JP2020055140A - インクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セット、それを用いた光造形品ならびにその製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の光造形品は、インクジェット光造形法により、上記の組成物セットを光硬化させてなる。
さらに、本発明の光造形品の製造方法は、インクジェット光造形法により、上記の組成物セットを光硬化させて硬化物を得る工程(I)、及び、該硬化物から、サポート材用光硬化性樹脂組成物が光硬化された硬化物を除去する工程(II)を含んでいる。
本発明に係るインクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セット(以下、単に光硬化性樹脂組成物セットという場合がある)は、非水溶性単量体(A)と光重合開始剤(B)とを含むモデル材用光硬化性樹脂組成物、及び、重合性の塩(C)と極性溶媒(D)と光重合開始剤(E)とを含むサポート材用光硬化性樹脂組成物を含んでいる。
本発明に係るインクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セットに含まれるモデル材用光硬化性樹脂組成物(以下、単にモデル材用樹脂組成物という場合がある)は、非水溶性単量体(A)と光重合開始剤(B)とを含んでいる。上記モデル材用光硬化性樹脂組成物は、非水溶性単量体(A)以外の単量体を含んでいても良い。
上記モデル材用光硬化性樹脂組成物に含まれる非水溶性単量体(A)としては、光硬化性を有する単量体で、非水溶性エチレン性不飽和単量体が好ましく、水溶解度(20℃)が20g/L未満の、単官能エチレン性不飽和単量体や多官能エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸等の直鎖または分岐のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、等の脂環含有(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、アダマンチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル等の複素環含有(メタ)アクリレート;トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;炭素数が1〜12のアルキル基を導入したN−アルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メチルビニルエーテル、スチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル化合物、アリルオキシメチルアクリル酸メチルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またこれらの非水溶性単量体(A)は金属成分を含まない単量体であることが好ましい。
上記モデル材用光硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(B)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、[3−(3,4−ジメチル−9−オキソチオキサンテン−2−イル)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−トリメチルアザニウムクロリド等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;およびこれらの混合物等が挙げられる。
上記モデル材用光硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、他の成分を含有させることができる。具体的には、例えば、光開始助剤、重合禁止剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、充填剤、重合性オリゴマー、等が挙げられる。
上記添加物の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.05〜30質量%、より好ましくは0.05〜20質量%である。
本発明に係るインクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セットに含まれるサポート材用光硬化性樹脂組成物(以下、単にサポート材用樹脂組成物という場合がある)は、重合性の塩(C)と極性溶媒(D)と光重合開始剤(E)とを含んでいる。上記サポート材用光硬化性樹脂組成物は、上記重合性の塩(C)以外の単量体を含んでいても良い。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物に含まれる重合性の塩(C)としては、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体(イオン性単量体)が挙げられる。水溶性エチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和基を分子内に1つ以上有する単量体であり、イオン性基と対イオンとを含有することにより、水溶性が高い単量体である。水溶解度(20℃)は100g/L以上であることが好ましく、200g/L以上であることがより好ましく、500g/L以上であることがさらに好ましい。
上記のようにした場合にサポート材用光硬化性樹脂組成物のサポート性とともに溶解性をより向上できる。
