図面を参照して、本発明にしたがって構成された留め具20aから20mを説明するが、図面を通じて同じ符号は対応する要素を示す。
例示的実施形態を、添付図面を参照してより十分に説明する。例示的実施形態を、本願開示を十全なものとし、当業者にその範囲を十分に伝えるよう示している。本願開示の実施形態の十全な理解を提供するため、具体的な構成要素、素子及び方法の例など、数多くの具体的詳細を記載している。当業者にとって、具体的な詳細を用いる必要はなく、例示的実施形態は多くの異なる形態で実装可能であり、また本願開示を限定するものと解釈すべきでないことは明らかであろう。いくつかの例示的実施形態において、公知の方法、公知の素子構造及び公知の技術は、詳細に記載されない。
本明細書中で用いられる用語は、具体的な例示的実施形態を記述することのみを目的とするものであり、限定的であることを意図しない。本明細書で使用される際、単数形は、明示されていない限り複数形も含むことを意図する。用語「備える」、「備えて」、「含んで」および「有して」は包括的であり、述べられた特徴、整数、工程、操作、要素、および/または部品の存在を特定する。しかし、1以上の特徴、整数、工程、操作、要素、部品および/または群の存在または追加を排除するものではない。本明細書で記載される方法工程、プロセスおよび操作は、実行順序として詳細に特定されない限り、必ずしも記載または図示された特定の順序で実行を要するものと解釈されるべきではない。追加工程または代替工程が用いられてもよいことも当然である。
要素または層が、他の要素または層「上に」ある、「に係合」、「に接続」または「に連結」すると記される場合、この要素または層は直接に他の要素または層上にあるか、係合、接続、または連結してもよい。または、介在要素または層があってもよい。一方、要素が、他の要素または層の「直接上に」ある、「に直接係合」、「に直接接続」または「に直接連結」すると記される場合、介在要素または層は存在しなくてよい。要素同士の関係を説明するのに使用される他の文言(例えば、「の間に」と「直接…の間に」、「隣接して」と「直接隣接して」など)は、同様に解釈されるべきである。本明細書で用いられる際、用語「および/または」は1以上の関連づけられたリスト項目の全ての組み合わせを含む。
第一、第二、第三等の用語が各種要素、部品、領域、層および/または切断面を説明するために本明細書で使用されるが、これらの要素、部品、領域、層および/または切断面はこれらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、ある要素、部品、領域、層および/または切断面を他の領域、層または切断面から区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書で使用される際の「第一」「第二」のような用語および他の数に関する用語は、文脈で明示されない限り、配列または順序を意味しない。したがって、下記で論じられる第一要素、部品、領域、層および/または切断面は、実施例の教示から逸脱しない限りにおいて第二要素、部品、領域、層および/または切断面と称されることも可能である。
「インナー」、「アウター」、「真下に」、「下に」、「下側の」「上に」、「上部に」等のような空間的に相対的な用語が、図示する際、ある要素または特徴と他の要素または特徴との関係の記載を容易にするために、本明細書で使われてもよい。空間的に相対的な用語は、図示される向きに加えて、使用時または操作時における装置の異なる向きを包含するとしてもよい。例えば、図の装置がひっくり返ると、他の要素または特徴の「下に」または「真下に」と記載される要素は、他の要素または特徴の「上に」置かれるだろう。このように、例示的用語「下に」は上と下両方への向きを包含することが可能である。装置は他方向に向いてもよく(90度回転または他の向きに)、本明細書で使用される空間関連記述子はそのように解釈される。
図1から図5を参照して、公知のくぎ状留め具1aから1eが図示される。くぎ状留め具1aから1eのそれぞれは、頭部2から先端部3にわたり長手方向に延出する。くぎ状留め具1aから1eのそれぞれは、頭部2および先端部3の間に配置される軸部4aから4eも備える。尚、概して、図1から図5に示されるくぎ状留め具1aから1eにおいて、頭部2は軸部4aから4eより大きく、先端部3は概して尖っている。図1に示されるくぎ状留め具1aの軸部4aは、平滑で円柱形状を有する。したがって、図1に示されるくぎ状留め具1aは、従来のくぎの構成を有する。図2に示されるくぎ状留め具1bの軸部4bは、概して、円柱形状を有し、多重保持リング5を備える。多重保持リング5は、軸部4bの一部分にのみ沿って延出し、頭部2および先端部3に隣接する軸部4bは平滑である。多重保持リング5のそれぞれは、円錐台形状であり、くぎ状留め具1bの頭部2に近づくにつれ、直径が大きくなる。
図3に示されるくぎ状留め具1cの軸部4cは、概して、円柱形状を有し、ねじれ溝6を備える。ねじれ溝6は、軸部4cに切り込まれ、軸部4cの一部分にのみ沿って延出し、頭部2および先端部3に隣接する軸部4cは平滑である。図4に示されるくぎ状留め具1dの軸部4dは、概して、円柱形状を有し、らせん状ねじれ部7を備える。らせん状ねじれ部7は、軸部4dに切り込まれ、軸部4dの一部分にのみ沿って延出し、頭部2および先端部3に隣接する軸部4dは平滑である。このように、くぎ状留め具1dのらせん状ねじれ部7は、ドリルビットの形状と類似していてもよい。
図5に示されるくぎ状留め具1eの軸部4eは、概して円柱形状を有し、軸部上部8、軸部中間部9および軸部下部10を備える。軸部上部8は、くぎ状留め具1eの頭部2に隣接して設けられ、軸部下部10は、くぎ状留め具1eの先端部3に隣接して設けられる。軸部上部8および軸部下部10は、軸部上部8および軸部下部10の間に設けられた軸部中間部9により、互いから離れている。図5に示されるくぎ状留め具1eの軸部上部8は、図3に示されるくぎ状留め具1cの軸部4cに見られるのと同様のねじれ溝11を備える。図5に示されるくぎ状留め具1eの軸部中間部9は、図1に示されるくぎ状留め具1aの軸部4aのように平滑である。図5に示されるくぎ状留め具1eの軸部下部10は、図2に示されるくぎ状留め具1bの軸部4bに見られるのと同様の多重保持リング12を備える。このように、軸部下部10の多重保持リング12は、図5に示されるくぎ状留め具1eの頭部2に近づくにつれ、直径が大きくなる。
