JP2020055274A - 包装材料 - Google Patents

包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2020055274A
JP2020055274A JP2018189379A JP2018189379A JP2020055274A JP 2020055274 A JP2020055274 A JP 2020055274A JP 2018189379 A JP2018189379 A JP 2018189379A JP 2018189379 A JP2018189379 A JP 2018189379A JP 2020055274 A JP2020055274 A JP 2020055274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
olefin copolymer
cyclic olefin
layer
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018189379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7139855B2 (ja
Inventor
山口 幸伸
Yukinobu Yamaguchi
幸伸 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2018189379A priority Critical patent/JP7139855B2/ja
Publication of JP2020055274A publication Critical patent/JP2020055274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7139855B2 publication Critical patent/JP7139855B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】内容物に含まれる成分の吸着を抑制(非吸着性)し、接着層の臭気が内容物へ移行することを抑制(非透過性)することができ、包装材料の熱融着部を加熱圧着してシールする際、広いシール温度範囲が得られる包装材料を提供する。【解決手段】順に少なくとも熱可塑性樹脂層110、紙基材層120、第1の接着樹脂層130、バリア層140、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層160を備えた包装材料100であって、熱融着性樹脂層が、バリア層の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層161、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162、第2のポリエチレン樹脂層163を備え、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、バリア層と第1のポリエチレン樹脂層とが直接、接することを特徴とする包装材料である。【選択図】図2

Description

本発明は、包装材料に関し、詳しくは清酒、焼酎、ワイン等のアルコール飲料やコーヒー、ジュース、牛乳等の液体飲料やスープ、出汁、麺つゆ等の液体食品を包装する包装材料に関する。
従来、アルコール飲料や液体飲料や液体食品等の内容物を包装する包装容器に用いられる包装材料としては、紙基材層と、内容物の保存性を高めるために酸素や水蒸気等のガス遮断性を備えたバリア層と、熱融着性樹脂からなる熱融着性樹脂層が積層された積層体が用いられることが広く知られている。熱融着性樹脂層の内容物と接する側にはシール性・密封性が優れているポリエチレン樹脂が一般的に用いられている。
しかしながら、熱融着性樹脂層の内容物と接する最内面にポリエチレン樹脂を用いるために内容物に含まれる成分の一部がポリエチレン樹脂に吸着されたり、特に吟醸酒の場合、吟醸酒特有の微量の香気成分が吸着され、吟醸酒の風味が損なわれるという問題がある。一方、バリア層と熱融着性樹脂層の間に介在する接着層の臭気が最内面の熱融着性樹脂層のポリエチレン樹脂層を透過して内容物に移行し内容物の味覚が低下するという問題がある。
このような問題を解決するために表面に少なくとも熱可塑性樹脂層を有し、裏面に少なくともガスバリア層とシーラント層(熱融着性樹脂層ともいう。)を有する液体用紙容器であって、シーラント層の内容物が接する面に環状オレフィン系樹脂層を用いた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。環状オレフィン系樹脂は内容物に含まれる成分の一部が吸着されることを抑制(以下、非吸着性という。)したり、接着層の臭気が内容物へ移行することを抑制(以下、非透過性という。)できる特性を有している。特許文献1は内容物と接する面に環状オレフィン系樹脂層が用いられているために非吸着性、非透過性を備えた液体用紙容器である。
特開2012−86856号公報
しかしながら、特許文献1に記載された液体用紙容器に用いる包装材料は、シーラント層の内面に環状オレフィン系樹脂が用いられているために従来の内面にポリエチレン樹脂を用いた包装材料に比べ、シーラント層同士を加熱圧着してシールする際、最適シール温度範囲が狭く、シール温度管理が煩雑であるという問題がある。
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは内容物に含まれる成分の吸着を抑制(非吸着性)し、接着層の臭気が内容物へ移行することを抑制(非透過性)することができ、包装材料の熱融着部を加熱圧着してシールする際、広いシール温度範囲が得られる包装材料を提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1記載の本発明は、順に少なくとも熱可塑性樹脂層、紙基材層、第1の接着樹脂層、バリア層、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層を備えた包装材料であって、前記熱融着性樹脂層が、前記バリア層の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、第2のポリエチレン樹脂層を備え、前記第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、前記バリア層と前記第1のポリエチレン樹脂層とが直接、接することを特徴とする包装材料である。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の包装材料において、前記第2のポリエチレン樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含むことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、順に少なくとも熱可塑性樹脂層、紙基材層、第1の接着樹脂層、バリア層、第2の接着樹脂層、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層を備えた包装材料であって、前記熱融着性樹脂層が、前記第2の接着樹脂層の側から順に少なくとも第2の環状オレフィン共重合体樹脂層、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、第3の環状オレフィン共重合体樹脂層を備え、前記第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、前記第2の環状オレフィン共重合体樹脂層及び前記第3の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含み、前記第2の接着樹脂層と前記第2の環状オレフィン共重合体樹脂層とが直接、接することを特徴とする包装材料である。
