(例えば、バクテリオファージに、またはバクテリオファージ部分構造、例えば、ヘッドに)特異的に結合する抗体を使用して固体支持体上に固定化し得る。
それに続いて、それらのいくつかが細胞溶解に続いて細菌細胞表層に結合している固定化されたインプットバクテリオファージは、固体支持体の単離によって試料から除去することができる。例えば、一実施形態において、固体支持体は、磁気ビーズであり、ビーズに結合したファージは、磁石を使用して単離し得る。
または、ビオチン化インプットファージは、細菌および/または子孫ファージからのそれに続く精製によって単離し得る。例えば、感染からのライセートは、ストレプトアビジンカラムを通して移動させてもよく、親(インプット)ビオチン化ファージは、カラムに結合し、一方、ビオチン化されていない子孫ファージは、フロースルー画分中にある。このようにして、インプットバクテリオファージは、感染において産生されたファージ子孫の計数を妨げない。
例えば、方法は、例えば、試料を細菌学的フィルター(例えば、0.45um孔径のスピンフィルター)通して濾過することによって、微生物(例えば、細菌)を集める工程を含み得る。または、試料中の微生物の物理的単離の他の方法を使用し得る。方法は、単離された細菌をバクテリオファージにより、例えば、高い感染多重度(MOI)で感染させることをさらに含み得、バクテリオファージは、結合部分(例えば、ビオチンまたは他の結合剤)を含む。方法はまた、過剰な吸着されないインプットファージの少なくとも大部分を、例えば、細菌を捕捉するために使用されるフィルターを通してこのような吸着されないファージを洗浄することによって除去することを含み得る。
細菌を単離するための結合剤/固体支持体に連結したファージを使用することによって、本発明の方法は、細菌を回収(単離)するために使用されるファージ(すなわち、結合剤または固体支持体に結合したインプット感染ファージ)と子孫ファージ(結合剤または固体支持体に連結されていない)とを識別することと関連する問題を克服することができる。この問題への従前のアプローチは、標的細胞が感染を受けた後、残存する吸着していない細胞外ファージを化学的に破壊することであった。しかし、化学的処置は、病原体細胞が新規なファージ粒子を産生することができる前にその病原体細胞を死滅させ得る。さらに、固体支持体の単位面積当たり結合した大きな密度のインプット感染ファージを有することは、「外からの溶菌(lysis from without)」として公知のプロセスである、子孫粒子の産生を伴わずに細菌を溶菌させることができる非常に高い感染多重度(MOI)と関連する潜在的な問題を排除する。
バクテリオファージは、当技術分野において公知の多くの手順の1つによって基材上に固定化し得る。例えば、バクテリオファージに対して特異的な抗体を使用して、バクテリオファージを基材に結合し得る。代わりに、リガンド、例えば、アビジン、ストレプトアビジンおよびビオチンを使用し得る。共有結合的連結方法をまた使用して、バクテリオファージを基材に結合し得る。一般に、バクテリオファージテールタンパク質に対して特異性を有する抗体を使用すべきではない。なぜなら、テールタンパク質へのこのような抗体の結合は、宿主細菌細胞に結合するバクテリオファージ粒子の能力を妨げ得るためである。
微生物の単離の描写の一例を、図1、パネルA〜Eにおいて提供する。このように、図1において例示するように、複数の細菌、例えば、それぞれ、細菌−Xおよび細菌−Y、22および24を含む試料は、図1Aに示すように、細菌−Xに対して特異的な抗体、例えば、抗細菌−X抗体20に曝露し得る。一実施形態において、抗体は、結合剤、例えば、ビオチン21と複合体化している。抗体20への細菌−X22の結合によって、複合体は、ストレプトアビジン26でコーティングした磁気ビーズに曝露し得る(図1B)。抗体上のビオチンは、磁気ビーズ上のストレプトアビジンを認識することができる(図1C)。代わりに、一次抗体がビオチン化されていない場合、抗細菌−X抗体を認識する二次抗体でコーティングされたビーズを使用して、磁気ビーズをコーティングし得る。または、抗細菌抗体を認識するタンパク質Aおよび/またはタンパク質Gでコーティングされたビーズを使用し得る。この時点で、ビーズに結合した細菌を単離し得る。一実施形態において、捕捉の効率は、ビーズに結合した細菌32および非結合上清画分30を蒔き(図1rD)、結果として生じたコロニー34を計数する(図1E)ことによって定量化し得る
。
図2は、損なわれていないE.coliに対して産生される抗体の使用による、試料からのS.typhimurimではなくE.coliの特異的捕捉の一例の実験を示す。コロニー数は、各プレートの下の左/右に示す。この実験において、ストレプトアビジンでコーティングされた磁気ビーズを使用して、ビオチン化(ウサギ)ポリクローナル抗体に結合した複合体E.coliを単離した。E.coliは特異的E.coli抗体が存在したとき、ビーズ画分に存在するのみであり、上清(非結合)画分において細菌は回収されなかったことが見出された。これに反して、E.coli特異的抗体が使用されたとき、S.typhimuriumが上清画分において主に見出された。抗体の非存在下で、両方のタイプの細菌が上清画分において主に見出された。
図3Aおよび3Bは、6Mのチオシアン酸グアニジニウムで解離させ、0.6Mのチオシアン酸グアニジニウムに希釈したリボソームを含有する、細菌(E.coli)ライセートからのリボソームタンパク質の捕捉のウエスタンブロットデータを示す。ビオチンで標識した抗リボソーム抗体(IgG)、およびストレプトアビジンビーズは、溶液からリボソームタンパク質を捕捉することができることを図3Aは示す。抗リボソーム抗体を添加しないとき(IgG=0)、リボソームタンパク質(「Ribo prot」)は検出されないことを認めることができる。50ngの抗体は、100,000個の細胞からの全てのリボソームタンパク質を結合することができることをまた認めることができる。
ビオチン化抗リボソーム抗体およびストレプトアビジンビーズの添加は、溶液中に存在する全てのリボソームを定量的に捕捉するのに十分であることを図3Bは実証する。この実験において、リン酸緩衝液中0.6Mのチオシアン酸グアニジン中のE.coli細胞からのライセートを、200ngのウサギビオチン化抗リボソームIgGと共に、またはこれ無しで、インキュベートした。次に、ストレプトアビジン(SA)磁気ビーズを添加し、Ab−リボソームタンパク質複合体を捕捉した。非結合上清をビーズ画分から除去し、200ngのビオチン化抗体およびSA磁気ビーズを使用して再捕捉(「recapt」)した。リボソームタンパク質が従前に捕捉されているライセートによる再捕捉実験においてリボソームタンパク質が存在しないことは、第1の捕捉工程が、リボソームタンパク質の全てを捕捉することにおいて十分であったことを示す。
リボソームをベースとするシグナル増幅
特定の実施形態において、本発明は、試料中に存在する低レベルの微生物を検出する手段として、単一の微生物中に存在する複数のリボソームを利用する方法およびシステムを含む。一実施形態において、方法を使用して、細菌細胞をアッセイする。しかし、本明細書に開示されているように、本発明の方法を使用して、これらに限定されないが、真菌、マイコプラズマ、原生動物、酵母、および他の顕微鏡レベルの生きている生物などの、リボソームを含有する他のタイプのマイクローブを測定し得る。このように、本発明の特定の実施形態において、リボソームの放出、同定および定量化を使用して、天然の試料、市販の試料または臨床試料中の病原体細胞のシグナルを増幅する。
リボソームは、全てのアミノ酸およびリボソームRNA(rRNA)を含有するタンパク質からなる2つのサブユニットからなるコンパクトなリボヌクレオタンパク質粒子である。細菌、古細菌および真核生物からのリボソームは、異なる構造、タンパク質およびrRNA配列を有する。リボソームは、これらの沈降速度に関して記載し得る。細菌のリボソームは一般に約70Sで沈降し、一方、真核生物のリボソームは一般に約80Sで沈降する。細菌70Sリボソームは、約50Sおよび30Sで沈降する2つのサブユニットを有し、一方、80S真核生物のリボソームサブユニットは、約60Sおよび40Sで沈降する。
図4Aは、多数のリボソーム(高電子密度のドット)を例示する、Bacillus subtilis細菌の薄切片の電子顕微鏡写真を示す。示された細胞は直径約1μmであり、リボソームは直径約0.02μm(20nm)である。細胞長の約1/3のみを示す。例えば、細菌細胞、例えば、E.coliは典型的には、細胞当たり約20,000個のリボソームを含有し、これは細菌タンパク質の量の約3分の1から4分の1を占める。このように、細胞溶解によって放出される細菌のリボソームの検出は、単一の培養可能な細菌細胞の自然の増幅を超えた約20,000の自然の増幅を提供することができる。培養および標準的増菌手順による細菌細胞全体の同じ増幅を生じさせるために、特定の細菌の増殖速度によって7時間以上のインキュベーション時間を必要とし得る。
E.coliの精製したリボソームのネガティブ染色電子顕微鏡写真を、図4Bに示す。細菌のリボソーム翻訳装置は非常に高度に保存されているが、グラム陰性菌とグラム陽性菌とを識別するためには、損なわれていないリボソームまたは単離されたリボソームタンパク質のエピトープにおいて十分な差異が存在し得る。例えば、E.coli抗リボソーム抗体は、Staphylococcus epidermidisリボソームタンパク質を認識および捕捉しない。例えば、血清を吸収することによって、異なる種の損なわれていないリボソーム上のエピトープにおける僅かな差異を活用し得る。
損なわれていないリボソームのアッセイのために、濃縮された細胞を一般に酵素−洗剤混合物で溶解し、リボソームを放出させることができる。一実施形態において、リボソームは、リボソーム特異的ビオチン化抗体を添加し、本明細書に記載のようなストレプトアビジンでコーティングした磁気ビーズでリボソーム:抗体複合体を捕捉することによって単離し得る。リボソームが存在することは、細胞濃縮において使用される抗体に対して特異的な細菌が存在することを示し、リボソームが存在しないことは、細胞濃縮において使用される抗体に対して特異的な細菌が存在しないことを示す。
例えば、一実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から微生物を単離する工程と、微生物を溶菌させ、微生物中に存在するリボソームを放出させる工程と、リボソームまたはリボソームの構成物を検出する工程とを含む、対象の微生物を検出する方法であって、リボソームまたはリボソームの構成物の検出は、微生物が試料中に存在することを示す方法を含む。微生物を単離する工程は、特定の実施形態において、微生物を認識する結合剤へ微生物を結合させる工程を含み得、したがって、試料の残部から微生物を隔離するために使用される。例えば、特定の実施形態において、微生物を単離する工程は、固体支持体に結合した、または固体支持体に結合した第2の作用物質(例えば、ストレプトアビジンまたは二次抗体)を認識する結合剤(例えば、ビオチン)を含む、結合剤(例えば、抗体またはファージ)への微生物の結合を含み得る。例えば、対象のマイクローブからのリボソームタンパク質を認識するアフィニティー精製されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を、リボソームおよびリボソームタンパク質の検出のために使用し得る。
他のさらなるおよび/または代わりの実施形態において、損なわれていないリボソームの検出によって提供されるシグナルは、損なわれていないリボソームの解離によって得られるリボソームタンパク質の検出によってさらに増幅し得、例えば、E.coliの各リボソームは、50Sサブユニットにおいて34個のタンパク質および30Sサブユニットにおいて21個のタンパク質である、55個の別個のタンパク質を含有する。例えば、本明細書に記載のような試料から単離される細胞は、溶解し、その中のリボソームは、カオトロピック剤(例えば、チオシアン酸グアニジニウム)の添加によって単一の工程で個々のタンパク質分子に解離し得る。リボソームの量の約3分の1は、タンパク質であり、リボソームの量の約3分の2は、リボソームRNA(rRNA)である。このように、単一rの細菌細胞中の20,000個のリボソームのそれぞれを構成する55個のリボソーム
タンパク質の検出は、単一の培養可能な細胞のシグナル増幅を超えた約百万の仮定上のシグナル増幅を提供することができる。さらに、各リボソームの55個の別個のタンパク質分子は、特異的抗体を結合することができる複数のエピトープ(制限された長さおよび可変の組成のアミノ酸配列、数は、タンパク質の量によって決まる)を有する。対照的に、より少ないタンパク質エピトープが、損なわれていないリボソームの表面上に示される。エピトープの大部分は、内部に埋没し、またはrRNAに特異的に結合し、これらの特異的抗体にアクセスしない。このように、対象のマイクローブからのリボソームタンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体は、リボソーム、または解離したリボソームからのリボソームタンパク質の単離、検出および定量化のために使用し得る。
本発明の実施形態は、例えば、Escherichia coli、Salmonella typhimurium、およびStaphylococcus epidermidisの精製したリボソームに対して産生されたポリクローナルウサギおよびモルモット抗血清を利用する。または、他の微生物からのリボソームタンパク質に対する抗体を使用し得る。
例えば、および図5において例示するように、一実施形態において、本発明の方法は、微生物に対して特異的な結合剤またはバクテリオファージ108を有する基材106を使用することによる、試料104から微生物102(例えば、細菌)を回収および濃縮する工程を含み得る。一実施形態において、結合剤108は、固体支持体106(例えば、ポリスチレン、シリカ、または他の支持体、例えば、ウエハ、ディップスティック、フィルターもしくはビーズ)上に固定化されているか、または遊離しており、それに続いて固体支持体上に固定化される。次いで、固定化された微生物は、試料から除去し得る(例えば、吸引、デカントまたは磁力によって)。次いで、微生物を、さらなる分析のために、固体支持体上でin situで溶菌させ、かつ/または小容積の(例えば、マイクロタイターウェル)112中に放出させ得る。例えば、一実施形態において、濃縮された微生物細胞を、化学物質および酵素の少容量の混合物の添加によって溶解し、リボソーム114を直接固体支持体上へと、および/またはより小容積の112、例えば、マイクロタイターウェル中に放出させる。
さらなるおよび/または代わりの実施形態において、リボソームタンパク質は、抗リボソーム抗体116を使用して検出し得る(例えば、図5)。当技術分野において公知のように、一次抗リボソーム抗体は、直接標識することができ(例えば、蛍光性生体分子で)118、またはリボソームへの一次抗体の結合は、二次抗体で検出することができる。
本発明の方法およびシステムのさらに他の実施形態において、および図6において例示するように、試料104中の微生物細胞102を、化学物質および酵素の混合物を添加することによってin situ(例えば、試料中)で溶解し、リボソーム114を放出させ得る。次いで、リボソームは、リボソームを特異的に結合する固定化された結合剤122(例えば、抗体または他の結合剤)を有する基材106を使用することによって、試料から回収および濃縮し得る。次いで、濃縮されたリボソームは、カオトロピック剤によってサブユニット126に解離し得、カオトロピック剤を希釈または除去し、例えば、検出可能な部分119で標識されている抗体117を使用して個々のタンパク質126を同定する。例えば、リボソームタンパク質サブユニットは、これらに限定されないが、スピン濃縮機または解離剤を除去するものの使用などの方法によって回収および濃縮し得、タンパク質サブユニットは、本明細書に記載のように同定される。