図6から図13を参照して、本願開示事項に従い構成される留め具20aは図示される。留め具20aは、頭部22から先端部24にわたって長手方向に延出する。留め具20aは、また、頭部22および先端部24の間に配置される軸部26も備える。図6および図7において最もよく分かるように、留め具20aの頭部22は頭部直径28を有し、留め具20aの軸部26は、頭部直径28より小さい軸部直径30を有する。留め具20aの先端部24は、軸部直径30から先端まで次第に細くなっている(すなわち、留め具20aの先端部24は尖っている)。図6から図13に示される留め具20aの軸部26は、概して円柱状であり、軸部上部32、移行ゾーン34a、および軸部下部36を備える。軸部上部32は、留め具20aの頭部22に隣接して設けられ、軸部下部36は、留め具20aの先端部24に隣接して設けられる。軸部上部32および軸部下部36は、軸部上部32および軸部下部36の間に設けられた軸部26の移行ゾーン34aにより、互いから離れている。したがって、軸部上部32は、頭部22から移行ゾーン34aまで長手方向に延出し、移行ゾーン34aは、軸部上部32から軸部下部36まで長手方向に延出し、軸部下部36は、移行ゾーン34aから先端部24まで長手方向に延出する。図6および図7に示されるように、頭部22、先端部24、軸部上部32、軸部26の移行ゾーン34a、および軸部下部36は、全て一直線上に並び、留め具20aの長手軸38と同軸上に順に配列される。
留め具20aの頭部22および先端部24は、本願開示事項の範囲から逸脱しない限りにおいて、種々の異なる構成であってもよい。図6および図7に示される留め具20aの頭部22は、頭部22の外周42近くで若干凸状であり、頭部22の中心では平坦である(すなわち、長手軸38を横断する)上面40を有する。頭部22は、平坦である(すなわち、長手軸38を横断する)底面44も有する。この例示的構成にかかわらず、頭部は他の構成であってもよい。限定的でない例として、頭部22の上面40は、完全に平坦であってもよく、頭部22の底面44は、円錐台形状を有してもよく、および/または、凹状切込(図示せず)を有してもよい。図6および図7に示される留め具20aの先端部24は、長手軸38に対して傾斜し、先端部24を尖頭形状にする3つの収束面46を有する。この例示的構成にかかわらず、先端部24は他の構成であってもよい。限定的でない例として、先端部24は、長手軸38に対して傾斜する任意の複数の収束面または1つの面を有してもよい。また別の限定的でない例として、先端部24は円錐状であってもよい。
図6から図9において最も良く分かるように、留め具20aの軸部上部32は、平滑な円柱形状を有し、留め具20aの軸部下部36は、複数の下部保持リング50を有する。軸部下部36の複数の下部保持リング50のそれぞれは、留め具20aの頭部22に近づくにつれ、直径が大きくなる。すなわち、複数の下部保持リング50のそれぞれは、軸部26の移行ゾーン34aに近づくにつれ、直径が大きくなる。複数の下部保持リング50のそれぞれは、軸部26の少なくとも一部を中心に径方向に延出する。つまり、下部保持リング50は、軸部26を中心に360度全方向に延出してもよいし、しなくてもいいことを意味する。
図8および図9において最も良く分かるように、軸部下部36の複数の下部保持リング50のそれぞれは、傾斜面58、外縁60および返し面62を有する。傾斜面58は、円錐台形状を有し、複数の下部保持リング50のそれぞれが、移行ゾーン34aに近づくにつれ(留め具20aの頭部22に近づくにつれ)、直径が大きくなるように、長手軸38に対して傾斜する。返し面62は、軸部26周りに環状に延出するが、急に湾曲したり、切り込まれたり、または、平坦、つまり留め具20aの長手軸38を横断してもよい。複数の下部保持リング50のそれぞれの傾斜面58および返し面62は、軸部下部36から延出(突出)し、外縁60で合致(収束)する。外縁60は、鋭くても丸みを帯びていてもよい。留め具20aの軸部下部36の軸部直径30は、複数の下部保持リング50の1つの外縁60を差し渡して測定される。留め具20aの軸部上部32および軸部下部36の軸部直径30は、同一であっても異なっていてもよい。図6から図13に示される例において、軸部直径30は、留め具20aの軸部上部32および軸部下部36において同一である。
留め具20aの移行ゾーン34aは、種々の異なる構成を有してもよい。図6から図13において、移行ゾーン34aは、多重長手リブ66aを規定する多重長手溝64を有する。多重長手溝64は、留め具20aの長手軸38と平行に延び、移行ゾーン34aにおいて径方向に軸部26内に延出する。多重長手リブ66aも、留め具20aの長手軸38と平行に延び、多重長手溝64の間に設けられる。多重長手溝64および多重長手リブ66aは、順々に配置され、軸部26の移行ゾーン34aにおいて周方向に離れている。図9において最も良く分かるように、多重長手溝64のそれぞれは、溝幅68を有し、多重長手リブ66aのそれぞれは、リブ幅70を有する。このように、多重長手溝64はリブ幅70分互いに離れ、多重長手リブ66aは、溝幅68分互いに離れる。他の構成も可能ではあるが、図示される例において、溝幅68はリブ幅70より小さい。多重長手リブ66aは、軸部26の移行ゾーン34aの横方向のせん断強度を高める点で有利である。
留め具20aの移行ゾーン34aは、移行ゾーン直径72aを有する。図6から図13に示される構成によれば、多重長手リブ66aは、複数の下部保持リング50を超えては径方向に延出しない。言い換えれば、多重長手リブ66aは、複数の下部保持リング50の外縁60より径方向内側に設けられる。したがって、移行ゾーン直径72aは、軸部26の軸部上部32および軸部下部36の軸部直径30以下である。移行ゾーン34aは、さらに、1つ以上の環状溝74a、74bを備えてもよい。環状溝74a、74bは、移行ゾーン34aにおいて、軸部26を包囲し、径方向に軸部26内に延出する。環状溝74aは、移行ゾーン34aの多重長手リブ66aを軸部上部32から分離し、環状溝74bは、移行ゾーン34aの多重長手リブ66aを軸部下部36の複数の下部保持リング50から分離する。多重長手リブ66aは、環状溝74a、74bに向かって開放していてもよいし、開放していなくてもよい。
