JP2020059821A - 顔料分散液、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置 - Google Patents

顔料分散液、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置 Download PDF

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Hiroaki Ishii
宏明 石井
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Abstract

【課題】経時での粘度安定性が良好であり、現像密着性及び表面粗度に優れたパターンを形成可能な顔料分散液の提供。【解決手段】(A)顔料(B)分散剤及び(C)溶剤を含有する顔料分散液であって、前記(A)顔料がハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有し、前記(B)分散剤が下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体を含有し、前記重合体において前記一般式(1)の含有割合が前記一般式(1)の含有割合と前記一般式(2)の含有割合の合計に対して20モル%以下であり、前記重合体のアミン価が80mgKOH/g以上であり、酸価が1mgKOH/g未満であり、(A)顔料100質量部に対する(B)分散剤の含有割合が50質量部以下であることを特徴とする顔料分散液。−(CH2C(R4)(XN+R1R2R3))−、Y−(1)、−(CH2C(R7)(ZNR5R6))−(2)【選択図】なし

Description

本発明は、顔料分散液、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置は、画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極に対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が設置され、液晶分子の配向制御又は有機EL素子の電源制御によって画素毎に透過光を制御して画像を表示している。
液晶表示装置や有機EL表示装置はCRTと比較して低消費電力かつ小型化、薄型化が可能であり、現在では携帯電話、デジタルカメラ等の小型機器から、大型サイズのテレビに至るまで、様々なサイズのものが幅広く使用されている。
近年、画像表示装置の高画質、高精細化が求められており、カラーフィルタに対しても高輝度、広色域化を達成する設計が求められている。高輝度化や広色域化を実現するため、顔料分散法を用いて形成された画素を有するカラーフィルタにおいては、顔料の微細化が検討されている。顔料を微細化することにより、カラーフィルタを透過する光の顔料粒子による散乱が低減されて、高輝度化が達成されるものと考えられている。特に透過率への寄与が高いことから、緑色画素の高輝度化が注目されており、そこに使われるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の微細化や分散液の安定化が重要である。
しかしながら、微細化された顔料粒子は凝集しやすいため、分散性や分散安定性が低下しやすい問題があった。微細化された顔料の分散性を向上する方法として、分散剤を用いることが有効であることが知られている。
カラーフィルタ等のパターンを形成するための感光性樹脂組成物に用いられる分散剤について種々検討がなされている。
例えば特許文献1には、特定のハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料と、特定の繰り返し単位を特定量含む分散剤とを併用することで、取扱い性が良好であり、高着色化、高輝度化を両立できる顔料分散液が得られることが記載されている。
特許文献2には、C.I.ピグメントグリーン59と、酸価が1〜18mgKOH/gで、ガラス転移温度が30℃以上の特定の分散剤とを併用することで、青味の緑色を呈し、分散安定性に優れ、輝度の高い顔料分散液が得られ、現像残渣の発生が抑制されながら、溶剤再溶解性に優れ、高輝度及び高コントラストで色再現性に優れた着色層を形成可能であることが記載されている。
特許文献3には、ハロゲン化亜鉛フタロシニアン顔料と、アミノ基と有機酸化合物とで塩を形成した特定のブロック共重合体の分散剤とを併用することで、顔料分散性及び分散安定性に優れるカラーフィルタ用顔料分散液が得られ、顔料分散性に優れ、アルカリ現像性に優れるカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物が得られることが記載されている。
また特許文献4には、樹脂型分散剤と特定のバインダー樹脂を併用することで、コントラスト比、分散安定性に優れ、かつ耐薬品性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物が得られることが記載されている。
一方で特許文献5には、特定の繰り返し単位を有し、その一部がハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成したブロック共重合体を顔料分散剤として含むカラーフィルタ用熱硬化性インクジェットインクにより、インクの顔料分散性、溶剤再溶解性に優れ、インクジェットシステム全体における顔料粒子の凝集やノズルでのインクの乾燥による、異物発生、吐出不良を抑制することが可能であることが記載されている。
特開2016−038584号公報 特開2016−224463号公報 特開2010−054725号公報 特開2014−206700号公報 特開2011−075904号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献1〜5に記載されている顔料分散液では、経時での粘度安定性が十分ではなく、また、得られるパターンにおける現像密着性及び表面粗度も十分ではないという問題があることが明らかとなった。
そこで本発明は、経時での粘度安定性が良好であり、また、現像密着性及び表面粗度に優れたパターンを形成可能な顔料分散液を提供することを課題とする。
本発明はまた、上記顔料分散液を含む着色樹脂組成物、該着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを有する画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する顔料分散液であって、特定の分散剤を含み、顔料に対する分散剤の含有割合を特定範囲とすることによって上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[4]の構成を有する。
[1] (A)顔料、(B)分散剤、及び(C)溶剤を含有する顔料分散液であって、
前記(A)顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有し、
前記(B)分散剤が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体を含有し、
前記重合体において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合が、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合と前記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して20モル%以下であり、
前記重合体のアミン価が80mgKOH/g以上であり、酸価が1mgKOH/g未満であり、かつ、
(A)顔料100質量部に対する(B)分散剤の含有割合が50質量部以下であることを特徴とする顔料分散液。
Figure 2020059821
(式(1)中、R1〜R3は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R1〜R3のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
4は水素原子又はメチル基である。
Xは2価の連結基であり、Y-は対アニオンである。)
Figure 2020059821
(式(2)中、R5及びR6は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R5及びR6が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
7は水素原子又はメチル基である。
Zは2価の連結基である。)
[2] [1]に記載の顔料分散液、及びバインダー樹脂を含有する着色樹脂組成物。
[3] [2]に記載の着色樹脂組成物を用いて作製した画素を有するカラーフィルタ。
[4] [3]に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
本発明によれば、経時での粘度安定性が良好であり、また、現像密着性及び表面粗度に優れたパターンを形成可能な顔料分散液を提供することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示素子の一例を示す断面概略図である。
以下に、本発明の構成要件等について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
なお、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
また「全固形分」とは、顔料分散液または着色樹脂組成物に含まれる、溶剤成分以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。一方で「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定により算出されるものであり、1g中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
また本発明において、「C.I.」とはカラーインデックスを意味する。
[1]顔料分散液の構成成分
以下に本発明の顔料分散液の各構成成分を説明する。本発明に係る顔料分散液は、(A)顔料、(B)分散剤、及び(C)溶剤を必須成分として含有し、更に要すれば、上記成分以外の他の添加物等を含有するものであってもよい。
以下、各構成成分を説明する。
[1−1](A)顔料
本発明の顔料分散液は、(A)顔料を含有する。顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。
本発明の顔料分散液において、(A)顔料は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する。
通常の亜鉛フタロシアニンは1分子中に16個の水素原子を有しており、これらの水素原子を臭素原子や塩素原子等のハロゲン原子で置換したものが、本発明で使用されるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、通常緑色顔料として用いられているものである。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料1分子中に含まれる平均水素原子数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、4以上がよりさらに好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで、高着色化(広色域化)と高輝度化の両立がしやすい傾向があり、また、前記上限値以下とすることで顔料分散液の安定性を向上できる傾向がある。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料1分子中の平均水素原子数は、蛍光X線ファンダメンタルパラメーター法(FP法)によって測定した平均ハロゲン原子数を用いて算出することができる。詳細には、国際公開第2016/158668号に記載されている方法及び条件を採用することが好ましい。
