JP2020054224A - 充電制御装置、充電制御方法 - Google Patents

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Tatsuya Inoue
達也 井上
修一 武本
Shuichi Takemoto
修一 武本
真幸 岩▲崎▼
Masayuki Iwasaki
真幸 岩▲崎▼
勝久 道永
Katsuhisa Michinaga
勝久 道永
邦生 青野
Kunio Aono
邦生 青野
知己 山下
Tomomi Yamashita
知己 山下
一 岩井
Hajime Iwai
一 岩井
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Abstract

【課題】電析の発生を抑制しつつ、電流指令値の振動を抑制する。【解決手段】蓄電素子の充電制御装置は、電流制限特性により規定される電流制限値を超えないように、蓄電素子の充電電流の電流指令値を算出する算出部を備える。電流制限特性は、蓄電素子の電圧が、CV充電時のCV電圧より低い、第1電圧以下の第1領域H1では、電流制限値が一定であり、蓄電素子の電圧が、第1電圧からCV電圧までの第2領域H2では、電圧が高い程、電流制限値が減少し、電流制限特性は、第1領域における電流制限値と第2領域における電流制限値とが、蓄電素子の温度に応じて複数設けられ、第2領域で電流制限値が電圧の上昇に応じて減少する傾きが、それら複数の電流制限特性で異なる。算出部は、第2領域の電流指令値を、電流制限特性により規定される電流制限値と過去の電流指令値とに基づいて、電流制限値に対して遅れを有する値に算出する。【選択図】図6

Description

本発明は、蓄電素子の充電方法に関する。
蓄電素子の充電方法としてCCCV充電がある。CCCV充電は、蓄電素子の電圧がCV電圧となるまで定電流で充電し、その後、二次電池を定電圧で充電する方法である。下記特許文献1には、CC充電からCV充電への切り換えの際に、蓄電素子の電圧をCV電圧に精度よく一致させることを目的として、CC充電とCV充電との間に、充電電流を減少させながら充電を行う領域を設ける点が記載されている。
特許第5525862号公報
リチウムイオン二次電池などの蓄電素子は、充電中に電析が起きる場合がある。電析は、リチウムなどの金属イオンが負極に析出する現象であり、負極電位の低下により発生することが知られている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電析の発生を抑制しつつ電流指令値の振動を抑制することを目的とする。
蓄電素子の充電制御装置は、電流制限特性により規定される電流制限値を超えないように、前記蓄電素子の充電電流の電流指令値を算出する算出部を備え、前記電流制限特性は、前記蓄電素子の電圧が、CV充電時のCV電圧より低い、第1電圧以下の第1領域では、電流制限値が一定であり、前記蓄電素子の電圧が、前記第1電圧から前記CV電圧までの第2領域では、電圧が高い程、電流制限値が減少し、前記電流制限特性は、前記第1領域における電流制限値と前記第2領域における電流制限値とが、前記蓄電素子の温度に応じて複数設けられ、前記第2領域で電流制限値が電圧の上昇に応じて減少する傾きが、それら複数の電流制限特性で異なり、前記算出部は、前記第2領域の電流指令値を、前記電流制限特性により規定される電流制限値と過去の電流指令値とに基づいて、前記電流制限値に対して遅れを有する値に算出する。
電析の発生を抑制しつつ、電流指令値の振動を抑制することが出来る。
実施形態1について、バッテリと充電装置の電気的構成を示すブロック図 二次電池の平面図 図2AのA−A線断面図 CCCV充電時の電流波形と電圧波形 電流制限特性を示す図 SOC−OCVの相関性を示す図 電流制限特性を示す図 電流指令値の算出処理のフローチャート バッテリの充電特性を示す図 実施形態2について、電流制限特性を示す図 電流指令値の算出処理のフローチャート 他の実施形態について、電流制限特性を示す図 太陽光発電システムのブロック図 他の充電モードにおける電流制限値を示す図 他の充電モードにおける電流制限値を示す図 他の充電モードにおける電流制限値を示す図 他の充電モードにおける電流制限値を示す図 充電制御処理のフローチャート
蓄電素子の充電制御装置は、電流制限特性により規定される電流制限値を超えないように、前記蓄電素子の充電電流の電流指令値を算出する算出部を備え、前記電流制限特性は、前記蓄電素子の電圧が、CV充電時のCV電圧より低い、第1電圧以下の第1領域では、電流制限値が一定であり、前記蓄電素子の電圧が、前記第1電圧から前記CV電圧までの第2領域では、電圧が高い程、電流制限値が減少し、前記電流制限特性は、前記第1領域における電流制限値と前記第2領域における電流制限値とが、前記蓄電素子の温度に応じて複数設けられ、前記第2領域で電流制限値が電圧の上昇に応じて減少する傾きが、それら複数の電流制限特性で異なり、前記算出部は、前記第2領域の電流指令値を、前記電流制限特性により規定される電流制限値と過去の電流指令値とに基づいて、前記電流制限値に対して遅れを有する値に算出する。
この方法では、第2領域において、電流制限値が減少するため、充電時、蓄電素子が第1電圧からCV電圧に上昇する間、充電電流が減少する。そのため、蓄電素子の電析を抑制することが出来る。この方法では、第2領域の電流指令値を、電流制限値に対して遅れた値としているので、電流指令値の変化を緩和できる。そのため、第2領域において、電流指令値の振動を抑制できる。また、電流指令値の振動を抑制することで、充電時の電流ノイズの発生を抑制できる。電流ノイズを抑制することで、電析の発生を抑制することが出来る。更に、充電電流のピークを抑えることが出来るので、充電装置の負荷を抑えることができる。充電装置が、電流値や電力値などの情報を表示する場合、表示値の振動を抑制でき、エンドユーザーが表示値を確認し易くなる。蓄電素子の温度に応じた電流制限特性を使用することで、蓄電素子の温度に関係なく、電析を抑制することが出来る。
