JP6977679B2 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の[1]〜[6]の構成を有する。
前記(A)着色剤が、キサンテン系染料、及び下記一般式(1)で表される化学構造を有するアントラキノン系化合物を含むことを特徴とする着色樹脂組成物。
RA3及びRA4は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
RA5及びRA6は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R7は、−SO3 -、又は−COO-を表す。
ただし、前記アルキル基、芳香族環基及び炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONRA8−、−NH−、−NRA8−、−SO2−、−SO2NH−、−SO2NRA8−、及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよい。RA8は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。)
[5] [4]に記載のカラーフィルタを有する、画像表示装置。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一方」、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一方」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
また、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)所収の着色剤の名称を意味する。
以下に本発明の着色樹脂組成物の各構成成分を説明する。本発明の着色樹脂組成物は、(A)着色剤、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂、及び(D)光重合開始剤を含有する着色樹脂組成物であって、前記(A)着色剤が、キサンテン系染料、及び後述の一般式(1)で表される化学構造を有するアントラキノン系染料を含む。必要に応じて、更にその他の成分を含むものとすることができ、通常、各成分が(B)溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
以下、各構成成分について順に詳細に説明する。
本発明の着色樹脂組成物は、(A)着色剤を必須成分として含有し、特に(A)着色剤が、キサンテン系染料、及び後述の一般式(1)で表される化学構造を有するアントラキノン系染料を含む。
本発明において、(A)着色剤は、キサンテン系染料を含む。キサンテン系染料を含むことで、得られるカラーフィルタが高輝度になると考えられる。
Ra5は、−SO3 -又は−COO-を表す。
前記式(I)中、Ra1〜Ra4は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
Ra1〜Ra4におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、また、12以下が好ましく、6以下がより好ましい。アルキル基の炭素数を前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性を低減し、高濃度添加時にも溶解・再析出が抑制されてコントラストが高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで添加したキサンテンのモル数が減少して着色力が低下するのを抑制できる傾向がある。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも、添加したキサンテンのモル数が減少して着色力が低下するのを抑制できるとの観点から、1個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、1個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
また一方で、有機溶剤への溶解性低減の観点から、Ra3及びRa4は各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましい。
前記式(I)中、Ra5は、−SO3 -又は−COO-を表す。これらの中でも、耐久性の観点から、−SO3 -が好ましい。
RA3及びRA4は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
RA5及びRA6は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
RA7は、−SO3 -、又は−COO-を表す。
ただし、前記アルキル基、芳香族環基及び炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONRA8−、−NH−、−NRA8−、−SO2−、−SO2NH−、−SO2NRA8−、及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよい。RA8は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
前記式(II)において、RA1及びRA2は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
RA1及びRA2におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、また、12以下が好ましく、6以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤への溶解性を低減し、高濃度添加時においても溶解・再析出が抑制されてコントラストが高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで添加したキサンテンのモル数が減少して着色力が低下するのが抑制できる傾向がある。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でもアントラキノン系染料との分子間π−πスタッキングが促進され、キサンテン系染料の蛍光が効率的に消光することと、キサンテン系染料の色変化抑制の観点から、1個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、1個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
前記式(II)において、RA3及びRA4は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
2価の炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状又はこれらの組み合わせの炭化水素基が挙げられる。例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン基とアリーレン基を連結した基などが挙げられる。
アリーレン基の具体例としては、オルト−、メタ−、またはパラ−フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン基、インドレン基、アントラセン基、フラン基、チオフェン基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、フェニレン基が好ましい。
アルキレン基とアリーレン基を連結した基の具体例としては、上記のアルキレン基と、上記のフェニレン基を組み合わせたもの等が挙げられる。これらの中でもキサンテン系染料とアントラキノン系染料との分子間π−πスタッキングが促進され、キサンテン系染料の蛍光が効率的に消光するとの観点から、プロピレン基とパラ−フェニレン基を組み合わせたものが好ましい。
前記式(II)において、RA5及びRA6は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
RA5及びRA6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。前記上限値以下とすることで添加したキサンテンのモル数が減少して着色力が低下するが抑制でき、また、溶剤への溶解性が低減される傾向がある。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でもキサンテン系染料とアントラキノン系染料との分子間π−πスタッキングが促進され、キサンテン系染料の蛍光が効率的に消光するとの観点から、1個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、1個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
前記式(II)において、RA7は、−SO3 -又は−COO-を表す。これらの中でも、キサンテン系染料分子内で水素結合を強固に形成させるとの観点から、−SO3 -が好ましい。
前記式(II)のRA1〜RA6において、前記アルキル基、芳香族環基及び炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONRA8−、−NH−、−NRA8−、−SO2−、−SO2NH−、−SO2NRA8−、−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよい。これらの中でもキサンテン系染料分子内で水素結合を形成させる観点から、−O−、−COO−が望ましい。