また、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料1分子中の平均塩素原子数も特に限定されないが、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましく、また、14以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、8以下がよりさらに好ましく、6以下が特に好ましく、4以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることで高着色となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高輝度となる傾向がある。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料1分子中の平均臭素原子数も特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上がよりさらに好ましく、7以上が特に好ましく、8以上が最も好ましく、また、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12以下がさらに好ましく、11以下がよりさらに好ましく、10以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで高輝度となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高着色となる傾向がある。
このようなハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、特開昭50−130816号公報等に開示されている公知の製造方法で製造できる。例えば、芳香環の水素原子の一部又は全部が臭素の他、塩素等のハロゲン原子で置換されたフタル酸やフタロニトリルを適宜出発原料として使用して、顔料を合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いてもよい。
他の方法としては、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等の混合物からなる110〜170℃程度の溶融物中で、亜鉛フタロシアニンを臭素ガスで臭素化する方法が挙げられる。この方法においては、溶融塩中の塩化物と臭化物の比率を調節したり、塩素ガスの導入量や反応時間を変化させたりすることによって、臭素含有量の異なる種々の臭素化亜鉛フタロシアニンの比率を任意にコントロールすることができる。
反応終了後、得られた混合物を塩酸等の酸性水溶液中に投入すると、生成した臭素化亜鉛フタロシアニンが沈殿する。その後、ろ過、洗浄、乾燥等の後処理を行って、臭素化亜鉛フタロシアニンを得る。
こうして得られたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を、必要に応じてアトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベントソルトミリング法やソルベントボイリング法等で顔料化することによって、透過率やコントラストの高い緑色を発色するハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が得られる。顔料化方法には特に制限は無いが、容易に結晶成長を抑制でき、且つ比表面積の大きい顔料粒子が得られる点でソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
ソルベントソルトミリングとは、合成直後の粗顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。具体的には、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダー、ミックスマーラーやプラネタリ―ミキサー、もしくは、特開2006−77062号公報に記載されているような環状の固定円盤と同心の回転円盤の間隙部分の形成された粉砕空間を有する連続混練機等が好適に使用される。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、これら無機塩の平均粒子径は0.5〜50μmであることがより好ましい。このような無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することで容易に得られる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としては、市販されているものを用いることができ、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59などが挙げられる。これらの中でも、高着色化(広色域化)と高輝度化の両立の観点から、C.I.ピグメントグリーン59が好ましい。
一方で、(A)顔料は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料以外に、その他の顔料を含んでいてもよい。その他の顔料としては、その他の緑色顔料や、黄色顔料が挙げられる。
その他の緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、86、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、125、126、127、127:1、128、129、133、134、136、137、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、及び下記式(I)で表されるアゾバルビツール酸のニッケルとの1:1錯体又はその互換異性体に、他の化合物が挿入されてなる化合物(以下、「式(I)で表されるニッケルアゾ錯体」と称する)等が挙げられる。
Figure 2020059821
また、前記他の化合物としては、下記式(II)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2020059821
これらの中でも、高輝度及び広色域の観点から、C.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、154、155、180、185、及び式(I)で表されるニッケルアゾ錯体、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、180、及び式(I)で表されるニッケルアゾ錯体が挙げられる。
これら(A)顔料の平均一次粒子径は、通常0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.04μm以下である。顔料の微粒化に際しては、上述したソルベントソルトミリングのような手法が好適に用いられる。
なお、顔料の平均一次粒子径は次の方法で求めることができる。まず顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。個々の顔料粒子の粒子径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個の顔料粒子についてそれぞれ粒子径を求めた後、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒子径を求める。
個々の顔料粒子の粒子径:
1,X2,X3,X4,・・・,Xi,・・・Xm 平均粒子径 = ΣXi/m
本発明の顔料分散液において、(A)顔料の含有割合は特に限定されないが、顔料分散液の全固形分中に45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましく、また、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物中の顔料分散液量を低減することができ、パターニング特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで顔料分散液の経時安定性が向上する傾向がある。
また、本発明の着色樹脂組成物における(A)顔料の含有割合も特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物の安定性を向上させる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでレジストのパターニング特性を向上させる傾向がある。
また、(A)顔料におけるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の含有割合も特に限定されないが、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上がよりさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましく、また、通常100質量%以下である。前記下限値以上とすることで高着色化や高輝度化の効果が得られやすい傾向がある。
[1−2](B)分散剤
本発明の顔料分散液は、(A)顔料を安定に分散させる目的で(B)分散剤を含有する。
特に本発明の顔料分散液における(B)分散剤は、以下の条件を満足する重合体(以下、「重合体(b)」と称する場合がある。)を含有する。
・下記一般式(1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する。
・前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合が、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合と前記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して20モル%以下である。
・アミン価が80mgKOH/g以上である。
・酸価が1mgKOH/g未満である。
本発明の顔料分散液は(B)分散剤として重合体(b)を含有することで、顔料分散液の経時を含めた粘度が良好となり、また、該顔料分散液を含む着色樹脂組成物を用いて作製したパターンの表面粗度が良好となる。
まず、前記一般式(1)で表される繰り返し単位及び前記一般式(2)で表される繰り返し単位を有すること、特に前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有することで、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と重合体(b)との親和性が高くなり、顔料分散液中において局所的に顔料が凝集した粗大粒子が発生するのを抑制することができ、得られるパターンの表面粗度が良好になると考えられる。
また、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合が過剰の場合には、重合体(b)同士の自己凝集が強くなり、経時とともに自己凝集が進行して分散安定性が悪化して粘度が高くなる傾向がある。そのため、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合を、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合と前記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して20モル%以下とすることで、重合体(b)同士の自己凝集を抑制でき、経時での粘度が良好になると考えられる。
