JP2013075822A - 表面処理シリカ系粒子の製造方法 - Google Patents

表面処理シリカ系粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノオーダーの微細な粒径を有していながら、高い疎水性を示し、透明樹脂に対しての分散性が著しく高められた表面処理シリカ系粒子を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡で測定して平均粒子径が1〜50nmの範囲あるシリカ系粒子であって、個々の粒子が、疎水性シランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理シリカ系粒子及びその製造方法に関するものであり、より詳細には高い疎水性を示すように表面処理されたシリカ系粒子及びその製造方法に関する。
一般に、樹脂材料は、無機材料に比べて軽量かつ成形の自由度が大きいというメリットがあるが、その一方で、熱膨張係数が大きいとか、硬度が低いために表面が傷つき易いなどの欠点がある。このような樹脂材料の欠点を克服するために、一般に、シリカ等の無機酸化物の粒子を充填材として配合することが行われており、特に、透明な樹脂材料に配合する場合には、透明性を損なわずに、各種の機械的特性を改善するために、微細な粒径の無機酸化物粒子が使用されている。
ところで、平均粒子径が1〜50nmの範囲のナノオーダーの粒径を有する無機酸化物の微細粒子(ナノ粒子)は、一般に粒子表面が親水性のため、親水性の樹脂に対しては非常に分散性も良好であるが、工業的に利用されている樹脂の多くは疎水性のため、親水性のナノ粒子は透明樹脂との相溶性が悪く、十分に分散しないことが多く、期待していたような効果(透明性や表面硬度の向上)が発揮できないことが多い。そのため、分散剤を添加して無機酸化物のナノ粒子の樹脂に対する相溶性を向上させたり、シランカップリング剤を用いての表面処理によって疎水性が付与された無機酸化物のナノ粒子を用いることなどが提案されている(特許文献1〜6参照)。
特開2004−175915号公報 特開2003−73558号公報 特開2007−314484号公報 特開2008−7381号公報 特開平10−36415号公報 特開2002−169007号公報
上記の特許文献のように分散剤やシランカップリング剤を用いる方法では、これらが使用されない場合と比較すると、ある程度は透明樹脂に対する相溶性が向上し、透明性の低下を回避することができるが、その程度は十分でない。
従って、本発明の目的は、ナノオーダーの微細な粒径を有していながら、高い疎水性を示し、透明樹脂に対しての分散性が著しく高められた表面処理シリカ系粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、特に疎水性のシランカップリング剤により表面処理されたナノオーダーのシリカ系粒子について検討を重ねた結果、従来、公知の方法で表面処理されたシリカ系粒子は、その粒径がナノオーダーであるが故に、十分に表面処理が行われておらず、この結果、透明樹脂に対する分散性が効果的に向上されていないが、その表面処理を特定の方法で行うことにより、疎水性のシランカップリング剤により十分な表面処理が行われ、透明樹脂に対する分散性を著しく向上させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、
電子顕微鏡で測定される粒子径が1〜50nmのシリカ系粒子が分散した液を湿式法により調製する工程;
疎水性シランカップリング剤を水の存在下で部分加水分解する工程;
前記部分加水分解物を含む液と、前記シリカ系粒子が分散された液とを混合し、pHが9〜12において、該部分加水分解物を該シリカ系粒子と反応させる工程;
前記部分加水分解物と該シリカ系粒子との反応によって得られた分散液を限外ろ過法により溶媒置換を行い、未反応のカップリング剤などを除去して単一の溶媒に置換する工程;
を含むことを特徴とする表面処理シリカの製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、
(1)前記疎水性シランカップリング剤として、前記式(1)で表されるトリアルコキシシランを使用すること、
(2)疎水性シランカップリング剤の部分加水分解を、該カップリング剤に対して1〜3倍当量の水によって行うこと、
が好適である。
本発明の表面処理シリカ系粒子は、平均粒径が1〜50nmと著しく微細であるばかりか、親水性有機溶媒(イソプロピルアルコール)と親油性有機溶媒(n−ヘプタン)との1:1(重量比)混合溶媒に分散させたときに、80%以上の高い可視光透過率を示すという点に顕著な特徴を有している。即ち、このような疎水性の高い混合溶媒に分散させたときにも高い透明性が確保されることは、この表面処理シリカ系粒子は、著しく微細な粒径を有しているにもかかわらず、粒子同士が結合しての凝集をほとんど生じておらず、実質上、所謂一次粒子の形態で存在しており、個々の粒子が疎水性のシランカップリング剤により効果的に表面処理されていること(即ち、シランカップリング剤による表面被覆率が極めて高いこと)を物語っている。即ち、粒子の一部が凝集していたり、粒子の一部が表面処理されていないような場合には、上記のような親水性溶媒(イソプロピルアルコール)と疎水性溶媒(n−ヘプタン)との混合溶媒に分散させたときの分散液が白濁してしまい、その可視光透過率が80%よりも低くなってしまうからである。
従って、本発明の表面処理シリカ系粒子は、特に透明樹脂に対する分散性に優れており、例えば後述する実施例7及び8の実験結果から理解されるように、透明樹脂に配合した場合の透明度の低下を有効に回避し、透明度(可視光透過率)の高い樹脂コンポジットを得ることができる。
