JP2020059624A - 表面処理シリカ粒子、これを含む分散体及び樹脂組成物、並びに樹脂組成物の硬化物 - Google Patents

表面処理シリカ粒子、これを含む分散体及び樹脂組成物、並びに樹脂組成物の硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】表面処理剤で表面処理されたシリカ粒子であって、ハードコートの耐擦傷性をより高めることのできる表面処理シリカ粒子を提供することを目的とする。【解決手段】表面処理剤で表面処理されたシリカ粒子であって、前記表面処理剤は、(i)チオール基を有するシランカップリング剤と、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物、及び(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と、1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物、よりなる群から選択される少なくとも一種であり、透過型電子顕微鏡で測定した一次粒子径の変動係数が20%以下であり、球形度が0.90以上であることを特徴とする表面処理シリカ粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理シリカ粒子、これを含む分散体及び樹脂組成物並びに樹脂組成物の硬化物に関する。
シリカ粒子やシリカ粒子を溶媒に分散させたシリカ粒子分散体は、樹脂や樹脂原料等と混合することで、樹脂の成形性や透明性を損なうことなく、強度や硬度、耐熱性、絶縁性等の特性を向上できるため、接着材料、歯科用材料、光学部材、コーティング材料(ハードコート用、アンチグレア用)、ナノコンポジット材料等の用途に有用である。中でも、特にハードコート用途では、ハードコートの表面硬度が高いことや、傷への耐性が高いことが要求される。
例えば、特許文献1には、チオール基を有する修飾剤と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとを付加反応を用いてチオール基とアクリロイル基及び/またはメタクリロイル基とを共有結合させることにより多官能(メタ)アクリレートモノマー変性修飾剤を得る第1ステップと、該第1ステップにて得られた前記多官能(メタ)アクリレートモノマー変性修飾剤を金属酸化物微粒子に修飾させる第2ステップとを有するハードコート用樹脂組成物の製造方法が開示されている。
特開2011−213989号公報
上記した特許文献1では、上記した特定の表面修飾剤を金属酸化物微粒子に修飾させて、ハードコートの耐擦傷性及び表面硬度が向上した旨が記載される。しかし、本発明者が検討したところ、特許文献1に具体的に開示されるシリカ粒子分散MIBK溶液は、水ガラス法により製造されたシリカ粒子であり、このシリカ粒子を用いて特許文献1に開示される表面修飾剤を処理しようとすると、表面修飾剤を添加した後の反応溶液がゲル化し、特許文献1に開示の表面修飾されたシリカ粒子を再現することは困難であった。
そこで本発明は、表面処理剤で表面処理されたシリカ粒子であって、表面処理されたシリカ粒子を含むハードコートを製造できると共に、ハードコートの耐擦傷性をより高めることのできる表面処理シリカ粒子を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
[1]表面処理剤で表面処理されたシリカ粒子であって、
前記表面処理剤は、(i)チオール基を有するシランカップリング剤と、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物、及び(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と、1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物、よりなる群から選択される少なくとも一種であり、
透過型電子顕微鏡で測定した一次粒子径の変動係数が20%以下であり、
球形度が0.90以上であることを特徴とする表面処理シリカ粒子。
[2]前記(i)チオール基を有するシランカップリング剤と、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物が下記式(A)で表され、前記(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と、1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物が下記式(B)で表される[1]に記載の表面処理シリカ粒子。
Figure 2020059624
(前記式(A)中、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数、X1は炭素数1〜4のアルコキシ基、R11は炭素数1〜4のアルキル基、R12は下記式(1A)で表される基である。)
Figure 2020059624
(前記式(1A)中、pは2〜10の整数であり、A1は直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)O−に置換された有機連結基であり、Ra1は独立に水素原子又はメチル基である。)
Figure 2020059624
(前記式(B)中、tは1〜3の整数、sは1〜10の整数、X2は炭素数1〜4のアルコキシ基、R21は炭素数1〜4のアルキル基、R22は下記式(1B)で表される基である。)
Figure 2020059624
(前記式(1B)中、qは2〜5の整数、B1は直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜10の(q+1)価の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)O−に置換された有機連結基であり、Rb1は独立に水素原子又はメチル基である。)
[3]透過型電子顕微鏡で測定した一次粒子径の平均値が5〜100nmである[1]又は[2]に記載の表面処理シリカ粒子。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の表面処理シリカ粒子と溶媒とを含む表面処理シリカ粒子分散体。
[5][1]〜[3]のいずれかに記載の表面処理シリカ粒子と重合性単量体とを含む表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物。
[6][5]に記載の表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物の硬化物。
本発明の表面処理シリカ粒子によれば、該表面処理シリカ粒子を含む樹脂組成物の硬化物が優れた耐擦傷性を実現できる。
本発明者の検討によれば、特許文献1に開示されるような特定の表面処理剤を用いると共に、表面処理後のシリカ粒子の一次粒子径の変動係数及び球形度が所定範囲にあることが、表面処理シリカ粒子を含むハードコートを製造可能であるとともに、ハードコートの耐擦傷性の向上に有効であることを見出した。
本発明の表面処理シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)で測定した一次粒子径(以下、TEM径と呼ぶ)の変動係数が20%以下である。TEM径は、例えば、1視野に含まれるシリカ粒子の数が100〜300個程度となる測定倍率で、透過型電子顕微鏡を用いて測定すればよく、一次粒子径の標準偏差を、一次粒子径の個数基準の平均値で除すことによりTEM径の変動係数を算出することができる。TEM径の変動係数は、20%以下であり、17%以下が好ましく、より好ましくは14%以下であり、更に好ましくは12%以下であり、一層好ましくは10%以下である。TEM径の変動係数の下限は特に限定されないが、例えば5%であってもよい。
上記した表面シリカ粒子のTEMで測定した一次粒子径の平均値は、例えば5nm以上であり、10nm以上であることが好ましく、より好ましくは15nm以上であり、100nm以下であってもよく、90nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下であり、35nm以下が更に好ましい。
また、上記した表面処理シリカ粒子の球形度は0.90以上である。本発明において、球形度とは、表面処理シリカ粒子の短径を長径で除した値を意味する。球形度は、例えば1視野に含まれるシリカ粒子の数が50〜100個程度となる測定倍率で、透過型電子顕微鏡を用いて測定し、個数基準の算術平均値を算出すればよい。前記球形度は0.92以上が好ましく、より好ましくは0.94以上であり、更に好ましくは0.95以上である。前記球形度の上限は特に限定されないが、通常0.99程度である。
