JP2020003421A - カートリッジ - Google Patents

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Mitsuo Nishimura
光夫 西村
裕司 前原
Yuji Maehara
裕司 前原
浩 城井
Hiroshi Shiroi
浩 城井
久子 元木
Hisako Motoki
久子 元木
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Abstract

【課題】サンプルを含む反応液を物理的に独立した多数の反応場に分割する方法として、油中水型エマルジョン(W/Oエマルジョン)を形成し、試料の分析を行うカートリッジの領域において、充填される液滴の液滴径のばらつきを低減したカートリッジの提供。【解決手段】複数の液滴を生成する生成手段102と、液滴が充填される液滴充填領域105と、液滴充填領域105内に設けられ、液滴充填領域105内の入口部104から終端部への所定の液滴径の液滴の流動を抑制する抑制部108と、を備えることを特徴とするカートリッジ。【選択図】図1

Description

本明細書の開示は、カートリッジに関する。
従来、サンプル中に含まれる化合物や粒子といった分析対象物を分析する方法として、油中水型エマルジョンを反応場とした核酸試料デジタルPCR(dPCR:digital Polymerase Chain Reaction)法が提案されている。デジタルPCR法において、サンプルを含む反応液を物理的に独立した多数の反応場に分割する方法として、反応液の液滴をオイル中に形成する方法、すなわち、油中水型エマルジョン(W/Oエマルジョン)を形成する方法がある。この方法では、油中水型エマルジョン中の1つ1つの液滴を反応場として用いる(特許文献1)。
特表2012−503773号公報
しかしながら、異なる液滴径の液滴をカートリッジ内の同じ領域に充填された状態で分析が行われると、液滴同士の重なりによって分析結果の信頼度が低下してしまうという課題があった。
本明細書の開示は、試料の分析を行う領域において、充填される液滴の液滴径のばらつきを低減することを目的の一つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本明細書の開示の他の目的の一つとして位置付けることができる。
本明細書の開示に係るカートリッジは、複数の液滴を生成する生成手段と、前記液滴が充填される液滴充填領域と、前記液滴充填領域内に設けられた前記複数の液滴のうち所定の液滴径の液滴の流動を抑制する抑制部と、を備えることを特徴とする。
本明細書の開示によれば、試料の分析を行う領域において、充填される液滴の液滴径のばらつきを低減することができる。
第1の実施形態に係るカートリッジの外観を示す図。 第1の実施形態における全体の処理手順の一例を示すフロー図。 第1の実施形態に係る一連の分析システムを示す図。 第1の実施形態の変形例に係るカートリッジの断面図。 第1の実施形態の変形例に係るカートリッジの外観を示す図。 第1の実施形態の変形例に係るカートリッジのレイヤー図。 第1の実施形態に係るカートリッジの平面図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されるものではない。また、本明細書においては、カートリッジの底面をX軸とY軸で示し、Z軸はカートリッジの高さ方向を示すものとする。すなわち、底面に直交する方向が高さ方向である。
<実施形態1>
本実施形態に係るカートリッジは、試料の分析に用いることができるカートリッジである。ここでいう試料とは、検体そのものであってもよいし、検体に対して精製や濃縮、分析対象物の化学修飾や断片化など、分析のための前処理や調整を施したものであってもよい。分析対象物は、例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、酵素などが挙げられ、これらが共存していてもよい。分析対象物は、核酸、ペプチド、タンパク質、酵素の少なくともいずれかが共有結合等で結合または付着した分子、マイクロ粒子、ナノ粒子、さらにはウイルス、細菌、細胞などであってもよい。分析方法の一例としては、デジタルPCR法が知られている。デジタルPCR法では、分析の対象とする核酸を含む試料を、核酸を増幅するための増幅試薬、核酸を検出するための蛍光試薬などと混合して希釈し、物理的に独立した多数の反応場に分割する。エマルジョンに含まれるそれぞれの液滴はデジタルPCR法において反応場として用いられることがある。そして、多数の反応場(液滴)のそれぞれにおいて独立にPCRが行われ、核酸が増幅される。増幅後に蛍光試薬により核酸を検出し、当該蛍光試薬のシグナルが検出された反応場の数(陽性反応場数)と、増幅後にシグナルが検出されなかった反応場の数(陰性反応場数)とに基づいて、試料中の核酸の濃度を推定することができる。