また、請求項4記載の本発明は、順に少なくとも熱可塑性樹脂層、紙基材層、第1の接着樹脂層、バリア層、第2の接着樹脂層、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層を備えた包装材料であって、前記熱融着性樹脂層が、前記第2の接着樹脂層の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、第2の環状オレフィン共重合体樹脂層を備え、前記第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、前記第2の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含むことを特徴とする包装材料である。
また、請求項5記載の本発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の包装材料において、前記第1の接着樹脂層の厚さが、15μm以上50μm以下であることを特徴とするものである。
また、請求項6記載の本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の包装材料において、前記バリア層が、金属箔またはプラスチックフィルムの一方の面に無機酸化物若しくは金属が蒸着された蒸着層を有する蒸着フィルムであることを特徴とするものである。
また、請求項7記載の本発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の包装材料において、前記第1の接着樹脂層が、カルボン酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、シラン基含有化合物及び酸無水物含有化合物からなる群から選ばれた1種以上の化合物を含むことを特徴とするものである。
本発明の包装材料は、内容物に含まれる成分の吸着を抑制(非吸着性)でき、また、接着層の臭気が内容物へ移行することを抑制(非透過性)できるので内容物の味覚が損なわれることを防止できる。また、包装材料の熱融着部を加熱圧着してシールする際、広いシール温度範囲が得られる。
本発明に係る包装材料を用いた包装容器の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図である。 本発明に係る包装材料のバリア層の一例を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図である。 本発明に係る包装材料を用いた液体用紙容器の組立完成前の胴貼りされ折り畳まれた状態から起函され筒状にされた状態を示す斜視図である。 本発明に係る包装材料を用いた液体用紙容器の組立完成前における頂部の加熱前にくせ折りした状態を示す斜視図である。 チャンバー部を備えた装置本体の頂部用加熱部を説明する説明図である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る包装材料を用いた包装容器の一実施形態を示す斜視図、図2は本発明の第1実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図、図3は本発明に係る包装材料のバリア層の一例を示す概略断面図、図4は本発明の第2実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図、図5は本発明の第3実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図、図6は本発明に係る包装材料を用いた液体用紙容器の組立完成前の胴貼りされ折り畳まれた状態から起函され筒状にされた状態を示す斜視図、図7は本発明に係る包装材料を用いた液体用紙容器の組立完成前における頂部の加熱前にくせ折りした状態を示す斜視図、図8はチャンバー部を備えた装置本体の頂部用加熱部を説明する説明図であり、図中の10は液体用紙容器、10’は組立完成前の液体用紙容器、11は胴部熱融着部、12は頂部熱融着部、13は注出口部、14は開口頂端部、14’はくせ折りされた開口頂端部、15は開口底端部、16は穴部、17は頂部、18は底部、20はチャンバー部、21は外面加熱部、22は内面加熱部、100、200、300は包装材料、110は熱可塑性樹脂層、120は紙基材層、130は第1の接着樹脂層、140はバリア層、141はプラスチックフィルム、142は蒸着層、150は第2の接着樹脂層、160,260,360は熱融着性樹脂層、161、361は第1のポリエチレン樹脂層、162、262、362は第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、163は第2のポリエチレン樹脂層、263、363は第2の環状オレフィン共重合体樹脂層、264は第3の環状オレフィン共重合体樹脂層をそれぞれ示す。
〔第1実施形態〕
図1は本発明に係る包装材料を用いた包装容器の一実施形態を示す斜視図であり、液体用紙容器10の例を示す。
液体用紙容器10は、例えば、包装材料100(図2参照)を所定の罫線と切刃を備えた打抜型で所定の外郭形状に打抜いて得られた展開状態(以下、ブランクという。)とし、罫線で折り曲げブランクの対向する一方の端部同士を重ね合わせて所定幅の胴部熱融着部11を設け、胴部熱融着部11を例えばフレームシールを行い筒状とし、その後、液体用紙容器充填密封装置で底部熱融着部(図示しない)、頂部熱融着部12を加熱圧着して箱状に形成されたゲーブルトップ型容器を示している。胴部熱融着部11、頂部熱融着部12、底部熱融着部は包装材料100の最内層の熱融着性樹脂層160(図2参照)を対向させて熱融着したものである。なお、図1では頂部熱融着部12は見えているが、胴部熱融着部11は例えば注出口部13の反対側の図1において上下方向の一方の隅に帯状に設けられており見えないので破線で示しており、底部熱融着部は図示していない。液体用紙容器10の中には清酒、焼酎等の酒類、ジュース、お茶、水、コーヒー、乳飲料等の液体飲料、スープ等の液体食品が図示しないが充填され密封されており、液体用紙容器10の頂部17には、使用に際し、内容物等を簡単に注出できるように注出口本体とキャップを備えた注出口部13が設けられている。また、図示しないが、通常、外側となる熱可塑性樹脂層110(図2参照)の外面にグラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等により印刷が施されている。
図2は本発明の第1実施形態に係る包装材料100の層構成を示す概略断面図である。包装材料100は、順に少なくとも熱可塑性樹脂層110、紙基材層120、第1の接着樹脂層130、バリア層140、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層160を備えた構成である。