代わりの実施形態において、リボソームおよび/またはリボソームタンパク質は、標準r的免疫アッセイによって、またはビーズ−抗体免疫アッセイ増幅方法、例えば、本明細書に記載されているものによって、または当技術分野において公知のような他の高感度の生物化学、免疫化学、免疫蛍光もしくは生物物理学的方法によって同定し得る。このように、ELISA、RIAまたは免疫蛍光アッセイを使用して、リボソームタンパク質を検出および定量化することができる。
または、逆相タンパク質マイクロアレイ(RPPMA)方法において、解離剤を除去することなく、リボソームタンパク質サブユニットを、適切な結合基材上に沈着させることができる。一実施形態において、基材が他の巨大分子の結合を防止するためにブロックされ得、上記タンパク質サブユニットがレポーター分子への連結によって同定される。例えば、逆相マイクロアレイ方法において、変性タンパク質を、ニトロセルロースでコーティングしたスライドガラス上に直接整列させ、一次抗体でプローブし、二次抗体−レポーター複合体、例えば、ビオチン化二次抗体−QDot複合体で発色させ得る(例えば、Gehoら、2007年、Fluorescence−based analysis of cellular protein lysate arrays using quantum dots、229〜237頁、「Quantum Dots, Applications in Biology」、Methods in Molecular Biology:374頁、BruchezおよびHotz(編)、Humana Pressを参照されたい)。
別のさらなるおよび/または代わりの実施形態において、および本明細書においてより詳細に考察するように、損なわれていないリボソームまたはリボソームタンパク質分子は、等量域におけるリボソームまたはリボソームタンパク質の最適な濃度による、抗リボソーム抗体でコーティングされた大きなビーズ(例えば、15μmのビーズ)の集塊によって検出し得る(直接、または50〜100×の倍率で)。損なわれていないリボソーム表面上のrRNA配列は、抗体をはね返すことができる高い負の電荷(negative change)の場を提示し得る。一実施形態において、このような電荷は、小さな塩基性分子、例えば、BAC(ベンジルジメチルアルキルアンモニウムクロリド(benzyldimethyalkylammoniumchloride))によって中和することができる。この実施形態において、リボソームは、固体支持体に局在化するよりはむしろ、マイクロタイターウェル中に分散させることができる。
バクテリオファージタンパク質および/またはリボソームタンパク質の増幅免疫検出
特定の態様において、本発明は、試料中に存在する低レベルの分析物(例えば、対象のタンパク質)を検出する手段として、固体支持体にカップリングしている高い特異性の生体分子を利用し、シグナルをさらに増幅する。特定の実施形態において、同定されるタンパク質が直接または捕捉抗体を通して不動態化した表面に結合している免疫化学(例えば、ELISAもしくはRIA)または免疫蛍光アッセイについて、約10,000倍のシグナル増幅を達成することができる。
このように、特定の実施形態において、本発明は、対象の分析物を検出するための方法であって、対象の分析物に検出支持体を添加する工程であって、該検出支持体が、対象の分析物を認識し、それに結合する結合剤の複数の分子を含む固体支持体を含む工程と;検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを検出する工程とを含む、方法を含む。特定の実施形態において、方法は、捕捉支持体を添加する工程であって、該捕捉支持体は、捕捉支持体上に対象の分析物を固定化するために、対象の分析物を認識し、それに結合する少なくとも1種の捕捉支持体結合剤を含む工程をさらに含み得る。一実施形態において、対象の分析物は、検出支持体と相互作用する前に、捕捉支持体に結合している。または、対象の分析物は、検出支持体と相互作用した後に、捕捉支持体に結合し得る。方法は、特定の実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤を添加する工程をさらに含み得るr。一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、可溶性結合剤である。
一実施形態において、捕捉固体支持体は、アッセイウェル(すなわち、例えば、マイクロタイタープレート)であり得る。または、捕捉固体支持体は、アレイ上の位置、または移動性の支持体、例えば、ビーズであり得る。一実施形態において、検出支持体は、移動性の支持体、例えば、ビーズである。特定の実施形態において、対象の分析物は、溶液中に存在し得る。または、固定によって、細胞中の巨大分子が捕捉支持体として機能するように、対象の分析物は、微生物および/または組織の内部のタンパク質であり得る。例えば、一実施形態において、免疫アッセイ増幅方法は、タンパク質のin situでの検出のために使用し得る。
一実施形態において、対象の分析物を特異的に認識する結合剤の複数の分子を含む検出支持体を、対象の分析物を含む試料に過剰に添加する。また一実施形態において、検出支持体は、複数の検出可能な部分の分子(a plurality of molecules of a detectable moiety)を含む。代わりに、結合剤を使用して、検出支持体上の複数の結合剤分子、例えば、二次抗体を認識する場合、可溶性結合剤は、検出可能な部分を含み得る。
種々の結合剤を、本発明の方法において使用し得る。例えば、検出支持体に結合した複数の結合剤分子は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、捕捉支持体に結合した結合剤は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子(例えば、二次抗体)の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、抗体または抗体断片であり得る。あるいは、捕捉支持体もしくは検出支持体のいずれか上の結合剤、または検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、非タンパク質の標的を結合するタンパク質を含み得る(すなわち、例えば、対象の小分子分析物に特異的に結合するタンパク質、またはタンパク質に結合する受容体)。
一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子(例えば、二次抗体)の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、対象の分析物を捕捉固体支持体に結合させるために使用される捕捉結合剤を認識しない。
対象の分析物を認識する複数の結合剤を含む検出支持体の使用は、シグナルの増幅を提供する。代わりの実施形態において、検出支持体は、対象の分析物に対して特異的な、1,000個超、または10,000個超、または100,000個超、または500,000個超、または1,000,000個超の結合剤分子を含む。このように、代わりの実施形態において、本発明の方法は、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイ(unamplified immunoassay)において認められるシグナルの、1,000〜1,000,000,000倍、または1,000〜100,000,000倍、または5,000〜10,000,000倍、または10,000〜1,000,000倍、または10,000〜500,000倍、または50,000〜500,000倍の範囲の増幅を提供する。または、これらの範囲内の範囲を達成し得る。
検出支持体および/または捕捉支持体の使用は、種々のフォーマットを含み得る。
例えば、いくつかの実施形態において、対象の分析物は最初に捕捉支持体に結合し、次いで、検出支持体と相互作用することを可能にし得る。このように、方法は、対象のタンrパク質に特異的に結合することができる複数の結合剤を、捕捉支持体に結合させる工程を含み得る。方法は、捕捉支持体に対象の分析物を添加する工程をさらに含み得る。次に、方法は、複数の検出結合剤の検出がシグナルの増幅を提供するように、捕捉支持体に結合している対象の分析物に対して特異的な複数の検出結合剤を含む検出支持体を添加する工程を含み得る。
また、特定の実施形態において、方法は、複数の検出結合剤を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤を添加する工程を含み得る。一実施形態において、複数の検出結合剤を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、可溶性結合剤である。第3の結合剤は、検出可能な部分を含み得る。このように、いくつかの実施形態において、方法の工程を行うことにより、捕捉支持体:捕捉結合剤:対象の分析物:検出結合剤:検出支持体:可溶性結合剤:検出可能な部分からなる複合体を生じさせる。
例えば、いくつかの実施形態において、微生物からのリボソームタンパク質および/または微生物からの感染性因子からのタンパク質(例えば、バクテリオファージタンパク質)を、本明細書に記載のような検出支持体によって提供されるビーズをベースとする増幅を含むアッセイの使用によってアッセイする。
このように、図7Aは、非増幅間接「サンドイッチ」免疫アッセイシステムを例示し、ここでは、リボソーム、リボソームタンパク質または子孫ファージ(またはアッセイされる微生物からの他の対象のタンパク質)を、固体支持体上に固定化し、次いで抗体によって検出する。例えば、図7Aにおいて例示するように、カオトロピック剤(例えば、チオシアン酸グアニジニウム)による処理によって、またはファージ子孫の解離によって、リボソームを含む、細菌細胞の溶解および解離によって産生されるリボソームタンパク質分子または子孫ファージタンパク質分子206は、配向された一次抗リボソーム抗体または抗ファージ抗体208(例えば、ウサギ)でコーティングされた固体表面214上に固定化し得る。一実施形態において、固体表面は、タンパク質A/Gでコーティングされ、それに続いて不動態化(すなわち、コーティングして、非特異的結合を低減)し得る。代わりに、抗体は、固体表面に共有結合をし得、表面を不動態化し得る。図7Aに示すように、固定化された抗体208は、対象のリボソーム、リボソームタンパク質、またはファージタンパク質206を特異的に認識し得、一方、他のタンパク質または生体分子202、204は結合されていない。次いで、対象のリボソーム、リボソームタンパク質、またはファージタンパク質206は、対象のリボソーム、リボソームタンパク質、またはファージタンパク質をまた認識する第2の一次抗体211を添加することによって検出し得る。例えば、固定化された抗体208は、ウサギ抗リボソーム抗体であり得、一方、第2の一次抗体211は、モルモット抗リボソーム抗体であり得る。次いで、第2の一次抗体は、二次抗体(例えば、抗モルモット抗体)212で検出し得る。一実施形態において、二次抗体212は、検出可能な部分210で標識されている。例えば、二次抗体は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識し得る。
図7Bは、リボソーム、リボソームタンパク質または子孫ファージタンパク質(または他の対象のタンパク質)を検出するのに使用し得る、「サンドイッチ」ビーズをベースとする増幅免疫アッセイを示す。一実施形態において、リボソーム、リボソームタンパク質または子孫ファージタンパク質または他の対象のタンパク質を、固体支持体上に固定化し、次いで、抗体によって検出する。例えば、細菌細胞の溶解および解離によって生成される対象のタンパク質分子206は、配向された一次抗リボソーム抗体または抗ファージ抗体208(例えば、ウサギ)でコーティングされた固体表面214上に固定化し得る。固体表面は、特定の実施形態において、タンパク質A/Gでコーティングし、それに続いて不動態化(すなわち、コーティングして、非特異的結合を低減)し得る。代わりに、抗体rは、固体表面に共有結合して、表面を不動態化し得る。非増幅アッセイと同様に、固定化された抗体208は、対象のリボソーム、リボソームタンパク質、またはファージタンパク質206を特異的に認識し得、一方、他のタンパク質または生体分子202、204は結合していない。
次に、対象のリボソーム、リボソームタンパク質、またはファージタンパク質206をまた認識する数百個または数千個または数万個または数十万個の第2の一次抗体211でコーティングされたビーズを添加し得る。例えば、固定化された抗体は、ウサギ抗リボソーム抗体であり得、一方、第2の一次抗体は、モルモット抗リボソーム抗体であり得る。このようにして、対象の分析物206は、対象の分析物206を認識する増幅する複数の第2の一次抗体211を含むビーズを、固体支持体214に連結する。最後に、第2の一次抗体211を認識する二次抗体(例えば、抗モルモット抗体)212を添加する。一実施形態において、二次抗体212は、検出可能な部分210で標識されている。例えば、第3の抗体は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識し得る。このように、シグナルの非常に大きな増幅が、単一のタンパク質分子に由来することができる。
このように、試料中の微生物の検出のための代わりの実施形態において、それらの構成タンパク質サブユニットへのリボソームまたは子孫ファージ粒子の解離がさらなる増幅を提供する場合(Escherichia coliの各リボソームは、55個のタンパク質を含有し、バクテリオファージ粒子、例えば、T4は、数千のタンパク質分子を含有し得るため)、高利得増幅免疫アッセイ法は、試料中の他の成分から微生物を単離する工程と、カオトロピック剤(例えば、6Mのチオシアン酸グアニジニウム)の使用によって単一の工程で、その中のリボソームを含めた微生物の巨大分子成分を解離する工程(またはタンパク質構成物へとバクテリオファージ子孫を解離する工程)とを含み得る。方法は、解離剤の除去または希釈をさらに含み得る。方法は、ビオチン化ポリクローナル一次リボソーム特異的(またはバクテリオファージ特異的)抗体(例えば、ウサギにおいて産生された)の結合、およびストレプトアビジンでコーティングした磁気「捕捉」ビーズによるタンパク質−抗体複合体の捕捉をさらに含み得る。次に、方法は、別の種(例えば、モルモット)において産生された複数(例えば、数万個)の一次リボソーム特異的(またはバクテリオファージ特異的)抗体でコーティングされた「検出」ビーズの結合を含み得る。この時点で、方法は、検出可能な部分(レポーター)、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、QDOTS(登録商標)、またはカーボンブラックナノストリングにコンジュゲートした複数の二次抗体(例えば、ヤギ抗モルモット)を結合する工程;および蛍光または他のシグナルの発色によるアッセイを含み得る。