上記のような特性を有する本発明の表面処理シリカ系粒子は、湿式法により得られたシリカ系粒子を原料として使用し、所定のナノオーダーの粒径を有する微細なシリカ系粒子が溶媒に分散した分散液を使用し、この分散液に、予め水により部分加水分解された疎水性シランカップリング剤の液を添加して反応させることにより製造される。
即ち、無機酸化物ナノ粒子をシランカップリング剤で表面処理することは、極めて一般的に行われているが、従来の方法では、高度に表面処理を行うことが困難であり、特にナノオーダーの無機粒子に対し均一且つ高被覆率の処理を行うことができなかったのである。
例えば、一次粒子径がナノオーダーの粒子は、一旦乾燥させてしまうと粒子同士が極めて強固な凝集を起こすので、再分散がほぼ不可能となってしまう。このような凝集した乾燥粒子にカップリング剤を用いて表面処理を行うことはできるが、元々凝集した粉末を一次粒子まで解砕することが困難な上、カップリング剤自身が重合してしまったり、或いはカップリング剤により粒子同士が化学的に結合させてしまうこともある。従って、乾式法により得られたナノオーダーの微細な無機粒子について、シランカップリング剤により効果的に表面処理を行うことは事実上不可能であるといってよい。
一方、湿式法により得られる無機粒子では、一次粒子径が50nm以下のナノオーダーであったとしても、乾燥されず、液中に存在していれば、凝集せずに、一次粒子の形態が保持されるため、その状態でシランカップリング剤による処理が良好に実施できれば被覆率の高い表面処理が実現できる可能性がある。しかしながら、疎水性のシランカップリング剤は、当然のことながら、比較的疎水性の高い有機官能基(例えばアルキル基)を有しており、一方、湿式法による無機粒子は、一般的に親水性の高い溶媒中に分散した形で得られる。従って、親水性の溶媒中に分散しているナノオーダーの粒径を有する無機粒子を、疎水性のシランカップリング剤で表面処理することとなり、やはり、効果的に表面処理を行うことが困難となっている。
しかるに、本発明の製造方法においては、疎水性シランカップリング剤を水により部分加水分解した後に、シリカ系粒子の分散液に添加して表面処理を行うため、疎水性カップリング剤に適度の親水性が付与された状態で表面処理が行われることとなり、この結果、疎水性のシランカップリング剤による表面処理が高度に行われ、前述したように、ナノオーダーの微細な粒径を有していながら、個々の粒子が表面処理され、透明樹脂に配合された場合にも高い透明性を維持することが可能な表面処理シリカ系粒子が得られるのである。
表面処理シリカ系粒子の製造;
本発明の表面処理シリカ系粒子は、湿式法により得られたシリカ系粒子(以下、原料シリカ系粒子と呼ぶことがある)が分散した分散液を使用し、この分散液に、疎水性のシランカップリング剤の部分加水分解物の液に添加して表面処理を行うことにより、製造される。
<原料シリカ系粒子>
本発明において、表面処理に供する原料シリカ系粒子は、所定のナノサイズの平均粒子径、具体的には1〜50nm、好適には1〜35nm、最も好ましくは5〜25nmの平均粒子径を有するものであり、湿式法により得られたものであれば、シリカ粒子に限定されず、例えばシリカ−チタニアやシリカ−ジルコニアといったシリカ系複合酸化物の微細粒子であってもよい。
尚、粒径が上記範囲よりも小さいものは、製造が困難な上、シランカップリング剤による表面処理も難しく、また、上記範囲よりも大きな粒子は、可視光の散乱が大きくなるため、例えば、透明樹脂に配合したときに透明性を低下せしめてしまう。
湿式法には、加水分解法、中和法、イオン交換法、沈殿法など多くの方法が提案、実施されているが、溶媒中に分散した微細なナノ粒子を容易に、しかも比較的粒径の揃った形態で得ることができるという観点から、シラン化合物を加水分解・縮合させるゾルゲル法を用いることが最も好適である。
かかるゾルゲル法において、原料のシラン化合物としては、下記一般式:
Si(OR)
または、
SiR′(OR)4−n
式中、R及びR′は、アルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、ブチル基等の炭素数が4以下の低級アルキル基であり、
nは1〜3の整数である、
で表されるアルコキシシランが好適であり、このようなアルコキシシランは、1種単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。本発明においては、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランが最も好適である。
尚、上記のようなアルコキシシランは、部分的に加水分解した低縮合物の形で入手することもでき、このような縮合物を使用することもできる。
また、シリカ−チタニアやシリカ−ジルコニアなどのシリカ系複合酸化物粒子は、上記のようなアルコキシシランと共に、チタンやジルコニウムのアルコキシド、例えばチタンイソプロポキシドやチタンブトキシド、ジルコニウムブトキシドなどを併用することにより得られる。
このようなシリカ系複合酸化物粒子においては、シリカの特性が損なわれないように、少なくとも50モル%以上の量で前述したアルコキシシランを用いるのがよい。また、このようなチタンアルコキシドやジルコニウムアルコキシドの併用により、粒子の屈折率等の物性を調整することができる。
また、ゾルゲル法において、上記のシラン化合物は、触媒を含んだ水溶液に添加され、これにより該シラン化合物が加水分解・縮合して目的の微細なシリカ粒子が分散した液が得られる。
上記の触媒としては、上記のようなアルコキシシランなどの金属アルコキシドの加水分解触媒として機能するもの、例えば、N(CHなどのアミン化合物、アンモニア、或いはLiOH、NaOH、KOH、N(CHOHなどの塩基が好適に使用される。これらの中でも、アンモニアは気化しやすく、合成後に容易に除去できるため、加水分解用の触媒として極めて好適である。