図2に示すように熱融着性樹脂層160が、バリア層140の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層161、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162、第2のポリエチレン樹脂層163を備えている。熱融着性樹脂層160は、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含んでおればよいものであって、図2に示す構成に限定されるものではない。
つぎに包装材料100を構成する各層について説明する。
紙基材層120は液体用紙容器10をリジッドにするために賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するミルクカートン原紙、カップ原紙、板紙等が使用され、坪量100〜450g/m2 程度のものが使用される。
紙基材層120の上面に形成される熱可塑性樹脂層110は、液体用紙容器10に耐水性を付与すると共に、熱可塑性樹脂層110を対向させて熱融着させるものであり、ポリオレフィン系樹脂が使用され、主に低密度ポリエチレンが使用される。熱可塑性樹脂層110は低密度ポリエチレンを熱溶融押出法で紙基材層120の上にラミネートされる。熱可塑性樹脂層110の表面には通常印刷が施されるので印刷インキの接着性を向上させるためにコロナ放電処理等の表面処理を施すのが好ましい。
第1の接着樹脂層130は押出ラミネート法、共押出ラミネート法等の方法によって紙基材層120とバリア層140とを接着する樹脂層から成っている。押出ラミネート法及び共押出ラミネート法に用いられる樹脂としては、低密度ポリエチレン、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等の樹脂が使用される。
さらに第1の接着樹脂層130は、上記樹脂に加え、カルボン酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、シラン基含有化合物及び酸無水物含有化合物からなる群から選ばれた1種以上の化合物を含むことが好ましく、より優れた接着力が得られ、バブリングが発生することを抑制する効果がある。なお、バブリングとは熱融着性樹脂層160を加熱したとき、紙基材層120に含まれる空気が膨張したり、あるいは水分が気化して膨張することにより紙基材層120とバリア層140との間に気泡が発生する現象をいう。バブリングが発生すると包装材料100にピンホール発生を引き起こすことがある。
第1の接着樹脂層130の厚さとしては、15μm以上50μm以下であることが好ましい。厚さが15μm未満になると紙基材層120とバリア層140との接着力が劣り、また、包装材料の成形時における加熱によりバブリングが発生し、ピンホールを引き起す。厚さ50μmを超えると液体用紙容器充填密封装置にて液体用紙容器にするとき、成形不良が発生しやすくなる。第1の接着樹脂層130の厚さは厚くなるほど、密着強度を上げると共にバブリング適性が良好になる。
バリア層140はガスバリア性を有し、酸素や水蒸気が外部から包装材料100を透過して液体用紙容器10の内部へ侵入することを防止し、また、液体用紙容器10内に充填されている内容物が有する例えば香気成分等が包装材料100を透過して液体用紙容器10の外部へ逸散することを防止する役割を果たす。バリア層140には、アルミニウム等の金属箔やプラスチックフィルムにアルミニウム等の金属や酸化珪素、酸化アルミニウム等を蒸着した蒸着フィルムを用いることができる。アルミニウム箔はガスバリア性と、遮光性等の機能を付与させるものであり、厚さ5〜20μmの軟質、半硬質、硬質又は合金タイプ等のアルミニウム箔が使用される。
図3は本発明に係る包装材料のバリア層の一例を示す概略断面図であり、バリア層140に用いる蒸着フィルムの例を示す。図3に示すようにバリア層140は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやナイロンフィルム等のプラスチックフィルム141にアルミニウム等の金属や酸化珪素、酸化アルミニウム等を蒸着した蒸着層142を有する蒸着フィルムである。バリア層140として蒸着フィルムを用いる場合、蒸着層142が第1の接着樹脂層130(図2参照)の側に位置するように積層することが好ましい。
熱融着性樹脂層160として、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含むことが好ましい。環状オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン・環状オレフィン共重合体ランダム共重合体、環状オレフィン共重合体の開環共重合体の水素化物、グラフト変性したエチレン・環状オレフィン共重合体ランダム共重合体、グラフト変性した環状オレフィン共重合体の開環共重合体などが挙げられる。環状オレフィン共重合体からなる樹脂としては、具体的にはポリプラスチックス株式会社製TOPAS(登録商標)、三井化学株式会社製APEL(登録商標)、日本ゼオン株式会社製ZEONOR(登録商標)、ZEONEX(登録商標)等が挙げられる。
熱融着性樹脂層160としては、図2に示すようにバリア層140の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層161、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162、第2のポリエチレン樹脂層163を備える。第1のポリエチレン樹脂層161としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が使用できる。第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162は、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含むことが好ましい。第2のポリエチレン樹脂層163は第1のポリエチレン樹脂層161と同じポリエチレン樹脂が使用できる。さらに第2のポリエチレン樹脂層163は環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含んでいてもよく、その場合、含有割合は環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。これら3層の第1のポリエチレン樹脂層161、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162、第2のポリエチレン樹脂層163はバリア層140に押出ラミネートまたは3層共押出ラミネートすることによりバリア層140と第1のポリエチレン樹脂層161が直接、接している。また、共押出して共押出フィルムとし、バリア層140に熱ラミネートすることもできる。熱融着性樹脂層160の合計厚さとしては、厚さ30μm以上、80μm以下程度、好ましくは厚さ40μm以上、60μm以下である。なお、第1のポリエチレン樹脂層161は単層でもよく、2層以上の多層にすることもできる。