図10から図13を参照して、留め具20aは、第1建築部材76と組み合わせて図示される。第1建築部材76は、無垢材、繊維板、複合材、積層材、プラスチック、金属、および他の基板材料を含めた種々の異なる材料から製造されてもよい。限定されないが、例えば、第1建築部材76は、一枚の合板または製材であってもよい。第1建築部材76は、上面78と、当該上面78とは離間した下面80と、上面78と下面80間に測定される厚み82とを有する。図13に示されるように、頭部22が第1建築部材76の上面78に押し込まれ、先端部24が第1建築部材76の下面80から突き出る位置まで、留め具20aは第1建築部材76に打ち込まれるように設計される。留め具20aの軸部26の移行ゾーン34aは、第1建築部材76の厚み82に応じた所定距離84だけ頭部22から離れている。所定距離84は、留め具20aの頭部22が第1建築部材76の上面78と揃う際に、留め具20aの移行ゾーン34aが第1建築部材76の下面80に同列に位置するように選択される。留め具20aの移行ゾーン34aは、所定長さ86aも有する。図示される実施例において、移行ゾーン34aの所定長さ86aは、軸部直径30と等しいか2倍以下であってもよく、他の構成であってもよい。所定長さ86aも、留め具20aの頭部22が第1建築部材76の上面78と揃う際に、留め具20aの移行ゾーン34aが第1建築部材76の下面80と同列に位置するように選択される。このように、留め具20aは、異なる厚み82の第1建築部材76に適用するのに特に合わせた各種構成であってもよい。
軸部26における移行ゾーン34aの配置場所(すなわち、所定距離84および所定長さ86a)は、使用される留め具20aが、第1建築部材76の任意の厚み82に適切かどうかを目視で確認するのに用いられてもよい。この作業は、以下の方法の工程を行うことによって達成され得る。まず、留め具20aは、第1建築部材76に隣接して、かつ、横断するように配置される。第二に、留め具20aの頭部22の底面44は、第1建築部材76の上面78と揃えられる。第三に、留め具20aが、第1建築部材76の厚み82に適切かどうかを目視で判断する。もし留め具20aの移行ゾーン34aが、第1建築部材76の下面80と同列に位置すると(すなわち、図10に示されるように、下面80が移行ゾーン34aと交差すると)、留め具20aは、第1建築部材76の厚み82に対して適切である。もし留め具20aの移行ゾーン34aの全体が、第1建築部材76の下面80より下(すなわち、図11に示されるように、移行ゾーン34aの全体が、下面80を超えて延出すると)、留め具20aは、第1建築部材76の厚み82に対して適切でない。最後に、もし留め具20aの移行ゾーン34aの全体が、第1建築部材76の下面80より上にあると(すなわち、図12に示されるように、移行ゾーン34aの全体が、上面78と下面80との間に配置されると)、留め具20aは、第1建築部材76の厚み82に対して適切でない。
図13は、第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれた後の留め具20aを示す。なお、留め具20aは、種々の異なる方法で、第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれてもよい。限定されないが、例えば、留め具20aがくぎ状構成を有する場合、留め具20aは、ハンマーや釘打ち機を用いて手動で、第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれてもよい。図13に示されるように、第1建築部材76および第2建築部材88は、留め具20aにより、第1建築部材76の下面80が第2建築部材88と当接する継ぎ目90で結合される。なお、留め具20aが第1建築部材76の厚み82に対して適切に選択されると(図13に示されるように)、継ぎ目90が留め具20aの移行ゾーン34aと同列に位置する(すなわち、横断する)。言い換えれば、留め具20aの移行ゾーン34aは、第1建築部材76と第2建築部材88の間の継ぎ目90をまたぐように配置される。このように同列に並ぶように配置した結果、留め具20aの軸部下部36上の複数の下部保持リング50の全てにより、第1建築部材76と第2建築部材88と分離するのに抗する。これにより、留め具20aの保持力および貫通性能が向上する。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20bが、図14から図18に示される。図14から図18に示される留め具20bは、変形された長手リブ66b付き移行ゾーン34bを有することを除き、図6から図13に示される留め具20aと同一である。多重長手リブ66bは、留め具20aの長手軸38と平行に延び、多重長手溝64の間に設けられる。多重長手溝64および多重長手リブ66bは、順々に配置され、軸部26の移行ゾーン34aにおいて周方向に離れている。すなわち、多重長手溝64は、リブ幅70だけ互いに離れ、多重長手リブ66bは、溝幅68だけ互いに離れている。留め具20bは、多重長手リブ66bが複数の下部保持リング50を超えて径方向に延出する点において、留め具20aとは異なる。すなわち、多重長手リブ66bは、複数の下部保持リング50の外縁60を超えて径方向に突出する。したがって、図14から図18に示される留め具20bは、軸部26の軸部上部32および軸部下部36の軸部直径30より大きい多重長手リブ66bを差し渡して測られる移行ゾーン直径72bを有する。多重長手リブ66bのこのような構成は、軸部26の移行ゾーン34bの横方向せん断強度が増す点で有利である。さらに、多重長手リブ66bは、複数の下部保持リング50の外縁60を超えて径方向に突出するので、第1建築部材76および/または第2建築部材88に食い込み、第1建築部材76および/または第2建築部材88に対して留め具20bが回転するのに抗する。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20cが、図19から図23に示される。図19から図23に示される留め具20cは、長尺状の移行ゾーン34cを有することを除いて、図6から図13に示される留め具20aと同一である。図19から図23に示される留め具20cの移行ゾーン34cは、図6から図13に示される留め具20aの移行ゾーン34aの所定長さ86aより長い所定長さ86cを有する。留め具20aの移行ゾーン34aと違って、図19から図23に示される留め具20cは、軸部上部32と軸部下部36の複数の保持リング50とから多重長手リブ66cを分離する環状溝74a、74bを有していない。その代り、移行ゾーン34cは、互いに離れているとともに、軸部上部32および軸部下部36からも離れた1つ以上の環状溝74c、74dを有する。このように、移行ゾーン34cは、環状溝74c、74dが多重長手リブ66cを横断するように区切られた多重長手リブ66cを有する。多重長手リブ66cの間に延出する多重長手溝64は、環状溝74c、74dに対して開口しても、しなくてもよい。