触媒の量は、用いる触媒の種類などによっても異なるために一概には言えないが、一般的には、反応系のpH、即ち、前述したシラン化合物が添加されたときの溶液のpHが8〜12、好ましくは9〜11.5、最も好適には10〜11の範囲に維持されるような量で上記触媒が使用される。例えば、触媒として最も好適なアンモニアでは、触媒水溶液中のNH含量が0.01〜5重量%、特に0.03〜3重量%の範囲が好適である。また、このような触媒量を変えることによって、最終的に得られるシリカ系ナノ粒子の粒子径を制御することもできる。一般に、触媒量が少ないほど、ナノ粒子径は小さくなる傾向がある。
また、シラン化合物の加水分解のために水が必須であるため、溶媒としては水或いは水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が使用される。この場合、用いるシラン化合物の種類等によっても異なるが、反応液中の水の量は、3重量%以上、特に5重量%以上とするのがよい。この場合、反応の継続中に反応液中の水がゼロにならないようにする必要がある。
また、水と混合する水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類を挙げることができ、これらは、単独または複数混合して用いることができる。これらの中でもメタノール、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール類はアルコキシシランや水との相溶性も高く、また粘度も低いために、極めて好適に使用される。
上記のような水溶性有機溶媒の使用は、生成するシリカ系粒子をナノオーダーの微粒子径に調節する上で有利であり、前述した水の量が確保できるような範囲の量で使用される。
なお、アルコキシシラン等のアルコキシドが加水分解するとアルコールが生成するので、合成終了後には反応液中のアルコールの比率は上昇する。初期の反応液は触媒と水だけであっても、合成終了後はアルコキシシラン等が加水分解して生成したアルコールを含むことになる。
原料シラン化合物の加水分解縮合は、この原料シラン化合物を、反応槽に充填されている反応液(触媒水溶液或いは触媒水溶液/水溶性有機溶媒混合溶媒溶液)に、混合攪拌下に液中滴下することが好ましい。
この液中滴下とは、上記原料を反応液中に滴下する際、滴下ノズルの口先端(滴下口先端)が反応液中に浸されていることを意味する。滴下口先端の位置は、液中にあれば特に限定されないが、攪拌羽根の近傍などの十分に攪拌が行われる位置が望ましい。液中滴下をせずに、例えば、反応液の上部から液上滴下した場合には粒子の凝集を生じ易くなってしまうため好ましくない。
加水分解を行うときの反応槽の温度は、0〜60℃の範囲であれば良く、用いるシラン化合物(アルコキシシラン)の種類によって適宜選択される。また、温度を変えることによってナノ粒子の粒子径を制御できる場合もある。
その他、加水分解に使用する反応容器、上記以外の反応条件等は公知のものが何ら制限なく採用される。
以上のようにして、アルコキシシラン等のケイ素化合物等が加水分解・縮合し、前述したナノオーダーの平均粒径(1〜50nm、好ましくは1〜35nmの範囲、最も好ましくは5〜25nm)を有しており、球形状のシリカナノ粒子が、反応液中に分散した分散液の形態で得られる。このようなナノ粒子は、一般的には可視光を散乱しないため、多くの場合、見た目には透明な分散液として得られる。
得られたナノ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡の撮影像を解析することによって確認できる。また、乾燥させた粒子の比表面積を測定し、下記の式より平均粒子径を算出することもできる。
d=6/(S×D)
式中、dは平均粒子径(μm)
Sは比表面積(m/g)
Dは粒子の密度(g/cm
尚、上記では、ゾルゲル法を例にとってナノオーダーの粒径を有するシリカ系粒子の製造方法について記述したが、湿式法で製造され、ナノ粒子分散液として市販されている市販のシリカ系粒子を用いることも勿論可能である。
<シリカ系粒子の分散液>
上記のようにして得られたナノオーダーのシリカ系粒子が分散した分散液は、アンモニアなどの触媒や水、さらに金属アルコキシドの加水分解によって生成したアルコールや有機溶媒等が含まれているため、後述のシランカップリング剤による表面処理の操作を再現性良く行うためには、単一の溶媒で溶媒置換するのが好ましい。特に、親水性と疎水性の両方の溶媒と相溶性のある、メタノールなどのアルコール類で溶媒置換することが最適である。
溶媒置換の方法としては、蒸留法や限外ろ過法などが採用できる。蒸留法は、前記分散液の溶媒を留去しながら、置換しようとする単一溶媒を加え続け、溶媒置換する方法である。また、限外ろ過法は、前記分散液の溶媒を、ろ過膜を通過させて分離除去しながら、置換しようとする単一溶媒を該分散液側に添加する操作により、溶媒置換を行う方法である。
尚、溶媒置換して得られるシリカ系粒子の分散液におけるシリカ系粒子の濃度は、後述する表面処理に際して、シランカップリング剤の溶液(部分加水分解溶液)と均一に混合し得る程度であれば特に制限されないが、一般的には、1乃至15重量%程度の範囲、好適には2乃至8重量%程度の範囲とするのがよい。
また、上記分散液は、pHを、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリや炭酸ソーダ等の添加により、9〜12、特に10〜11の範囲に調節しておくことが好ましい。このようなpH調節により、シリカ系ナノ粒子の凝集が効果的に防止できる。なお、前記のpH調節剤としては、アンモニアが気化し易く、除去も容易なために好適である。
<シランカップリング剤>
