JP2020055239A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インナーライナーの接合部分での接合不良が防止されたタイヤ製造方法の提供。【解決手段】この製造方法は、(A)インナーライナーを形成するための帯状の第一ベースシート16aを含むシート18を準備する工程、(B)側面視において、切断面の、シート18が延びる方向に対する角度が20°以上50°以下となるようにシート18を切断して、カットシート20を得る工程、(C)カットシート20を、その前端と後端とが重なりを有するようにドラム14上に巻くことで、インナーライナー42を含むこのタイヤの構成部材を形成する工程、(D)この構成部材にこのタイヤのさらに他の構成部材を組み合わせることで、ローカバーを得る工程、(E)ローカバーの内面に離型剤を塗布する工程及び(F)離型剤が塗布されたローカバーを、モールドで加圧及び加熱する工程を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。詳細には、本発明は、インナーライナーを備える空気入りタイヤの製造方法に関する。
インナーライナーを備えるタイヤの製造では、インナーライナーの材料となる未加硫ゴムからなる帯(ベースシート)を含む、シートが準備される。シートは、所定の長さに切り分けられ、カットシートが得られる。このカットシートがドラムの回りに巻かれて、筒状とされる。このとき、カットシートの巻き始めとなる前端と、巻き終わりとなる後端とは、十分な接合強度が得られるように、重ねられる。この重なり部分は、接合部分と称される。これにより、インナーライナーがドラムの周りに形成される。
このタイヤの製造では、インナーライナーの外側に、カーカス等の他の構成部材が巻かれる。さらに他の構成部材が組み合わされて、ローカバーが得られる。ローカバーは、モールドに投入される。ローカバーの内側において、ブラダーが膨張する。ローカバーは、モールドのキャビティ面と、ブラダーとに挟まれて、加熱されつつ加圧される。加熱によりゴム組成物が架橋反応を起こし、タイヤが形成される。インナーライナーを備えるタイヤの製造方法についての検討が、特開2001−232696公報で報告されている。
特開2001−232696公報
タイヤをモールドから取り出す際に、タイヤの内面とブラダーとがスムーズに離れるように、ローカバーの内面に離型剤を塗布する方法がある。この方法では、この離型剤がインナーライナーの接合部分に入り込むと、この部分で接合不良が起こりうる。この方法では、接合不良を防止することが重要となる。ローカバーの内面ではなく、ブラダーの表面に離例剤を塗布する方法が考えられる。しかし、ブラダーへの離型剤の塗布には手間がかかる。さらにこの方法では、離型剤が垂れて、サイド部等に異物として付着することがある。
本発明の目的は、簡易に、サイド部への離型剤の付着が防止されつつ、インナーライナーの接合部分での接合不良が防止されたタイヤの製造方法の提供にある。
本発明は、インナーライナーを備える空気入りタイヤの製造方法に関する。この方法は、
(A)上記インナーライナーを形成するための帯状の第一ベースシートを含むシートを準備する工程、
(B)側面視において、切断面の、上記シートが延びる方向に対する角度が、20°以上50°以下となるようにシートを切断して、カットシートを得る工程、
(C)上記カットシートを、その前端と後端とが重なりを有するようにドラム上に巻くことで、インナーライナーを含むこのタイヤの構成部材を形成する工程、
(D)上記構成部材に、このタイヤのさらに他の構成部材を組み合わせることで、ローカバーを得る工程、
(E)上記ローカバーの内面に、離型剤を塗布する工程
及び
(F)上記離型剤が塗布されたローカバーを、モールドで加圧及び加熱する工程
を含む。
好ましくは、上記シートはチェーファーを形成するための一対の第二ベースシートをさらに含み、それぞれの第二ベースシートは上記第一ベースシートの幅方向の外側に接合されている。
好ましくは、上記(B)の工程は、
(B−1)上記シートの切断すべき位置が、上記シートの幅方向に延びる、一対のアンビルの間に設けられた隙間と重なるように、上記シートをセットする工程、
(B−2)側面視においてシートが延びる方向に対して20°以上50°以下の傾斜を有するカッターを、上記隙間に沿って走査させることでシートを切断する工程
を含む。
好ましくは、上記(B−2)の工程おいて、カッターの傾斜角度を走査中に変更することで、上記シートの上記第一ベースシートの部分を切断するときのカッターの傾斜角度が、上記第二ベースシートの部分を切断するときのカッターの傾斜角度より小さくされる。