中でも、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等の1価塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩である。さらに好ましくはカリウム塩である。
上記のようにした場合に、サポート材用光硬化性樹脂組成物のサポート性とともに溶解性をより向上できる。
中でも、アクリル酸カリウムとアクリル酸亜鉛の合計含有量が、サポート材用光硬化性樹脂組成物100質量%中、10〜30質量%であることが好ましい。このようにすることにより、組成物の粘度を低くすることができ、またアクリル酸塩の使用量を抑制することによりコストも低くできる。
アクリル酸の多価金属塩の含有量は、サポート材用光硬化性樹脂組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合にサポート材用光硬化性樹脂組成物のサポート性とともに溶解性をより向上できる。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物は、上記重合性の塩(C)以外の他の不飽和単量体を含んでいてもよい。上記他の不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、メチル=2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、および2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;フェニルアリルエーテル、o−,m−,p−クレゾールモノアリルエーテル、ビフェニル−2−オールモノアリルエーテル、ビフェニル−4−オールモノアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、およびシクロヘキサンメタノールモノアリルエーテル等のアリルエーテル;ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、およびアダマンチルビニルエーテル等のビニルエーテル;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、およびn−ヘキシルマレイミド等のマレイミド;ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ビス(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ビス(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのEO付加物ビス(メタ)アクリレート等の芳香族基を有するモノマーおよび脂環式基を有するモノマー;ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート;アクリロイルモルホリン;N−ビニルピロリドン;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリルアミド等が挙げられる。
これらは1種で単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物は、有機酸及び/又はその塩を含んでいてもよい。有機酸及び/又はその塩は、上記重合性の塩(C)、及び上記他の不飽和単量体以外の化合物である。
有機酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機リン酸、有機カルボン酸、リン酸エステルなどが挙げられる。なかでも有機カルボン酸が好ましい。有機カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、グリシン、ポリアクリル酸、ポリ乳酸などが挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、サリチル酸などが挙げられる。なかでも、脂肪族カルボン酸がより好ましく、乳酸、プロピオン酸、ポリアクリル酸がさらに好ましい。
有機酸の塩としては、例えば、金属カルボン酸塩が挙げられる。金属カルボン酸塩の金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;亜鉛;ジルコニウムなどが挙げられる。なかでもカリウムなどのアルカリ金属が好ましい。有機酸の塩としては、乳酸カリウム、プロピオン酸カリウムが好ましい。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物は、有機酸及び/又はその塩を含んでいる場合に、貯蔵安定性がより向上する。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物は、極性溶媒(D)を含んでいる。上記極性溶媒(D)としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ポリオキシプロピレングリコールなどのオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物等のグリコールが挙げられる。上記溶剤は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
極性溶媒(D)は、サポート材用光硬化性樹脂組成物100質量%中、水の含有量が10質量%以下となるように使用することが好ましい。極性溶媒(D)としては、炭素数2〜6のグリコールが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールがより好ましく、ジエチレングリコールが特に好ましい。