これらの基で置換された2価の基としては、例えば、−CH2CH2CH2O−、−CH2CH2CH2OCO−などが挙げられる。
RA8におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、また、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでキサンテン系染料とアントラキノン系染料との分子間疎水性相互作用が促進され、キサンテン系染料の蛍光が効率的に消光する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで溶剤への溶解性を低減できる傾向がある。
アルキル基は、後述の置換基群W1に記載の置換基で置換されていてもよい。
。その炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、また、12以下が好ましい。前記下限値以上とすることでキサンテン系染料とアントラキノン系染料との分子間π−πスタッキングが促進され、キサンテン系染料の蛍光が効率的に消光する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで添加したキサンテンのモル数が減少して着色力が低下するのが抑制できる傾向がある。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも溶剤への溶解性を低減するとの観点から、1個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、1個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数1〜8のアルコキシル基;フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;フェネチル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基;ニトロ基;炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8のアルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;ヒドロキシル基;炭素数1〜8のアルコキシル基:フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルホン酸基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;カルボニル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8のアルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数1〜8のアルコキシル基;フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;フェネチル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基;ニトロ基;炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
RA9及びRA10は各々独立に、アルキレン基を表す。
ただし、前記アルキレン基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONRA8−、−NH−、−NRA8−、−SO2−、−SO2NH−、−SO2NRA8−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよい。RA8は、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
前記式(III)において、RA9及びRA10は各々独立に、アルキレン基を表す。アルキレン基の炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでキサンテン系染料とアントラキノン系染料との分子間疎水性相互作用が促進され、キサンテン系染料の蛍光が効率的に消光する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで溶剤への溶解性が低減できる傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物において、(A)着色剤は、キサンテン系染料の他に、下記一般式(1)で表される化学構造を有するアントラキノン系染料(以下、「アントラキノン系染料(1)」と称する場合がある。)を含む。
式(1)中、R1及びR2は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
アルキル基は直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、それらの組み合わせでもよいが、凝集体の生成抑制の観点からは分岐鎖状が好ましい。
また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましく、また、通常15以下であり、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12以下がさらに好ましく、11以下がよりさらに好ましく、10以下が特に好ましく、9以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることでアントラキノン系染料同士の分子間水素結合が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分子量増大に伴う、添加時のモル数低下による消光効果の低減が抑制される傾向がある。
アルキル基の具体例としては、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、2−エチルブチル基、2−エチルペンチル基、2−エチルへキシル基、2−エチルヘプチル基、2−プロピルブチル基、2−プロピルペンチル基、2−プロピルへキシル基、2−プロピルヘプチル基、1−エチルブチル基、1−エチルペンチル基、1−エチルへキシル基、1−エチルへプチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、(A)着色剤は、キサンテン系染料及びアントラキノン系染料(1)以外に、その他の着色剤を含有していてもよい。その他の着色剤としては、例えば、キサンテン系染料及びアントラキノン系染料(1)以外の染料(以下、「その他の染料」と称する場合がある。)、顔料等が挙げられる。
その他の染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、ジピロメテン系染料等が好ましく挙げられる。
シアニン系染料としては、例えば、国際公開第2011/162217号に記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
その他の染料は1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
このため、本発明の着色樹脂組成物が青色顔料を含む場合、青色顔料中のC.I.ピグメントブルー15:6の含有割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95〜100質量%がさらに好ましい。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
なお、ここで、顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値とすることができる。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
その他の着色剤の例としては、青色顔料単独、青色染料単独、青色顔料と青色染料の組み合わせ、青色顔料と紫色顔料の組み合わせ、青色顔料と青色染料と紫色顔料の組み合わせ、青色顔料と青色染料と紫色染料の組み合わせ、青色顔料と紫色顔料と紫色染料の組み合わせ等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤は着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節できるようなものであれば何ら限定されない。コントラスト向上の観点から、キサンテン系染料を分散できるものが好ましい。一方で、アントラキノン系染料分子が、キサンテン系染料粒子の表面に分子間相互作用して効率的にキサンテン系染料の蛍光を消光するとの観点から、アントラキノン系染料を溶解できるものが好ましい。
溶剤の1013.25hPaにおける沸点(以下、沸点に関してはすべて1013.25hPaにおける沸点を意味する。)は特に限定されないが、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、また、200℃以下であることが好ましく、170℃以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで減圧乾燥時の突沸を防ぐことができる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで減圧乾燥時の残存溶剤を低減できる傾向がある。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類。
