JP2020058302A - 容器詰めバジルソース - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ペースト処理および殺菌処理された容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースを提供する。【解決手段】バジル細断物を10〜80%(生換算)、食塩を0.1〜10%、食用油脂を15〜70%含有する容器詰めバジルソースであって、以下の成分(A)〜(B):(A)リナロール;及び(B)3−ヘキセン−1−オール を含有し、揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により測定した際に、成分(B)を0.65ppm以上含有し、かつ成分(A)100に対し、成分(B)を20〜85となる割合で含有する、容器詰めバジルソース。【選択図】 なし

Description

本発明は、ペースト処理および殺菌処理された容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースに関する。
バジルは、シソ科に属するインド原産の一年草であり、ハーブ類の一つとして、生のままスパゲティ等の風味付けに使用されている。ところで、バジルの葉は、収穫直後は鮮やかな緑色とバジル特有の好ましい香りを有するものの、時間の経過とともに、退色し、香りも失われてしまう。バジルに含まれる酵素の作用や、大気中の酸素による酸化によるものだと考えられる。また、バジルは熱にも弱く、高温で加熱殺菌等すると、変色や、風味の低下を起こす。
そのため、従来より収穫したバジルの色調や風味を保持するために様々な方法が検討されている。例えば、バジルの葉を特定比率の食用油脂、食塩と混合した後、速やかに細断し、所定温度で加熱することで、バジルの退色を抑制する方法が提案されている。しかしながら、ある程度はバジルの退色、風味の低下を抑制できるものの、さらなる改善が求められていた。(特許文献1)
特許第3516817号
そこで、本発明の目的は、容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースを提供するものである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、バジル細断物、食塩、食用油脂を特定量含有する容器詰めバジルソースであって、成分(B)を一定量以上含有し、かつ成分(A)に対する成分(B)を特定の割合で含有する容器詰めバジルソースとすることにより、意外にも、ペースト処理および殺菌処理された容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
バジル細断物を10〜80%(生換算)、食塩を0.1〜10%、食用油脂を15〜70%含有する容器詰めバジルソースであって、
以下の成分(A)〜(B):
(A)リナロール;及び(B)3−ヘキセン−1−オール を含有し、
揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により測定した際に、
成分(B)を0.65ppm以上含有し、かつ
成分(A)100に対し、成分(B)を20〜85となる割合で含有する、容器詰めバジルソース、
である。
本発明によれば、ペースト処理および殺菌処理された容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースを提供することができる。これにより、バジルを用いたソース、メニュー等の増加、展開に貢献できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、バジル細断物を10〜80%(生換算)、食塩を0.1〜10%、食用油脂を15〜70%含有する容器詰めバジルソースであって、
以下の成分(A)〜(B):
(A)リナロール;及び(B)3−ヘキセン−1−オール を含有し、
揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により測定した際に、
成分(B)を0.65ppm以上含有し、かつ
成分(A)100に対し、成分(B)を20〜85となる割合で含有することに特徴を有する。
<容器詰めバジルソース>
本発明の容器詰めバジルソースは、少なくともバジルを含有するものであり、様々な料理に生バジル本来の鮮やかな緑色と良好な風味を付与することができるソースであり、そのまま各種ソースとして用いることもできるが、その他原料と混合することにより、パスタソースや調理ソース等のバジルソース含有食品を調製することもできる。その場合、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られやすいことから、バジルソース含有食品に含まれる容器詰めバジルソースの含有量は20〜50%であるとよい。また、本発明の容器詰めバジルソースは、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られやすいことから、冷凍されたものであるとよい。
