JP2020057671A - 活性ガス供給システムとそれを用いた半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
尚、本明細書で「反応」とは、化学反応のみならず吸着や付着等も含むものとする。
この問題は、半導体製造工場のグレーティング床に設置できるように装置の軽量化が求められ、ステンレス鋼に代わってより軽い金属であるアルミ製等のチャンバも用いられるようになったことにより、特に顕在化してきている。
これにより、チャンバ材料へのHFの吸着量が低減したことがHF封止テスト、実流量テスト等で確認され、半導体基板の処理速度(エッチング速度)の変動も低減できたことが報告されている(特許文献1)。
前記活性ガスの供給量を制御する質量流量制御装置と、該質量流量制御装置を制御するコントローラと、半導体基板の処理の際の前記活性ガスの前記チャンバの内壁との推定反応量を記憶する記憶装置とを含み、
前記コントローラは、半導体基板の処理の際、前記推定反応量に基づいて、前記供給量を補正するように前記質量流量制御装置を制御することを特徴とする。
前記ガス封止テストは、前記チャンバ内を対象のガスで満たして密閉状態にし、所定時間放置したときのチャンバ内の圧力の低下量から前記推定反応量を求めるものであり、
前記実流量テストは、前記チャンバの下流側のバルブを閉じ、前記質量流量制御装置により対象のガスを所定の設定流量でチャンバに流入させたときに測定されるチャンバ内の単位時間あたりの圧力上昇から実流量を求め、前記設定流量と前記実流量との差から前記推定反応量を求めるものである、
構成を採用できる。
前記コントローラは、前記反応量を測定するために、前記圧力計を読み取りながら、前記質量流量制御装置と前記バルブを制御して、前記ガス封止テストと前記実流量テストの少なくとも一方を実施する、構成を採用できる。
本実施形態のシステムは、事前にオペレータが手動でチャンバの内壁との推定反応量を求めておき、半導体基板の処理の際、本システムがこの推定反応量に基づいて、活性ガスであるHFガスの供給量を補正するものである。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
本実施形態のシステム100は、質量流量制御装置1と、コントローラ2と、記憶装置3とを含む。
コントローラ2は、質量流量制御装置1の動作を制御するものである。コントローラ2は、本システム専用のものである必要はなく、半導体製造装置の一部又は全体を制御するものであってもよく、複数の半導体製造装置を統括するホストコンピュータであってもよい。
記憶装置3は、事前に手動で求めた前記活性ガスの前記チャンバ6の内壁との推定反応量を記憶するものである。記憶装置3も、本システム専用のものである必要はなく、半導体製造装置の記憶装置でよく、コントローラ2に内蔵されていてもよい。
次に、ガス封止テストと実流量テストの実施例を以下に示す。
本実施形態では、比較のために、ステンレス鋼(SUS316L−EP)、材質A、材質Bの3種類のチャンバ材質についてテストを行った。また、妥当性検証のために、N2ガスでの比較テストも行った(N2供給ラインは図示省略)。
尚、材質A、Bについては、実際にその材質でチャンバを製作する代わりに、HFガスと反応しないと考えられるステンレス鋼(以下、単に「SUS」という)のチャンバ6の中に材質A,Bの試験片を入れて、模擬的にテストを行った。
(1.1)手順
チャンバ6内にHFガスを導入し、圧力設定を20Torrにし(温度設定は25℃)、チャンバ6内を圧力20TorrのHFガスで満たされた状態にして、チャンバ上流側バルブV1及び下流側バルブV2を閉じて2時間放置し、圧力計Pでチャンバ内部の圧力をモニターした。
尚、この圧力及び温度は、処理レシピに指定された圧力及び温度と同じにするのが好ましい。これにより、テスト時も基板処理時と同様の反応量が想定されるからである。
ガス封止テストの結果を図2(a)〜(d)に示す。
まず、SUS(チャンバ6に試験片なし)では、N2ガス封止テスト及びHFガス封止テストにおいて、チャンバ6内圧力20Torrで2時間放置しても、チャンバ6内圧力の低下は最大でも0.11Torrとほとんど見られなかった(図2(a))。これは、N2ガス及びHFガスが、SUSチャンバ6の内壁に殆ど反応しなかったことを示している。