熱融着性樹脂層160を構成する第1のポリエチレン樹脂層161はバリア層140と第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162とを接着させる層であり、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162は環状オレフィン共重合体を含有することにより、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162より第1のポリエチレン樹脂層161を含む外側の成分が液体用紙容器10へ移行することを防止すると共に内容物の成分が熱融着性樹脂層160に吸着されることを抑制する。よって、内容物の品質を保持でき、特に内容物が液体の場合、香気成分の吸着が防止でき内容物の味覚を良好に保持できる。このように環状オレフィン共重合体樹脂は非吸着性と非透過性を備えている。第2のポリエチレン樹脂層163はポリエチレン樹脂を使用することにより、シール温度の最適な範囲が得られる。また、第2のポリエチレン樹脂層163に環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む場合、含有割合を環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下とすることによりシール温度の最適な範囲を広くでき、さらに良好な非吸着性、非透過性が得られる。
〔第2実施形態〕
図4は本発明の第2実施形態に係る包装材料200の層構成を示す概略断面図である。図4に示すように包装材料200は、順に少なくとも熱可塑性樹脂層110、紙基材層120、第1の接着樹脂層130、バリア層140、第2の接着樹脂層150、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層260を備えた構成である。
図4に示すように熱融着性樹脂層260が、第2の接着樹脂層150の側から順に少なくとも第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層262、第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264を備えている。第2実施形態の包装材料200は、バリア層140と熱融着性樹脂層260の間に第2の接着樹脂層150を備えること、熱融着性樹脂層260の構成が異なること、それ以外は第1実施形態と同様であり、同じ符号を付して説明を省略する。
第2の接着樹脂層150は押出ラミネート法、共押出ラミネート法、ドライラミネート法等の方法によってバリア層140と熱融着性樹脂層260とを接着する樹脂層から成っている。第2の接着樹脂層150はバリア層140と熱融着性樹脂層260の接着強度が向上するので設ける方が好ましい。ドライラミネート法の場合には、例えば、ポリエステルポリオール−イソシアネート系、ポリエーテルポリオール−イソシアネート系、ポリウレタン−イソシアネート系等の主剤と硬化剤とからなる2液タイプのドライラミネート用接着剤が使用できる。押出ラミネート法及び共押出ラミネート法の場合には、低密度ポリエチレン、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等の樹脂が使用される。また、押出ラミネート法及び共押出ラミネート法の場合、第2の接着樹脂層150の接着強度を高めるためにバリア層140にアンカーコート層を設けることができる。アンカーコート層は、2液硬化型ウレタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、有機チタネート系、ブタジエン系等のアンカーコート剤を用いて形成される。
熱融着性樹脂層260の第2の接着樹脂層150の側に備える第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263及び内容物と接する最内層の第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264は、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含むことが好ましい。第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263と第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264に挟まれた第1の環状オレフィン共重合体樹脂層262は、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含むことが好ましい。熱融着性樹脂層260を構成する各環状オレフィン共重合体樹脂に配合される樹脂としては低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂が使用できる。
熱融着性樹脂層260の各層に含まれる環状オレフィン共重合体樹脂の比率を前記比率とすることにより、非吸着性、非透過性を備えつつ、シール温度の最適な範囲を広くすることができる。つまり、環状オレフィン共重合体が有する非吸着性等の効果備えつつ、環状オレフィン共重合体を用いることにより熱融着温度の最適な範囲が低密度ポリエチレンに比べ狭くなるという欠点を補完し、環状オレフィン共重合体樹脂の含有量をコントロールすることにより、非吸着性等と熱融着性を両立することができる。
〔第3実施形態〕
図5は本発明の第3実施形態に係る包装材料300の層構成を示す概略断面図である。図5に示すように包装材料300は、順に少なくとも熱可塑性樹脂層110、紙基材層120、第1の接着樹脂層130、バリア層140、第2の接着樹脂層150、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層360を備えた構成である。
図5に示すように熱融着性樹脂層360が、第2の接着樹脂層150の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層361、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362、第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363を備えている。第3実施形態の包装材料300は、熱融着性樹脂層360の構成が異なること以外は第2実施形態と同様である。
熱融着性樹脂層360の第2の接着樹脂層150の側に備える第1のポリエチレン樹脂層361は、第2の接着樹脂層150と第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362とを接着させる層であり、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362及び第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363は環状オレフィン共重合体を含有することにより、第1のポリエチレン樹脂層361を含むバリア層140側となる外側の成分が液体用紙容器10へ移行することを防止すると共に内容物の成分が熱融着性樹脂層360に吸着されることを抑制するものである。
第1のポリエチレン樹脂層361は、第1実施形態で示した第1のポリエチレン樹脂層161と同様の樹脂が使用でき、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が使用できる。また、これらの樹脂を用いて第1のポリエチレン樹脂層361は単層としもよいし、2層以上の多層にすることもできる。第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362は、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含むことが好ましい。内容物と接する最内層の第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363は、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含むことが好ましい。熱融着性樹脂層360を構成する各環状オレフィン共重合体樹脂に配合される樹脂としては低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂が使用できる。上記のように第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362に含まれる環状オレフィン共重合体樹脂の比率より第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363に含まれる環状オレフィン共重合体樹脂の比率を少なくすることにより、シール温度の最適な範囲を広くすることができる。