図21から図23を参照して、留め具20cは、第1建築部材76と組み合わせて図示される。この場合も先と同様に、第1建築部材76は、木材、プラスチック、金属および他の基板材料を含めた種々の異なる材料から製造されてもよい。限定されないが、例えば、第1建築部材76は、一枚の合板、製材または木質状の建築部材であってもよい。留め具20cの軸部26の移行ゾーン34cは、第1建築部材76の厚み82に応じた所定距離84だけ頭部22から離れている。所定距離84は、留め具20cの頭部22が、第1建築部材76の上面78と揃う際に、留め具20cの移行ゾーン34cが第1建築部材76の下面80と同列に位置するように選択される。留め具20cの移行ゾーン34cは、所定長さ86cも有する。図19から図23に示される留め具20cの移行ゾーン34cの所定長さ86cは、図6から図13に示される留め具20aの移行ゾーン34aの所定長さ86aより長い。移行ゾーン34cの所定長さ86cは、第1建築部材76の厚み82のうちのより広い範囲を覆うように選択される。図21から図23に示されるように、第1建築部材76の下面80は、留め具20cが異なる厚み82を有する第1建築部材76とともに使用される場合でも、移行ゾーン34cと同列に位置することは維持される。このように、図21から図23は全て、留め具20cの適切な使用を図示する。移行ゾーン34cの環状溝74c、74dは、異なる厚み82を有する第1建築部材76とつながっていてもよく、移行ゾーン34cを画定するのに役立つ。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20dが、図24および図25に示される。図24および図25に示される留め具20dは、長尺状であり、球根形状(すなわち、外側向かって膨張する形状)の移行ゾーン34dを有することを除いて、図6から図13に示される留め具20aと同一である。図24および図25に示される留め具20dの移行ゾーン34dは、図6から図13に示される留め具20aの移行ゾーン34aの所定長さ86aより長い所定長さ86dを有する。留め具20aの移行ゾーン34aとは違って、図24および図25に示される留め具20dの移行ゾーン34dは、多重長手溝64または多重長手リブ66aを有しない。その代り、移行ゾーン34dは、互いに離れているとともに、移行ゾーン34dを複数の区画92aから92cに分割する複数の環状溝74eから74hを有する。移行ゾーン34dにおいて、区画92aは軸部上部32に隣接し、区画92cは軸部下部36に隣接し、区画92bは区画92aと区画92cの間に配置される。複数の環状溝74eから74hは、軸部26を包囲し、移行ゾーン34d内において径方向に軸部26内に延出する。環状溝74eは、移行ゾーン34dの区画92aを軸部上部32から分離し、環状溝74hは、移行ゾーン34dの区画92cを軸部下部36の複数の下部保持リング50から分離する。環状溝74fは、移行ゾーン34dの区画92aを区画92bから分離し、環状溝74gは、移行ゾーン34dの区画92bを区画92cから分離する。区画92aから区画92cにより、移行ゾーン34dは凸状外面94を有する。移行ゾーン34dの凸状外面94は、複数の下部保持リング50を超えて径方向に延出する。すなわち、移行ゾーン34dの凸状外面94は、複数の下部保持リング50の外縁60を超えて径方向に突出する。したがって、図24および図25に示される留め具20dは、軸部26の軸部上部32および軸部下部36の軸部直径30より大きい移行ゾーン34dの区画92bを差し渡して測られる移行ゾーン直径72dを有する。この構成は、軸部26の移行ゾーン34dの横方向のせん断強度が高まる点で有利である。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20eが、図26および図27に示される。留め具20eは、頭部122から先端部124にかけて長手方向に延出する。留め具20eは、また、頭部122および先端部124の間に配置される軸部126も備える。留め具20eの頭部122は、頭部直径128を有する。留め具20eの軸部126は、頭部直径128より小さい軸部直径130を有する。留め具20eの先端部124は、軸部直径130から先端まで次第に細くなっている(すなわち、留め具20eの先端部124は尖っている)。留め具20eの軸部126は、概して円柱状である軸部上部132eおよび軸部下部136を有する。軸部上部132eは、留め具20eの頭部122に隣接して設けられ、軸部下部136は、留め具20eの先端部124に隣接して設けられる。軸部上部132eおよび軸部下部136は、非円形断面を有する、軸部126の抗回転部133eにより、互いに離れている。軸部126の抗回転部133eは、軸部上部132eと軸部下部136との間に配置される。したがって、軸部上部132eは、頭部122から軸部26の抗回転部133eまで長手方向に延出し、軸部26の抗回転部133eは、軸部上部132eから軸部下部136まで長手方向に延出し、軸部下部136は、軸部126の抗回転部133eから先端部124まで長手方向に延出する。図26および図27に示されるように、頭部122、先端部124、軸部上部132e、軸部126の抗回転部133e、および軸部下部136は、全て一直線上に並び、留め具20eの長手軸138と同軸上に順に配列される。
留め具20eの頭部122および先端部124は、本願開示事項の範囲から逸脱しない限りにおいて、種々の異なる構成であってもよい。図26および図27に示される留め具20aの頭部122は、頭部122の外周142近くで若干凸状であり、頭部122の中心では平坦である(すなわち、長手軸38を横断する)上面140を有する。頭部122は、工具インターフェイス143を有してもよい。工具インターフェイス143は、限定しないが、プラススクリュードライバー、マイナススクリュードライバー、六角ねじドライバーまたはトルクス(登録商標)ドライバーを含めた工具と噛み合うように構成される。頭部122は、円錐台形状基端部145を有する底面144と、頭部122内部に長手方向に延出し、円錐台形状基端部145と頭部122の外周142との間に環状に延出する凹状切込147を備える。この例示的構成にかかわらず、頭部122は他の構成であってもよい。図26および図27に示される留め具20eの先端部124は、長手軸138に対して傾斜し、先端部124を尖頭形状にする3つの収束面146を有する。この例示的構成にかかわらず、先端部124は他の構成であってもよい。限定的でない例として、先端部124は、長手軸138に対して傾斜する任意の複数の収束面または1つの面を有してもよい。また別の限定的でない例として、先端部124は円錐状であってもよい。
