JP2018116583A - 流量測定方法及び流量制御方法 - Google Patents

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裕 松井
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Abstract

【課題】ビルドアップ法によるガス流量測定の精度を向上させることを目的とする。【解決手段】流量制御器から出力されたガスをガス供給部を介してチャンバに供給する工程と、前記チャンバに供給される流量が安定した後に、前記チャンバの排気側バルブを閉じる工程と、前記排気側バルブを閉じた後に、前記チャンバの圧力と、前記流量制御器と前記ガス供給部の間の圧力とを測定する工程と、測定した前記チャンバの圧力と前記流量制御器とガス供給部の間の圧力との差分により、前記チャンバの圧力に対して前記チャンバの体積当たりの圧力損失分の補正を行う工程と、補正された前記チャンバの圧力上昇率とチャンバの体積とからガス流量を算出する工程と、を含む流量測定方法が提供される。【選択図】図6

Description

本発明は、流量測定方法及び流量制御方法に関する。
エッチング等を行う半導体製造装置において要求されるCD(Critical Dimension)の制御は、微細化が進む毎に厳しくなり、nmオーダー以下の幅の制御が要求される場合もある。このように微細なCDを高精度に制御するためには、半導体製造時の各制御パラメーラを高精度に制御する必要があり、各制御パラメータが正しく制御されているかを測定する測定技術が必要となる。
例えば制御パラメータの一つとしてガス流量を例に挙げると、半導体製造装置にガス測定器が設置されている場合には、チャンバ内に供給されるガス流量を測定することが行われている。しかしながら、多くの半導体製造装置にはガス測定器は設置されておらず、ガス測定器を設置するためには大きな投資が必要となる。
そこで、ビルドアップ(Build Up)法と呼ばれるガス流量測定方法を用いて、ガス流量が正しく制御されているかを測定することが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。ビルドアップ法によるガス流量測定では、所定流量のガスが導入されるチャンバ内の圧力を測定し、その圧力上昇の傾き(圧力上昇率)を測定することで、圧力上昇の傾きからチャンバ内に供給されているガスの流量が正しく制御されているかを測定する。
特開2012−32983号公報 特表2010−531999号公報
ビルドアップ法によるガス流量測定では、チャンバ内の圧力上昇カーブは直線で、圧力上昇率は一定であることが前提であり、この場合には、圧力上昇の傾きからチャンバ内に供給されるガス流量を正しく測定することができる。しかしながら、ガスの供給経路にコンダクタンスが存在する場合、その途中にガスの滞留が発生するため、チャンバ内の圧力上昇率が一定でなくなる。この場合、一定でない圧力上昇の傾きのうちの、どの傾きを採用するかで算出された結果のガス流量が変わってしまう等、ビルドアップ法によるガス流量測定の結果に対する誤差要因が生じる。
上記課題に対して、一側面では、本発明は、ビルドアップ法によるガス流量測定の精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、一の態様によれば、流量制御器から出力されたガスをガス供給部を介してチャンバに供給する工程と、前記チャンバに供給される流量が安定した後に、前記チャンバの排気側バルブを閉じる工程と、前記排気側バルブを閉じた後に、前記チャンバの圧力と、前記流量制御器と前記ガス供給部の間の圧力とを測定する工程と、測定した前記チャンバの圧力と前記流量制御器とガス供給部の間の圧力との差分により、前記チャンバの圧力に対して前記チャンバの体積当たりの圧力損失分の補正を行う工程と、補正を行った後の前記チャンバの圧力上昇率と前記チャンバの体積とからガス流量を算出する工程と、を含む流量測定方法が提供される。
一の側面によれば、ビルドアップ法によるガス流量測定の精度を向上させることができる。