一方で、アミン価を80mgKOH/g以上とすることで顔料と重合体(b)とが効率的に配位し、顔料分散液の安定性が向上すると考えられる。また、酸価を1mgKOH/g未満とすることで顔料分散液中への吸湿が抑えられ、顔料分散液の経時安定性が向上すると考えられる。
特に、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料として、C.I.ピグメントグリーン59を用いた場合には、重合体(b)のC.I.ピグメントグリーン59への配位力が最適となり、過度な微細化を抑えられると共に、遊離した分散剤量も低減され、過分散が抑えられて分散後の再凝集も生じにくくなる為、粗度が良化する傾向がある。
以下に重合体(b)について詳述する。
重合体(b)は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」と称する場合がある。)、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」と称する場合がある。)を有する。
Figure 2020059821
(式(1)中、R1〜R3は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R1〜R3のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
4は水素原子又はメチル基である。
Xは2価の連結基であり、Y-は対アニオンである。)
Figure 2020059821
(式(2)中、R5及びR6は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R5及びR6が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
7は水素原子又はメチル基である。
Zは2価の連結基である。)
(R1〜R3
上記式(1)中、R1〜R3は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である。
アルキル基の炭素数は特に限定されないが、分散性の観点から、通常1以上であり、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましく、3以下であることがよりさらに好ましく、2以下であることが特に好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
アリール基の炭素数は特に限定されないが、分散性の観点から、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、8以下であることが特に好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基がより好ましい。
アラルキル基の炭素数は特に限定されないが、分散性の観点から、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、8以下であることが特に好ましい。
アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルイソプロピル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であることが好ましく、フェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることがより好ましい。
これらの中でも、分散性、保存安定性、電気信頼性、現像性の観点から、R1〜R3が各々独立にアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、具体的には、R1及びR3が各々独立にメチル基、又はエチル基であり、かつ、R2がフェニルメチル基(ベンジル基)、又はフェニルエチル基(フェネチル基)であることが好ましく、R1及びR3がメチル基であり、かつ、R2がフェニルメチル基であることがさらに好ましい。
(R5及びR6
また、上記式(2)のR5及びR6における、置換基を有していてもよいアルキル基としては、上記式(1)のR1〜R3として例示したものを好ましく採用することができる。
同様に、上記式(2)のR5及びR6における、置換基を有していてもよいアリール基としては、上記式(1)のR1〜R3として例示したものを好ましく採用することができる。また、上記式(2)のR5及びR6における、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記式(1)のR1〜R3として例示したものを好ましく採用することができる。
これらの中でも、分散性、保存安定性、電気信頼性、現像性の観点から、R5及びR6が各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基、又はエチル基であることがより好ましい。
上記式(1)のR1〜R3及び上記式(2)のR5〜R6におけるアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられる。
上記式(1)において、R1〜R3のうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環、これらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2020059821
上記式(1a)において、RはR1〜R3のいずれかである。
これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。
また、上記式(2)において、R5及びR6が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2020059821
これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。
(X及びZ)
上記式(1)及び(2)において、2価の連結基X及びZとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−CONH−R7−基、−COOR8−基〔但し、R7及びR8は、各々独立に、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは−COO−R8−基である。また、R8の中でも分散性の観点から、アルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。
また、上記式(1)において、対アニオンのY-としては、Cl-、Br-、I-、ClO4-、BF4-、CH3COO-、SO3-、PF6 -、芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸、アニオン、芳香族ホスホン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン等が挙げられる。
重合体(b)は、前記式(1)で表される繰り返し単位の含有割合が、前記式(1)で表される繰り返し単位の含有割合と前記式(2)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して20モル%以下のものであればよく、18モル%以下が好ましく、16モル%以下がより好ましく、14モル%以下がさらに好ましく、また、4モル%以上が好ましく、6モル%以上がより好ましく、8モル%以上がさらに好ましい。前記上限値以下とすることで現像溶解性が向上する傾向があり、また、前記下限値以上とすることで顔料分散液の安定性が向上する傾向がある。
また、重合体(b)において、全繰り返し単位に占める前記式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上が好ましく、2モル%以上がより好ましく、3モル%以上がさらに好ましく、また、6モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましく、4モル%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで顔料分散液の安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像溶解性が良化する傾向がある。
また、重合体(b)において、全繰り返し単位に占める前記式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましく、また、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、35モル%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで顔料分散液の安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像溶解性が良化する傾向がある。
重合体(b)は、溶剤やバインダー樹脂等に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記一般式(3)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3)」と称する場合がある。)を有することが好ましい。
Figure 2020059821
(式(3)中、R10はエチレン基又はプロピレン基であり、R11は置換基を有していてもよいアルキル基であり、R12は水素原子又はメチル基である。
nは1〜20の整数である。)
(R11
上記式(3)のR11における、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
11におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられる。
(n)
また、上記式(3)におけるnは溶剤やバインダー樹脂等に対する相溶性と分散性の観点から、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
また、重合体(b)が前記式(3)で表される繰り返し単位を含有する場合、全繰り返し単位に占める前記式(3)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、2モル%以上が好ましく、4モル%以上がより好ましく、6モル%以上がさらに好ましく、また、15モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
また、重合体(b)は、溶剤やバインダー樹脂等に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記一般式(4)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(4)」と称する場合がある。)を有することが好ましい。
Figure 2020059821
(上記式(4)中、R13は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である。
14は水素原子又はメチル基である。)
(R13
上記式(4)のR13における、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、1以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(4)のR13における、アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、6以上であることが好ましく、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基であることがより好ましい。