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、例えば任意成分として前述の顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色樹脂組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。尚、顔料を含む色材分散液や着色樹脂組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の含有割合は0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物において(C)バインダー樹脂は、前述の溶剤に可溶で、十分な硬化度の硬化膜を形成できるようなものであれば何ら限定されないが、アルカリ現像してパターンを形成するとの観点からは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。例えば、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(以下「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下詳述する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(IV)で表される構造としては、特に下記構造式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表されるものが好ましい。
前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(D)光重合開始剤を含む。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、バインダー樹脂としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、光重合性モノマーとしてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始剤を含有することが好ましい。なお、光重合開始剤とともに、任意に重合加速剤、増感色素などの付加剤を併用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10−39503号公報等に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体類;特開2000−80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘導体類等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
R102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。
なお、前記式(V)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VI)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VII)で表される化合物が特に好ましい。
必要に応じて用いられる重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物には、更に、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、光重合性モノマー、分散剤、分散助剤、界面活性剤、酸化防止剤等が挙げられる。
光重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、光重合開始剤の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明における単量体は、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも含有する概念を意味する。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性二重結合の数は特に限定されないが、通常2個以上であり、好ましくは4個以上であり、より好ましくは5個以上であり、また、好ましくは8個以下であり、より好ましくは7個以下である。前記下限値以上とすることで高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで溶媒への溶解性が向上する傾向がある。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であっても良い。代表例としては、例えば、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。前記下限値以上とすることで現像溶解特性を良好なものとすることができる傾向があり、前記上限値以下とすることで製造や取扱いが良好になり光重合性能、画素の表面平滑性等の硬化性を良好にしやすい傾向がある。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が(A)着色剤として顔料を含む場合、顔料を安定に分散させる目的で分散剤を含有させることができる。中でも高分子分散剤を用いると経時の分散安定性に優れるので好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤を挙げることができる。これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標、BASF社製)、DisperBYK(登録商標、ビックケミー社製)、ディスパロン(登録商標、楠本化成社製)、SOLSPERSE(登録商標、ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、特開2013−119568号公報に記載のもの等を挙げることができる。
窒素原子を含む官能基を有するブロック共重合体としては、側鎖に4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体が好ましい。
前記ブロック共重合体における、3級アミノ基を有する繰り返し単位の構造は特に限定されないが、分散性や保存安定性の観点から、下記一般式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
nは1〜20の整数である。
R8における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R8で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中に通常0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.003質量%以上、また、通常0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。前記範囲内とすることで塗布性が良好となる傾向がある。
次に、本発明に係る着色樹脂組成物(以下、レジストと称することがある)を調製する方法を説明する。
サンドグラインダーを用いて分散処理を行なう場合は、0.1から数mm径のガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整する必要がある。
本発明の着色樹脂組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。着色樹脂組成物を硬化させた硬化物は、カラーフィルタとして好適に用いることができる。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた画像表示装置、具体的には、液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、モノ−メチルアミン、ジ−メチルアミン、トリ−メチルアミン、モノ−エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、モノ−イソプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
本発明の画像表示装置は、着色樹脂組成物を硬化させた硬化物を含有する。画像表示装置としては、画像や映像を表示する装置であれば特に限定は受けないが、後述する液晶表示装置や有機EL表示装置等が挙げられる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作製する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
以下の実施例及び比較例で用いた着色樹脂組成物の構成成分は次の通りである。
