JP2020058485A - エアセル部品、エアセルユニット、及びエアマットレス - Google Patents

エアセル部品、エアセルユニット、及びエアマットレス Download PDF

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Abstract

【課題】身体を支持する支持面が設けられたエアセルの形状や構造、或いは内圧等の使用形態によらず、底付きを防ぐことができるエアセル部品等を提供する。【解決手段】エアセル部品は、エアマットレスにおいて、使用者の身体が乗せられる支持面を有するエアセルを支持するエアセル部品であって、可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する複数のセルであって、互いに平行に配置された複数のセルと、該複数のセルのうち隣り合う2つのセル同士を接続する少なくとも1つの連結部と、を有し、複数のセルにエアを封入した場合に、複数のセルの外周面が接する平面と少なくとも1つの連結部の表面との間に、エアセルの一部を配置可能な凹部が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、床ずれ(褥瘡)防止用のエアセル部品、エアセルユニット、及びエアマットレスに関する。
床ずれ(褥瘡)とは、多くの場合、体重を受ける骨突出部等の局所の皮膚組織が圧迫され続けて虚血を起こすことより発生する、局所の皮膚圧迫潰瘍のことである。病気や怪我、老衰などにより、寝たきり又は身体を動かすことが困難な状態の人にとって、床ずれを防止することは非常に重要である。
床ずれ防止用のエアマットレスとしては、筒状に成形されたエアセルにエアを封入し、ベッドの長手方向と直交する向きに複数本並設したものが知られている(例えば特許文献1〜4参照)。床ずれ防止用のエアマットレスにおいては、通常、各エアセル内の空気圧を、使用者の身体が沈み込む程度に低圧に維持することにより、身体への接触圧を低減し、床ずれ防止を図っている。
特許文献1には、細長い袋状のエアセルをベッドの長手方向と直交する向きに寝かせた状態でベッドの長手方向に沿って複数本並設したエアマットレスにおいて、各エアセルを、袋状の内部空間を上下に二分する仕切り板を長手方向の両端部近傍まで側壁間に掛け渡して設けた構成とすることが開示されている。
特許文献2には、並設されたエアセルを複数の系統に分け、エアセルを系統ごとに順に膨張、収縮させることにより、エアセルを波動させる技術が開示されている。このようにエアセル内の圧力を順次変化させるエアマットレスは圧切替型と呼ばれる。なお、圧切替型エアマットレスは、医療機器ではなく、介護保険の適用のある「床ずれ防止用具」と称される福祉用具である。また、使用中にエアセル内の圧力を変化させないエアマットレスは静止型と呼ばれる。
特許文献3には、細長い平面形状をなす膨張可能なマットレスであって、マットレスの長手方向の軸に沿って延びる列に連続して配置され、各々が細長い形状をなす膨張可能な複数のセルを備えるエアマットレスが開示されている。また、特許文献3には、外側シートに内側シートをスポット溶接で固定することにより、エアセルを膨張させた際に、エアセルの支持面にプリーツを形成することが開示されている。
特許文献4には、エア供給口を有する中段セルと、中段セルよりも短い長さを有し、エア供給口を備え、中段セルの下面において中段セルの長手方向に沿って取り付けられ、互いに連通する第1及び第2下段セルと、中段セルの上面に中段セルの長手方向に沿って取り付けられ、複数の対を構成する上段セルとを有するエアマット用セルが開示されている。特許文献4においては、上段セルに比較的低い圧力のエアを充填する一方、下段セルには比較的高い圧力のエアを供給し、上段セルによって使用者との接触面積の増加を図ると同時に、下段セルによってエアマットの剛性を高めることとしている。
特開2005−6939号公報 特開2011−160894号公報 米国特許第5704084号明細書 国際公開第2015/162667号公報
エアセルの内圧を低圧に維持して使用するエアマットレスの場合、身体の一部分に体重が集中すると、この身体の一部分がエアマットレスに極端に沈み込み、いわば、エアセル表面のシートで身体の一部分を吊り下げているような状態(ハンモック現象ともいわれる)になってしまう。このような状態になると、当該身体部分への接触圧が大きくなると共に、使用者が体勢を変えることも困難になる。
また、使用者の身体がエアマットレスに沈むと、深く沈み込んだ部分がエアマットレスの底に到達してしまうおそれがある。このように身体がエアマットレスの底に到達した状態は、底付きと呼ばれる。底付きは、使用者の身体がベッドフレームの硬い床面にエアマットレスの薄いシートを介して当たっている状態なので、床ずれ防止機能が喪失している状態となり、使用者の安全性の観点から好ましくない。
さらに、一旦、底付きするほど身体がエアマットレスに沈んでしまうと、エアセル内にエアを追加で供給したとしても、エアは、体重がかかっていない箇所のエアセル内に流れてしまうので、身体を再びエアで支えた状態にするのは非常に困難である。
ハンモック現象に関し、特許文献3においては、エアセルの支持面に形成されたプリーツにより、エアマットレスに身体が深く沈む余裕が支持面に生まれ、ハンモッキングが回避されることとしている。しかしながら、特許文献3においては、エアマットレスに身体を沈み込ませた場合の底付きしてしまうおそれについては考慮されていない。