上記した表面処理シリカ粒子のTEM径の変動係数と球形度は、後述するシリカ粒子の製造方法で得られるシリカ粒子に特有の性質である。なお、上記したTEM径の変動係数と球形度は、表面処理前後でほとんど変化しないため、表面処理前のシリカ粒子も透過型電子顕微鏡で測定した一次粒子径の変動係数が20%以下であり、球形度が0.90以上である。また、表面処理前のシリカ粒子は、BET法により比表面積から算出したdBETが1nm以上100nm以下であり、且つ、動的光散乱法により測定される平均二次粒子径dDLSと、前記dBETとの比(dDLS/dBET)が、1.2以下であるシリカ粒子であるということもできる。
表面処理前のシリカ粒子のdBETは、好ましくは70nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは30nm以下、特に好ましくは25nm以下であり、例えば3nm以上、より好ましくは5nm以上であってもよい。前記dBETは、シリカ粒子の表面積及び体積に基づいて平均粒子径を算出したものであり、シリカ粒子の凝集の影響が排除され、一次粒子の粒子径の指標となる。
また、表面処理前のシリカ粒子のdDLSとdBETとの比(dDLS/dBET)は、好ましくは1.15以下、より好ましくは1.1以下であり、例えば1以上、さらには1.01以上であることも許容される。前記動的光散乱法では、シリカ粒子を濃度1質量%以上15質量%以下のメタノール分散体とした場合のメタノール分散体中でのシリカ粒子の移動速度に基づいて粒子径を計測しており、前記メタノール分散体中でのシリカ粒子の移動速度は、シリカ粒子が占める体積と相関するため、シリカ粒子が凝集している場合には、凝集したシリカ粒子(二次粒子)の粒子径を求めることができる。そのため、DLS径dDLSとBET径dBETとの比から、シリカ粒子の凝集度合いを見積もることができる。
表面処理前のシリカ粒子のdDLSは、シリカ粒子を粒子濃度が1質量%以上15質量%以下(好ましくは3質量%以上12質量%以下、より好ましくは5質量%以上10質量%以下)となるようにメタノールに分散させた分散体にレーザー光(好ましくは波長650nm)を照射し、その散乱光強度の時間的な揺らぎ変動から光子相関法により自己相関関数を求め、キュムラント法により平均粒子径(流体力学径)として算出することができ、二次粒子の粒子径の指標となる。
また、表面処理前のシリカ粒子の比表面積は、好ましくは30〜1000m2/g、より好ましくは100〜700m2/g、さらに好ましくは150〜500m2/gである。前記シリカ粒子の比表面積は、BET法により測定することができる。
また、シリカ粒子は、後述する通り、アルコキシシランを加水分解縮合させる、いわゆるゾルゲル法で製造されているため、通常、不純物としての金属(Fe等の遷移金属;Na等のアルカリ金属;Ca等のアルカリ土類金属;等)の含有量が低減されており、例えば、不純物金属の含有量は、表面処理シリカ粒子中5ppm未満であることが好ましく、より好ましくは1ppm未満である。また、不純物としての金属としては、Pb、Cr等の重金属、U、Th等の放射性物質が挙げられ、これらの金属の含有量も低減されていることが好ましい。重金属の含有量は1ppm未満が好ましく、放射性物質は0.1ppb未満が好ましい。前記不純物としての金属含有量は、高周波プラズマ発光分光分析装置(Agilent8800;アジレント・テクノロジー社製等)を用いて測定することができる。具体的には、表面処理シリカ粒子分散体を蒸発乾固し、得られた粉体試料(5g)を、フッ酸と硝酸の混合液に添加混合し、この混合液にさらに硝酸と過酸化水素水を順次添加して総量を50mLとしたものを測定試料液として測定することができる。
次に、表面処理剤について説明する。本発明における表面処理剤は、(i)チオール基を有するシランカップリング剤と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物(以下、表面処理剤Aと呼ぶ)、及び(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物(以下、表面処理剤Bと呼ぶ)、よりなる群から選択される少なくとも1種である。表面処理剤A及び表面処理剤Bは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を2以上有するため、表面処理剤A及び表面処理剤Bよりなる群から選択される少なくとも1種で表面処理されたシリカ粒子を含むハードコートは、耐擦傷性を向上できる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びこれらの混合物を示し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物を示すものとする。
(i)チオール基を有するシランカップリング剤と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物(表面処理剤A)
表面処理剤Aは、前記シランカップリング剤のチオール基と、前記(メタ)アクリレートモノマーの(メタ)アクリロイル基がチオマイケル付加反応により共有結合することにより、前記シランカップリング剤と前記(メタ)アクリレートモノマーが結合した化合物である。すなわち、表面処理剤Aは、2以上の(メタ)アクリロイル基と−CH2−CH2−S−結合とを有する1価の基と、加水分解性基とが、ケイ素原子に結合した化合物であるということもできる。前記ケイ素原子には、前記1価の基と前記加水分解性基以外の基が結合していてもよい。前記加水分解性基は、例えばアルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。前記加水分解性基の個数は、1以上であればよく、好ましくは2以上であり、より好ましくは3である。
チオール基を有するシランカップリング剤は、チオール基(−SH)を末端に有する1価の基と、アルコキシ基とが、ケイ素原子に結合した化合物であり、例えば下記式(s1)で表される。
Figure 2020059624
(上記式(s1)中、R31及びR32はそれぞれ独立にフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基であり、aは1〜10の整数であり、bは0〜2の整数である。)
チオール基を有するシランカップリング剤は、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、1−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、アルコール性OH基を3つ以上有する化合物の少なくとも3つのOH基が(メタ)アクリル酸とエステル結合した化合物挙げられる。前記したアルコール性OH基を3つ以上有する化合物としては、3価以上のアルコール;多価アルコールとジイソシアネートから得られるウレタン結合形成物であって、アルコール性OH基を3つ以上有する化合物;が挙げられる。3価以上のアルコールは、例えば3〜6価のアルコールが好ましい。
3価アルコールとしては、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
4価アルコールとしては、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン等が挙げられる。
5価アルコールとしては、アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等が挙げられる。
6価アルコールとしては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記表面処理剤Aは、下記式(A)で表されることが好ましい。
Figure 2020059624
(前記式(A)中、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数、X1は炭素数1〜4のアルコキシ基、R11は炭素数1〜4のアルキル基、R12は下記式(1A)で表される基である。)
Figure 2020059624
(前記式(1A)中、pは2〜10の整数であり、A1は直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)O−に置換された有機連結基であり、Ra1は独立に水素原子又はメチル基である。)