上記式(4)のR13における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、7以上であることが好ましく、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。
アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルイソプロピル基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であることが好ましく、フェニルメチル基、又はフェニルエチル基であることがより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R13がアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチル基であることがより好ましい。
13における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
また、重合体(b)が前記式(4)で表される繰り返し単位を含有する場合、全繰り返し単位に占める前記式(4)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、55モル%以上であることが特に好ましく、また、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましく、65モル%以下であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで顔料分散液の安定性を向上させる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像溶解性を担保できる傾向がある。
重合体(b)は、繰り返し単位(1)、繰り返し単位(2)、繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体; (メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体; 酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
重合体(b)は、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を有する限り、特に限定されるものではないが、分散性をより高めるとの観点から、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を有するAブロックと、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A−Bブロック共重合体又はB−A−Bブロック共重合体であることが好ましい。Aブロックに4級アンモニウム塩基だけでなくアミノ基も導入することにより、意外にも、分散剤の分散能力が著しく向上する傾向がある。また、Bブロックが繰り返し単位(3)を有することが好ましく、更に繰り返し単位(4)を有することがより好ましい。
Aブロック中において、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)は、1つのAブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
また、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
繰り返し単位(3)及び(4)以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体; 酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。繰り返し単位(3)及び繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
重合体(b)のアミン価は80mgKOH/g以上であるが、85mgKOH/g以上が好ましく、90mgKOH/g以上がより好ましく、95mgKOH/g以上がさらに好ましく、100mgKOH/g以上が特に好ましく、また、160mgKOH/g以下が好ましく、150mgKOH/g以下がより好ましく、140mgKOH/g以下がさらに好ましく、130mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、120mgKOH/g以下が特に好ましく、115mgKOH/g以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることで顔料分散液の粘度安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで 着色樹脂組成物の溶解性が向上する傾向がある。
また、重合体(b)の酸価は1mgKOH/g未満であるが、顔料分散液の粘度安定性の観点から、低い方が好ましく、特に0mgKOH/gであることが好ましい。
また、重合体(b)の重量平均分子量は特に限定されないが、4000以上が好ましく、5000以上がより好ましく、6000以上がさらに好ましく、また、12000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、9000以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで顔料分散液の粘度安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物の溶解性が向上する傾向がある。
重合体(b)は、公知の方法により製造することができるが、ブロック共重合体である場合には例えば、上記各繰り返し単位を導入する単量体を、リビング重合することにより製造することができる。リビング重合法としては、特開平9−62002号公報、特開2002−31713号公報や、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.Bull.12,79 (1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolecules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,J.Am.Chem.Soc,109,4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Hertler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載されている公知の方法を採用することができる。
重合体(b)を製造する際に用いる繰り返し単位(1)を導入する単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチル(4−ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。繰り返し単位(2)を導入する単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。繰り返し単位(1)は、繰り返し単位(2)を導入する単量体を重合した後、該重合体に塩化ベンジル等のハロゲン化炭化水素化合物を反応させ、部分的にアミノ基を4級化させることにより導入することもできる。
また、繰り返し単位(3)を導入する単量体としては、例えば、ポリエチレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。繰り返し単位(4)を導入する単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明においては、重合体(b)と共に、他の分散剤を併用することができる。他の分散剤としては、例えば、Disperbyk(登録商標。以下同じ。)−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース(登録商標。以下同じ。)24000、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)、アジスパー(登録商標。以下同じ。)PB821、アジスパーPB822、アジスパーPB823、アジスパーPB824、アジスパーPB827(味の素ファインテクノ株式会社製)等の市販品が挙げられる。
本発明の顔料分散液における(B)分散剤の含有割合は、(A)顔料100質量部に対して50質量部以下であれば特に限定されないが、45質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましく、また、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましい。前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物のパターニング特性が向上する傾向があり、また、前記下限値以上とすることで顔料分散液の経時安定性が向上する傾向がある。
また、本発明の着色樹脂組成物における(B)分散剤の含有割合は特に限定されないが、(A)顔料100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましく、また、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましい。前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物のパターニング特性が向上する傾向があり、また、前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物の経時異物が低減される傾向がある。
また、本発明の顔料分散液の全固形分中における(B)分散剤の含有割合は特に限定されないが、10質量%以上が好ましく、13質量%以上がより好ましく、16質量%以上がさらに好ましく、また、28質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、22質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物の経時異物が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物のパターニング特性が向上する傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物の全固形分中における(B)分散剤の含有割合も特に限定されないが、2質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物の経時異物が低減される傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物のパターニング特性が向上する傾向がある。
[1−3]分散助剤