前記第2領域において、前記電流制限値は、直線で変化してもよい。この方法では、電流制限値が曲線で変化する場合に比べて、電流指令値の演算が容易に出来る。また、電流制限値が曲線で変化する場合に比べて、電流制限値に対して遅れた値に算出される電流指令値の変化を一定に近づけることが出来るため、電流指令値の振動を抑制できる。
前記算出部は、前記電流制限値と過去の電流指令値を、比率を用いて重み付けして加算することにより、前記蓄電素子に対する充電電流の電流指令値を決定してもよい。この方法では、第1電圧からCV電圧までの間、電流指令値を、電流制限値に対して、緩やかに追従させることが出来る。
前記比率は、前記蓄電素子のOCV−SOC相関を示すOCV曲線のうち、前記第2領域に対応した電圧帯のカーブの大きさにより異なっていてもよい。電流指令値の振動は、OCV曲線のカーブの大きさと相関がある。この方法では、OCV曲線のカーブの大きさにより、比率が異なるので、電流指令値の振動をより一層抑制することが出来る。
<実施形態1>
1.バッテリ50と充電装置10の説明
図1は、バッテリ50と充電装置10の電気的構成を示すブロック図である。バッテリ50は、太陽光発電システムの蓄電装置であってもよい。バッテリ50は、電流遮断装置53と、複数の二次電池62からなる組電池60と、電流計測抵抗54と、管理装置100と、温度センサ115と、を備える。二次電池62は蓄電素子の一例である。二次電池62は、一例として、リチウムイオン二次電池である。
電流遮断装置53、電流計測抵抗54及び組電池60は、パワーライン55P、55Nを介して、直列に接続されている。パワーライン55Pは、正極の外部端子51と組電池60の正極とを接続するパワーラインである。パワーライン55Nは、負極の外部端子52と組電池60の負極とを接続するパワーラインである。電流遮断装置53と電流計測抵抗54は組電池60の正極側に位置し、正極側のパワーライン55Pに設けられている。
電流遮断装置53は、リレーなどの有接点スイッチ(機械式)やFETやトランジスタなどの半導体スイッチにより構成することが出来る。電流遮断装置53をOPENすることで、バッテリ50の電流を遮断することが出来る。
電流計測抵抗54は、組電池60の電流I[A]に応じた電圧を発生する。電流計測抵抗54の両端電圧の極性(正負)から放電と充電を判別できる。温度センサ115は、接触式あるいは非接触式で、組電池60の温度T[℃]を計測する。
管理装置100は、回路基板ユニット65に設けられている。管理装置100は、電圧検出回路110と、処理部120と、電源回路130と、を備える。電圧検出回路110は、信号線によって、各リチウムイオン二次電池62の両端にそれぞれ接続され、各リチウムイオン二次電池62のセル電圧V及び組電池60の総電圧を計測する。組電池60の総電圧は直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池62の合計電圧である。
処理部120は、演算機能を有するCPU121と、記憶部であるメモリ123と、を含む。処理部120は、電流計測抵抗54、電圧検出回路110、温度センサ115の出力から、組電池60の電流I、各リチウムイオン二次電池62の電圧V、組電池60の総電圧及び温度Tを監視する。処理部120は、バッテリ50の充電制御機能を有しており、後述する電流低減領域H2において充電電流の電流指令値Ioを算出する算出処理を行う。処理部120は本発明の「算出部」の一例、管理装置は本発明の「充電制御装置」の一例である。
メモリ123は、フラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性の記憶媒体である。メモリ123には、組電池60の状態を監視するための監視プログラム、及び監視プログラムの実行に必要なデータが記憶されている。
メモリ123には、充電電流の電流指令値Ioを算出する算出プログラム及び算出プログラムの実行に必要なデータ(図4に示す電流制限特性や過去の電流指令値など)が記憶されている。算出プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に書き込むことが出来る。
充電装置10は、パワーコンディショナであってもよい。充電装置10は、電流検出抵抗11と、充電回路13と、CPU15とを備え、バッテリ50の外部端子51、52に接続されている。CPU15は、充電回路13を介して、充電電流の大きさを制御する。電流検出抵抗11は、充電電流を検出するために設けられている。
図2A及び図2Bに示すように、リチウムイオン二次電池62は、直方体形状のケース82内に電極体83を非水電解質と共に収容したものである。ケース82は、ケース本体84と、その上方の開口部を閉鎖する蓋85とを有している。
電極体83は、詳細については図示しないが、銅箔からなる基材に活物質を塗布した負極要素と、アルミニウム箔からなる基材に活物質を塗布した正極要素との間に、多孔性の樹脂フィルムからなるセパレータを配置したものである。これらはいずれも帯状で、セパレータに対して負極要素と正極要素とを幅方向の反対側にそれぞれ位置をずらした状態で、ケース本体84に収容可能となるように扁平状に巻回されている。
正極要素には正極集電体86を介して正極端子87が、負極要素には負極集電体88を介して負極端子89がそれぞれ接続されている。正極集電体86及び負極集電体88は、平板状の台座部90と、この台座部90から延びる脚部91とからなる。台座部90には貫通孔が形成されている。脚部91は正極要素又は負極要素に接続されている。正極端子87及び負極端子89は、端子本体部92と、その下面中心部分から下方に突出する軸部93とからなる。そのうち、正極端子87の端子本体部92と軸部93とは、アルミニウム(単一材料)によって一体成形されている。負極端子89においては、端子本体部92がアルミニウム製で、軸部93が銅製であり、これらを組み付けたものである。正極端子87及び負極端子89の端子本体部92は、蓋85の両端部に絶縁材料からなるガスケット94を介して配置され、このガスケット94から外方へ露出されている。
