JP2020054935A - 液滴生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 望ましい径の液滴を効率的に生成する。【解決手段】 本明細書に開示の液滴生成装置は、液滴生成に用いられる内部に連通する空間を有する液滴生成装置であって、液体から液滴を生成可能な複数の孔を有する生成部が、前記空間を形成する筐体に食い込むように固定されていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本明細書の開示は、液滴生成装置および液滴生成方法に関する。
多孔質ガラスに代表される多孔質体は、気体から微粒子を除去するフィルタや微細な液滴を生成するための乳化膜として利用されており、筐体となる部材に接着、もしくは固定することで、フィルタデバイスや乳化デバイスとして利用されている。
特許文献1には、多孔質膜をOリングで表裏面から抑え込んで筐体に固定した乳化デバイスが開示されている。
特開平6−315617号公報
しかしながら、多孔質膜の固定方法によっては筐体部材との境界領域に隙間ができ、想定よりも大きい液滴が生成されてしまうことがあった。
本明細書の開示は、望ましい径の液滴を効率的に生成する液滴生成装置の提供を目的の一つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本明細書の開示の他の目的の一つとして位置付けることができる。
本明細書に開示の液滴生成装置は、液滴生成に用いられる内部に連通する空間を有する液滴生成装置であって、液体から液滴を生成可能な複数の孔を有する生成部が、前記空間を形成する筐体に食い込むように固定されていることを特徴とする。
本明細書の開示によれば、望ましい径の液滴を効率的に生成することができる。
第1の実施形態に係る液滴生成装置の外観の一例を示す図。 第1の実施形態に係る液滴生成装置における多孔質膜の固定の一例を示す図。 第1の実施形態に係る液滴生成装置における多孔質膜の固定の一例を示す図。 第1の実施形態に係る液滴生成装置における、好ましい、または好ましくない混合体の位置の一例を示す図。 液滴生成装置を用いて液滴を生成した様子の一例を示す図。 第2の実施形態に係るカートリッジの外観の一例を示す図。 第2の実施形態における全体の処理手順の一例を示すフロー図。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
<第1の実施形態>
本実施形態に係る液滴生成装置の構成を、図1を用いて説明する。
(装置の構成)
図1は本実施形態の液滴生成装置100の構成を示す模式図である。本実施形態の液滴生成装置100は、貫通孔002の空いた筐体001、貫通孔002を塞ぐように配置された多孔膜003、多孔膜003と筐体001の接合部である混合体004を有する。
以下、液滴生成装置100の各構成について詳細に説明を行う。
(筐体001について)
筐体001は液滴生成装置100を構成するもので、使用形態によって形状が決定される。すなわち、液滴生成装置100の側壁に相当する。
ここではシリンジの先端に装着し、液滴を生成する液滴生成装置100を例に説明する。
筐体001の材料としては、樹脂が望ましい。樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリカーボネートのような熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂が使用できる。特に熱可塑性樹脂の場合、筐体001構造を成型後に、多孔膜003との接合部のみ熱溶融させ多孔膜003と一体化できる為、より好ましい。なお、金属、ガラスのように熱可塑性がある材料でもよい。
筐体001の内部には連通した一つの空間である貫通孔002が存在し、この孔内に試料が注入できるようになっている。なお、ここでいう試料とは、検体そのものであってもよいし、検体に対して精製や濃縮、分析対象物の化学修飾や断片化など、分析のための前処理や調整を施したものであってもよい。そして貫通孔002の多孔膜003設置側とは反対側にはシリンジにセットできるような機構をもつコネクタ部011がある。コネクタ部011の機構としてはルアテーパーやルアテーパーロック式に対応した形状が採用できる。これらの機構は筐体001制作時に形成するのが好ましい。成型手法としては射出成型が好ましいが、これに限定されるわけではない。なお、コネクタ部011は必ずしも必要ではない。
なお、図1では筐体001は筒状であるが形状はこれに限定されない。図6に示すような、液滴をセル内に注入できるカートリッジのような形状でもよい。
(多孔膜003について)
次に、多孔膜003について図1を用いて説明する。
