JP2020056260A - 遮熱性舗装用材料および遮熱性舗装体 - Google Patents
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一方、最近では気候現象の変化が生じており、夏場における気温の上昇が激しく真夏日を超える日が連日続いて、公園、遊歩道、広場、ジョギングコース等の温度が異常に高くなる傾向があった。この結果、炎天下でジョギングやイベント等を行うと熱中症患者が多数出るという問題が生じてきた。
そこで、夏季における公園、遊歩道、広場、ジョギングコース等の温度上昇を抑制することが可能で、ジョギングや各種イベントや歩行者天国等を行っても熱中症患者の発生を極力抑えることができる遮熱性舗装用材料の開発が要望されていた。
炭素数C8以上の長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物と両末端にアミノ基、水酸基カルボキシル基の少なくとも1つを有する液状ブタジエンゴムあるいはその誘導体とその他ポリアミン化合物またはそれらの変性物からなる硬化剤と、
添加によりバインダー表面に親水基が配向し、バインダー樹脂の濡れ性を表面改質できる添加剤成分および促進剤成分からなるものが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
本発明は、原材料として少なくともコルク粒、樹脂バインダー、残部の砂の三つの原料を混合したものであり、それらの含有量はコルク粒:30〜45質量%、樹脂バインダー:30〜50質量%、砂:5〜40質量%の範囲である。
以下に、これらの原料について説明する。
また、コルク粒の含有量は30〜45質量%と多く含むものである。30質量%未満では十分な遮熱効果を得ることが難しく、45質量%より多いと傷付きやすくなって舗装の耐久性が劣るからである。
本発明では、遮熱層が5mm以下程度の薄層であるため、樹脂が可撓性を有して、ひび割れにくい低収縮性であることが必要である。従来から、弾性を有する樹脂として、例えばゴムチップ舗装に使用されるウレタンバインダーがあるが、ウレタンプレポリマーは粘度高く粘りがあり、また、コルクチップの比重がゴムチップの1/3程度と小さいため混合時に団粒化して施工性が困難で、硬化物は疎水性表面となるという問題があった。また、水分散系のエポキシ樹脂に用いた場合は、親水性表面で透水性は損なわれず遮熱効果があるが、水をある程度取り組んで硬化するために収縮性があり、ひび割れ等の発生、舗装の持ち上げ等の問題が発生するという問題があった。従って、現状ではコルクチップ混合物に適する樹脂バインダーがないという状態であった。
また、硬化剤の成分は、硬化剤の全量に対して長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物が20〜60質量%、両末端にアミノ基、水酸基カルボキシル基の少なくとも1つを有する液状ブタジエンゴムあるいはその誘導体が15〜30質量%、ポリアミン化合物が15〜40質量%、バインダー樹脂の濡れ性を表面改質できる添加成分が0.1〜5質量%、促進剤成分が2〜10質量%であることが好ましい。
ポリエポキシ化合物の具体例としてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物の液体のジまたはポリグリシジルエーテルである。他に、ビスフェノールF、フェノールあるいはクレゾールノボラックなどのフェノール系ジまたはポリグリシジルエーテル、ダイマー酸などのポリカルボン酸から得られたジまたはポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物から得られたジまたはポリグリシジルエーテル、ウレタンまたはCTBN変性されたビスフェノールA系ジまたはポリグリシジルエーテル、またこれらのポリエポキシ化合物1種または2種以上混合したものを用いることができる。
従来は、路盤上などに形成される弾力舗装層は厚みが約50mm前後のものが一般的であり、現場で施工するには特殊な舗装材供給装置と押圧装置等を必要として大規模な工事となっていた。あるいは、工場で所定の大きさに成形した舗装層をトラックで現場へ搬入し、現場で路盤上に敷設する工法もあるが、これも運搬作業が大変であり、また重機が必要で大規模な工事となっていた。
これに対して本発明では、遮熱性舗装用材料を表層上にコテ等で厚みが1〜5mm程度となるように舗装するのみであり、容易に遮熱層を形成することができる。なお、前記遮熱層は1mm未満では路面の温度上昇を抑えることが難しく、一方、5mmより厚いと舗装工事が煩雑になるので、1〜5mmの範囲が好ましい。また、この舗装作業は熟練を要せずだれもが簡単に行うことができる。
粒径が1〜2mmのコルク粒・・・・・35質量%
ゴム変性エポキシ樹脂バインダー・・・36質量%
珪砂5号・・・・・・・・・・・・・・29質量%