上記式(A)におけるX1は炭素数1〜2のアルコキシ基であることが好ましい。R11は炭素数1〜2のアルキル基であることが好ましい。mは1〜5が好ましい。nは2〜3が好ましく、3がより好ましい。X1、R11、m、nの前記好ましい要件を全て同時に満たすことが更に好ましい。
上記式(1A)におけるp個の(メタ)アクリロイルオキシメチル基は、A1における一つの炭素原子に結合していてもよいし、複数の炭素原子に(メタ)アクリロイルオキシメチル基が結合しており、−A1−基に結合する(メタ)アクリロイルオキシメチル基の合計がp個であってもよい。pは2〜5が好ましい。A1は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−に置換された有機連結基であることがより好ましい。A1が直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−に置換された有機連結基であり、かつpが2〜5であることが更に好ましい。
表面処理剤Aとしては、下記の化合物が好ましい。
Figure 2020059624
上記式(a1)〜(a4)中のRa1、X1、nは、上記式(1A)におけるRa1、X1、nと同義である。
(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物(表面処理剤B)
表面処理剤Bは、前記シランカップリング剤のイソシアネート基と、前記(メタ)アクリレートモノマーが有するヒドロキシ基とが反応して、ウレタン結合を形成することにより、前記シランカップリング剤と前記(メタ)アクリレートモノマーとが結合した化合物である。すなわち、表面処理剤Bは、2以上の(メタ)アクリロイル基とウレタン結合とを有する1価の基と、加水分解性基とが、ケイ素原子に結合した化合物であるということもできる。前記ケイ素原子には、前記1価の基と前記加水分解性基以外の基が結合していてもよい。前記加水分解性基は、例えばアルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。前記加水分解性基の個数は、1以上であればよく、好ましくは2以上であり、より好ましくは3である。
イソシアネート基を有するシランカップリング剤は、イソシアネート基(−N=C=O)を末端に有する1価の基と、アルコキシ基とが、ケイ素原子に結合した化合物であり、例えば下記式(s2)で表される。
Figure 2020059624
(上記式(s2)中、R41及びR42はそれぞれ独立にフェニル基又は炭素数1〜4のアルキル基であり、cは1〜10の整数であり、dは0〜2の整数である。)
1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは、アルコール性OH基を3つ以上有する化合物の2つのアルコール性OH基が(メタ)アクリル酸とエステル結合し、かつ少なくとも1つのアルコール性OH基が残存した化合物を挙げることができる。アルコール性OH基を3つ以上有する化合物としては、上記表面処理剤Aで例示したのと同様のものを挙げることができ、3〜6価のアルコールであることが好ましい。
1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記表面処理剤Bは、下記式(B)で表されることが好ましい。
Figure 2020059624
(前記式(B)中、tは1〜3の整数、sは1〜10の整数、X2は炭素数1〜4のアルコキシ基、R21は炭素数1〜4のアルキル基、R22は下記式(1B)で表される基である。)
Figure 2020059624
(前記式(1B)中、qは2〜5の整数、B1は直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜10の(q+1)価の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)O−に置換された有機連結基であり、Rb1は独立に水素原子又はメチル基である。)
上記式(B)におけるX2は炭素数1〜2のアルコキシ基であることが好ましい。R21は炭素数1〜2のアルキル基であることが好ましい。sは1〜5が好ましい。tは2〜3が好ましく、3がより好ましい。X2、R21、s、tの前記好ましい要件を全て同時に満たすことが更に好ましい。
上記式(1B)におけるq個の(メタ)アクリロイルオキシメチル基は、B1における一つの炭素原子に結合していてもよいし、複数の炭素原子に(メタ)アクリロイルオキシメチル基が結合しており、−A1−基に結合する(メタ)アクリロイルオキシメチル基の合計がq個であってもよい。qは2〜5が好ましい。B1は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−に置換された有機連結基であることがより好ましい。B1が直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−に置換された有機連結基であり、かつqが2〜5であることが更に好ましい。
表面処理剤Bとしては、下記の化合物が好ましい。
Figure 2020059624
上記式(b1)〜(b4)中のRb1、X2、tは、上記式(1B)におけるRb1、X2、tと同義である。
表面処理剤は、表面処理剤Aの少なくとも1種であることが好ましく、表面処理剤Aの中でも特に上記(a3)式及び(a4)式で表される表面処理剤の少なくとも1種を用いることがより好ましい。
本発明の表面処理シリカ粒子は、上述した表面処理剤(A及びB)以外のシランカップリング剤、ジシラザン化合物、及びチタンカップリング剤の少なくとも一種で更に表面処理されていてもよく、上述した表面処理剤以外のシランカップリング剤及びジシラザン化合物の少なくとも一種で表面処理されていることが好ましい。
上述した本発明の表面処理剤以外のシランカップリング剤は、中心ケイ素原子に加水分解性基(加水分解によりシラノール基を形成しうる基)及び官能基が結合した化合物であり、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等の重合性二重結合基含有アルコキシシラン化合物((メタ)アクリロイル基は含まない);2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン;3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化アルキルアルコキシシラン化合物;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン化合物;3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有アルコキシシラン化合物;トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ化アルキルアルコキシシラン化合物;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のアリールアルコキシシラン化合物;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を一つ有するアルコキシシラン化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロシラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。
前記ジシラザン化合物は、分子中に、Si−N−Si結合を有する化合物を意味する。前記ジシラザン化合物としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサメチルジシラザンリチウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウム、ヘキサメチルジシラザンカリウム等が挙げられる。
次に、シリカ粒子(表面処理前)の製造方法、及び表面処理剤A及びBの少なくとも一種を用いて前記シリカ粒子を表面処理して表面処理シリカ粒子を製造する方法を説明する。