好ましくは、上記(B−1)の工程では、上記シートが上記隙間の両側から一対の抑え具により抑えられており、この一対の抑え具の間隔は3mm以上6mm以下である。
好ましくは、上記(B−2)の工程では、電動シリンダによってカッターが走査される。
発明者らは、離型剤がインナーライナーの接合部分に入り込むことを防止する方法について検討した。その結果、この部分での接合面の傾斜角度が、離型剤の入り込みの防止に大きく影響することを見いだした。側面視において、この傾斜角度をローカバーの内面の垂直方向に対して傾斜させることで、この入り込みが抑えられることを見いだした。
本発明に係るタイヤの製造方法では、シートは、切断面の、シートが延びる方向に対する角度が20°以上50°以下となるように切断され、カットシートが得られる。このカットシートをドラム上で巻いたとき、その前端と後端との接合面は、ローカバーの内面の垂直方向に対して大きく傾斜する。この傾斜は、ローカバーの内面に塗布された離型剤が接合部分に入り込むことを効果的に防止する。この製造方法では、インナーライナーの接合部分での接合不良が防止されている。この製造方法では、ブラダーに離型剤を塗布しない。この製造方法は、簡易である。この製造方法では、サイド面に離型剤が付着することが防止されている。この方法では、簡易に、サイド部への離型剤の付着が防止されつつ、インナーライナーの接合部分での接合不良が防止されている。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法のための装置が示された平面図である。 図2は、図1の装置の側面図である。 図3は、図1の装置の一部が示された模式図である。 図4は、図1の装置で切断されたシートの切断部分が示された側面図である。 図5は、図1の装置で形成されたカットシートがドラム上に巻かれた状態が示された側面図である。 図6は、図5のカットシートの前端と後端との重なり部分が拡大された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係る製造方法で使用される製造装置2の一例が示された、平面図である。図2は、図1の装置2の側面図である。この装置2は、成形機のドラム上に巻かれるカットシートを形成する。この装置2は、供給ロール4、圧着ロール6、第一搬送台8、切断器10及び第二搬送台12を備える。図1及び2には、成形機のドラム14も示されている。
供給ロール4には、タイヤの構成部材を形成するための、ベースシート16が巻かれている。図1で示されるように、この実施形態では、供給ロール4には、第一供給ロール4aと一対の第二供給ロール4bとが存在する。第一供給ロール4aには、インナーライナーを形成するための未加硫ゴムからなる第一ベースシート16aが巻かれている。第一供給ロール4aが回転することで、第一ベースシート16aが送り出される。それぞれの第二供給ロール4bには、チェーファーを形成するための、布とこの布を被覆する未加硫ゴムからなる第二ベースシート16bが巻かれている。これらが回転することで、一対の第二ベースシート16bが送り出される。図1及び2には、第一ベースシート16a及び第二ベースシート16bが送られる方向が、矢印Aで示されている。
圧着ロール6は、供給ロール4の下流に位置する。図1で示されるように、第一ベースシート16aの両側に、それぞれの第二ベースシート16bが配置される。図では示されていないが、第一ベースシート16aの端と、第二ベースシート16bの端とは重ねられている。圧着ロール6でこの重ねられた部分が抑えられることで、第一ベースシート16aと第二ベースシート16bとが圧着される。これにて、第一ベースシート16aと第二ベースシート16bとを含むシート18が得られる。
この実施形態では、シート18は第一ベースシート16aと一対の第二ベースシート16bとからなる。シートが、さらに別のベースシートを含んでいてもよい。例えば、インナーライナーが二層構造を有する場合、インナーライナー用の第三ベースシートが第一ベースシート16aの上方に重ねられる。シートが、第一ベースシート16aのみから構成されていてもよい。このとき、第二供給ロール4b及び圧着ロール6は存在しない。第一ベースシート16aがシートとして、次の工程に送られる。
第一搬送台8は、圧着ロール6の下流に位置する。第一搬送台8は、シート18を切断器10の所望の位置に送る。