蓋85は、圧力開放弁95を有している。圧力開放弁95は、図2Aに示すように、正極端子87と負極端子89の間に位置している。圧力開放弁95は、ケース82の内圧が制限値を超えた時に、開放して、ケース82の内圧を下げる。
2.バッテリの充電制御
(A)電流制限特性と電析の抑制
図3は、CCCV充電時のリチウムイオン二次電池62の電流波形Iと電流波形Vを示している。CCCV充電は、リチウムイオン二次電池62がCV電圧に到達するまで定電流で充電し(CC充電)、その後、CV電圧で二次電池62を定電圧充電(CV充電)する方法である。
CC領域の末期(CV領域への移行直前の領域)Fは、電圧が高く、かつ充電電流が大きいことから、リチウムイオン二次電池62に電析が起き易い。電析は、充電中に、リチウム金属が負極に析出する現象であり、負極電位の低下により発生することが知られている。
図4は、最大セル電圧と電流制限値との関係を示す電流制限特性である。電流制限特性は、CC領域H1、電流低減領域H2、CV領域H3の3つの領域を設けており、各領域H1〜H3について、それぞれ電流制限値を定めている。最大セル電圧は、直列に接続された複数のリチウムイオン二次電池62の最大電圧である。図4に示す電流制限特性のデータはメモリ123に記憶されている。
CC領域H1は、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧がVo〜Vsの領域である。CC領域H1は、、バッテリ50を定電流充電(CC充電)する領域である。電流低減領域H2は、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧がVs〜Vcの領域である。電流低減領域H2は、セル電圧上昇に伴って充電電流を低減させながらバッテリ50を充電する領域である。CV領域H3は、最大セル電圧がVc以上の領域である。CV領域H3は、最大セル電圧がCV電圧以上となった場合に、充電を一時停止する領域である。
Voは、リチウムイオン二次電池62の最低電圧である。Vsは、Voより大きく、Vcより小さい第1電圧である。Vcは、電流制限領域H2とCV領域H3の繰り返しによる定電圧充電時(CV充電時)における、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧の制御目標電圧(CV電圧)である。処理部120は、電圧検出回路110の計測値(最高セル電圧)を、Vs、Vcと比較することで、充電中、バッテリ50が3つの領域H1〜H3のどこに位置しているのか、判断することが出来る。
CC領域H1では、電流制限値は水平な直線M1により規定される。電流制限値は、最大セル電圧に関係なく一定であり、その値は、リチウムイオン二次電池62の最大許容電流(定格電流)Imaxである。CC領域H1は本発明の「第1領域」に相当する。
処理部120は、バッテリ50の充電開始時に、メモリ123から図4の電流制限特性により規定される電流制限値Imaxのデータを読み出して充電装置10に送る。充電装置10は、処理部120から送信される電流制限値Imaxを超えない範囲で、充電装置10の出力電力の制約などに基づいて、充電電流の電流指令値Ioを決定し、バッテリ50をCC充電する。
この例では、CC領域H1での電流指令値Ioを充電装置10で決定しているが、管理装置100で決定し、充電装置10に通知するようにしてもよい。
CC領域H1での充電により、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧が、第1電圧Vsまで上昇すると、電流低減領域H2に移行する。
電流低減領域H2において、電流制限値は、図4中のA点とB点を結んだ右下がりの直線M2により規定される。電流制限値は、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧がVsからVcに変化する間に、最大許容電流Imaxから0に直線的に減少する。電流低減領域H2は本発明の「第2領域」に相当する。
処理部120は、電流低減領域H2において、直線M2により定まる電流制限値を上限として、充電電流の電流指令値Ioを、制御周期tnで算出する。そして、処理部120は、算出した電流指令値Ioを充電装置10に送信する。充電装置10は、処理部120から送信される電流指令値Ioに基づいて充電電流を出力し、バッテリ50を充電する。
電流低減領域H2内にて、最大セル電圧が高くなるほど、電流制限値を減少させることで、充電により、リチウムイオン二次電池62のセル電圧がCV電圧Vc付近まで上昇した時に、電析が発生することを抑制出来る。
電流低減領域H2での充電により、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧がCV電圧Vcまで上昇すると、CV領域H3に移行する。CV領域H3は、本発明の「第3領域」に相当する。
図4に示すように、CV領域H3における電流制限値は、0[A]である。そのため、CV領域H3への移行後、処理部120から充電装置10に対して、電流指令値は0[A]であることが通知される。充電装置10は、CV領域H3への移行後、バッテリ50の充電を一時停止する。充電が止まると、内部抵抗分による電圧上昇が無くなるため、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧が、CV電圧Vcから下がり、電流低減領域H2に戻る。