一実施形態において、高利得(high−gain)増幅の決定要因は、対象の分析物に対して特異的な多数の抗体(例えば、リボソーム特異的抗体)の結合に適応させることができる検出ビーズの大きな表面積である。106個のリボソームタンパク質サブユニット(1つの細菌細胞中のリボソームの解離によって得られるリボソームタンパク質サブユニットの概ねの数)によって占有される面積は小さく、この面積はビーズへの到達しやすさを満足させなければならない。一実施形態において、106個の1μmビーズの二次元の集密的アレイは、約1mm2を占有する。移動性の捕捉支持体(例えば、ビーズ)について、結合することができる特定のサイズの検出支持体の数は、立体効果によって制限され得る。単一のタンパク質分子による、105個の一次抗体でコーティングされたビーズの結合、およびそれに続く標識された二次抗体の結合は、高利得増幅を提供するELISA、RIAまたは免疫蛍光によってアッセイすることができる。
さらに別の実施形態において、試料中の細胞(または、本明細書に記載の方法によって試料中の細胞から放出されるリボソーム)は、適切な孔径(典型的には、細菌について0r.45μm、およびリボソームについて0.02μm)のスピンフィルターの表面に、遠心分離によって濃縮することができる。次いで、濃縮された細胞を、本明細書に記載のような少容量の緩衝液(例えば、約20μl)中で溶解させ、リボソームを放出させ得る。リボソーム(例えば、単一の細菌細胞から約20,000個)は、フィルター表面からマイクロタイタープレートのウェルに移すことができる。この時点で、リボソームまたはリボソームタンパク質は、リボソームまたはリボソームタンパク質上の複数のエピトープを認識することができるポリクローナル抗体とカップリングした約3,000個の大きなポリスチレンビーズ(典型的には、直径が15〜20μm)の添加に続く格子の形成によって同定することができる。それぞれの大きなビーズは、約107個の抗体を結合することができ、ビーズが抗体と複合体化したタンパク質Gまたは別のタンパク質で事前コーティングされている場合、抗体は、最適な抗原結合のために配向している。別々のビーズ上に固定化された抗リボソーム抗体を架橋するリボソームまたはリボソームタンパク質の結果としての格子形成(ビーズ集塊)は、急速であり得、用いられるビーズのサイズおよび数によって拡大を伴わずに直接可視化し、または光学顕微鏡によって50〜100×の倍率で可視化し得る。リボソームタンパク質の段階希釈物を使用することによって、ビーズに結合した抗体およびタンパク質分子の濃度がビーズの凝集作用のために最適である等量域を同定する。既知の数のリボソームまたはリボソームタンパク質と共に凝集(集塊)したビーズ−タンパク質G−抗体複合体は、陽性対照の役割を果たし得、リボソームやリボソームタンパク質を伴わない緩衝液中の非凝集ビーズ−タンパク質G−抗体複合体は、陰性対照の役割を果たし得る。
図8は、微生物からの対象の分析物を検出するために使用し得る、免疫アッセイのいくつかの代わりの実施形態を例示する。特定の実施形態において、アッセイは、ビーズをベースとする増幅を提供する。
図8Aに示すように、方法1aおよび1bは、リボソームタンパク質および/またはファージタンパク質についての、それぞれ、非増幅および増幅免疫アッセイの実施形態例を提供する。これらのアッセイにおいて、対象の分析物206(例えば、リボソームタンパク質またはファージタンパク質)に対して特異的な遊離一次ビオチン化抗体分子230(例えば、ウサギ)を、溶液中の標的分子に結合するために添加する。ビオチン化抗体分子230は、対象の分析物206を特異的に認識し得、一方、他のタンパク質または生体分子202、204は、結合しない。この時点で、ストレプトアビジンでコーティングした磁気「捕捉」ビーズ(複数可)240(例えば、直径が約1マイクロメートル)を添加して、ビオチン化抗体−タンパク質複合体を定量的に結合し得る。一実施形態において、方法は、ビオチンおよびウシ血清アルブミン(BSA)を添加することによって、ビーズ−タンパク質複合体をブロックすることを含み得る。
この時点で、増幅アッセイ(方法1b)において、異なる種(例えば、モルモット)において産生した数百個、数千個、数万個、数十万個またはそれ超の分子の第2の一次抗リボソーム抗体211でコーティングした「検出」ビーズ(複数可)233を添加して、リボソームタンパク質分子上のあいた占有されていないエピトープに結合させる。第2の一次抗体分子211の量は、第2の一次抗体211を認識する二次抗体分子(例えば、抗モルモット抗体)212を使用して検出し得る。一実施形態において、二次抗体分子212は、検出可能な部分210で標識される。例えば、二次抗体は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識し得る。このように、シグナルの非常に大きな増幅は、検出ビーズ上の多数の第2の一次抗体分子の存在による単一のタンパク質分子に由来する。対照的におよび比較のために、捕捉ビーズを利用するが、増幅する検出ビーズを利用しない、間接免疫蛍光サンドイッチアッセイを、方法1aにおいて例示する。
図8B(方法2)は、方法1aの非増幅アッセイの代わりの形態を例示するが、ここでは、第2の一次抗体分子211および第1の一次抗体分子230は、同時に、およびストレプトアビジンビーズ(複数可)240の添加の前に添加する。
図8C(方法3)は、方法1bの増幅アッセイの代わりの形態を例示するが、ここでは、第1の一次抗体分子230、および異なる種(例えば、モルモット)において産生された第2の一次抗リボソーム抗体分子211でコーティングされた検出ビーズ(複数可)233は、第1の一次抗体分子230を認識するストレプトアビジン捕捉ビーズ(複数可)240の添加の前に添加する。一実施形態において、これは、対象の分析物206および検出支持体ビーズ(複数可)233および第1の一次抗体分子230の間の複合体の形成を促進し得る。
図8D(方法4)は、方法1bの増幅アッセイの代わりの形態を例示するが、ここでは、異なる種(例えば、モルモット)において産生された複数の第2の一次抗リボソーム抗体分子211でコーティングされた検出ビーズ(複数可)233は、第2の一次抗リボソーム抗体分子211に結合するよりもむしろ、検出ビーズ(複数可)233の一部として検出可能な部分210である複数の分子を含む(例えば、共有結合的で、または表面上のコーティングによる)。検出可能な部分210は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)を含み得る。一実施形態において、この方法は、検出支持体が複数の検出可能な部分を含む場合、より少ない検出結合剤(例えば、第2の一次抗リボソーム抗体211)の使用を可能とし得る。例えば、検出支持体233上の検出可能な部分210:検出結合剤211の比は、1:1、または5:1、または10:1、または100:1、または500:1、または1000:1、10,000:1またはそれ超であり得る。検出可能な部分は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)を含み得る。
図8E(方法5)は、方法4のアッセイの代わりの形態を例示するが、ここでは、異なる種(例えば、モルモット)において産生された第2の一次抗リボソーム抗体分子211でコーティングされた検出ビーズ(複数可)233、および検出可能な部分210は、第1の一次抗体分子230を認識するストレプトアビジンビーズ(複数可)240の添加の前に添加する。一実施形態において、これは、対象の分析物206および検出支持体ビーズ(複数可)233および第1の一次抗体分子230の間の複合体の形成を促進し得る。
図8F(方法6)は、方法3の代わりの形態を例示するが、ここでは、異なる種(例えば、モルモット)において産生された第2の一次抗リボソーム抗体分子211でコーティングされた検出ビーズ(複数可)233は、第1の一次抗体分子230、および第1の一次抗体分子230を認識するストレプトアビジンビーズ(複数可)240の添加の前に添加する。一実施形態において、これは、対象の分析物206および検出支持体ビーズ(複数可)233の間の複合体の形成を促進し得る。
図9は、500個または2,000個に相当するE.coli細胞からのリボソームの検出を示す方法6による結果を示す。x軸は、細菌細胞の数を示し、y軸は、細菌細胞を有さない対照と比較したシグナルを示す。
二次抗体および/または検出第2の一次抗体(the detection second primary antibody)は、捕捉支持体抗体に結合せず、したがって結合は、バックグラウンドをもたらし得ることは重要であり得る。このように、特定の実施形態において、検出の工程は、検出ビーズ上の検出一次抗体剤を認識する二次抗体の添加を含むが、二次抗体は、対象のタンパク質を捕捉支持体に結合させるために使用されるr捕捉結合剤(例えば、第1の一次抗体)を認識しない。
特定の実施形態において、捕捉および/または検出固体支持体は、不働化剤で処理し得る。例えば、特定の実施形態において、対象の分析物は、不動態化した表面(すなわち、非特異的結合を低減させるように処理されている表面)上に捕捉し得る。1種のこのような不働化剤は、BSAである。さらにおよび/または代わりに、使用される結合剤が抗体である場合、捕捉および/または検出固体支持体は、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、タンパク質L、または高親和性で結合剤抗体に結合する別の作用物質でコーティングし得る。これらのタンパク質は、抗体のFcドメインに結合し、このように対象のタンパク質(複数可)を認識する抗体の結合を配向させることができる。
検出および/または捕捉支持体は、同様の、または他の材料でできているポリスチレンビーズ(polystyrene beads or beads)であり得、ビーズはタンパク質でコーティングすることができるが、アッセイにおける他の成分と反応しない。特定の実施形態において、複数の抗体分子がビーズに結合し得るように、ビーズは十分に大きい。例えば、ビーズは、サイズが直径約0.1〜50μm、または0.2〜40μm、または0.3〜30μm、または1〜20μm、または1〜15μmまたは約1〜3μmの範囲であり得る。ビーズのサイズは、行われるアッセイのサイズによって決まり得る。マイクロタイターウェルにおいて行われるアッセイについて、約1マイクロメートル(μm)のビーズを使用し得る。
代わりの実施形態において、検出支持体は、複数の検出結合剤を含み得る。例えば、代わりの実施形態において、検出支持体上の結合剤の数は、検出結合剤の100個超、または500個超、または1,000個超、または5,000個超、または10,000個超、または20,000個超、または50,000個超、または100,000個超、または500,000個超、または1,000,000個超の分子であり得る。例えば、一実施形態において、検出支持体は、数万個または数十万個の抗体分子でコーティングされているビーズを含み得る。代わりの実施形態において、直径が約15μmである検出支持体ビーズについて、約10,000〜10,000,000個または約50,000〜1,000,000個、または約100,000〜500,000個の結合剤分子(例えば、一次抗体)が存在し得る。異なるサイズの検出支持体ビーズのために、対応する表面被覆率を使用することができる。このように、代わりの実施形態において、本発明の方法は、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイにおいて認められるシグナルの、1,000〜1,000,000,000倍、または1,000〜100,000,000倍、または5,000〜10,000,000倍、または10,000〜1,000,000倍、または10,000〜500,000倍、または50,000〜500,000倍の範囲の増幅を提供する。または、これらの範囲内の範囲を達成し得る。
特定の実施形態において、複数の結合剤分子がビーズに結合し得るように、検出支持体ビーズは十分に大きい。例えば、ビーズは、直径が約0.1〜50μm、または0.2〜40μm、または0.5〜30μm、または1〜20μm、または1〜15μmまたは約1〜3μmの範囲のサイズであり得る。ビーズに結合する結合剤が抗体である場合、市販のタンパク質G、タンパク質A、またはタンパク質A/Gで事前コーティングされたビーズは、これらのタンパク質が、抗体のFcドメインを結合し、Fabドメインが抗原のエピトープに自由に結合するように抗体を配向させるために使用し得る。
上記のように、酵素または蛍光性材料(QDOTS(登録商標)もしくは他の蛍光性標識)と複合体化した結合剤(例えば、検出支持体上の第2の一次抗体を認識する二次抗体)を添加して、それが、検出支持体上の検出結合剤として使用される多数の抗体に結合しr得る。免疫化学(例えば、ELISA)アッセイ、または適切な発光イメージングシステムにおける蛍光性材料の励起および可視化を使用して、タンパク質を定量化し得る。一実施形態において、この方法によって提供する大きなシグナル増幅率への鍵は、検出結合剤の結合に適応することができる検出支持体の大きな表面積である。例えば、抗体について、約>10,000個および>100,000個の分子を使用して、それぞれ、1μmおよび2.8μmのビーズをコーティングし得る。
ラテラルフローアッセイ(LFA)によるリボソームの検出
一実施形態において、リボソームは、ラテラルフローアッセイ(LFA)または免疫クロマトグラフィーアッセイを使用して検出し得る。このようなアッセイは、迅速でかつ行うのが容易であり得、1時間以内に視覚的な結果を生じさせ得る。一実施形態において、アッセイは、抗体−支持体および結果の読み出しとしての役割を果たすカーボンブラックナノストリング(CBNS)を使用した超高感度のラテラルフローアッセイを含み得る(Lonnbergら、J. Immunol. Methods、339巻:236〜244頁(2008年))。
例えば、特定の実施形態において、ラテラルフローアッセイは、単一の方向の分子の流れを可能とする固体支持体を含み得る。一実施形態において、固体支持体は、幅より長い長さを有するストリップを含み得る(図10A)。ストリップは、膜(例えば、ニトロセルロース膜または他のタイプの吸収基材)、および膜と接触している吸収パッドからなり得る(図10A)。一実施形態において、膜は、対象の分析物(例えば、リボソーム、リボソームタンパク質、ファージタンパク質)を認識する第1の種(例えば、ウサギ)由来の抗リボソーム抗体を有する試験ライン、および第1の種由来の抗体を認識する二次抗体(例えば、ヤギ抗ウサギ抗体)を有する対照ラインを含有し得る。また、抗リボソーム抗体302でコーティングしたカーボンブラックナノストリング300が図10Aにおいて示される。
一実施形態において、アッセイは、試料を膜の底部(「試料アプライ領域」)(図10B)にアプライし、図10Aに示すように、試料が毛細管作用によって膜の表面を横切って流れることを可能とすることによって行い得る。試料中に存在する対象の分析物はこのように、試験ラインにおける固定化された抗体(例えば、リボソーム分析物に対する抗リボソーム抗体)と相互作用し、それと結合することができ、一方、試料中の材料の残りは、吸収パッドへと進み続ける。次いで、ストリップは、対象の分析物(例えば、ウサギ抗リボソーム抗体)をまた認識する抗体で事前コーティングしたカーボンブラックナノストリング(CBNS−Ab)と共にインキュベートし得る。一実施形態において、LFAストリップは、総血清IgGからの抗体を有し、一方では、CBNS−Ab上のIgGは、対象の抗原によりアフィニティー精製される。CBNS−Ab複合体は、ニトロセルロース表面を横切って流れることが可能となる。このようにして、任意のCBNS−Ab複合体は、試験ラインに結合したリボソームと相互作用することができる。この相互作用は、灰色から黒色のラインとして可視化し得る(図10B)。非結合CBNS−Abは、ストリップを進み続け、抗ウサギ対照ラインに結合することができ、これはまた灰色/黒色のラインをもたらす(図10B)。試料がリボソームタンパク質を含有しない場合、ラインは試験ラインの位置において形成されないが、ラインは対照ラインの位置において形成される。