底付きを防ぐために、例えば、身体を支持するエアセルに対し、特許文献4に開示されているような下段セルを設けることも考えられる。しかしながら、例えば特許文献3のように、内側シートを両側の外側シートに交互にスポット溶接したエアセルでは、側面方向に膨張する領域(例えば、特許文献3の図3に示すサブセル20、21、22、23参照)が両側で互い違いになるので、エアセル全体の形状が、上方から見るとエアセルの長手方向の軸に対して蛇行しているような形状になり易い。そのため、このようなエアセルに下段セルを固定することは困難である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、身体を支持する支持面が設けられたエアセルの形状や構造、或いは内圧等の使用形態によらず、底付きを防ぐことができるエアセル部品、エアセルユニット、及びエアマットレスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様であるエアセル部品は、エアマットレスにおいて、使用者の身体が乗せられる支持面を有するエアセルを支持するエアセル部品であって、可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する複数のセルであって、互いに平行に配置された複数のセルと、前記複数のセルのうち隣り合う2つのセル同士を接続する少なくとも1つの連結部と、を有し、前記複数のセルにエアを封入した場合に、前記複数のセルの外周面が接する平面と前記少なくとも1つの連結部の表面との間に、前記エアセルの一部を配置可能な凹部が形成されるものである。
上記エアセル部品において、前記凹部に前記エアセルの一部を配置した場合に、前記凹部の両側に位置する2つのセルにより前記エアセルが支持されても良い。
上記エアセル部品において、前記少なくとも1つの連結部に、前記エアセルにエアを供給するためのエア供給管を挿通させる開口が設けられていても良い。
上記エアセル部品において、前記複数のセル及び前記少なくとも1つの連結部は、前記可撓性を有するシート材により一体的に形成され、前記複数のセルの間においてエアが流通可能であっても良い。
上記エアセル部品において、前記少なくとも1つの連結部の各々は、前記可撓性を有するシート材からなる袋体の一部を溶着することにより形成された溶着部であっても良い。
本発明の別の態様であるエアセルユニットは、前記エアセル部品と、前記複数のセルにエアを封入した場合に形成される少なくとも1つの前記凹部の各々に配置されたエアセルと、を備えるものである。
上記エアセルユニットにおいて、前記エアセルは、可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張する第2のセルと、可撓性を有する材料により形成され、前記第1及び第2の側壁を前記第2のセルの内部から複数箇所において接続部材であって、シート状をなし、主面において前記第1及び第2の側壁の各々に対して複数の接合部において接合された接続部材と、有しても良い。
本発明のさらに別の態様であるエアマットレスは、前記エアセルユニットが少なくとも一部に配置されたエアマットレスである。
本発明によれば、エアセル部品の複数のセルにエアを封入した場合に形成される凹部にエアセルを配置することにより、エアセルに複数のセルを固定することなく、複数のセルによりエアセルを安定的に支持することができる。従って、身体を支持する支持面が設けられたエアセルの形状や構造、或いは内圧等の使用形態によらず、エアセル部品に設けられた複数のセルにより底付きを防ぐことが可能となる。
本発明の実施形態に係るエアセル部品を示す上面図である。 本発明の実施形態に係るエアセル部品を示す底面図である。 本発明の実施形態に係るエアセル部品を示す側面図である。 図1のA−A拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るエアセル部品(エアを抜いた状態)を示す上面図である。 本発明の実施形態に係るエアセル部品にエアセルを取り付けた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るエアセルユニットにおける荷重分散の原理を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。 本発明の実施形態に係るエアマットレスを示す側面図である。 図8に示す2段型エアセルを示す断面図である。 図8に示すアーチ型エアセルを示す側面図(エアを抜いた状態)である。 図8に示すアーチ型エアセルを示す上面図(エアを充填した状態)である。 図8に示すS型エアセルを示す側面図(エアを抜いた状態)である。 図8に示すS型エアセルを示す上面図(エアを充填した状態)である。 図8に示すエアセルのX型エアセルを示す斜視図(エアを充填した状態)斜視図である。 図15のB−B断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るエアセル部品、エアセルユニット、及びエアマットレスについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。以下の説明において参照する図面は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、比率、及び位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、比率、及び位置関係のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るエアセル部品を示す上面図である。図2は、同エアセル部品を示す底面図である。図3は、同エアセル部品を示す側面図である。図4は、図1のA−A拡大断面図である。図5は、同エアセル部品(エアを抜いた状態)を示す上面図である。図6は、図4に示すエアセル部品にエアセルを載置した状態を示す断面図である。
本実施形態に係るエアセル部品10は、エアマットレスにおいて、使用者の身体を乗せる支持面を有するエアセルを支持する部品であって、ベッドボトム上、即ち、エアセルの底面側に配置されて用いられる。図1〜図5に示すように、エアセル部品10は、互いに平行に配置された複数のセル101と、隣り合う2つのセル101同士を接続する少なくとも1つの連結部102とを有する。なお、図1〜図5においては5つのセル101が図示されているが、セル101の数は2つ以上であれば特に限定されない。また、連結部102の数は、セル101の数マイナス1つとなる。