<バジル>
本発明の容器詰めバジルソースに用いるバジルは、生のバジルであり、収穫後、乾燥、細断、粉砕等の形態加工や加熱処理がなされていないものを指す。上記以外の処理、例えば洗浄等は行ってもよい。また、バジルは、時間の経過とともに変色するため、本発明に用いるバジルは収穫後24時間以内のものであるとよい。
前記バジルは、生バジル換算で10〜80%配合し、30〜70%配合するとよく、40〜70%配合するとよりよい。生バジルの配合量が前記範囲であると、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られにくい。
<食塩>
本発明の容器詰めバジルソースは食塩を配合する。食塩は、バジルソースに塩味を付けると同時に、後に示す試験例にも示すように、バジルソース中の細断した生バジルが鮮やかな緑色に発色させるために配合する。本発明の容器詰めバジルソース中の食塩の配合量は、0.1〜10%であり、0.5〜7%であるとよく、さらに1〜5%であるとよい。
<食用油脂>
本発明のバジルソースは食用油脂を配合する。配合する食用油脂としては、大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油、オリーブ油等の植物油脂、ラード、精製魚油等の動物油脂があるが、このうちバジルの良好な香りを感じやすいため、菜種油または大豆油を用いるとよい。また、食用油脂を配合することにより、細断した生バジルをソース状に仕上げると同時に、ソース中の生バジルが酸化して退色したり、香りが消失してしまうのを防止することができる。本発明の容器詰めバジルソース中の食用油脂の配合量は、15〜70%であり、30〜60%であるとよい。食用油脂の配合量が前記範囲外であると、バジルの褐変を抑制しにくく、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られにくい。
<成分(A)(B)分析値>
本発明の容器詰めバジルソースは、以下の成分(A)〜(B):(A)リナロール;及び(B)3−ヘキセン−1−オール を含有し、揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により測定した際に、成分(B)を0.65ppm以上含有し、かつ成分(A)100に対し、成分(B)を20〜85となる割合で含有する。
これらの成分(A)、(B)に着目した理由は、これらのフレーバーバランスを考慮することにより、ペースト処理および殺菌処理された容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースを得ることができるためである。
<成分(A)リナロール>
成分(A)は、多くの植物の精油成分であり、本発明においてはバジルが持つ多くの香気成分の中からリナロールに着目する。これは、種々のバジルに必ずその閾値以上の量で含有されており、最終的に得られる容器入りバジルソースとしての好ましい香りに直結する成分であるためである。
<成分(B)3−ヘキセン−1−オール>
成分(B)は、不飽和アルコールの一つであり、野菜などの青臭い香りの主成分である。本発明においては、後述するように容器入りバジルソース中に一定量以上含有すること、さらに前記成分(A)リナロールと特定比率でソース中に含有することにより、特に好ましい香りを有する点に着目する。
<成分(B)の含有量>
本発明のバジルソースは、成分(B)を0.65ppm以上含有し、1.0ppm以上であるとよく、1.5ppm以上であるとよりよい。成分(B)が前記範囲未満の場合は、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られないものとなる。
<成分(A)100に対する成分(B)>
本発明の容器詰めバジルソースにおいては、上述の成分について、その揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS法)により測定した際に、測定結果を出力したチャートの積分面積比で成分(A)100部に対し、成分(B)を20〜85部、好ましくは50〜85部となる割合で含有する。成分(A)に対する成分(B)の含有量が前記範囲外である」場合は、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有する容器詰めバジルソースが得られないものとなる。
<成分(A)(B)の測定方法>
本発明において、成分(A)、(B)の揮発性成分の測定は、揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS法)により測定する。具体的には、以下に示す固相マイクロ抽出条件で揮発性成分を抽出し、抽出した成分をガスクロマトグラフ条件で各成分を分離し、分離した各成分を質量分析条件で成分を同定し、チャートを出力する。また、揮発性成分(A)(B)の割合は、各成分の積分面積比から求める。また、成分(B)の含有量は3−hexen−1ol(東京化成工業株式会社)を食用油に添加し、検量線を作成して算出した。なお、各成分の定量イオン質量は以下の通りである。