多孔膜003は複数の孔を有しており、液体が複数の孔を透過することで互いに物理的に独立した複数の液滴が生成される。すなわち、多孔膜003は、液体から液滴を生成可能な複数の孔を有する生成部の一例に相当する。多孔膜003はたとえば、膜状の部材に穴が2次元的に配置された部材であり、連続気泡の多孔質体や、繊維を縦横に配置したメッシュ、単一部材に貫通孔002を配置したマイクロチャンネルが使用される。多孔膜003の微細な孔径は20[um]程度が望ましいが上記に限定されない。
連続気泡の多孔質体の材料としてはガラス等のセラミックスがあげられる。
メッシュの材料としては、それぞれの孔における環境が略同一となるように加工することが可能な材質であればよい。好ましくは、網目状に編んだ膜を形成する繊維に成形できる材質である。たとえば、金属やナイロン、ポリエステルなども挙げられる。ポリエステルの種類としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。金属の種類としては、SUS、アルミなどが挙げられる。
マイクロチャンネルの材料としてはSUS、Niに代表される金属やガラス、ポリイミドなどが使用できる。
多孔膜003は、表面処理が施されていてもよい。例えば液滴生成装置100の際の表面処理として、フッ素コート等の撥水加工が施されていてもよい。
多孔膜003の孔の径は、生成したい液滴のサイズに応じて選択される。孔径は目開きという言葉でも表される。例えば、生成したい液滴のサイズが約40μmから約60μmの場合、孔径は5μm以上20μm未満が好ましい。また、多孔膜003の複数の孔のそれぞれの孔径は、略同一であることが好ましい。なお、膜の形状は液滴を生成できる形状であればよく、例えば正方形、長方形、円形、楕円形である。
また、多孔膜003における孔と孔との間隔は、巨大な液滴の生成を抑制するために、十分に離れていることが好ましい。例えば、孔径10μmの膜を用いて約60μmの液滴を生成させる場合、孔と孔の間隔は孔径の2倍以上あいていることが好ましい。これは、孔と孔の間隔が近い場合、生成される液滴同士が膜上で融合し、大径の液滴が生成されてしまう可能性が高くなるためである。
(混合体004について)
混合体004は筐体001と多孔膜003の接触部に存在する筐体001部材が多孔膜003の空域に食い込むように流し込まれた部材である。この混合体004の存在により、筐体001と多孔膜003の接触面積の増加および、アンカー効果によって筐体001と多孔膜003は固定される。筐体001と多孔膜003の単なる接触では両者間のわずかな隙間から試料の漏れが発生する事があるため、上記のように筐体001に多孔膜003を食い込ませるように固定させることにより、フィルタ性能または乳化性能を向上させることができる。
混合体004の制作方法には、筐体001成型時に多孔膜003を一緒に設置する一体成型がある。また、筐体001の多孔膜003を接触させる箇所に熱を照射して融解させ、融解した筐体001に多孔膜003を押し付けて食い込ませた後に冷却して固化する方法がある。後者における熱照射手法としては赤外線ヒーターや温風照射が挙げられる。
また、多孔膜003の孔の形態を場所によって変化させることで固定力を向上させることも有効である。たとえば、図1の多孔膜003中央部の孔径よりも混合体004に押し付ける端部の多孔膜003の孔径を大きくすることで、流動性のある筐体001材料が多孔膜003の空域に食い込みやすくすることができる。なお、端部の孔径は少なくとも一部が大きければよい。すなわち上記は、側壁に食い込ませる端部の少なくとも一部の孔径が中央部の孔径よりも大きい生成部の一例に相当する。なお、多孔膜003の孔の形態は、例えば多孔膜003がメッシュだった場合には、端部の網目を粗くするように膜を形成することで変化させることができる。
フィルタもしくは乳化効果を想定通り機能させるため、混合体004作成時に多孔膜003の孔形状が変化してしまうことを極力抑える必要がある。その為、多孔膜003の材料は、筐体001の材料と比較し、化学的、もしくは熱的に変化しにくいものを選択するのが好ましい。射出成型による一体成型や筐体001の接触部の熱溶融による加工を選択する場合には、筐体001材料には多孔膜003よりも融点が低い材料を選択するのが好ましい。
(混合体004の位置)
液滴生成装置100に要求させる条件や加工条件によって、筐体001と多孔膜003の固定位置(混合体004の位置)は変化することができる。図2を用いて、これらの説明をする。図2には各形態の液滴生成装置100の形状を示しているが、いずれも上側が試料投入口で、下側が試料吐出側とする。
図2(a)には筐体001の貫通孔002壁面に混合体004が存在するものであり、多孔膜003は貫通孔002内に収まっている。メリットとしては多孔膜003が貫通孔002内に収まることにより形態がシンプルになることである。加工法としては射出一体成型などが挙げられる。