次に、図6、図7、図8を参照しながら液体用紙容器10の頂部熱融着部12の加熱圧着される状態を説明する。
まず、液体用紙容器10の組立について説明する。包装材料に罫線を施し、所定の形状に打抜いたブランク(図示しない)から図1で示すような液体用紙容器10を組み立てるには、略矩形のブランクを折り畳み対向する一方の端部を例えばフレームシールにより胴部熱融着部11を熱融着して筒貼りし、組立完成前の筒状に胴貼りされ折り畳まれたフラットな状態とする。これを液体用紙容器充填密封装置に供給して、図6に示すように折り畳まれたフラットな状態の液体用紙容器を起函し両端に開口頂端部14と開口底端部15を備えた角筒状にされた組立完成前の液体用紙容器10’とし、まず底部側の折罫で折り込み加熱、圧着して底部を成形し、開口頂端部14より内容物を充填後、頂部形成板をくせ折りしてゲーブルトップ型(切妻型)を成形し、その後、内面を加熱し、最後に頂部形成板の頂部熱融着部12を重合して圧着接合し頂部を形成することにより液体用紙容器10の組立が完成する。なお、注出口部13は内容物充填前に例えばブランクの所定位置に注出口部13の外径よりやや大きい円形状に打ち欠いた穴部16に取り付けられる。
図6は液体用紙容器の組立完成前の胴貼りされ折り畳まれた状態から起函され筒状にされた状態を示す斜視図である。起函され筒状にされた組立完成前の液体用紙容器10’は、両端が開口とされ、一方に開口頂端部14と他方に開口底端部15を有している。まず開口底端部15を折罫で折り込み加熱、圧着して底部を成形し、内容物が開口頂端部14から充填される。その後、図7に示すように頂部形成板を折罫によりくせ折りする。なお、図7には図を簡明にするために注出口部13は省略している。
つぎに図8を参照しながらくせ折りされた開口頂端部14’の頂部熱融着部12の内面及び外面が同時に加熱される状態について説明する。図8に示すように加熱装置本体(図示しない)は、外面加熱部21と内面加熱部22が設けられたチャンバー部20を備えており、チャンバー部20がくせ折りされた開口頂端部14’に覆い被さるように下降して加熱し、加熱後、上昇してくせ折りされた開口頂端部14’より離脱するという動作をするものである。加熱に際し、下降したチャンバー部20は液体用紙容器のくせ折りされた開口頂端部14’に覆い被さり、くせ折りされた開口頂端部14’の内面及び外面は、内面加熱部22及び外面加熱部21により内外から囲まれた状態となり、装置本体内の熱風供給部より供給される所定温度に加熱された空気を外面加熱部21及び内面加熱部22の多数の熱風噴射小孔(図示しない)より図8に太線の矢印で示す如く、くせ折りされた開口頂端部14’の接着すべき頂部熱融着部12に向けて熱風を噴射するように構成されており、頂部熱融着部12の内面の熱融着性樹脂層160及び外面の熱可塑性樹脂層110が同時に加熱溶融される。加熱後、チャンバー部20を備えた装置本体は上昇し、くせ折りされた開口頂端部14’より離脱する。次に頂部加圧装置(図示しない)で圧着接合され頂部熱融着部12を形成することにより、図1に示すゲーブルトップ型の液体用紙容器10が完成する。頂部熱融着部12を圧着接合するために通常300℃以上の高温熱風が頂部熱融着部12を含む部分に吹き付けられる。このとき、熱風温度が高温になるほど、バブリングが発生しやすくなる。したがって、安定したシール状態を得るために熱風温度(シール温度)の最適な範囲が広いことが好ましい。
本発明の包装材料100、200、300は、第1の接着樹脂層130にカルボン酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、シラン基含有化合物及び酸無水物含有化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物を含む構成とすることにより、熱融着性樹脂層160の内容物と接する側が環状オレフィン共重合体樹脂であっても頂部熱融着部12にバブリングが発生することを抑制でき、シール温度範囲を広くできるので好ましいものである。また、底部熱融着部についても同様にバブリングが発生することを抑制できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、代表的な構成例について次に列挙する。
(1)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130/バリア層140/熱融着性樹脂層160〔第1のポリエチレン樹脂層161/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162/第2のポリエチレン樹脂層163〕
(2)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130/バリア層140/熱融着性樹脂層160〔第1のポリエチレン樹脂層161/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162/第2のポリエチレン樹脂層163(環状オレフィン共重合体樹脂を10質量%以上80質量%以下含む)〕
(3)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130(化合物を含む)/バリア層140/熱融着性樹脂層160〔第1のポリエチレン樹脂層161/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162/第2のポリエチレン樹脂層163〕
(4)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130(化合物を含む)/バリア層140/熱融着性樹脂層160〔第1のポリエチレン樹脂層161/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層162/第2のポリエチレン樹脂層163(環状オレフィン共重合体樹脂を10質量%以上80質量%以下含む)〕
(5)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130/バリア層140/第2の接着樹脂層150/熱融着性樹脂層260〔第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層262/第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264〕<第2実施形態>
