JP2020058192A - 電力変換装置 - Google Patents

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Shoji Ogawa
将司 小川
祐司 松岡
Yuji Matsuoka
祐司 松岡
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Abstract

【課題】確実に過電流保護が可能な電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置10は、主電流をスイッチングするスイッチング素子40a、40bと、スイッチング素子40a、40bの温度を検出する温度センサ42a、42bと、スイッチング素子40a、40bがオンのときの主端子間の電圧値を検出し、スイッチング素子40a、40bのオン抵抗とスイッチング素子40a、40bの温度との関係を表す温度特性のデータ37にもとづいて、スイッチング素子40a、40bの温度に対するオン抵抗の値を推定し、推定されたオン抵抗および検出された主端子間の電圧値にもとづいて、スイッチング素子40a、40bに流れる電流を推定し、推定された電流が、あらかじめ設定されたしきい値以上の場合に、スイッチング素子40a、40bのスイッチングを停止させる過電流保護回路36と、を含む変換回路20を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
接続された電源や負荷等の異常により電力変換装置に過大な電流が流れると、電力変換装置の主回路のスイッチング素子等に大きなストレスが加わるおそれがある。そのため、電力変換装置には、自身の回路素子や、電力変換装置に接続される電源、負荷等を保護するために各種保護機能や保護回路が設けられている。
主回路のスイッチング素子を過電流から保護するために、さまざまな過電流保護回路が提案され、実用化されている。電力変換装置の用途によっては、過電流による破損や不具合が社会に大きな影響を与える場合もあり、確実な保護により電力変換装置の安全で安定した運転が望まれている。
特開2018−85857号公報
実施形態は、確実に過電流保護が可能な電力変換装置を提供する。
実施形態に係る電力変換装置は、主電流をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、前記スイッチング素子がオンのときの主端子間の電圧値を検出し、前記スイッチング素子のオン抵抗と前記スイッチング素子の温度との関係を表す温度特性のデータにもとづいて、前記スイッチング素子の温度に対するオン抵抗の値を推定し、前記推定されたオン抵抗および検出された主端子間の電圧値にもとづいて、前記スイッチング素子に流れる電流を推定し、前記推定された電流が、あらかじめ設定されたしきい値以上の場合に、前記スイッチング素子のスイッチングを停止させる過電流保護回路と、を含む変換回路を備える。
本実施形態では、確実に過電流保護が可能な電力変換装置が実現される。
実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 スイッチング素子のオン抵抗の温度特性を例示する模式的なグラフである。 実施形態の電力変換装置の動作を説明するための特性を表す模式的なグラフである。 比較例の電力変換装置の主要部を例示するブロック図である。 図5(a)および図5(b)は、比較例の電力変換装置の動作を説明するための特性を表す模式的なグラフである。 実施形態の電力変換装置の動作を説明するための模式的なグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、実施形態の電力変換装置10は、交流回路1と直流回路2との間に接続される。電力変換装置10は、端子11a〜11cを介して交流回路1に接続される。電力変換装置10は、端子12a,12bを介して直流回路2に接続される。交流回路1は、たとえば交流電源である。交流回路1は、交流電源を含む電力系統等であってもよい。交流回路1は、電動機等の交流負荷であってもよい。直流回路2は、たとえば直流電源である。直流回路2は、直流電源を含む直流系統等であってもよい。