図2(b)は筐体001の貫通孔002内の出口側の端部に混合体004が存在するものである。メリットとしては、多孔膜003の出口側の開口部面積が筐体001によって規定できる点である。出口側の開口部が規定できると、試料の膜透過速度が規定しやすくなる。乳化膜の場合、膜透過速度は液滴サイズを決定するパラメータとなるため、想定している液滴を生成しやすくなる。この形態を実現する加工法としては、赤外線をピンポイントに接合部に照射し、筐体001の接合部のみ溶融させたのち、多孔膜003を押し付けて溶融部を多孔膜003空域に流し込み、冷却させる手法が挙げられる。
すなわち上記は、生成部が空間の開口部に備えられていることの一例に相当する。
図2(c)は筐体001の貫通孔002の出口側の筐体001端面に混合体004が存在するものである。メリットとしては、加工が容易となる点が挙げられる。この形態を実現する加工法としては、赤外線をピンポイントに接合部に照射し、筐体001の接合部のみ溶融させたのち、多孔膜003を押し付けて溶融部を多孔膜003空域に流し込み、冷却させる手法が挙げられる。この形態では液滴生成装置100の外側から赤外線を照射できるため、混合体004以外の筐体001本体内部への熱照射を抑えることができる。
混合体004以外の筐体001本体への熱照射をより抑える構造として、図2(d)のように筐体001本体と混合体004をより離す形態が挙げられる。メリットとしては図2(c)に比べ混合体004が筐体001本体から離れていることより、筐体001本体への熱照射をより抑えることができる点がある。
図2(d)に示すように、混合体004以外の筐体001部への熱照射を抑えるためには混合体004となる個所を、筐体001に設けられた突起形状にすることが好ましい。そのため、図2(a)(b)(c)は図3(a)(b)(c)のような形状であることが好ましい。
(液滴生成装置100における混合体004の位置)
安定した液滴を生成するために、混合体004の位置は少なくとも貫通孔002出口側の筐体001と多孔膜003の接触部端005全周に設ける必要がある。図4(b)が乳化膜に好ましい混合体004の位置を示した図であり、図4(c)が好ましくない混合体004の位置を示した図である。この理由について図5を用いて説明する。
図5(a)(b)は液滴生成装置100における図4(b)(c)の詳細を示した図である。液滴生成装置100では、試料である分散相006が多孔膜003の孔を通過し、連続相007側に液滴008となって吐出される。この際、液滴008の大きさは多孔膜003の孔の大きさに起因するが、吐出時の液滴008周辺に十分な連続相007の空間がないと、想定のサイズの液滴008ができないこと場合がある。
また、筐体001と多孔膜003間に混合体004が存在しない場合、図5(b)に示すように接触領域の筐体001と多孔膜003間にわずかな隙間ができる。その為、この付近に吐出された試料には液滴008を生成するための空間が確保されていないため、液滴008がうまく生成できない。そのため、結果として隙間から吐出される液滴008は大液滴009となってしまう場合がある。
しかしながら、図5(a)のように接触部端005に混合体004を存在させることによって、この隙間がなくなるので大液滴009が発生する可能性を低減できる。ちなみに筐体001と多孔膜003の接触部とは筐体001部材と多孔膜003が隣接している、もしくは混合体004を形成している箇所であり、その隙間が1mm以下の領域を意味することにする。
図2,3の矢印005が示す位置は接触部端005を示しており、液滴生成装置100における各形態での混合体004の設置するべき個所を示している。
なお、フィルタデバイスの場合は混合体004の位置はこれに限定されず、筐体001と多孔膜003が固定される程度に混合体004を設定すればよい。
上記によれば、液滴生成装置100の筐体001に食い込ませるように多孔膜003を固定することにより液滴生成時に多孔膜003と筐体001との間に隙間ができないため、望ましい径の液滴を効率よく生成することができる。また、Oリングのような固定するための異なる部材を用いなくてよいため、試料への科学的影響を低減することができるとともに、液滴生成装置を作成する際の部品点数も少なくすることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では核酸試料を分析するデジタルPCR(dPCR:digital Polymerase Chain Reaction)法で用いられる液滴生成装置を示している。
以下、第2の実施形態の液滴生成装置200の構成及び作成方法について説明する。図中、第1の実施形態と同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。
