JP2020058184A - 電力供給モード切替え機能を有するモータ駆動装置 - Google Patents

電力供給モード切替え機能を有するモータ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減できるモータ駆動装置を実現する。【解決手段】モータ駆動装置1は、交流電源2の交流電力をPWM制御により直流電力に変換してDCリンク部4へ出力するPWMコンバータ11と、DCリンク部4に設けられるコンデンサ2と、DCリンク部4の直流電力をモータ駆動用の交流電力に変換するインバータ13と、交流電源2とPWMコンバータ11との間で接続動作及び遮断動作を実行する開閉部14と、開閉部14の接続動作を実行しPWMコンバータ11のPWM制御を実行しない第1の電力供給モード、開閉部14の遮断動作を実行しPWMコンバータ11のPWM制御を実行しない第2の電力供給モード、及び開閉部14の接続動作を実行しPWMコンバータ11のPWM制御を実行する第3の電力供給モードのいずれかを設定する電力供給モード切替部15とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電力供給モード切替え機能を有するモータ駆動装置に関する。
工作機械、鍛圧機械、射出成形機、産業機械、あるいは各種ロボット内のモータを駆動するモータ駆動装置においては、交流電源から供給される交流電力をコンバータ(整流器)にて直流電力に変換してDCリンク部へ出力し、さらにインバータにてDCリンク部における直流電力を交流電力に変換して、この交流電力を駆動軸ごとに設けられたモータに駆動電力として供給している。「DCリンク部」とは、順変換器の直流出力側と逆変換器の直流入力側とを電気的に接続する回路部分のことを指し、「DCリンク」、「直流リンク」、「直流リンク部」、あるいは「直流中間回路」などとも称されることもある。
モータ駆動装置において入力電源電圧を直流電圧に変換(整流)してDCリンク部へ出力するコンバータとして、近年では、モータ減速時に生じる回生電力を交流電源側に戻すことができるPWM制御方式のコンバータ(以下、「PWMコンバータ」と称する。)も用いられている。PWMコンバータは、パワー素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなる。PWMコンバータは、力率がほぼ1で、DCリンク部における電圧(以下、「DCリンク部電圧」と称する。)を、交流電源側から入力される交流電圧の波高値以上の所望の電圧に昇圧することができる利点がある。
モータ駆動装置でモータを加速または減速制御する際には、交流電源に対して大きな交流電力の出力または回生がごく短時間に要求されるため電力ピークが発生する。例えば、同一の交流電源で複数のモータをほぼ同時に駆動する機械では、発生する電力ピークはより大きなものとなる。また例えば、プレス機や射出成型機等などの機械では、平均消費電力と最大瞬間消費電力との差が大きく、電力ピークが大きい。電力ピークが大きくなるほど、電源容量が大きくなるため機械を設置する際のコストが増大し、交流電源側に瞬時電圧低下や電圧フリッカなどの電力障害が発生して同一の交流電源に接続される他の機械に影響を及ぼす問題がある。
電源容量の電力ピークの低減を目的として、モータ駆動装置のコンバータとインバータとを接続するDCリンク部に、直流電力を蓄積し得る蓄電部を設け、交流電源から取り込んだエネルギーやモータで回生されたエネルギーを蓄電部に適宜蓄積し、蓄積したエネルギーをモータの駆動に利用する手法が、従来より用いられている。この手法によれば、モータを駆動するのに必要な電力の多くを蓄電部から供給すれば、交流電源側から見た最大瞬間消費電力を小さくし電力ピークをカットすることができるので、電源設備の容量を小さくすることができる。蓄電部の例としては、例えば大容量コンデンサなどがある。
例えば、低電圧交流電源から入力される交流電力をPWM制御により直流電力へ変換するPWMコンバータと、前記直流電力を受電し、モータを駆動するための交流電力へ変換するインバータと、前記PWMコンバータと前記インバータとの間に接続された蓄電器と、前記低電圧交流電源から前記PWMコンバータに供給される交流電圧を検出する入力電圧検出部と、前記低電圧交流電源から前記PWMコンバータに入力される電流を検出する入力電流検出部と、前記PWMコンバータによる変換後の直流電圧を検出する出力電圧検出部と、を備え、前記PWMコンバータは、前記入力電流検出部によって検出された入出力電流あるいは前記入力電圧検出部、前記入力電流検出部、及び前記出力電圧検出部によって検出された入出力電力をある設定された値に制限するように動作し、前記低電圧交流電源から、モータを駆動するために必要な電圧範囲の下限値或いは下限値より低い波高値の交流電圧を供給され、出力電圧であるDCリンク電圧をモータ駆動可能な電圧まで昇圧することにより、前記蓄電器の容量を削減する、ことを特徴とするモータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、PWM制御により交流電源側の交流電力と直流リンクにおける直流電力との間で電力変換を行うPWMコンバータと、力行動作時には前記直流リンクにおける直流電力をモータ駆動のための交流電力に変換してモータへ供給し、回生動作時にはモータで回生された交流電力を直流電力に変換して前記直流リンクへ戻すインバータと、前記直流リンクに設けられ、直流電力を蓄積し得る蓄電手段と、受信した指令に応じて、交流電源と前記PWMコンバータとの間を接続もしくは切断するスイッチと、前記直流リンクにおける直流電圧が、交流電源から取り込む交流電流が予め設定された入力電流制限値を超えないようにしながら前記PWMコンバータが交流電力から変換した直流電力が前記蓄電手段に蓄積されることで規定電圧になるまで昇圧される間は、前記スイッチへの接続指令の出力を継続し、前記直流リンクにおける直流電圧が、前記規定電圧に達した後は、前記インバータが力行動作を開始する前までの間に前記スイッチへの切断指令の出力を開始する指令手段と、を備えることを特徴とするモータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第5997302号公報 特開2017−17931号公報
モータ駆動装置が駆動するモータにかかる負荷が変動するとモータの速度やトルクなどモータの運転状況が変動するので、モータを駆動するために必要な電力も変動する。電源設備の電力ピークを低減するための蓄電部が設けられたモータ駆動装置においては、当該用途においてモータを駆動するために必要な電力の最大値を考慮して、蓄電部の蓄電容量が設計される。よって、モータを駆動するために必要な電力が頻繁に変動する用途においては、モータを駆動するために必要な電力の最大値を考慮して選定された蓄電部は、モータを駆動するために必要な電力が小さい運転状況においては容量過剰であるといえ、効率が悪い。モータを駆動するために必要な電力の変動幅が大きい用途ほど、より効率が悪くなる。一般に、蓄電部は、蓄電容量が大きいほど、大型化し、高コストである。したがって、電源設備の電力ピークを低減するために設けられた蓄電部を有するモータ駆動装置において、モータの運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減することができる技術が望まれている。
本開示の一態様によれば、モータ駆動装置は、交流電源から入力された交流電力をPWMスイッチング動作により直流電力に変換してDCリンク部へ出力するPWMコンバータと、DCリンク部に設けられるコンデンサと、DCリンク部における直流電力をモータの駆動のための交流電力に変換して出力するインバータと、交流電源とPWMコンバータとの間を電気的に接続する接続動作及び電気的に遮断する遮断動作を選択的に実行する開閉部と、前記モータの駆動時における電力供給モードとして、開閉部の接続動作を実行しかつPWMコンバータのPWMスイッチング動作を実行しない第1の電力供給モード、開閉部の遮断動作を実行しかつPWMコンバータのPWMスイッチング動作を実行しない第2の電力供給モード、及び、開閉部の接続動作を実行しかつPWMコンバータのPWMスイッチング動作を実行する第3の電力供給モード、のうちのいずれか1つを設定する電力供給モード切替部と、を備える。
本開示の一態様によれば、電源設備の電力ピークを低減するために設けられた蓄電部を有するモータ駆動装置において、モータの運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減することができる。
本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。 第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードを説明する図である。 本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置の動作フローを示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。 本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置の動作フローを示すフローチャートである。 本開示の第3の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。 本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置の動作フローを示すフローチャートである。
以下図面を参照して、電力供給モード切替え機能を有するモータ駆動装置について説明する。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された実施形態に限定されるものではない。