樹脂バインダーは、エポキシ樹脂混合物からなる主剤と、炭素数C8以上の長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物と両末端にアミノ基を有する液状ブタジエンゴムからなる硬化剤と、添加剤成分および促進剤成分からなるものである。
上記の原料を混合して遮熱性舗装用材料を作成し、これをコテでアスファルト表層上に舗装して、幅1m、長さ10m、厚み2mmの遮熱層を形成した。
この遮熱層を室内照射試験で、経過時間と舗装表面の温度の関係を調べた結果を、図1に示す。図1から明らかなように、180分経過後の舗装表面の温度は約47℃であった。
粒径が2.5〜13mmの骨材・・・80質量%
アスファルト・・・・・・・・・・4.5質量%
砂、火山灰、水砕スラグ・・・・15.5質量%
上記の原料を混合して透水性舗装用材料を作成し、これをアスファルト路盤上に敷設して、幅1m、長さ5m、厚み50mmの舗装を形成した。
この舗装を室内照射試験で、経過時間と舗装表面の温度の関係を調べた結果を、図1に示す。図1から明らかなように、180分経過後の舗装表面の温度は約60℃であった。
従って、本発明の遮熱層を歩道の表面や広場の表面等に形成すれば、路面等の温度が太陽光の照射により温度が上がるのを10℃以上低く抑えることができ、夏季であっても熱中症患者の発生を抑えてジョギングや各種イベントや歩行者天国等を問題なく実行することができることとなる。更に、透水性、耐摩耗性、弾性および施工性にも優れているので、使用勝手がよく快適な路面を提供できることとなる。
一方、最近では気候現象の変化が生じており、夏場における気温の上昇が激しく真夏日を超える日が連日続いて、公園、遊歩道、広場、ジョギングコース等の温度が異常に高くなる傾向があった。この結果、炎天下でジョギングやイベント等を行うと熱中症患者が多数出るという問題が生じてきた。
そこで、夏季における公園、遊歩道、広場、ジョギングコース等の温度上昇を抑制することが可能で、ジョギングや各種イベントや歩行者天国等を行っても熱中症患者の発生を極力抑えることができる遮熱性舗装用材料の開発が要望されていた。
前記樹脂バインダーが、エポキシ基を2個以上有するポリエポキシ化合物に、モノエポキシおよびジエポキシの反応性希釈剤または非反応性希釈剤を添加したエポキシ樹脂混合物からなる主剤と、
炭素数C 8 以上の長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物と両末端にアミノ基、水酸基カルボキシル基の少なくとも1つを有する液状ブタジエンゴムあるいはその誘導体とその他ポリアミン化合物またはそれらの変性物からなる硬化剤と、
添加によりバインダー表面に親水基が配向し、バインダー樹脂の濡れ性を表面改質できる添加剤成分および促進剤成分からなるものであることを特徴とするものであり、これを請求項1に係る発明とする。
また、前記樹脂バインダーが、エポキシ基を2個以上有するポリエポキシ化合物に、モノエポキシおよびジエポキシの反応性希釈剤または非反応性希釈剤を添加したエポキシ樹脂混合物からなる主剤と、炭素数C 8 以上の長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物と両末端にアミノ基、水酸基カルボキシル基の少なくとも1つを有する液状ブタジエンゴムあるいはその誘導体とその他ポリアミン化合物またはそれらの変性物からなる硬化剤と、添加によりバインダー表面に親水基が配向し、バインダー樹脂の濡れ性を表面改質できる添加剤成分および促進剤成分からなるものとしたので、比重が小さく細粒のコルク粒と砂とを簡便に均一な混合ができかつ十分な接着力で強固に固定することが可能で、十分な耐久性および耐摩耗性を確保することができる。
本発明は、原材料として少なくともコルク粒、樹脂バインダー、残部の砂の三つの原料を混合したものであり、それらの含有量はコルク粒:30〜45質量%、樹脂バインダー:30〜50質量%、砂:5〜40質量%の範囲である。
以下に、これらの原料について説明する。
また、コルク粒の含有量は30〜45質量%と多く含むものである。30質量%未満では十分な遮熱効果を得ることが難しく、45質量%より多いと傷付きやすくなって舗装の耐久性が劣るからである。
本発明では、遮熱層が5mm以下程度の薄層であるため、樹脂が可撓性を有して、ひび割れにくい低収縮性であることが必要である。従来から、弾性を有する樹脂として、例えばゴムチップ舗装に使用されるウレタンバインダーがあるが、ウレタンプレポリマーは粘度高く粘りがあり、また、コルクチップの比重がゴムチップの1/3程度と小さいため混合時に団粒化して施工性が困難で、硬化物は疎水性表面となるという問題があった。また、水分散系のエポキシ樹脂に用いた場合は、親水性表面で透水性は損なわれず遮熱効果があるが、水をある程度取り組んで硬化するために収縮性があり、ひび割れ等の発生、舗装の持ち上げ等の問題が発生するという問題があった。従って、現状ではコルクチップ混合物に適する樹脂バインダーがないという状態であった。