図6は、本実施形態の液滴生成装置200の構成を示す模式図である。本実施形態の液滴生成装置200は、2つの貫通孔002の空いた、高さが2種類の空間を有する筐体001を備える。また、2つの貫通孔のうち一方の貫通孔002を塞ぐように配置された多孔膜003を備える。さらに、多孔膜003と筐体001の接合部である混合体004を備える。また、液滴生成装置200の床面となる筐体001と接合された床材012を備える。
図6の筐体001はポリカーボネートでできた光学的に透明な樹脂部材で、射出成型によって作成している。筐体001の2つの貫通孔002にはそれぞれ筒形状部が存在し、筒形状部先はルアーコネクタのネジタイプなどが接合できるような溝が形成されている。筐体001には2種類の高さの平面溝が施されており、液滴生成装置200組立後に貫通孔002があるほうが深い2種類のギャップを持った空間を持つようになっている。本実施例では深い方の溝深さが1mm、浅い方の溝深さが0.1mmになるように溝が形成されており、それぞれを液滴保持領域013、と液滴観察領域014と呼ぶことにする。
筐体001の貫通孔002の片方の溝側に多孔膜003が固定されている。多孔膜003には厚さ0.5mmの多孔質ガラスの膜を使用した。この多孔質ガラスの平均孔径は20μmである。なお、多孔膜003が固定されている貫通孔002を貫通孔002A、固定されていない貫通孔002を貫通孔002Bと呼称する。なお、上記の膜厚および膜の孔径は一例であり、これに限定されない。
射出成型で制作された筐体001の多孔膜003が設置される貫通孔002付近にのみ赤外線ヒーターから赤外線を照射し、表面のポリカーボネートのみ溶融させる。溶融されたポリカーボネートが流動性のあるうちに多孔質膜を押しあて、流動性ポリカーボネートを多孔質膜の空域に充填させ、冷却して固定する。この時接触部端005において筐体001と多孔膜003の隙間がないようにする。
なお、本実施形態では図2の(c)のような混合体004位置の筐体001を採用したが、図2(a)(b)(d)や図3(a)(b)(c)のような形態のものでも構わない。
床材012には例えば0.2mm厚のポリカーボネートシートを用いることができる。このシートを筐体001に接合させることでカートリッジが完成する。
図7のフローチャートを用いて本実施形態における液滴生成装置200を用いたデジタルPCR反応の全体の処理を説明する。
(S7000)(第2の液体(油相)を注入する)
ステップS7000において、第2の液体(油相)が注入され液滴生成装置200に充填される。第2の液体(油相)は、油と界面活性剤とを含む。油相は水相と相溶せず分離する溶剤から成り、典型的には脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等のオイルから成る。
また、油相を注入手段には、シリンジ等の所定の容量の液体を吐出する手段や、流路内の空気を加圧または減圧するポンプやポンプとバルブの組み合わせなどを用いることができる。すなわち、油相注入手段は、液滴生成装置200内に油を注入できる機能を有する任意の手段により実現される。
本ステップにおいて、第2の液体(油相)は多孔膜003により塞がれていない貫通孔B002から注入することにより、多孔膜003を透過せずに液滴生成装置200に充填することができるため充填時間は短くなる。なお、第2の液体(油相)は、多孔膜003に塞がれている貫通孔002Aから注入されてもよい。また、油相注入手段によって注入される第2の液体(油相)は、液滴生成装置200全体を満たすように注入し、少なくとも多孔膜003が第2の液体(油相)に浸かる程度の量が注入されることが望ましい。
(S7010)(第1の液体(水相)を注入する)
ステップS7010において、水相注入手段によって第1の液体(水相)が多孔膜003側の貫通孔002Aから注入され、多孔膜003の上に充填される。第1の液体(水相)は反応液で構成され、反応液は水と試料と増幅試薬と蛍光試薬とを含有する。なお、反応液の構成はこれに限定されない。また、水相注入手段には、シリンジ等の所定の容量の液体を吐出する手段や、流路内の空気を加圧または減圧するポンプやポンプとバルブの組み合わせなどを用いることができる。すなわち、水相注入手段は、液滴生成装置200内に第1の液体(水相)を注入できる機能を有する任意の手段により実現される。
(S7020)(第1の液体(水相)から液滴を生成する)
ステップS7020において、駆動手段が貫通孔002Aから液滴生成装置200内を加圧する、もしくは貫通孔002Bから液滴生成装置200を減圧することにより、液滴生成装置200内に充填された第2の液体(油相)を駆動させる。または、両方から圧力を加えることにより液滴生成装置200内に充填された第2の液体(油相)を駆動させる。駆動手段は水相注入手段もしくは油相注入手段を用いてもよいし、これらとは異なる手段を新たに用いてもよい。すなわち、駆動手段は圧力を加えることで液体の駆動が可能な手段であれば種々の手段を用いることができる。