電力変換装置10は、交流回路1の交流電圧を直流電圧に変換して直流回路2に供給し、直流回路2の直流電圧を交流電圧に変換して交流回路1に供給する。電力変換装置10は、交流−直流間で双方向に、あるいは単一方向に電力変換する。
なお、本明細書では、上述のように交流−直流間の電力変換を行う電力変換装置について説明するが、直流−直流間の変換や交流−交流間の電力変換をする変換回路を有する電力変換装置にも適用することができる。
電力変換装置10は、変換回路20を備える。変換回路20は、交流回路1の相ごとに設けられている。この例では、三相分の変換回路20が設けられている。3つの変換回路20は、端子12a,12bの間で並列に接続されている。3つの変換回路20は、端子11a〜11cにそれぞれ接続されている。3つの変換回路20は、制御装置60に接続されている。3つの変換回路は、すべて同じであり、以下ではそのうちの1つについて説明する。
変換回路20は、ゲート制御回路30a,30bと、スイッチング素子40a,40bと、温度センサ42a,42bと、を含む。ゲート制御回路30a,30bは、たとえば1つの配線基板上に設けられ、あるいは、ゲート制御回路30a,30bごとの配線基板上に設けられる。
スイッチング素子40a,40bは、端子12a,12b間で直列に接続されている。スイッチング素子40a,40bは、いずれも自己消弧型の半導体スイッチング素子でMOSFETやIGBT等である。好ましくは、SiC等のワイドバンドギャップ半導体を用いたMOSFET等である。
温度センサ42a,42bは、スイッチング素子40a,40bの近傍に設けられており、スイッチング素子40a,40bの温度を検出する。温度センサ42a,42bは、スイッチング素子40a,40bの近傍で、熱的に十分結合されて設けられるのが好ましい。たとえば、温度センサ42a,42bは、スイッチング素子40a,40bのパッケージ上に設けられる。たとえば、スイッチング素子40a,40bは、パワーモジュールであってもよく、温度センサ42a,42bは、スイッチング素子が封止されたパワーモジュール内にすでに設けられている場合には、これを流用してもかまわない。あるいは、温度センサ42a,42bは、スイッチング素子40a,40bが取り付けられたヒートシンク上に設けられる。温度センサ42a,42bは、スイッチング素子40a,40bのそれぞれのチップ上に設けられていてもよい。
温度センサは、上述のように、スイッチング素子ごとに設けられることが望ましいが、たとえばすべてのスイッチング素子が取り付けられたヒートシンク上のいずれかの位置に1つまたは複数個を設けてもよい。この場合には、温度センサは、同一のヒートシンク上に設けられた複数のスイッチング素子およびゲート制御回路のために用いられる。
ゲート制御回路30aは、スイッチング素子40aおよび温度センサ42aに接続されている。ゲート制御回路30bは、スイッチング素子40bおよび温度センサ42bに接続されている。また、ゲート制御回路30a,30bは、制御装置60から供給されるゲート信号Vg1,Vg2を入力する。
ゲート制御回路30a,30bは、ゲート信号Vg1,Vg2にしたがって、スイッチング素子40a,40bをそれぞれ駆動する。ゲート制御回路30a,30bは、スイッチング素子40a,40bの両端の電圧値および温度センサ42a,42bの検出値を入力し、これらにもとづいて、スイッチング素子40a,40bの過電流状態を検出し、過電流と判断した場合には、スイッチング素子40a,40bをオフさせる。ゲート制御回路30a,30bは、スイッチング素子40a,40bの駆動部分が相違するが他の点では同じなので、以下では、高電位側のスイッチング素子40aを駆動するゲート制御回路30aについて説明する。
ゲート制御回路30aは、入力回路32と、絶縁回路34と、過電流保護回路36と、ゲート駆動回路38と、を含む。入力回路32は、制御装置60に接続されている。入力回路32の出力は、絶縁回路34を介して過電流保護回路36に接続されている。過電流保護回路36の出力は、ゲート駆動回路38に接続されている。