一方、材質Aと材質Bでは、N2ガス封止テストでは、殆ど低下がみられなかったが、HF封止テストでは、材質Aで18.1Torrと顕著な圧力低下がみられ、材質Bでも1.89Torrの圧力低下がみられた(図2(b)(c))。これは、封止テスト中に、材質A,Bの表面に反応したHFガスの量が多く、その結果チャンバ6内にガスとして存在するHFの量が減少したためと考えられる。尚、図2(b)の圧力曲線が当初急激に低下し、その後落ち着いていることから、HFガスの材質Aとの時間当たりの反応量は、テスト開始時が最大で、その後急激に減少したと考えられる。
ガスの変化量Δn(単位はmol)と所定時間Δt(単位は分)とその間の圧力の低下量ΔP(単位は1気圧に対する割合)とチャンバ6内の体積V(単位はcc)とチャンバ6の絶対温度T(単位はK)から、流量換算した時間当たりの推定反応量Q(単位はsccm)を以下の式で求める。
Q1=(Δn/Δt)・V0=ΔP・V・273/(T・Δt)
前記所定時間Δtは、処理レシピに指定された各半導体基板のHF処理の処理時間と同じにすることが好ましい。例えば、処理時間が1分であるとき、前記所定時間Δtを1分とし、封止テストの開始から開始後1分までの反応量Q1を1枚目の基板処理時の推定反応量、開始後1分から2分までの反応量Q1を2枚目の基板処理時の推定反応量とする。これにより、ロットの処理開始直後に最大でその後急激に低下すると考えられる推定反応量を、各半導体基板の処理に適切に適用することができる。
(2.1)手順
チャンバ6の下流側バルブV2を閉じ、質量流量制御装置1の設定流量Q2を300sccm(set point 100%)にしてHFをチャンバ6に流入させ、圧力の上昇を圧力計Pでモニターした。ガスの変化量Δn(単位はmol)と所定時間Δt(単位は分)とその間の圧力の上昇ΔP(単位は1気圧に対する割合)とチャンバ6内の体積V(単位はcc)とチャンバ6の絶対温度T(単位はK)から、実流量Q3(単位はsccm)を以下の式で求めた。
Q3=(Δn/Δt)・V0=ΔP・V・273/(T・Δt)
この測定を、チャンバ6内を大気圧解放せずに5回繰り返して行った。
なお、この時の設定流量Q2及び初期圧力は、処理レシピに指定されたHFガスの流量及び圧力と各々同じにすることが好ましい。これにより、テスト時も基板処理時と同様の反応量が想定されるからである。
実流量テストの結果を図3に示す。
SUS(チャンバ6に試験片なし)では、N2ガス実流量テスト及びHFガス実流量テストにおいても、設定流量Q2に対する実流量Q3のずれは、5回とも小さかった(N2ガス実流量テストで最大0.02%、HFガス実流量テストで最大0.03%のずれ)。
一方、材質Aと材質Bでは、N2ガス実流量テストでは、流量設定値に対する流量実測値のずれは最大0.07%と小さかったが、HFガス実流量テストでは、条件Aでマイナス側に最大48.65%最小でも12.56%と極めて大きなずれが見られ、条件Bでもマイナス側に最大0.77%のずれがみられた。
これは、HFガスは材質A,Bの表面に反応又は付着して消費されたため、その結果チャンバ6内にガスとし存在するHFの量が減少したためと考えられる。
なお、HFガス実流量テストの特に材質Aでは、5回の繰り返し測定のうち第1回目の測定ではマイナス側に48.65%と極めて大きなずれが見られたが、回数を重ねるにつれて、ずれ幅は縮小した。この原因は、おそらく第1回目の測定時に反応又は付着してHFが材質A表面に残存し、第2回目以降の測定時には新たなHFの反応や吸着を妨げたためと考えられる。
実流量Q3と設定流量Q2との差Q2−Q3を推定反応量Q4とする。
したがって、図3の表の「誤差」の符号反転した値が、推定反応量Q4になる。
前記所定時間Δtは、各半導体基板のHF処理の処理時間と同じにすることが好ましい。その場合、第1回目の測定結果から求めた推定反応量Q4を1枚目の基板処理時の推定反応量、第2回目の測定結果から求めた推定反応量Q4を2枚目の基板処理時の推定反応量とするとこができる。これにより、ロットの処理開始直後に最大でその後急激に低下すると考えられる推定反応量を、各半導体基板の処理に適切に適用することができる。