<定量イオンの選定>
定量イオンの選定は、質量スペクトルチャートにおいてそれぞれの化合物の特有のフラグメントイオンの中から、信頼性のある積分面積比の算出が困難になるほど成分(A)、(B)のピークと他の成分のピークが接近しておらずあるいは重複しておらず、しかもできるだけ高強度かつ高質量のイオン種を優先的に選定することにより行う。本発明においては、以下の質量(m/z値)の定量イオン種を選択することが好ましい。
成分(A)リナロール 定量イオン質量m/z136
成分(B)3−ヘキセン−1−オール 定量イオン質量m/z82
<固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法>
本発明の酸性液状調味料の具材を除いた水相部の香気成分は、以下の条件に従って、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS)で測定することができる。
<分析条件>
(1)香気成分の分離濃縮方法
SPMEファイバーと揮発性成分抽出装置を用い、以下の条件に従って、固相マイクロ抽出法で香気成分の分離濃縮を行う。
<固相マイクロ抽出条件>
・SPMEファイバー:外側に膜厚50μmのジビニルベンゼン分散ポリジメチルシロキサン層、内側に膜厚30μmのCarboxen分散ポリジメチルシロキサン層を有する、2層積層コーティングされたSPMEファイバー(製品名:StableFlex 50/30μm、DVB/Carboxen/PDMS(Sigma−Aldrich社製))
・揮発性成分抽出装置:GC Sampler 120, AgilentTechnologies製
・予備加温:40℃,15min
・攪拌速度:300rpm
・揮発性成分抽出:40℃,20min
・脱着時間:10min
(2)香気成分の測定方法
<ガスクロマトグラフ条件>
・測定機器:Agilent7890B(Agilent Technologies社製)
・カラム:素材内壁にポリエチレングリコールからなる液相を膜厚0.25μmでコーティングしたキャピラリーカラム長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.25μm(製品名:SOLGEL−WAX(SGE社製) 長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.25μm)
・温度条件:35℃(5min)保持→120℃まで5℃/min昇温→2
20℃まで15℃/min昇温: 6min保持
・キャリアー:Heガス、ガス流量:1.0mL/min
・インジェクション方法:パルスド・スプリットレス:
スプリットレス1.5min保持→ パージ50mL/min
パルス圧100kPa 1.6 min保持→ 47kPa
(スタート時)
・インレット温度:250℃
・ワークステション:MSD ChemStation Build 75 (Agilent Technologies, Inc.)
<質量分析条件>
・質量分析計:四重極型質量分析計(製品名:Agilent5977A(Agilent Technologies社製))
・スキャン質量m/z 29.0〜290.0
・イオン化方式EI(イオン化電圧70eV)
なお、信号強度が低い場合等は、スキャン測定ではなく、SIM(選択イオンモニタリング)測定を行っても良い。
また、測定装置は上記に限られず、例えばAgilent 6890N、Agilent 5977Sなどを使用してもよく、使用する測定機器の仕様に合わせて条件を適宜調整し測定することができる。
<食塩>
本発明の容器詰めバジルソースは食塩を配合する。食塩は、バジルソースに塩味を付けると同時に、後に示す試験例にも示すように、バジルソース中の細断した生バジルが鮮やかな緑色に発色させるために配合する。本発明の容器詰めバジルソース中の食塩の配合量は、0.1〜10%であり、0.5〜7%であるとよく、さらに1〜5%であるとよい。
<バジルソースの製造方法>
本発明の容器詰めバジルソースの製造方法は、生のバジルの上葉を、食用油脂、食塩、その他原料と混合して混合物を得る混合工程と、前記混合物を細断し、細断物を得る細断工程と、前記細断物を77〜84℃で加熱殺菌する加熱殺菌工程を含むものである。なかでも、本願発明の効果が得られやすいことから、加熱殺菌工程においてチューブ加熱方法を用いるとよい。
<生のバジルの上葉>
本発明の容器詰めバジルソースの製造方法に用いるバジルは、上葉を用いることを特徴とする。本発明において上葉とは、上から2節目までのバジルの葉をいう。このようなバジル原料を用いることで、上述した成分(B)の含有量、および成分(A)に対する成分(B)の含有量を特定範囲とすることができる。
<本発明の容器詰めバジルソースの製造方法>
本発明の容器詰めバジルソースの製造方法は、生のバジルの葉及び茎を、食塩及び油脂と混合し、混合物を得る混合工程と、前記混合物を細断し、細断物を得る細断工程と、前記細断物を77〜84℃で加熱する加熱工程を含むものである。