以下、図1から図3を用いて本実施形態に係るカートリッジの構成および濃度分析システムを用いたデジタルPCRの一連の処理を説明する。
図1は本実施形態に係るカートリッジ100の外観を示す図である。
図1(a)はカートリッジ100の平面図である。図1(b)はカートリッジ100のA−A断面を示す断面図である。図1(c)はカートリッジ100のB−B断面を示す断面図である。なお、図1において、カートリッジ100の黒い部分は樹脂等で形成される部分を示しているが、図1(a)においては内部の構造を示すために上面の樹脂(図1(b)の液滴充填領域105上面の黒い部分)を便宜的に除いて示している。
以下、図1(b)を用いてカートリッジ100の構成を説明する。
第1の部材101は、液滴を生成するための第1の液体(水相)が注入される部材である。第1の部材101に注入された第1の液体は、生成部102へと送液される。生成部102は、複数の孔を有しており、注入された第1の液体が複数の孔を透過することで互いに物理的に独立した複数の反応場、すなわち液滴が生成される。生成部102は例えば、膜状の部材に孔が複数2次元的に配置された部材であり、連続気泡の多孔質体や、繊維を縦横に配置したメッシュ、単一部材に貫通孔を配置したマイクロチャンネルが使用される。生成部102として使用される物質の孔の直径は、およそ20[μm]であると望ましいが上記に限定されない。また、生成部102は、第1の部材101に備えられていることが望ましい。なお、液滴生成が可能な位置であれば生成部102が備えられる位置は上記に限定されない。液滴保持領域103は、第1の部材101と繋がっており生成部102で生成された液滴を保持する。入口部104は、液滴が流入する液滴充填領域105の入口の断面を示している。液滴充填領域105は、図1(b),(c)に示すように分岐のない1つの領域であって、抑制部108によって領域内の高さが異なる構成をしており、それぞれ異なる液滴径の液滴が充填される。液滴堰き止め部106は液滴充填領域105の終端部に備えられており、液滴充填領域105の入口部104の短辺の長さ(Z軸方向の高さ)よりも終端部の短辺の長さ(Z軸方向の高さ)を短くすることにより液滴充填領域105に充填される液滴の流出を防ぐ。第2の部材107は、第2の液体が注入および排出される部材である。抑制部108は、液滴充填領域105内に設けられており、所定の液滴径の液滴の流動を抑制する。本実施例に係るカートリッジ100において、第1の部材101と第2の部材107はそれぞれ液滴保持領域103と液滴充填領域105の終端部の上面(Z軸方向)に重なるように備えられているが、側面や下面に備えられていてもよい。また、本実施形態に係るカートリッジ100内部の形状は図1の形状に限定されず、例えば図7(a),(b)のような形状であってもよい。
次に、図2のフローチャートを用いて本実施形態における全体の処理を説明する。
(S2000)(第2の液体(油相)を注入する)
ステップS2000において、図3に示す油相注入手段306によって第2の液体(油相)が注入されカートリッジ100に充填される。第2の液体(油相)は、油と界面活性剤とを含む。油相は水相と相溶せず分離する溶剤から成り、典型的には脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等のオイルから成る。
また、油相注入手段306には、シリンジ等の所定の容量の液体を吐出する手段や、流路内の空気を加圧または減圧するポンプやポンプとバルブの組み合わせなどを用いることができる。すなわち、油相注入手段306は、カートリッジ100内に油を注入できる機能を有する任意の手段により実現される。
本ステップにおいて、第2の液体(油相)は第2の部材107の開口部から注入することにより、生成部102を透過せずにカートリッジ100に充填することができるため充填時間は短くなる。なお、第2の液体(油相)は、第1の部材101の開口部から注入されてもよい。また、油相注入手段306によって注入される第2の液体(油相)は、カートリッジ100全体を満たすように注入し、少なくとも生成部102が第2の液体(油相)に浸かる程度の量が注入されることが望ましい。
(S2010)(第1の液体(水相)を注入する)