本発明に係る顔料分散液には、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために分散助剤として顔料誘導体等を添加しても良い。顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接またはアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホンアミド基及びその4級塩、スルホン酸基が挙げられ、より好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していても良いし、置換数の異なる化合物の混合物でも良い。顔料誘導体の具体例としてはアゾ顔料のスルホン酸誘導体、フタロシアニン顔料のスルホン酸誘導体、キノフタロン顔料のスルホン酸誘導体、イソインドリン顔料のスルホン酸誘導体、アントラキノン顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン顔料のスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロール顔料のスルホン酸誘導体、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体等が挙げられる。
中でも好ましくは、顔料の色相との干渉が少ない顔料誘導体が好ましく、より好ましくはピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体、ピグメントイエロー139のスルホン酸誘導体、ピグメントブルー15のスルホン酸誘導体である。
顔料誘導体の含有割合は特に限定されないが、(A)顔料100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、また、7質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで顔料分散液の安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで輝度低減を抑えられる傾向がある。
[1−4]分散樹脂
本発明の顔料分散液には、後述するバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部または全部を含有していてもよい。具体的には、後述する顔料分散液の調製における分散処理工程において、前述の分散剤とともにバインダー樹脂を含有させることにより、該バインダー樹脂が分散剤との相乗効果で分散安定性に寄与し、結果として分散剤の添加量を減らせる傾向があるため好ましい。このように、分散処理工程に使用される樹脂を、分散樹脂と称することがある。
[1−5](C)溶剤
本発明の顔料分散液は、(C)溶剤を含有する。
(C)溶剤は、本発明の顔料分散液や後述する着色樹脂組成物において、(A)顔料、(B)分散剤のほか、場合により配合した上記以外の成分などを溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
かかる溶剤としては、各成分を溶解または分散させることができるものであればよい。
このような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等が挙げられる。
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィ法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、溶剤としては沸点が100〜200℃(圧力1013.25[hPa]条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
上記溶剤中、塗布性、表面張力などのバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の溶剤を併用してもよい。併用する溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる着色樹脂組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。このような高沸点の溶剤を併用することにより、着色樹脂組成物は乾きにくくなるが、急激に乾燥することによる顔料分散液の相互関係の破壊を起こし難くする効果がある。高沸点溶剤の含有割合は、溶剤中に3質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、5質量%〜30質量%が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、スリットノズル先端で顔料などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こすのを抑制できる傾向があり、また前記上限値以下とすることで、カラーフィルタ製造工程の減圧乾燥プロセスにおけるタクト不良を抑制しやすく、プリベークプロセスにおいてピン跡が生じるのを抑制しやすい傾向がある。
なお沸点150℃以上の溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤としては、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
さらに、顔料分散液や後述する着色樹脂組成物の粘度調整や固形分の溶解度調整のためには、沸点が180℃より低い溶剤を一部含有することも効果的である。このような溶剤としては、低粘度で溶解性が高く、低表面張力であるような溶剤が好ましく、エーテル類、エステル類やケトン類などが好ましい。中でも特に、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノールアセテートなどが好ましい。
本発明の顔料分散液における溶剤の含有割合は特に限定されないが、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、また、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで均一な粒度分布を形成できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで顔料分散液の粘度安定性を向上させる傾向がある。
また、本発明の着色樹脂組成物における溶剤の含有割合も特に限定されないが、着色樹脂組成物に含まれる全固形分の含有割合は10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物塗布時の平滑性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物の安定性が向上する傾向がある。
[2]着色樹脂組成物
本発明の着色樹脂組成物は、少なくとも前述した顔料分散液および後述するバインダー樹脂を含有するものであれば特に限定されず、その他の成分を含有するものであってもよい。
[2−1]バインダー樹脂
本発明の着色樹脂組成物においてバインダー樹脂は、前述の溶剤に可溶で、十分な硬化度の硬化膜を形成できるようなものであれば何ら限定されないが、アルカリ現像してパターンを形成するとの観点からは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。例えば、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(D−1)〜(D−5)の樹脂などが挙げられる。
(D−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂(以下「樹脂(D−1)」と称す場合がある。)
(D−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(以下「樹脂(D−2)」と称す場合がある。)
(D−3):前記樹脂(D−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(D−3)」と称す場合がある。)
(D−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下「樹脂(D−4)」と称す場合がある。)
(D−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(D−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(D−1)が挙げられ、以下詳述する。
なお、樹脂(D−2)〜(D−5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば何でもよく、各々、特開2009−025813号公報の同項目として記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
(D−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(D−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
そのエポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる他のラジカル重合性単量体としては、本発明の効果を損わない限り特に制限はなく、例えば、ビニル芳香族類、ジエン類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、ビニル化合物類、不飽和ジカルボン酸ジエステル類、モノマレイミド類などが挙げられるが、特に下記式(III)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
下記式(III)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
Figure 2020059821
上記式(III)中、R89は水素原子又はメチル基を示し、R90は下記式(IV)で表される構造を示す。
Figure 2020059821
上記式(IV)中、R91〜R98は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(IV)で表される構造としては、特に下記構造式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表されるものが好ましい。
Figure 2020059821
尚、前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
上記モノマー群から選択された少なくとも1種に由来する繰返し単位の含有量が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
なお、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法を適用することができる。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記範囲内であると、後述の重合性成分及びアルカリ可溶性成分の付加量が十分であり、また、耐熱性や膜の強度が十分であるため好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸;クロトン酸、o−、m−又はp−ビニル安息香酸;α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。なお、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
上記範囲内であると、現像時の残膜率及び溶解性が十分であるため好ましい。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
上述のバインダー樹脂の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、7,000以上がさらに好ましく、また、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、30,000以下がさらに好ましく、15,000以下がよりさらに好ましく、13,000以下が特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であると、耐熱性や膜強度、更に現像液に対する溶解性が良好である点で好ましい。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