入力回路32には、制御装置60からゲート信号Vg1が入力される。入力回路32は、ゲート信号Vg1を適切な形式にして、絶縁回路34に供給する。適切な形式にするとは、たとえば制御装置60から送信された符号データを復号して、スイッチング素子40aを駆動するパルス幅のゲート信号に変換する。スイッチング素子40aは、変換されたゲート信号に応じてオンオフする。以下では、スイッチング素子40aは、ゲート信号がハイレベルのときにオンし、ゲート信号がローレベルのときにオフするものとする。
絶縁回路34は、高電圧回路と低電圧回路を絶縁して、低電圧回路から入力されたゲート信号を高電圧回路に供給する。この例では、過電流保護回路36からスイッチング素子40aの側を高電圧回路とし、入力回路32から制御装置60の側を低電圧回路としている。絶縁回路34は、たとえば光結合回路や磁気結合回路等である。
過電流保護回路36は、スイッチング素子40aの主端子(たとえば、MOSFETの場合、ドレイン端子およびソース端子)に接続されており、主端子間の電圧が入力される。過電流保護回路36は、絶縁回路34を介して入力されるゲート信号に同期してスイッチング素子40aの主端子間の電圧値を取得する。より具体的には、過電流保護回路36は、ハイレベルのゲート信号が入力され、これに応じてスイッチング素子40aがオンしている期間の主端子間の電圧値を取得する。
過電流保護回路36は、スイッチング素子40aのオン抵抗の温度特性を表すデータ37を含む。スイッチング素子40aのオン抵抗の温度特性のデータ37は、たとえば、ジャンクション温度のデータにオン抵抗のデータを関連付けたデータベースがテーブル形式で保存されている。なお、このデータベースは、過電流保護回路36内に設けられる場合に限らず、過電流保護回路36がリアルタイムでデータ37を有するデータベースから所望のデータを取得することができれば、ゲート制御回路30aの外に設けられていてもよい。オン抵抗の温度特性のデータ37を、近似関数で表すことができる場合には、過電流保護回路36は、この近似関数を表す式にアクセスすることができればよく、近似関数の式の格納場所は問わない。
データベースや近似関数のジャンクション温度のデータは、温度センサ42aによって測定できる箇所の温度(たとえば、スイッチング素子のケース温度等)に補正されてデータベースに格納されていてもよいし、温度センサ42aによって測定できる箇所の温度からジャンクション温度に換算してデータベースに格納されてもよい。これらの場合には、温度センサ42aとの間の熱抵抗のデータやスイッチング素子40aに印加される電力があらかじめ設定されている。
過電流保護回路36は、温度センサ42aの出力データおよび温度特性のデータ37にもとづいて、その温度のときのスイッチング素子40aのオン抵抗値を推定する。過電流保護回路36は、ゲート信号がハイレベルのときのスイッチング素子40aの主端子間の電圧値を測定する。過電流保護回路36は、オン抵抗の推定値および主端子間の電圧値にもとづいて、スイッチング素子40aに流れている電流を推定する。
なお、オン抵抗の温度特性のデータ37は、たとえば、該当するスイッチング素子のデータシート等から抽出してもよいし、スイッチング素子の代表サンプルを実測等して、そのデータを用いるようにしてもよい。また、実装するスイッチング素子ごとに温度特性のデータを測定して、スイッチング素子ごとにデータ37を設定するようにしてもよい。
過電流保護回路36には、過電流保護のためのしきい値があらかじめ設定されている。過電流保護回路36は、温度特性のデータ37によって推定された電流がしきい値よりも小さい場合には、絶縁回路34を介して入力されたゲート信号を、そのままゲート駆動回路38に出力する。過電流保護回路36は、温度特性のデータ37によって推定された電流がしきい値以上の場合には、絶縁回路34を介して供給されたゲート信号にかかわらず、ローレベルを出力し、スイッチング素子40aをオフさせる。
ゲート駆動回路38は、過電流保護回路36の出力に接続されている。ゲート駆動回路38は、入力回路32が生成するパルス幅を有するゲート信号を、スイッチング素子40aを駆動するのに適切な電圧に変換し、スイッチング素子40aを駆動する。過電流保護回路36は、推定された電流値が所定の過電流検出値に達した場合には、ゲート駆動回路38に入力されるゲート信号にかかわらず、スイッチング素子40aをターンオフする。