(6)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130(化合物を含む)/バリア層140/第2の接着樹脂層150/熱融着性樹脂層260〔第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層262/第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264〕
(7)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130/バリア層140/第2の接着樹脂層150/熱融着性樹脂層360〔第1のポリエチレン樹脂層361/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362/第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363〕<第3実施形態>
(8)熱可塑性樹脂層110/紙基材層120/第1の接着樹脂層130(化合物を含む)/バリア層140/第2の接着樹脂層150/熱融着性樹脂層360〔第1のポリエチレン樹脂層361/第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362/第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363〕
さらに実施例を挙げて、本発明を詳しく説明する。
[実施例1]
紙基材層120として坪量380g/m2 の板紙を用い、バリア層140として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の片面に酸化アルミニウムの蒸着層(VM)を有する酸化アルミニウム蒸着PETフィルム(VMPET)を用い、板紙の一方の面にアンカーコート剤(AC)を塗布し、第1の接着樹脂層130の樹脂としてエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を用い、板紙のAC面とVMPETのVM(蒸着層)とをEMAAを厚さ25μmで押出しながらサンドイッチラミネート法で積層した。次にVMPETのPET面に2液硬化型のウレタン系接着剤をアンカーコート剤(AC)として塗布し、AC面に第2の接着樹脂層150の樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、厚さ20μmで押出し積層した。さらに、板紙の他方の面に、熱可塑性樹脂層110として低密度ポリエチレン(LDPE)を使用して厚さ20μmで押出コーティング法により積層した。
次に、厚さ20μmの第1のポリエチレン樹脂層361(直鎖状低密度ポリエチレン:LLDPE)、厚さ5μmの第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362、
さ10μmの第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363の3層を共押出法により第2の接着樹脂層150のLDPE面に第1のポリエチレン樹脂層361が接するようにして熱融着性樹脂層360を積層し、包装材料を作製した。得られた包装材料の構成は、<LDPE20μm/板紙380g/m2 /AC/EMAA25μm/VMPET12μm/AC/LDPE20μm/熱融着性樹脂層35μm>なる液体用紙容器用包装材料とした。
各層に使用した樹脂または樹脂組成物は次の通り。
低密度ポリエチレン樹脂(LDPE):低密度ポリエチレン(MFR4.0g/10分、密度0.923g/cm3
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE):直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8.0g/10分、密度0.904g/cm3
第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)
第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)20質量%、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8.0g/10分、密度0.904g/cm3 )80質量%を十分に混錬して樹脂組成物を調整した。
[実施例2]
紙基材層120として坪量380g/m2 の板紙を用い、バリア層140として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の片面に酸化アルミニウムの蒸着層(VM)を有する酸化アルミニウム蒸着PETフィルム(VMPET)を用い、板紙の一方の面にアンカーコート剤(AC)を塗布し、第1の接着樹脂層130の樹脂としてエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を用い、板紙のAC面とVMPETのVM(蒸着層)とをEMAAを厚さ25μmで押出しながらサンドイッチラミネート法で積層した。次にVMPETのPET面に2液硬化型のウレタン系接着剤をアンカーコート剤(AC)として塗布し、AC面に第2の接着樹脂層150の樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、厚さ30μmで押出し積層した。さらに、板紙の他方の面に、熱可塑性樹脂層110として低密度ポリエチレン(LDPE)を使用して厚さ20μmで押出コーティング法により積層した。
次に、厚さ10μmの第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263、厚さ5μmの第1の環状オレフィン共重合体樹脂層262、厚さ10μmの第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264の3層を共押出法により第2の接着樹脂層150のLDPE面に第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263が直接、接するようにして熱融着性樹脂層260を積層し、包装材料を作製した。得られた包装材料の構成は、<LDPE20μm/板紙380g/m2 /AC/EMAA25μm/VMPET12μm/AC/LDPE30μm/熱融着性樹脂層25μm>なる液体用紙容器用包装材料とした。
各層に使用した樹脂または樹脂組成物は次の通り。
ポリエチレン樹脂(LDPE):低密度ポリエチレン(MFR4.0g/10分、密度0.923g/cm3
第1の環状オレフィン共重合体樹脂層262:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)
第2の環状オレフィン共重合体樹脂層263:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)20質量%、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8.0g/10分、密度0.904g/cm3 )80質量%を十分に混錬して樹脂組成物を調整した。
第3の環状オレフィン共重合体樹脂層264:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)20質量%、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8.0g/10分、密度0.904g/cm3 )80質量%を十分に混錬して樹脂組成物を調整した。
[比較例1]