ビルドアップ法によるガス流量測定を説明するための図。 ビルドアップ法によるガス流量測定の課題を説明するための図。 第1実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第1実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第1実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第1実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第1実施形態に係るビルドアップ法の実験結果の一例を示す図。 第2実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第2実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第2実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第2実施形態に係るビルドアップ法を説明するための図。 第2実施形態に係るビルドアップ法の実験結果の一例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[ビルドアップ法]
本発明の一実施形態に係る半導体製造装置10は、図1の(a)に示すように、チャンバ11を有し、チャンバ11内にガスを供給し、供給したガスによりチャンバ11内に搬入された半導体ウェハにエッチング等の所定の処理を行う。
ガスは、チャンバ11の上部からチャンバ11内にシャワー状に供給される。ガスは、流量制御器(FCS:Flow Control System)15により流量制御され、フロースプリッタ(Flow Splitter)16によりセンタ側の拡散室17aとエッジ側の拡散室17bとに分流され、各拡散室17a、17bに導入される。各拡散室17a、17bで拡散されたガスは、多数のガス孔を介してチャンバ11内に供給される。かかる構成により、チャンバ11の天井部はガスシャワーヘッド18として機能する。ガスシャワーヘッド18は、ガス供給部の一例である。
チャンバ11の底部には、APC(Adaptive Pressure Control:自動圧力制御)バルブ12及びTMP13(Turbo Molecular Pump)を含む排気系が配置されている。排気系には、ドライポンプが含まれてもよい。プロセス中、チャンバ11へのガスの供給と、TMP13(及びドライポンプ)の作動及びAPCバルブ13の自動開閉によりチャンバ内の圧力は所定の減圧状態に調整される。ガスを排気する際には、APCバルブ13を開き、TMP13(及びドライポンプ)の作動によりチャンバ11内のガスが外部に排気される。半導体製造装置10は、制御部50によって制御される。なお、APCバルブ12は、排気側バルブの一例である。
かかる構成の半導体製造装置10において行われるビルドアップ法によるガス流量測定について説明する。まず、既知の体積Vを有するチャンバ11に、流量制御器15からガスを供給する。以下のガス流量測定のためのAPCバルブ12の開閉等、半導体製造装置10の各部の制御、ガス流量測定の計算等は、制御部50によって制御される。
ガスの供給開始から所定時間が経過し、供給されるガス流量が安定したところでAPCバルブ12を閉じる。そして、チャンバ11に取付けられた圧力計14によりチャンバ11内の圧力Pを測定する。測定区間中に測定された圧力の計測値から圧力上昇率の検量線(直線)を最小二乗法により求める。
これにより、図1の(b)に示すように、測定区間(Δt)中の圧力上昇率(ΔP/Δt)(以下、「圧力上昇率」ともいう。)を求め、ガス流量QをQ=(ΔP/Δt)×V/RTとして算出する。その結果、算出したガス流量Qに基づき、流量制御器15の流量制御値の適否が判断される。なお、前記流量計算式は、ガスを理想気体と仮定してチャンバ11内へのビルドアップ流量を演算するものであり、Vはチャンバ11の体積、Rはガス常数、Tはチャンバ11内のガスの温度である。
上記のビルドアップ法によるガス流量の測定では、圧力上昇率が一定であることが前提である。しかしながら、図2の(a)では測定区間における圧力上昇率の検量線Aはほぼ直線であるが、その測定区間を3秒毎に区切って3秒毎の圧力上昇率を算出して流量に換算すると、図2の(b)に示すように、3秒毎の流量の傾きが変動しており、一定ではないことがわかる。これは、チャンバ11内に実際に供給されているガス流量は、時間毎に刻々と変動しており、ビルドアップ法では、変動するガス流量の代表値を取得していることを示す。例えば、図2の(c)に示すように、測定開始時間を0.5秒ずつずらしてビルドアップ法で測定した結果では、ガス流量は、開始時間(開始圧力)と終了時間(終了圧力)で算出結果が異なる。
以上の結果をまとめると、図3(b)に示すように圧力上昇率が直線Aであれば、ビルドアップ法により一定のガス流量を算出できるが、実際には、図3(a)に示すようにガス流量は一定ではなく変動しているため、これを図3(c)に図示すると、ガス流量が一定であることを示す、望ましい圧力上昇率の直線Aに対して、実際のチャンバ11の圧力上昇は曲線Cのようになっている。特に、ガス流量の測定開始から早い時刻では、APCバルブ12を閉状態に制御したことの影響で、圧力の上昇が遅くなっている。