ステップS2010において、水相注入手段305によって第1の液体(水相)が注入され、第1の部材101に充填される。第1の液体(水相)は反応液で構成され、反応液は水と試料と増幅試薬と蛍光試薬とを含有する。なお、反応液の構成はこれに限定されない。また、水相注入手段305には、シリンジ等の所定の容量の液体を吐出する手段や、流路内の空気を加圧または減圧するポンプやポンプとバルブの組み合わせなどを用いることができる。すなわち、水相注入手段305は、カートリッジ100内に第1の液体(水相)を注入できる機能を有する任意の手段により実現される。
(S2020)(第1の液体(水相)から液滴を生成する)
ステップS2020において、駆動手段が第1の部材101からカートリッジ100内を加圧する、もしくは第2の部材107からカートリッジ100内を減圧することにより、カートリッジ100内に充填された第2の液体(油相)を駆動させる。または、両方から圧力を加えることによりカートリッジ100内に充填された第2の液体(油相)を駆動させる。駆動手段は水相注入手段305もしくは油相注入手段306を用いてもよいし、これらとは異なる手段を新たに用いてもよい。すなわち、駆動手段は圧力を加えることで液体の駆動が可能な手段であれば種々の手段を用いることができる。
なお、カートリッジ100が樹脂の薄い層などの機械強度の低い素材で形成されている場合は、破壊や剥離が生じないように第2の部材107から駆動手段により減圧することで連続相を駆動させることが望ましい。一方、カートリッジ100が機械強度の高い素材であれば第1の部材101から加圧して連続相を駆動させてもよい。
また、第1の部材101と第2の部材107のうち駆動手段を用いる方の部材には耐圧栓をつけることで圧力の抜け漏れを防ぐことができる。なお、耐圧栓は必ずしも必要ではない。
そして、第2の液体(油相)の駆動に伴い、ステップS2010において生成部102上面に充填された第1の液体(水相)が生成部102を透過し液滴が生成される。すなわち、第2の液体(油相)を連続相、第1の液体(水相)を含む液滴を分散相とするエマルジョンが形成される。すなわち、生成部102は複数の液滴を生成する生成手段の一例に相当する。なお、エマルジョンの形成方法は上記に限定されない。
(S2030)(液滴充填領域に液滴を充填する)
ステップS2030において、生成された液滴を液滴充填領域105に充填する。具体的には、駆動手段が第1の部材101から加圧する、もしくは第2の部材107から減圧することによりエマルジョンを駆動し、エマルジョン中に分散相として存在する液滴を、液滴保持領域103を経由し液滴充填領域105へと充填する。なお、加圧と減圧の両方を行うことによりエマルジョンを駆動してもよい。
本実施形態では、液滴充填領域105内にはそれぞれZ軸方向の高さが異なる2つの凸形状の段差である抑制部108が設けられている。すなわち、抑制部108は、2つ以上の凸部であって、前記2つ以上の凸部はカートリッジ100の底面に直交する方向における高さがそれぞれ異なる。なお、抑制部108は液滴充填領域105内の上面に設けられていることが望ましいが、底面に設けられていてもよい。また、凸部はそれぞれ充填される所定の液滴径未満の間隔で設けられていることが望ましい。これは、凸部同士の間隔が広い場合に、液滴が乗り上げてしまい重畳してしまう可能性があるためである。なお、本実施形態において抑制部108はZ軸方向の高さが異なる2つの凸形状の段差としたが、2つの高さを有する1つの凸形状の段差であってももちろんよい。すなわち、液滴充填領域105内にZ軸方向の高さが異なる複数の領域が形成されるように抑制部108が設けられていればよい。上記により、異なる液滴径の液滴を液滴充填領域105内に充填する際の液滴のバラつきを低減することができる。具体的には、液滴充填領域105内に入る液滴のうち、液滴径の小さい液滴は高さの高い抑制部108が設けられた液滴充填領域105cに充填される。そして液滴径が大きくなるに従って、高さが異なる液滴充填領域105b、液滴充填領域105aへと段階的に異なる液滴径の液滴を充填することができる。すなわち、2つ以上の凸部は高さが低い順に液滴が液滴充填領域105に流入する入口部104に近い位置に備えられている。上記によれば液滴充填領域105内の高さが異なる領域にそれぞれ同程度の液滴径をもつ液滴を充填することができ、液滴充填領域105内で領域毎に液滴径が揃うため分析時の液滴径のばらつきを低減することができる。
液滴充填領域105に充填された液滴は終端部の液滴堰き止め部106によって流動が抑制される。液滴堰き止め部106は液滴充填領域105の終端部の断面積が充填される液滴の断面積より小さくなるような大きさで設けられる。すなわち、液滴充填領域105は、入口部104の断面積に比べて終端部の断面積の方が小さい。例えば、入口部104の短辺の長さ(Z軸方向の高さ)が70[μm]で生成部102が生成する液滴の平均径が60[μm]である場合には、短辺の長さ(Z軸方向の高さ)が40[μm]の液滴堰き止め部106を液滴充填領域105の終端部に設ける。