なお、バインダー樹脂の酸価は、通常10mgKOH/g以上、好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは25mgKOH/g以上、さらに好ましくは50mgKOH/g以上、また、通常200mgKOH/g以下、好ましくは150mgKOH/g以下、より好ましくは100mgKOH/g以下である。前記下限値以上とすることで現像液に対する溶解性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜荒れの発生を抑制できる傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物において、バインダー樹脂の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで膜荒れの発生を抑制できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像液に対する溶解性が良好となる傾向がある。
[2−2]その他の固形分
本発明の着色樹脂組成物には、更に、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、光重合性モノマー、光重合開始剤、界面活性剤等が挙げられる。
[2−2−1]光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)であることが好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始剤の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における光重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和結合を2個以上有する多官能エチレン性モノマーを使用することが望ましい。多官能エチレン性モノマーが有するエチレン性不飽和結合の数は特に限定されないが、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは5個以上であり、また、好ましくは15個以下、より好ましくは10個以下である。前記下限値以上とすることで重合性が向上して高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性がより良好となる傾向がある。
光重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これら(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸部分を、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ〔1,1,1−トリ(メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物の例としては、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能単量体が好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのうち少なくとも一方であるものである。
これらの単量体は1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を得ることは難しいことから、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて光重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜100mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜80mgKOH/gである。酸価が上記範囲内であると、現像溶解特性が低下しにくく、また製造や取り扱いが容易である。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
本発明の着色樹脂組成物における光重合性モノマーの含有割合は特に限定されないが、全固形分中10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで硬化性が高まり表面平滑性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで回折光による残渣が低減される傾向がある。
[2−2−2]光重合開始剤
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で光重合開始剤を含んでいてもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、バインダー樹脂としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、光重合性モノマーとしてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始剤を含有することが好ましい。なお、光重合開始剤とともに、任意に重合加速剤、増感色素などの付加剤を併用してもよい。
本発明における光重合開始剤は、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10−39503号公報等に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体類;特開2000−80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘導体類等が挙げられる。
具体的には、例えば国際公開第2009/107734号等に記載の光重合開始剤等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
また、オキシムエステル系誘導体類としては、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、O−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシム及び下記式(V)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020059821
式(V)中、R101は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。あるいは、R101はXまたはZと結合し、環を形成していてもよい。
102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素環基及び芳香族複素基のうち少なくとも一方を示す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
なお、前記式(V)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VI)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VII)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2020059821
式(VI)中、R101、R102及びZは、前記式(V)における定義と同義である。R103〜R109は各々独立に水素原子または任意の置換基を示す。
Figure 2020059821
式(VII)中、R101aは、炭素数1〜3のアルキル基、または下記式(VIIa)で表される基を示す。R102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1〜4のアルキル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。
Figure 2020059821
式(VIIa)中、R110は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示す。*は、結合部位を表す。
オキシムエステル系誘導体類としては市販品を用いてもよい。市販品の例としては、OXE−01、OXE―02(BASF社製)、TRONLYTR−PBG−304、TRONLYTR−PBG−309、TRONLYTR−PBG−305、TRONLYTR−PBG−314(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)、NCI−831、NCI−930(ADEKA社製)が挙げられる。
光重合開始剤としては、その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。これらの開始剤として市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、IRGACURE 651、IRGACURE 184、DAROCURE 1173、IRGACURE 2959、IRGACURE 127、IRGACURE 907、IRGACURE 369、IRGACURE 379EG、LUCIRIN TPO、IRGACURE 819、IRGACURE 784(いずれも、BASF社製、「IRGACURE」は登録商標。)等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、チオキサントン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類がより好ましい。特に、オキシムエステル系誘導体類が好ましい。
必要に応じて用いられる重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
これらの光重合開始剤及び重合加速剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物における光重合開始剤の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、また、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで硬化性が増し、平滑性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで過度な硬化が抑えられ、パターニング性が良化する傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物が重合加速剤を含有する場合、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中0.03質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が特に好ましく、また、1質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで硬化度が上昇する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで経時安定性が向上する傾向がある。
また、光重合開始剤100質量部に対する重合加速剤の含有割合としては、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましく、また、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで硬化度が上昇する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで経時安定性が向上する傾向がある。