本発明において、上述した分散液中のシリカ系粒子に疎水性を付与するための表面処理剤としては、疎水性のシランカップリング剤が使用される。このシランカップリング剤は、アルキル基やアリール基などの本質的に疎水性の官能基と、シリカ系粒子表面のシラノール基などの親水性基と反応し得る基を生成する加水分解性の官能基とを有するものであり、シリカ系粒子表面との反応性及び疎水性の観点から、疎水性の官能基を1個有し、且つ加水分解性の官能基を3個有するシラン化合物が好適に使用される。
このような疎水性のシランカップリング剤の代表例としては、下記式(1):
−Si(OR …(1)
式中、Rは、アルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、
は、アルキル基である、
で表されるトリアルコキシシランを挙げることができる。
上記のトリアルコキシシランにおいて、基Rが疎水性の基であり、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などを例示することができ、これらは、環状構造を有していてもよいし、分岐構造を有していてもよく、一般に、直鎖の炭素数が多いほど、疎水性の程度が大きい傾向がある。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基などを挙げることができ、アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等を例示することができる。
また、上記のアルキル基、アルケニル基、アリール基は、その疎水性を阻害しない限り、各種の置換基を有していてもよく、例えばフッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子や、シアノ基、イソシアネート基、(メタ)アクリロキシ基などの疎水性基を置換基として有していてもよい。さらに上記のアルキル基は、疎水性の置換基として上記で例示したアリール基を有していてもよいし、上記のアリール基は、疎水性の置換基としてアルキル基を有していてもよい。
さらに、上記のトリアルコキシシラン中のアルコキシ基(OR)は加水分解性の基であり、このアルコキシ基中のアルキル基Rの例としては、上記の基Rに関して例示したものを挙げることができるが、特に加水分解性の点や合成の容易さなどの点から炭素数が4以下の低級アルキル基が好適である。特に、アルコキシ基(OR)としてはメトキシ基とエトキシ基が最も好適に採用される。
上述したトリアルコキシシランの好適例としては、
メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、
イソプロピルトリメトキシシラン、
n−ブチルトリメトキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、
ペンチルトリメトキシシラン、
n−ヘキシルトリメトキシシラン、
n−オクチルトリメトキシシラン、
イソオクチルトリメトキシシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、
ドデシルトリメトキシシラン、
ヘキサデシルトリメトキシシラン、
n−オクタデシルトリメトキシシラン、
スチリルエチルトリメトキシシラン、
フェネチルトリメトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、
シクロペンチルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、
ベンジルトリメトキシシラン、
3−(ペンタフルオロフェニル)プロピルトリメトキシシラン、
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、
クロロフェニルトリメトキシシラン、
(クロロメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
アリルトリメトキシシラン、
ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、
2−シアノエチルトリメトキシシラン、
3−シアノプロピルトリメトキシシラン、
等を挙げることができ、これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。さらに、上記で例示した化合物中のメトキシ基をエトキシ基に置換した化合物(例えばメチルトリエトキシシランなど)も、疎水性のシランカップリング剤として、上記と同様に好適に使用できる。
本発明においては、上記で例示した化合物の中でも、特に、ナノ粒子に対する被覆率を高くでき、疎水性の高い表面処理が容易に行えるものとして、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシランなどが好適であり、最も疎水性を向上させるものとしては、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランなどのフッ素原子を疎水性置換基として有しているものが好適である。さらに、樹脂、特に透明樹脂との相溶性を直接的に向上させるという点で、樹脂を構成するモノマーとの共重合性を有する官能基、例えばアルケニル基や(メタ)アクリロキシ基などを有している3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが好適である。
<シランカップリング剤の部分加水分解>