図1は、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。
一例として、交流電源2に接続されたモータ駆動装置1により、交流モータ(以下、単に「モータ」と称する。)3を1個制御する場合について説明する。モータ3の個数は本実施形態を特に限定するものではなくこれ以外の個数であってもよい。交流電源2及びモータ3の相数は本実施形態を特に限定するものではなく、例えば三相であっても単相であってもよい。交流電源2の一例を挙げると、三相交流400V電源、三相交流200V電源、三相交流600V電源、単相交流100V電源などがある。また、モータ3の種類についても本実施形態を特に限定するものではなく、例えば誘導モータであっても同期モータであってもよい。モータ3が設けられる機械には、例えば工作機械、ロボット、鍛圧機械、射出成形機、産業機械、各種電化製品、電車、自動車、航空機などが含まれる。
図1に示すように、本実施形態によるモータ駆動装置1は、PWMコンバータ11と、コンデンサ12と、インバータ13と、開閉部14と、電力供給モード切替部15と、を備える。図示の例では電力供給モード切替部15は制御装置100内に設けられる。また、制御装置100内には、インバータ指令生成部41、コンバータ指令生成部42、及び開閉制御部43が設けられる。制御装置100は、例えば工作機械の数値制御装置であってもよい。
PWMコンバータ11は、交流電源2から入力された交流電力をPWMスイッチング動作により直流電力に変換してDCリンク部4へ出力する。PWMコンバータ11は、交流直流変換部31と、入力電源電圧検出部51と、入力電流検出部52と、DCリンク部電圧検出部53とを有する。図1では、一例として、入力電源電圧検出部51、入力電流検出部52、及びDCリンク部電圧検出部53をPWMコンバータ11内に設けたが、PWMコンバータ11の外部に設けてもよい。
PWMコンバータ11内の交流直流変換部31は、PWMスイッチング制御方式の整流回路であり、パワー素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなる。交流直流変換部31は、コンバータ指令生成部42から受信したPWMスイッチング指令に従い、パワー素子をPWMスイッチング動作させ、交流電源2から入力された交流電力を直流電力に変換してDCリンク部4へ出力する。交流直流変換部31は、入力電源電圧が三相電圧である場合は三相のブリッジ回路として構成され、入力電源電圧が単相電圧である場合は単相ブリッジ回路で構成される。パワー素子の例としては、IGBT、サイリスタ、GTO(Gate Turn−OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、SiC(シリコンカーバイド)、トランジスタなどがあるが、パワー素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他のパワー素子であってもよい。PWMコンバータ11の交流入力側には、交流リアクトル33が接続される。
入力電源電圧検出部51は、PWMコンバータ11の交流入力側の端子に印加される入力電源電圧の値を検出する。入力電流検出部52は、PWMコンバータ11の交流入力側の端子から入力される交流電流の値を検出する。DCリンク部電圧検出部53は、PWMコンバータ11の直流出力側の端子の出力電圧であるDCリンク部電圧の値を検出する。これら検出された各値は、制御装置100内のコンバータ指令生成部42に送られる。なお、DCリンク部電圧検出部53により検出されたDCリンク部電圧は、さらに制御装置100内のインバータ指令生成部41に送られてインバータ13内の直流交流変換部32のPWMスイッチング動作の制御に用いられてもよい。
コンバータ指令生成部42は、入力電源電圧検出部51により検出された入力電源電圧の値、入力電流検出部52により検出された交流電流の値、DCリンク部電圧検出部53により検出されたDCリンク部電圧、交流直流変換部31の動作プログラムなどに基づいて、交流直流変換部31のPWMスイッチング動作の制御に用いられるPWMスイッチング指令を生成する。コンバータ指令生成部42により生成されたPWMスイッチング指令は、交流直流変換部31に送られる。
PWMコンバータ11の直流出力側とインバータ13の直流入力側とは、DCリンク部4を介して並列接続される。DCリンク部4には、蓄電部としてのコンデンサ12が設けられる。コンデンサ12は、DCリンク部4において直流電力を蓄積する機能とともにPWMコンバータ11が出力する直流電圧の脈動分を抑える機能を有する。コンデンサ12は、「DCリンクコンデンサ」、「直流コンデンサ」、「直流リンクコンデンサ」あるいは「平滑コンデンサ」とも称される。コンデンサ12の例としては、例えば電解コンデンサやフィルムコンデンサなどがある。
インバータ13は、DCリンク部4における直流電力をモータ3の駆動のための交流電力に変換して出力する。インバータ13は、直流交流変換部32と、出力電圧検出部61と、出力電流検出部62とを有する。なお、図1では、一例として、出力電圧検出部61及び出力電流検出部62をインバータ13内に設けたが、インバータ13の外部に設けてもよい。
インバータ13内の直流交流変換部32は、直流電力を交流電力に変換することができるものであればよく、例えば、内部にスイッチング素子を備えるPWMインバータ回路などがある。直流交流変換部32は、インバータ指令生成部41から受信したPWMスイッチング指令に従い、パワー素子をPWMスイッチング動作させ、DCリンク部4における直流電力をモータ駆動のための交流電力に変換してモータ3へ出力するとともにモータ回生時にはモータ3で回生された交流電力を直流電力に変換してDCリンク部4側へ戻す。直流交流変換部32は、モータ3が三相交流モータである場合は三相のブリッジ回路として構成され、モータ3が単相モータである場合は単相ブリッジ回路で構成される。直流交流変換部32がPWMインバータ回路で構成される場合は、パワー素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなる。この場合、パワー素子の例としては、IGBT、サイリスタ、GTO(Gate Turn−OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、SiC(シリコンカーバイド)、トランジスタなどがあるが、パワー素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他のパワー素子であってもよい。
出力電圧検出部61は、モータ3の端子に印加される電圧の値を検出する。出力電流検出部62は、モータ3の巻線に流れる電流の値を検出する。これら検出された各値は、制御装置内のインバータ指令生成部41に送られる。
インバータ指令生成部41は、一般的なモータ駆動装置のインバータ指令生成部と同様、DCリンク部における直流電力とモータ3の駆動電力もしくは回生電力である交流電力との間でPWMスイッチング動作により電力変換を行うインバータ13を制御するためのPWMスイッチング指令を生成する。すなわち、インバータ指令生成部41は、速度検出部71で検出されたモータ3の速度(速度フィードバック)、出力電流検出部61で検出されたモータ3の巻線に流れる電流(電流フィードバック)、出力電圧検出部62で検出されたモータ3の端子に印加される電圧、所定のトルク指令、及びモータ3の動作プログラムなどに基づいて、モータ3の速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御するためのPWMスイッチング指令を生成する。インバータ指令生成部41により生成されたPWMスイッチング指令は、直流交流変換部32に送られる。
開閉部14は、交流電源2とPWMコンバータ11との間を電気的に接続する接続動作及び電気的に遮断する遮断動作を選択的に実行する。開閉部14による接続動作及び遮断動作は、開閉制御部43により制御される。すなわち、開閉部14は、開閉制御部43から受信した開閉指令に応じて、交流電源2とPWMコンバータ11との間を結ぶ電路を開閉する。なお、開閉部14は、開閉制御部43により受信した開閉指令に従って接続動作及び遮断動作するものであればよく、例えば、電磁接触器、リレー、あるいはパワー半導体スイッチ素子などがある。例えば開閉部14が電磁接触器により実現される場合は、交流電源2とPWMコンバータ11との間を電気的に接続する接続動作は、電磁接触器の接点が閉成することにより実現され、交流電源2とPWMコンバータ11との間を電気的に遮断する開動作は、電磁接触器の接点が開離することにより実現される。
電力供給モード切替部15は、モータ駆動装置1に適用される電力供給モードを、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モード、のうちのいずれか1つに切り替える。第1の電力供給モードでは、モータ3の駆動時において、開閉部14の接続動作を実行しかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作を実行しない。第2の電力供給モードでは、モータ3の駆動時において、開閉部14の遮断動作を実行しかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作を実行しない。第3の電力供給モードでは、開閉部14の接続動作を実行しかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作を実行する。また、第1の電力供給モード、前記第2の電力供給モード、及び前記第3の電力供給モードいずれにおいても、モータ3の駆動時以外の時は、開閉部14の接続動作を実行しかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作を実行する。上述のように、開閉部14の接続動作及び遮断動作は開閉制御部43によって制御され、PWMコンバータ11のPWMスイッチング動作はコンバータ指令生成部42によって制御される。電力供給モード切替部15は、開閉制御部43及びコンバータ指令生成部42を制御することで、開閉部14及びPWMコンバータ11に対し電力供給モードに応じた動作を行わせる。以下に、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードについて、より詳細に説明する。ここで、「PWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない」とは、例えばPWMコンバータ11内のパワー素子の全てがオフされることを意味する。