図26に示される留め具20eの軸部上部132eは平滑である。軸部上部132eは、フランジブル切り離し用連結部149eにおいて、軸部126の抗回転部133eに連結される。それに対して、留め具20eの軸部下部136は平滑ではなく、複数の下部保持リング150を有する。複数の下部保持リング150のそれぞれは、軸部126の少なくとも一部を中心に径方向に延出する。つまり、下部保持リング150は、軸部126を中心に360度全方向に延出してもよいし、しなくてもいいことを意味する。
軸部126の抗回転部133eは、平滑で互いに対向する第1面151aおよび第2面151bを有する。第1面151aおよび第2面151bは、軸部下部136から軸部上部132eに向かうにしたがって、留め具20eの長手軸138側の内側に向かって傾斜する。さらに、第1面151aおよび第2面151bの幅153eは、軸部下部136から軸部上部132eに向かうにしたがって増加する。留め具20eの軸部上部132eおよび軸部下部136の軸部直径130は、同一であっても異なっていてもよい。図26および図27に示される例において、軸部直径130は、留め具20eの軸部上部132eおよび軸部下部136において同一である。軸部126の抗回転部133eの第1面151aおよび第2面151bの幅153eは、フランジブル切り離し用連結部149eまたはその近傍において最大に達する。そこでは、第1面151aおよび第2面151bの幅153eは、軸部上部132eおよび軸部下部136の軸部直径130より大きい。
留め具20eが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれると、軸部126の抗回転部133eの第1面151aおよび第2面151bが、第1建築部材76および第2建築部材88に食い込み、回転に抵抗する。工具インターフェイス143を介して頭部122にひねり力を加えることにより、留め具20eの軸部上部132および頭部122は、フランジブル切り離し用連結部149eにおいて、抗回転部133eおよび軸部下部136から分離可能である。図26および図27に示される留め具20eのこの特徴は、第1建築部材76および第2建築部材88の計画的分離が望ましい所定の適用においては有益である。この特徴が特に有利である限定されない1つの適用例は、パレット建築(Pallet construction)においてである。フランジブル切り離し用連結部149eは、頭部122の底面144から所定の距離155離れている。したがって、フランジブル切り離し用連結部149eと頭部122の底面144の間の所定の距離155は、留め具20eの軸部126が、分離後に第1建築部材76および/または第2建築部材88から突出しないように、第1建築部材76の厚み82に応じて選択可能である。これにより、留め具20eの軸部126は、第1建築部材76および/または第2建築部材88から突出しないので、材料の扱いやすさおよび安全面の利点を得られる。
軸部下部136の複数の下部保持リング150のそれぞれは、傾斜面158、外縁160および返し面162を備える。傾斜面158は、円錐台形状であり、複数の下部保持リング150のそれぞれの直径が、軸部126の抗回転部133eに近づくにつれて(留め具20eの頭部122に近づくにつれて)大きくなるように、長手軸138に対して傾斜する。返し面162は、軸部126周りに環状に延出するが、急に湾曲したり、切り込まれたり、または、平坦とされ、留め具20eの長手軸138を横断してもよい。複数の下部保持リング150のそれぞれの傾斜面158および返し面162は、軸部下部136から延出(突出)し、外縁160で合致(収束)する。外縁160は、鋭くても丸みを帯びていてもよい。留め具20eの軸部下部136の軸部直径130は、複数の下部保持リング150の1つの外縁160を差し渡して測定される。軸部下部136の複数の下部保持リング150は、留め具20eの計画的フランジブル分離の前では、頭部122と協働して、第1建築部材76および第2建築部材88の分離に抗する。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20fが、図28に示される。図28に示される留め具20fは、図28に示される留め具20fの軸部126が、平坦な四面151cから151fを有し、軸部下部136から軸部上部132eに近づくにつれ、留め具20fの長手軸138から離れるように外側に傾斜する抗回転部133fを有することを除き、図26および図27に示される留め具20eと同一である。このように、図28に示される留め具20fの抗回転部133fの四面151cから151fの幅153fは、軸部下部136から軸部上部132eに近づくにつれ大きくなる。軸部126の抗回転部133fの四面151cから151fの幅153fは、フランジブル切り離し用連結部149eまたはその近傍において最大に達する。そこでは、四面151cから151fの幅153fは、軸部上部132eおよび軸部下部136の軸部直径130より大きい。留め具20fが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれると、軸部126の抗回転部133fの四面151cから151fが、第1建築部材76および第2建築部材88に食い込み、回転に抵抗する。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20gが、図29から図32に示される。図29から図32に示される留め具20gは、図29から図32に示される留め具20gの軸部126が、外側に突出する2つの耳部161aおよび161bを有する抗回転部133gと、複数の上部保持リング148を備えた軸部上部132gと、1つ以上のねじれ溝163を備えるフランジブル切り離し用連結部149gとを有することを除き、図26および図27に示される留め具20eと同一である。図31において最もよく分かるように、抗回転部133gの2つの耳部161aおよび161bは、軸部126を二分する共通面165内で対向するように配置される。留め具20gの長手軸138も、共通面165内にある。図29から図32に示される抗回転部133gの2つの耳部161aおよび161bは、第1面151aおよび第2面151bと同一平面にあるが、(図33から図36に示されるように)第1面151aおよび第2面151bより内側に入っていてもよい。抗回転部133gの2つの耳部161aおよび161bにより、留め具20gの抗回転部133gの幅153gは、フランジブル切り離し用連結部149gまたはその近傍において最大に達する。抗回転部133gの2つの耳部161aおよび161bの幅153gは、軸部上部132gおよび軸部下部136の軸部直径130より大きい。留め具20gが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれると、軸部126の抗回転部133gの2つの耳部161aおよび161bは、第1建築部材76および第2建築部材88に食い込み、回転に抵抗する。