本発明のシリカ粒子は、アルコキシシランを塩基性触媒、及び、窒素原子を有する芳香族複素環化合物(以下、「含窒素芳香族複素環化合物」)の存在下で加水分解縮合することにより製造することができる。アルコキシシランは塩基性触媒の存在下で加水分解縮合され、このときアルコキシシランに含まれるケイ素原子が、塩基性触媒に由来するOH-や他のアルコキシシランの加水分解縮合物に由来するOSi-から求核攻撃を受け、SN2反応に類似した機構で反応が進むとされている(G.J.Brinker、外1名,「SOL−GEL SCIENCE」,1990,ACADEMIC PRESS LIMITED,p116−139)。この加水分解縮合が進むほど、アルコキシシランの中心ケイ素原子に求電子性の高いヒドロキシ基、SiO−基などがより多く結合することとなり、中心ケイ素原子がより求核攻撃を受けやすくなって、加水分解縮合がさらに進みやすくなるのが通常である。ところが本発明では、共存させている含窒素芳香族複素環化合物とヒドロキシ基の水素原子と相互作用することで、中心ケイ素原子の反応性を下げ、加水分解縮合をゆるやかにして、粒子径が小さくとも凝集の抑制されたシリカ粒子が得られるものと考えられる。なお、アルコキシシランの加水分解縮合によって得られるシリカ粒子は通常、上記特許文献1に開示される水ガラス法により製造されるシリカ粒子に比べて、シリカ粒子表面のシラノール基量が多い。
前記アルコキシシランは、ケイ素原子の置換基としてアルコキシ基を有する化合物であり、ケイ素原子の置換基として、アルコキシ基の他に、炭素数2〜6のアルキル基、又は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有していてもよい。また、前記アルキル基の水素原子は、ハロゲン原子、ビニル基、グリシジル基、メルカプト基、アミノ基等で置換されていてもよい。
ケイ素原子の置換基としてアルコキシ基のみを有する4官能性アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。また、ケイ素原子の置換基として、アルコキシ基と無置換のアルキル基を有するアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等の3官能性アルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等の2官能性アルコキシシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等の1官能性アルコキシシラン;等が挙げられる。さらに、ケイ素原子の置換基として、アルコキシ基と置換アルキル基を有するアルコキシシランとしては、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロアルキル基含有アルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有アルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の芳香族基含有アルコキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシジル基含有アルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン;等が挙げられる。
中でも、1〜4官能性アルコキシシランが好ましく、より好ましくは3〜4官能性アルコキシシランであり、さらに好ましくは4官能性アルコキシシランである。アルコキシシランの官能数(アルコキシ基の数)が多いほど、得られるシリカ焼成体中に不純物が混入しにくくなる。焼成シリカに用いられるアルコキシシランのうち、4官能性アルコキシシラン(好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン)が90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上であり、上限は100質量%である。また、反応性の観点から、アルコキシ基の炭素数は1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることがさらに好ましい。すなわち、本発明のシリカ粒子に特に好ましく用いられるアルコキシシランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。
アルコキシシランを加水分解・縮合する反応液中、アルコキシシランの濃度は、0.05mmol/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.1mmol/g以上であり、上限は特に限定されないが、例えば3mmol/g以下であることが好ましい。反応液中、アルコキシシランの濃度がこの範囲にあると、反応速度の制御が容易となり、粒子径を均一にすることができる。
また、前記反応液中、水の濃度は、2mmol/g〜25mmol/gであることが好ましい。ただし、アルコキシシランの加水分解・縮合により水の量は変化するので、仕込み時(加水分解・縮合の開始前)の量を基準とする。水とアルコキシシランのモル比(水/アルコキシシラン)は、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましい。水とアルコキシシランのモル比がこの範囲にあると、シリカ粒子の内部に残存するシラノール基が低減されやすくなる。
前記塩基性触媒としては、アンモニア類、アミン類、第4級アンモニウム化合物等が挙げられる。前記アンモニア類としては、アンモニア;尿素等のアンモニア発生剤;等が挙げられる。また、前記アミン類としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン;シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;ベンジルアミン等の芳香族アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;等が挙げられる。また、前記第4級アンモニウム化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
中でも、粒子径の制御が容易である観点から、アンモニア類、アミン類が好ましい。また、得られるシリカ粒子の純度を高める観点からは、シリカ中から除去が容易な触媒であることが好ましく、具体的には、アンモニア類、アミン類が好ましく、アンモニア、脂肪族アミンがより好ましい。また、触媒効果と除去容易性を兼ね備える観点からは、アンモニア類が好ましく、アンモニアが特に好ましい。
反応液中、塩基性触媒の濃度は、0.8mmol/g〜2mmol/gであることが好ましい。また、塩基性触媒と、塩基性触媒と水との合計の質量比(塩基性触媒/(塩基性触媒+水))は、0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上であり、0.4以下であることが好ましく、0.32以下であることがより好ましい。
前記含窒素芳香族複素環化合物としては、環上に窒素原子を有する芳香族複素環化合物が好ましく、例えば、ピリジン、キノリン等の窒素原子を1個有する単環又は多環の化合物;ビピリジン、イミダゾール等の窒素原子を2個以上有する単環又は多環の化合物;等が挙げられる。前記含窒素芳香族複素環化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。含窒素芳香族複素環化合物として、ピリジン及びイミダゾールの少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
反応液中、含窒素芳香族複素環化合物の濃度は、0.01mmol/g〜1mmol/gであることが好ましい。また、含窒素芳香族複素環化合物と塩基性触媒との質量比(含窒素芳香族複素環化合物/塩基性触媒)は、0.01以上であることが好ましく、より好ましくは0.02以上であり、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
アルコキシシランを加水分解・縮合する際には、さらに希釈剤を共存させてもよい。希釈剤を含有することで、疎水性のアルコキシシランと水とが混合しやすくなり、反応液中でアルコキシシランの加水分解・縮合の進行度合いを均一にすることができるとともに、得られるシリカ粒子の分散性が向上する。希釈剤としては水溶性有機溶媒が好ましく、水溶性有機溶媒としては、アルコール溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチルアルコール等のモノオール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類;等が挙げられ、アルコール類が好ましい。
反応液中、希釈剤は、40質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上であり、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは65質量%以下である。