図10Cおよび10Dは、ウサギ抗リボソーム抗体でコーティングしたカーボンブラックナノストリングによるこのようなラテラルフローアッセイを使用してE.coliからのリボソームの検出を示す。このように、図10Cは、ウサギ抗リボソーム抗体でコーティングされたCBNSを用いた10ngのリボソームの検出、および試験ライン位置におけるラインとして認められる試料中のリボソームの存在を示す。対照におけるラインは、rCBNS−Abがストリップを移動したことを示す。
特定の実施形態において、CBNS−LFAシステムにおける感度は、試験ラインの面積を減少させることによって増大させ得、それにより、CBNSをより小さな面積へと濃縮して、ラインの強度を増加させ得る。別の実施形態において、試験ライン上に既に局在化している、CBNS−Abに結合するCBNS二次抗体複合体を使用して、シグナルの強度をさらに増加し得る。第3の方法は、一次抗体−CBNS複合体または二次抗体−CBNS複合体上に酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を組み込み得、その結果、HRP基質をストリップに直接添加して、基質を有色の産物に変換させることによってラインの強度を増加させることができる。さらにおよび/または代わりに、CBNS上のビオチン化抗体は、シグナルを増加させる手段として、可溶性ストレプトアビジン−HRP(SA−HRP)、またはCBNSに結合したSA−HRPと併せて使用し得る。図10Dは、CBNS−ビオチン化抗リボソーム抗体を使用し、かつ、CBNS−ビオチン化抗リボソーム抗体の可視化(上のパネル)によって、ならびに西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートしたストレプトアビジンと複合体化したCBNS(SA−HRP−CBNS)を添加し、次いで、比色分析の西洋ワサビペルオキシダーゼ基質を添加する(下のパネル)ことによって発色させる実験を示す。僅か5ngのリボソームの検出がこの方法を使用して可能であることを認めることができる。
感染性因子によって提供される増幅
別の実施形態において、本発明は、試料中の微生物を検出する迅速かつ高感度の方法を提供し、この方法は、試料と、遊離しているか、または固体支持体に結合している結合剤に結合している感染性因子とを接触させる工程であって、感染性因子は、マイクローブに対して特異的であり、そのため試料からのマイクローブを単離することができる工程を含む。例えば、特定の実施形態において、対象のマイクローブは、細菌であり、感染性因子は、1種または複数種のバクテリオファージである。または、他のタイプの微生物のために、他の感染性因子を使用し得る。
上記のように、バクテリオファージは、特定の細菌に付着し、自身の遺伝子材料を注入するウイルスである。次いで、バクテリオファージは、自身を百回または数百回短期間で複製する細菌の機構を使用する。いくつかのバクテリオファージは溶菌性であり、これは、バクテリオファージが宿主細菌を破裂し、複製したファージ(子孫)が環境中に放出され、他の細菌を捜し出して、それに感染することを意味する。
さらに、特定のバクテリオファージの複製は特定の細菌においてのみ起こるという点で、大部分のバクテリオファージは、特定の細菌に対して特異的である。したがって、増幅したバクテリオファージの存在は、それに対してバクテリオファージが特異的である細菌の存在を同定する。さらに、バクテリオファージは僅か1時間以下で細菌に感染し、子孫ファージを産生することができるため、検出時間は培養可能な細胞の検出と比較して有意に低減する。
バクテリオファージが細菌に感染したかどうかは、バクテリオファージ子孫、またはバクテリオファージマーカー、または親ファージもしくは子孫ファージによる感染によって検出される細菌マーカーの存在を同定することができるアッセイによって決定することができる。一実施形態において、アッセイは、バクテリオファージ、バクテリオファージマーカーおよび/または細菌マーカーだけでなく、バクテリオファージ、バクテリオファージマーカー、または細菌マーカーの量もしくは濃度を同定することができる。
例えば、一実施形態において、本発明は、病原性細菌の迅速な検出および定量化のための超高感度のバクテリオファージをベースとするアッセイを提供する。一実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から少なくとも1種の細菌を単離する工程と、少なくとrも1種の細菌をバクテリオファージに感染させる工程とを含む、細菌を検出するための方法を含み得る。方法はまた、吸着されないインプットファージの大部分を除去する工程を含み得る。方法はまた、感染を受けた細胞をインキュベートして、ファージ複製および細胞溶解を促進し、子孫ファージを放出させる工程と、子孫バクテリオファージ、または解離した子孫バクテリオファージの構成物を検出する工程であって、バクテリオファージまたはバクテリオファージの構成物(すなわち、バクテリオファージマーカー)の検出は、細菌が試料中に存在することを示すとを含み得る。方法は、子孫ファージを検出する前に、残存するインプットファージを除去する工程をさらに含み得る。
本明細書に記載されている他の実施形態は、検出可能な部分で標識された子孫ファージおよび/または細菌を利用し、感染を受けた細菌の検出を促進する。例えば、子孫ファージは、検出可能な生体分子、例えば、ルシフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子を含み得る。代わりの実施形態において、子孫ファージは、マーカー生体分子、例えば、ルシフェラーゼタンパク質を含むインジケーター細菌の感染によって定量化し得る(例えば、このようなマーカー生体分子をコードするプラスミドを含む細菌を使用し得る)。
溶菌したインジケーター細胞からの子孫ファージ(lysed indicator cells progeny phage)の検出によって試料細胞をアッセイするインジケーター細菌の使用を、図11において示す。このように、このアッセイにおいて、対象の細菌試料に感染するために使用される親ファージは、子孫ファージから分離され、次いで、子孫ファージを使用して、細菌の溶菌によって検出可能なシグナルを提供する生体分子を発現するように操作された(engineered)インジケーター細菌に感染させる。例えば、細菌は、ルシフェラーゼタンパク質をコードするプラスミドによるトランスフェクションによって操作し得る。
例えば、これらの実験において、インジケーター細胞401の培養物(例えば、ルシフェラーゼタンパク質を発現する細菌)を増殖させる。その間に、定量化される細菌を含む試料400の少なくとも一部をスピン濾過して、培地を除去し、適切な多数のビオチン化ファージ406(例えば、T4ファージ)を添加し(過剰なファージ406は、遠心分離洗浄によって除去し得る)、細菌に感染させ、それに続いて溶菌させるのに十分に長くインキュベートし、子孫ファージを放出させる。次いで、このように得られたライセート411は、例えば、遠心分離によって集めてもよく、子孫ファージおよびビオチン化親ファージを含有する濾液410を、ストレプトアビジン414を含む支持体412(例えば、ストレプトアビジンカラム)に移し、残存するビオチン化親ファージをビオチン化されていない子孫ファージ416から分離する。次に、検出可能な部分403を産生するインジケーター細胞401(すなわち、ルシフェラーゼタンパク質を発現している細菌)を、子孫ファージ416に添加し、子孫ファージを細菌に感染させる。感染を受けたインジケーター細胞は、さらなるファージが生じることおよび溶菌が起こるのに十分な時間インキュベートし得る。次いで、感染を受けたインジケーター細菌から放出された検出可能な部分403(例えば、ルシフェラーゼ)のレベルを、ルミノメーター418または他の適切な検出方法(例えば、蛍光タンパク質のための蛍光計)を使用して定量化し得る。
このアッセイを使用した実験例からのデータを、図12A〜Eにおいて示す。図12A〜Cは、図11において示した方法の前半および後半からの別々のデータを示す。図12Dおよび12Eは、完全アッセイからのデータを示す。
図12Aは、僅か1〜2個のE.coli細胞が、プラークアッセイによって測定可能なプラーク形成単位(PFU)濃度(すなわち、約300〜460PFU)の子孫ファージを提供することができることを示す。平均で試料当たり1個の細胞は実際に0個の細胞を有する可能性があるため、0PFUの近くのy軸上のポイント(約60PFUまで)はr、ランダムな確率(random chance)によってフィルター上に沈着する細
胞がないことによる可能性がある。
図12Bは、ファージアッセイがインプット試料細胞に対する用量依存的反応を明らかに示し、試料中により多くの細胞があるほど、子孫ファージの産生が増加することを示す。図12Aおよび12Bの両方は、標準的な一晩のコロニー形成単位(CFU)アッセイから決定した細胞濃度に対してプロットし、このように8時間未満で可視化することができるプラークアッセイの本質的により速いスピードで同様の感度を明らかに示す。
図12Cは、図11において概要を述べたインジケーター細胞の溶解を使用した方法の後半を使用した、単一の細胞(すなわち、100個のファージ)または27個の細胞(すなわち、2700個のファージ)に相当するファージの検出を示す。これは、合わせたときに、完全ファージアッセイは、試料当たり僅か1個の細胞を検出することができるはずであることを明らかに示す。
図12Dは、標準的CFUアッセイと比較した、1個、5個および7個の試料細胞(例えば、E.coli)の検出を示す(点線は、バックグラウンドレベルを意味する)。図12Eは、完全ファージアッセイを使用した、試料当たり100〜10,000個の細菌細胞(顕微鏡的に決定)の成功した検出を示す(ラインは、バックグラウンドレベルを意味する)。このように試料の希釈を伴わずに1〜10,000個の細胞の感度を明らかに示す。これは、概ね3時間で行われる非常により速いアッセイであることに添加して、500〜700CFU超では確実にはペトリ皿上で計数することができない標準的な一晩のCFUアッセイより、1桁または2桁より高感度である。
また、いくつかの実施形態において、アッセイは、インジケーター細菌から放出されるリボソームの検出を含み得る。このフォーマットにおいて、アッセイは、次いで、子孫ファージによって提供される増幅、および単一の細菌細胞中に存在する多数のリボソームによって提供される増幅を利用し得る。
インジケーターファージを使用する戦略を、図13に示す。この方法において、ファージキャプシドタンパク質は、遺伝子導入でルシフェラーゼと融合している。これにより、ストレプトアビジンカラム上のビオチン化親インプットファージから分離した子孫粒子は、ルシフェラーゼ(または、他の検出部分)を含有し、直接定量化することができる。
図13において例示するように、この方法において、定量化される細菌502を含む試料500の少なくとも一部をスピン濾過して、培地を除去し、ルシフェラーゼと融合しているキャプシドタンパク質を有する適切な多数のビオチン化ファージ504(例えば、T4ファージ)(インジケーターファージ)を添加し(過剰なファージ504は、遠心分離洗浄によって除去し得る)、残存する親ファージを、細菌511に感染およびそれを溶菌させるのに十分に長くインキュベートし、子孫ファージを放出させる。次いで、このように得られたライセート510は、例えば、遠心分離によって集めてもよく、子孫ファージおよび親ファージを含有する濾液を、ストレプトアビジン414を含む支持体412(例えば、ストレプトアビジンカラム)に移し、ビオチン化親ファージをビオチン化されていない子孫ファージ516から分離する。インジケーター子孫ファージ516上のSocキャプシドタンパク質との融合タンパク質として存在し、活性であるルシフェラーゼのレベルは、次いでルミノメーター418を使用して定量化し得る。例えば、それぞれが約900個のルシフェラーゼ−キャプシドタンパク質のコピーを含む細胞当たり約100〜200個の子孫ファージは、約200,000個のルシフェラーゼのコピーを生じさせる。
可溶性ルシフェラーゼを産生するインジケーターファージを使用する戦略を、図14にr示す。この方法において、ファージ(例えば、T4ファージ)は、キャプシドタンパク質−ルシフェラーゼ融合の代わりに、複製の間に可溶性ルシフェラーゼを発現するように操作される。ルシフェラーゼの発現は、ウイルスキャプシドプロモーター(例えば、T4バクテリオファージにおけるSocプロモーター)によって駆動され、高い発現をもたらす。親ファージはルシフェラーゼを含んでおらず、そのためアッセイにおいて検出される任意のルシフェラーゼは、細菌細胞から放出された子孫ファージの複製からもたらされるはずである。このように、親ファージおよび子孫ファージを分離する必要はない。
これらの実験において、定量化される細菌602を含む試料600の少なくとも一部を、スピン濾過して培地を除去し、Socキャプシドタンパク質604の代わりにルシフェラーゼを発現する適切な多数のビオチン化T4ファージを添加する。感染を受けた細菌611からの濾液中の親ファージ604および子孫ファージ616を、次いで、例えば、遠心分離によって集め、ルミノメーター418を使用してルシフェラーゼのレベルを定量化し得る。
このように、特定の実施形態において、本発明は、試料中に存在する低レベルの微生物を検出する手段として、感染性因子によって提供される高い特異性、および感染性因子の複製によって提供される増幅の両方を利用する。例えば、一実施形態において、本発明は、試料からの細菌の単離のためのバクテリオファージの特異性、および/または試料中の細菌の検出のための子孫バクテリオファージによって提供される増幅を利用する方法およびシステムを含む。例えば、それぞれの感染を受けた細胞からの200個の子孫ファージのタンパク質構成物(例えば、Escherichia coliの溶菌性ファージT4は、約2500個のタンパク質サブユニットを有する)の同定は、単一の培養可能な細胞の単離および同定に依存する方法を超えた、大きな増幅をもたらすことができる。
このように本発明の実施形態は、病原性細菌の迅速な検出および定量化のための、超高感度のバクテリオファージをベースとするアッセイの使用を含む。例えば、方法は、細菌学的フィルター(例えば、0.45μm孔径)上の試料からの細菌を濃縮する工程と、細菌をビオチン化バクテリオファージに感染させる工程と、フィルターを通して吸着されないインプットファージを洗浄する工程と、バクテリオファージ複製および細胞溶解のために感染を受けた細胞をインキュベートする工程と、ストレプトアビジン精製(例えば、スピンカラムまたは他の固体支持体)の使用によってライセートから残存するインプットビオチン化ファージを除去する工程とを含み得る。
吸着されないインプットファージの効率的な除去は、ファージ子孫の定量化に不可欠であり得る。吸着されないインプットバクテリオファージを除去し、または選択的に不活性化できないことは、子孫粒子の定量化を不要にし得、これはバクテリオファージをベースとする細菌の検出方法における主な障害であった。試料中の子孫バクテリオファージは、プレーティングおよびプラーク数(PFUアッセイ)によって、あるいはインジケーター細菌またはインジケーターファージまたは本明細書に記載されている高利得増幅免疫アッセイの使用によって定量化し得る。子孫バクテリオファージが存在することは、試料中にバクテリオファージに対して特異的な細菌細胞が存在することを示し、子孫バクテリオファージが存在しないことは、試料中にバクテリオファージに対して特異的な細菌細胞が存在しないことを示す。