なお、液滴生成装置200のように樹脂の薄い層などの機械強度の低い素材で形成されている場合は、破壊や剥離が生じないように貫通孔002Bから駆動手段により減圧することで連続相007を駆動させることが望ましい。一方、液滴生成装置200が機械強度の高い素材であれば貫通孔002Aから加圧して連続相007を駆動させてもよい。
また、貫通孔002Aと貫通孔002Bのうち駆動手段を用いる方の部材には耐圧栓をつけることで圧力の抜け漏れを防ぐことができる。なお、耐圧栓は必ずしも必要ではない。そして、第2の液体(油相)の駆動に伴い、ステップS7010において多孔膜003上面に充填された第1の液体(水相)が多孔膜003を透過し液滴が生成される。すなわち、第2の液体(油相)を連続相007、第1の液体(水相)を含む液滴を分散相006とするエマルジョンが形成される。すなわち、多孔膜003は複数の液滴を生成する生成手段の一例に相当する。なお、エマルジョンの形成方法は上記に限定されない。
(S7030)(液滴保持領域に液滴を保持する)
ステップS7030において、多孔膜003により生成された液滴は液滴保持領域013にて保持される。
(S7040)(液滴生成装置に熱サイクルを付加する)
ステップS7040において、温度調整手段により液滴保持領域013に保持した液滴に含まれる核酸試料に対するPCR処理が行われる。具体的には、温度調整手段は、ペルチェ素子とコントローラを含み、液滴生成装置200の液滴保持領域013に保持された液滴内で核酸増幅反応を発生させている。温度調整手段には、例えばサーマルサイクラーを用いることができる。核酸の増幅反応としては、液滴(反応場)をサーマルサイクルに供することで反応を進行させるPCR法やLCR(Ligase Chain Reaction)法を用いることができる。また、液滴(反応場)をサーマルサイクルに供さずに温度調整することで反応を進行させるSDA(Strand Displacement Amplification)法、ICAN(Isothermal andChimeric primer−initiated Amplificationof Nucleic acids)法、LAMP(Loop−Mediated Isothermal Amplification)法なども用いることができる。なお、温度調整手段として用いられる装置や核酸増幅の方法は上記に限定されない。
(S7050)(液滴観察領域に液滴を充填する)
ステップS7050において、PCR処理を施した液滴を液滴観察領域014に充填する。具体的には液滴生成装置200を任意の角度に傾けることにより液滴を駆動させ液滴観察領域014へ運搬する。
(S7060)(液滴内の核酸増幅産物有無を観察する)
ステップS7060において、液滴生成装置200は観察ステージに移送され蛍光などの光が計測される。すなわち、S7040において増幅された試料中の分析対象物の分析が行われる。蛍光は照明手段と観察手段とで計測され、照明手段は、所定の波長の光を液滴観察領域014に保持された複数の液滴に照射する。照明手段としては、LEDライト、ハロゲンランプおよび蛍光灯などを用いることができる。観察手段は、光が照射された複数の液滴のそれぞれから発せられたシグナルを検出し、液滴内増幅産物の有無を観察する。また、液滴径の測定を行う。観察手段としては、フォトダイオードやラインセンサ、イメージセンサ(撮像素子)等を用いることができ、中でも、多数の液滴について一括してシグナルの検出ができる点で、イメージセンサを用いることが好ましい。イメージセンサとしては、CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサを用いることができる。観察手段は、イメージセンサを備えたデジタルカメラであってもよい。
なお、本ステップS7060において、観察時に液滴の流動を抑制するために観察ステージは傾動する機構を有していてもよい。
(S7070)(核酸増幅前の試料の核酸濃度を推定する)
ステップS7070において、S7060で行われた観察の結果から試料の全体積に対する増幅産物を含まない液滴の体積の割合から試料内の濃度推定を行う。
(分析対象物の濃度の計算)
分析対象物の濃度の計算は、従来行われているデジタル分析における濃度計算方法を採用して実施することができる。温度調整手段における反応の前に、それぞれの反応場が含む分析対象物が1個または0個のいずれかであるとみなせる場合について説明する。この場合は、分析対象物が検出された反応場(陽性反応場)の数xを、観察手段が分析対象物の検出の対象とした体積Vsの反応液中に含まれていた分析対象物の数とみなすことができる。よって、下記式(1)により、反応液中の分析対象物の濃度λrを計算することができる。なお、観察手段310が分析対象物の検出の対象とした体積Vsは、観察手段から取得される反応場のサイズに関する情報に基づいて算出することができる。
λr=x/Vs・・・式(1)