図2は、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードを説明する図である。なお、図2に示す第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードは、第1の実施形態に限らず、後述する第2及び第3の実施形態においても用いられる。
第1の電力供給モードでは、開閉部14については、モータ3の駆動の有無にかかわらず接続動作が常時行われるが、PWMコンバータ11については、モータ3の駆動時はPWMスイッチング動作は実行されず、それ以外の時はPWMスイッチング動作は実行される。すなわち、第1の電力供給モードにおいて、モータ3の駆動時は、開閉部14の接続動作は実行され、かつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。したがって、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入は無く、モータ3は、コンデンサ12から供給される電力(より詳しくは、コンデンサ12から放電された電力をインバータ13が変換することで得られる交流電力)によって駆動される。一方、第1の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、PWMコンバータ11では、PWMスイッチング動作が実行され、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。一般にPWMコンバータ11では、DCリンク部電圧を、交流電源3側から入力される交流の入力電源電圧の波高値以上に常に昇圧しておく必要がある。したがって、第1の電力供給モードにおいてコンデンサ12に蓄積された電力にてモータ3を駆動する際は、DCリンク部電圧(すなわちコンデンサ12の充電電圧)が交流の入力電源電圧の波高値未満とはならないようにすべきである。このため、第1の電力供給モードは、コンデンサ12からモータ3に供給することができる電力量は比較的少ないので電源設備の電力ピークをカットできる量は少ない。よって、第1の電力供給モードは、モータ3の消費電力が小さい軽負荷時に選択されるのが好ましい。一方で、第1の電力供給モードは、モータ3の駆動の有無にかかわらず開閉部14については接続動作が常時行われるので、開閉部14に対する負担が軽く、寿命を短くすることはないという利点がある。
第2の電力供給モードでは、開閉部14については、モータ3の駆動時は遮断動作が実行され、それ以外の時は接続動作が実行されるが、PWMコンバータ11については、モータ3の駆動時はPWMスイッチング動作は実行されず、それ以外の時はPWMスイッチング動作は実行される。すなわち、第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時では、開閉部14の遮断動作が実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されないので、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入は無く、モータ3は、コンデンサ12から供給される電力(より詳しくは、コンデンサ12から放電された電力をインバータ13が変換することで得られる交流電力)によって駆動される。PWMコンバータ11では、DCリンク部電圧を交流電源3側から入力される交流の入力電源電圧の波高値以上に昇圧しておく必要があるが、第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時では、開閉部14では遮断動作が実行されてPWMコンバータ11と交流電源2とが完全に電気的に切り離される。したがって、第2の電力供給モードでは、DCリンク部電圧が、交流電源3側から入力される交流の入力電源電圧の波高値未満になっても問題は生じない。よって、第2の電力供給モードは、第1の電力供給モードに比べて電源設備の電力ピークをより多くカットすることができる利点がある。このため、第2の電力供給モードは、モータ3の消費電力が比較的大きい中負荷時に選択される。一方、第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、開閉部14では接続動作が実行されPWMコンバータ11ではPWMスイッチング動作が実行されるので、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。このように、第2の電力供給モードは、モータ3の駆動の有無に応じて開閉部14の接続動作及び遮断動作が行われるので、開閉部14に対する負担が重く、短寿命化を招くことがある。
第3の電力供給モードでは、モータ3の駆動の有無にかかわらず、開閉部14については接続動作が常時行われ、PWMコンバータ11についてはPWMスイッチング動作が常時行われる。すなわち、第3の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時では、開閉部14の接続動作が実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作が実行されるので、PWMコンバータ11を介して交流電源2からDCリンク部4への電力が流入し、モータ3は、交流電源2から供給される電力及びコンデンサ12から供給される電力(より詳しくは、交流電源2から供給されコンデンサ12から供給されたDCリンク部4における直流電力を、インバータ13が変換することで得られる交流電力)によって駆動される。第3の電力供給モードは、交流電源2から供給される電力とコンデンサ12から供給される電力とによってモータ3を駆動することができるので、モータ3の消費電力が大きい場合に対応可能であるという利点がある。このため、第3の電力供給モードは、モータ3の消費電力が非常に大きい重負荷時に選択される。ただし、第3の電力供給モードは、第2の電力供給モードに比べて電源設備の電力ピークをカットできる量は少ない。一方、第3の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、PWMコンバータ11では、PWMスイッチング動作が実行され、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。第3の電力供給モードは、モータ3の駆動の有無にかかわらず開閉部14については接続動作が常時行われるので、開閉部14に対する負担が軽く、寿命を短くすることはないという利点がある。
なお、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードいずれにおいても、電源設備の電力ピークをカットする量をできるだけ多くするために、モータ3の駆動時以外の間に、コンデンサ12を満充電にしておくことが好ましい。
第1の実施形態では、電力供給モード切替部15は、外部から入力された指令に応じて、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードうちのいずれか1つの電力供給モードを選択して設定する。図2を参照して説明したように、モータ3に対する負荷が、軽負荷の場合は第1の電力供給モード、中負荷の場合は第2の電力供給モード、重負荷の場合は第3の電力供給モードが設定される。モータ3に対する負荷の状況が予め分かっている場合には、例えば、作業者がキーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)を用いて、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードうちのいずれか1つを選択する指令を、電力供給モード切替部15に入力することで、モータ3の運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減する電力供給モードを選択することができる。また例えば、外部のコンピュータ(図示せず)の演算処理の結果選択された第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードうちのいずれか1つの指令を、電力供給モード切替部15に入力することで、モータ3の運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減する電力供給モードを選択することもできる。
図3は、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS101において、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モードうちのいずれか1つの電力供給モードを選択する指令が入力される。ステップS101において入力される指令は、例えば、作業者がキーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)を用いて入力したものであってもよく、外部のコンピュータ(図示せず)の演算処理の結果選択されたものであってもよい。