切断器10は、第一搬送台8の下流に位置する。切断器10は、シート18を、所望の長さのカットシート20に切り分ける。図3には、切断器10の一部が拡大されて示されている。この図は、切断器10の側面図である。切断器10は、一対のアンビル22、一対の抑え具24、カッター26及びフレーム28を備える。図示されないが、切断器10は、駆動部をさらに備える。
一対のアンビル22は、板状である。これらのアンビル22上には、第一搬送台8からシート18が送られる。シート18が送られる方向が、矢印Aで示されている。一対のアンビル22は、シート18の延びる方向(図3の左右方向)に、隙間30を空けて並べられている。この隙間30は、シート18の幅方向に延びる。隙間30が延びる方向は、シート18の幅方向に対して傾斜していてもよい。この明細書では、これらは共に「隙間30はシート18の幅方向に延びる」と称される。
一対の抑え具24のそれぞれは、隙間30の両側に位置している。一対の抑え具24は、隙間30の両側から、シート18を抑えることができる。
図3で示されるように、側面視において、カッター26はアンビル22間の隙間30に位置する。カッター26は、シート18が延びる方向に対して傾斜している。図3において、符号θはこの傾斜角度を表す。傾斜角度θは、20°以上50°以下である。
フレーム28は、カッター26を支える。フレーム28は、本体32と補強部34とを備える。本体32の先端にカッター26が取り付けられている。補強部34は、本体32を補強する。補強部34は、カッター26がシート18を切断する際に、本体32が揺れるのを抑える。
図示されない駆動部は、抑え具24を上下に移動させることができる。抑え具24を下に移動することで、抑え具24はシート18を抑える。これによりシート18が固定される。駆動部は、フレーム28及びカッター26を、隙間30に沿って走査させることができる。これにより、シート18が切断される。さらに駆動部は、フレーム28の傾斜角度を変更することで、カッター26の傾斜角度θを変更することができる。
第二搬送台12は、切断器10の下流に位置する。第二搬送台12は、カットシート20を搬送する。第二搬送台12は、カットシート20をドラム14まで搬送する。
このタイヤの製造方法は、
(1)シート18を準備する工程、
(2)シート18を切断して、カットシート20を得る工程、
(3)カットシート20をドラム14上に巻く工程、
(4)ローカバーを得る工程、
(5)離型剤を塗布する工程
及び
(6)ローカバーをモールドで加圧及び加熱する工程
を含む。
上記(1)の工程では、第一供給ロール4aが回転して第一ベースシート16aが圧着ロール6に供給され、併せて一対の第二供給ロール4bが回転して一対の第二ベースシート16bが圧着ロール6に供給される。これらが圧着されて、第一ベースシート16aと、この第一ベースシート16aの幅方向の両外側に接合された第二ベースシート16bを備えるシート18が得られる。
上記(2)の工程では、シート18が第一搬送台8によって切断器10に送られる。このとき、抑え具24は、シート18の上方に位置している。シート18の切断すべき位置がアンビル22の間の隙間30に重なる位置までシート18が移動され、シート18の移動が停止される。駆動部により抑え具24がシート18まで下げられる。抑え具24が、シート18を抑える。これにより、シート18が切断台にセットされる。
上記(2)の工程では、シート18がセットされた後、駆動部によりフレーム28及びカッター26が、隙間30に沿って走査される。これにより、シート18が所望の長さのカットシート20に切り分けられる。図4は、カッター26により切断されたシート18及びカットシート20の側面図である。前述の通り、カッター26はシート18が延びる方向に対して傾斜しているため、シート18及びカットシート20の切断面33もシート18が延びる方向に対して傾斜している。切断面33の傾斜角度は、カッター26の傾斜角度θと同じである。切断面33の傾斜角度θは、20°以上50°以下である。
上記(3)の工程では、カットシート20が、第二搬送台12によりドラム14に送られる。カットシート20の前端が、ドラム14の外周に載せられる。ドラム14が回転して、カットシート20がドラム14の外周に巻かれる。図5にこの様子が示されている。図5に示されるように、カットシート20の前端36と後端38とは重なりを有する。カットシート20は、前端36の切断面33がドラム14側を向き、後端38の切断面がドラム14と反対側を向くように、重ねられる。図示されないが、この重なり部分が例えばローラーで抑えられて、前端36と後端38とが接合される。これにより、ドラム14の周りに、インナーライナー42が形成される。この実施形態では、併せてチェーファーが形成される。このインナーライナー42の内面及びチェーファーの内面は、ローカバーの内面を構成する。図6は、重なり部分が拡大された断面図である。この部分は、接合部分40と称される。