なお、この例では、変換回路20は、電流検出器50を含んでいる。電流検出器50は、スイッチング素子40a,40bの接続ノードと端子11aとの間の配線に設けられている。この電流検出器50は、端子11aに流れる電流を検出して、検出結果を制御装置60に供給する。制御装置60は、各相の電流検出器50から各相の交流電流を検出し、検出された電流値、および図示しない直流電圧検出器や交流電圧検出器等の電圧値にもとづいて、ゲート信号Vg1,Vg2を生成して、各変換回路20に供給する。
このように、実施形態の電力変換装置10では、過電流の検出は、各ゲート制御回路30aにおいて行われ、電流検出器50が検出する電流は、ゲート信号を生成して各変換回路20を制御するために用いられる。
実施形態の電力変換装置10の動作について、より詳細に説明する。
図2は、スイッチング素子のオン抵抗の温度特性を例示する模式的なグラフである。
図2のグラフは、スイッチング素子がMOSFETの場合に、ドレイン電流を一定とした場合のオン抵抗の温度特性を示している。グラフは、横軸がスイッチング素子のジャンクション温度Tjである。グラフの縦軸は、スイッチング素子のオン抵抗Ronである。なお、スイッチング素子がIGBTの場合には、IGBTのオン抵抗に相当する特性も、温度特性を有する。以下では、スイッチング素子としてMOSFETを用いる場合について説明する。
図2に示すように、MOSFETは、ジャンクション温度Tjが高くなるほど、オン抵抗Ronが大きくなる。つまり、MOSFETのオン抵抗Ronは、ジャンクション温度Tjに対して、正の温度係数を有する。
なお、本発明の実施形態では、オン抵抗Ronの温度特性のデータ37が設定されていればよく、オン抵抗Ronのジャンクション温度Tjに対する温度係数が正である場合に限らず、適用することができるのは言うまでもない。
図3は、実施形態の電力変換装置の動作を説明するための特性を表す模式的なグラフである。
図3は、ジャンクション温度Tj、主端子間電圧Vdsおよびオン抵抗Ronの関係を表している。図3のRonの曲線は、図2のオン抵抗の温度特性と同じものである。図3のVdsの曲線は、ジャンクション温度Tjとそのときに実測された主端子間電圧Vdsの値をプロットしたものである。
図3によれば、ジャンクション温度Tjを知ることによって、オン抵抗Ronの温度特性のデータから、そのときのオン抵抗Ronの推定値Ron(e)を知ることができる。そのジャンクション温度Tj(m)のときの主端子間電圧Vdsを測定(測定値Vds(m))し、Ron(e)で除することによって、スイッチング素子40aの主端子に流れている電流Idを推定することができる。
過電流保護回路36は、過電流を検出するしきい値があらかじめ設定されているので、推定された電流がしきい値に達した場合に、過電流保護回路36は、ローレベルのゲート信号を出力し、スイッチング素子40aをオフさせる。
実施形態の電力変換装置10の効果について、比較例の電力変換装置の場合と比較しつつ説明する。
図4は、比較例の電力変換装置の主要部を例示するブロック図である。
図4には、比較例の電力変換装置110のうち1相分の高電位側のゲート制御回路130aが示されている。図4には、スイッチング素子40aおよび制御装置160が示されている。
ゲート制御回路130aは、入力回路32と絶縁回路34とゲート駆動回路38とを含んでおり、実施形態の場合と過電流保護回路を含まない点で相違する。比較例の電力変換装置110では、過電流の検出は、電流検出器50によって主電流を検出することによって行われる。
より具体的には、制御装置160は、過電流保護部162を有しており、電流検出器50で検出された主電流は、過電流保護部162にあらかじめ設定されたしきい値と比較される。過電流保護部162は、主電流の値がしきい値以上の場合に過電流保護動作をする。過電流保護部162は、過電流を検出した場合には、ゲート制御回路130aに、スイッチング素子40aをターンオフさせるような遮断指令を送信する。
スイッチング素子40aに対する遮断指令は、ゲート制御回路の入力回路32、絶縁回路34およびゲート駆動回路38を介して、スイッチング素子40aに到達する。つまり、比較例の電力変換装置110では、このように、多くの回路ブロックを経由しなければ、スイッチング素子40aをオフさせることができない。