また、希釈剤は、アルコキシシランと水の合計100質量部に対して、120質量部以上であることが好ましく、より好ましくは150質量部以上、さらに好ましくは180質量部以上であり、500質量部以下であることが好ましく、より好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは250質量部以下である。
希釈剤が多いほど、反応の進行度合いを均一にしやすくなり、また、希釈剤が少ないと、反応速度を高めることができる。ただし、アルコキシシランの加水分解・縮合により、アルコールの量が変化するので、前記希釈剤の量は、仕込み時(加水分解・縮合の開始前)の量を基準とする。
反応液には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等のパラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;等の疎水性有機溶媒が含まれていてもよい。これらの疎水性有機溶媒を用いる場合、分散性を向上させるため界面活性剤を添加してもよい。
上記各成分は、適当な順で混合してもよいが、例えば、少なくとも上記各成分の一部(例えば、水、塩基性触媒、含窒素芳香族複素環化合物、希釈剤等)を予め混合した予備混合液を調製した後、アルコキシシランと混合してもよい。アルコキシシランは、予め希釈剤と混合した後、予備混合物と混合してもよい。
アルコキシシランを加水分解・縮合する際、反応温度は、0〜100℃が好ましく、20〜70℃がより好ましく、20〜50℃がさらに好ましい。また、加水分解・縮合継続時間は、30分〜100時間であることが好ましく、1〜20時間がより好ましく、2〜10時間がさらに好ましい。
前記アルコキシシランの加水分解・縮合後の反応液に、前記表面処理剤A及びBの少なくとも1種を添加することで、本発明の表面処理シリカ粒子を製造できる。言い換えると、本発明の表面シリカ粒子は、BET法により比表面積から算出したdBETが1nm以上100nm以下であり、且つ、動的光散乱法により測定される平均二次粒子径dDLSと、前記dBETとの比(dDLS/dBET)が、1.2以下であるシリカ粒子を、前記表面処理剤A及びBの少なくとも1種で表面処理することで製造できる。
前記表面処理剤A及びBの合計量は、前記アルコキシシランの加水分解・縮合後の反応液100質量部に対して、例えば3〜12質量部であり、好ましくは4〜10質量部であり、より好ましくは5〜8質量部である。
本発明の表面処理シリカ粒子が、上記した表面処理剤A及びBに加えて更に、ジシラザン化合物、チタンカップリング剤、及び上述した表面処理剤以外のシランカップリング剤の少なくとも一種で表面処理される場合には、前記アルコキシシランの加水分解・縮合後の反応液に、表面処理剤A及びBと共に添加すればよい。
本発明の表面処理シリカ粒子と溶媒(以下、「分散溶媒」という場合がある。)とを含む表面処理シリカ粒子分散体も本発明の技術的範囲に含まれる。前記表面処理シリカ粒子分散体中で、表面処理シリカ粒子は分散溶媒中に分散していることが好ましい。本発明の表面処理シリカ粒子分散体は、均一性が良好である。
表面処理シリカ粒子の濃度は、表面処理シリカ粒子分散体100質量%中、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
前記分散溶媒としては、水;アルコール系溶媒;エーテル系溶媒;ケトン系溶媒;炭化水素系溶媒;ハロゲン化炭化水素系溶媒;フェノール等のフェノール系溶媒;エステル系溶媒;等の中から選択できる。分散溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。
前記アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノール、メチルブタノール、ネオペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、ヘキサノール、2−ヘキサノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、オクタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等のモノオール系溶媒;エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、エチルペンタンジオール等のジオール系溶媒;グリセリン、ヘキサントリオール等のトリオール系溶媒;メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシメトキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、イソペンチルオキシエタノール、ヘキシルオキシエタノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、メトキシプロパノール(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、エトキシプロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール等のエーテルアルコール系溶媒;クロロエタノール、クロロプロパンジオール、トリフルオロエタノール等のハロゲン化アルコール系溶媒;ヒドロキシプロピオニトリル;アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール系溶媒;等が挙げられる。
前記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等の脂肪族炭化水素エーテル系溶媒;ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル等の芳香族炭化水素エーテル系溶媒;プロピレンオキシド、フラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系溶媒;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル等のポリエーテル系溶媒;等が挙げられる。
前記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等が挙げられる。
前記炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル等の塩素化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
前記エステル系溶媒としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル等のギ酸エステル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の酢酸エステル系溶剤;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル等のプロピンオン酸エステル系溶媒;γ−ブチロラクトン:エチレングリコールモノアセテート;二酢酸エチレン;エチレングリコールエステル;ジエチレングリコールモノアセテート;炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸エステル;乳酸エチル等の乳酸エステル;等が挙げられる。
前記表面処理シリカ粒子分散体は、表面処理シリカ粒子を分散溶媒中に分散させることにより製造してもよいし、シリカ粒子を調製した際の反応液中の溶媒を分散溶媒に溶媒置換することにより製造してもよい。溶媒置換する場合、表面処理前又は表面処理後のシリカ粒子分散体を限外濾過膜により濾過しながら分散溶媒を添加することで、シリカ粒子を調製する際に用いた塩基性触媒や含窒素芳香族複素環化合物等を除去することができる。溶媒置換は、シリカ粒子の表面処理後に行うことが好ましい。