実際のチャンバ11の圧力上昇が理想の直線Aよりも低く一定でない曲線Cになる原因について、図4を参照しながら検討する。流量制御器15から出力されるガス流量は、流量制御器15の制御により一定値に維持される。ところが、チャンバ11内に供給されるガス流量は時間依存性や流量依存性により、時間やガス流量によって変動し、一定ではない。
以上から、流量制御器15とガスシャワーヘッド18(拡散室17a及び拡散室17bを含む)の間の上部区間Ar1にガスの滞留が生じ、この上部区間Ar1において圧力損失が生じていると考えられる。つまり、フロースプリッタ16に取付けられ、センタ側の拡散室17aの圧力PCenを計測する圧力計19と、エッジ側の拡散室17bの圧力PEdgを計測する圧力計20とで測定される圧力値には、上部区間Ar1にて滞留するガスの滞留量が表示されていると考えられる。
<第1実施形態>
そこで、第1実施形態に係る圧力修正方式のビルドアップ法におけるガス流量測定方法では、まず、図5に示すように、チャンバ11に取付けられた圧力計14がチャンバ11内の圧力PChamberを測定する。同時に、フロースプリッタ16に取付けられたセンタ側の圧力計19が流量制御器15とガスシャワーヘッド18の間(上部区間Ar1)の圧力PCenを測定する。2つの圧力値の差分(PCen−PChamber)が、上部区間Ar1において滞留しているガスによる圧力損失であると考えられる。
なお、ここでは、圧力計14と圧力計19のみが使用され、エッジ側の圧力計20は使用しなかった。しかしながら、圧力の測定方法は、これに限らず、圧力計14と圧力計20が使用されてもよい。また、圧力計14と圧力計19と圧力計20が使用されてもよい。圧力計19と圧力計20が使用される場合には、圧力計19で測定される拡散室17aの体積と圧力計20で測定される拡散室17bの体積とにより重み付けした圧力値の平均値が、流量制御器15とガスシャワーヘッド18の間(上部区間Ar1)の圧力値として使用される。
例えば、センタ側の拡散室17aの体積VCen、エッジ側の拡散室17bの体積VEdg、圧力計19で測定した圧力値PCen及び圧力計20で測定した圧力値PEdgを使用して、流量制御器15とガスシャワーヘッド18の間の空間(ガス供給空間)の圧力PUpperは以下の式により算出される。
Upper=(PCen×VCen+PEdg×VEdg)/(VCen+VEdg)
本実施形態では、ガスをセンタ側の拡散室17aとエッジ側の拡散室17bに分流したときの、ガスシャワーヘッド18のガス孔のセンタ側とエッジ側の数の比を便宜的に用いて、上式を以下のように変形し、PUpperを算出する。
Upper=(PCen×264+PEdg×100)/(264+100)
図6の(a)には、流量制御器15からガスシャワーヘッド18までの上部区間Ar1の体積(上部体積VUpper)と、チャンバ11の下部区間Ar2の体積(下部体積VChamber)とが示されている。半導体製造装置10の図面の設計寸法から算出した結果、上部体積VUpperは1.224Lであり、下部体積VChamberは61.892Lであるから、上部区間Ar1に対する下部区間Ar2の体積比(VChamber/VUpper)は、50.580となる。
図6の(b)は、式(4)から算出される上部区間Ar1の圧力計19が測定した圧力値PCen及び圧力計20が測定した圧力値PEdgを用いて上式から算出される圧力PUpperと、下部区間Ar2の圧力計14が測定した圧力値PChamberと、それらの圧力の差分(=PUpper−PChamber)との一例を示す。
図6の(c)に示すPamは、下記に示す式(1)により算出される。
am=PChamber+(PUpper−PChamber)/50.580 (1)
式(1)では、上記圧力の差分(=PUpper−PChamber)により、チャンバ11の圧力PChamberに対してチャンバ11の体積当たりの圧力損失分の補正を行った補正後の圧力がPamとなる。つまり、圧力Pamは、上部区間Ar1において生じているガス滞留分の圧力損失を、体積寄与率、つまり、チャンバ体積当たりの圧力損失(=(PUpper−PChamber)/50.580)に換算してPChamberに加算し、上部区間Ar1において生じているガス滞留分による圧力損失を補てんした後の圧力である。
以上、式(1)による補正を行った後の圧力Pamに基づき、ガス流量Qを次式、Q=(ΔPam/Δt)×V/RTから算出する。その結果、算出したガス流量Qに基づき、流量制御器15の流量制御値の適否が判断される。