また、硬化剤の成分は、硬化剤の全量に対して長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物が20〜60質量%、両末端にアミノ基、水酸基カルボキシル基の少なくとも1つを有する液状ブタジエンゴムあるいはその誘導体が15〜30質量%、ポリアミン化合物が15〜40質量%、バインダー樹脂の濡れ性を表面改質できる添加成分が0.1〜5質量%、促進剤成分が2〜10質量%であることが好ましい。
ポリエポキシ化合物の具体例としてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物の液体のジまたはポリグリシジルエーテルである。他に、ビスフェノールF、フェノールあるいはクレゾールノボラックなどのフェノール系ジまたはポリグリシジルエーテル、ダイマー酸などのポリカルボン酸から得られたジまたはポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物から得られたジまたはポリグリシジルエーテル、ウレタンまたはCTBN変性されたビスフェノールA系ジまたはポリグリシジルエーテル、またこれらのポリエポキシ化合物1種または2種以上混合したものを用いることができる。
従来は、路盤上などに形成される弾力舗装層は厚みが約50mm前後のものが一般的であり、現場で施工するには特殊な舗装材供給装置と押圧装置等を必要として大規模な工事となっていた。あるいは、工場で所定の大きさに成形した舗装層をトラックで現場へ搬入し、現場で路盤上に敷設する工法もあるが、これも運搬作業が大変であり、また重機が必要で大規模な工事となっていた。
これに対して本発明では、遮熱性舗装用材料を表層上にコテ等で厚みが1〜5mm程度となるように舗装するのみであり、容易に遮熱層を形成することができる。なお、前記遮熱層は1mm未満では路面の温度上昇を抑えることが難しく、一方、5mmより厚いと舗装工事が煩雑になるので、1〜5mmの範囲が好ましい。また、この舗装作業は熟練を要せずだれもが簡単に行うことができる。
粒径が1〜2mmのコルク粒・・・・・35質量%
ゴム変性エポキシ樹脂バインダー・・・36質量%
珪砂5号・・・・・・・・・・・・・・29質量%
樹脂バインダーは、エポキシ樹脂混合物からなる主剤と、炭素数C8以上の長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物と両末端にアミノ基を有する液状ブタジエンゴムからなる硬化剤と、添加剤成分および促進剤成分からなるものである。
上記の原料を混合して遮熱性舗装用材料を作成し、これをコテでアスファルト表層上に舗装して、幅1m、長さ10m、厚み2mmの遮熱層を形成した。
この遮熱層を室内照射試験で、経過時間と舗装表面の温度の関係を調べた結果を、図1に示す。図1から明らかなように、180分経過後の舗装表面の温度は約47℃であった。
粒径が2.5〜13mmの骨材・・・80質量%
アスファルト・・・・・・・・・・4.5質量%
砂、火山灰、水砕スラグ・・・・15.5質量%
上記の原料を混合して透水性舗装用材料を作成し、これをアスファルト路盤上に敷設して、幅1m、長さ5m、厚み50mmの舗装を形成した。
この舗装を室内照射試験で、経過時間と舗装表面の温度の関係を調べた結果を、図1に示す。図1から明らかなように、180分経過後の舗装表面の温度は約60℃であった。
従って、本発明の遮熱層を歩道の表面や広場の表面等に形成すれば、路面等の温度が太陽光の照射により温度が上がるのを10℃以上低く抑えることができ、夏季であっても熱中症患者の発生を抑えてジョギングや各種イベントや歩行者天国等を問題なく実行することができることとなる。更に、透水性、耐摩耗性、弾性および施工性にも優れているので、使用勝手がよく快適な路面を提供できることとなる。
Claims (4)
- 原材料として、コルク粒:30〜45質量%と、樹脂バインダー:30〜50質量%と、砂:5〜40質量%を混合してなり、遮熱性をもたせたことを特徴とする遮熱性舗装用材料。
- コルク粒の粒径が、0.5〜3.0mmの範囲内である請求項1に記載の遮熱性舗装用材料。
- 樹脂バインダーが、エポキシ基を2個以上有するポリエポキシ化合物に、モノエポキシおよびジエポキシの反応性希釈剤または非反応性希釈剤を添加したエポキシ樹脂混合物からなる主剤と、
炭素数C8以上の長鎖アルキル基を有する疎水性のモノアミン化合物と両末端にアミノ基、水酸基カルボキシル基の少なくとも1つを有する液状ブタジエンゴムあるいはその誘導体とその他ポリアミン化合物またはそれらの変性物からなる硬化剤と、
添加によりバインダー表面に親水基が配向し、バインダー樹脂の濡れ性を表面改質できる添加剤成分および促進剤成分からなるものである請求項1または2に記載の遮熱性舗装用材料。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の遮熱性舗装用材料を、表層上に舗装厚みが1〜5mmとなるように舗装して遮熱層を形成したことを特徴とする遮熱性舗装体。
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