すなわち、表面処理シリカ粒子分散体の製造方法としては、アルコキシシランを、水と、塩基性触媒と、窒素原子を有する芳香族複素環化合物の存在下で加水分解し、アルコキシシランの加水分解・縮合後の反応液を、限外ろ過膜によりろ過する方法を挙げることができる。加水分解・縮合後の反応液に表面処理剤を添加した後、限外ろ過膜によりろ過することが好ましい。該製造方法において、限外ろ過膜によりろ過しながら、前記反応液の分散媒(反応溶媒)とは異なる分散媒(例えば、水又はアルコール系溶媒)を添加してもよく、このようにすることで反応溶媒とは異なる溶媒にシリカ粒子が分散したシリカ粒子分散体を得ることができる。限外ろ過後のシリカ粒子分散体は、更に陽イオン交換樹脂で処理し、前記シリカ粒子分散体の溶媒とは異なる溶媒(例えばエーテル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、フェノール系溶媒及びエステル系溶媒から選ばれる少なくとも一種)に置換することが好ましい。このようにすることで、例えばエーテル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、フェノール系溶媒及びエステル系溶媒から選ばれる少なくとも一種にシリカ粒子が分散したシリカ粒子分散体を製造できる。前記した陽イオン交換樹脂での処理では、粒子表面に吸着した塩基性触媒などを除去できる。前記エーテル系溶媒等への置換は、前記シリカ粒子分散体の溶媒の一部が置換されていてもよいし、全部が置換されていてもよい。置換されるシリカ粒子分散体の溶媒は、遠心分離や、溶媒留去などの固液分離手段によって除去されることが好ましい。
陽イオン交換樹脂は、従来公知のものを使用可能であり、弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂のいずれを用いてもよい。弱酸性陽イオン交換樹脂としては、例えばアンバーライトIRC−76(オルガノ(株)製)、ダイヤイオンWK10、WK20(三菱化学(株)製)、レバチットCNP80(バイエル(株)製)等が挙げられる。強酸性陽イオン交換樹脂としては、例えばアンバーリスト16、アンバーライトIR−120B(オルガノ(株)製)、ダイヤイオンPK−208、PK−228、PK−216、(三菱化学製)、デュオライトC−26、デュオライトES−26(住友化学製)、MSC−1、88(ダウ社製)などが挙げられる。
本発明の表面処理シリカ粒子と重合性単量体とを含む表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物も本発明の技術的範囲に含まれる。
表面処理シリカ粒子の濃度は、表面シリカ粒子含有樹脂組成物100質量%中、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であってもよい。
前記重合性単量体としては、1種又は2種以上を用いることができ、単官能単量体及び架橋性単量体が挙げられる。
前記単官能単量体は、重合可能な炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物であればよく、1種又は2種以上を用いることができ、(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基含有単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体等が挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;2,4−ジブロモ−6−sec−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモ−6−イソプロピルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;ベンジル(メタ)アクリレート、ペンタブロモベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のアリールオキシ単位を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニルチオエチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルチオエチル(メタ)アクリレート、2−ナフチルチオエチル(メタ)アクリレート等のアリールチオオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
架橋性単量体は、炭素−炭素二重結合を複数含有する化合物であればよい。該架橋性単量体としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のネオペンチルグリコールポリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エポキシ化(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート;グリセリルトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート等のグリセリルポリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の多官能スチレン系単量体;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリルエステル系単量体;2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート;ウレタンアクリレートオリゴマー(例えば、紫光(登録商標)シリーズ(日本合成化学工業(株)製)、CNシリーズ(サートマー社製)、ユニディック(登録商標)シリーズ(DIC(株)製)、KAYARAD(登録商標) UX シリーズ(日本化薬(株)製)等);等が挙げられる。
重合性単量体の含有量は、表面処理シリカ粒子100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上であり、好ましくは500質量部以下、より好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。
本発明の表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物は、さらに重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤などが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。なお、光重合開始剤のなかには熱重合開始剤として作用するものがあり、また、熱重合開始剤のなかには光重合開始剤として作用するものがあるので、両性質を有するものは、光照射または加熱により、活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物を硬化させることができる。重合開始剤のなかでは、形成された被膜、活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物が適用される基材などに熱履歴を与えないことから、光重合開始剤が好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの油溶性開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素などの水溶性過酸化物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などの水溶性アゾ化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの熱重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オキシフェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]−エチルエステル、オキシフェニルアセチックアシッド2−[2−ヒドロキシエトキシ]−エチルエステル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]2−モルホリノプロパン−1−オン、2−モルホリノプロパン−1−オン、ヨードニウム、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、(4−メチルフェニル[4−(2−メチルプロピル)フェニル])−ヘキサフルオロフォスフェート、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物は、必要に応じて溶媒を含んでいてもよい。シリカ粒子含有樹脂組成物に含まれる溶媒としては、前記分散溶媒と同様の溶媒が挙げられる。溶媒の含有量は、表面処理シリカ粒子100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上であり、好ましくは2000質量部以下、より好ましくは1000質量部以下である。