フランジブル切り離し用連結部149gのねじれ溝163により、頭部122および軸部上部132gが、抗回転部133gおよび軸部下部136から分離し易くなる。軸部上部132gの複数の上部保持リング148のそれぞれは、留め具20gの頭部122に近づくにつれ、直径が大きくなる。すなわち、複数の上部保持リング148のそれぞれは、軸部126の抗回転部133gから離れるにつれ、直径が大きくなる。複数の上部保持リング148のそれぞれは、軸部126の少なくとも一部を中心に径方向に延出する。つまり、上部保持リング148は、軸部126を中心に360度全方向に延出してもよいし、しなくてもいいことを意味する。
軸部上部132gの複数の上部保持リング148のそれぞれは、傾斜面152、外縁154および返し面156を備える。傾斜面152は、円錐台形状を有し、複数の上部保持リング148のそれぞれが、抗回転部133gから離れるにつれ(留め具20gの頭部122に近づくにつれ)、直径が大きくなるように、長手軸138に対して傾斜する。返し面156は、軸部126周りに環状に延出するが、急に湾曲したり、切り込まれたり、または、平坦とされ、留め具20gの長手軸138を横断してもよい。複数の上部保持リング148のそれぞれの傾斜面152および返し面156は、軸部上部132gから延出(突出)し、外縁154で合致(収束)する。外縁154は、鋭くても丸みを帯びていてもよい。留め具20gの軸部上部132gの軸部直径130は、複数の上部保持リング148の1つの外縁154を差し渡して測定される。留め具20gの軸部上部132gの複数の上部保持リング148および、留め具20gの軸部下部136の複数の下部保持リング150のそれぞれは、一緒に、第1建築部材76および第2建築部材88が分離するのに抗する。これにより、留め具20gの保持力および貫通性能が向上する。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20hが、図33から図36に示される。図33から図36に示される留め具20hは、図33から図36に示される留め具20hの軸部126が、第1面151aおよび第2面151bに対して内側に配置される2つの耳部161cおよび161dを有する抗回転部133hと、少なくとも1つのらせん状ねじ山167を有する軸部上部132hとを有することを除き、図29から図32に示される留め具20gと同一である。図33から図36に示される留め具20hの軸部上部132hのらせん状ねじ山167は、フランジブル切り離し用連結部149gが分離(破壊)された後、工具インターフェイス143を介して、頭部122を回転させ続けることによって、第1建築部材76から頭部122および軸部上部132hから抜き取り可能である。抗回転部133hの2つの耳部161cおよび161dにより、留め具20hの抗回転部133hの幅153hは、フランジブル切り離し用連結部149hまたはその近傍において最大に達する。抗回転部133hの2つの耳部161cおよび161dの幅153hは、軸部上部132hおよび軸部下部136の軸部直径130より大きい。留め具20hが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれると、軸部126の抗回転部133hの2つの耳部161cおよび161dは、第1建築部材76および第2建築部材88に食い込み、回転に抵抗する。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20iが、図37から図39に示される。図37から図39に示される留め具20iは、図37から図39に示される留め具20iの軸部126が、(図33から図36に示される留め具20hに見られるように)第1面151aおよび第2面151bに対して内側に配置される2つの耳部161cおよび161dを有する抗回転部133i、および、軸部上部132iとフランジブル切り離し用連結部149gとの間に長手状に配置される(図6から図13に示される留め具20aに見られるような)移行ゾーン134を有することを除き、図29から図32に示される留め具20gと同一である。さらに、留め具20iの軸部上部132iは、平滑な円柱形状を有し、留め具20gの軸部上部132gにある複数の上部保持リング148を有しない。
留め具20iの移行ゾーン134は、多重長手リブ166を規定する多重長手溝164を有する。多重長手溝164は、留め具20iの長手軸138と平行に延び、移行ゾーン134において軸部126において径方向に延出する。多重長手リブ166も、留め具20iの長手軸138と平行に延び、多重長手溝164の間に設けられる。多重長手溝164および多重長手リブ166は、順々に配置され、軸部126の移行ゾーン134において周方向に離れている。多重長手リブ166は、軸部126の移行ゾーン134の横方向のせん断強度を高める点で有利である。
留め具20iの移行ゾーン134は、移行ゾーン直径172を有する。図37から図39に示される構成によれば、多重長手リブ166は、複数の下部保持リング150を超えては径方向に延出しない。言い換えれば、多重長手リブ166は、複数の下部保持リング150の外縁160より径方向内側に設けられる。したがって、移行ゾーン直径172は、軸部126の軸部上部132gおよび軸部下部136の軸部直径130以下である。