[実験結果]
第1実施形態に係る圧力修正方式のビルドアップ法によるガス流量測定方法の実験結果の一例について、図7を参照しながら説明する。図7の横軸はNガス流量を示し、縦軸はビルドアップ測定流量の誤差を示す。縦軸は対数(Log)を示す。
図7の(a)と図7の(b)とは異なる機種A,Bの半導体製造装置を用いて本実施形態に係るビルドアップ法によるガス流量測定方法を実行した結果である。図7の(a)の機種Aは、チャンバ11の外部に磁場発生部がないタイプの半導体製造装置であり、図7の(b)の機種Bは、チャンバ11の外部に磁場発生部があるタイプの半導体製造装置である。チャンバ11内には、図7のグラフの横軸に示す100〜2000sccmの流量のNガスを供給した。
この結果、図7の(a)に示すグラフで従来のビルドアップ法と、第1実施形態に係るビルドアップ法とを比較すると、従来のビルドアップ法では測定流量の誤差が3.64%であったのに対して、第1実施形態に係るビルドアップ法では測定流量の誤差が2.16%と小さくなった。
図7の(b)に示すグラフにおいても、従来のビルドアップ法では測定流量の誤差が0.98%であったのに対して、第1実施形態に係るビルドアップ法では測定流量の誤差が0.58%と小さくなった。
以上に説明したように、第1実施形態に係るビルドアップ法では、圧力損失が生じている流量制御器15とガスシャワーヘッド18の間の上部区間Ar1に圧力計19,20を設置してその区間の圧力を測定する。そして、測定した圧力値と、別の圧力計14で測定したチャンバ11内の圧力値との差分から、式(1)に基づき上部区間Ar1において生じているガス滞留分を体積寄与率に換算して、圧力損失を補てんした後の圧力値に基づき、ガス流量Qを算出する。これにより、算出したガス流量に基づき流量制御器15の流量制御値の適否を判断することができる。そして、図7に示すように、本実施形態に係るビルドアップ法によるガス流量測定方法によれば、ガス流量測定の精度を1%程度向上させることができ、ビルドアップ法を実行する際の時間依存性及び流量依存性を改善することができる。
ただし、第1実施形態に係るビルドアップ法では、ガスの運動状態が粘性流(100sccm〜)の場合には、本方法により圧力補正を行うことで、ビルドアップ法によるガス流量測定の精度を向上させることができる。しかしながら、ガスの運動状態が分子流(1sccm〜100sccm)になると本方式により圧力補正を行っても、ビルドアップ法によるガス流量測定の精度を向上させることは難しい。他方、半導体製造装置10のプロセス条件として、使用するガス流量の範囲は、主に1sccm〜2000sccmの範囲である。
そこで、発明者は、100sccm〜2000sccmの範囲のガス流量のみならず、1sccm〜2000sccmの範囲においてもガス流量測定の精度を向上させることが可能な、第2実施形態に係るビルドアップ法を考案したので、以下に説明する。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るビルドアップ法におけるガス流量測定方法を実行する半導体製造装置10の一例を図8の(a)に示す。第2実施形態に係る半導体製造装置10は、図6の(a)に示す第1実施形態に係る半導体製造装置10と同一構成であるため、ここでは説明を省略する。第2実施形態においても、図8の(a)に示すように、流量制御器15とガスシャワーヘッド18の間の上部区間Ar1の上部体積をVUpperとし、チャンバ11の下部区間Ar2の下部体積をVChamberとする。
流量制御器15から供給する設定ガス流量をQとし、チャンバ11内に供給されるガス流量をQChamberとする。設定ガス流量Qがチャンバ11内に供給されるガス流量QChamberに等しいとすると、上部区間Ar1の空間(ガス供給空間)の圧力PUpperにおいて圧力上昇は発生しない。しかしながら、実際には、上部区間Ar1の空間において圧力上昇が発生している。滞留ガス流量QUpperは、圧力上昇分に比例する。
これは、上部区間Ar1の空間において、流入する設定流量Qよりも流出する流量QChamberの方が少ないことを意味している。そして、設定ガス流量Qとチャンバ11内に供給されるガス流量QChamberとの差分が上部区間Ar1に滞留しているガス流量である。よって、上部区間Ar1に滞留しているガス流量をQUpperとすると、QUpper=Q−QChamberと定義できる。
上記式からQ=QChamber+QUpperが導かれる。ここで、右辺Qは流量制御器15により制御されているため、常に一定である。よって、左辺も一定と考えることができ、式(2)が導かれる。
Q=QChamber+QUpper=Const.