複数のセル101の各々は、例えばウレタン等の可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する。エアセル部品10の幅W、言い換えると、各セル101の長手方向の長さは、当該エアセル部品の上に載置されるエアセルの長手方向の長さ、或いは、エアマットレスの幅(短手方向の長さ)と同程度であるが、必ずしも、エアセルの長手方向の長さや、エアマットレスの幅と厳密に同一である必要はない。
本実施形態において、連結部102は、複数のセル101と同様、可撓性を有するシート材により形成されている。連結部102の長手方向の長さLは、エアセル部品10の幅Wよりも短くなっており、連結部102の長手方向の両外側の領域において、隣り合うセル101同士が互いに連通している。つまり、複数のセル101の間ではエアの流通が可能である。
各セル101及び各連結部102の幅(短手方向の長さ)については、エアセル部品10に支持させるエアセルの寸法に応じて、適宜決定される。
図2に示すように、エアセル部品10の底面側には、複数のセル101にエアを供給するためのエア供給管103が取り付けられている。上述したように、複数のセル101の間ではエアの流通が可能なので、1箇所に設けられたエア供給管103からエアを供給することにより、1つのエアセル部品10に含まれる全てのセル101を膨張させることが可能である。もちろん、エア供給管103を複数箇所に設けることも可能である。
各連結部102には、当該エアセル部品10に支持させるエアセルにエアを供給するエア供給管を挿通させるための開口104が形成されている。ここで、エアセルにエアを供給するエア供給管は、一般に、エアセルの底部(エアマットレスにおいて床側となる領域)に設けられている。開口104の位置は、エアセル部品10に支持させるエアセルに設けられるエア供給管の位置に合わせても良いし、反対に、開口104の位置に合わせて、エアセルに設けられるエア供給管の位置を調節しても良い。また、本実施形態においては、各連結部102における開口104の位置を揃えているが、開口104の位置を連結部102ごとに変更しても良い。
図3及び図4に示すように、複数のセル101にエアを封入して膨張させると、複数のセル101の外周面が接する平面PL、PL’と連結部102の表面との間に、使用者の身体が乗せられるエアセルの一部を配置可能な凹部105が形成される。
本実施形態において、エアセル部品10は、図5に示すように、可撓性を有する袋体110により一体的に形成されている。詳細には、まず、可撓性を有する2枚のシート材111、112を重ねた状態で周縁部113を溶着することにより、袋体110を形成する。そして、シート材111、112を重ねた状態で各連結部102を溶着することにより、袋体110を複数のセル101の領域に分離する。なお、連結部102は、周縁部のみを溶着しても良いし、連結部102全体を溶着しても良い。本実施形態においては、連結部102の長手方向の両端部をリング状に溶着し、リング状に溶着された部分同士をつなぐように、連結部102の短手方向の両端部を直線状にピン溶着している。なお、溶着方法は、特に限定されず、熱溶着、超音波溶着など、公知の種々の手法を用いることができる。さらに、連結部102に開口104を形成し、エア供給管103を取り付けることにより、エアセル部品10が完成する。なお、開口104や、エア供給管103の取付口については、シート材111、112に予め形成しておいても良い。
ここで、一般的に、袋体の複数箇所を溶着することにより、該袋体を複数のセルの領域に分離する構造においては、袋体にエアを充填している最中に、万が一、溶着が外れてしまうと、複数のセルの領域が合体し、合体した大きなセルにエアが充填され続け、該大きなセルが膨張し過ぎてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態に係るエアセル部品10においては、連結部102の内側に開口104が形成されているので、万が一、連結部102における溶着が外れてしまったとしても、開口104からエアが抜けるので、エアセル部品10が膨張し過ぎるおそれはない。
図6は、エアセル部品10にエアセルを取り付けた状態を示す断面図である。エアセル部品10に取り付け可能なエアセルの種類は、底面の寸法が凹部105(図4参照)に収まる寸法であれば特に限定されない。もっとも、エアセルは一般的に、可撓性を有する材料により形成されていることから、底面の寸法が凹部105よりも多少大きいエアセルであっても、凹部に収めることは可能である。
図6に示すように、エアセル20をエアセル部品10に支持させる際には、まず、エアセル部品10にエアを充填する。この際、エアセル20に身体が乗せられ、エアセル20を介してエアセル部品10に荷重がかかった場合でも、各セル101が膨張している状態を維持できるように、各セル101の内圧を比較的高めに設定しておく。そして、エアセル20の長手方向をセル101の長手方向と平行にし、エアセル20に設けられたエア供給管21を連結部102の開口104に挿通させ、エアセル20の本体を凹部105に配置する。これにより、エアセル20が、凹部105を形成する隣り合う2つのセル101によって支持される。各エアセル20のエア供給管21は、エアセル部品10の底面側から、エアの供給源(ポンプ等)に接続される。
図6に示すように、複数のエアセル20がエアセル部品10に支持されたエアセルユニット11においては、次のような利点がある。