実施例1の熱融着性樹脂層360の第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362の樹脂組成物を以下の樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして包装材料を作製した。
樹脂組成物:
第1の環状オレフィン共重合体樹脂層362:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)50質量%、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8.0g/10分、密度0.904g/cm3 )50質量%を十分に混錬して樹脂組成物を調整した。
[比較例2]
実施例1の熱融着性樹脂層360の第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363の樹脂組成物を以下の樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして包装材料を作製した。
樹脂組成物:
第2の環状オレフィン共重合体樹脂層363:環状オレフィンコポリマーCOC(ポリプラスチックス株式会社製、TOPAS)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた液体用紙容器用包装材料について、包装材料の非吸着性及び充填機適性について評価を行い、結果を表1に示した。
Figure 2020055274
評価方法及び評価基準は次のとおりである。
〔非吸着性〕
包装材料を所定の罫線と所定のブランク形成用切刃を備えた抜型を搭載した打抜き機で打抜きブランクを作製した。次に、ブランクを折り曲げながら一方の対向する端縁を胴部熱融着部11として重ね合わせフレームシールを行い、製函機にて貼加工して筒状の折り畳まれた液体用紙容器とした。
筒状のカートン組立装置等を搭載した紙容器充填密封装置で折り畳まれた液体用紙容器を起函して組立てて、図1に示すゲーブルトップ型の液体用紙容器10を作製し、そのゲーブルトップ型の液体用紙容器10に吟醸酒を充填し密封包装した。一方、ガラスビンに同じ吟醸酒を充填し密封包装した。そして、それぞれを常温(25℃)で10日間保存した後、ガラスビンとゲーブルトップ型の液体用紙容器10の吟醸酒に含まれる酢酸イソアミルをガスクロマトグラフィーで定量分析し、ガラスビンの中の吟醸酒に含まれる酢酸イソアミルに対してゲーブルトップ型の液体用紙容器10の中の吟醸酒に含まれる酢酸イソアミルの比率を残存率として求め、その酢酸イソアミルの残存率により非吸着性を評価した。なお、香りは吟醸酒の品質を決定する重要な要素であり、香気エステルである酢酸イソアミルは果実の香りに似た、極めて好ましい香気成分のひとつとされており、吟醸酒の香りの主成分のひとつをなす酢酸イソアミルに着目しその残存率を評価した。
[充填機適性]
前記紙容器充填密封装置のチャンバー部(図8参照)の温度を240℃から360℃の間で10℃毎に変化させて液体内容物を充填し密封包装した。密封包装したゲーブルトップ型の液体用紙容器10について、内容物の漏れやピンホールの有無を目視検査し、いずれも異常が認められなかった温度を適性温度とした。なお、ピンホールの有無はつぎのとおりである。
(ピンホールの確認方法)図1に示す液体用紙容器10を頂部17と底部18との間で水平方向に切断して上下に二分し内容物を排除したものを供試サンプルとした。供試サンプルの頂部17及び底部18の切断口を上にして切断口から試験液を入れ、切断口を上にして約1時間静置した。その後、試験液が頂部17及び底部18の熱融着部を浸透していないかを破壊検査した。紙基材層120に着色が認められたものを不良とし、いずれも着色が認められなかったものを良好と判定した。なお、試験液としては、ミクロチェック浸透液(イチネンケミカルズ)を用いた。
表1に示すように実施例1、実施例2は酢酸イソアミルの残存率は良好で優れた非吸着性が認められた。また、シール温度の適性範囲も広く充填機適性も良好であった。比較例1は充填機適性が良好であったが、酢酸イソアミルの減少が著しく、非吸着性が劣るものであった。
比較例2は非吸着性は良好であったが、充填機適性においてシール温度の適性範囲が狭く、安定した実作業が困難なものであった。
10 液体用紙容器
10’ 組立完成前の液体用紙容器
11 胴部熱融着部
12 頂部熱融着部
13 注出口部
14 開口頂端部
14’ くせ折りされた開口頂端部
15 開口底端部
16 穴部
17 頂部
18 底部
20 チャンバー部
21 外面加熱部
22 内面加熱部
100、200、300 包装材料
110 熱可塑性樹脂層
120 紙基材層
130 第1の接着樹脂層
140 バリア層
141 プラスチックフィルム
142 蒸着層
150 第2の接着樹脂層
160,260,360 熱融着性樹脂層
161、361 第1のポリエチレン樹脂層
162、262、362 第1の環状オレフィン共重合体樹脂層
163 第2のポリエチレン樹脂層
263、363 第2の環状オレフィン共重合体樹脂層
264 第3の環状オレフィン共重合体樹脂層

Claims (7)

  1. 順に少なくとも熱可塑性樹脂層、紙基材層、第1の接着樹脂層、バリア層、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層を備えた包装材料であって、
    前記熱融着性樹脂層が、前記バリア層の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、第2のポリエチレン樹脂層を備え、
    前記第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、
    前記バリア層と前記第1のポリエチレン樹脂層とが直接、接することを特徴とする包装材料。
  2. 前記第2のポリエチレン樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 順に少なくとも熱可塑性樹脂層、紙基材層、第1の接着樹脂層、バリア層、第2の接着樹脂層、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層を備えた包装材料であって、
    前記熱融着性樹脂層が、前記第2の接着樹脂層の側から順に少なくとも第2の環状オレフィン共重合体樹脂層、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、第3の環状オレフィン共重合体樹脂層を備え、
    前記第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、
    前記第2の環状オレフィン共重合体樹脂層及び前記第3の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含み、
    前記第2の接着樹脂層と前記第2の環状オレフィン共重合体樹脂層とが直接、接することを特徴とする包装材料。
  4. 順に少なくとも熱可塑性樹脂層、紙基材層、第1の接着樹脂層、バリア層、第2の接着樹脂層、環状オレフィン共重合体からなる樹脂を含む熱融着性樹脂層を備えた包装材料であって、
    前記熱融着性樹脂層が、前記第2の接着樹脂層の側から順に少なくとも第1のポリエチレン樹脂層、第1の環状オレフィン共重合体樹脂層、第2の環状オレフィン共重合体樹脂層を備え、
    前記第1の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を80質量%以上含み、