(ΔPChamber/Δt)×VChamber/RT+(ΔPUpper/Δt)×VUpper/RT=Const. (2)
式(2)を変形すると、式(3)が導かれる。
dP/dt=d/dt[PChamber+PUpper×(VUpper/VChamber)]/RT=Const. (3)
なお、前述したように、流量制御器15とガスシャワーヘッド18の間の空間(ガス供給空間)の圧力PUpperは以下の式により算出される。
Upper=(PCen×264+PEdg×100)/(264+100)
図8の(b−1)及び(b−2)に示すように、第2実施形態に係るビルドアップ法では、上部区間Ar1と下部区間Ar2について別々にビルドアップ法によるガス流量制御法が実行される(ダブルビルドアップ法)。
図8の(b−1)に示すように、ビルドアップ法により上部区間Ar1における測定区間(Δt)中の圧力上昇率(ΔPUpper/Δt)を求める。これにより、上部区間Ar1のガス流量QUpperが、QUpper=(ΔPUpper/Δt)×VUpper/RTの式から算出される。
また、図8の(b−2)に示すように、ビルドアップ法により下部区間Ar2における測定区間(Δt)中の圧力上昇率(ΔPChamber/Δt)を求める。これにより、下部区間Ar2のガス流量QChamberが、QChamber=(ΔPChamber/Δt)×VChamber/RTの式から算出される。
図8の(b−1)及び(b−2)に示すように、上部区間Ar1及び下部区間Ar2でそれぞれ別々にビルドアップ法を実行した後、得られたガス流量QUpper及びガス流量QChamberを足し合せることで、設定流量Qが算出される。
上部区間Ar1のビルドアップ法を実行する場合、上部体積VUpperを算出する必要がある。第1実施形態では、上部体積VUpperを図面の設計寸法から算出した。しかしながら、上部体積VUpperを図面の設計寸法から算出すると、時間と労力がかかる。これに対して、第2実施形態では、ビルドアップ法の圧力上昇曲線から式(3)を用いて上部体積VUpperを算出する。その算出方法について、図9を参照しながら説明する。
式(3)のd/dt[PChamber+PUpper×(VUpper/VChamber)]/RT=Const.のうち、圧力PChamberは圧力計14により測定され、圧力PUpperは圧力計19,20により測定される。下部体積VChamberは固定値(本実施形態では72.11Lとする)である。よって、図9のグラフに示すビルドアップ法の圧力上昇曲線から、最小二乗法による回帰直線の傾きが一定になるようにVUpperを設定すれば、その設定したVUpperが上部体積VUpperの値として算出されたことになる。
そこで、(PChamber−回帰直線)を圧力残差として算出した結果を図10に示す。ここで、図10の結果を得るためにチャンバ11内の温度を一定に制御し、500sccmのNガスを流量制御器15からチャンバ11内に供給した。このときに圧力計14が測定した圧力がPChamberであり、圧力計19,20が測定した圧力の重み付け平均が圧力PUpperである。
図10のグラフは、上から順に(a)のVUpper/VChamber=1/∞に設定した場合、(b)のVUpper/VChamber=1/200に設定した場合、(c)のVUpper/VChamber=1/80に設定した場合、(d)のVUpper/VChamber=1/40に設定した場合の圧力残差である。
これらの結果から、(c)のVUpper/VChamber=1/80に設定した場合の圧力残差の二乗項係数が、最も0に近くなった。これにより、上部体積VUpperは、下部体積VChamberの概ね1/80の体積になることがわかった。
図11は、図10の(b)に示す圧力残差の全点から、二乗項までの多項式を用いて最小二乗法でフィッティングした際の二乗項の係数、図10の(c)に示す圧力残差の全点から、二乗項までの多項式を用いて最小二乗法でフィッティングした際の二乗項の係数、図10の(d)に示す圧力残差の全点から、二乗項までの多項式を用いて最小二乗法でフィッティングした際の二乗項の係数の各点をそれぞれの場合のVChamber/VUpper体積比に応じてプロットした図である。横軸は、VChamber/VUpper体積比であり、縦軸は、圧力残差の二乗項係数である。図11は、100sccm、301sccm、500sccm、1000sccm、2000sccmの各ガス流量をチャンバ11に供給した場合の圧力残差の二乗項係数のVChamber/VUpper体積比依存を示す。