[2−2−3]界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。
界面活性剤の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、また、0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで塗布時の平滑性が増す傾向があり、また、前記上限値以下とすることで基板からの弾きが抑制される傾向がある。
[3]顔料分散液及び着色樹脂組成物の調製
次に、本発明に係る顔料分散液及び着色樹脂組成物(以下、レジストと称することがある)を調製する方法を説明する。
まず、顔料、溶剤および分散剤を各所定量秤量し、分散処理工程において、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む緑色顔料を分散させて顔料分散液を調製する。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理を行なうことによって色材が微粒子化されるため、着色樹脂組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板における画素の透過率が向上する。
顔料を分散処理する際には、上述の通り、分散助剤又は分散樹脂などを適宜併用するのが好ましい。
また、顔料としては上述のハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有することが必須ではあるが、調色用に他の顔料と混合して分散を行ってもよい。
サンドグラインダーを用いて分散処理を行なう場合は、0.1から数mm径のガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整すればよい。
上記分散処理によって得られた顔料分散液に、溶剤、バインダー樹脂、場合によっては、所定量の光重合性モノマー、光重合開始剤等の成分などを混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程及び混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるため、得られた顔料分散液をフィルタなどによって、ろ過処理することが好ましい。
[4]着色樹脂組成物の応用
本発明の着色樹脂組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。着色樹脂組成物を硬化させた硬化物は、カラーフィルタとして好適に用いることができる。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた画像表示装置、具体的には、液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物を用いて作製した画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するようにブラックマトリックスを形成し、この基板上に、本発明の着色樹脂組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、赤色、緑色、青色の各画素パターンを形成して、カラーフィルタを作製することができる。
本発明では特に、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素が、緑色の画素であることが好ましい。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
画像露光に使用される、波長190〜450nmの放射線を用いるための光源は、特に限定されるものではないが、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
放射線の露光量は、10〜10,000J/m2が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、モノ−メチルアミン、ジ−メチルアミン、トリ−メチルアミン、モノ−エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、モノ−イソプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
現像処理後の基板には、必要により上記の露光方法と同様な方法により追露光を行なってもよく、また熱硬化処理を行ってもよい。この際の熱硬化処理条件は、温度は100℃〜280℃の範囲、このましくは150℃〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。
このようにして作製されたカラーフィルタを液晶表示装置に使用する場合には、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレイ、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また、一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。また、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。また、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソグラフィー法による柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルタを有する。画像表示装置としては、画像や映像を表示する装置であれば特に限定は受けないが、後述する液晶表示装置や有機EL表示装置等が挙げられる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
<有機EL表示装置>
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作製する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<分散樹脂A>
以下の手順にて分散樹脂Aを合成した。
まず、反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30質量部、メタクリル酸60質量部、メタクリル酸シクロヘキシル110質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn−ドデシルメルカプタン5.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27質量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽及び連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。
3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル39.6質量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4質量部、トリエチルアミン0.8質量部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。
室温まで冷却し、分散樹脂Aとして、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw8000、酸価101mgKOH/gの重合体溶液を得た。
<分散剤A:ビックケミー社製分散剤「BYK−LPN23602」>
窒素原子含有官能基を有するAブロックと、親溶媒性基を有するBブロックからなるメタクリル系ABブロック共重合体。前記一般式(1)で表される繰り返し単位として下記式(1a)で表される繰り返し単位を含有し、前記一般式(2)で表される繰り返し単位として下記式(2a)で表される繰り返し単位を含有し、さらに下記式(3a)で表される繰り返し単位を有する。アミン価は108mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g未満である。
全繰り返し単位中における下記式(1a)、(2a)及び(3a)で表される繰り返し単位の含有割合はそれぞれ3.3モル%、30.0モル%及び6.7モル%である。前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合と前記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して9.9モル%である。
Figure 2020059821
<分散剤B:ビックケミー社製分散剤「BYK−LPN6919」>
窒素原子含有官能基を有するAブロックと、親溶媒性基を有するBブロックからなるメタクリル系ABブロック共重合体。下記式(2b)及び(3b)で表される繰り返し単位を有し、かつ、下記式(1b)で表される繰り返し単位を有さない。アミン価は120mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
全繰り返し単位中における下記式(2b)及び(3b)で表される繰り返し単位の含有割合はそれぞれ33.3モル%及び6.7モル%である。
Figure 2020059821
<分散剤C:ビックケミー社製分散剤「BYK−LPN21116」>
窒素原子含有官能基を有するAブロックと、親溶媒性基を有するBブロックからなるメタクリル系ABブロック共重合体。下記式(1c)、(2c)及び(3c)で表される繰り返し単位を有する。アミン価は70mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
全繰り返し単位中における下記式(1c)、(2c)及び(3c)で表される繰り返し単位の含有割合はそれぞれ11.1モル%、22.2モル%、及び6.7モル%である。
Figure 2020059821
<バインダー樹脂A>
以下の手順にてバインダー樹脂Aを合成した。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら撹拌し120℃に昇温した。ここにスチレン20質量部、グリシジルメタクリレート57質量部及びトリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA−513M)82質量部を滴下し、更に120℃で2時間撹拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸27質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部及びハイドロキノン0.12質量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、120℃で3.5時間反応させた。こうして得られたバインダー樹脂AのGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは8000、酸価は80mgKOH/gであった。
<光重合開始剤A>
光重合開始剤として、下記構造を有する、[9−エチル−6−(1−アセトキシイミノ−4−メチルオキシカルボニルブチル)カルバゾール−3−イル](2−メチルフェニル)ケトンを用いた。
Figure 2020059821
<溶剤>
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
MBA(3−メトキシブチルアセテート)