上記のように液滴堰き止め部106を設けることにより、連続相は流れるが充填される液滴の流動は抑制することができる。すなわち、液滴が自由に動ける範囲を狭めることによって、液滴の流出を防止できるため観察可能な液滴量が増える。また、液滴堰き止め部106を設けることにより分析時に妨げとなる液滴の流動によるアーチファクトを低減することができるため無駄なく液滴を分析することができる。なお、本実施例では液滴堰き止め部106は、液滴充填領域105の下面に備えられているが、上面に備えられていてもよい。
なお、本実施形態では、水相注入手段305もしくは油相注入手段306により圧力を加えることで連続相を駆動させたが、カートリッジ100を任意の角度に傾けることにより連続相を駆動させてもよい。例えば、ステップS2000においてカートリッジ100を傾動手段(不図示)上に設置し、傾動手段上で液滴生成を行う。そして傾動手段を傾動させることにより連続相を駆動させ、液滴を液滴充填領域105に充填する。そしてその後温度調整手段301上に移送し、PCR処理を行う。また、温度調整手段301を傾動させるような機構でもよい。傾動手段には、チルトステージなどを用いることができる。
この場合、カートリッジ100に対して応力を加えなくてよいので、圧力変動による液滴の損失を防ぐことができ分析の信頼度を向上させることができる。
なお、チルトステージはカートリッジ100を傾動させるための手段の一例であり、角度を傾けることで連続相を駆動できる手段であればこれに限定されない。さらに、連続相を駆動させるために傾ける角度も限定されない。
(S2040)(カートリッジに熱サイクルを付加する)
ステップS2040において、温度調整手段301によりステップS2020で生成された液滴に含まれる核酸試料に対するPCR処理が行われる。具体的には、温度調整手段301は、ペルチェ素子とコントローラを含み、カートリッジ100の液滴充填領域105に保持された液滴内で核酸増幅反応を発生させている。温度調整手段301には、例えばサーマルサイクラーを用いることができる。核酸の増幅反応としては、液滴(反応場)をサーマルサイクルに供することで反応を進行させるPCR法やLCR(Ligase Chain Reaction)法を用いることができる。また、液滴(反応場)をサーマルサイクルに供さずに温度調整することで反応を進行させるSDA(Strand Displacement Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplificationof Nucleic acids)法、LAMP(Loop−Mediated Isothermal Amplification)法なども用いることができる。なお、温度調整手段301として用いられる装置や核酸増幅の方法は上記に限定されない。
(S2050)(液滴内の核酸増幅産物有無を観察する)
ステップS2050において、カートリッジ100は観察ステージ308に移送され蛍光などの光が計測される。すなわち、S2040において増幅された試料中の分析対象物の分析が行われる。蛍光は照明手段309と観察手段310とで計測され、照明手段309は、所定の波長の光を液滴充填領域105に保持された複数の液滴に照射する。照明手段309としては、LEDライト、ハロゲンランプおよび蛍光灯などを用いることができる。観察手段310は、光が照射された複数の液滴のそれぞれから発せられたシグナルを検出し、液滴内増幅産物の有無を観察する。また、液滴径の測定を行う。観察手段310としては、フォトダイオードやラインセンサ、イメージセンサ(撮像素子)等を用いることができ、中でも、多数の液滴について一括してシグナルの検出ができる点で、イメージセンサを用いることが好ましい。イメージセンサとしては、CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサを用いることができる。観察手段310は、イメージセンサを備えたデジタルカメラであってもよい。
なお、本ステップS2050において、観察時に液滴の流動を抑制するために観察ステージ308は傾動する機構を有していてもよい。
(S2060)(核酸増幅前の試料の核酸濃度を推定する)
ステップS2060において、S2050で行われた観察の結果から試料の全体積に対する増幅産物を含まない液滴の体積の割合からプロセッサ(不図示)が試料内の濃度推定を行う。
(分析対象物の濃度の計算)