第1に、各エアセル20は、隣り合うセル101の間に形成された凹部105に配置されるので、エアセル20を安定して支持することができる。また、各エアセル20のエア供給管21を連結部102に形成された開口104に挿通させるので、エアセル部品10からエアセル20が抜け落ちたり、位置がずれたりすることもない。また、仮に、エアセル20の形状が立位を保つことが困難な形状であったとしても、凹部105の両側のセル101で当該エアセル20を支持し、且つ、当該エアセルに設けられたエア供給管21を開口104に挿通させることで、エアセル20の底面が凹部105の底面(連結部102)に引き寄せられた状態となるので、エアセル20の立位を容易に維持することができる。従って、エアセル部品10を使用することにより、筒状(円筒状)をなす一般的なエアセルの他、表面に凹凸状のプリーツが形成されたエアセルなど、様々な形状のエアセルを安定して支持することができる。
第2に、エアセル20は、十分にエアが充填されたセル101によって支持されているので、エアセル20に乗せられた使用者の姿勢の変化等によりエアセル20に局所的な荷重がかかった場合であっても、底付きを防止することができる。
ここで、使用者の身体が乗せられるエアセルは、身体への接触圧を低減するため、身体が沈み込む程度の低圧に維持されることが多い。そのため、例えばベッドボトムの背上げにより、使用者の体重が臀部に集中すると、臀部が乗せられているエアセルが部分的につぶれてしまうことがある。そのような場合であっても、本実施形態においては、エアセル20を支持するセル101内に十分にエアが充填されているので、当該エアセル部分に乗せられた使用者の身体の部分(例えば臀部)をセル101によって保護することができる。つまり、エアセル20の内圧を低圧に維持した場合であっても、底付きのリスクを低減することが可能となる。
第3に、エアセルユニット11においては、1つのエアセル20を隣り合う2つのセル101によって支持するトラス構造が形成されているので、エアセル20にかかる荷重を2つの方向に分散することができる。図7は、トラス構造による荷重分散の原理を説明するための模式図である。
図7に示すように、使用者がエアセル20に身体を乗せると、身体が接するエアセル20に荷重P1がかかる。このとき、荷重P1によりエアセル20の形状が歪むと、通常であれば身体が最も沈み込んだ部分(先端)に局所的な接触圧がかかることとになる。しかしながら、エアセルユニット11においては、2つのセル101によって1つのエアセル20を支持するトラス構造が形成されているので、荷重P1が2つのセル101の方向(矢印P2、P3参照)に分散される。言い換えると、2つのセル101から受ける反力により沈み込んだ身体が広く支持されることになり、身体の局所への接触圧が低減する。それにより、床ずれ防止効果を高めることができる。
つまり、エアマットレスにおいて本実施形態に係るエアセル部品10を使用することにより、身体を支持する支持面が設けられたエアセルの形状や構造、或いは内圧等の使用形態によらず、エアセル部品10に設けられた複数のセル101により底付きを防ぐことが可能になると共に、トラス構造による荷重分散により床ずれ防止効果を向上させることが可能となる。
次に、本実施形態に係るエアマットレスの構成例について説明する。図8は、本実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。図9は、同エアマットレスを示す側面図である。図8及び図9に示すように、本実施形態に係るエアマットレス1は、2段型エアセル3と、アーチ型エアセル4A、4B、4Cと、S型エアセル5と、X型エアセル6とを備える。各種のエアセルは、ベッドボトム1aの上に、該ベッドボトム1aの短手方向と平行に、複数個ずつ配列されている。このうち、アーチ型エアセル4A、4B、4Cは、各々の構造が共通であり、ベッドボトム1a上に配置される領域と、内圧の制御方法とが異なるだけである。各種エアセルの構造については後述する。
ここで、マットレスが載置されるベッドフレームの分野においては、ベッドボトムの頭側の領域を立ち上げる「背上げ機能」や、背上げした際の身体のずり下がりを防止するため、膝部分のベッドボトムを山型に立ち上げる「膝上げ機能」が設けられた機種がある。背上げ機能及び膝上げ機能を有するベッドボトムは、一般に、頭側から、背ボトムと、該背ボトムに隣接して配置された腰ボトムと、該腰ボトムに隣接して配置された脚ボトムとの少なくとも3つのボトムを備えている。背ボトムは、腰ボトムとの境界を軸として頭側の端部を立ち上げることができる。また、腰ボトム及び脚ボトムは、両者の境界(概ね膝が乗る部分)を山として立ち上げることができる。以下に説明するエアマットレスのうち、概ね背ボトム上に配置される領域のことを背ボトム領域、概ね腰ボトム上に配置される領域のことを腰ボトム領域、概ね脚ボトム上に配置される領域のことを脚ボトム領域という。
図8に示すように、背ボトム領域には、頭側から脚側に向かって、複数(例えば4つ)の2段型エアセル3と、複数(例えば4つ)のアーチ型エアセル4Aが並設されている。腰ボトム領域には、頭側から脚側に向かって、複数(例えば2つ)のアーチ型エアセル4Bと、複数(例えば5つ)のS型エアセル5と、複数(例えば2つ)のX型エアセル6とが並設されている。脚ボトム領域には、頭側から脚側に向かって、X型エアセル6と、複数(例えば5つ)のアーチ型エアセル4Cとが並設されている。
図9に示すように、2段型エアセル3及びX型エアセル6は、ベッドボトム1a上に直接並設されている。これに対し、アーチ型エアセル4A、4B、4C及びS型エアセル5は、ベッドボトム1aに配置されたエアセル部品10上に並設されている。
背ボトム領域から腰ボトム領域にわたって配置されたエアセル部品10は、一体的に形成されていても良いし、複数個に分かれていても良い。例えば、アーチ型エアセル4A、4B、及び、S型エアセル5を、11個のセル101が連なった1つのエアセル部品10によって支持することとしても良い。或いは、4つのアーチ型エアセル4Aを支持するエアセル部品10と、2つのアーチ型エアセル4Bを支持するエアセル部品10と、4つのS型エアセル5を支持するエアセル部品10とを別個に設けても良い。脚部領域に配置されたエアセル部品10についても同様であり、5つのアーチ型エアセル4Cを、6個のセル101が連なった1つのエアセル部品10によって支持することとしても良いし、例えば2つのアーチ型エアセル4Cを支持するエアセル部品10と、3つのアーチ型エアセル4Cを支持するエアセル部品とを別個に設けても良い。