別の実施形態において、方法は、試料と、固体支持体または他の結合剤に結合した感染性因子(例えば、ストレプトアビジンでコーティングした磁気ビーズに結合したビオチン化バクテリオファージ)とを接触させる工程であって、バクテリオファージは、細菌細胞に対して特異的である工程と;固体支持体上に固定化されたバクテリオファージが細菌細胞に感染するのに有効な条件下で試料をインキュベートする工程と;感染を受けた細胞−rバクテリオファージ−固体支持体複合体を単離する工程と;ファージ複製および細胞溶解のためにインキュベートする工程であって、固体支持体に結合しない子孫ファージの放出をもたらし、このように細菌に感染するために使用されるインプット固定化されたファージと識別することができる工程と;付着した過剰なインプットバクテリオファージおよびバクテリオファージ−細胞表層複合体を有する固体支持体を除去する工程と;ライセートをストレプトアビジンスピンカラムに通過させて、任意の残存するインプットビオチン化ファージを排除する工程と;本明細書に記載されている方法によって子孫ファージを定量化する工程とを含み得る。再び、子孫バクテリオファージが存在することは、試料中にバクテリオファージに対して特異的な細菌細胞が存在することを示し、子孫バクテリオファージが存在しないことは、試料中にバクテリオファージに対して特異的な細菌細胞が存在しないことを示す。
所与の細菌細胞の検出のために、細菌細胞に感染し、細菌細胞内で複製し、細菌細胞を溶解させることができるバクテリオファージを選択し得る。任意の所与の細菌細胞について、多種多様のバクテリオファージが、例えば、ATCCから(約500個のファージ)、または宿主細胞を持つ天然供給源からの単離によって入手可能である。バクテリオファージはまた、細菌細胞に対する特異性を示すはずである。バクテリオファージは、所与の細菌細胞に感染し、他の種または株の細菌細胞に感染しないとき、細菌細胞に対して特異的である。特定の細菌細胞の検出のために、好ましくは、最適または最大のバーストサイズを与えるバクテリオファージをまた選択する。
バクテリオファージが細菌の単離、および/または細菌の検出の増幅のために使用される場合、本発明によって検出することができる細菌細胞の範囲は、細菌細胞に対して特異的なバクテリオファージの利用可能性によってのみ限定され、甚大であることを当業者は理解する。例えば、ATCCから利用可能なファージタイプの一覧は、細菌およびバクテリオファージのカタログとしてこれらによって公表されており、ワールドワイドウェブでatcc.orgにおいて入手可能である。他のこのような保管所はまた、それらのカタログにおいて同等のデータを公表し、これを使用して、本発明の方法のための可能性のあるバクテリオファージ試薬を同定し得る。
細菌へのファージ感染、細菌中のファージの増殖または増幅から細菌の溶菌までの総反応時間は、問題のファージおよび細菌ならびに環境条件によって、数十分から数時間かかり得る。細菌が溶菌されると、子孫ファージは、細菌の全ての内容物と共に環境中に放出される。子孫ファージは、存在する他の細菌に感染し、サイクルを繰り返し、より多くのファージおよびより多くの細菌デブリを生じさせることができる。この様式で、ファージの数は、感染するための細菌がもはや本質的に存在しなくなるまで指数関数的に増加する。
バクテリオファージは、短期間で相当な量の子孫を産生することができることに加えて、特異性を示す能力を有する。および、バクテリオファージ複製は、生きている宿主細胞を意味する。最適な感染および宿主増殖培地条件下で、所与のファージ/細菌の組合せは、一貫した数のファージ子孫を生じさせる。一般に、溶菌性感染サイクルは、単一の感染を受けた細胞から100個以上の子孫ファージ粒子を約半時間から1時間で産生する。アッセイ内で、既知の数のファージを既知の数の基材に結合した標的細胞に感染させて同じ培地において行う、対照比較標準を含むことが必要であり得る。
他の検出アッセイ
微生物から単離された子孫バクテリオファージおよび/またはリボソームの存在はまた、当技術分野で周知の他の方法によって決定し得る。例えば、子孫バクテリオファージは、通常のプラークアッセイ法によって、または例えば、セルソーター、例えば、蛍光活性r化細胞選別(FACS)を含めた自動化技術によって検出し得る。
子孫バクテリオファージはまた、直接の可視化によって検出し得る(Andersonら、US2004/0137430、この開示は参照により本明細書に組み込まれている)。このような直接の可視化は、光学顕微鏡法または蛍光顕微鏡法を利用し得る。使用し得る染色または酵素には、これらに限定されないが、蛍光プローブであるAlexa Fluor(Life Technologies/Molecular Probes、Grand Island、NYから入手可能)、Cy3、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミン、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼまたは当技術分野において公知の任意の他の標識が挙げられる。代わりに、レーザーシステムを使用して、標識したバクテリオファージを検出し得る。他の検出方法は、アデニル酸キナーゼの検出(Murphyら、320〜322頁、Bioluminescence and Chemiluminesence in Medicine and Disease, Clinical Chemistry and Microbiologyを参照されたい)、および二項式ベースの細菌氷核検出アッセイを使用した検出(Irwinら、Journal of AOAC International、83巻:1087〜95頁(2000年)を参照されたい)を含む。または、いくつかの実施形態について、子孫バクテリオファージはまた、図12および13において概要を述べたように、バイオルミネセンスを利用し、バクテリオファージゲノム中にクローン化されたルシフェラーゼ遺伝子の発現を検出する方法によって、または図11において示すように、インジケーター細菌中に組み込む方法によって検出し得る。例えば、Loessnerら、Applied and Environmental Microbiology、62巻(4号):1133〜1140頁(1996年)を参照されたい。
また、例えば、細菌細胞から放出されるリボソームタンパク質またはファージタンパク質の検出のために、Life Technologies/Molecular Probesによって製造された量子ドット(本明細書において「QDOTS(登録商標)ともまた称される)ナノ結晶を本発明の方法において使用して、免疫複合体を検出し得る。QDOTS(登録商標)は、通常の蛍光染料を上回るいくつかの好ましい特徴を示すナノスケールの結晶である。蛍光染料と異なり、QDOTS(登録商標)ナノ結晶は、はるかによりゆっくりと光退色し、はるかにより明るい蛍光を発する。異なるサイズのアレイが利用可能であるため、QDOTS(登録商標)ナノ結晶は、より広範な光スペクトルをカバーし(すなわち、異なるサイズは、異なる色を発する)、それによって同じ試料中の異なる生物の検出を可能とする。QDOTS(登録商標)ナノ結晶は、同じ均一なコンジュゲーション化学によって製造され、それによって複数のアッセイ環境下で一貫した挙動を提供する。現在、QDOTS(登録商標)ナノ結晶は、ストレプトアビジン、タンパク質A、およびビオチンを含めたいくつかの異なるコンジュゲートとして利用可能である。本発明のいくつかの実施形態において、ストレプトアビジンコンジュゲートを使用して、QDOTS(登録商標)−ストレプトアビジン−ビオチン−抗体複合体を介して子孫バクテリオファージまたはリボソームまたはこれらの構成タンパク質は、蛍光を発し得、またはQDOTS(登録商標)は、抗体に直接コンジュゲートすることができる。ストレプトアビジンコンジュゲートは、極めて明るく、優れた光安定性を提供し、単一の励起源を有する。
試料
本発明の方法およびシステムの実施形態のそれぞれは、試料中のマイクローブの迅速な検出および定量化を可能とすることができる。例えば、本発明による特定の方法は、最も好ましくは、約2時間以下で行うことができる。
本発明の方法およびシステムによって検出されるマイクローブは、商業的、医学的または獣医学的な懸念である病原体を含む。このような病原体としては、グラム陰性菌、グラム陽性菌、マイコプラズマおよびウイルスが挙げられる(ウイルスのタンパク質のみ、ウイルスはリボソームを有さないため)。特定のマイクローブに対して特異的である結合剤が同定されている任意のマイクローブを、本発明の方法によって検出することができる。必要とされる特異的結合剤/マイクローブペアの利用可能性以外に、本方法の適用に対する制限はないことを当業者なら理解する。
本発明によって検出可能な細菌細胞には、これらに限定されないが、食物または水が媒介する病原体である細菌細胞が挙げられる。本発明によって検出可能な細菌細胞には、これらに限定されないが、サルモネラ属(Salmonella)の全ての種、これらに限定されないが、E.coli O157/H7を含めたEscherichia coliの全ての種、これらに限定されないが、L.monocytogenesを含めたリステリア属(Listeria)の全ての種、およびカンピロバクターの全ての種が挙げられる。本発明によって検出可能な細菌細胞には、これらに限定されないが、医学または獣医学において重大である病原体である細菌細胞が挙げられる。このような病原体には、これらに限定されないが、Bacillus spp.、Bordetella pertussis、Campylobacter jejuni(Camplyobacter jejuni)、Chlamydia pneumoniae、Clostridium perfringens、Enterobacter spp.、Klebsiella pneumoniae、Mycoplasma pneumoniae、Salmonella typhi、Shigella sonnei、Staphylococcus aureus、およびStreptococcus spp.が挙げられる。
試料は、環境試料または食物試料または水試料、および医学または獣医学の試料であり得る。試料は、液体、固体、または半固体であり得る。試料は、固体表面のスワブであり得る。試料は、環境材料、例えば、水試料、またはサイクロン集塵器からの空気試料もしくはエアゾール試料からのフィルターを含み得る。試料は、肉、家禽、加工食物、乳、チーズ、または他の酪農製品のものであり得る。医学または獣医学の試料には、これらに限定されないが、血液、痰、脳脊髄液、および糞便試料および異なるタイプのスワブが挙げられる。
試料は、本発明の検出方法において、調製または希釈を伴わずに直接使用し得る。例えば、これらに限定されないが、乳およびジュースを含めた液体試料は、直接アッセイし得る。試料は、これらに限定されないが、緩衝溶液または細菌培養培地が含まれてもよい溶液に希釈または懸濁し得る。固体または半固体である試料は、液体中に固体を刻み、混合し、または細断することによって液体に懸濁し得る。試料は、宿主細菌細胞へのバクテリオファージ付着を促進するpH範囲内に維持すべきである。試料はまた、適切な濃度の、これらに限定されないが、Na+、Mg2+、およびK+を含めた二価および一価カチオンを含有すべきである。好ましくは、試料は、試料内に含有される任意の病原体細胞の生存度を維持する温度で維持する。
好ましくは検出アッセイを通して、試料は、試料中に存在する病原体細胞の生存度を維持する温度で維持する。バクテリオファージを細菌細胞に付着させる工程の間に、バクテリオファージ付着を促進する温度で試料を維持することが好ましい。バクテリオファージが感染した細菌細胞内で複製され、またはこのような感染した細胞を溶解させる工程の間、バクテリオファージ複製および宿主の溶解を促進する温度に試料を維持することが好ましい。このような温度は、少なくとも約25摂氏温度(C)、より好ましくは約45摂氏温度以下、最も好ましくは約37摂氏温度である。試料を、バクテリオファージ付着、複製および細胞溶解の間に穏やかな混合または振盪に供することがまた好ましい。他の実施r形態において、ファージアセンブリーは、ファージタンパク質のサブユニットがアセン
ブルされずに蓄積し、子孫ファージのさらなる増幅を提供することができるように、感染後に阻害し得る。
アッセイは、様々な適切な対照試料を含み得る。例えば、バクテリオファージを含有しない対照試料、または細菌無しでバクテリオファージを含有する対照試料を、バックグラウンドレベルのための対照としてアッセイし得る。
基材
本方法において使用される基材には、これらに限定されないが、単純な(plain)ポリスチレンビーズまたは磁気ビーズ(Spherotech、Libertyville、IL;Life Technologies/Invitrogen、Grand Island、NY;Polyscience、Niles、FL;Thermo Scientific Pierce、Waltham MA;EMD Millipore、Billerica、MA;New England Biolabs、Ipswich、MA)、および単純なシリカビーズまたは磁気シリカビーズ(AmsBio、Lake Forest、CA)、ラテックスコーティング、メンブランフィルター、繊維フィルター、遊離繊維または多孔性固体基材が挙げられる。磁気ビーズの使用のための方法は、例えば、Dynabeads Protein G 製造番号10003Dの添付文書と共に、Kalaら、Analytical Biochemistry、254巻:263〜266頁(1997年)およびDutton、Genetic Engineering News、第22巻(13号)、2002年7月において見出すことができる。
広範な粒子、特に、磁気およびポリスチレンビーズは、広範囲のサイズで市販されている。特定の実施形態のために、好ましい一連の粒子は、約1マイクロメートル(すなわち、1ミクロン)の平均粒子直径を有する。特定の実施形態のために、特に凝集作用アッセイにおいて、好ましい一連の粒子は、20マイクロメートル(すなわち、ミクロン)以下の平均粒径(すなわち、粒子の最も大きな寸法)を有する。
特定の実施形態、例えば、微生物、リボソーム、バクテリオファージまたはこれらの構成物の回収のために、粒子(例えば、ビーズ)の濃度は好ましくは、少なくとも108個/ミリリットルである。特定の実施形態のために、粒子(例えば、ビーズ)の濃度は好ましくは、109個/ミリリットル以下である。
特定の実施形態、例えば、リボソーム、バクテリオファージまたはこれらの構成物による粒子集塊のために、粒子(例えば、ビーズ)の数は好ましくは、10〜20μl中で少なくとも300個の粒子および3,000個以下の粒子(例えば、ビーズ)である。ビーズに付着している微生物またはウイルスの可視化が関与する実施形態において、この粒子数(例えば、ビーズ)は、スタッキングを伴わない二次元アレイにおける光学顕微鏡法による評価を可能とする。
例示的な市販の単純なビーズまたは磁気ビーズとしては、全てInvitrogen、Grand Island、NYから、またはSpherotech、Libertyville、Illから入手可能な、タンパク質G、タンパク質A、タンパク質A/G、エポキシ、またはストレプトアビジンでコーティングしたポリスチレンビーズが挙げられる。これらの同じコーティングを有するMagSi、磁気シリカビーズは、AmsBio、Lake Forest、CAから入手可能である。
微生物の検出のためのシステム