中でも、上記組成物100質量%中、ジエチレングリコールの含有量が、30〜90質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがより好ましく、55〜90質量%であることがさらに好ましく、70〜90質量%であることが特に好ましい。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤(E)を含んでいる。光重合開始剤(E)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、[3−(3,4−ジメチル−9−オキソチオキサンテン−2−イル)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−トリメチルアザニウムクロリド等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;およびこれらの混合物等が挙げられる。
これらは1種で単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(E)の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.05〜10.0質量%、より好ましくは0.1〜7.0質量%、さらに好ましくは0.2〜5.0質量%である。
上記サポート材用光硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりその他の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば、光開始助剤、重合禁止剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。これらの具体例としては、上記モデル材用光硬化性樹脂組成物のところで例示したのと同様である。
インクジェット3Dプリンター用インクは、上記モデル材用光硬化性樹脂組成物または上記サポート材用光硬化性樹脂組成物(以下、これらをまとめて組成物という場合がある)を含んでいる。インクジェット3Dプリンター用インクに含まれる上記組成物は、媒体で希釈されていてもよい。
インクジェット3Dプリンター用カートリッジでは、上記のインクジェット3Dプリンター用インクをそれぞれ充填している。インクジェット3Dプリンター用カートリッジは、上記インクジェット3Dプリンター用インクが充填されていればよく、インクジェット3Dプリンター用カートリッジの形態としては公知のものが使用できる。
本発明の光造形品は、インクジェット光造形法により、上記の組成物セットを光硬化させてなる。本発明の光造形品では、上記の本発明のインクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セットを使用するため、上記モデル材用光硬化性樹脂組成物(またはそれを含むインク)と上記サポート材用光硬化性樹脂組成物(またはそれを含むインク)とを、同時に吐出した場合においても上記2つの光硬化性樹脂組成物の界面におけるブリーディングが抑制されているため、成形性に優れた光造形品を提供できる。
本発明の光造形品の製造方法は、インクジェット光造形法により、上記の本発明のインクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セットを光硬化させて硬化物を得る工程(I)、及び、該硬化物から、サポート材用光硬化性樹脂組成物が光硬化された硬化物を除去する工程(II)を含んでいる。
表1に示す各成分を、表1に示す分量(質量部)にて配合し、混合撹拌装置を用いて均一に混合してモデル材用硬化性樹脂組成物1〜7を調製した。得られたモデル材用硬化性樹脂組成物1〜7について、硬化性、硬度、吐出安定性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
得られたモデル材用樹脂組成物について、500mJ/cm2および1000mJ/cm2の光を照射し、硬化性を評価した。評価基準は、次の通りである。
○:500mJ/cm2の光で硬化した。
△:1000mJ/cm2の光で硬化した。
×:1000mJ/cm2の光で硬化せず、液状のままであった。
(i)硬化性評価において硬化したモデル材用樹脂組成物の硬化物について、デュロメーターD型(高分子計器社製)を用いて、硬さを測定して評価した。
○:70以上
△:40以上70未満
×:40未満
得られたモデル材用樹脂組成物について、ノズル抜けが発生した割合により、吐出安定性を評価した。
ノズル径:20μm、飛翔速度:7m/sec、吐出周波数:10kHz、連続吐出時間:15minの条件で連続吐出を行うことによりノズルチェックパターンを印字し、ノズル抜けが発生したノズルの本数を数えた。そして、下記の基準において、ノズル抜けが発生した割合を評価した。なお、ノズル抜けとは、ノズルが詰まることにより、インクが吐出されない状態をいう。
○:問題なく連続吐出が可能
△:吐出中にノズル抜けが発生するが問題ないレベル
×:吐出中にノズル抜けが発生し、正常に吐出されない。
表2に示す各成分を、表2に示す分量(質量部)にて配合し、混合撹拌装置を用いて均一に混合してサポート材用硬化性樹脂組成物1〜7を調製した。得られたサポート材用硬化性樹脂組成物1〜7について、インクの臭気、硬化性、溶解性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
得られたサポート材用樹脂組成物について、臭気を評価した。評価基準は、次の通りである。
◎:モノマーによる刺激臭なし
○:わずかにモノマーによる刺激臭あり
△:モノマーによる刺激臭がやや強い
×:モノマーによる刺激臭が強い
得られたサポート材用樹脂組成物について、500mJ/cm2および1000mJ/cm2の光を照射し、硬化性を評価した。評価基準は、次の通りである。