図10は、2段型エアセル3を示す断面図である。図10に示すように、2段型エアセル3は、全体として1つの袋体30からなる一般的な1気室のエアセルである。袋体30の内周面には、エアマットレスの床面と略平行な向きとなるように架け渡された膜状部材(所謂、吊り)31が設けられている。膜状部材31は、袋体30の厚みの略半分の位置に溶着され、内周面のうち互いに対向する領域をつないでいる。このような膜状部材31を設けることにより、2段型エアセル3に図3の上方から圧力がかかった場合であっても、2段型エアセル3が図3の横方向に膨らむのを抑制し、2段型エアセル3の厚さ方向(図3の上下方向)における圧縮量を抑制することができる。
図11は、アーチ型エアセル4A、4B、4Cを示す側面図である。図12は、同上面図である。このうち、図11は、アーチ型エアセル4A、4B、4Cからエアを抜いた状態を示し、図12は、アーチ型エアセル4A、4B、4Cにエアを充填した状態を示している。以下、アーチ型エアセル4A、4B、4Cをまとめてアーチ型エアセル4とも記す。
図11及び図12に示すように、アーチ型エアセル4は、互いに対向する2つの側壁40a、40bを有し、内部にエアを封入することにより膨張するセル40と、セル40の内部に配置された接続部材41とを備える。
セル40は、ウレタン等の可撓性を有するシート材の周縁部同士を溶着することにより筒状に成形したものである。セル40の両端には、シート材の端部の閉じ部43が突出しており、この閉じ部43に、アーチ型エアセル4をベッドフレームに固定したりアーチ型エアセル4同士を接続したりするためのホック44等を取り付けても良い。また、セル40の底部には、エア供給管を接続するためのエア供給口45が設けられている。
接続部材41は、ウレタン等の可撓性を有するシート材により形成されている。接続部材41は、側壁40a、40bよりもやや幅の狭い帯状に成形されている。接続部材41は、アーチ型エアセル4にエアが封入されていない状態では、セル40の対向する側壁40a、40bと略平行になるように配置されている(図11参照)。そのため、アーチ型エアセル4にエアを封入し、エアマットレスの一部として配置した状態では、接続部材41は縦方向に立つような姿勢となる。
接続部材41は、セル40の対向する2つの側壁40a、40bに対し、主面の複数箇所において、溶着により接合されている。一方の側壁40aと接続部材41との溶着部42aと、他方の側壁40bと接続部材41との溶着部42bとは、互いの正面において面することがないように配置されている。つまり、アーチ型エアセル4にエアを封入していない場合には、一方の側壁40aと接続部材41との溶着部42aと、他方の側壁40bと接続部材41との溶着部42bとが交互に並んだ状態となる。これらの溶着部42a、42bは、アーチ型エアセル4の上下方向に細長い形状(例えば、長方形や長円形)となっている。
アーチ型エアセル4にエアを封入すると、セル40全体が膨張すると共に、接続部材41により側壁40a、40b同士が引き寄せられる(図12参照)。そのため、セル40の長手方向の長さは、エアを封入していない状態と比較して縮んだ状態となり、その分、セル40の上面(使用者の身体の支持面)や側面が部分的に膨らむ。セル40の上面においては、膨張した凸部46と、溝状にくびれた凹部(皺)47とが形成され、全体として蛇腹のような凹凸(プリーツ)が生じる。これらの凸部46は、上方に膨らんだ部分がその両端の溶着部42a、42bによって橋脚のように支持されたアーチ構造を有している。そのため、アーチ型エアセル4に上下方向の荷重がかけられても、アーチ型エアセル4の形状をある程度保持することが可能となる。
このようなアーチ型エアセル4に身体を乗せると、支持面に形成された凹凸によって、身体の各部を包み込むように広い面積で支持することができる。つまり、アーチ型エアセル4においては、一般的な筒状のエアセルのように平面で身体を支持するのではなく、支持面に形成された凹凸によりアーチ型エアセル4のシート材が身体に緩く追従し(所謂ルーズフィット)、使用者の身体を広い面積で支持することができる。従って、身体の各部に対する接触圧を低減させ、床ずれを防止することが可能となる。特に、局所的に突出する骨突出部についても、凹部47によって包み込むように個別に支持することができ、骨突出部に対する接触圧を低減させることが可能となる。
また、アーチ型エアセル4においては、支持面に形成された凸部46がアーチ状をなすので、上方からの荷重に対して沈み込みにくい(潰れにくい)構造が形成される。さらに、アーチ型エアセル4においては、溶着部42a、42bが恰も橋脚のように支持面のアーチ(凸部46)を支持し、これを帯状の接続部材41が補強する構造となっている。そのため、アーチ型エアセル4は、荷重による歪みを抑制して自身の形状を保持し、アーチ型エアセル4に使用者の身体が乗せられた場合であっても、過度な沈み込みを抑制することができる。
エアマットレス1においては、このようなアーチ型エアセル4を、主に身体の躯幹部が乗せられる領域(図8のアーチ型エアセル4A、4Bの配置箇所を参照)や、脚部や足部が乗せられる領域(図8のアーチ型エアセル4Cの配置箇所を参照)に並設している。それにより、身体の躯幹部のように、比較的重量のある部位が乗せられた場合であっても、アーチ型エアセル4自体が過度な沈み込みを防いで、身体を安定的に支持することができる。また、足部(特に踵や踝)のように、身体に骨突出部が存在する場合でも、支持面に形成された凹凸によって骨突出部を包むように支持しつつ、骨突出部の周辺をアーチ型エアセル4で保持することができる。それによって、骨突出部に集中しがちなエアセルの支持面からの圧力を骨突出部の周辺に分散させることが可能となる。