ステップS102において、電力供給モード切替部15は、受信した指令が、第1の電力供給モードを選択する指令であるか否かを判定する。第1の電力供給モードを選択する指令であると判定された場合はステップS103へ進み、第1の電力供給モードを選択する指令ではないと判定された場合はステップS107へ進む。
ステップS103において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は一旦停止する。
ステップS104において、電力供給モード切替部15は、第1の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動時は、開閉部14の接続動作は実行され、かつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。また、インバータ指令生成部41は、速度検出部71で検出されたモータ3の速度、出力電流検出部62で検出されたモータ3の巻線に流れる電流、出力電圧検出部61で検出されたモータ3の端子に印加される電圧、所定のトルク指令、及びモータ3の動作プログラムなどに基づいて、モータ3の速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御するためのPWMスイッチング指令を生成する。第1の電力供給モードにおいては、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入は無く、モータ3は、コンデンサ12から供給される電力によって駆動される。一方、第1の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、PWMコンバータ11では、PWMスイッチング動作が実行され、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS105において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。モータ3の駆動が停止されるべきか否かの判定は、例えば、モータ3について予め規定された動作プログラムに基づいて行えばよい。ステップS105においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS106へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS104へ戻る。
ステップS106において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は停止する。
ステップS102において第1の電力供給モードを選択する指令ではないと判定された場合は、ステップS107において、電力供給モード切替部15は、受信した指令が、第2の電力供給モードを選択する指令であるか否かを判定する。第2の電力供給モードを選択する指令であると判定された場合はステップS107へ進み、第2の電力供給モードを選択する指令ではないと判定された場合はステップS111へ進む。
ステップS108において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は一旦停止する。
ステップS109において、電力供給モード切替部15は、第2の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動時は、開閉部14の遮断動作は実行され、PWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。また、インバータ指令生成部41は、PWMスイッチング指令を生成する。第2の電力供給モードにおいては、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入は無く、モータ3は、コンデンサ12から供給される電力によって駆動される。一方、第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、開閉部14では接続動作が実行されかつPWMコンバータ11ではPWMスイッチング動作が実行されるので、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS110において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。モータ3の駆動が停止されるべきか否かの判定は、例えば、モータ3について予め規定された動作プログラムに基づいて行えばよい。ステップS110においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS106へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS109へ戻る。
ステップS107において第2の電力供給モードを選択する指令ではないと判定された場合は、ステップS111において、電力供給モード切替部15は、受信した指令が、第3の電力供給モードを選択する指令であるか否かを判定する。第3の電力供給モードを選択する指令であると判定された場合はステップS112へ進み、第3の電力供給モードを選択する指令ではないと判定された場合はステップS106へ進む。
ステップS112において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は一旦停止する。
ステップS113において、電力供給モード切替部15は、第3の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動の有無にかかわらず、開閉部14については接続動作が常時行われ、PWMコンバータ11についてはPWMスイッチング動作が常時行われる。また、インバータ指令生成部41は、PWMスイッチング指令を生成する。第3の電力供給モードにおいては、モータ3は、交流電源2から供給される電力とコンデンサ12から供給される電力とによって駆動される。一方、第3の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、開閉部14では接続動作が実行されかつPWMコンバータ11ではPWMスイッチング動作が実行されるので、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS114において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。モータ3の駆動が停止されるべきか否かの判定は、例えば、モータ3について予め規定された動作プログラムに基づいて行えばよい。ステップS114においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS106へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS113へ戻る。
続いて、本開示の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態はモータ3に対する負荷の状況が予め分かっている場合において、外部からの指令により最適な電力供給モードに切り替えるものであったが、第2の実施形態は、モータ3に対する負荷の状況が予め分かっていない場合に、どの電力供給モードが最適であるかを判定して切り替えるものである。
図4は、本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。第2の実施形態において、PWMコンバータ11、コンデンサ12、インバータ13、開閉部14、インバータ指令生成部41、コンバータ指令生成部42、及び開閉制御部43については、図1を参照して説明した第1の実施形態の場合と同様である。
第2の実施形態によれば、電力供給モード切替部15は、モータ駆動電力量取得部21と、記憶部22と、設定部23とを有する。
記憶部22には、どの電力供給モードが最適であるかを判定する処理に用いられる第1の閾値E1及び第2の閾値E2が記憶される。記憶部22は、例えばEEPROM(登録商標)などのような電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリ、または、例えばDRAM、SRAMなどのような高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリなどで構成される。
コンデンサ12の充電電圧(満充電時の充電電圧)の値をV1、PWMコンバータ11の交流入力側に印加される入力電源電圧の波高値をV2、モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値をV3としたとき、第1の閾値E1は下記式1に基づいて計算され、第2の閾値E2は下記式2に基づいて計算される。
Figure 2020058184
Figure 2020058184
なお、上記式1及び上記式2に基づく計算の際に用いられる入力電源電圧の波高値V2については、入力電源電圧の実際の波高値以上の値よりも大きい値に設定してもよい。同様に、上記式1及び上記式2に基づく計算の際に用いられるモータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3については、モータ3を駆動可能なDCリンク電圧の実際の下限値よりも大きい値に設定してもよい。