また、例えば、温度調整手段における反応の前に、1つの反応場に複数個の分析対象物が入り得るとみなせる場合は、ポアソンモデルによる補正を行うことで、分析対象物の濃度を計算することができる。この場合は、温度調整手段における反応の前にそれぞれの反応場に含まれていた分析対象物の平均個数Cを推定することにより、分析対象物の濃度算出を行う。具体的には、観察手段が分析対象物の検出の対象とした反場について、1つの反応場に含まれる分析対象物の平均個数をCとすると、1つの反応場にn個の分析対象物が含まれる確率は、ポアソンモデルの式から、下記式(2)のように表される。
P(n,C)=(Cn−e−C)/n! ・・・式(2)
ここで、1つの反応場が分析対象物を1つも含まない確率は、式(2)においてn=0として、下記式(3)で表される。
P(0,C)=e−C ・・・式(3)
温度調整手段における反応の前に1つの反応場中に少なくとも1つの分析対象物が含まれていれば、その反応場からはシグナルを検出することができるが、反応の前にその反応場に含まれていた分析対象物の数の情報までは分からない。そこで、観察手段が検出対象とした反応場の総数に対する、分析対象物が検出されなかった反応場の割合(シグナルが検出されなかった反応場の割合)に基づいて、式(3)を用いて、検出対象とした反応液中に含まれていた分析対象物の個数を推定する。
具体的には、シグナルが検出された反応場の個数またはシグナルが検出されなかった反応場の個数と、検出対象とした反応場の総数とから、シグナルが検出されなかった反応場の割合F0を算出する。そして、下記式(4)から、検出対象とした反応場に、温度調整手段における反応の前に1つの反応場に含まれていた分析対象物の平均個数Cを推定する。
C=−ln(F0) ・・・式(4)
ここで、観察手段が分析対象物の検出対象とした反応場の平均体積をvとすると、下記式(5)により、反応液中の分析対象物の濃度λrを計算することができる。なお、観察手段が分析対象物の検出の対象とした平均体積vは、観察手段から取得される反応場のサイズに関する情報に基づいて算出することができる。
λr=C/v ・・・式(5)
なお、反応液中の分析対象物の濃度λrは、分析対象物の平均個数Cと反応場の数を乗じて得られる分析対象物の総数と、反応場の平均体積vと反応場の数を乗じて得られる反応場の総体積と、に基づいて算出してもよい。
このようにして得られた、反応液中の分析対象物の濃度は、検体またはサンプルから反応液を調整した際の希釈倍率を用いることによって、検体またはサンプル中の分析対象物の濃度に換算することができる。
上記によれば、溶融した接合部に多孔膜003を押し付け、混合体004を作成することにより接着部材なしで多孔膜003を固定した、保持部が一体となった液滴生成装置を作成することができる。
001 筐体
002 貫通孔
003 多孔膜
004 混合体
005 接触部端
006 分散相
007 連続相
008 液滴
009 大液滴
011 コネクタ部
012 床材
013 液滴保持領域
014 液滴観察領域

Claims (8)

  1. 液滴生成に用いられる内部に連通する空間を有する液滴生成装置であって、
    液体から液滴を生成可能な複数の孔を有する生成部が、前記空間を形成する筐体に食い込むように固定されていることを特徴とする液滴生成装置。
  2. 前記生成部は多孔膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の液滴生成装置。
  3. 前記生成部は、前記側壁に食い込ませる端部の少なくとも一部の孔径が中央部の孔径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の液滴生成装置。
  4. 前記生成部は、前記空間を形成する筐体の全周に食い込むように固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液滴生成装置。
  5. 前記生成部は、前記空間の開口部に備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液滴生成装置。
  6. 前記生成部は、溶融した前記筐体に押し付けて冷却させることにより固定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液滴生成装置。
  7. 前記液滴生成装置は、前記液滴内に含まれる対象物の分析に用いられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液滴生成装置。
  8. 前記筐体は熱可塑性のある部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液滴生成装置。
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