さらに、アーチ型エアセル4への身体の沈み込みを抑制することにより、アーチ型エアセル4の支持面に凹部47が十分に残っている状態を維持し、支持面における張力の増加を抑制することができる。従って、骨突出部等における局所的なハンモック現象を防ぐことが可能となる。
加えて、エアマットレス1においては、アーチ型エアセル4をエアセル部品10により支持するので(図2参照)、底付きを確実に防ぐことができると共に、トラス構造による荷重の分散効果を得ることもできる。
図13は、S型エアセル5を示す側面図である。図14は、同上面図である。このうち、図13は、S型エアセル5からエアを抜いた状態を示し、図14は、S型エアセル5にエアを充填した状態を示している。
図13及び図14に示すように、S型エアセル5は、互いに対向する2つの側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセル50と、セル50の内部に配置され、セル50の対向する2つの側壁50a、50bを接続する接続部材51とを備える。
セル50は、ウレタン等の可撓性を有するシート材の周縁部同士を溶着することにより筒状に成形したものである。セル50の両端には、シート材の端部の閉じ部53が突出しており、この閉じ部53に、S型エアセル5をベッドフレームに固定したりS型エアセル5同士を接続したりするためのホック54等を取り付けても良い。また、セル50の底部には、エア供給管を接続するためのエア供給口55が設けられている。
接続部材51は、ウレタン等の可撓性を有するシート材により形成されている。接続部材51は、S型エアセル5にエアが封入されていない状態では、セル50の対向する側壁50a、50bと略平行になるように配置されている(図13参照)。そのため、S型エアセル5にエアを封入し、エアマットレスの一部として配置した状態では、接続部材51は縦方向に立つような姿勢となる。
接続部材51は、セル50の対向する2つの側壁50a、50bに対し、主面の複数箇所において、溶着により接合されている。一方の側壁50aと接続部材51との溶着部(接合部)52aと、他方の側壁50bと接続部材51との溶着部(接合部)52bとは、エアを抜いた状態(図13参照)では長手方向に沿って一列上に、交互に並んでいる。
S型エアセル5にエアを封入すると、セル50全体が膨張すると共に、接続部材51により側壁50a、50b同士が引き寄せられる(図14参照)。そのため、セル50の長手方向の長さは、エアを封入していない状態よりも縮んだ状態となり、その分、セル50の上面(使用者の身体の支持面)や側面が部分的に膨らむ。それにより、S型エアセル5を長手方向の端面側から見ると、S字にカーブしているような形状となる。セル50の上面においては、膨張した凸部56と、溝状にくびれた凹部(皺)57とが形成され、全体として蛇腹のような凹凸(プリーツ)が生じる。
S型エアセル5の高さ方向において、接続部材51は1箇所(溶着部52a又は52b)において側壁50a又は50bと接続されているので、このようなS型エアセル5に身体を乗せると、身体がS型エアセル5に適度に沈み込む。それにより、支持面に形成された凹凸によって、身体の各部を包み込むように広い面積で支持することができる。つまり、S型エアセル5においても、支持面に生じた凹凸によりS型エアセル5のシート材が身体に緩く追従し(ルーズフィット)、使用者の身体を広い面積で支持することができる。従って、身体の各部に対する接触圧を低減させ、床ずれを防止することが可能となる。特に、局所的に突出する骨突出部についても、凹部57によって包み込むように個別に支持することができる。
ここで、寝たきりの患者等において、床ずれの約41%は臀部に発生することが知られている。他方、ベッドを背上げした際には、身体の体重の大部分が集中するのも臀部である。そのため、本実施形態においては、S型エアセル5を、エアマットレス1のうち、主に臀部が乗せられる領域(図8のS型エアセル5の配置領域を参照)に並設している。即ち、使用者がエアマットレス1上で寝ている場合には、身体をS型エアセル5に適度に沈み込ませ、緩く包むように身体を支持することにより、身体への接触圧を低減して床ずれの発生を抑制する。また、背上げにより臀部に体重が集中した場合であっても、S型エアセル5の内部に縦に配置された接続部材51により、身体の過度な沈み込みを抑制することができる。さらに、エアマットレス1においては、S型エアセル5をエアセル部品10により支持するので(図2参照)、底付きを確実に防ぐことができると共に、トラス構造による荷重の分散効果を得ることもできる。
また、S型エアセル5においては、一般的な筒状のエアセルと比較して、支持面と身体との接触面積が大きい。そのため、S型エアセル5において使用者の皮膚がエアセルの支持面から受ける情報量は、一般的なエアセルにおける情報量よりも多い。つまり、使用者は、S型エアセル5の支持面に支えられているという感覚を皮膚の多くの領域から得ることができ、浮遊感を抑制することができる。それにより、身体が筋緊張を起こすことを防ぐことができる。
ここで、一般的なエアセルを低圧に維持して使用する場合、使用者が浮遊感を感じて筋緊張を起こしてしまうことがある。使用者が筋緊張を起こし、身体を縮めて強張らせてしまうと、エアマットレスの狭い範囲に使用者が身体を横たえることになるため、ハンモック現象や底付きが発生することがある。つまり、筋緊張が床ずれの原因にもなり得る。これに対し、S型エアセル5が配置されたエアマットレス1においては、浮遊感を抑制することにより、筋緊張を防ぐことが可能となる。また、浮遊感を抑制することにより、使用者は、心理的にも安心してエアマットレス1を使用することができる。
図15は、X型エアセル6を示す斜視図である。図16は、図15のB−B断面図である。