留め具20iの軸部126の移行ゾーン134は、第1建築部材76の厚み82に応じた所定距離184だけ頭部122から離れている。所定距離184は、留め具20iの頭部122が第1建築部材76の上面78と揃う際に、留め具20iの移行ゾーン134が第1建築部材76の下面80と同列に位置するように選択される。留め具20iの移行ゾーン134は、所定長さ186も有する。図示される実施例において、移行ゾーン134の所定長さ186は、軸部直径130と等しいか2倍以下であってもよく、他の構成であってもよい。所定長さ186も、留め具20iの頭部22が第1建築部材76の上面78と揃う際に、留め具20iの移行ゾーン134が第1建築部材76の下面80と同列に位置するように選択される。このように、留め具20iは、異なる厚み82の第1建築部材76に適用するのに特に合わせた各種構成であってもよい。フランジブル切り離し用連結部149gが移行ゾーン134より下にあるので、軸部126は、第2建築部材88の内部で破壊される。軸部126に沿った移行ゾーン134の配置場所(すなわち、所定距離184の長さおよび所定長さ186)は、使用されている留め具20iが、第1建築部材76の任意の厚み82に適切かどうかを視認するのに使用されてもよい。この作業は、上記記載と同一の方法工程を行うことにより達成されてもよい。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20jが、図40から図42に示される。留め具20jは、頭部222から先端部224にかけて長手方向に延出する。留め具20jは、また、頭部222および先端部224の間に配置される軸部226も備える。留め具20jの頭部222は、頭部直径228を有し、留め具20jの軸部226は、頭部直径228よりも小さい軸部直径230を有する。留め具20jの軸部226は、略円柱形状の軸部上部232と軸部下部236jとを有する。軸部上部232は、留め具20jの頭部222に隣接して設けられ、軸部下部236jは、留め具20jの先端部224に隣接して設けられる。したがって、軸部上部232は、頭部222から軸部下部236jまで長手方向に延出し、軸部下部236jは、軸部上部232から先端部224まで長手方向に延出する。図40に示されるように、頭部222、先端部224、軸部上部232および軸部下部236jは、全て互いに一直線になるように並べられ、同軸上かつ留め具20jの長手軸238に沿って順番に配置される。
留め具20jの頭部222および先端部224は、本願開示事項の範囲から逸脱しない限りにおいて、種々の異なる構成であってもよい。図40から図42に示される留め具20jの頭部222は、共に平坦な上面240および底面244を有する。この例示的構成にかかわらず、頭部222は他の構成であってもよい。図40から図42に示される留め具20jの先端部224は、長手軸138に対して傾斜する単一面246を有するのが好ましい。下記に説明されるように、図40から図42に示される留め具20jの軸部下部236jは、湾曲するように設計され、第1建築部材76と第2建築部材88とを固定する。図示される例における先端部224の単一面246は、先端部224に横向きの力をかけることによって留め具20jの軸部下部236jを湾曲させることを容易にする。
図40から図42に示される留め具20jの軸部上部232は、平滑である。留め具20jの軸部下部236jも、軸部下部236jの一方の側面に沿って長手状に設けられた1つ以上の切込247を除き、平滑である。留め具20jの軸部226は、軸部226を二等分する中央平面249を有する。留め具20jの長手軸238は、中央平面249に位置する。切込247は、径方向に互いに整列し、留め具20jの中央平面249の一方側に全て位置する。切込247は、半円柱形状であって、留め具20jの軸部下部236jが湾曲するのを容易にする。図42は、頭部222の底面244が、第1建築部材76の上面78に押しこまれる位置まで、第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれた留め具20jを示す。軸部上部232は、軸部下部236jが第2建築部材88内に完全に埋め込まれるように、第1建築部材76を貫通して延出する。先端部224の単一面246および切込247を組み合わせることにより、軸部下部236jが湾曲し、第1建築部材76および第2建築部材88を固定する。その結果、留め具20jは、第1建築部材76および第2建築部材88を確実に保持し、第1建築部材76および第2建築部材88が分離するのに抗する。したがって、図40から図42に示される留め具20jは、クリンチくぎとして特徴づけられてもよい。軸部下部236jの湾曲の半径は、留め具20jの長手軸238に対する先端部224の単一面246の角度、および、軸部下部236jの切込247の形状、位置、数を用いて、制御可能である。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20kが、図43に示される。図43に示される留め具20kは、図43に示される留め具20kの軸部226が、複数の下部保持リング250を含む軸部下部236k、および、切込247の間に設けられた複数のテーパ―面251を有することを除いて、図40から図42に示される留め具20jと同一である。複数の下部保持リング250のそれぞれは、軸部226の少なくとも一部を中心に径方向に延出する。つまり、下部保持リング250は、軸部226を中心に360度全方向に延出してもよいし、しなくてもいいことを意味する。軸部下部236の複数の下部保持リング250のそれぞれは、傾斜面258、外縁260および返し面262を備える。傾斜面258は、円錐台形状を有し、複数の下部保持リング250のそれぞれが、留め具20kの頭部222に近づくにつれ、直径が大きくなるように、長手軸238に対して傾斜する。返し面262は、軸部226周りに環状に延出するが、急に湾曲したり、切り込まれたり、または、平坦とされ、留め具20kの長手軸238を横断してもよい。複数の下部保持リング250のそれぞれの傾斜面258および返し面262は、軸部下部236から延出(突出)し、外縁260で合致(収束)する。外縁260は、鋭くても丸みを帯びていてもよい。留め具20kの軸部下部236の軸部直径230は、複数の下部保持リング250の1つの外縁260を差し渡して測定される。軸部下部236の複数の下部保持リング250は、頭部222と協働して、第1建築部材76および第2建築部材88の分離に抗する。
複数の下部保持リング250と同様に、切込247の間に設けられた複数のテーパ―面251は、留め具20kの先端部224に向かって傾斜する。複数のテーパ―面251は、切込247と径方向に整列し、したがって、中央平面249の一方に沿って位置する。この角度により、複数のテーパ―面251は、留め具20kの軸部下部236が湾曲するのを容易にする。というのは、留め具20kが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれるにつれて、横向きの力が複数のテーパ―面251のそれぞれにかかるからである。