本発明の実施形態はまた、本発明の方法を行うためのシステム(例えば、キット)を含む。
例えば、一実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から微生物を単離するための成分;微生物を溶菌させ、微生物中に存在するリボソームを放出させるための成分;およびリボソームまたはリボソームの構成物を検出するための成分を含む、対象の微生物を検出するための成分を含むキットを含み、リボソームまたはリボソームの構成物の検出は、微生物が試料中に存在することを示す。
種々の微生物は、本発明のキットを使用して検出し得る。一実施形態において、微生物は、細菌、または真菌、または酵母の少なくとも1つを含む。
一実施形態において、微生物を単離するための成分は、微生物を認識し、それに結合する結合剤を含む。結合剤は、固体支持体に結合し得る。一実施形態において、結合剤は、抗体であり得る。または、微生物が細菌である場合、結合剤は、その細菌に対して特異的なバクテリオファージであり得る。
一実施形態において、キットは、リボソームを認識する一次抗体、および一次抗体を認識する少なくとも1種の二次抗体を含み得る。または、キットは、リボソームを認識する一次抗体、およびリボソームを認識する少なくとも1種の第2の一次抗体を含み得る。特定の実施形態において、第2の一次抗体は、固体支持体に結合する。また他の実施形態において、固体支持体は、複数の第2の一次抗体を含む。
他の実施形態において、リボソームは、ラテラルフローアッセイを使用して検出し得る。例えば、一実施形態において、キットは、抗リボソーム抗体を含む固体支持体を含み得る。一実施形態において、キットは、さらなる抗リボソーム抗体を含む少なくとも1種のカーボンブラックナノストリングを含み得る。
別の実施形態において、本発明は、試料中の他の成分から少なくとも1種の微生物を単離するための成分と;少なくとも1種の微生物を複数の親感染性因子で感染させるための成分と;少なくとも1種の感染を受けた微生物を溶菌させ、微生物中に存在する子孫感染性因子を放出させるための成分と;子孫感染性因子、または子孫感染性因子の構成物を検出するための成分とを含む、対象の微生物を検出するための成分を含むキットであって、感染性因子または感染性因子の構成物の検出は、微生物が試料中に存在することを示すキットを含む。一実施形態において、微生物は、細菌であり、感染性因子は、バクテリオファージである。
キットは、子孫感染性因子の検出のための種々の成分を含み得る。例えば、一実施形態において、子孫感染性因子(例えば、バクテリオファージ)は、インジケーター部分を含み得る。一実施形態において、子孫感染性因子中のインジケーター部分は、構造タンパク質(例えば、ファージキャプシドタンパク質)に融合しているルシフェラーゼを含み得る。一実施形態において、子孫感染性因子(例えば、バクテリオファージ)におけるインジケーター部分は、複製の間に発現する検出可能な部分、例えば、可溶性ルシフェラーゼタンパク質であり得る。代替の実施形態において、キットは、子孫感染性因子に感染したときに、インジケーター微生物の溶菌によって放出されるタンパク質を含むインジケーター微生物(例えば、細菌)を含み得る。一実施形態において、インジケーター微生物からのタンパク質放出は、検出可能な部分を含み得る。例えば、一実施形態において、放出されるタンパク質は、ルシフェラーゼタンパク質である。代替の実施形態において、キットは、感染を受けた試料細胞および/またはインジケーター細胞からの子孫感染性因子が、カーボンブラックナノストリングを用いるラテラルフローアッセイによって検出し得るような成分を含み得る。または、インジケーター微生物から放出されるタンパク質は、リボソrームを含み得る。このようにして、キットは、バクテリオファージ感染によって提供される増幅と、リボソーム検出によって提供される増幅とを合わせる。
試料からの微生物の単離のためのキット
本発明のキットは、試料からの細菌の単離のための試薬を含み得る。
例えば、特定の実施形態において、キットは、対象の微生物に対して特異的な抗体を含み得る。抗体は、特定の実施形態において、微生物が結合剤の相互作用によって単離されてもよいように、第2の結合剤によって認識されることができる第1の結合剤を含み得る。例えば、特定の実施形態において、キットは、対象の微生物およびストレプトアビジンでコーティングしたビーズを認識するビオチン化抗体を含み得る。
代わりの実施形態において、キットは、これらに限定されないが、ストレプトアビジン;ビオチン;バクテリオファージまたはバクテリオファージ部分構造、例えば、ヘッドに特異的に結合する抗体などの固定化された結合剤に連結することができる、特異的なファージを含み得る。一実施形態において、バクテリオファージに連結した作用物質を使用して、ファージを固体支持体に連結する。例えば、一実施形態において、キットは、対象の細菌に対して特異的なビオチン化ファージを含み得る。このようにして、ビオチン化ファージは、ストレプトアビジン磁気ビーズに結合することができる。代わりの実施形態において、バクテリオファージ、ファージ、マイコバクテリオファージ(例えば、TBおよびパラTBについて)、マイコファージ(例えば、真菌について)、マイコプラズマファージ、ならびに生きている細菌、真菌、マイコプラズマ、原生動物、酵母、および他の顕微鏡レベルの生きている生物に侵入することができる任意の他のウイルスは、対象のマイクローブの単離のための固体支持体にカップリングすることができる。一例として、よく研究されているE.coliのファージには、T1、T2、T3、T4、T5、T7、およびラムダが挙げられる。ATCCコレクションにおいて利用可能な他のE.coliファージには、phiX174、S13、Ox6、MS2、phiV1、fd、PR772、およびZIK1が挙げられる。
リボソームをベースとする微生物の検出のためのキット
特定の実施形態において、キットは、対象のマイクローブからのリボソームおよび/またはリボソームタンパク質の検出のための試薬を含み得る。例えば、一実施形態において、キットは、例えば、E.coliまたはSalmonella spp.または哺乳動物細胞の精製したリボソームに対する、ウサギ、マウス、モルモットなどにおいて産生されたポリクローナル抗血清を含み得る。
リボソームタンパク質の検出のためのLFAキットは、試験ラインおよび対照ラインの両方において適切な抗体を含有する試料ストリップを含み得る。このようなキットはまた、対象の分析物に対して特異的な抗体に結合したカーボンブラックナノストリングを含み得る。キットはまた、泳動用緩衝液および/または試料もしくは他の試薬の希釈のために必要とされる任意の試薬を含み得る。さらなる試薬は、さらなるシグナル増幅のための対照および試薬としての役割を果たす材料を含み得る。例えば、キットは、二次CBNS−Ab(すなわち、対象の分析物への一次抗体を認識する二次抗体)を含み得る。キットはまた、酵素検出試薬、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)および/またはHRP基質を含み得る。アッセイを行うために適切なサイズのリザーバはまた、本発明のキットに含まれてもよい。
微生物のファージをベースとする検出のためのキット
ファージをベースとする検出技術のために、市販のファージのいずれかを使用して、本発明のキットのための試薬を作製し得る。例えば、ATCCから入手可能であるファージタイプの一覧は、細菌およびバクテリオファージのカタログとしてこれらによって公表され、ワールドワイドウェブ上でatcc.orgにおいて、または他の公知の保管所で利用可能である。
バクテリオファージは、当技術分野において公知の多くの手順の1つによって基材上に固定化し得る。例えば、バクテリオファージに対して特異的な抗体を使用して、バクテリオファージを基材に付着し得る。タンパク質A、タンパク質G、またはリガンド、例えば、アビジン、ストレプトアビジンおよびビオチンを使用して、抗体を基材に連結し得る。共有結合的連結方法をまた使用して、バクテリオファージを基材に付着し得る。一般に、バクテリオファージテールタンパク質に対する特異性を有する抗体は、テールタンパク質へのこのような抗体の結合が、バクテリオファージ粒子が宿主細菌細胞に結合する能力を妨げ得るため、使用すべきではない。
本発明のキットは、検出部分を含む細菌を含み得る。「インジケーター細菌」と称されるこのような細菌は、検出される試料細菌と同じバクテリオファージの影響を受けやすい菌株からなり得る。例えば、野生型E.coli株B(ATCC)は、DNAプラスミドからの、ルシフェラーゼ、またはいくつかの他の検出部分を発現するように改変し得る。プラスミドは、新規に構築し得、または市販の構築物、例えば、ルシフェラーゼプラスミド、pGL.4.10(ホタルルシフェラーゼ)(Promega、Madison WI)およびpGL.4.70(ウミシイタケルシフェラーゼ)に基づき得る。当技術分野において公知の他の一般のDNA配列(抗生物質耐性遺伝子および複製起点)と共に、検出部分(例えば、ルシフェラーゼ)の発現を駆動する構成的またはウイルスプロモーターの添加を含み得る。
さらにおよび/または代わりに、本発明のキットは、「インジケーターファージ」を含み得る。インジケーターファージは、一般の検出部分、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、または西洋ワサビペルオキシダーゼの発現のための遺伝子を含むように改変されたこれらのゲノムを有するバクテリオファージからなり得る。これらの遺伝子は、T4中のSoc−ルシフェラーゼ融合物などの、融合物中の高コピー数のタンパク質にインテグレートされてもよく、またはファージ構造中に組み込まれないが、可溶性タンパク質として、ファージが細菌に感染すると発現され得る。
キットはまた、ファージによって感染を受ける細菌のための基材の濃縮および/または提供において使用され、次いで洗浄されるフィルター、例えば、0.45μmスピンフィルター(Millipore、Billerica、MA)を含み得る。ストレプトアビジンアフィニティーカラムはまた、子孫ファージからビオチン化親ファージを分離する使用のために、キットに含まれてもよい(GE Healthcare、Little Chalfont、UK)。キットはまた、検出部分と共に使用するための基質、例えば、ホタルルシフェラーゼのためのD−ルシフェリンもしくはルシフェラーゼアッセイ基質(Promega、Madison、WI)、またはウミシイタケルシフェラーゼのためのセレンテラジンを含有し得る。
また、バクテリオファージタンパク質の検出のためのLFAキットは、試験ラインおよび対照ラインの両方において適切な抗体を含有する試料ストリップを含み得る。このようなキットはまた、対象の分析物に対して特異的な抗体に結合するカーボンブラックナノストリングを含み得る。キットはまた、泳動用緩衝液および/または試料もしくは他の試薬の希釈のために必要とされる任意の試薬を含み得る。さらなる試薬は、さらなるシグナル増幅のための対照および試薬の役割を果たす材料を含み得る。例えば、キットは、二次CBNS−Ab(すなわち、対象の分析物に対する一次抗体を認識する二次抗体)を含み得る。キットはまた、酵素的検出試薬、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)おrよび/またはHRP基質を含み得る。アッセイを行うための適切なサイズのリザーバをまた、本発明のキットに含み得る。
免疫アッセイキット
代わりの実施形態において、キットは、ビーズをベースとする免疫アッセイのための試薬を含み得る。
一実施形態において、本発明は、検出支持体を含む、対象の分析物をアッセイするためのキットを含み得、検出支持体は、対象の分析物を認識し、それに結合することができる複数の結合剤分子を含む固体支持体を含む。一実施形態において、キットは、捕捉支持体を含み得、捕捉支持体は、対象の分析物を認識し、それに結合する少なくとも1種の捕捉支持体結合剤を含む。キットは、いくつかの実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤をさらに含み得る。一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、可溶性結合剤である。
検出および/または捕捉支持体は、種々のフォーマットを含み得る。一実施形態において、捕捉固体支持体は、アッセイウェル(すなわち、例えば、マイクロタイタープレート)であり得る。または、捕捉固体支持体は、アレイ上の位置、または移動性の支持体、例えば、ビーズであり得る。一実施形態において、検出支持体は、移動性の支持体、例えば、ビーズである。
種々の結合剤を、本発明のキットにおいて使用し得る。例えば、検出支持体に結合している複数の結合剤は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、捕捉支持体に結合している結合剤は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、抗体または抗体断片であり得る。一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、捕捉固体支持体に対象の分析物を結合させるために使用される捕捉結合剤を認識しない。または、捕捉もしくは検出支持体のいずれか上の結合剤、または検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、非タンパク質の標的を結合するタンパク質を含み得る(すなわち、例えば、対象の小分子分析物に特異的に結合するタンパク質、またはタンパク質に結合する受容体)。
検出支持体は、複数の検出可能な部分を含み得る。さらにおよび/または代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、検出可能な部分を含み得る。
対象の分析物を認識する複数の結合剤を含む検出支持体の使用は、シグナルの増幅を提供する。代わりの実施形態において、検出支持体は、対象の分析物に対して特異的な、1,000個超、または10,000個超、または100,000個超、または500,000個超、または1,000,000個超の結合剤分子を含む。このように、代わりの実施形態において、本発明のキットは、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイにおいて認められるシグナルの1,000〜1,000,000,000、または1,000〜100,000,000、または5,000〜10,000,000、または10,000〜1,000,000、または10,000〜500,000、または50,000〜500,000倍の範囲の増幅を提供する。または、これらの範囲内の範囲を達成し得る。
このように、特定の実施形態において、キットは、ビーズをベースとする免疫アッセイのための試薬を含み得る。このように、一実施形態において、検出支持体は、対象のタンパク質を認識する抗体でコーティングされたビーズを含み得る。ビーズは、特定の実施形態において、多種多様のサイズで市販されている(例えば、Invitrogen、Carlsbad CA)、タンパク質G、タンパク質A、またはタンパク質A/Gでコーティングされたポリスチレンビーズであり得る。有用であり得る他のビーズとしては、これらの同じタンパク質でコーティングされた磁気シリカビーズが挙げられる(AmsBio、Lake Forest、CAからのMagSiビーズ)。
このように、一実施形態において、キットは、リボソームタンパク質を認識する抗体でコーティングされたビーズを含み得る。または、キットは、ファージタンパク質を認識する抗体でコーティングしたビーズを含み得る。ビーズは、ポリスチレン、シリカ、ガラス、またはその他、プレーン(plane)または特定の化学基への結合のために誘導体化されたものであり得る。