電流低減領域H2に戻ると、上記したように、処理部120は、直線M2により定まる電流制限値を上限として、電流指令値Ioを制御周期tnで算出する。そして、充電装置10は、処理部120から送信される電流指令値Ioに基づいてバッテリ50に充電電流を出力し、バッテリ50を充電する。リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧が、CV電圧Vcに達すると、電流低減領域H2からCV領域H3に移行する。
このように、電流低減領域H2での充電とCV領域H3での充電停止を繰り返すことで、最大セル電圧をCV電圧Vcに維持しつつ、バッテリ50を定電圧充電(CV充電)することが出来る。また、最大セル電圧が高いほど(CV電圧Vcに近いほど)、低い電流で充電されるので、CV充電中に電析が発生することを抑制できる。
バッテリ50が満充電に近くなると、バッテリ50の充電電流は、次第に小さくなる。この例では、充電終了判定条件を一例として0.2Aとしており、充電電流が0.2A以下になると、充電を終了する。また、バッテリ50が満充電に近くなると、充電を停止しても、最大セル電圧がCV電圧Vcからほとんど低下しなくなり、充電停止状態が継続することになるので、充電停止状態が所定時間継続することを、充電終了条件としてもよい。
(B)電流指令値の振動抑制
図5は、リチウムイオン二次電池62のOCV曲線である。SOC(state of charge:充電状態)は、下記の(1)で示されるように、二次電池62の実容量(available capacity)Caに対する残存容量Crの比率である。OCV(open circuit voltage:開放電圧)は、二次電池62の開放電圧である。
SOC=(Cr/Ca)×100・・・・・・・・(1)
OCV曲線X1は、SOCの変化量に対するOCVの変化量がほぼ平坦なプラトー領域を有している。プラトー領域とは、SOCの変化量に対するOCVの変化量が2[mV/%]以下の領域である。プラトー領域は、概ねSOCが31%から97%の範囲に位置している。SOCが31%以下の領域、97%以上の領域は、SOCの変化量に対するOCVの変化量が、プラトー領域よりも大きい高変化領域である。
図5にて破線で示すX2は、所定レートで充電した時のリチウムイオン二次電池62の電圧変化を示す充電曲線である。充電曲線X2は、OCV曲線X1に対して上方に位置がずれており、SOC値が同じでも、電圧値が高い。この電圧差ΔVは、リチウムイオン二次電池62の内部抵抗による電圧上昇分であり、充電電流の大きさに依存する。
リチウムイオン二次電池62の内部抵抗による電圧上昇は、充電電流が減少すると小さくなる。図6に示すように、電流低減領域H2内において、リチウムイオン二次電池62の最大セル電圧がV1からV2に上昇した場合に、充電電流の電流指令値IoをI1からI2に引き下げると、内部抵抗による電圧上昇が小さくなる。そのため、二次電池62の最大セル電圧は、V2からV3に下がる。最大セル電圧がV3に下がると、充電電流の電流指令値IoはI2からI3に引き上げられることになる。
このように、最大セル電圧の増加に伴って、充電電流Iの電流指令値Ioを下げると、最大セル電圧の上げ下げが繰り返されるため、電流指令値Ioが振動する場合がある。
処理部120は、電流低減領域H2内において、以下の(2)演算式に従って、所定の制御周期nで、電流指令値Io_n を算出する。
Io_n=(1−m)×Io_n-1 + m×I_limit・・・・・・(2)
Io_n-1は、電流指令値の前回値である。I_limitは、電流制限特性により規定される最大セル電圧に対応した電流制限値である。mは、I_limitに対するIo_nの遅れの大きさを決める比率である(m<1)。
電流指令値Io_nの計算例を示す。電流指令値の前回値がI1、最大セル電圧の現在値がV2、電流制限特性により規定される最大セル電圧V2に対応した電流制限値がI2とする。比率mが0.5の場合、電流指令値Io_nは、(I1+I2)/0.5となり、電流指令値の前回値I1と電流制限値I2の中間値となる。
(2)の演算式は、電流指令値の前回値Io_n-1と電流制限値I_limitに対して比率mに応じた重み付けを行いつつ、両値を加算することに、電流指令値Io_nを求めている。得られる電流指令値Io_nは、図4の電流制限特性により規定される電流制限値に対して、遅れを持つ。遅れは、電流制限特性により規定される電流制限値まで電流指令値が変化して無く、電流指令値が電流制限値に対して差分Δを有することである。比率mが小さいほど、遅れは大きく、比率mが1に近くなる程、遅れは小さい。
このような遅れを持つことで、電流指令値Io_nの急峻な変化を緩和することが出来、電流指令値Ioの振動を抑制することが出来る。
電流指令値Ioの振動は、OCV曲線のカーブが急であるほど、顕著になる。そのため、OCV曲線のカーブ(傾きの大きさ)に応じて、比率mを異ならせるとよい。つまり、電流低減領域H2の電圧帯(Vs〜Vc)において、OCV曲線のカーブが急で傾きの大きな二次電池を充電する場合には、比率mを小さするとよい。電流低減領域H2の電圧帯(Vs〜Vc)において、OCV曲線のカーブが緩く傾きの小さい二次電池を充電する場合には、比率mを大きく(1に近くする)するとよい。
図7は、電流指令値の算出処理のフローチャートである。電流指令値Ioの算出処理は、S10〜S70の7ステップから構成されており、電流低減領域H2にて、所定の制御周期tnで繰り返し実行される。制御周期tnは、一例として、1[sec]である。
処理部120は、S10において、電圧検出回路110、電流計測抵抗54、温度センサ115の出力から、各リチウムイオン二次電池62のセル電圧V、組電池60の総電圧、充電電流I、及び組電池60の温度Tの計測データを取得する。
処理部120は、S20において、計測データに異常があるか、判定する。計測データに異常がある場合(S20:YES)、エラー処理を行う。エラー処理は、例えば、充電装置10に異常を報知して、充電停止を求める処理である。
計測データが正常な場合(S20:NO)、S40に移行し、処理部120は、前回処理から制御周期tnが経過しているか、判定する。