    前記第2の環状オレフィン共重合体樹脂層が、前記環状オレフィン共重合体からなる樹脂を10質量%以上80質量%以下含むことを特徴とする包装材料。
  5. 前記第1の接着樹脂層の厚さが、15μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の包装材料。
  6. 前記バリア層が、金属箔またはプラスチックフィルムの一方の面に無機酸化物若しくは金属が蒸着された蒸着層を有する蒸着フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の包装材料。
  7. 前記第1の接着樹脂層が、カルボン酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、シラン基含有化合物及び酸無水物含有化合物からなる群から選ばれた1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の包装材料。



JP2018189379A 2018-10-04 2018-10-04 包装材料 Active JP7139855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018189379A JP7139855B2 (ja) 2018-10-04 2018-10-04 包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018189379A JP7139855B2 (ja) 2018-10-04 2018-10-04 包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020055274A true JP2020055274A (ja) 2020-04-09
JP7139855B2 JP7139855B2 (ja) 2022-09-21

Family

ID=70106161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018189379A Active JP7139855B2 (ja) 2018-10-04 2018-10-04 包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7139855B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005103882A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリオレフィン系熱収縮性積層フィルム
JP2013039938A (ja) * 2011-08-15 2013-02-28 Toppan Printing Co Ltd 液体用紙容器
WO2014061403A1 (ja) * 2012-10-17 2014-04-24 東レ株式会社 積層フィルム
JP2015030464A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 大日本印刷株式会社 包装材料
JP2017013485A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 大日本印刷株式会社 低吸着性共押出多層シーラントフィルム
US20180170019A1 (en) * 2015-07-03 2018-06-21 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Barrier film or sheet and laminated packaging material comprising the film or sheet and packaging container made therefrom

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005103882A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリオレフィン系熱収縮性積層フィルム
JP2013039938A (ja) * 2011-08-15 2013-02-28 Toppan Printing Co Ltd 液体用紙容器
WO2014061403A1 (ja) * 2012-10-17 2014-04-24 東レ株式会社 積層フィルム
JP2015030464A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 大日本印刷株式会社 包装材料
JP2017013485A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 大日本印刷株式会社 低吸着性共押出多層シーラントフィルム
US20180170019A1 (en) * 2015-07-03 2018-06-21 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Barrier film or sheet and laminated packaging material comprising the film or sheet and packaging container made therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
JP7139855B2 (ja) 2022-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020044713A (ja) 包装材料
JP5151463B2 (ja) 紙容器用複合シート材料と該複合シート材料を用いて成形した紙容器
JP2022118071A (ja) 包装材料
JP6136132B2 (ja) 液体用紙容器
JP2020055275A (ja) 包装材料
JP6805479B2 (ja) 液体用紙容器
JP2020055274A (ja) 包装材料
JP2009286488A (ja) 紙容器
JP4595191B2 (ja) 分離可能な蓋材
JP3312563B2 (ja) 液体包装用紙製包材
JP6547864B2 (ja) 包装材料及びそれを用いた包装容器
JP2018024436A (ja) スパウト付パウチ
JP2011121628A (ja) 液体用紙容器
JP5915211B2 (ja) 蓋材
JP4060894B2 (ja) 紙容器
JP2021079974A (ja) 紙容器用積層シート、紙容器、及び紙容器の製造方法
JP2678451B2 (ja) 紙複合容器
JPH09187900A (ja) 紙容器
JP6859596B2 (ja) デジタル印刷が施された液体用紙容器の製造方法、ならびにデジタル印刷が施された胴部材を用いる円筒型形状容器の製造方法
JPH06297650A (ja) 紙コップ
JP6065445B2 (ja) 液体用紙容器
JPH0952299A (ja) 紙容器
JPH07242231A (ja) 液体紙容器用ブランクおよびそのブランクを用いた液体紙容器
JPH0929868A (ja) 紙容器
JP2019112090A (ja) 液体用紙容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7139855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150