JP2020054240A - 容器入りチーズの製造方法及びレトルト殺菌方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.容器入りチーズをレトルト殺菌するための方法であって、
容器入りチーズをレトルト釜に入れ加熱する殺菌工程と、
前記殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、
前記レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程と
を含む前記レトルト殺菌方法。
2.前記殺菌工程における前記レトルト釜中の圧力が0.085〜0.165MPaである、1に記載のレトルト殺菌方法。
3.前記殺菌工程後において、前記容器の内部の圧力と前記容器の外部の圧力との差が、0〜0.008MPaである、1又は2に記載のレトルト殺菌方法。
4.前記チーズが軟質チーズである、1〜3のいずれかに記載のレトルト殺菌方法。
5.容器入りチーズを製造するための方法であって、
チーズを製造する工程と、
前記チーズを開口容器に入れ、開口部を樹脂フィルムで密封することにより、容器入りチーズを得る工程と、
前記容器入りチーズをレトルト釜に入れ加熱する殺菌工程と、
前記殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、
前記レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程と
を含む前記製造方法。
6.前記殺菌工程における前記レトルト釜中の圧力が0.085〜0.165MPaである、5に記載の容器入りチーズの製造方法。
7.前記殺菌工程後において、前記容器の内部の圧力と前記容器の外部の圧力との差が、0〜0.008MPaである、5又は6に記載の容器入りチーズの製造方法。
8.前記チーズが軟質チーズである、5〜7のいずれかに記載の容器入りチーズの製造方法。
本発明の容器入りチーズの製造方法は、チーズを製造する工程と、前記チーズを開口容器に入れ、開口部を樹脂フィルムで密封することにより、容器入りチーズを得る工程と、前記容器入りチーズをレトルト釜に入れ加熱する殺菌工程と、前記殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、前記レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程とを含むことを特徴とする。
従来、容器入りチーズを製造する場合には、通常、レトルト殺菌時に均一に加熱殺菌するためにレトルト釜内において容器入りチーズに温水をかけ、レトルト殺菌後の冷却開始時には温水をレトルト釜から貯湯槽に戻すために、殺菌工程時のレトルト釜内圧力よりも加圧している。
これに対して、本発明では、レトルト殺菌後に、殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程とを行うものである。すなわち、本発明の方法では、従来の方法とは異なり、レトルト殺菌後にレトルト釜内を殺菌工程時の圧力より高く制御することはない。
チーズを製造する工程は、従来既知の方法により行うことができる。
開口容器には、開口部からチーズが収容され、開口部が樹脂フィルムで密封されて、容器入りチーズが得られる。
収容されるチーズは、包装紙又は包装フィルムにより包装されていることが好ましい。
この圧力保持工程では、上記説明したレトルト殺菌工程における圧力を一定時間保持する。これにより、容器を密封しているトップシールがチーズを圧迫することを防ぎながら、チーズ製造に影響が出ない程度に、速やかにレトルト釜内の温水を貯湯槽に戻すことができる。
圧力保持工程は、一定時間行えばよく、好ましくは、1〜10分間、より好ましくは、1〜5分間、特に好ましくは、1〜2分間行う。
本発明の容器入りチーズのレトルト殺菌方法は、容器入りチーズをレトルト釜に入れ、加熱する殺菌工程と、前記殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、前記レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程とを含むことを特徴とする。
原料乳としての生乳を75℃にて20秒間殺菌した後、32℃に冷却し、乳酸菌混合スターターを原料乳1gに対して4×107cfu/gとなるように接種した。32℃にて静置し、原料乳のpHが6.4になった時点でレンネットを添加し、さらに32℃にて静置し凝固させてチーズカードを得た。
密封した容器の内外の圧力差が原因で起こる、トップシールによるチーズの圧迫は、チーズ漏れを発生させるリスクにつながると考えられる。そこで、トップシールによるチーズの圧迫がみられないようなレトルト殺菌の条件を検討した。具体的には、包装したチーズをカップ(横断面が円形状)に入れ、チーズを包むアルミ包装体にインクを塗布してから、トップシール(円形状)によりカップを密封して容器入りチーズを得た。この容器入りチーズをレトルト殺菌した後、トップシールに付着したインク痕の、トップシールの円中心からの最大径を測定した。
レトルト殺菌終了後、レトルト釜の中において、殺菌時圧力である0.125MPaで1分間保持した。その後、図1に示すとおり、レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧した。
図2に、インク付着試験の後のトップシールの写真を示す。試験の結果、図2に示すとおり、トップシールへのインクの付着は認められなかった。
レトルト殺菌終了後、レトルト釜の中において、殺菌時圧力である0.125MPaから0.135MPaまで加圧した後、10分間保持した。その後、図3に示すとおり、レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧した。冷却及び減圧の過程は、実施例と同様に行い、有意な差はない。
図4に、インク付着試験の後のトップシールの写真を示す。試験の結果、図4に示すとおり、トップシールにはインク痕が付着していた。インク痕のトップシールの円中心からの最大径は32.60mmであり、トップシールによってチーズを圧迫し、その結果、チーズ漏れが発生する可能性が示唆された。
Claims (8)
- 容器入りチーズをレトルト殺菌するための方法であって、
容器入りチーズをレトルト釜に入れ加熱する殺菌工程と、
前記殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、
前記レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程と
を含む前記レトルト殺菌方法。 - 前記殺菌工程における前記レトルト釜中の圧力が0.085〜0.165MPaである、請求項1に記載のレトルト殺菌方法。
- 前記殺菌工程後において、前記容器の内部の圧力と前記容器の外部の圧力との差が、0〜0.008MPaである、請求項1又は2に記載のレトルト殺菌方法。
- 前記チーズが軟質チーズである、請求項1〜3のいずれかに記載のレトルト殺菌方法。
- 容器入りチーズを製造するための方法であって、
チーズを製造する工程と、
前記チーズを開口容器に入れ、開口部を樹脂フィルムで密封することにより、容器入りチーズを得る工程と、
前記容器入りチーズをレトルト釜に入れ加熱する殺菌工程と、
前記殺菌工程における圧力を一定時間保持する工程と、
前記レトルト釜を冷却しながら常圧まで減圧する工程と
を含む前記製造方法。 - 前記殺菌工程における前記レトルト釜中の圧力が0.085〜0.165MPaである、請求項5に記載の容器入りチーズの製造方法。
- 前記殺菌工程後において、前記容器の内部の圧力と前記容器の外部の圧力との差が、0〜0.008MPaである、請求項5又は6に記載の容器入りチーズの製造方法。
- 前記チーズが軟質チーズである、請求項5〜7のいずれかに記載の容器入りチーズの製造方法。
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