ゲート制御回路130aの中でも、絶縁回路34は、フォトカプラ等を含む光結合回路であったり、絶縁トランス等を含む磁気結合回路であったりする。これらの回路は、寄生容量等を含んでいる。そのため、過電流を検出してから、スイッチング素子40aをターンオフするまでの時間遅れを大きくする要素となり得る。また、そもそも数10Aから100Aを超えるような電流を検出できる電流検出器50では、変流器を利用する場合も多く、そのような電流検出器50が電流を検出して、制御装置60に送信するまでの遅れ時間も無視できるものではない。
これに対して、実施形態の電力変換装置10では、ゲート制御回路30aが過電流保護回路36を有しているので、過電流の検出から、スイッチング素子40aの遮断までの時間遅れを著しく短縮することができる。
また、実施形態の電力変換装置10の過電流保護回路36は、スイッチング素子40aと同じ高電圧回路の側に設けられているので、絶縁回路34を経由することなく、スイッチング素子40aをターンオフさせることができる。そのため、過電流検出からスイッチング素子40aの遮断までの時間遅れをさらに短縮することができる。
実施形態の電力変換装置10では、過電流を検出した後、スイッチング素子40aをオフさせるゲート信号を出力するまでの遅延時間を大幅に短縮することができ、電力変換装置10をより安全に運用することができる。
比較例の他の場合では、電流検出を電流検出器によらず、スイッチング素子40aの主端子に直列に挿入した電流検出抵抗を用いる場合がある(たとえば特許文献1等)。この場合には、電流検出抵抗の両端電圧値が所定のしきい値以上のときに、ゲート信号をローレベルにすることによってスイッチング素子40aをオフさせる。このような構成によれば、絶縁回路34を介さずに、ゲート信号をローレベルにすることができるので、高速な過電流保護を行うことができる。
しかしながら、数10Aから100Aを超えるような主電流を扱う大容量の電力変換装置においては、主電流の経路に抵抗器を挿入することは、損失の増大を招き、好ましくない。また、抵抗器の挿入にともない、寄生インダクタンスが発生し、インダクタンスによる電圧の発生やコンデンサとの共振を生ずる等の副次的な問題も生じ得る。
本実施の形態の電力変換装置10では、スイッチング素子40aの主端子間の電圧を測定し、スイッチング素子40aのオン抵抗を電流検出のために用いることができる。そのため、スイッチング素子40aに直列に接続する抵抗器を用いることなく、高精度かつ低損失で過電流検出を行うことができる。
比較例の電力変換装置の他の例として、ゲート制御回路に過電流保護回路を設け、主端子間の電圧を検出して、その電圧値がしきい値以上の場合にスイッチング素子に過電流が流れたものとして過電流保護をかけるものがある。具体的には、図1のゲート制御回路30aの過電流保護回路36からスイッチング素子40aのオン抵抗の温度特性のデータ37を除いた構成を有するものである。このような例では、過電流保護回路は、スイッチング素子のオン抵抗の温度特性のデータを有しておらず、実際の検出値の温度特性によって、過電流保護をかける電流値が大きくばらつく。
図5(a)および図5(b)は、比較例の電力変換装置の動作を説明するための特性を表すグラフである。
ここで、図5(a)の2つの曲線(Vds,Ron)は、図3の2つの曲線(Vds,Ron)と同じものであるが、図5(a)では、2つの曲線(Vds,Ron)のデータは、ジャンクション温度Tjとの関係が設定されていない。つまり、この比較例の電力変換装置110は、ジャンクション温度Tj等の温度の測定手段をもたず、また、この比較例の電力変換装置110は、ジャンクション温度Tjとオン抵抗Ronの関係の温度特性のデータをもたない。この電力変換装置110では、スイッチング素子のオン抵抗の温度特性にかかわらず、スイッチング素子40aがオンのときの主端子間の電圧が所定値以上となった場合に、過電流であるとして、スイッチング素子40aをオフさせる。
図5(b)には、比較例の場合において、スイッチング素子の主端子に流れる電流を主端子間の電圧で測定し、電流値に換算した場合の様子が示されている。この図には、通常運転時にスイッチング素子の主端子に流れる電流の標準値(図では通常運転相当と記述)と、過電流検出値の標準値(図では過電流レベル相当と記述)が細かい破線で表されている。これらの標準値にスイッチング素子のオン抵抗を乗じて、オン抵抗の温度特性を考慮して図に書き入れたものが標準値の上下の粗い破線で示されている。