本発明においては、上記のような疎水性のシランカップリング剤を用いて表面処理に先立って、このシランカップリング剤を部分加水分解せしめることが重要である。即ち、この部分加水分解処理によって、シランカップリング剤として用いるシラン化合物中にシラノール基(SiOH基)が生成し、このシランカップリング剤を、水或いは親水性有機溶媒中に分散している微細なシリカ系粒子表面と効果的に反応させて表面処理を行うことが可能となる。この場合において、シランカップリング剤中の加水分解性基であるアルコキシ基が全て加水分解してしまうと、シランカップリング剤同士の脱水縮合反応が無視し得ないほど進行してカップリング剤のオリゴマー化が生じてしまい、この結果、表面処理を効果的に行うことが困難となる。即ち、ナノオーダーの粒径を有するシリカ系粒子の表面をシランカップリング剤で効果的に被覆することができず、特に透明樹脂に対する分散性が不十分となってしまう。
上記のようなシランカップリング剤の部分加水分解処理は、このカップリング剤を1〜3倍当量、好ましくは1〜2倍当量の水と混合することにより行われる。必要以上の量の水を使用すると、加水分解が進行し過ぎてカップリング剤同士の脱水縮合反応が顕著となり、カップリング剤のオリゴマー化を生じ易くなってしまい、また、水の量が少なすぎると、シランカップリング剤の部分加水分解率が低く、このため、分散液中のシリカ系粒子の表面処理を効果的に行うことができず、この場合にも、透明樹脂に対する分散性を向上させることが困難となってしまう。部分加水分解処理は、原料のシランカップリング剤のアルコキシ基の少なくとも一つが、80%以上、好ましくは90%以上が部分的に加水分解してシラノール基が生成している状態が好適である。上記カップリング剤の部分加水分解率は、ガスクロマトグラフなどを用いて確認できる。
また、上記の水には、酸又はアルカリの添加により、酸性或いはアルカリ性にpH調整されていることが好ましく、これにより、部分加水分解を迅速に進行させることが可能となる。例えば、酸性の場合には、硫酸、塩酸、硝酸などにより、pHが2〜5の範囲、特にpH4前後に調整されていることが好ましく、アルカリ性の場合には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどにより、pHが9〜11の範囲、特にpH10前後に調整されていることが好ましい。この場合、加水分解に引き続く脱水・縮合反応を抑制するという観点からは、酸性サイドにpH調整されていることが好ましい。
部分加水分解処理の時間は、用いるシランカップリング剤の種類(反応性)や触媒の使用量などにも依存するので一概には言えないが、5分から数時間の範囲が好ましい。
また、部分加水分解に際しては、必要により加熱を行ってもよい。
<表面処理>
本発明においては、上記のように部分加水分解されたシランカップリング剤が分散乃至溶解している液と、前述したナノオーダーの大きさのシリカ系ナノ粒子が分散した分散液とを混合することにより、該粒子の表面処理が行われる。上記混合は、一般に、シリカ系ナノ粒子が分散した分散液に部分加水分解されたシランカップリング剤が分散乃至溶解している液を滴下して行なう方法が推奨される。
尚、上記の表面処理に際しては、上記混合液のpHを、アンモニア、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリや炭酸ソーダ等の添加により、9〜12、特に10〜11の範囲に調節しておくことが好ましい。このようなpH調節により、シリカ系ナノ粒子の凝集が防止できると共に、カップリング剤の部分加水分解によって生成したシラノール基とシリカ系ナノ粒子表面のシラノール基との脱水縮合反応が促進され、個々のシリカ系ナノ粒子に対して効果的に表面処理を行うことができる。
尚、表面処理に際して用いるシランカップリング剤の量は、得られる表面処理シリカ系粒子(ナノ粒子)の所定の混合溶媒中での可視光透過率が80%以上となるような量で使用されるが、このナノ粒子をシランカップリング剤により均一に被覆するための理論使用量(g)は、下記式によって求めることができる。
[カップリング剤の理論使用量]=A・B/C
式中、Aは、表面処理すべきシリカ系ナノ粒子の重量(g)であり、
Bは、上記ナノ粒子の比表面積(m/g)であり、
Cは、カップリング剤の最小被覆面積(m/g)である。
また、上記のカップリング剤の最小被覆面積C(m/g)は下記式によって求められる。
最小被覆面積C
=(6.02×1023×13×10−20)/(シランカップリング剤の分子量)
本発明において、所定の可視光透過率を得るためのシランカップリング剤の使用量は、上記で算出される理論使用量の1〜3倍量、好ましくは1〜2倍量、さらに好ましくは1.1〜1.5倍量とするのがよい。この使用量が上記範囲よりも少ない場合には、ナノ粒子に対するカップリング剤の被覆率が低くなり、付与される疎水性の程度が不十分となり、特に透明樹脂に対する分散性が低下し、上記範囲よりも多量に使用した場合は、カップリング剤同士の重合物やナノ粒子の凝集なども懸念されるので、好ましくない。
上記のようにして得られる表面処理シリカ系粒子は、水等を含む水溶性有機溶媒中に分散した状態で得られるが、かかる分散液は、限外ろ過法により溶媒置換を行い、単一の溶媒に置換する工程を実施することが必要である。即ち、限外ろ過法は、前記したように、分散液の溶媒を、ろ過膜を通過させて分離除去しながら、置換しようとする単一溶媒を該分散液側に添加する操作により、溶媒置換を行う方法であり、かかる操作を行うことにより、ろ過膜を通過する溶媒と共に、溶媒中に遊離しているカップリング剤を該溶媒と共に除去することができ、前記表面処理シリカ系粒子の再凝集を効果的に防止し、分散液において優れた透明性を有する本発明の表面処理シリカ粒子を得ることができる。
表面処理シリカ系粒子;
かくして得られる本発明の表面処理シリカ系粒子(ナノ粒子)は、前述した原料シリカ系粒子と同様、極めて微細なナノオーダーの粒径を有しており、電子顕微鏡で測定して平均粒子径が1〜50nm、好ましくは1〜35nmの範囲、最も好ましくは5〜25nmの範囲にあり、凝集しておらず、前述した疎水性のシランカップリング剤によって個々の粒子が被覆されており、従って、極めて高い疎水性を示す。