前回処理から制御周期tnが経過している場合(S40:YES)、S50に移行し、処理部120は、メモリ123から、図4に示す電流制限特性のデータを読み出す処理を行う。
電流制限特性の読み出し後、S60に移行し、処理部120は、電流指令値の前回値Io_n-1と、電流制限特性により規定される最大セル電圧に対応した電流制限値I_limitとに基づいて、上記の(2)式より、電流指令値Io_nを算出する。
その後、S70に移行し、処理部120は、算出した電流指令値Io_nを、充電装置10に送信する。
S10〜S70の処理は、制御周期tnで繰り替えされ、管理装置100から充電装置10に対して、制御周期tnごとに、電流指令値Io_nが送信される。そして、充電装置10は、送信される電流指令値Io_nに基づて、電流低減領域H2の充電電流をコントロールする。
図8は、左縦軸をセル電圧、右縦軸を電流、横軸を時間とした、バッテリ50の充電特性を示すグラフである。Y1は、(2)式による遅れ後の電流指令値の波形、Y2は充電装置10の出力する充電電流の波形、Y3は最大セル電圧の波形を示している。
3.効果
この方法では、CC領域H1とCV領域H3の間に電流低減領域H2を設けており、充電時、二次電池62がCV電圧Vcに上昇するに連れ、充電電流が減少する。そのため、リチウムイオン二次電池62の電析を抑制することが出来る。この方法では、電流指令値Ioを、電流制限特性により規定される電流制限値に対して遅れた値としているので、電流指令値Ioの変化を緩和できる。そのため、電流低減領域H2において、電流指令値Ioの振動を抑制できる。また、電流指令値の振動を抑制することで、充電時の電流ノイズの発生を抑制できる。電流ノイズを抑制することで、電析の発生を抑制することが出来る。更に、充電電流のピークを抑えることが出来るので、充電装置10の負荷を抑えることができる。充電装置10が、電流値や電力値などの情報を表示する場合、表示値の振動を抑制でき、エンドユーザーが表示値を確認し易くなる。
電流低減領域H2は、電流制限値を直線M2で規定している。電流制限値を直線M2で規定することで、電流制限値を二次曲線などの曲線で規定する場合に比べて、電流指令値Ioの演算が容易に出来、充電速度も速くなる。また、電流制限値を二次曲線などの曲線で規定する場合に比べて、以下の効果がある。電流指令値Ioは、OCV曲線のカーブなど制御特性に応じて、電流制限値に対して遅れた値に算出される。電流制限値を直線M2で規定することで、電流指令値Ioの変化を一定に近づけることが出来るため、電流指令値Ioの振動を抑制できる。
<実施形態2>
実施形態2では、組電池60の温度Tに応じて、電流制限特性を設けている。図9に示すように、温度Ta〜Tcに応じて、3つの電流制限特性La〜Lcを設けている。電流制限特性La〜Lcはメモリ123に記憶されている。電流制限特性La〜Lcは、最大許容電流Imaxの大きさが異なっており、温度Tが低いほど、最大許容電流Imaxが小さい。電流低減領域H2における電流制限値は、温度Ta〜Tcに応じて、傾きが異なっており、温度が高い程、傾き(絶対値)は大きい。温度Tの大小関係は、Ta>Tb>Tcである。
図10は電流指令値の算出処理のフローチャートである。図10の電流指令値の算出処理は、図7の算出処理に対して、S55の処理が相違している。
処理部120は、S10において、電圧検出回路110、電流計測抵抗54、温度センサ115の出力から、各二次電池62のセル電圧V、組電池60の総電圧、充電電流I、及び組電池60の温度Tの計測データを取得する。
処理部120は、S20において、計測データに異常があるか、判定する。計測データが正常な場合(S20:NO)、S40に移行し、処理部120は、前回処理から制御周期tnが経過しているか、判定する。
前回処理から制御周期tnが経過している場合(S40:YES)、S55に移行し、処理部120は、S10にて取得した組電池60の温度Tに対応する電流制限特性のデータをメモリ123から読み出す処理を行う。
電流制限特性の読み出し後、S60に移行し、処理部120は、前回の電流指令値Io_n-1と、電流制限特性により規定される電流制限値I_limitとに基づいて、上記の(2)式より、電流指令値Io_nを算出する。
その後、S70に移行し、処理部120は、算出した電流指令値Io_nを、充電装置10に送信する。
S10〜S70の処理は、制御周期tnで繰り替えされることから、組電池60に温度変化があると、変化後の温度に応じた電流制限特性が読み出される。そして、読み出した電流制限特性に基づいて、電流指令値Io_nが算出される。
リチウムイオン二次電池62は、低温での内部抵抗が大きいことが知られており、低温での充電時に、負極の電位が低下して、電析が起きやすい。実施形態2では、電流制限特性を組電池60の温度ごとに設けており、温度が低いほど、最大許容電流Imaxが小さい。そのため、低温での充電時に、電析が発生することを抑制できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池62を例示した。蓄電素子は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウム空気電池など他の二次電池でもよい。蓄電素子は、複数を直列や直並列に接続する場合に限らず、単セルの構成でもよい。
(2)実施形態1では、二次電池62の最大セル電圧で充電を制御する例を示したが、組電池60の総電圧で充電を制御するようにしてもよい。
(3)実施形態1では、電流低減領域H2の電流制限値を1本の直線M2で規定したが、電圧上昇に伴って電流制限値が減少していれば、曲線や複数の直線で規定してもよい。
(4)実施形態1では、バッテリ50の処理部120にて電流指令値Ioを算出した。これ以外にも充電装置10で電流指令値Ioを算出してもよい。つまり、充電装置10のCPU15を充電制御装置としてもよい。この場合、充電装置10の内部メモリに電流制限特性のデータを保持しておき、処理部120から充電装置10に各二次電池62のセル電圧や組電池の温度Tのデータなど、電流指令値Ioの算出に必要なデータを送信するとよい。