第1の閾値E1は、第1の電力供給モードを用いるべきか否かを判定する際に用いられる。図2を参照して説明したように、第1の電力供給モードでは、モータ3の駆動時は、開閉部14の接続動作は実行され、かつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。したがって、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入は無く、モータ3は、コンデンサ12に蓄積された電力によって駆動される。一般にPWMコンバータ11では、DCリンク部電圧を、交流電源3側から入力される交流の入力電源電圧の波高値以上に常に昇圧しておく必要がある。したがって、第1の電力供給モードにおいては、コンデンサ12からモータ3の電力の供給に際しては、コンデンサ12の充電電圧が入力電源電圧の波高値未満にならないようにすべきである。式1に基づいて計算される第1の閾値E1は、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入がない場合において、DCリンク部電圧(すなわちコンデンサ12の正極両端端子に印加される電圧)が、コンデンサ12の満充電時の充電電圧V1から入力電源電圧の波高値V2まで低下するまでの間に、コンデンサ12からモータ3へ供給可能な電力量を示している。モータ3の駆動に必要な電力量であるモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であれば、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入が無くても、DCリンク部電圧が入力電源電圧の波高値V2未満まで低下しない限りコンデンサ12に蓄積された電力にてモータ3を駆動することができる。換言すれば、第1の電力給電モードでは、コンデンサ12に蓄積された電力量のうち、式1に基づいて計算された電力量E1までを、モータ3の駆動に用いることができる。
第2の閾値E1は、第1の電力供給モードを用いない場合において、第2の電力供給モードまたは第3の電力供給モードのいずれを用いるべきか否かを判定する処理に用いられる。図2を参照して説明したように、第2の電力供給モードでは、モータ3の駆動時は、開閉部14の遮断動作が実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されないので、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入は無く、モータ3は、コンデンサ12から供給される電力によって駆動される。第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時では、開閉部14では遮断動作が実行されてPWMコンバータ11と交流電源2とが完全に電気的に切り離されるので、DCリンク部電圧が交流電源3側から入力される交流の入力電源電圧の波高値未満になっても問題は生じない。よって、第2の電力供給モードは、コンデンサ12に蓄積された電力量のうち、第1の電力供給モードに比べてより多くの電力量を、モータ3の駆動電力に用いることができる。一般にモータ3を駆動するのに最低限必要な交流電圧は予め決まっているので、この必要最小限のモータ駆動のための交流電圧をDCリンク部電圧に換算した値を「モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3」として設定する。第2の電力供給モードでは、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入がない場合において、DCリンク部電圧(すなわちコンデンサ12の正極両端端子に印加される電圧)が、満充電時の充電電圧V1からモータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3まで低下するまでの間、コンデンサ12からモータ3へ電力を供給可能である。よって、式2に基づいて計算される第2の閾値E2は、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入がない場合において、DCリンク部電圧が、満充電時の充電電圧V1からモータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3まで低下するまでの間に、コンデンサ12からモータ3へ供給可能な電力量を示していることになる。例えば、モータ3の駆動に必要な電力量P(モータ駆動電力量)が第1の閾値E1よりも大きい場合であっても第2の閾値E2以下であれば、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入が無くても、第2の電力供給モードにて、コンデンサ12に蓄積された電力にてモータ3を駆動することができる。換言すれば、第2の電力給電モードでは、コンデンサ12に蓄積された電力量のうち、式2に基づいて計算された電力量E2までを、モータ3の駆動に用いることができる。
第3の電力供給モードは、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2よりも大きい場合に設定される。第3の電力供給モードによれば、モータ3の駆動時は、開閉部14の接続動作が実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作が実行され、PWMコンバータ11を介して交流電源2からDCリンク部4への電力が流入するので、モータ3は、交流電源2から供給される電力とコンデンサ12から供給される電力とによって駆動されるので、モータ3の消費電力が大きい重負荷時に対応可能である。
式1及び式2に基づく計算に用いられる値V1は、モータ駆動装置1を実際に運転する際に想定されるコンデンサ12の満充電時の充電電圧の値を用いればよい。また、PWMコンバータ11の交流入力側に印加される入力電源電圧の波高値V2は、モータ駆動装置1に適用される交流電源2の交流電圧波高値を用いればよく、例えば入力電源電圧検出部51によって検出される。また、モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3は、モータ3の仕様書などに規定されている最低駆動電圧(交流電圧)をDCリンク部電圧に換算した値を用いればよい。例えば、インバータ13の交流出力側の電圧である最低駆動電圧(交流電圧)の波高値を「√2」で除算した値を、モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3とすることができる。モータ駆動装置1を実際に運転する前に、これら値V1、V2、及びV3を式1及び式2に代入して第1の閾値E1及び第2の閾値E2を算出し、記憶部22に記憶しておく。
モータ駆動電力量取得部21は、モータ3を駆動するのに要する電力量であるモータ駆動電力量Pを取得する。第2の実施形態では、開閉部14が接続動作を実行しかつPWMコンバータ11がPWMスイッチング動作を実行している状態で、予め規定された動作プログラムに基づきインバータ13がDCリンク部4における直流電力を変換して出力した交流電力によりモータ3を駆動させた場合において、PWMコンバータ11が交流電源4からDCリンク部4へ取り込んだ電力量を、モータ駆動電力量Pとして取得する。
モータ駆動電力量Pは、例えば次のようにモータ駆動装置1を試運転することで取得することができる。まず、モータ駆動装置1を、実際の運転に用いられる動作プログラムに従って動作させ、入力電源電圧検出部51により交流直流変換部31に印加される交流電圧を検出し、入力電流検出部52により交流直流変換部31に入力される交流電流を検出し、これら交流電圧と交流電流とを乗算して瞬時電力を求める。そして、この瞬時電力を例えば試運転を行った時間を積分区間として積分すれば、モータ駆動電力量Pを得ることができる。また例えば、瞬時電力を、試運転を行った時間よりも短い期間を積分区間として積分する計算を複数回行い、得られた複数の電力量のうち最大値のものをモータ駆動電力量Pとして設定してもよい。この場合、後述する設定部23では、当該モータ駆動電力量P(すなわち得られた複数の電力量のうち最大値のもの)と第1の閾値E1及び第2の閾値E2とが比較される。
モータ駆動装置1を上述のように試運転させてモータ駆動電力量Pを取得することに代えて、モータ駆動装置1の動作をコンピュータ上のシミュレーションにて再現し、シミュレーションの結果得られた交流直流変換部31に印加される交流電圧及び交流直流変換部31に入力される交流電流に基づいて、モータ駆動電力量Pを計算してもよい。
モータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pは、設定部23へ送られる。
設定部23は、モータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pと記憶部22に記憶された第1の閾値E1及び第2の閾値E2とを比較し、比較の結果に基づいて、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モード、のうちのいずれか1つを選択して設定する。より詳細には次の通りである。
設定部23は、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下の場合は、第1の電力供給モードを設定する。上述のように第1の閾値E1は、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入がない場合において、DCリンク部電圧が満充電時の充電電圧V1から入力電源電圧の波高値V2まで低下するまでの間に、コンデンサ12からモータ3へ供給可能な電力量を示している。モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下である場合は、コンデンサ12に蓄積された電力量のうち、式1に基づいて計算された電力量E1までであれば、モータ3の駆動に用いることができる。
また、設定部23は、モータ駆動電力量Pが前記第1の閾値E1より大きくかつ第2の閾値E2以下の場合は、第2の電力供給モードを設定する。上述のように第2の閾値E2は、PWMコンバータ11を介した交流電源2からDCリンク部4への電力の流入がない場合において、DCリンク部電圧が、満充電時の充電電圧V1からモータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3まで低下するまでの間に、コンデンサ12からモータ3へ供給可能な電力量を示している。モータ駆動電力量Pが前記第1の閾値E1より大きくかつ第2の閾値E2以下の場合は、コンデンサ12に蓄積された電力量のうち、式2に基づいて計算された電力量E2までであれば、モータ3の駆動に用いることができる。