<混合工程>
混合工程は、上述のバジルと、その他混合する食用油脂、食塩等の原料を混合する工程である。混合の方法は特に限定されないが、バジルに万遍なく食用油脂、食塩等のその他原料が付着すればよい。
<細断工程>
前記混合工程で混合したバジル、食用油脂、食塩の混合物を、コミットロール等で細断し、バジル細断物を得る。前記バジル細断物の大きさは特に限定されないが、1〜6mm2程度に細断したものを用いるとよい。細断物の大きさが前記範囲であることにより、バジルソースをパスタ等に振りかけた際にバジルの存在感を感じやすく、またバジルの風味を感じやすくなる。
<加熱工程>
加熱工程は、前記細断工程で得たバジル細断物を、77〜84℃で加熱するものであり、好ましくは78〜83℃で加熱するとよく、さらに80〜83℃で加熱するとより良い。なお、前記温度で加熱するということは、バジル細断物の品温が前記範囲に加熱されていることを意味する。
加熱温度が前記範囲以下である場合、酵素の失活が不十分となり、保存によりバジルの風味が変化し、摘みたてのバジル特有の香りを感じにくいものとなる。また、加熱温度が前記範囲以上である場合、加熱によりバジルが褐変し、それにより風味変化が発生し摘みたてのバジル特有の香りを感じにくいものとなる。
加熱時間は特に限定していないが、バジル中の酵素を失活させるために、前記加熱温度に達温すればよく、また、加熱時間の上限としては、摘みたてのバジル特有の香りを感じる容器詰めバジルソースが得られやすいことから、20分以下であるとよく、さらに10分以下であるとよい。
また、前記加熱工程において、加熱の方法は特に限定しないが、ポリプロピレン糖の容器に充填密封後、熱湯等で加熱してもよいし、タンクやチューブ等で加熱した後、容器に充填してもよい。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
なお、以下の実施例又は比較例において、成分(A)〜(B)の揮発性成分の測定は、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS法)により行った。即ち、以下に示す固相マイクロ抽出条件で揮発性成分を抽出し、抽出した成分をガスクロマトグラフ条件で各成分を分離し、分離した各成分を質量分析条件で成分を同定し、チャートを出力した。また、揮発性成分(A)〜(B)の割合は、各成分の積分面積比で行った。なお、各成分の定量イオン質量は以下の通りである。
成分(A)リナロール 定量イオン質量 m/z136
成分(B)3−ヘキセン−1−オール 定量イオン質量 m/z82
<固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法>
本発明の酸性液状調味料の具材を除いた水相部の香気成分は、以下の条件に従って、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS)で測定することができる。
<分析条件>
(1)香気成分の分離濃縮方法
SPMEファイバーと揮発性成分抽出装置を用い、以下の条件に従って、固相マイクロ抽出法で香気成分の分離濃縮を行う。
<固相マイクロ抽出条件>
・SPMEファイバー:外側に膜厚50μmのジビニルベンゼン分散ポリジメチルシロキサン層、内側に膜厚30μmのCarboxen分散ポリジメチルシロキサン層を有する、2層積層コーティングされたSPMEファイバー(製品名:StableFlex 50/30μm、DVB/Carboxen/PDMS(Sigma−Aldrich社製))
・揮発性成分抽出装置:GC Sampler 120,AgilentTechnologies製
・予備加温:40℃,15min
・攪拌速度:300rpm
・揮発性成分抽出:40℃,20min
・脱着時間:10min
(2)香気成分の測定方法
<ガスクロマトグラフ条件>
・測定機器:Agilent7890B(Agilent Technologies社製)
・カラム:素材内壁にポリエチレングリコールからなる液相を膜厚0.25μmでコーティングしたキャピラリーカラム長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.25μm(製品名:SOLGEL−WAX(SGE社製) 長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.25μm)
・温度条件:35℃(5min)保持→120℃まで5℃/min昇温→2
20℃まで15℃/min昇温: 6min保持
・キャリアー:Heガス、ガス流量:1.0mL/min
・インジェクション方法:パルスド・スプリットレス:
スプリットレス1.5min保持→ パージ50mL/min
パルス圧100kPa 1.6 min保持→ 47kPa
(スタート時)
・インレット温度:250℃
・ワークステション:MSD ChemStation Build 75 (Agilent Technologies, Inc.)