◎:500mJ/cm2の光で硬化した。
○:1000mJ/cm2の光で硬化した。
△:1000mJ/cm2以上の光で硬化した。
×:液状のままであった。
(ii)硬化性評価において硬化したサポート材用樹脂組成物の硬化物片(1×1×0.5cm)を金網の上に置き、水温25℃の水100mLに水中で保持し、溶解性を評価した。評価基準は、次の通りである。
◎:1時間以内に溶解した。
○:2時間以内に溶解した。
△:3時間以内に溶解した。
×:3時間以内に溶解せず。
上記で得られたモデル材用硬化性樹脂組成物とサポート材用硬化性樹脂組成物とを表3に示す組み合わせで使用して、下記の評価を行った。
水平に設置したガラス板(MICRO SLIDE GLASS S9213 標準大型水緑磨t1.3)上に、表1に示すモデル材用硬化性樹脂組成物及びサポート材用樹脂組成物を、マイクロピペットを用いて各0.1mL滴下した。その際、モデル材用組成物及びサポート材用組成物は、それぞれの液滴の中心部同士の距離が10mmであり、かつ、それぞれの液滴は独立していた。その後、それぞれの液滴が徐々に拡がり、約5秒後に接触した。接触して10秒後の液滴の界面の状態を上方から目視により観察し、下記の基準において耐ブリードアウト性を評価した。結果を表3に示す。
○:ブリードアウトが認められない
×:ブリードアウトが認められた
水平に設置したガラス板上に2cm×2cm×0.5cmにくり抜いたシリコン枠を置き、その枠にサポート材用樹脂組成物を満たした。その後、UV照射装置を用いて400mJ/cm2照射し、その硬化物をデュロメーターE型(高分子計器社製)を用いて、硬さを測定して評価した。評価基準は、次の通りである。結果を表3に示す。
○ :>30
△ :10〜30
× :<10
上記サポート性評価用に使用したガラス板とシリコン枠に、モデル材用樹脂組成物とサポート材用樹脂組成物を各1.5gずつ接触するように左右に充填した後、UVを400mJ/cm2照射した。その後、得られた硬化物をシリコン枠とガラス板から切り離し、15gの水中に静置して、サポート材が完全に溶解するまでの時間を確認した。評価基準は次の通りである。結果を表3に示す。
○:サポート材が2時間以内で全て除去
△:サポート材が2時間〜3時間で全て除去
×:サポート材除去に3時間以上かかった
上記のサポート材の除去性評価と同様に硬化物を作成するが、UV照射直前にモデル材用樹脂組成物中にガラスピペットを垂直に突き刺し、先端をガラス板まで到達させた後、そのままサポート材用樹脂組成物側に水平移動してモデル材用樹脂組成物がサポート材用樹脂組成物側に細く伸びる部分を作成した。その状態でUVを照射し得られた硬化物を上記サポート材の除去性評価と同様に水に浸漬した。サポート材除去後に取り出し、モデル材とサポート材の境界部の状態を評価した。結果を表3に示す。
○:境界部の造形精度良好(細く伸ばした状態のモデル材が得られた)
△:境界部の造形精度やや良好(細く伸ばしたモデル材の一部が欠けていた)
×:境界部の造形精度不良(伸張箇所が特定できなかった)
10mLメスシリンダーに表3の組み合わせのモデル材用樹脂組成物とサポート材用樹脂組成物を各3gずつ、混ざらないように静かに入れる。この際、先にサポート材用樹脂組成物をメスシリンダー内に入れる。メスシリンダー全体をアルミ箔で覆い、24時間静置後の様子を観察する。
◎:モデル材とサポート材が界面で完全に分離
○:モデル材とサポート材が界面でほぼ分離
△:モデル材とサポート材の界面が僅かに混合し濁りあり
×:モデル材とサポート材が完全に混合
STA:ステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
AOMA:アリルオキシメチルアクリル酸メチル(日本触媒社製(開発品))
ACMO:アクリロイルモルホリン(東京化成社製)
AA:アクリル酸(日本触媒社製)
DCP−A:ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
BYK−UV3500:アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビッグケミー社製)
BYK−307:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビッグケミー社製)
イルガキュア184:1−ヒドロキシシクロヘキシル―フェニルケトン(BASF社製)
イルガキュアTPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製)
イルガキュア2959:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチルプロパノン(BASF社製)
CN991:ウレタンアクリレートオリゴマー(アルケマ社製)
EBECRYL3708:エポキシアクリレートオリゴマー(ダイセルサイテック社製)
Claims (3)
- 非水溶性単量体(A)と光重合開始剤(B)とを含むモデル材用光硬化性樹脂組成物、及び
重合性の塩(C)と極性溶媒(D)と光重合開始剤(E)とを含むサポート材用光硬化性樹脂組成物
を含む、インクジェット光造形用の光硬化性樹脂組成物セット。 - インクジェット光造形法により、請求項1記載の組成物セットを光硬化させてなる光造形品。
- インクジェット光造形法により、請求項1記載の組成物セットを光硬化させて硬化物を得る工程(I)、及び
該硬化物から、サポート材用光硬化性樹脂組成物が光硬化された硬化物を除去する工程(II)
を含む、光造形品の製造方法。
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