また、高い疎水性を示し、しかもナノオーダーの微細な粒径を有しており、凝集していないことから、重量比が1:1のイソプロピルアルコールとn−ヘプタンの混合溶媒に該粒子を3質量%含む分散液では、その可視光透過率が80%以上、特に85%以上、最も好ましくは90%以上となっており、該分散液は高い透明性を有している。
即ち、本発明の表面処理シリカ系ナノ粒子は、疎水性が高いために、もはや水には分散しないが、メタノールなどの低分子量のアルコールには良く分散し、透明な状態を維持する。一方、n−ヘプタンのような疎水性の極めて高い飽和炭化水素類に対しては、完全に相溶する訳ではなく、分散液は白濁することがある。粒度分布計のデータなどから、ナノ粒子の疎水性の度合いが不十分な場合に起こる上記白濁の原因は、粒子同士が凝集し、粒径が大きくなったためであるが、本発明では、上記のように親水性の有機溶媒であるイソプロピルアルコールと疎水性有機溶媒であるn−ヘプタンとの1:1(重量比)で高い可視光透過率を示していることから、該ナノ粒子は高い疎水性を示すと同時に粒子同士の凝集が効果的に抑制され、所謂単分散の状態で存在しているものと言える。
樹脂コンポジット;
上述した本発明の表面処理シリカ系ナノ粒子は、粒子径が著しく微細なナノオーダーであり、しかも凝集をほとんど生じておらず、高い単分散性と同時に、極めて高い疎水性を示すため、各種樹脂に均一分散させることができ、これにより、樹脂の耐熱性(熱膨張係数)や表面硬度、強度などの機械的特性の調整を行うことができる。例えば、1〜50質量%の範囲、特に1〜30質量%、最も好ましくは3〜20質量%の範囲で、本発明の表面処理シリカ系ナノ粒子を含有する樹脂コンポジットは、樹脂の耐熱性や機械的特性が効果的に改善されている。さらに、透明樹脂が使用されている場合には、このナノ粒子が凝集せずに均一に分散されるため、その優れた透明性が維持されることとなる。
尚、表面処理シリカ系ナノ粒子が混合される樹脂は、熱可塑性樹脂のみならず、硬化型樹脂であってもよい。
また、表面処理シリカ系ナノ粒子と樹脂との混合手段としては、公知の手法が制限なく利用できる。
例えば、溶媒に可溶性の樹脂と混合する場合には、透明樹脂と表面処理ナノ粒子の双方に対して相溶性のある有機溶媒に両者を分散させ、両分散液を混合した後、溶媒を除去することにより、両者を均一に混合することができる。
また、樹脂を形成するモノマーと相溶性のある有機溶媒に分散させたナノ粒子を用い、該モノマーとナノ粒子とを混合した後、溶媒を除去して、ナノ粒子の分散したモノマーを重合させることができる。この場合、モノマーと共に、架橋剤や熱重合開始剤或いは光重合開始剤を使用することにより、硬化型樹脂にナノ粒子を均一分散させることも可能となる。特に、このようなモノマーと混合する場合、前述したシランカップリング剤としては、該モノマーと共重合可能な有機官能基(例えばビニル基や(メタ)アクリル基など)を有するシラン化合物が好適に使用される。
さらには、本発明の表面処理シリカ系ナノ粒子は、シランカップリング剤の被覆率が非常に高く、乾燥させても凝集し難いという特性を有しているため、溶媒を除去して乾燥させたナノ粒子と樹脂とを、溶融混練により混合することもできる。
上述したように、本発明の表面処理シリカ系ナノ粒子は、50nm以下のナノオーダーの微細な粒径を有しており、高い疎水性を示し、しかも凝集し難いという特性を有しているため、樹脂コンポジット、特に透明樹脂コンポジットとしての用途に極めて有用であるが、その特性を活かしてその他の用途に適用することもできる。例えば、透明性を維持したまま、各種の媒体や樹脂の粘度を調整したり、チキソトロピー性を発現させたり、耐熱性や補強性を向上させることなどの用途に適用することができる。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
尚、以下の例において、各種の測定は以下の方法により行った。
(粒径の測定)
平均粒子径は、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡の撮影像を用いて100個以上の粒子のデータを解析することにより求めた。
(可視光透過率)
表面処理したナノ粒子を、重量比1:1のイソプロピルアルコールとn−ヘプタンの混合溶媒に固形分濃度が3質量%になるように分散した。
該分散液を光路長1cmの石英セルに入れて分光光度計にセットし、波長593nmの透過率を測定して、可視光透過率とした。なお、純水を満たした光路長1cmの石英セルを参照セルとして用いた。
(フロータビリティ)
疎水性の高い粉体は水に浮遊し、沈降しないという性質がある。この現象を下記のようにして数値で表すようにした。まず、表面処理したナノ粒子を乾燥させて粉末を得た。体積比を種々変えた、水とメタノールの混合溶媒を準備した。次に、各種の混合溶媒に、前記の粉末をゆっくりと加え、沈降するかどうかを確認した。粉末が沈降し始めたときの混合溶媒中のメタノールの含有率(体積分率)をフロータビリティと定義し、記録した。
具体的には、表面処理していない親水性の高い粉末(例えば、未処理のシリカ)は、水となじみが良いのでフロータビリティは0%であることが多い。例えば、テフロン(登録商標)のような極めて撥水性の高い粉末は水には沈まないのでフロータビリティはほぼ100%に近い値を示す。
(原料シリカ系粒子の製造例1)
撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応器に純水とアンモニア水(25質量%)をそれぞれ1776gおよび4.4g仕込み、反応液の温度を40℃に保持しつつ90rpmで撹拌した。
次に、2リットルの三角フラスコに、
テトラメトキシシラン[(Si(OMe)、多摩化学工業(株)製] 304g
メタノール152g
を仕込み、アルコキシシラン溶液を調製した。