上記(4)の工程では、形成されたインナーライナー42の外側に、タイヤの他の構成部材が積層される。この実施形態では、カーカス44が積層される。図6には、インナーライナー42の外側に積層されたカーカス44も示されている。この工程では、さらに、ビード、サイドウォール、ベルト、トレッド等の他の構成部材が組み合わされる。これにより、ローカバーが得られる。
上記(5)の工程では、ローカバーの内面に、離型剤が塗布される。この実施形態では、ローカバーの内面に、離型剤がスプレーで吹き付けられる。
上記(6)の工程では、ローカバーがモールドに投入される。ローカバーの内側において、ブラダーが膨張する。ブラダーは、ローカバーの内面と接触する。ローカバーは、モールドのキャビティ面と、ブラダーとに挟まれて、加熱されつつ加圧される。この加熱及び加圧により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴム組成物が架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
以下、本発明の作用効果が説明される。
本発明に係るタイヤの製造方法では、シート18の切断面33の傾斜角度θが20°以上50°以下となるように、シート18が切断される。傾斜角度θを50°以下とすることで、図6に示されるように、カットシート20をドラム14上で巻いたとき、その前端36と後端38との境界面46は、ローカバーの内面の垂直方向から大きく傾斜する。この傾斜は、ローカバーの内面に塗布された離型剤が接合部分40に入り込むことを効果的に防止する。この製造方法では、インナーライナー42の接合部分40での接合不良が防止されている。傾斜角度θを20°以上とすることで、カットシート20の前端36の細くなった部分及び後端38の細くなった部分は、十分な強度を有する。これらの部分の欠けが防止されている。これは、インナーライナー42の接合部分40の接合不良を効果的に防止する。
この製造方法では、ブラダーに離型剤を塗布しない。この製造方法は、簡易である。この製造方法では、サイド面に離型剤が付着することがない。この方法では、簡易に、サイド部への離型剤の付着が防止されつつ、インナーライナー42の接合部分40での接合不良が防止されている。
前述のとおり、カットシートをドラムに巻いたとき、カットシートの前端と後端とが重ねられる。インナーライナーには、この接合部分において、段差が生じる。インナーライナーの外側にカーカス等の他の構成部材を積層したとき、この段差の部分において、インナーライナーとこの構成部材との間にエアーが残り易い。
この製造方法では、カットシート20の切断面33の傾斜角度θは、50°以下である。図6で示されるように、このカットシート20で形成されたインナーライナー42では、接合部分40での段差を構成する面は、なだらかに傾斜している。他の構成部材は、この傾斜に沿って積層される。これは、インナーライナー42とこの構成部材との間のエアーの残留を、効果的に防止する。この製造方法では、インナーライナー42と、このインナーライナー42の外側に積層される他の構成部材との間のエアー残りが防止されている。
この実施形態では、シート18は第一ベースシート16aと第二ベースシート16bとを含む。布を含む第二ベースシート16bは、第一ベースシート16aに比べて硬い。切断面33の傾斜角度θ(カッター26の傾斜角度θ)が小さ過ぎると、カッター26が硬い第二ベースシート16bと接触する部分が長くなる。これは、第二ベースシート16bの切断不良の要因となりうる。
この方法では、カッター26の傾斜角度θは20°以上である。このカッター26は、硬い第二ベースシート16bをスムーズに精度よく切断することができる。この方法では、シート18の切断不良が防止されている。
離型剤が接合部分40に入り込むことの防止、及びインナーライラ−の接合部分40でのエアーの残留の防止の観点から、傾斜角度θは45°以下がより好ましく、40°以下がさらに好ましい。カットシート20の前端36及び後端38での欠けの防止、並びに第二ベースシート16bの切断不良の防止の観点から、角度θは20°以上がより好ましく30°以上がさらに好ましい。