(5)実施形態1では、(2)式に基づいて、電流指令値Ioを算出した。電流指令値Ioは、電流制限特性により規定される電流制限値と、電流指令値の前回値と、に基づいて、電流制限値に対して、遅れを有する値を得るものであれば、(2)式以外の計算式で算出してもよい。実施形態1では、過去の電流指令値の一例として、電流指令値の前回値を使用しているが、前々回の値など、前回値以外を使用してもよい。また、過去の電流指令値として、前回値と前々回値の双方を用いてもよい。
(6)実施形態1では、電流低減領域H2の電流制限値を、最大許容電流Imaxに対応するA点と、0[A]に対応するB点と、を結ぶ直線M2により規定した。電流低減領域H2の電流制限値を規定する直線M2は、図11に示すように、最大許容電流Imaxに対応するA点と、0[A]よりも大きい所定電流値Iaと対応するC点と、を結ぶ直線M3により規定してもよい。この場合、電流低減領域H2とCV領域H3の繰り返しによるCV充電時、バッテリ50は、所定電流値Ia以上の充電電流により充電されることになる。また、所定電流値Iaは、充電終了判定条件に適用される電流値(実施形態1では0.2A)より小さい電流値にするとよい。所定電流値Iaを充電終了判定条件に適用される電流値より大きくすると、充電電流が判定条件に適用される電流値以上に制御されてしまうので、充電終了判定条件の検出が出来なくなる。所定電流値Iaを充電終了判定条件に適用される電流値以下にすることで、充電終了判定条件の検出が可能となる。
(7)実施形態1では、CC領域H1、電流低減領域H2、CV領域H3の3つの領域について、電流制限値を設定した。CV領域H3にて充電を停止する場合、CV領域H3では、処理部120にて電流指令値Ioを0[A]に制御するようにしておけば、電流制限値としての設定は不要であり、電流制限特性としては、少なくとも、CC領域H1、電流低減領域H2のみの設定でもよい。
(8)実施形態1では、電流低減領域H2での充電とCV領域H3での充電停止を繰り返すことにより、バッテリ50を、CV電圧VcにてCV充電した。これ以外にも、CV領域H3にて、CV電圧Vcを維持するように充電電流を制御しつつ、バッテリ50をCV充電してもよい。この場合、CV領域でのCV充電中に電析が発生しないように、CV領域H3での電流制限値を設定するとよい。
(9)本技術は、蓄電装置の充電制御プログラムに適用することが出来る。蓄電装置の充電制御プログラムは、コンピュータに、電流制限特性により規定される電流制限値を超えないように、前記蓄電素子の充電電流の電流指令値を算出する算出処理を実行させるプログラムである。前記電流制限特性は、前記蓄電素子の電圧が、CV充電時のCV電圧より低い、第1電圧以下の第1領域では、電流制限値が一定であり、前記蓄電素子の電圧が、前記第1電圧から前記CV電圧までの第2領域では、電圧が高い程、電流制限値が減少する。前記電流制限特性は、前記第1領域における電流制限値と前記第2領域における電流制限値とが、前記蓄電素子の温度に応じて複数設けられ、前記第2領域で電流制限値が電圧の上昇に応じて減少する傾きが、それら複数の電流制限特性で異なる。前記算出処理では、前記第2領域において、前記蓄電素子に対する充電電流の電流指令値を、前記電流制限特性により規定される電流制限値と過去の電流指令値とに基づいて、前記電流制限値に対して遅れを有する値に算出する。本技術は、蓄電装置の充電制御プログラムを記録した記録媒体に適用することが出来る。コンピュータは一例として処理部120である。
(10)上述した実施形態は、CCCV充電における充電制御方法に関するものであった。図12は、太陽光発電システム200のブロック図である。太陽光発電システム200は、太陽光発電パネル210と、パワーコンディショナ230と、蓄電装置250とを有している。Yは、電力系統300との境界を示している。パワーコンディショナ230は、電力制御装置であり、電力制御や充電制御を行う制御部235を有している。太陽光発電システム200は、太陽光発電パネル210の発電電力を有効利用するため、太陽光発電パネル210で発電した電力の余剰分で、蓄電装置250を充電することが出来る。また、電力系統300からの受電電力より負荷Rが小さい場合、電力系統300からの電力により、蓄電装置250を充電することもできる。このように、太陽光発電システム200は、太陽光発電パネル210からの充電や電力系統300からの充電があり、CCCV充電以外の様々な充放電モードが存在する。太陽光発電システム200では、パワーコンディショナ230から蓄電装置250への充電電流が、太陽光の変動(照度変動)や、太陽光発電システム200に接続された負荷Rの変動などを原因として、急変することがある。
例えば、太陽光発電パネル210の発電した電力で充電を行う場合、太陽光が雲に遮られることにより、図13に示すように、パワーコンディショナ230からの充電電流PCSが時刻T1において一時的に(例えば、ステップ的に)減少し、その後回復することがある。このような充電モードにおいて、図14に示すように、電流制限値Lを、充電電流PCSの変動より、変動が小さな推移とすることが好ましい。ここでいう「電流制限値L」は、上述した実施形態のようにCCCV充電のために予めメモリ123に記憶した電流制限特性から求められる電流制限値に代えて、求められる値であってもよい。実施形態1、2の電流制限特性から求められる電流制限値と、図14に示す電流制限値Lと、のいずれか低い値が、電流指令値として用いられてもよい。
図13に示すように、電流制限値Lが、時刻T1の値(時刻T1直前の充電電流PCSに所定値αを加算した値)のまま一定であると、太陽光発電が回復した時刻T2において充電電流PCSが急増(図13のA部)し、蓄電素子のSOCによっては電析が発生する可能性がある。電析の発生を回避するためには、時刻T2において充電電流PCSが過度に増加しないよう、電流制限値Lを設定することが考えられる。