この溶液を3g/minの速度で反応液中に液中滴下してシリカナノ粒子Aを合成した。滴下終了後60分間撹拌を続けた後、溶液を取り出した。取り出した溶液は透明であった。
続いて、限外ろ過装置(アドバンテック東洋(株)製、UHP−62Kに、同社製の分画分子量50,000のウルトラフィルターを装着)を用いて溶媒置換を行った。方法としては、メタノールによる希釈と限外ろ過装置による濃縮を繰り返し、上記のシリカナノ粒子Aを含んだ溶液の溶媒をメタノールに置換した。限外ろ過の条件は、圧力0.3MPaで10時間行った。最終的な溶液中のシリカの固形分濃度は5%になるように調整した。上記の条件で溶媒置換した分散液をガスクロマトグラフを用いて分析したところ、溶媒の99重量%以上がメタノールに置換していた。また、上記分散液のpHは、25℃で8.2であった。
また、得られたシリカナノ粒子Aを透過型電子顕微鏡で観察した結果、粒子形状はほぼ球状で、観察した視野の範囲では粗粒は観察されなかった。平均粒子径は8.1nm、粒子径の変動係数は9.6%であった。
(原料シリカ系粒子の製造例2)
純水の代わりにメタノールを使用し、メタノールとアンモニア水の仕込み量をそれぞれ、2091gおよび249gとし、反応液の温度を50℃、原料のテトラメトキシシランの使用量を124g、メタノールを62gとした以外は前記製造例1と同様にしてシリカナノ粒子Bを合成し、メタノールに溶媒置換した分散液を調製した。
分析の結果、粒子形状はほぼ球状で、観察した視野の範囲では粗粒は観察されず、平均粒子径は23nm、粒子径の変動係数は11.2%であった。
(原料シリカ系粒子の製造例3)
純水の代わりにメタノールを使用し、メタノールとアンモニア水の仕込み量をそれぞれ、1161gおよび139gとし、反応液の温度を40℃、原料のテトラメトキシシランの使用量を242g、メタノールを121gとした以外は前記製造例1と同様にしてシリカナノ粒子Cを合成し、メタノールに溶媒置換した分散液を調製した。
分析の結果、粒子形状はほぼ球状で、観察した視野の範囲では粗粒は観察されなかった。平均粒子径は66nm、粒子径の変動係数は8.5%であった。
(実施例1)
製造例1で得られたシリカナノ粒子Aのメタノール分散液を用いて、シランカップリング剤による表面処理を行った。シランカップリング剤としては、分子内にアルコキシ基を3個有するトリアルコキシシランの一種である、メチルトリメトキシシランを使用した。
まず、撹拌羽根付きの内容積2リットルのガラス製反応器に、
固形分濃度が5%のシリカナノ粒子Aのメタノール分散液700g、
アンモニア水(25質量%)40g
を仕込み、反応液の温度を40℃に保持しつつ200rpmで撹拌した。なお、上記の組成の反応液のpHは、25℃で10.9であった。
シリカナノ粒子Aの平均粒子径(一次粒子径)は8.1nmであるので、理論比表面積は前記式を用いて370m/gと計算される。なお、シリカの密度は2.0g/cm3とした。メチルトリメトキシシランの最小被覆面積は前記の式を用いて計算すると575m/gであるので、カップリング剤の理論使用量は22.5gと計算される。
上記理論使用量の1.2倍のカップリング剤を準備し、重量比で2倍のメタノールで希釈して撹拌した。続いて、カップリング剤に対して1倍当量の水を含むpH4の塩酸水溶液を加え、約60分間撹拌した。
なお、1時間後の上記液をGC/MSで分析したところ、原料のシランカップリング剤の94%が、アルコキシ基が加水分解してシラノール基が生成していることが確認された。
続いて、カップリング剤を含む溶液を前記の反応器に、2時間かけて液中滴下した。滴下終了後、24時間以上撹拌し続けてから溶液を取り出した。
取り出した溶液は前出の限外ろ過装置を用いて溶媒をメタノールに置換した。
上記溶液をエバポレータ装置に移し、メタノールを蒸留しながら、溶媒にイソプロピルアルコールを少しずつ添加し、溶媒をメタノールからイソプロピルアルコールに置換した。このときナノ粒子の固形分濃度は15%であった。
次に、上記固形分濃度が15%のイソプロピルアルコール分散液とイソプロピルアルコールとn−ヘプタンを用いて、イソプロピルアルコールとn−ヘプタンの重量比が1:1、且つ、固形分濃度が3%になるようにして、3つの溶液を混合した。その結果、イソプロピルアルコールとn−ヘプタンとの1:1(重量比)混合溶媒に3質量%の濃度で表面処理シリカ粒子が分散された分散液が準備できた。
上記分散液の可視光透過率を測定したところ、96%であった。また、フロータビリティは30%であった。透過型電子顕微鏡で分散液中の粒子を観察したところ、前記のナノ粒子Aの製造例1で記載したのと同じ結果であった。
(実施例2)
シランカップリング剤として、メチルトリメトキシシランの代わりに、分子内にアルコキシ基を3個有するトリアルコキシシランの一種である、n−プロピルトリメトキシシランを用い、カップリング剤に対して2倍当量の水を含むpH4の塩酸水溶液を加え、約10分間撹拌した以外は実施例1と同様にして表面処理を行った。
その結果、可視光透過率は93%、フロータビリティは35%であった。
(実施例3)
シランカップリング剤として、メチルトリメトキシシランの代わりに、分子内にアルコキシ基を3個有するトリアルコキシシランの一種である、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランを用い、カップリング剤に対して2倍当量の水を含むpH4の塩酸水溶液を加え、約60分間撹拌した以外は実施例1と同様にして表面処理を行った。
その結果、可視光透過率は88%、フロータビリティは55%であった。
(比較例1)
カップリング剤に対して0.7倍当量の水を含むpH4の塩酸水溶液を加えた以外は実施例1と同様にして表面処理ナノ粒子を調製し、評価した。
その結果、分散液は見た目にも白濁しており、可視光透過率は28%、フロータビリティは10%であった。
(比較例2)