分析対象物の濃度の計算は、従来行われているデジタル分析における濃度計算方法を採用して実施することができる。温度調整手段301における反応の前に、それぞれの反応場が含む分析対象物が1個または0個のいずれかであるとみなせる場合について説明する。この場合は、分析対象物が検出された反応場(陽性反応場)の数xを、観察手段310が分析対象物の検出の対象とした体積Vsの反応液中に含まれていた分析対象物の数とみなすことができる。よって、下記式(1)により、反応液中の分析対象物の濃度λrを計算することができる。なお、観察手段310が分析対象物の検出の対象とした体積Vsは、観察手段310から取得される反応場のサイズに関する情報に基づいて算出することができる。
λr=x/Vs・・・式(1)
また、例えば、温度調整手段301における反応の前に、1つの反応場に複数個の分析対象物が入り得るとみなせる場合は、ポアソンモデルによる補正を行うことで、分析対象物の濃度を計算することができる。この場合は、温度調整手段301における反応の前にそれぞれの反応場に含まれていた分析対象物の平均個数Cを推定することにより、分析対象物の濃度算出を行う。具体的には、観察手段310が分析対象物の検出の対象とした反応場について、1つの反応場に含まれる分析対象物の平均個数をCとすると、1つの反応場にn個の分析対象物が含まれる確率は、ポアソンモデルの式から、下記式(2)のように表される。
P(n,C)=(C−e−C)/n! ・・・式(2)
ここで、1つの反応場が分析対象物を1つも含まない確率は、式(2)においてn=0として、下記式(3)で表される。
P(0,C)=e−C ・・・式(3)
温度調整手段301における反応の前に1つの反応場中に少なくとも1つの分析対象物が含まれていれば、その反応場からはシグナルを検出することができるが、反応の前にその反応場に含まれていた分析対象物の数の情報までは分からない。そこで、観察手段310が検出対象とした反応場の総数に対する、分析対象物が検出されなかった反応場の割合(シグナルが検出されなかった反応場の割合)に基づいて、式(3)を用いて、検出対象とした反応液中に含まれていた分析対象物の個数を推定する。
具体的には、シグナルが検出された反応場の個数またはシグナルが検出されなかった反応場の個数と、検出対象とした反応場の総数とから、シグナルが検出されなかった反応場の割合F0を算出する。そして、下記式(4)から、検出対象とした反応場に、温度調整手段301における反応の前に1つの反応場に含まれていた分析対象物の平均個数Cを推定する。
C=−ln(F0) ・・・式(4)
ここで、観察手段310が分析対象物の検出対象とした反応場の平均体積をvとすると、下記式(5)により、反応液中の分析対象物の濃度λrを計算することができる。なお、観察手段310が分析対象物の検出の対象とした平均体積vは、観察手段310から取得される反応場のサイズに関する情報に基づいて算出することができる。
λr=C/v ・・・式(5)
なお、反応液中の分析対象物の濃度λrは、分析対象物の平均個数Cと反応場の数を乗じて得られる分析対象物の総数と、反応場の平均体積vと反応場の数を乗じて得られる反応場の総体積と、に基づいて算出してもよい。
このようにして得られた、反応液中の分析対象物の濃度は、検体またはサンプルから反応液を調整した際の希釈倍率を用いることによって、検体またはサンプル中の分析対象物の濃度に換算することができる。
上記によれば、液滴充填領域105内にそれぞれZ軸方向の高さが異なる抑制部108を設けることによって、異なる液滴径の液滴を液滴充填領域105内の夫々異なる高さの領域に充填することができるため充填時の液滴のばらつきを低減することができる。
(変形例1−1)
本実施形態では、Z軸方向の高さが異なる2つの凸形状の抑制部108を液滴充填領域105内に設けることにより、充填される液滴のバラつきを低減した。しかし、抑制部108は凸形状でなくてもよく、スロープ状や曲線状でもよい。
具体的には、図4(a)に示すように、スロープ状の抑制部108を設けてもよい。すなわち、抑制部108を液滴充填領域105の終端部に近ければ近いほど狭くなるように設けてもよい。また、図4(b)、(c)に示すような曲線状でもよい。これにより、液滴の流動方向に沿って、液滴径が大きい液滴から小さい液滴へと順に液滴を充填できる。上記によれば、液滴を一層に並べることができると共に、液滴径のバラつきから生じる液滴の重なりの発生を抑えることができ、分析精度を向上させることができる。なお、スロープ状の抑制部108の傾きは必ずしも一定である必要はなく、例えば図4(d)に示すように途中で傾きが変化するような構成でもよい。
(変形例1−2)
本実施形態では、液滴充填領域105は分岐のない1つの領域であった。しかし、液滴充填領域105は少なくとも一部が分離した複数の領域であってもよい。例えば、図5に示すカートリッジ500のように5つに分岐した液滴充填領域505であってもよい。なお、この実施例においては入口部504の短辺の長さは分岐したそれぞれ領域全てで等しい。