<質量分析条件>
・質量分析計:四重極型質量分析計(製品名:Agilent5977A(Agilent Technologies社製))
・スキャン質量m/z 29.0〜290.0
・イオン化方式EI(イオン化電圧70eV)
なお、信号強度が低い場合等は、スキャン測定ではなく、SIM(選択イオンモニタリング)測定を行っても良い。
また、測定装置は上記に限られず、例えばAgilent 6890N、Agilent 5977Sなどを使用してもよく、使用する測定機器の仕様に合わせて条件を適宜調整し測定することができる。
[実施例1]
7月収穫の生バジルの葉480g(上葉のみ)を、収穫日当日に水洗した後、遠心分離機にて水切りし、これに食塩20gと菜種油500gを添加・混合し、これを細断機にかけてバジルの葉を2〜5mmに細断した。次いで得られた細断物をチューブ加熱により80℃に加熱後、冷凍し、本発明の容器詰めバジルソース1kgを得た。
得られた容器詰めバジルソースについて、[0020]記載の固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により成分(A)リナロール、(B)3−ヘキセン−1−オールの含有割合、及び[0018]記載の方法により成分(B)の含有量を測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、成分(B)の含有量は2.26ppmであった。
[実施例2]
実施例1において、用いる生バジルの葉を、8月収穫の生バジルの葉400g(上葉のみ)に変更する以外は、実施例1と同様に容器詰めバジルソースを得た。
得られた容器詰めバジルソースについて、実施例1と同様に、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により成分(A)リナロール、(B)3−ヘキセン−1−オールの含有割合、及び成分(B)の含有量を測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、成分(B)の含有量は1.92ppmであった。
[実施例3]
実施例1において、用いる生バジルの葉を、6月収穫の生バジルの葉400g(上葉のみ)に変更する以外は、実施例1と同様に容器詰めバジルソースを得た。
得られた容器詰めバジルソースについて、実施例1と同様に、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により成分(A)リナロール、(B)3−ヘキセン−1−オールの含有割合、及び(B)3−ヘキセン−1−オールの含有量を測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、成分(B)の含有量は2.58ppmであった。
[実施例4]
実施例2において、得られた細断物をポリプロピレン製の容器に充填し、中心品温80℃に達温後、冷凍する方法に変更する以外は、実施例2と同様に容器詰めバジルソースを得た。
得られた容器詰めバジルソースについて、実施例1と同様に、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により成分(A)リナロール、(B)3−ヘキセン−1−オールの含有割合、及び(B)3−ヘキセン−1−オールの含有量を測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、成分(B)の含有量は1.60ppmであった。
[比較例1]
実施例2において、用いる生バジルの葉を下葉のみに変更する以外は、実施例1と同様に容器詰めバジルソースベースを得た。
得られた容器詰めバジルソースについて、実施例1と同様に、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により成分(A)リナロール、(B)3−ヘキセン−1−オールの含有割合、及び(B)3−ヘキセン−1−オールの含有量を測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、成分(B)の含有量は0.65ppm未満(0.60ppm)であった。
[試験例1]
容器詰めバジルソースベースにおいて、3−ヘキセン−1−オールに対するリナロールの含有割合がソースへ与える影響を検討するため、実施例1〜4、比較例1の容器詰めバジルソースベースを表1記載の評価基準により評価した。結果を表に示す。
<評価基準>
○:フレッシュな摘みたての生バジル特有の香りを有しており好ましい
△:摘みたてのバジル特有の香りがやや弱い、又は青臭い香りがやや強い
×:摘みたてのバジル特有の香りが弱い、又は青臭い香りが強い
<評価結果>
[表1]
Figure 2020058302
評価の結果、実施例1〜3の容器詰めバジルソースは、ペースト処理および殺菌処理された容器詰めバジルソースであるにもかかわらず、摘みたての生バジルのようなフレッシュな風味を有するものであり、好ましかった。また、実施例4の容器詰めバジルソースは、実施例1〜3と比較して摘みたてのバジル特有の香りがやや弱いものの、問題のない範囲であった。
一方、比較例1の容器詰めバジルソースは、摘みたての生バジルのような香りが弱く、青臭い香りを強く感じるものであった。
[実施例5]
実施例1において、生バジルの葉を650g、菜種油を330gに変更する以外は、実施例1と同様に容器詰めバジルソースを得た。
得られた容器詰めバジルソースについて、実施例1と同様に、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により成分(A)リナロール、(B)3−ヘキセン−1−オールの含有割合、及び(B)3−ヘキセン−1−オールの含有量を測定したところ、成分(B)の含有量が0.65ppm超であり、成分(A)100に対し、成分(B)が20〜85となる割合で含有するものであった。

Claims (1)

  1. バジル細断物を10〜80%(生換算)、食塩を0.1〜10%、食用油脂を15〜70%含有する容器詰めバジルソースであって、
    以下の成分(A)〜(B):(A)リナロール;及び(B)3−ヘキセン−1−オール を含有し、
    揮発性成分を固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法により測定した際に、成分(B)を0.65ppm以上含有し、かつ
    成分(A)100に対し、成分(B)を20〜85となる割合で含有する、容器詰めバジルソース。
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