また、設定部23は、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2より大きい場合は、第3の電力供給モードを設定する。モータ駆動電力量Pが第2の閾値E12より大きい場合は、コンデンサ12から供給される電力のみではモータ3を駆動することができないということから、交流電源2から流入した電力とコンデンサ12に蓄積された電力とによってモータ3を駆動する第3の電力供給モードが選択される。
設定部23によって設定された電力供給モードに応じて、開閉部14の接続動作及び遮断動作が開閉制御部43によって制御され、PWMコンバータ11のPWMスイッチング動作がコンバータ指令生成部42によって制御される。開閉部14及びPWMコンバータ11は、設定された電力供給モードに応じた動作を行う。
図5は、本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS201において、モータ駆動装置1を実際に運転する前に、試運転として、開閉部14が接続動作を実行しかつPWMコンバータ11がPWMスイッチング動作を実行する第3の電力供給モードにて、実際の運転に用いられる動作プログラムに基づきインバータ13がDCリンク部4における直流電力を変換して出力した交流電力によりモータ3を駆動させる。この試運転中に、入力電源電圧検出部51により交流直流変換部31に印加される交流電圧を検出し、入力電流検出部52により交流直流変換部31に入力される交流電流を検出し、これら交流電圧と交流電流とを乗算して瞬時電力を求める。そして、この瞬時電力を例えば試運転を行った時間を積分区間として積分することで、モータ駆動電力量Pを得る。モータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pは、設定部23へ送られる。またさらに、モータ駆動装置1を実際に運転する前に、コンデンサ12の満充電時の充電電圧の値V1、PWMコンバータ11の交流入力側に印加される入力電源電圧の波高値V2、モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3を式1及び式2に代入して第1の閾値E1及び第2の閾値E2を算出し、これらを記憶部22に記憶しておく。
ステップS202において、設定部23は、記憶部22に記憶された第1の閾値E1とモータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pとを比較し、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であるか否かを判定する。比較の結果、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であると判定された場合はステップS203へ進み、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1より大きいと判定された)場合はステップS208へ進む。
ステップS203において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は一旦停止する。
ステップS204において、設定部23は、第1の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動時は、開閉部14の接続動作は実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。第1の電力供給モードの下で、インバータ指令生成部41はPWMスイッチング指令を生成し、これによりモータ3が駆動される。第1の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、PWMコンバータ11では、PWMスイッチング動作が実行され、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS205において、インバータ指令生成部41は、動作プログラムに規定された通りに正常にモータ3が稼働しているか否かを判定する。インバータ指令生成部41は、例えば、インバータ指令生成部41に入力される「速度検出部71で検出されたモータ3の速度」、「出力電流検出部62で検出されたモータ3の巻線に流れる電流」、及び/または「出力電圧検出部61で検出されたモータ3の端子に印加される電圧」が、動作プログラムに規定された通りの値を示しているかに基づいて、正常にモータ3が稼働しているか否かを判定することができる。例えば、コンデンサ12からモータ3に供給される電力が不足すると、モータ3の速度は、動作プログラムに規定された通りの値から外れることになるので、これに基づいて正常にモータ3が稼働しているか否かを判定することができる。ステップS205において正常にモータ3が稼働していると判定された場合はステップS206へ進む。一方、ステップS205において正常にモータ3が稼働していると判定されなかった場合は、第1の電力供給モードではモータ3の駆動電力が不足するということであるので、ステップS209へ進む。ステップS205の処理は、第1の電力供給モードの間、繰り返し実行される。
ステップS206において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。モータ3の駆動が停止されるべきか否かの判定は、例えば、モータ3について予め規定された動作プログラムに基づいて行えばよい。ステップS206においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS207へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS204へ戻る。
ステップS207において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は停止する。
ステップS202においてモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1より大きいと判定された)場合は、ステップS208において、設定部23は、記憶部22に記憶された第2の閾値E2とモータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pとを比較し、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であるか否かを判定する。比較の結果、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であると判定された場合はステップS209へ進み、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第2の閾値E2より大きいと判定された)場合はステップS213へ進む。
ステップS209において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は一旦停止する。
ステップS210において、設定部23は、第2の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動時は、開閉部14の遮断動作が実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。第2の電力供給モードの下で、インバータ指令生成部41はPWMスイッチング指令を生成し、これによりモータ3が駆動される。一方、第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、開閉部14では接続動作が実行されかつPWMコンバータ11ではPWMスイッチング動作が実行されるので、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS211において、インバータ指令生成部41は、動作プログラムに規定された通りに正常にモータ3が稼働しているか否かを判定する。ステップS211において正常にモータ3が稼働していると判定された場合はステップS212へ進む。一方、正常にモータ3が稼働していると判定されなかった場合は、第2の電力供給モードではモータ3の駆動電力が不足するということであるので、ステップS213へ進む。ステップS211の処理は、第2の電力供給モードの間、繰り返し実行される。
ステップS212において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。ステップS212においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS207へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS210へ戻る。
ステップS208においてモータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第2の閾値E2より大きいと判定された)場合は、まずステップS213において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は一旦停止する。