図5に示す本変形例に係るカートリッジ500は、実施形態1と同様に試料の分析に用いることができるカートリッジ500である。
本実施形態に係るカートリッジ500は、ポリカーボネート等の透明性を有する樹脂あるいは、ガラスにより形成される。具体的には、例えば予め定められた厚みの複数の樹脂フィルムもしくはガラスを積層することによりカートリッジ500を形成する。
例えば、図6に示すようにそれぞれ所定の厚みを有する、流路形状が打ち抜かれた8層の樹脂フィルムを積層することによりカートリッジ500を形成する。積層するための各フィルムの接合方法には、樹脂のガラス転移点未満の低い処理温度で接合が可能な表面活性化接合や分子接着を用いることができる。
なお、カートリッジ500にはPCR処理の工程で100℃程度の温度が加わるため、これらの材質のガラス転移点は100℃より高いことが望ましい。
具体的には、まずカートリッジ500を形成するための樹脂やガラスを板状に生成する。次に、第2層〜第7層のようにU字を含む流路形状に板を打ち抜く。このとき、各フィルムの流路形状はトムソン型等により打ち抜かれており、全ての層を積層した際に打ち抜かれた流路が全て連通するように加工されている。そして、打ち抜かれた各層を積層し、ガラス転移点未満の低い処理温度で接合が可能な表面活性化接合や分子接着を用いて接合することにより連通した流路を有するカートリッジ500を製造する。
なお、図6もしくは上記に示すカートリッジ500の材質、流路形状および形成方法などは一例であり、これに限定されるものではない。さらに、抑制部508はそれぞれの液滴充填領域でZ軸方向の高さが異なる構成でもよい。
上記によれば、本変形例に係るカートリッジ500の構成は、液滴充填領域が1つの領域である場合よりも、1つの液滴に接する周辺の液滴が少なくなるためカートリッジ500に静電気が流れた際等に液滴が合一する可能性をより低減することができる。
101 第1の部材
102 生成部
103 液滴保持領域
104 入口部
105 液滴充填領域
106 液滴堰き止め部
107 第2の部材
108 抑制部

Claims (10)

  1. 複数の液滴を生成する生成手段と、
    前記液滴が充填される液滴充填領域と、
    前記液滴充填領域内に設けられ、前記液滴充填領域内の入口部から終端部への所定の液滴径の液滴の流動を抑制する抑制部と、
    を備えることを特徴とするカートリッジ。
  2. 前記カートリッジは前記液滴充填領域を1つのみ備えることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記液滴充填領域は少なくとも一部が分離した複数の領域であって、前記複数の領域は前記液滴が前記液滴充填領域に流入する前記入口部の短辺の長さが等しい領域であることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  4. 前記抑制部は、前記液滴が前記液滴充填領域に流入する前記入口部に比べて前記液滴が前記液滴充填領域から流出する前記終端部が狭くなるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  5. 前記抑制部は、凸形状の段差であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  6. 前記抑制部は、2つ以上の凸部であって、前記2つ以上の凸部は前記カートリッジの底面に直交する方向における高さがそれぞれ異なることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
  7. 前記2つ以上の凸部は前記高さが低い順に前記液滴が前記液滴充填領域に流入する入口部に近い位置に備えられていることを特徴とする請求項6に記載のカートリッジ。
  8. 前記2つ以上の凸部は、それぞれ前記所定の液滴径未満の間隔で設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のカートリッジ。
  9. 前記抑制部は、前記液滴充填領域が終端部に近ければ近いほど狭くなるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  10. 前記抑制部は、前記液滴充填領域内の上面に備えられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
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