コントローラ2は、記憶装置に3に記憶された推定反応量テーブルから、実行するレシピ及び処理する半導体基板に関連付けられた推定反応量を読み取り、質量流量制御装置1に、レシピ指定の設定流量にこの推定反応量を加算した流量を新たな流量設定値として指示する。質量流量制御装置1は、この新たな流量設定値に基づいて、HFガスをチャンバ6に供給する。
本実施形態のシステムは、チャンバ6の内壁との推定反応量を事前にシステムが自動で求め、半導体基板の処理の際、この推定反応量に基づいて、HFガスの供給量を補正するものである。
図4に示すように、本システム200は、質量流量制御装置1と、コントローラ2と、記憶装置3と、圧力計Pと、バルブV1及びV2と、排気量調整バルブV3を含む。
圧力計Pは、チャンバ6内部の圧力を測定するもので、測定した圧力を前記コントローラ2が読み取り可能なデータとして出力するようになっている。
バルブV1及びV2は、各々チャンバ6の上流側及び下流側に設けられ、供給ライン、排気ラインを開閉するものである。
排気量調整バルブV3は、チャンバ6内の圧力を調整するために、チャンバ6と排気系7との間に設けられ、チャンバ6からの排気量を調整するものである。但し、バルブV2が排気量調整機能を持っている場合、この排気量調整バルブV3は必ずしも必要ない。
なお、上記各構成要素やそれらを繋ぐ信号線も、既に半導体製造装置に設けられていて、通常の半導体基板処理に用いられるものであってよい。
本実施形態のシステム200の動作は、ガス封止テスト及び実流量テストの少なくとも一方を手動の代わりにコントローラ2が自動で実施することを除いて、第1の実施形態のシステム100(図1参照)の動作と同じである。
コントローラ2は各構成要素を制御して以下の動作を実行する。
(1.1)手順
チャンバ6内にHFガスを導入し、圧力設定を20Torrにし(温度設定は25℃)、チャンバ6内を圧力20TorrのHFで満たされた状態にして、チャンバ上流側バルブV1及び下流側バルブV2を閉じて2時間放置し、圧力計Pでチャンバ6内部の圧力をモニターする。
このとき、圧力及び温度は、処理レシピに指定された基板処理時の圧力及び温度と同じ設定する。
ガスの変化量Δn(単位はmol)と所定時間Δt(単位は分)とその間の圧力の低下量ΔP(単位は1気圧に対する割合)とチャンバ6内の体積V(単位はcc)とチャンバ6の絶対温度T(単位は度)から、流量換算した時間当たりの推定反応量Q(単位はsccm)を以下の式で求める。
Q1=(Δn/Δt)・V0=ΔP・V・273/(T・t)
前記所定時間Δtは、処理レシピに指定された各半導体基板のHF処理の処理時間と同じに設定され。封止テストの開始から開始後tまでの反応量Q1を1枚目の基板処理時の推定反応量、開始後tから2tまでの反応量Q1を2枚目の基板処理時の推定反応量とする。以下同様に、各基板処理時の推定反応量を求め、処理レシピと関連付けて、記憶装置3に記憶する。
コントローラ2は各構成要素を制御して以下の動作を実行する。
(2.1)手順
チャンバ6の下流側バルブV2を閉じ、質量流量制御装置1の設定流量Q2を300sccm(set point 100%)にしてHFをチャンバ6に流入させ、圧力の上昇を圧力計Pでモニターする。ガスの変化量Δn(単位はmol)と所定時間Δt(単位は分)とその間の圧力の上昇ΔP(単位は1気圧に対する割合)とチャンバ6内の体積V(単位はcc)とチャンバ6の絶対温度T(単位はK)から、実流量Q3(単位はsccm)を以下の式で求める。
Q3=(Δn/Δt)・V0=ΔP・V・273/(T・Δt)
この測定を、チャンバ6内を大気圧解放せずに5回繰り返して行なう。
実流量Q3と設定流量Q2との差Q2−Q3を推定反応量Q4とする。
前記所定時間Δtは、各半導体基板のHF処理の処理時間と同じに設定される。そして、第1回目の測定結果から求めた推定反応量Q4を1枚目の基板処理時の推定反応量、第2回目の測定結果から求めた推定反応量Q4を2枚目の基板処理時の推定反応量とする。