前記表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物は、前記表面処理シリカ粒子分散体と、重合性単量体とを混合することにより製造することができる。必要に応じて、溶媒を除去してもよい。
前記シリカ粒子含有樹脂組成物の硬化物(例えば硬化塗膜)も本発明の技術的範囲に包含される。
前記硬化物について、後記する実施例に示す方法で測定した鉛筆硬度は、2H以上が好ましく、より好ましくは3H以上であり、更に好ましくは4H以上であり、上限は限定されないが、例えば7Hである。
前記硬化物の全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上であり、99%以下であってもよい。硬化塗膜の全光線透過率は、濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−5000)を用いて、JIS K7361−1の規定に準拠して求めることができる。
前記硬化物のヘイズは、1.5%以下が好ましく、より好ましくは1.3%以下であり、更に好ましくは1.0%以下であり、一層好ましくは0.90%以下であり、下限は特に限定されないが、例えば0.3%であってもよい。硬化物のヘイズは、濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−5000)を用いて、JIS K7136:2000の規定に準拠して求めることができる。
前記硬化物の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは7μm以下である。
前記硬化物は、シリカ粒子含有樹脂組成物を、基板上やフィルム上に塗工し、硬化させることにより製造することができる。シリカ粒子含有樹脂組成物が重合性単量体や重合開始剤を含む場合、熱や光(紫外線)照射により硬化させてもよい。
本発明の表面処理シリカ粒子は、ハードコート用コーティング材料に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記実施例及び比較例で得られたシリカ粒子及びシリカ粒子含有樹脂組成物は、下記の方法で評価した。
[表面処理前のシリカ粒子のBET法平均粒子径(BET径)の測定]
得られたシリカ粒子を110℃で真空乾燥した後、マウンテック(株)製マックソーブ1210全自動ガス吸着量測定装置を用い、BET法によりシリカ粒子の比表面積を測定した。以下の式に基づいて、BET径を求めた。シリカの密度は2.2g/cm3とした。
BET(μm)=6/(BET法により測定したシリカ粒子の比表面積(m2/g)×シリカの密度(g/cm3))
[表面処理前のシリカ粒子の動的光散乱法に基づく平均粒子径(DLS径)の測定]
濃厚系粒径アナライザー(大塚電子株式会社製、FPAR1000、レーザー光の波長650nm)で測定した粒子径をDLS径として示す。動的光散乱法での測定用サンプルとしては、シリカ粒子分散液(シリカ粒子の割合9%のメタノール分散体)を用いた。
[平均粒子径及び変動係数の測定]
任意に採取した表面処理シリカ粒子分散体を、1視野に含まれるシリカ粒子の数が100〜300個程度となる測定倍率で、透過型電子顕微鏡を用いて観察し、得られた5視野以上の透過型電子顕微鏡画像において、該電子顕微鏡画像に含まれる全粒子の一次粒子径を測定して平均値を求め、表面処理シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径を求めた。なお、各粒子の長径を、各粒子の一次粒子径とした。また、一次粒子径の標準偏差を求め、下記式に基づいて、変動係数(%)を求めた。
変動係数(%)=(一次粒子径の標準偏差/一次粒子の平均粒子径)×100
[球形度の測定]
任意に採取した表面処理シリカ粒子分散体を、1視野に含まれるシリカ粒子の数が50〜100個程度となる測定倍率で透過型電子顕微鏡を用いて観察し、得られた5視野以上の透過型電子顕微鏡画像において、該電子顕微鏡画像に含まれる全粒子の短径と長径を測定し、短径を長径で除すことにより個々の粒子の球形度を求め、全粒子の球形度の平均値を算出した。
[全光線透過率とヘイズの測定]
全光線透過率とヘイズは、いずれも濁度計(日本電色工業製、NDH−5000)を用いて測定した。全光線透過率はJIS K7361−1の規定に準拠し、ヘイズはJIS K7136:2000の規定に準拠して求めた。
[鉛筆硬度試験]
硬化塗膜表面の鉛筆硬度を、JIS K5600に準拠して測定した。具体的な手順は以下の通りである。鉛筆の木部分だけを削り取り、円筒状の芯を5〜6mm残す。その後、研磨紙にて芯の先端を平坦にする。試験時毎回、芯の先端は研磨紙にて平坦にする。JISにて定められた試験機に鉛筆をセットする。この試験機は水平位置の時に鉛筆の先が硬化塗膜に対して45±1°、750±10gの荷重になるようにする。鉛筆の先端を硬化塗膜面上に置いたのち、上述の荷重を維持しつつ0.5〜1mm/sの移動速度で試験機を7mm以上移動させる。試験部分を変えながら、少なくとも3mm以上の傷跡が生じるまで鉛筆の硬度を上げて試験を行う。傷跡が生じなかったもっとも硬い鉛筆の硬度を、この試験における鉛筆硬度とする。
[耐擦傷性試験]
硬化塗膜表面を、#0000スチールウールを用いて、1500g荷重/cm2、10往復擦ったときの傷の本数に応じて、下記基準で耐擦傷性を評価した。試験はストローク長5cm、1往復/秒の速さで行った。
○:目視で観察した際の傷つきがない
△:目視で観察した際の傷が1〜3本
×:目視で観察した際の傷が4本以上
合成例1
ペンタエリスリトールテトラアクリレート10.6g(新中村化学工業製 A−TMMT)に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製KBM−803)5.9gを添加し、トリエチルアミン0.15g(和光純薬製)を加え、室温で5時間反応させることで、下記式で表される表面処理剤A1を調製した。
Figure 2020059624
合成例2
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート28.9g(新中村化学工業製 A−DPH)に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製KBM−803)9.8gを添加し、トリエチルアミン0.25g(和光純薬製)を加え、室温で5時間反応させることで、下記式で表される表面処理剤A2を調製した。
Figure 2020059624
製造例1
工程(a)
撹拌機、滴下口、温度計を備えた20LのSUS製容器にメタノール8120gと、水1426g、25%アンモニア水を846g、ピリジン90gを加え、30分撹拌することで均一な溶液を得た。該溶液を49〜51℃に調整し撹拌しながら、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)2840gを滴下口から1時間かけて滴下した。滴下終了後も引き続き1時間加水分解を行うことで、シリカ粒子のアルコール性溶液分散体(1)を得た。得られた分散体(1)を再び50℃に加温を行い、前記表面処理剤A1を900gと、ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業製KBM−3063)を205g、ヘキサメチルジシラザン(信越化学工業製SZ−31)50gを滴下口から6時間かけて滴下した。滴下終了後も引き続き1時間熟成を行うことで、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のアルコール性溶液分散体(2)を得た。
なお、アルコール性溶液分散体(1)で得られたシリカ粒子(すなわち、表面処理前のシリカ粒子)のBET径(dBET)は11.8nmであり、DLS径(dDLS)は12.6nmであり、dDLSと前記dBETとの比(dDLS/dBET)は1.07であった。
工程(b)
工程(a)で得られた分散体(2)を、分画分子量約10000のセラミック製の管状限外ろ過膜が装着された市販の限外ろ過膜を用いて、室温でメタノールを適宜加えながら、溶媒置換を行い、SiO2濃度約11%になるまで濃縮することで、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のメタノール分散体(3)を得た。
工程(c)