本発明のキットにおいて使用される基材には、これらに限定されないが、ポリスチレンビーズ(Spherotech、Libertyville、Ill.)、磁気ビーズ(Invitrogen;AmsBio)、ラテックスコーティング、メンブランフィルター、繊維フィルター、遊離繊維または多孔性固体基材が挙げられる。磁気ビーズの使用のための方法は、例えば、Dynabeads Protein G 製造番号10003Dの添付文書と共に、Kalaら、Analytical Biochemistry、254巻:263〜266頁(1997年)およびDutton、Genetic Engineering News、第22巻、13号、2002年7月において見出すことができる。
広範な粒子、特に、磁気ビーズおよびポリスチレンビーズは、広範囲のサイズで市販されている。特定の実施形態のために、好ましい一連の粒子は、約1マイクロメートル(すなわち、ミクロン)の平均粒径(すなわち、粒子の最も大きな寸法)を有する。特定の実施形態のために、好ましい一連の粒子は、10マイクロメートル(すなわち、ミクロン)以上の平均粒径(すなわち、粒子の最も大きな寸法)を有する。例示的な市販のビーズは、Invitrogen、Carlsbad、CAから、またはSpherotech、Libertyville、Illから入手可能な、タンパク質Gで、タンパク質Aで、およびタンパク質A/Gでコーティングしたポリスチレンビーズ、ならびにストレプトアビジンでコーティングしたポリスチレンビーズである。ポリスチレンビーズおよび磁気ビーズの他のサプライヤーには、Thermo Scientific Pierce、Millipore、PolyscienceおよびNew England Biolabsが挙げられる。AmsBio、Lake Forest、ILは、上に示したタンパク質コーティングの全てと共に利用可能である磁気シリカビーズのサプライヤーである。Life Technologies/Invitrogenはまた、抗体を共有結合するエポキシ表面磁気ビーズを供給する。
ビーズ上の抗体分子の数は変動し得る。代わりの実施形態において、直径が約15μmであるビーズについて、約10,000〜10,000,000個または約50,000〜1,000,000個、または約100,000〜500,000個の抗体が存在し得る。異なるサイズのビーズについて、対応する表面被覆率を使用することができる。
特定の実施形態において、複数の抗リボソーム抗体がビーズに結合し得るように、ビーズは十分に大きい。例えば、ビーズは、直径が約0.1〜50μm、または0.2〜40μm、または0.5〜30μm、または1〜20μm、または1〜15μmまたは約1〜3μmの範囲のサイズであり得る。対象の抗体をビーズと複合体化するために、ビーズはr、タンパク質G、タンパク質A、タンパク質A/G、または対象の抗体と複合体化される別のタンパク質で事前コーティングし得る。このようなビーズは一般に、市販されている。ビーズをベースとする免疫アッセイのためのキットはまた、対象のタンパク質に対するさらなる一次抗体を含み得、このような抗体は、第2の種由来である。これらの抗体は本明細書に記載されているサンドイッチアッセイにおいて使用される。なぜなら、それらは二次抗体−レポーター複合体を結合し、該二次複合体は、偽陽性反応をもたらす可能性のある、固体表面上の第1の種の抗体に結合しないためである。しかし、第2の種の抗体をまた使用して、本明細書に記載のような固体表面および/またはマイクロタイターウェルをコーティングし得る。
キットはまた、一次抗体を検出するために使用することができる二次抗体を含み得、このような抗体は、第2の種由来の抗グロブリン抗体であり得る。これらの抗体は、検出可能なマーカー、または検出可能なマーカーと複合体化することができる結合剤で標識し得る。例えば、特定の実施形態において、本発明のキットは、フルオロフォアに結合している二次抗体を含み得る。一実施形態において、フルオロフォアは、QDOT(登録商標)を含み得る。例えば、一実施形態において、ストレプトアビジン−QDOTS(登録商標)は、例えば、抗リボソーム一次抗体を認識するビオチン化二次抗体に結合することができる。
本発明の実施形態はまた、以下の非限定的実施例によって特徴付け得る。
(実施例1)
精製したリボソームの単離
E.coliはATCC(#11303)から得て、LB培地(Difco:10gのトリプトン、5gの酵母抽出物、10gのNaCl/L)中で37℃にて一晩培養した。コロニーを5mLのLB培地に入れ、37℃にて一晩インキュベートした。翌日、培養物を新鮮なLBで1:100に希釈し、細胞をKlett68の濃度に増殖させた(600nmにてOD=0.8)(Summerson光電比色計上で20Klett単位=分光光度計上で540nmにて0.1OD)が、これは約3.5時間の増殖の後の概ね4×108個の細胞/mLに対応する。次いで、細胞を、Beckman Coulter XL80Kタイプ19ローター(カタログ番号325632)において5,000rpmで15分間ペレット化した。ペレットを、1/10容量の10X Bugbuster(Novagen、PN70921−3)、0.5mg/mlのリゾチーム(Sigma L6876)、および10μg/mLの高品質デオキシリボヌクレアーゼI(リボヌクレアーゼ非含有)(USB14365)を含む、1mLのTMS(50mMのトリス−HCl、pH7.8、10mMのMgCl2、100mMのNaCl)に再懸濁した。ライセートを、Beckman Coulter Allegra 64R F2402ローターにおいて1.5mLの微量遠心管中で16,000rpmにて10分間清澄化した。上清を新鮮な微量遠心管に移し、清澄化工程を繰り返した。リボソームを、Beckman Coulter SW40Tiローターにおいて4℃にて35,000rpmで3時間遠心分離してTMS中でペレット化し、ペレットを0.5mlのTMSに再懸濁した。懸濁液を清澄化し、TMS(BioComp GradientMaster、BioComp、New Brunswick、CA)中の10〜30%(w/v)スクロース勾配へとロードし、Beckman Coulter SW40Tiローターにおいて4℃にて35,000rpmで3時間スピンした。このように得られたリボソームのバンドを、3mLシリンジの21G×1’’針の使用によって取り出した。リボソームを上記のように再びペレット化し、ペレットをPBSまたはTMSに再懸濁させた。リボソームタンパク質をSDS−PAGEによって特徴付け、粒子の純度をEMネガティブ染色によって確認した。
(実施例2)
ウサギにおけるポリクローナル抗体の産生
実施例1において記載したように単離した精製したリボソームを、適切なアジュバントと合わせた。リボソームおよびアジュバントを、幼ウサギ(2.5〜3.0kg;10〜16週齢)の皮膚下に注射した。血液を19ゲージ針で耳中心動脈から集め、37℃にて一晩凝血および退縮させた。次いで、凝血した血液を24時間冷蔵し、その後、血清をデカントし、2500rpmで20分間の遠心分離によって清澄化した。ウサギに注射し、下記のスケジュールによって採血した。
−4日目:事前採血(pre bleed)
0日目:CFA(完全フロイントアジュバント)を使用して皮内(ID)経路によって免疫
7日目:IFA(不完全フロインドアジュバント)を使用して皮内(ID)経路によってブースタ注射
14日目:IFAを使用して皮下(SC)経路によってブースタ注射
28日目:IFAを使用して皮下(SC)経路によってブースタ注射
38日目:試験採血
40日目:免疫前の採血品および試験採血品をNGIに送る
45日目:最後の採血(承認)
47日目:最後の採血品をNGIに送る
49日目:プロジェクトの終わり(承認)。
(実施例3)
細胞特異的抗体および磁気微粒子を使用した溶液からの細菌捕捉
溶液から損なわれていない生きた細菌細胞の捕捉を実証するために、様々な細菌種(例えば、E.coliおよびS.typhimurium)の表面エピトープに対するウサギポリクローナル抗体を作製した。
E.coliおよびS.typhimurium両方の培養物を液体培地中で増殖させ、その後回収して、リン酸緩衝液(1.1mMのKH2PO4、5.6mMのNa2HPO4、154mMのNaCl、pH7.4)で洗浄した。次いで、洗浄した細胞を、1ml当たり5〜20個の細胞の濃度に希釈した。概ね250ngのRockland Immunochemicals Inc.、Gilbertsville、PAによって作製されたビオチン化ポリクローナル抗E.coli抗体(約1×1012個の抗体分子と同等である)を細胞懸濁液に添加し、45分間インキュベートした。抗体を細胞懸濁液に添加しない対照実験をまた行った。
抗体インキュベーションに続いて、4×108個のストレプトアビジンでコーティングした磁気微粒子(Solulink、Inc.、San Diego、CA)を混合物に添加し、さらに15分インキュベートした。次いで、細胞−抗体−ビーズ複合体を、磁気スタンドを使用して集め、非結合画分(上清)を取り出し、ビーズをリン酸緩衝液(1.1mMのKH2PO4、5.6mMのNa2HPO4、154mMのNaCl、pH7.4)で穏やかに洗浄した。次いで、上清(「sup」)およびビーズ(「ビーズ」)画分の両方をLuria−Bertani(LB)寒天プレート上に広げ、37℃にて一晩インキュベートした。一晩培養後に、プレートをコロニー形成について検査した。図2は、実験例を示す。コロニー数は、各プレートの下の左/右に示す。
図3Aおよび3Bは、ビオチン化抗リボソームIgG、およびストレプトアビジンに連結した磁気ビーズを使用した、リボソームタンパク質の捕捉を示す。図3Aは、抗リボソーム抗体およびストレプトアビジンビーズが必要であり、定量的に溶液からリボソームをr捕捉することができることを明らかに示す。図3Aとして示される実験において、0.6Mのチオシアン酸グアニジン/Tween−20を含むリン酸緩衝食塩水(1.1mMのKH2PO4、5.6mMのNa2HPO4、154mMのNaCl、0.01%Tween−20、pH7.4)中の100,000個の細胞からのライセートを、様々な量のRockland Immunochemicals Inc.、Gilbertsville、PAによって作製されたウサギビオチン化抗リボソームIgGと共に1時間インキュベートした。ライセートなし対照をまた含めた。次に、抗体とビーズの比はビーズ粒子当たり6000個の抗体分子で一定であるように、3.3×107〜1×108個のストレプトアビジン(SA)磁気Dynabeads(Life Technologies、Carlsbad CA)を各反応物に添加した。約5×107個のSAビーズを、「抗体なし」対照に添加した。
磁気スタンドを使用してビーズを集め、次いで、ベータ−メルカプトエタノールを含有するドデシル硫酸ナトリウム試料緩衝液を添加し、煮沸することによって変性させた。次いで、磁気スタンドを使用して溶離液を集め、ポリアクリルアミドゲル上を移動させ、ウサギ抗リボソーム抗体および抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)二次抗体を使用したウエスタンブロット分析に供した。抗リボソーム抗体を添加しないとき、リボソームタンパク質は検出されないことを認めることができる。50ngの抗体は、100,000個の細胞からの全てのリボソームタンパク質を結合することができることをまた認めることができる。
図3Aにおいて、ポンソーは、ウエスタンブロット膜上に存在するタンパク質を可視化するために使用される総タンパク質の染料(total protein stain)であるため、ポンソー列は、試料がウェルの全てにおいてロードされたことを示す内部対照を提供する。SA列は、変性/煮沸工程の間にSA Dynabeadsから外されたストレプトアビジンを示す。概ね等しい量のビーズが、それぞれのリボソーム捕捉工程において使用されたことを認めることができる。
図3Bは、ビオチン、抗リボソーム抗体およびストレプトアビジンビーズの添加が、溶液中に存在する全てのリボソームタンパク質を捕捉するのに十分であることを明らかに示す。この実験において、0.6Mのチオシアン酸グアニジン/Tween−20を有するリン酸緩衝食塩水中の270,000個の細胞からのライセートを、200ngのウサギビオチン化抗リボソームIgGと共に、または伴わずにインキュベートした。次に、1×108個のSA磁気ビーズを添加し、Ab−リボソームタンパク質複合体(ビーズ当たり抗体8000分子)を捕捉した。非結合上清をビーズ画分から取り出し、200ngのビオチン、抗体および1×108個のSA磁気ビーズを使用して再捕捉(「recapt」)した。集めたビーズを変性させ、ウサギ抗リボソーム抗体および抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)二次抗体を使用したウエスタンブロット分析に供した。リボソームタンパク質が先に捕捉されているライセートを用いた再捕捉実験においてリボソームタンパク質が存在しないことは、第1の捕捉工程が、リボソームタンパク質の全てを捕捉するのに十分であったことを示唆する。
(実施例4)
ビーズ増幅の様々なフォーマットを使用したリボソームの捕捉
実験を行って、図8、パネルA〜CおよびF(すなわち、方法1a、1b、2、3および6)において示した様々なアッセイフォーマットを比較した。本質的に、E.coliライセート(500,000個の細胞)を、6M(10,000個の細胞/μl)のチオシアン酸グアニジン中で細菌細胞を溶解することによって調製した。次いで、チオシアン酸グアニジンの濃度を、リン酸緩衝液中への希釈(例えば、450μl中への90,000個の細胞の希釈)によって0.12Mまたは0.6Mに低減させた。次いで、リボソームを、図8に示すリボソーム捕捉検出方法の1つを使用して捕捉した(表1)。
パネル8Fにおいて示す方法を使用してさらなる実験を行った。この方法は、ライセートへのビーズ−Ab2(カルボキシビーズおよびウサギ抗リボソーム抗体)の添加を利用する。これによって、「捕捉」抗体が表面上に固定化される通常のサンドイッチELISAと同様に、リボソームがビーズに結合することが可能となる。次いで、Ab1−ビオチン(モルモット)を、洗浄工程を伴わずに混合物に直接添加した。ビーズ−Ab2−リボソーム−Ab1複合体は、ストレプトアビジン(SA)ビーズを使用して捕捉し、Ab2に対する二次抗体を使用して検出する。ウサギAb−カルボキシビーズ(Ab2−ビーズ)およびビオチン、モルモット抗体(Ab1)が使用されたとき、このアプローチが作用したことが見出された。
このように、この実験において、2,500個、5,000個、10,000個、または20,000個の細胞からのライセートを、ウサギ抗リボソーム抗体(抗ribo Ab)を有する約1.3×108個のカルボキシビーズ(0.1μm)と共にインキュベートした。次いで、10ng(4×1010個のIgG分子)ビオチン化モルモット抗ribo抗体を添加し、さらにインキュベートした。ビーズ−Ab−riboタンパク質−Ab複合体を、約4×107個のC1 SA Dynabeadsによって捕捉した。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識した10ngの抗ウサギ抗体によって検出を行った。試料の5分の1を、ルミノメーターにおけるSirius HRP基質による検出のためにマイクロプレートにロードした。僅か500個の細胞についてシグナルが検出されたことを認めることができる。
(実施例5)
ラテラルフローアッセイ