他方、パワーコンディショナ230には、瞬間的な停電時(瞬停時)に1秒以内に瞬停前の元の出力状態に戻ることが要求されている。例えば、図13における時刻T1と時刻T2との間が1秒以内である場合(1秒以内の間に、充電電流PCSが急減し、急増する場合)を考える。時刻T2において充電電流PCSが過度に増加しないように電流制限値Lが設定されていると、パワーコンディショナ230に対する要求を満足できない可能性がある。例えば、電力系統300からの電力で蓄電装置250を充電している期間に、電力系統300が瞬停した場合を想定する。図13に示すように、時刻T1から時刻T2まで間の電流制限値Lが、瞬停中の充電電流PCSに所定値αを加算した値Lcに設定されているとする。この場合、瞬停から回復すると、回復直後の充電電流PCSは、電流制限値Lcに制限されることになり、パワーコンディショナ230が、蓄電装置250に対して、瞬停前の充電電流PCSを出力する状態に戻るのに時間が掛かってしまう。
以上のことから、充電電流PCSの急増時(時刻T2)のみならず、充電電流PCSの急激な減少時(時刻T1)について、充電電流PCSの変動より電流制限値Lの変動を小さくしてもよい。つまり、図14の例では、充電電流PCSが急激に減少する時刻T1までは電流制限値LをLoとする。Loは、時刻T1直前の充電電流PCSに所定値αを加算した値である。そして、時刻T1以降は、時刻T1におけるPCSの変化量よりも単位時間当たりの変化量が小さい直線Laに従って電流制限値Lを変化させることにより、時刻T1における充電電流PCSの変動よりも、時刻T1以降の各時点の電流制限値Lの変動を小さくする。この例では、充電電流PCSが増加する時刻T2まで、直線Laに従って電流制限値Lを減少させている。また、充電電流PCSが急激に増加する時刻T2以降は、時刻T2における充電電流PCSの変化量よりも単位時間あたりの変化量が小さい直線Lbに従って電流制限値Lを変化させることで、時刻T2における充電電流PCSの変動よりも、時刻T2以降の各時点の電流制限値Lの変動を小さくする。この例では、電流制限値Lが、時刻T1直前の電流制限値Loに到達する時刻T4まで、直線Lbに従って電流制限値を変化させている。
図15は、比較のため、充電電流PCSの変動に追従して、同じ量だけ値を変化させた時の電流制限値L1(変動が等しい例)を示した。充電電流PCSの変動に追従して同じ量だけ電流制限値を変化させた場合、充電電流PCSが変化すると、その分、電流制限値も変化し、図15に示すように、電流制限値と充電電流PCSの差は、所定値αに維持される。そのため、充電電流PCSが1回に増加できる量は所定値αに制限されることになるので、充電電流PCSが、増加し始めてから元の値に戻るまでの時間(T2〜T3)が、図14に比べて長くなり、パワーコンディショナ230に対する要求を満足することが難しいことが理解できる。なお、所定値αは、電析回避のために蓄電素子の温度をもとに決定してもよい。
充電電流PCSの変動よりも電流制限値Lの変動を小さくすることで、上述のパワーコンディショナ230に対する要求を満足しつつ、時刻T2における充電電流PCSの急増を緩和することができる。また、エンドユーザーに対する表示値の急変を緩和できる。電流制限値Lは、図14に示す連続的な値に代えて、離散的な値であってもよいし、所定時間毎に(例えば制御周期で)算出されて時間の経過とともに段階的に減少又は増加する値であってもよい。
電流制限値Lは、時間の経過とともに充電電流PCSに追従して減少する時の傾きの絶対値(Laの傾きの絶対値)より、時間の経過とともに充電電流PCSに追従して増加する時の傾きの絶対値(Lbの傾きの絶対値)が、大きいことが好ましい。こうすることで、上述のパワーコンディショナ230に対する要求を満足しやすい。瞬停時以外の、パワーコンディショナ230の動作モードにおいても、例えば太陽光の回復時に早いタイミングで(時刻T3で)充電電流PCSを回復させることができ、蓄電素子を効率良く充電できる。
図14の例では、充電電流PCSは、ステップ状に変化した。図16に示すように、充電電流PCSは、台形状に変化するものでもよい。充電電流PCSが台形状に変化する場合、充電電流PCSの減少時の直線PCSaの傾きの絶対値よりも、電流制限値Lの減少時の直線Laの傾きの絶対値を小さくするとよい。また、充電電流PCSの増加時の直線PCSbの傾きの絶対値よりも、電流制限値Lの減少時の直線Lbの傾きの絶対値を小さくするとよい。また、電流制限値Lは、電析を抑制するため、充電電流PCSが急激に増加する時刻T2での変動を、充電電流PCSの変動よりも、少なくとも小さくするとよい。
図17は、パワーコンディショナ230により実行される充電制御処理のフローチャート図である。充電制御処理は、S100〜S130の4つのステップから構成されている。ここでは、太陽光発電パネル210からの充電を考える。蓄電装置250の充電が開始されると、パワーコンディショナ230の制御部235は、充電電流PCSを検出し(S100)、検出した充電電流PCSに基づいて、電流制限値Lを算出する(S110)。そして、制御部235は、電流制限値Lを電流指令値として、蓄電装置250を充電する(S120)。制御部235は、充電と並行して、蓄電装置250の電圧などからSOC(充電状態)を検出し、充電を継続するか否かを、判断する(S130)。充電の継続中は、S100〜S130の処理が制御周期で繰り返し実行される。
太陽光発電パネル210の発電状態に変化がない場合、充電電流PCSは一定で変動がない。この場合、S110にて、電流制限値Lは、充電電流PCSよりも所定値αだけ大きい値に算出され、蓄電装置250は、一定の充電電流PCSで充電されることになる。