前述のとおり、切断器10の駆動部は、カッター26の傾斜角度θを変更することができる。シート18の第一ベースシート16aの部分を切断するときのカッター26の傾斜角度θ1を、第二ベースシート16bの部分を切断するときのカッター26の傾斜角度θ2より小さくするのが好ましい。ローカバーの内面は、主にインナーライナー42の内面で構成される。傾斜角度θ1を小さくすることで、ローカバーの内面に塗布された離型剤が接合部分40に入り込むことが、効果的に防止される。さらに、インナーライナー42の接合部分40と他の構成部材との間でのエアー残りが、効果的に防止される。傾斜角度θ2を大きくすることで、硬い第二ベースシート16bをスムーズに精度良く切断することができる。この方法では、シート18の切断不良が効果的に防止されている。
なお、インナーライナー42用のベースシートの幅方向の端と、隣接するチェーファー用のベースシートの幅方向の端は、重なりを有する。この重なり部分では、カッター26の傾斜角度は、θ2とされる。すなわち、チェーファー用のベースシートが存在する場所でのカッター26の傾斜角度がθ2である。インナーライナー42が、複数のベースシートから構成されるときも同様である。
ローカバーの内面に塗布された離型剤が接合部分40に入り込むことの防止、インナーライナー42の接合部分40と他の構成部材との間でのエアー残りの防止、及びシート18の切断不良の観点から、傾斜角度θ1は、20°以上40°以下が好ましく、傾斜角度θ2は、30°以上50°以下が好ましい。
第一ベースシート16aと第二ベースシート16bとは硬さが異なるため、カッター26が走査されたとき、第二ベースシート16bと第一ベースシート16aとの境界において、切断不良が起こり易い。図3において、両矢印Dは、一対の抑え具24の間隔である。この間隔Dは、抑え具24がシート18を抑えたときの、抑え具24の先端同士の距離である。間隔Dは、6mm以下が好ましい。間隔Dを6mm以下とすることで、この抑え具24は、シート18の動きや変形を抑える。この方法では、第一ベースシート16aと第二ベースシート16bとの境界においても切断不良が防止されている。この観点から間隔Dは、5mm以下がより好ましいく、4.4mm以下がさらに好ましい。間隔Dは、3mm以上が好ましい。間隔Dを3mm以上とすることで、傾斜したカッター26においても、カッター26がアンビル22と接触することが防止されている。この観点から、間隔Dは3.6mm以上がより好ましい。
カッター26を走査させる駆動部は、電動シリンダで構成されているのが好ましい。電動シリンダは、安定したトルクでカッター26を走査させることができる。これは、第一ベースシート16aと第二ベースシート16bと境界においても、安定してこれらシート18を切断しうる。この方法では、第一ベースシート16aと第二ベースシート16bとの境界においても切断不良が防止されている。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
上述の、本発明に係る製造方法で示された工程を実施した。シートをカットするときのパラメータが、表1及び2に示されている。このシートは、インナーライナー用の第一ベースシート、第一ベースシートの幅方向に接合されたチェーファー用の第二ベースシートを含む。このシートは、さらに第一ベースシートに重ねられたインナーライナー用の第三ベースシートを備えている。第一ベースシートの幅は420mm、厚みは1.0mmであり、第二ベースシートの幅は45mm、厚みは0.8mmであり、第三ベースシートの幅は470mm、厚みは1.0mmであった。カッターを走査させる駆動部には、電動シリンダが使用された。
[比較例1]
傾斜角度θ1及びθ2、並びに間隔Dが表1の通りとされた。カッターを走査させる駆動部には、エアシリンダが使用された。これら他は実施例1と同様としたのが比較例1である。
[実施例2−5]
傾斜角度θ1及びθ2を表1に示された値とした他は実施例1と同様にしたのが、実施例2−5である。
[実施例6−7]
間隔Dを表2に示された値とした他は実施例1と同様にしたのが、実施例6−7である。
[実施例8]
カッターを走査させる駆動部にエアシリンダを使用したことの他は実施例1と同様にしたのが、実施例8である。
[離型剤入り込み]
実施例及び比較例のそれぞれについて、10本のタイヤを製造した。それぞれのタイヤについて、無作為に選んだ3カ所でタイヤを切断した。インナーライナーの接合部分の断面を観測し、離型剤の入り込みの程度を評価した。この結果がA−Dの4段階で、表1−2に示されている。A、B、C、Dの順に離型剤の入り込みが少ない。A、B、C、Dの順に好ましい。