以下同様に、各基板処理時の推定反応量を求め、処理レシピと関連付けて、記憶装置3に記憶する。
第1の実施形態と同様に、コントローラ2は、記憶装置に3に記憶された推定反応量テーブルから、実行するレシピ及び処理する半導体基板に関連付けられた推定反応量を読み取り、質量流量制御装置1に、レシピ指定の設定流量にこの推定反応量を加算した流量を新たな流量設定値として指示する。質量流量制御装置1は、この新たな流量設定値に基づいて、HFガスをチャンバ6に供給する。
例えば、上記各実施形態では、処理レシピごとに、かつ、ロット内の半導体基板ごとに推定反応量を設定しているが、これに限定されず、処理レシピごとにロット内全基板に共通の推定反応量を設定してもよく、ロット内の基板ごとに全レシピ共通の推定反応量を設定してもよく、全レシピ全基板に共通の推定反応量を設定してもよい。
2 :コントローラ
3 :記憶装置
4 :HF供給源
5 :ガス供給系
6 :チャンバ
7 :排気系
100:第1の実施形態のシステム
200:第2の実施形態のシステム
P :圧力計
T :温度計
V1〜V2:バルブ
V3 :排気量調整バルブ
Claims (6)
- 半導体基板を活性ガスで処理するチャンバへ該活性ガスを供給するシステムであって、
前記活性ガスの供給量を制御する質量流量制御装置と、該質量流量制御装置を制御するコントローラと、半導体基板の処理の際の前記活性ガスの前記チャンバの内壁との推定反応量を記憶する記憶装置とを含み、
前記コントローラは、半導体基板の処理の際、前記推定反応量に基づいて、前記供給量を補正するように前記質量流量制御装置を制御する、システム。 - 前記推定反応量は、処理レシピごとに、かつ、処理ロットの最初の少なくとも所定枚数までは半導体基板ごとに設定され、前記供給量の補正を処理レシピごとに、かつ、半導体基板ごとに実施する、請求項1に記載のシステム。
- 前記推定反応量は、ガス封止テストと実流量テストの少なくとも一方から事前に求めたもので、
前記ガス封止テストは、前記チャンバ内を対象のガスで満たして密閉状態にし、所定時間放置したときのチャンバ内の圧力の低下量から前記推定反応量を求めるものであり、
前記実流量テストは、前記チャンバの下流側のバルブを閉じ、前記質量流量制御装置により対象のガスを所定の設定流量でチャンバに流入させたときに測定されるチャンバ内の単位時間あたりの圧力上昇から実流量を求め、前記設定流量と前記実流量との差から前記推定反応量を求めるものである、請求項1又は2に記載のシステム。 - 前記チャンバの内部の圧力を測定する圧力計と、該チャンバの上流側と下流側を開閉するバルブとをさらに含み、
前記コントローラは、前記反応量を測定するために、前記圧力計を読み取りながら、前記質量流量制御装置と前記バルブを制御して、前記ガス封止テストと前記実流量テストの少なくとも一方を実施する、請求項3に記載のシステム。 - 前記活性ガスがフッ化水素ガスである、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のシステムを含む半導体製造装置。
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WO2007072708A1 (ja) * | 2005-12-22 | 2007-06-28 | Tokyo Electron Limited | 基板処理装置 |
JP2009049305A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Omron Corp | 酸化膜厚推定方法及び装置並びにプログラム |
US20180082826A1 (en) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | Lam Research Corporation | Method and Process of Implementing Machine Learning in Complex Multivariate Wafer Processing Equipment |
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