一方、天候の影響などにより充電電流PCSに変動があった場合、S110にて、制御部235は、充電電流PCSの変動よりも、変動が小さな推移となるように電流制限値Lを算出する。例えば、図14に示す時刻T1にて、充電電流PCSの急激な減少を検出した場合、時刻T1〜時刻T2の期間は、直線Laに従って電流制限値Lを変化させる。また、時刻T2にて、充電電流PCSの急激な増加を検出した場合、時刻T2〜時刻T4までの期間は、直線Lbに従って電流制限値Lを変化させる。
このようにすることで、時刻T1にて遮られた太陽光が、時刻T2にて回復しても、充電電流PCSは、電流制限値Lにより制限されるから、太陽光が遮られる前の状態に直ちに復帰せず、電流制限値Lを超えない範囲で段階的に戻るため、充電電流PCSの急増を抑えることが出来る。この充電制御処理は、太陽光発電パネル210の発電状態が変化した時や電力系統300が瞬停した時に、蓄電装置250への充電電力を動的に変動させることが出来る。この充電制御処理は、CCCV充電とは別の充電モードに適用してもいいし、CCCV充電におけるCC領域の充電に適用することも出来る。
また図14の例では、充電電流PCSの減少タイミングと、電流制限値Lの減少タイミングを一致させた。電流制限値Lを減少させるタイミングは、PCSが減少する時刻付近(時刻T1付近)であれば、必ずしも一致している必要はない。また、増加する場合も同様である。
要約すると、充電制御方法は、以下の構成を有することができる。
(構成1)
充電電力を動的に変動させる、蓄電素子の充電制御方法であって、充電装置からの充電電流に基づいて前記充電電流の電流制限値を算出する算出ステップを有し、前記算出ステップでは、前記電流制限値の変動を、前記充電電流の変動よりも小さい値に算出する、充電制御方法。
(構成2)
前記充電装置からの充電電流が、第1時点で減少し第2時点で回復する場合に、前記電流制限値を、前記第1時点以後減少させ、前記第2時点付近から増加させる、充電制御方法。
(構成3)
前記電流制限値が、前記第1時点以後時間の経過とともに減少する時の傾きより、前記電流制限値が、前記第2時点付近から時間の経過とともに増加する時の傾きが大きい、充電制御方法。
10...充電装置
50...バッテリ(蓄電装置)
60...組電池
62...リチウムイオン二次電池(蓄電素子)
100...管理装置(充電制御装置)
120...処理部(算出部)
H1...CC領域(第1領域)
H2...電流低減領域(第2領域)
H3...CV領域(第3領域)

Claims (8)

  1. 蓄電素子の充電制御装置であって、
    電流制限特性により規定される電流制限値を超えないように、前記蓄電素子の充電電流の電流指令値を算出する算出部を備え、
    前記電流制限特性は、
    前記蓄電素子の電圧が、CV充電時のCV電圧より低い、第1電圧以下の第1領域では、電流制限値が一定であり、
    前記蓄電素子の電圧が、前記第1電圧から前記CV電圧までの第2領域では、電圧が高い程、電流制限値が減少し、
    前記電流制限特性は、
    前記第1領域における電流制限値と前記第2領域における電流制限値とが、前記蓄電素子の温度に応じて複数設けられ、前記第2領域で電流制限値が電圧の上昇に応じて減少する傾きが、それら複数の電流制限特性で異なり、
    前記算出部は、前記第2領域の電流指令値を、前記電流制限特性により規定される電流制限値と過去の電流指令値とに基づいて、前記電流制限値に対して遅れを有する値に算出する、充電制御装置。
  2. 請求項1に記載の充電制御装置であって、
    前記第2領域において、前記電流制限値は直線で変化する、充電制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の充電制御装置であって、
    前記算出部は、前記電流制限値と過去の電流指令値を、比率を用いて重み付けして加算することにより、前記蓄電素子に対する充電電流の電流指令値を決定する、充電制御装置。
  4. 請求項3に記載の充電制御装置であって、
    前記比率は、前記蓄電素子のOCV−SOC相関を示すOCV曲線のうち、前記第2領域に対応した電圧帯のカーブの大きさにより異なる、充電制御装置。
  5. 蓄電素子の充電制御方法であって、
    電流制限特性により規定される電流制限値を超えないように、前記蓄電素子の充電電流の電流指令値を算出する算出ステップを有し、
    前記電流制限特性は、
    前記蓄電素子の電圧が、CV充電時のCV電圧より低い、第1電圧以下の第1領域では、電流制限値が一定であり、
    前記蓄電素子の電圧が、前記第1電圧から前記CV電圧までの第2領域では、電圧が高い程、電流制限値が減少し、
    前記電流制限特性は、
    前記第1領域における電流制限値と前記第2領域における電流制限値とが、前記蓄電素子の温度に応じて複数設けられ、前記第2領域で電流制限値が電圧の上昇に応じて減少する傾きが、それら複数の電流制限特性で異なり、
    前記算出ステップでは、前記第2領域の電流指令値を、前記電流制限特性により規定される電流制限値と過去の電流指令値とに基づいて、前記電流制限値に対して遅れを有する値に算出する、充電制御方法。
  6. 充電電力を動的に変動させる、蓄電素子の充電制御方法であって、
    充電装置からの充電電流に基づいて前記充電電流の電流制限値を算出する算出ステップを有し、
    前記算出ステップでは、前記電流制限値の変動を、前記充電電流の変動よりも小さい値に算出する、充電制御方法。
  7. 前記充電装置からの充電電流が、第1時点で減少し第2時点で回復する場合に、前記電流制限値を、前記第1時点以後減少させ、前記第2時点付近から増加させる、請求項6に記載の充電制御方法。
  8. 前記電流制限値が、前記第1時点以後時間の経過とともに減少する時の傾きより、前記電流制限値が、前記第2時点付近から時間の経過とともに増加する時の傾きが大きい、請求項7に記載の充電制御方法。
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