<緑色顔料分散液の調製>
(実施例1、比較例1及び2)
表1に記載の分散剤を表1に記載の量使用し、緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン59(FASTOGEN Green C100)を9.95質量部、分散樹脂として分散樹脂Aを固形分換算で2.21質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート85.00質量部(分散剤及び分散樹脂由来のものも含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、実施例1、比較例1及び2の緑色顔料分散液を調製した。
Figure 2020059821
(比較例3)
表2に記載の分散剤を表2に記載の量使用し、緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン59(FASTOGEN Green C100)を4.66質量部、分散樹脂として分散樹脂Aを固形分換算で1.03質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート85.00質量部(分散剤及び分散樹脂由来のものも含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、比較例3の緑色顔料分散液を調製した。
Figure 2020059821
<黄色顔料分散液の調製>
黄色顔料としてランクセス社製E4GN−GTを8.57質量部、分散剤として分散剤Bを固形分換算で2.75質量部、分散樹脂として分散樹脂Aを固形分換算で3.68質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート85.00質量部(分散剤及び分散樹脂由来のものも含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、黄色顔料分散液を調製した。
<粘度評価>
実施例1、比較例1〜2で得られた各緑色顔料分散液について、25℃で1週間静置保存をした前後において、東機産業社製E型粘度計「RE−80L」を用いて23.0±1.0℃における粘度を測定した。その結果を表5に示す。
<着色樹脂組成物の調製>
実施例1、比較例1及び2の各緑色顔料分散液に表3に示す他の成分を混合して、着色樹脂組成物を調製した。なお表3中の値は固形分の質量部を表し、各着色樹脂組成物の全固形分の含有割合が30質量%となるように溶剤(PGMEA及びMBA)を添加した。得られた各着色樹脂組成物中のPGMEA/MBA比(質量比)は90/10であった。
Figure 2020059821
次に、比較例3の緑色顔料分散液に表4に示す他の成分を混合して、着色樹脂組成物を調製した。なお表4中の値は固形分の質量部を表し、着色樹脂組成物の全固形分の含有割合が30質量%となるように溶剤(PGMEA及びMBA)を添加した。得られた着色樹脂組成物中のPGMEA/MBA比(質量比)は90/10であった。
Figure 2020059821
<表面粗度評価>
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(AGC社製、AN100)上に、上記各着色樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、300mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行った。その後、温度230℃で、20分間の熱硬化処理を行い、膜厚2.4μmの塗布基板を得た。
こうして得られた塗布基板について、日立ハイテクノロジーズ社製VS1530により以下の条件で表面粗度Saを測定した。その結果を表5に示す。
(測定条件)
・光源:520White(520nm)
・対物レンズ:10倍
・測定デバイス:ピエゾ
・測定モード:Phase
・視野サイズ:640×480Pixels(466.42μm×350.48μm)
Figure 2020059821
表5より、実施例1の緑色顔料分散液は調製直後の粘度と、1週間静置後の経時粘度の両方が共に良好であり、それを含む着色樹脂組成物を用いて作成した塗布基板の表面粗度も良好であった。これに対して比較例1の緑色顔料分散液では1週間静置後の経時粘度は良好であるものの、塗布基板の表面粗度が大きかった。一方で比較例2の緑色顔料分散液では、塗布基板の表面粗度は良好であったが、顔料分散液の調製直後の粘度が高く、1週間静置によって経時粘度が大幅に上昇し固化してしまう結果となった。
比較例1の緑色顔料分散液に含まれる分散剤Bは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有さないことによって分散剤と顔料との親和性が低く調製直後の粘度が高くなったものの、経時で遊離の分散剤分子同士が自己凝集せずに顔料に吸着することで、経時による分散安定性が担保出来たと考えられる。一方で、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有さないことによって分散剤と顔料との親和性が低く、顔料分散液中において局所的に顔料が凝集した粗大粒子が発生し、得られる塗布基板の表面粗度が大きくなったと考えられる。
比較例2の緑色顔料分散液に含まれる分散剤Cは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を過剰に有するものであるため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と前記一般式(1)に含まれるアンモニウム塩基との配位が促進されて、均一な分散ができて粗大粒子の発生が抑制されたため、得られる塗布基板の表面粗度が良好になったと考えられる。その一方で、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を過剰に有することに起因して分散剤分子同士の自己凝集が強くなり、顔料分散液の調製直後の粘度が高く、経時で自己凝集が進行することで、経時による分散安定性も大幅に悪化したと考えられる。
これに対して実施例1の緑色顔料分散液に含まれる分散剤Aは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を適量有することにより、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料への分散剤の吸着が良好であり、分散剤分子同士の自己凝集も適度である為、顔料分散液の経時を含めた粘度が良化したと考えられ、また、顔料分散液中に粗大粒子の発生が抑えられることによって表面粗度が良化したと考えられる。
<現像密着性評価>
ガラス基板上に着色樹脂組成物をスピンコーターを用いて塗布し、90℃のホットプレート上で90秒間乾燥した。得られた塗膜に、25μm幅のライン状開口部を有するパターンマスクを用いてパターン露光を行った。露光ギャップ250μmで、メインピークの波長が365nmの紫外線を用いて、露光量が40mJ/cm2となるよう露光した。この際の紫外線照射は空気下で行った。次いで23℃の0.1質量%水酸化カリウム水溶液で最小現像時間の2倍の時間スプレー現像した後、純水で30秒間洗浄した。ここで、最小現像時間(以下、「溶解時間」と称する場合がある。)とは、前記現像条件にて、未露光部が完全に溶解される時間を意味する。これらの操作により、不要な部分を除去してパターニングされた基板を、オーブン中230℃で30分間加熱し硬化させ膜厚3.0μmのレジスト膜を得た。表6に溶解時間の測定結果と、レジスト膜におけるパターニング特性(現像密着性)の評価結果を示す。なお、パターニング特性の評価における「密着」及び「剥離」の意味は以下のとおりである。
密着:ラインが形成されている。
剥離:ラインが形成されず、パターンが残らない。
Figure 2020059821
比較例3の緑色顔料分散液を含む着色樹脂組成物では、溶解時間が著しく長くなり、現像密着性も大幅に悪化した。比較例3の緑色顔料分散液は、(A)顔料100質量部に対する(B)分散剤の含有割合が50質量部を大きく超えるものであり、インクジェットインク用途で一般的に用いられている配合であるが、分散剤の含有割合が高いことに起因して、着色樹脂組成物中のバインダー樹脂等のその他の成分の含有割合が著しく低くなり、それによって感度が大幅に低下して現像密着性が不十分なものとなったと考えられる。また、分散剤中には前記一般式(1)で表される繰り返し単位や前記一般式(2)で表される繰り返し単位由来の塩基性基が含まれるため、分散剤の含有割合が高くなることで着色樹脂組成物中の塩基性成分の含有割合が高くなり、アルカリ現像液への溶解性が低下し、溶解時間も大きく伸びたと考えられる。
これに対して実施例1の緑色顔料分散液では、(A)顔料100質量部に対する(B)分散剤の含有割合が50質量部以下であり、分散剤の含有割合が必要十分なものとなっており、着色樹脂組成物における感度も高くできて現像密着性が良好となり、現像液への溶解性も高く維持できていると考えられる。
100 有機EL素子
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極

Claims (4)

  1. (A)顔料、(B)分散剤、及び(C)溶剤を含有する顔料分散液であって、
    前記(A)顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有し、
    前記(B)分散剤が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体を含有し、
    前記重合体において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合が、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有割合と前記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して20モル%以下であり、
    前記重合体のアミン価が80mgKOH/g以上であり、酸価が1mgKOH/g未満であり、かつ、
    (A)顔料100質量部に対する(B)分散剤の含有割合が50質量部以下であることを特徴とする顔料分散液。
    Figure 2020059821
    (式(1)中、R1〜R3は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R1〜R3のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
    4は水素原子又はメチル基である。
    Xは2価の連結基であり、Y-は対アニオンである。)
    Figure 2020059821
    (式(2)中、R5及びR6は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R5及びR6が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
    7は水素原子又はメチル基である。
    Zは2価の連結基である。)
  2. 請求項1に記載の顔料分散液、及びバインダー樹脂を含有する着色樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の着色樹脂組成物を用いて作製した画素を有するカラーフィルタ。
  4. 請求項3に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
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