カップリング剤に対して3.5倍当量の水を含むpH4の塩酸水溶液を加えた以外は実施例1と同様にして表面処理ナノ粒子を調製し、評価した。
その結果、可視光透過率は54%、フロータビリティは35%であった。
(比較例3)
反応液にアンモニア水(25質量%)を加えなかった以外は実施例1と同様にして表面処理ナノ粒子を調製し、評価した。なお、このときの反応液のpHは、25℃で8.2であった。
その結果、分散液は見た目にも白濁しており、可視光透過率は21%、フロータビリティは10%であった。
(実施例4)
反応液に加えるアンモニア水(25質量%)の量が4gである以外は実施例1と同様にして表面処理ナノ粒子を調製し、評価した。なお、このときの反応液のpHは、25℃で10.2であった。
その結果、分散液は透明で、可視光透過率は90%、フロータビリティは30%であった。
(比較例4)
シランカップリング剤として、メチルトリメトキシシランの代わりに、分子内にアルコキシ基を2個有するジアルコキシシランの一種である、ジメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にして表面処理を行った。なお、このとき、カップリング剤の最小被覆面積は651m/gであるので、理論使用量の1.2倍のカップリング剤を準備し、重量比で2倍のメタノールで希釈し、撹拌した。続いて、カップリング剤の1.5倍当量の水を含むpH4の塩酸水溶液を加え、約60分間撹拌した。
その結果、可視光透過率は58%、フロータビリティは15%であった。
(実施例5および比較例5)
シリカナノ粒子Aの代わりに、製造例2のシリカナノ粒子B(実施例5)および製造例3のシリカナノ粒子C(比較例5)を用いた以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
その結果、実施例5の可視光透過率は90%と良好であったが、比較例5の可視光透過率は53%であった。また、フロータビリティは両方とも30%であった。
比較例5の粒子のフロータビリティは30%を示したので、実施例1や実施例5とほぼ同じ程度のカップリング剤による疎水化処理がなされていると考えられるが、ナノ粒子の粒子径が50nmよりもかなり大きいので可視光透過率が低かったものと考えられる。
(実施例7)
実施例2で得られた表面処理シリカナノ粒子を用いて、ナノコンポジットの実験を行った。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業製) 20g
光重合開始剤(イルガキュア−184) 0.2g
を混合して紫外線硬化性樹脂を用意した。
実施例2で得られたn−プロピルトリメトキシシランで表面処理されたシリカナノ粒子のイソプロピルアルコール分散液を用いて、前記紫外線硬化性樹脂に対して、重量比でナノ粒子の含有量が10%になるように添加し、十分に撹拌した。エバポレータを用いて溶媒のイソプロピルアルコールを留去し、ナノ粒子添加の紫外線硬化性樹脂組成物を得た。該樹脂組成物は透明であった。
次に、透明なポリエステルフィルムにバーコーターを用いて上記紫外線硬化性樹脂組成物をコーティングし、80Wの高圧水銀ランプを30秒間照射して樹脂を硬化させ、コーティングフィルムを得た。
上記フィルムは透明で、鉛筆硬度は2Hであった。
(実施例8)
シランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用した以外は、実施例3と同様にして高疎水性の表面処理シリカナノ粒子を得た。実施例1と同様にして可視光透過率を測定したところ、88%、フロータビリティは45%であった。
上記のナノ粒子を用いた以外は、実施例7と同様に紫外線硬化性樹脂組成物を調製し、コーティングフィルムを作製した。
その結果、上記の樹脂組成物は透明であり、また上記フィルムも透明で、鉛筆硬度は3Hであった。紫外線硬化樹脂の主成分が重合性のアクリル基を有しており、ナノ粒子の表面処理剤も重合性のアクリル基を有しているため、実施例7に比べて表面硬度が向上したものと推測される。
(比較例6)
ナノ粒子として、表面処理を施していない製造例1のシリカナノ粒子Aを使用した以外は、実施例7と同様に紫外線硬化性樹脂組成物を調製し、コーティングフィルムを作製した。
その結果、上記の紫外線硬化性樹脂組成物は、顕著な白濁が見られ、ナノ粒子が凝集していることが確認された。コーティングフィルムも完全な透明なものは得られず、濁りが観察された。

Claims (3)

  1. 電子顕微鏡で測定される粒子径が1〜50nmのシリカ系粒子が分散した液を湿式法により調製する工程;
    疎水性シランカップリング剤を水の存在下で部分加水分解する工程;
    前記部分加水分解物を含む液と、前記シリカ系粒子が分散された液とを混合し、pHが9〜12において、該部分加水分解物を該シリカ系粒子と反応させる工程;
    前記部分加水分解物と該シリカ系粒子との反応によって得られた分散液を限外ろ過法により溶媒置換を行い、未反応のカップリング剤などを除去して単一の溶媒に置換する工程;
    を含むことを特徴とする表面処理シリカ系粒子の製造方法。
  2. 前記疎水性シランカップリング剤として、下記式(1):
    −Si(OR …(1)
    式中、Rは、アルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、
    は、アルキル基である、
    で表されるトリアルコキシシランを使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. 疎水性シランカップリング剤の部分加水分解を、該カップリング剤に対して1〜3倍当量の水によって行う請求項1又は2に記載の製造方法。
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