撹拌翼及び温度計を付けた2Lフラスコに、キニザリン72.5g(0.30mol)、ロイコキニザリン21.2g(0.09mol)、1,4−フェニレンジアミン62.0g(0.57mol)、脱塩水90.6g、1−ブタノール358.9g、及び35質量%塩酸12.3gを加え、90℃に昇温し、同温度で9時間撹拌した。その後、反応液を25℃まで冷却し、固体をろ別した。得られた固体に脱塩水725gを加え、30分間撹拌し、ろ別した。次に、得られた固体にネオコール(登録商標。以下同じ。)R7(日本アルコール販売社製)400gを加え、30分間撹拌し、ろ別した。この固体を80℃で減圧乾燥し、1−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−ヒドロキシアントラセン−9,10−ジオンを主成分とする固体を109g得た。HPLCで測定された純度は71%であった。
C.I.ソルベントブルー122(以下の化学構造を有するアントラキノン系染料)を染料Bとして使用した。
国際公開第2018/052022号の合成例2に記載の手法で、染料C(以下の化学構造を有するキサンテン系染料)を合成した。
側鎖に4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有さないBブロックからなるメタクリル系A−Bブロック共重合体。分散剤AのAブロック中には、下記式(1a)及び(2a)の繰り返し単位が含まれ、Bブロック中には下記式(3a)の繰り返し単位が含まれる。アミン価は70mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
分散剤Aの全繰り返し単位中における下記式(1b)、(2b)、及び(3b)の繰り返し単位の含有割合はそれぞれ、11.1モル%、22.2モル%、6.7モル%である。
滴下槽として、下記化合物を仕込み均一に混合した滴下槽(i)〜(iii)をそれぞれ準備した。
滴下槽(i):t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート16.07質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と称する場合がある)28.78質量部
滴下層(ii):3−メルカプトプロピオン酸16.97質量部、及びPGMEA28.78質量部
滴下層(iii):シクロヘキシルメタクリレート367.41質量部、メチルメタクリレート73.32質量部、メタクリル酸285.00質量部、及びPGMEA79.83質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145.0質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10質量部、グリシジルメタクリレート85.2質量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA−513M)66質量部、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部、およびハイドロキノン0.12質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。その後冷却し、PGMEAを添加して固形分濃度が44質量%のバインダー樹脂B溶液を得た。バインダー樹脂BのGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは8400、酸価は80mgKOH/gであった
C.I.ピグメントブルー15:6を11質量部、分散剤Aとバインダー樹脂Aを固形分換算でそれぞれ4.4質量部と3.7質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート56.7質量部(分散剤A及びバインダー樹脂A由来のものも含む)、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.3質量部を直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、青色顔料分散液を調製した。
染料Cを11質量部、分散剤Aとバインダー樹脂Aを固形分換算でそれぞれ4.4質量部と3.7質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート77.0質量部(分散剤A及びバインダー樹脂A由来のものも含む)、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.1質量部を直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて、紫色染料分散液を調製した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(A−9550、新中村化学工業社製)
以下の化学構造を有するオキシムエステル系化合物(4−アセトキシイミノ−5−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−5−オキソペンタン酸メチル)
ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオナート)(淀化学社製)
<酸化防止剤A>
Irganox1010(BASF製)
<界面活性剤A>
メガファックF−559(DIC社製)
<溶剤A>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
<溶剤B>
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
固形分の含有割合が表1に記載のものとなるように各成分を混合し、実施例1及び比較例1の着色樹脂組成物を調製した。また、着色樹脂組成物の全固形分の含有割合が16.0質量%になるように、そして着色樹脂組成物に含まれる溶剤A/溶剤Bの含有割合比が77.8/6.2(質量比)になるように溶剤A及び溶剤Bで希釈した。
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、AN100)上に、上記着色樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、23mW/cm2、100mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行った。その後、現像処理を、0.1質量%水酸化カリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で0.5kg/cm2の現像圧で、60秒間スプレー現像を行った。次いで、3kg/cm2の水圧で30秒間スプレー水洗処理を行い、着色基板を作製した。その後、温度230℃で、30分間の熱硬化処理を行った。
得られた着色基板にて日立製作所製分光光度計U−3310により透過スペクトルを測定し、SB2光源にて色度sy=0.058の色度となった際の輝度と、壺坂電機社製コントラスト計CT−1Bで測定したコントラストをそれぞれ表2に示す。
比較例1の着色樹脂組成物に含まれる染料Bはアントラキノン骨格に結合した水酸基を有するものであり、アントラキノン系染料同士の分子間水素結合によってアントラキノン系染料の凝集体が生成し、該凝集体による光散乱によってコントラストが低くなっていると考えられる。
これに対して実施例1の着色樹脂組成物に含まれる染料Aはアントラキノン骨格に結合したO原子に隣接するR1がアルキル基のものであり、アントラキノン系染料同士の分子間水素結合が抑制され、着色樹脂組成物中でアントラキノン系染料の凝集体の生成が抑制され、該凝集体による光散乱が抑制されて、コントラストが高くなっていると考えられる。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
51 正孔注入層
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子注入層
55 陰極
100 有機EL素子
500 有機発光体
Claims (6)
- 前記一般式(1)で表される化学構造を有するアントラキノン系染料の含有割合が、全固形分中に0.1質量%以上である、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- 前記キサンテン系染料が、下記一般式(II)で表されるキサンテン系染料を含む、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
RA3及びRA4は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
RA5及びRA6は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
RA7は、−SO3 -、又は−COO-を表す。
ただし、前記アルキル基、芳香族環基及び炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONRA8−、−NH−、−NRA8−、−SO2−、−SO2NH−、−SO2NRA8−、及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されていてもよい。RA8は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。) - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物を用いて作成した画素を有する、カラーフィルタ。
- 請求項4に記載のカラーフィルタを有する、画像表示装置。
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