図15に示すように、X型エアセル6は、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する4つのセル611、612、621、622が、これらのセルの長手方向と平行な1軸上の領域において互いに接続されたエアセルである。
詳細には、X型エアセル6は、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成された2つの袋体61、62を有する。これらの袋体61、62は積層され、袋体61、62の長手方向と平行なライン状をなす溶着部63により一体化されている。この溶着部63により袋体61を分離することによって生じる2つの領域がセル611、612であり、溶着部63により袋体62を分離することによって生じる2つの領域がセル621、622である。溶着部63は、袋体61、62の短手方向の略中心部に設けられているため、膨張した状態でのセル611、612、621、622の径は、概ね、互いに等しい。
X型エアセル6にエアを充填させると、4つのセル611、612、621、622が膨らみ、隣接するセルと面状に接するようになる。しかしながら、これらのセル611、612、621、622は、あくまで、X型エアセル6の横断面の中心部の1軸上に設けられた溶着部63において互いに接続されているだけである。つまり、セル611、612、621、622は、隣接するセルとは面状には接続されておらず、溶着部63を回転軸として可動な状態になっている。
袋体61の長手方向の両端と、溶着部63との間にはギャップ領域613が設けられている。このギャップ領域613により、セル611、612の間においてエアの流通が可能となる。これにより、X型エアセル6に荷重がかかった場合であっても、セル611、612の内圧はほぼ均等となる。袋体62の構造も全体として袋体61と同様であり、セル621、622の間においてはエアの流通が可能となっている。
袋体61と袋体62とのエアの流通状態については、X型エアセル6の配置に応じて適宜設定することができる。本実施形態においては、袋体61と袋体62との間でエアを流通させることとしている。そのため、X型エアセル6のエア供給口は、ベッドボトム1a側となる袋体61のみに設けられる。なお、袋体61と袋体62との間においてエアを遮断する場合には、袋体62にもエア供給口を設ければ良い。この他、袋体61、62のいずれか又は両方に、X型エアセル6同士、又は、X型エアセル6と他のエアセルとを連結するためのホックやボタン等を設けても良い。
このようなX型エアセル6にエアを充填すると、セル611、612、621、622が膨張して隣接するセルと面状に接するようになり、ボトム面側のセル611、612により接触面を介してトップ面側のセル621、622を支持する構造(トラス構造)が形成され、体圧分散を図ることができる。
X型エアセル6は、一般的な筒状のエアセルと比較して数倍(例えば4倍)の耐荷重性を有しているため、背上げなどによりX型エアセル6の局所に大きな荷重がかかった場合であっても、底付きを防ぐことができる。また、身体の支持面となるセル621、622の上面が緩く湾曲しているので、背上げの際に使用者の身体が脚部側にずれる「前ずれ」を抑制する、所謂アンカーセルとしての機能も有する。
次に、エアマットレス1における各エアセルの内圧の制御について、図8及び図9を参照しながら説明する。
頭部側に並設された複数の2段型エアセル3、並びに、アーチ型エアセル4A、4B、及びS型エアセル5を支持するエアセル部品10は、エアを供給する系統のうち、予め設定された一定値の内圧のエアを供給する第1静止系統に接続されている。
ここで、2段型エアセル3には主に使用者の頭部が乗せられので、「酔い」を防ぐために、内圧を一定に保ち、静止型のエアセルとして使用することが好ましい。また、使用者の浮遊感をなくすため、2段型エアセル3の内圧を比較的高めに設定し、使用者の頭部をしっかりと支持しておくことが好ましい。
また、エアセル部品10については、エアマットレス1の使用中にエアセル部品10が大きく圧縮されることのないように、比較的高めに設定される。それにより、アーチ型エアセル4A、4B、及びS型エアセル5に大きな荷重がかかった場合であっても、エアセル部品10によって底付きを確実に防ぐことができる。
腰ボトム領域に配置されるアーチ型エアセル4B及びX型エアセル6は、エアを供給する系統のうち、予め設定された一定値の内圧のエアを供給する第2静止系統に接続されている。第2静止系統から供給されるエアの内圧は、第1静止系統から供給されるエアの内圧と比較して低めに設定されている。これは、エアマットレス1の使用中に、使用者の身体をアーチ型エアセル4BやX型エアセル6にある程度沈ませて、使用者の身体を包み込むように支持するためである。なお、アーチ型エアセル4B及びX型エアセル6は、それ自体が上からの荷重に対して潰れにくい構造を有しているので、内圧を低めに設定したとしても、アーチ型エアセル4BやX型エアセル6への身体の過度な沈み込みを抑制することができる。
背ボトム領域に配置されたアーチ型エアセル4A、腰ボトム領域に配置されたS型エアセル5、及び、脚ボトム領域に配置されたアーチ型エアセル4Cは、エアを供給する系統のうち、内圧が周期的に変化する3つの系統(第1系統、第2系統、及び、第3系統)に順に接続されている。各系統から供給されるエアの内圧は、使用者の体重等に応じて設定された基準の内圧と、この基準に対して減圧された内圧との間で変化する。このように、アーチ型エアセル4A、S型エアセル5、及びアーチ型エアセル4Cの内圧を周期的に変化させ、これらの領域に乗せられた身体部分に対して同じ接触圧がかかり続けないようにすることにより、床ずれ抑制効果を高めることができる。
なお、上記実施形態においては、背ボトム領域に配置されたアーチ型エアセル4A、腰ボトム領域に配置されたS型エアセル5、及び、脚ボトム領域に配置されたアーチ型エアセル4Cについては内圧を変化させる圧切替型とし、それ以外のエアセルについては内圧を一定に維持する静止型とすることにより、エアマットレス1をハイブリッド型の内圧制御を行うこととした。しかしながら、エアマットレス1において、全てのエアセルを静止型としても良い。この場合においても、各エアセルの内圧を、エアセル自体の構造や配置される領域に応じて適切に制御すれば良い。