[切断面状態]
本発明に係る方法で、シートをカットし、カットシートを10枚製造した。このカットシートの切断面の状態が確認された。この結果が、比較例1を100とした指数で、表1−2に示されている。値が大きいほど、なめらかに精度良く切断されている。値が大きいほど好ましい。
[エアー残り]
本発明に係る方法で製造したカットシートをドラムに巻いてインナーライナーを形成し、その外周にカーカスを積層した。この段階で、無作為に選んだ10カ所でこれを切断し、インナーライナーとカーカスとの間のエアー残りが確認された。この結果がA−Dの4段階で、表1−2に示されている。A、B、C、Dの順にエアー残りが少ない。A、B、C、Dの順に好ましい。
Figure 2020055239
Figure 2020055239
表1−2に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて総合的に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、インナーライナーを備える種々のタイヤの製造にも適用されうる。
2・・・製造装置
4・・・供給ロール
4a・・・第一供給ロール
4b・・・第二供給ロール
6・・・圧着ロール
8・・・第一搬送台
10・・・切断器
12・・・第二搬送台
14・・・ドラム
16・・・ベースシート
16a・・・第一ベースシート
16b・・・第二ベースシート
18・・・シート
20・・・カットシート
22・・・アンビル
24・・・抑え具
26・・・カッター
28・・・フレーム
30・・・隙間
32・・・本体
34・・・補強部
36・・・前端
38・・・後端
40・・・接合部分
42・・・インナーライナー
44・・・カーカス
46・・・接合面

Claims (6)

  1. インナーライナーを備える空気入りタイヤの製造方法であって、
    (A)上記インナーライナーを形成するための帯状の第一ベースシートを含むシートを準備する工程、
    (B)側面視において、切断面の、上記シートが延びる方向に対する角度が、20°以上50°以下となるようにシートを切断して、カットシートを得る工程、
    (C)上記カットシートを、その前端と後端とが重なりを有するようにドラム上に巻くことで、インナーライナーを含むこのタイヤの構成部材を形成する工程、
    (D)上記構成部材に、このタイヤのさらに他の構成部材を組み合わせることで、ローカバーを得る工程、
    (E)上記ローカバーの内面に、離型剤を塗布する工程
    及び
    (F)上記離型剤が塗布されたローカバーを、モールドで加圧及び加熱する工程
    を含む、タイヤの製造方法。
  2. 上記シートが、チェーファーを形成するための一対の第二ベースシートをさらに含み、それぞれの第二ベースシートが上記第一ベースシートの幅方向の外側に接合されている、請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 上記(B)の工程が、
    (B−1)上記シートの切断すべき位置が、上記シートの幅方向に延びる、一対のアンビルの間に設けられた隙間と重なるように、上記シートをセットする工程、
    (B−2)側面視においてシートが延びる方向に対して20°以上50°以下の傾斜を有するカッターを、上記隙間に沿って走査させることでシートを切断する工程
    を含む、請求項2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 上記(B−2)の工程おいて、カッターの傾斜角度を走査中に変更することで、上記シートの上記第一ベースシートの部分を切断するときのカッターの傾斜角度を、上記第二ベースシートの部分を切断するときのカッターの傾斜角度より小さくする、請求項3に記載のタイヤの製造方法。
  5. 上記(B−1)の工程では、上記シートが上記隙間の両側から一対の抑え具により抑えられており、この一対の抑え具の間隔が3mm以上6mm以下である、請求項3又は4に記載のタイヤの製造方法。
  6. 上記(B−2)の工程では、電動シリンダによってカッターが走査される、請求項3から5のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
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