ステップS214において、設定部23は、第3の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動の有無にかかわらず、開閉部14については接続動作が常時行われ、PWMコンバータ11についてはPWMスイッチング動作が常時行われる。第3の電力供給モードの下で、インバータ指令生成部41はPWMスイッチング指令を生成し、これによりモータ3が駆動される。第3の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、開閉部14では接続動作が実行されPWMコンバータ11ではPWMスイッチング動作が実行されるので、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS215において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。ステップS215においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS207へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS214へ戻る。
以上説明したように、本開示の第2の実施形態によれば、モータ3に対する負荷の状況が予め分かっていない場合であっても、電力供給モード切替部15においてどの電力供給モードが最適であるかを判定して切り替える。モータ3の運転状況(モータ3に対する負荷の状況)はモータ3の駆動に必要な電力量であるモータ駆動電力量Pに反映されるので、電力供給モード切替部15内の設定部23は、モータ駆動電力量Pと第1の閾値E1及び第2の閾値E2との比較結果に基づき、モータ3の運転状況に最適な電力供給モードを選択して設定するので、モータ3の運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減することができる。
なお、上述の第2の実施形態では、モータ駆動電力量Pと第1の閾値E1及び第2の閾値E2とを直接比較した。この変形例として、第1の閾値E1とモータ駆動電力量Pとの差「E1−P」及び第2の閾値E2とモータ駆動電力量Pとの差「E2−P」を差計算部(図示せず)によりそれぞれ計算して設定部23へ送り、設定部23は、差計算部から受信した差「E1−P」及び差「E2−P」に基づいて、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モード、のうちのいずれか1つを選択して設定するようにしてもよい。すなわち、この変形例では、設定部23は、第1の閾値E1とモータ駆動電力量Pとの差「E1−P」がゼロ以上の場合は第1の電力供給モードを設定し、第1の閾値E1とモータ駆動電力量Pとの差「E1−P」がゼロ未満でありかつ第2の閾値E2とモータ駆動電力量Pとの差「E2−P」がゼロ以上の場合は第2の電力供給モードを設定し、第2の閾値E2とモータ駆動電力量Pとの差「E2−P」がゼロ未満の場合は第3の電力供給モードを設定する。
図6は、本開示の第3の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。第2の実施形態では、モータ駆動装置1を実際に運転する前の試運転にてモータ駆動電力量Pを取得した。これに対し、第3の実施形態では、モータ駆動装置1の実際の運転中に、モータ3の動作プログラムに規定された駆動指令に基づきモータ駆動電力量Pをリアルタイムで予測計算し、このモータ駆動電力量Pを用いて設定部23の設定処理を実行する。
モータ駆動電力量取得部21は、モータ3の動作プログラムに規定された駆動指令に基づき、モータ駆動電力量Pを予測計算する。例えば、モータ3の出力は、速度検出部71により検出されたモータ3の回転速度とモータ3のトルクとの乗算により得られるので、モータ3に対する速度指令とモータ3のトルク指令とを乗算すれば、モータ3の出力と略等価のモータ駆動電力量Pを予測計算することができる。また例えば、インバータ13の出力電流がインバータ13に対する電流指令に追従しておりかつインバータ13の出力電圧がインバータ13に対する電圧指令に追従しているとみなせば、インバータの出力は、インバータ13に対する電流指令と電圧指令とを乗算し所定の時間期間で積分することによっても、インバータ13の出力と略等価のモータ駆動電力量Pを予測計算することができる。モータ3に対する速度指令及びトルク指令並びにインバータ13に対する電流指令及び電圧指令といった各種駆動指令は、モータ2に対する動作プログラムに予め規定されているか、あるいは外部から入力されるか、あるいはインバータ指令生成部41内の処理の結果得られるものである。第3の実施形態では、モータ駆動電力量取得部21は、インバータ指令生成部41から転送されたモータ3に対する各種駆動指令に基づき、モータ駆動電力量Pを予測計算する。モータ駆動電力量取得部21以外の回路構成要素については図4に示す第2の実施形態における回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。
図7は、本開示の第3の実施形態によるモータ駆動装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS301を実行する前に、コンデンサ12の満充電時の充電電圧の値V1、PWMコンバータ11の交流入力側に印加される入力電源電圧の波高値V2、モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値V3を式1及び式2に代入して第1の閾値E1及び第2の閾値E2を算出し、これらを記憶部22に記憶しておく。
ステップS301において、開閉部14が接続動作を実行しかつPWMコンバータ11がPWMスイッチング動作を実行する第3の電力供給モードの下で、インバータ指令生成部41はPWMスイッチング指令を生成し、これによりモータ3が駆動される。第1の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、PWMコンバータ11では、PWMスイッチング動作が実行され、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS302において、モータ駆動電力量取得部21は、モータ3に対する駆動指令に基づき、モータ駆動電力量Pを予測計算する。モータ駆動電力量取得部21の予測計算により取得されたモータ駆動電力量Pは、設定部23へ送られる。
ステップS303において、設定部23は、記憶部22に記憶された第1の閾値E1とモータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pとを比較し、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であるか否かを判定する。比較の結果、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であると判定された場合はステップS304へ進み、モータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1より大きいと判定された)場合はステップS307へ進む。
ステップS304において、設定部23は、第1の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動時は、開閉部14の接続動作は実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。第1の電力供給モードの下で、インバータ指令生成部41はPWMスイッチング指令を生成し、これによりモータ3が駆動される。第1の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、PWMコンバータ11では、PWMスイッチング動作が実行され、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS305において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。モータ3の駆動が停止されるべきか否かの判定は、例えば、モータ3について予め規定された動作プログラムに基づいて行えばよい。ステップS305においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS306へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS302へ戻る。
ステップS306において、インバータ指令生成部41は、モータ3が停止するようにPWMスイッチング指令をインバータ13内の直流交流変換部32へ出力し、モータ3を停止させる。これにより、モータ3の駆動は停止する。
ステップS303においてモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第1の閾値E1より大きいと判定された)場合は、ステップS307において、設定部23は、記憶部22に記憶された第2の閾値E2とモータ駆動電力量取得部21により取得されたモータ駆動電力量Pとを比較し、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であるか否かを判定する。比較の結果、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であると判定された場合はステップS308へ進み、モータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第2の閾値E2より大きいと判定された)場合はステップS310へ進む。
ステップS308において、設定部23は、第2の電力供給モードを設定する。これにより、モータ3の駆動時は、開閉部14の遮断動作が実行されかつPWMコンバータ11のPWMスイッチング動作は実行されない。第2の電力供給モードの下で、インバータ指令生成部41はPWMスイッチング指令を生成し、これによりモータ3が駆動される。一方、第2の電力供給モードにおけるモータ3の駆動時以外の時は、開閉部14では接続動作が実行されかつPWMコンバータ11ではPWMスイッチング動作が実行されるので、交流電源2から入力された交流電力が直流電力に変換されてDCリンク部4へ出力され、この直流電力がコンデンサ12に蓄積(充電)される。