また、上記実施形態においては、アーチ型エアセル4、S型エアセル5、X型エアセル6など、特殊な構造を有するエアセルを使用してエアマットレスを構成する場合を説明したが、エアセル部品10を適用可能なエアマットレスはこれに限定されない。例えば、エアセル部品10をベッドボトム上の全体に敷き、一般的な筒状のエアセル又は図10に示すエアセル3をエアセル部品10に支持させることにより、エアマットレスを構成しても良い。このようなエアマットレスを、エアセルの内圧を一定の低圧に維持する静止型として使用する場合、背上げ等によりエアマットレスに局所的に大きな荷重がかかった場合であっても、エアセル部品10により底付きを防ぐことができる。また、このようなエアマットレスを、エアセルの内圧を周期的に変化させる圧切替型として使用する場合、万が一、停電等により一部のエアセル内のエアが抜けてしまった場合であっても、エアセル部品10により底付きを防ぐことができる。
また、上記実施形態においては、エアセル部品10及び各種エアセルを、セル101の長手方向がベッドボトムの短手方向に対して平行となるように配置したが、エアセル部品10及び各種エアセルの全部又は一部を、ベッドボトムの長手方向に対して平行となるように配置しても良い。この際、エアセル部品10の幅W(図1参照)やセル101の数は、エアセル部品10を配置する領域に応じて適宜調節すれば良い。一例として、脚ボトム領域(図8参照)上に、セル101の長手方向がベッドボトムの長手方向と平行になるようにエアセル部品10を配置し、このエアセル部品10の各連結部102上に、アーチセル4Cを並設しても良い。或いは、腰ボトム領域及び脚ボトム領域に、セル101の長手方向がベッドボトムの長手方向と平行になるようにエアセル部品10を配置しても良い。後者の場合、背上げ及び膝上げする際にベッドボトムが折り曲げられることを考慮し、腰ボトム領域に配置されるエアセル部品10と脚ボトム領域に配置されるエアセル部品10とを別々に設けると良い。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上記実施形態に示した全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良いし、上記実施形態に示した構成要素を適宜組み合わせて形成しても良い。
1 エアマットレス
1a ベッドボトム
3 段型エアセル
3 エアセル
4、4A、4B、4C アーチ型エアセル
5 S型エアセル
6 X型エアセル
10 エアセル部品
11 エアセルユニット
20 エアセル
21、103 エア供給管
30、61、62、110 袋体
31 膜状部材
40、50、101、611、621 セル
40a、40b、50a、50b 側壁
41、51 接続部材
42a、42b、52a、52b、63 溶着部
43、53 閉じ部
44、54 ホック
45、55 エア供給口
46、56 凸部
47、57 凹部
102 連結部
104 開口
105 凹部
111 シート材
113 周縁部
613 ギャップ領域

Claims (8)

  1. エアマットレスにおいて、使用者の身体が乗せられる支持面を有するエアセルを支持するエアセル部品であって、
    可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する複数のセルであって、互いに平行に配置された複数のセルと、
    前記複数のセルのうち隣り合う2つのセル同士を接続する少なくとも1つの連結部と、
    を有し、
    前記複数のセルにエアを封入した場合に、前記複数のセルの外周面が接する平面と前記少なくとも1つの連結部の表面との間に、前記エアセルの一部を配置可能な凹部が形成されるエアセル部品。
  2. 前記凹部に前記エアセルの一部を配置した場合に、前記凹部の両側に位置する2つのセルにより前記エアセルが支持される、請求項1に記載のエアセル部品。
  3. 前記少なくとも1つの連結部に、前記エアセルにエアを供給するためのエア供給管を挿通させる開口が設けられている、請求項1又は2に記載のエアセル部品。
  4. 前記複数のセル及び前記少なくとも1つの連結部は、前記可撓性を有するシート材により一体的に形成され、
    前記複数のセルの間においてエアが流通可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアセル部品。
  5. 前記少なくとも1つの連結部の各々は、前記可撓性を有するシート材からなる袋体の一部を溶着することにより形成された溶着部である、請求項4に記載のエアセル部品。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアセル部品と、
    前記複数のセルにエアを封入した場合に形成される少なくとも1つの前記凹部の各々に配置されたエアセルと、
    を備えるエアセルユニット。
  7. 前記エアセルは、
    可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張する第2のセルと、
    可撓性を有する材料により形成され、前記第1及び第2の側壁を前記第2のセルの内部から複数箇所において接続部材であって、シート状をなし、主面において前記第1及び第2の側壁の各々に対して複数の接合部において接合された接続部材と、
    を有する、請求項6に記載のエアセルユニット。
  8. 請求項6又は7に記載のエアセルユニットが少なくとも一部に配置されたエアマットレス。


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