本願開示事項に従い構成される別の留め具20lが、図44に示される。留め具20lは、頭部322から先端部324にかけて長手方向に延出する。留め具20lは、また、頭部322および先端部324の間に配置される軸部326も備える。留め具20lの頭部322は、頭部直径328を有し、留め具20lの軸部326は、頭部直径328よりも小さい軸部直径330を有する。留め具20lの軸部326は、略円柱形状の軸部上部332と軸部下部336とを有する。軸部上部332は、留め具20lの頭部322に隣接して設けられ、軸部下部336は、留め具20lの先端部324に隣接して設けられる。したがって、軸部上部332は、頭部322から軸部下部336まで長手方向に延出し、軸部下部336は、軸部上部332から先端部324まで長手方向に延出する。
留め具20lの頭部322および先端部324は、本願開示事項の範囲から逸脱しない限りにおいて、種々の異なる構成であってもよい。図44に示される留め具20lの頭部322は、共に平坦な上面340および底面344を有する。この例示的構成にかかわらず、頭部322は他の構成であってもよい。図40から図42に示される留め具20jの先端部324は、長手軸338に対してある角度で回転した単一面346を有する。留め具20lの軸部下部336は、留め具20lが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれるにつれて、留め具20lを回転させるように設計されたらせん状曲折部347を有する。留め具20lをこのように回転させることにより、第1建築部材76および第2建築部材88が固定される。留め具20lの軸部上部332および軸部下部336は共に平滑である。
図45は、図44に示される留め具20lの変形例を示す。図45において、留め具20mは、ブリッジ部428に対して横向きの一対の軸部426aおよび426bを有するように示される。一対の軸部426a、426bは、互いに平行であり、一対の長手軸438a、438bに沿って延出する。一対の軸部426a、426bは、それぞれ、ブリッジ部428から先端部424a、424bまで延出する。先端部424a、424bは、それぞれ、長手軸438a、438bに対してある角度で回転した単一面446a、446を有する。軸部426aは、軸部426bより長くてもよい。一対の軸部426a、426bは、それぞれ、軸部426a、426bの先端部424a、424b近くに設けられた(図44に示される留め具20lのような)らせん状曲折部447a、447bを有する。留め具20kが第1建築部材76および第2建築部材88に打ち込まれる際、らせん状曲折部447a、447bは回転するように設計される。らせん状曲折部447a、447bにより起こる軸部426a、426bの回転により、第1建築部材76および第2建築部材88は固定される。したがって、図45に示される留め具20mは、クリンチステープルとして特徴付けられる。軸部426a、426bは、それぞれ、ブリッジ部428を変形させることなく回転することを可能にする1つ以上の切込449を備えていてもよい。
図46から図48は、上述の留め具20aから20iのいずれかに適用してもよい、別の先端部524および軸部下部536を示す。図46に示されるように、軸部下部536は、複数の下部保持リング550を有する。複数の下部保持リング550のそれぞれは、軸部526の少なくとも一部を中心に径方向に延出する。つまり、下部保持リング550は、軸部526を中心に360度全方向に延出してもよいし、しなくてもいいことを意味する。軸部下部536の複数の下部保持リング550のそれぞれは、傾斜面558、外縁560および返し面562aまたは562bを備える。傾斜面558は、先端部524から離れるにしたがい、直径が次第に大きくなる。複数の下部保持リング550は、長手方向ギャップ565a、565bにより分離される3つのグループ563aから563cにグループ分けされる。複数の下部保持リング550の返し面562aは、グループ563aから563cのうちで、先端部524に最も近く、長手軸538を横断する平坦な返し面562bを有する保持リング550を除き、切り込まれている。図46から図48に示されるように、先端部524は、先端部524の周りに径方向に離れた4つの傾斜刃567aから567dを備える。4つの傾斜刃567aから567dは、先端部524から長手方向に延出し、それぞれが異なる長手長さ569を有する。
図49および図50は、上述の留め具20aから20iのいずれかに適用可能な別の先端部624および軸部下部636を図示する。軸部下部636は、軸部下部636から径方向外側に突出し、軸部下部636の少なくとも一部に沿って先端部624まで長手方向に延出する隆起部625を少なくとも1つ備えてもよい。図50で最も良く理解されるように、先端部624は、十字形断面を有するように配置される4つの刃627aから627dを有する。4つの刃627aから627dは、滑らかに次の刃へと移行し、4つの刃627aから627dの間に設けられる4つの曲線経路629aから629dを提供する。4つの刃627aから627dのそれぞれは、長手軸638に近づくにつれ、内側に徐々に狭くなる前縁631aから631dを有する。4つの刃627aから627dのそれぞれの前縁631aから631dは、第1建築部材76および第2建築部材88に食い込む突出部633a、633bを1つ以上有する。この構成によれば、先端部624は、第1建築部材76および第2建築部材88に対する回転に抵抗する。
本発明については、上記開示事項に照らし、数多くの変形例が可能であり、添付請求項の範囲内で具体的に記載されるのとは別の形で実施可能なことは明らかである。図示されていないが、本明細書に開示される移行部34aから34dのいずれかは、図26から図36および図40から図50に示される留め具20eから20hおよび20jから20mのいずれかに適用してもよい。さらに、限定されないが、各種のリング状軸、スプライン、溝、ギザギザのパターン、平滑面、テーパ―面、エッチングパターン、スタンプパターンおよび形状、および/またはそれらの組合せのような数々の表面特徴のいずれかを、特定用途に応じたパラメータが達成されるように、本明細書で開示される留め具20aから20iのいずれかの移行部34aから34dの上および/または下に適用可能である。これらの先行記載は、発明性のある新規性が有用である任意の組み合わせをカバーするものと解釈されるべきである。装置クレーム中の「前記(the)」との単語の使用は、請求項の範囲内に含まれることを意図する積極的記載である先行的基礎を指し示すが、この「前記(the)」との単語は、請求項の範囲に含まれることを意図しない用語に前置される。