図5(b)に示すように、オン抵抗の温度特性を考慮せずに、スイッチング素子の主端子間電圧によって、主端子に流れる電流を推定すると、実際にはスイッチング素子のジャンクション温度によって、大きくばらつき、著しい場合には、通常運転時の電流と過電流検出時の電流とが重なり合ってしまい、過電流検出値の標準値をより大きくする必要が生じ得る。過電流検出値を大きくするということは、たとえば、スイッチング素子の電流定格を大きくしたり、スイッチング素子を並列接続したりする必要があり、装置のコストパフォーマンスに大きく影響する。
図6は、実施形態の電力変換装置の動作を説明するためのグラフである。
図6の左の図は、図5(b)を同じ図であり、他の比較例の場合のオン抵抗の温度特性によって、通常運転時と過電流検出時の電流値のばらつきが大きいことを表している。図6の右の図は、実施形態の電力変換装置10の場合で、通常運転時と過電流検出時の電流値を温度特性によるばらつきを抑制することができる様子を表している。
図6に示すように、実施形態の電力変換装置10では、温度センサによってスイッチング素子の温度を検出し、検出された温度に応じたオン抵抗を抽出して、主端子間の電圧から電流値を推定する。そのため、オン抵抗の温度特性によるばらつきを小さくすることができる。
図6の右の図のように、通常運転時の電流値と過電流検出時の電流値とがオン抵抗の温度特性によるばらつきが小さいなることにより、過電流検出時の電流値をより小さい値に設定することも可能になる。過電流検出時の電流値を小さくすることによって、主電流が流れる配線を細くできる等、コストパフォーマンスを向上させることができる。
以上説明した実施形態によれば、確実に過電流保護が可能な電力変換装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 交流回路、2 直流回路、10 電力変換装置、20 変換回路、30a,30b ゲート制御回路、32 入力回路、34 絶縁回路、36 過電流保護回路、37 温度特性のデータ、38 ゲート駆動回路、40a,40b スイッチング素子、42a,42b 温度センサ、50 電流検出器

Claims (4)

  1. 主電流をスイッチングするスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、
    前記スイッチング素子がオンのときの主端子間の電圧値を検出し、前記スイッチング素子のオン抵抗と前記スイッチング素子の温度との関係を表す温度特性のデータにもとづいて、前記スイッチング素子の温度に対するオン抵抗の値を推定し、前記推定されたオン抵抗および検出された主端子間の電圧値にもとづいて、前記スイッチング素子に流れる電流を推定し、前記推定された電流が、あらかじめ設定されたしきい値以上の場合に、前記スイッチング素子のスイッチングを停止させる過電流保護回路と、
    を含む変換回路
    を備えた電力変換装置。
  2. 前記スイッチング素子にゲート信号を供給して、前記変換回路の動作を制御する制御装置をさらに備え、
    前記変換回路は、前記制御装置と前記過電流保護回路とを絶縁する絶縁回路をさらに含む請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記変換回路は、前記推定された電流が、前記しきい値よりも小さい場合には、前記制御装置から供給される前記ゲート信号にもとづいて前記スイッチング素子を駆動する駆動回路をさらに含む請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記変換回路は、パワーモジュールを含み、
    前記パワーモジュールは、前記スイッチング素子と、前記スイッチング素子に熱結合され前記温度センサとを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の電力変換装置。
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