LFA試験ストリップは、Medtox(A LabCorp社)と協力して開発した。ストリップは、ニトロセルロース膜、およびニトロセルロース膜と接触した吸収パッドからなる。ニトロセルロース膜は、ウサギ抗リボソーム抗体を有する試験ライン、およびrヤギ抗ウサギ抗体を有する対照ラインを含有する。ストリップの略図を、図10Aに示
す。
試料(0〜10ngのリボソームタンパク質)をストリップの底部(「試料アプライ領域」)にアプライし、試料を毛細管作用によってニトロセルロース表面を横切って流すことによってアッセイを行った。試料中に存在するリボソームは、試験ラインにおいて固定化された抗リボソーム抗体に結合し、一方、試料中の材料の残りは、吸収パッドへと進み続ける。次いで、ストリップを、ウサギ抗リボソーム抗体(CBNS−Ab)で事前コーティングしたカーボンブラックナノストリング(CBNS)と共にインキュベートし、CBNS−Ab複合体が毛細管作用によって試料と同じ方向にニトロセルロース表面を横切って動くことを可能とした。本質的に、CBNS上への抗体コーティングを、抗体の溶液を5〜25mMのNaClを含有するCBNS溶液と共にインキュベートすることによって行う。CBNSへの抗体結合は、非特異的である。1時間のインキュベーションの後、CBNS−Ab複合体を洗浄し、ウシ血清アルブミンを使用して不動態化する。試験ラインに結合したリボソームと相互作用するCBNS−Ab複合体は、灰色から黒色のラインをもたらしたが、一方、非結合CBNS−Abはストリップを進み続け、抗ウサギ対照ラインに結合し、これはストリップのその位置における灰色/黒色のラインをもたらした。試料がリボソームタンパク質を含有しない場合、試験ラインにおいてラインは形成されないが、対照ラインにおいてラインが形成される。
一例の実験を、図10Cおよび10Dにおいて示す。パネルCにおいて示す実験は、リボソームの検出のために使用される単一のウサギ抗リボソーム抗体CBNSの使用を示す。この実験において、精製したE.coliリボソーム(10ngまたは100ng)を、LFA泳動用緩衝液(25mMのトリシン、5%マルチトール、2%サッカリンナトリウム、0.025%ポリビニルピロリドン、0.05%ポリ(ビニルアルコール)、0.5%Tetronic1307、0.5%Tetronic904および0.005%アジ化ナトリウム、pH8.0)中にてLFAストリップ上を移動させた。試料の全てがストリップに入ると、ウサギ抗リボソーム抗体を有するCBNSを、ストリップにロードした。次いで、ストリップをイメージングし、ImageJソフトウェア(NIH)を使用してラインの強度を定量化した。
パネルDにおいて示す実験は、2種の異なるCBNS複合体を使用する。1つの複合体はビオチン抗リボソーム抗体(CBNS−Ab)を有し、第2の複合体は、ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(CBNS−SA−HRP)を有する。この実験において、精製したE.coliリボソーム(5ng)を、LFA泳動用緩衝液中のLFAストリップ上を移動させた。試料の全てがストリップに入ると、ビオチン化ウサギ抗リボソーム抗体を有するCBNSを、ストリップにロードした(CNBS−Ab(図10D、上の4つのストリップ)。試料の半分に、SA−HRPを有する二次CBNSを、ストリップにロードした。この二次CBNS上のSA部分は、一次CBNS上に存在するウサギ抗体上のビオチン部分を結合することができる。これは、試験ライン上に局在化する総CBNSの量の増加をもたらす。次いで、HRP基質(TMB)をニトロセルロース表面に直接添加し、室温で5分間インキュベートし、有色のTMB生成物の発色を可能とした(図10D、下の4つのストリップ;+TMB(HRP基質)。次いで、ストリップをイメージングし、ImageJソフトウェア(NIH)を使用してラインの強度を定量化した。
(実施例6)
ビオチン化T4バクテリオファージの調製
約2.4×1010プラーク形成単位(PFU)のT4ファージを、50μlのリン酸緩衝食塩水(phosphage buffered saline)(PBS)に希釈rした。ファージがトリス含有緩衝液、例えば、TMS中にある場合、例えば、Zebaスピンカラム(Thermo Scientific Pierce、Waltham、MA)を使用して、緩衝液の交換を行うことが必要である。
ビオチン試薬を調製するために、4mgのPierce NHS−ビオチン試薬を、1mlの水(4μg/μl)に添加した。次いで、試薬を49.4ng/μlの濃度にさらに希釈した(例えば、2μlに160.1μlのPBSを添加する)。次に、約500ngのビオチン試薬(10μl)を、約2.4×1010PFUのファージを含有するチューブに添加し、4摂氏温度(℃)にて2時間インキュベートした。次いで、ビオチン化ファージを、Zebaカラムを使用して脱塩した。ファージを脱塩するために、カラムを、300μlのPBSで1500gにて1分間3回洗浄した。次に、PBSをファージに添加し、総容量を100μlとし、ファージ(100μl)をZebaカラムに添加し、2分間1500gにて遠心分離する。次いで、プラークアッセイを使用してファージを力価測定し、4℃にて保存した。
(実施例7)
インジケーターファージまたはインジケーター細菌を使用したファージをベースとする細胞捕捉および検出
a.インジケーター細菌
子孫ファージをアッセイするためのインジケーター細菌の使用を、図11において示す。このように、このアッセイにおいて、対象の細菌試料を感染させるのに使用される親ファージを子孫ファージから分離し、次いで、子孫ファージを使用して、細菌の溶菌によって検出可能なシグナルを提供する生体分子を発現するように操作したインジケーター細菌に感染させる。例えば、細菌は、ルシフェラーゼタンパク質を発現するように操作し得る。
これらの実験において、最初にATCCから得て、ルシフェラーゼプラスミドで形質転換した野生型E.coliを使用して、インジケーター細胞を作製した。ルシフェラーゼプラスミドは、pGL.4.10(ホタルルシフェラーゼ)およびpGL.470(ウミシイタケルシフェラーゼ)(Promega、Madison、WI)をベースとした。インジケーター細菌において使用するためのプラスミドへの改変は、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に構成的細菌プロモーター(σ70)を挿入することを含めた。この培養物(例えば、ルシフェラーゼタンパク質を発現している細菌)を、アンピシリン(100μg/ml)を有するLBブロス中で220rpmの振盪と共に37℃にて接種した。その間に、約500μlの試料細菌(すなわち、定量化される細菌)を、2mlの丸底収集チューブにおいてMilliporeUltrafree MC−HVスピンフィルターにロードし、>300gにて1分間遠心分離して(微量遠心分離機において8000rpmまで)、培地を除去し、LBブロス中の40μlのビオチン化T4ファージ(すなわち、約2.7×106PFU)ファージを添加する。次いで、感染を受けた細菌は、約500μlのLBブロスを添加し、2mlの収集チューブを使用して>300gにて1分間、4回の遠心分離を行うことによって洗浄した。感染を受けた細菌を含有するフィルターを、2mlの収集チューブから新鮮な1.5mlのチューブに移し、約200μlのLBブロスの添加の後、感染を受けた細菌を37℃にて1時間インキュベートした。次いで、感染を受けた細菌を遠心分離(8000rpm、2分間)によって集め、子孫ファージおよび残存するビオチン化親ファージを含有する濾液をストレプトアビジンカラム(例えば、GE Healthcare Streptavidin HP SpinTrapcolumn)に移した。次いで、カラムを転倒型回転によって室温にて20分インキュベートした。この時点で、子孫ファージを含有するカラムからの溶出液を新鮮なチューブに移し、子孫ファージを150gで1分間の遠心分離によって集めた。子孫ファージを、通常のプラークアッセイ(PFUアッセイ)によってこのライセートから検出し、または下記のようrなインジケーター細胞による検出に供した。
次に、インジケーター細胞(すなわち、ルシフェラーゼを発現している細菌)を、次いでLBブロス中で1ml当たり約106個の細胞に希釈し、10μlのインジケーター細胞を、子孫ファージチューブに添加した。ファージを、吸着遠心分離(例えば、8000rpm、30分間)によって細菌に感染させた。次いで、感染を受けたインジケーター細胞を再懸濁させ、220rpmの振盪と共に37℃で1時間インキュベートした。この時点で、感染を受けたインジケーター細胞を、濾過(fitration)/遠心分離(8,000rpm、2分間)を使用して単離し、10μlの上清を96ウェルプレート中のウェルに移した。次いで、ルミノメーター、および50μlのルシフェラーゼアッセイ基質を用いるPromegaルシフェラーゼアッセイを使用してルシフェラーゼのレベルを定量化した。
このアッセイを使用した実験からのデータを、図12A〜Eにおいて示す。図12Aおよび12Bは、標準的な一晩のCFUアッセイと比較したファージアッセイを使用した、バックグラウンドを超えた測定可能および比較可能なシグナルを明らかに示す。図12Aは、僅か1〜2個のE.coli細胞が、プラークアッセイによって測定可能なPFU(すなわち、約300〜460PFU)の子孫ファージを提供することを示す。図12Bは、標準的コロニー形成単位(CFU)アッセイの感度と本発明のファージアッセイとを比較する。ファージアッセイは、行うのにはるかにより速い一方、CFUアッセイと比較して概ね同じ感度を提供し、増加した試料細胞から生じる増加した子孫ファージを伴う用量依存的な反応を明らかに示すことを認めることができる。これは完全ファージアッセイの前半のみを含むが、プラークアッセイを利用することは、標準的な一晩のCFUアッセイと比較して、同じ日の結果を得ることができる。
図12Cは、インジケーター細胞(例えば、完全ファージアッセイの後半)、インジケーター高感度を使用した、単一の細胞(すなわち、100個のファージ)または27個の細胞(すなわち、2700個のファージ)からの子孫に相当するファージの検出を示す。
図12Dは、標準的CFUアッセイと比較した、1個、5個および7個の試料細胞(例えば、E.coli)の検出を示す(点線は、バックグラウンドレベルを意味する)。
図12Eは、完全ファージアッセイを使用した試料当たりの100〜10,000個の細菌細胞(顕微鏡的に決定)の成功した検出を示す(ラインは、バックグラウンドレベルを意味する)。このように試料の希釈を伴わずに1〜10,000個の細胞での感度を明らかに示す。これは、概ね3時間で行われる非常により速いアッセイであることに添加して、500〜700CFU超では確実にはペトリ皿上で計数することができない標準的な一晩のCFUアッセイより1桁または2桁より高感度である。
図12Dは、5個および500個に相当する試料細胞(すなわち、E.coli)を示し、図12Eは、図11の子孫ファージを使用した、1ml当たり1個、5個および10個の細菌細胞の検出を示す。図12Dは、標準的CFUアッセイと比較した、1個、5個および7個の試料細胞(すなわち、E.coli)の検出を示す(赤いラインはインジケーターバックグラウンド)。
図12Eは、完全ファージアッセイを使用した、試料当たりの100〜10,000個の細菌細胞(顕微鏡的に決定)の成功した検出を示す(ラインは、バックグラウンドを示す)。このように試料の希釈を伴わずに1〜10,000個の細胞での感度を明らかに示す。これは、概ね3時間で行われるはるかにより速いアッセイであることに添加して、500〜700CFU超では一般には確実にはペトリ皿上で計数することができない標準的rな一晩のCFUアッセイより1桁または2桁より高感度である。
b.インジケーターファージ
インジケーターファージを使用する戦略を、図13に示す。この方法において、ファージキャプシドタンパク質は、ルシフェラーゼと融合している。これにより、ビオチン化されていない(not biotinlyated)子孫ファージは、ビオチン化および直接的に定量化される親ファージから分離することができる。
アッセイを行うために、約500μlの試料細菌(すなわち、定量化される細菌)を、2mlの丸底収集チューブにおいてMilliporeUltrafree MC−HVスピンフィルターにロードし、>300gで1分間遠心分離して(微量遠心分離機において8000rpmまで)、培地を除去し、LBブロス中の40μlのビオチン化T4ファージ(すなわち、約2.7×106PFU)ファージを添加する。次いで、感染を受けた細菌は、約500μlのLBブロスを添加し、>300gで1分間2mlの収集チューブを使用して4回遠心分離することによって洗浄し、感染を受けた細菌を含有するフィルターカラムは、次いで新鮮なチューブに移すことができ、約200μlのLBブロスの添加の後、感染を受けた細菌を37℃にて1時間インキュベートする。次いで、感染を受けた細菌を遠心分離(8000rpm、2分間)によって集め、子孫ファージおよびビオチン化親ファージを含有する濾液を、ストレプトアビジンカラム(例えば、GE Healthcare Streptavidin HP SpinTrapcolumn)に移すことができる。次いで、カラムを転倒型回転によって室温にて20分インキュベートする。この時点で、子孫ファージを含有するカラムからの溶出液を、新鮮なチューブに移し、子孫ファージを150gにて1分間の遠心分離によって集める。次に、10μlのフロースルーを96ウェルプレート中のウェルに移し、ルミノメーター、および50μlのルシフェラーゼアッセイ試薬によるPromegaルシフェラーゼアッセイを使用してルシフェラーゼのレベルを定量化する。
c.インジケーターファージ可溶性ルシフェラーゼ
可溶性ルシフェラーゼを有するインジケーターファージを使用する戦略を、図14に示す。この方法において、ファージは、Socキャプシドタンパク質の代わりにルシフェラーゼを発現する。ルシフェラーゼの発現はSocプロモーターによって駆動され、高い発現をもたらす。この場合、親ファージはルシフェラーゼ(ファージストック精製の副生成物)を含んでいないため、親ファージおよび子孫ファージを分離する必要はない。試料中の細菌の増殖性感染のみが、検出可能なルシフェラーゼを生じさせる。
アッセイを行うために、約500μlの試料細菌(すなわち、定量化する細菌)を、2mlの丸底収集チューブ中のMilliporeUltrafree MC−HVスピンフィルターにロードし、>300gで1分間遠心分離し(微量遠心分離機において8000rpmまで)、培地を除去する。次いで、スピンフィルターを、新鮮なチューブに移し、LBブロス中の約40μlのビオチン化T4ファージ(すなわち、約2.7×106PFU)ファージを添加し、約200μlのLBブロスの添加の後、感染を受けた細菌を37℃にて1時間インキュベートする。次いで、感染を受けた細菌を遠心分離(8000rpm、2分間)によって集め、10μlのフロースルーを96ウェルプレート中のウェルに移し、ルミノメーター、および50μlのルシフェラーゼアッセイ基質を用いるPromegaルシフェラーゼアッセイを使用して、ルシフェラーゼのレベルを定量化することができる。
当業者には明らかな変動は特許請求の範囲によって定義される本発明内に含まれるため、本発明は、示されおよび記載される正確な詳細に限定されない。本発明の好ましい実施形態が例示および記載されてきた一方、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、r様々な変更をその中で行うことができることを理解されたい。本出願において言及した
全ての印刷された特許および刊行物は、この参照によってその内容全体が本明細書に組み込まれている。