得られたシリカ粒子メタノール分散体(3)を、水素型強酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120B(オルガノ製)を充填したカラムに、室温条件下、1時間あたりの空間速度3の通液速度で通過させ、さらに3μmPTFE製メンブレンフィルターでろ過することにより、酸性アクリル基含有疎水性粒子のメタノール分散体(4)を得た。得られた分散体(4)1800gをロータリーエバポレーターで減圧蒸留により濃縮しながら、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)800gを逐次添加することで、溶媒置換を行い、表面処理されたSiO2濃度が約30%になるように濃縮することで、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(5)を得た。
製造例2
製造例1の工程(a)で添加する900gの表面処理剤A1を1250gの表面処理剤A2に変更する以外は、製造例1の工程(a)及び工程(b)と同様の処理を行い、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のメタノール分散体(6)を得た。
前記アクリル基含有疎水性シリカ粒子メタノール分散体(6)に対して、製造例1の工程(c)と同様の処理を行い、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(7)を得た。
製造例3
製造例1の工程(a)で添加する900gの表面処理剤A1を3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン385gに変更する以外は、製造例1の工程(a)及び工程(b)と同様の処理を行い、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のメタノール分散体(8)を得た。
前記アクリル基含有疎水性シリカ粒子のメタノール分散体(8)に対して、製造例1の工程(c)と同様の処理を行い、アクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(9)を得た。
実施例1
茶色褐色ガラス瓶に、製造例1で合成したアクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(5)を6.7g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製KAYARD DPHA)を2.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを11.3g、Irgacure 184(光ラジカル重合開始剤、チバジャパン製)を0.06g仕込み、得られたシリカ粒子含有組成物を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4300 膜厚100μm)上に、膜厚5μmになるようにバーコーターで塗工を行い、80℃で10分乾燥後、高圧水銀ランプで500mJ/cm2の紫外線を照射することにより硬化させ、硬化塗膜を得た。
実施例2
アクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(5)に代えて、製造例2で合成したアクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(7)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化塗膜を得た。
比較例1
アクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(5)に代えて、製造例3で合成したアクリル基含有疎水性シリカ粒子のPGM分散体(9)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化塗膜を得た。
比較例2
上記特許文献1の実施例7と同様の要領で、ペンタエリスリトールトリアクリレートと3−メルカプトプロピルトリメトキシシランにより調製した多官能アクリレートモノマー変性修飾剤(表面処理剤A3)にシリカ粒子分散MIBK溶液(日産化学工業株式会社製、MIBK−ST)を添加し、室温で撹拌後、メチルエチルケトンと水の混合液を加えて一晩室温で撹拌し、多官能アクリレートモノマー変性修飾剤にて修飾されたシリカ粒子を含む反応溶液の調製を試みた。しかし、溶液がゲル化したため、シリカ粒子と単量体とを含む樹脂組成物の作製には至らなかった。
得られた硬化塗膜の諸物性を、下記表1に示す。また、実施例1〜2及び比較例1〜2における硬化塗膜の厚みは、いずれも5μmであった。なお、比較例2の欄に記載した変動係数と球形度は、表面処理前のシリカ粒子で測定した値である。
Figure 2020059624
表1によれば、本発明で特定する表面処理剤で表面処理されたシリカ粒子が、本発明で特定する範囲の一次粒子径の変動係数と球形度を有する実施例1、2では、硬化塗膜の耐擦傷性が良好である。一方、表面処理剤として、単官能である3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた比較例1では、硬化塗膜の耐擦傷性が劣る結果となった。

Claims (6)

  1. 表面処理剤で表面処理されたシリカ粒子であって、
    前記表面処理剤は、(i)チオール基を有するシランカップリング剤と、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物、及び(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と、1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物、よりなる群から選択される少なくとも一種であり、
    透過型電子顕微鏡で測定した一次粒子径の変動係数が20%以下であり、
    球形度が0.90以上であることを特徴とする表面処理シリカ粒子。
  2. 前記(i)チオール基を有するシランカップリング剤と、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとのチオマイケル付加反応物が下記式(A)で表され、前記(ii)イソシアネート基を有するシランカップリング剤と、1以上のヒドロキシ基を有する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの結合物が下記式(B)で表される請求項1に記載の表面処理シリカ粒子。
    Figure 2020059624
    (前記式(A)中、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数、X1は炭素数1〜4のアルコキシ基、R11は炭素数1〜4のアルキル基、R12は下記式(1A)で表される基である。)
    Figure 2020059624
    (前記式(1A)中、pは2〜10の整数であり、A1は直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)O−に置換された有機連結基であり、Ra1は独立に水素原子又はメチル基である。)
    Figure 2020059624
    (前記式(B)中、tは1〜3の整数、sは1〜10の整数、X2は炭素数1〜4のアルコキシ基、R21は炭素数1〜4のアルキル基、R22は下記式(1B)で表される基である。)
    Figure 2020059624
    (前記式(1B)中、qは2〜5の整数、B1は直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜10の(q+1)価の炭化水素基又は該炭化水素基のメチレン鎖の一部が−O−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)O−に置換された有機連結基であり、Rb1は独立に水素原子又はメチル基である。)
  3. 透過型電子顕微鏡で測定した一次粒子径の平均値が5〜100nmである請求項1又は2に記載の表面処理シリカ粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理シリカ粒子と溶媒とを含む表面処理シリカ粒子分散体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理シリカ粒子と重合性単量体とを含む表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の表面処理シリカ粒子含有樹脂組成物の硬化物。
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