ステップS309において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。ステップS309においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS306へ進み、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS302へ戻る。
ステップS307においてモータ駆動電力量Pが第2の閾値E2以下であると判定されなかった(すなわちモータ駆動電力量Pが第2の閾値E2より大きいと判定された)場合は、ステップS310において、制御装置100は、モータ3の駆動が停止されるべきか否かを判定する。ステップS310においてモータ3の駆動が停止されるべきと判定された場合はステップS306へ進む。一方、モータ3の駆動が停止されるべきでないと判定された場合はステップS301へ戻り、設定部23は、第3の電力供給モードを設定する。
以上説明したように、第3の実施形態では、モータ駆動装置1の実際の運転中に、モータ3の動作プログラムに規定された駆動指令に基づきモータ駆動電力量Pをリアルタイムで予測計算し(ステップS302)、このモータ駆動電力量Pを用いて設定部23の設定処理(ステップS303及びS307)を実行する。特に第2の電力供給モードでは、開閉部14による交流電源2とPWMコンバータ11との間を結ぶ電路の開閉動作(接続動作及び遮断動作)が実行される。交流電源2とPWMコンバータ11との間を結ぶ電路に大電流が流れているときに当該電路を開状態から閉状態へ切り替えたり閉状態から開状態へ切り換えたりするとアークが発生するので好ましくない。よって、設定部23が第1の電力供給モードまたは第3の電力供給モードを設定している状態でのステップS307及びS308の処理は、交流電源2とPWMコンバータ11との間を結ぶ電路に大電流が流れていない状態の時に実行されるのが好ましい。
なお、上述の第3の実施形態においても、第2の実施形態の変形例のように第1の閾値E1とモータ駆動電力量Pとの差「E1−P」及び第2の閾値E2とモータ駆動電力量Pとの差「E2−P」を差計算部(図示せず)によりそれぞれ計算して設定部23へ送り、設定部23は、差計算部から受信した差「E1−P」及び差「E2−P」に基づいて、第1の電力供給モード、第2の電力供給モード、及び第3の電力供給モード、のうちのいずれか1つを選択して設定するようにしてもよい。
さらに、ステップS302において、ステップS302時点でのDCリンク部電圧をV1、PWMコンバータ11の交流入力側に印加される入力電源電圧の波高値をV2、モータ3を駆動可能なDCリンク部電圧の下限値をV3としたときの第1の閾値E1と第2の閾値E2がそれぞれ閾値計算部(図示せず)で計算され、これら第1の閾値E1と第2の閾値E2を記憶部22に記憶してもよい。
以上説明したように、本開示の第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様、モータ3に対する負荷の状況が予め分かっていない場合であっても、電力供給モード切替部15は、モータ駆動電力量Pと第1の閾値E1及び第2の閾値E2との比較に基づき、モータ3の運転状況に最適な電力供給モードを選択して設定するので、モータ3の運転状況に応じて効率よく電力ピークを低減することができる。また、本開示の第3の実施形態によれば、モータ3に対する駆動指令に基づきモータ駆動電力量Pをリアルタイムで予測計算し、このモータ駆動電力量Pを用いて設定部23の設定処理を実行するので、より精緻にモータ3の運転状況に応じた電力供給モードを選択して設定することができるので、蓄電部としてのコンデンサ12の利用効率がさらに向上する。
なお、上述したインバータ指令生成部41、コンバータ指令生成部42、開閉制御部43、電力供給モード切替部15(モータ駆動電力量取得部21及び設定部23)、入力電力計算部54、並びに出力電力計算部62は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えばこれらをソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、モータ制御装置1内にある例えばCPUやMPUやDSPなどの各種演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、上述の各部の機能を実現することができる。またあるいは、インバータ指令生成部41、コンバータ指令生成部42、開閉制御部43、電力供給モード切替部15(モータ駆動電力量取得部21及び設定部23)、入力電力計算部54、並びに出力電力計算部62を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。
1 モータ駆動装置
2 交流電源
3 モータ
4 DCリンク部
11 PWMコンバータ
12 コンデンサ
13 インバータ
14 開閉部
15 電力供給モード切替部
21 モータ駆動電力量取得部
22 記憶部
23 設定部
31 交流直流変換部
32 直流交流変換部
33 交流リアクトル
41 インバータ指令生成部
42 コンバータ指令生成部
43 開閉制御部
51 入力電源電圧検出部
52 入力電流検出部
53 DCリンク部電圧検出部
61 出力電圧検出部
62 出力電流検出部
71 速度検出部
100 制御装置

Claims (6)

  1. 交流電源から入力された交流電力をPWMスイッチング動作により直流電力に変換してDCリンク部へ出力するPWMコンバータと、
    前記DCリンク部に設けられるコンデンサと、
    前記DCリンク部における直流電力をモータの駆動のための交流電力に変換して出力するインバータと、
    前記交流電源と前記PWMコンバータとの間を電気的に接続する接続動作及び電気的に遮断する遮断動作を選択的に実行する開閉部と、
    前記モータの駆動時における電力供給モードとして、前記開閉部の前記接続動作を実行しかつ前記PWMコンバータの前記PWMスイッチング動作を実行しない第1の電力供給モード、前記開閉部の前記遮断動作を実行しかつ前記PWMコンバータの前記PWMスイッチング動作を実行しない第2の電力供給モード、及び、前記開閉部の前記接続動作を実行しかつ前記PWMコンバータの前記PWMスイッチング動作を実行する第3の電力供給モード、のうちのいずれか1つを設定する電力供給モード切替部と、
    を備える、モータ駆動装置。
  2. 前記第1の電力供給モード、前記第2の電力供給モード、及び前記第3の電力供給モードにおいて、前記モータの駆動時以外の時は、前記開閉部の前記接続動作を実行しかつ前記PWMコンバータの前記PWMスイッチング動作を実行する、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記電力供給モード切替部は、外部から入力された指令に応じて、前記第1の電力供給モード、前記第2の電力供給モード、及び前記第3の電力供給モードうちのいずれか1つを設定する、請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記電力供給モード切替部は、
    前記モータを駆動するのに要する電力量であるモータ駆動電力量を取得するモータ駆動電力量取得部と、
    前記コンデンサの充電電圧の値をV1、前記PWMコンバータの交流入力側に印加される入力電源電圧の波高値をV2、前記モータを駆動可能な前記DCリンク部電圧の下限値をV3、第1の閾値をE1、第2の閾値をE2としたとき、
    Figure 2020058184
    Figure 2020058184
    に基づいて計算された前記第1の閾値E1及び前記第2の閾値E2を記憶する記憶部と、
    前記モータ駆動電力量取得部により取得された前記モータ駆動電力量と前記記憶部に記憶された前記第1の閾値E1及び前記第2の閾値E2とを比較し、比較の結果、前記モータ駆動電力量が前記第1の閾値E1以下の場合は前記第1の電力供給モードを設定し、前記モータ駆動電力量が前記第1の閾値E1より大きくかつ前記第2の閾値E2以下の場合は前記第2の電力供給モードを設定し、前記モータ駆動電力量が前記第2の閾値E2より大きい場合は前記第3の電力供給モードを設定する設定部と、
    を有する、請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記モータ駆動電力量取得部は、前記開閉部が前記接続動作を実行しかつ前記PWMコンバータが前記PWMスイッチング動作を実行している状態で、予め規定された動作プログラムに基づき前記インバータが前記DCリンク部における直流電力を変換して出力した交流電力により前記モータを駆動させた場合において、前記PWMコンバータが前記交流電源から前記DCリンク部へ取り込んだ電力量を、前記モータ駆動電力量として取得する、請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記モータ駆動電力量取得部は、前記モータに対する駆動指令に基づき、前記モータ駆動電力量を予測計算する、請求項4に記載のモータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022091884A1 (ja) * 2020-10-26 2022-05-05 ファナック株式会社 配線状態検出部を有するコンバータ及びモータ駆動装置
WO2023067811A1 (ja) * 2021-10-22 2023-04-27 三菱電機株式会社 電力変換装置、モータ駆動装置および冷凍サイクル適用機器
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