これによれば、圧力残差の二乗項係数が0となる点が、VChamber/VUpper体積比の最適値を示すと考えれる。そこで、図11のフラグから、100sccm〜2000sccmのときの二乗残差の曲線において、二乗残差が0となる5点をとり、VChamber/VUpperの平均値を求めたところ、VChamber/VUpper=78.57となった。VChamberは72.11Lであるから、VUpper=72.11/78.57=0.92と算出される。
以上から、上部区間Ar1のガス流量QUpperを、QUpper=(ΔPUpper/Δt)×VUpper/RT)の式から算出する。このとき、VUpperには算出した0.92を代入する。また、下部区間Ar2のガス流量QChamberを、QChamber=(ΔPChamber/Δt)×VChamber/RTの式から算出する。これにより、ガス流量Q(=QUpper+QChamber)が算出される。その結果、算出したガス流量Qに基づき、流量制御器15の流量制御値の適否が判断される。
[実験結果]
第2実施形態に係るビルドアップ法におけるガス流量測定方法の実験結果の一例について、図12を参照しながら説明する。図12の横軸は、Nガス流量を示し、縦軸は、ビルドアップ法による測定流量の誤差を示す。縦軸は対数(Log)を示す。
本実験では、チャンバ11内に1〜2000sccmのNガスを供給した。図12の(a)は、ガスシャワーヘッド18が新品の場合、図12の(b)は、ガスシャワーヘッド18が新品であって、ガス孔の10%を封止した場合、図12の(c)は、ガスシャワーヘッド18が1200時間使用され、中古となった場合の実験結果を示す。図12の(c)のガスシャワーヘッド18では、ガス孔が10%程度広がり、例えば、新品のときに直径0.5mmのガス孔が、この中古の状態では0.7mm程度まで広がっている。
この結果、図12の(a)の場合、従来のビルドアップ法では測定流量の誤差は1.35%であったのに対して、第2実施形態に係るビルドアップ法では測定流量の誤差が0.68%と小さくなった。
また、図12の(b)の場合、従来のビルドアップ法では測定流量の誤差は1.84%であったのに対して、第2実施形態に係るビルドアップ法では測定流量の誤差が1.18%と小さくなった。
さらに、図12の(c)の場合、従来のビルドアップ法では測定流量の誤差は1.22%であったのに対して、第2実施形態に係るビルドアップ法では測定流量の誤差が0.82%と小さくなった。
以上から、第2実施形態に係るビルドアップ法は、上部体積VUpperを算出し、算出した上部体積VUpperを式(3)に代入し、上部区間Ar1のガス流量QUpperを算出し、下部区間Ar2のガス流量QChamberがについても同様に式(3)に基づき第2実施形態に係るビルドアップ法により算出される。これにより設定流量Q(=QUpper+QChamber)が算出され、算出したガス流量に基づき流量制御器15の流量制御値の適否を判断することができる。これにより、図12に示すように、流量依存性を0.4〜0.7%程度改善することができる。上部体積VUpperの算出の精度を高めれば、より流量依存性の改善を図ることができる。
[流量制御方法]
第1及び第2実施形態に係るビルドアップ法によるガス流量測定方法は、エッチング等のプロセス前の半導体製造装置10の定期メンテナンス時や、半導体製造装置10の立ち上げ後の稼働チェック時に実行される。第1及び第2実施形態のビルドアップ法により算出したガス流量を基準にして流量制御器15の流量制御値の適否が判断される。
判断した結果、算出したガス流量が所定の閾値から外れている場合、流量制御器15から出力するガス流量を適正値に制御したり、流量制御器15を交換したりする。例えば、第1及び第2実施形態のビルドアップ法により算出したガス流量が、第1の閾値から外れている場合、流量制御器15から出力するガス流量を、算出したガス流量に応じて増減することでガス流量を適正値に制御してもよい。また、算出したガス流量が、第1の閾値よりも大きい第2の閾値から外れている場合、流量制御器15を交換してもよい。
以上、上記各実施形態に係るビルドアップ法を用いた流量測定方法によれば、ガス測定器を設置する等の大きな投資を必要せず、ガス流量測定の精度を向上させることができる。
以上、流量測定方法及び流量制御方法を上記実施形態により説明したが、本発明にかかる流量測定方法及び流量制御方法は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
例えば、第2実施形態にて式(3)を用いて算出した上部体積VUpperは、第1実施形態においても利用することができる。
また、例えば、本発明は、図1の半導体製造装置だけでなく、その他の装置に適用可能である。例えば、半導体ウェハを処理する装置だけでなく、ガスを供給するガス供給を有する装置であればよい。
本明細書では、半導体ウェハWについて説明したが、これに限らず、LCD(Liquid Crystal Display)、FPD(Flat Panel Display)等に用いられる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であっても良い。
10:半導体製造装置
11:チャンバ
12:APCバルブ
13:TMP
14:圧力計
15:流量制御器
16:フロースプリッタ
17a:センタ側の拡散室
17b:エッジ側の拡散室
18:ガスシャワーヘッド
19:圧力計
20:圧力計
50:制御部

Claims (6)

  1. 流量制御器から出力されたガスをガス供給部を介してチャンバに供給する工程と、
    前記チャンバに供給される流量が安定した後に、前記チャンバの排気側バルブを閉じる工程と、
    前記排気側バルブを閉じた後に、前記チャンバの圧力と、前記流量制御器と前記ガス供給部の間の圧力とを測定する工程と、
    測定した前記チャンバの圧力と前記流量制御器とガス供給部の間の圧力との差分により、前記チャンバの圧力に対して前記チャンバの体積当たりの圧力損失分の補正を行う工程と、
    補正を行った後の前記チャンバの圧力上昇率と前記チャンバの体積とからガス流量を算出する工程と、
    を含む流量測定方法。
  2. 流量制御器から出力されたガスをガス供給部を介してチャンバに供給する工程と、
    前記チャンバに供給される流量が安定した後に、前記チャンバの排気側バルブを閉じる工程と、
    前記排気側バルブを閉じた後に、前記チャンバの圧力と、前記流量制御器と前記ガス供給部の間の圧力とを測定する工程と、
    測定した前記チャンバの圧力上昇率と前記チャンバの体積とから第1のガス流量を算出し、測定した前記流量制御器と前記ガス供給部の間の圧力上昇率と、該流量制御器と該ガス供給部の間の体積とから第2のガス流量を算出し、前記第1のガス流量と前記第2のガス流量とを加算してガス流量を算出する工程と、
    を含む流量測定方法。
  3. 前記チャンバの圧力に対して前記チャンバの体積に応じた圧力損失分の補正を行う工程は、測定した前記チャンバの圧力と前記流量制御器とガス供給部の間の圧力との差分から前記チャンバの体積当たりの圧力損失分を算出し、該圧力損失分を前記チャンバの圧力に加算する、
    請求項1に記載の流量測定方法。
  4. チャンバの圧力をPChamber、チャンバの体積をVChamber、流量制御器とガス供給部の間の圧力をPUpperとして、前記流量制御器と前記ガス供給部の間の体積を、
    d/dt[PChamber+PUpper×(VUpper/VChamber)]/RT=Const.
    の式を満たすようにVUpperを設定したときのVUpperの値と算出する、
    請求項1〜3に記載の流量測定方法。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の流量測定方法を用いて算出したガス流量が、第1の閾値から外れている場合、前記算出したガス流量に応じて流量制御器のガス流量を適正値に制御する、
    流量制御方法。
  6. 前記算出したガス流量が、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値から外れている場合、前記流量制御器を交換する、
    請求項5に記載の流量制御方法。
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