JP2020053576A - 静電チャック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均熱性が高い新規な静電チャック装置を提供する。【解決手段】一主面に板状試料を載置する載置面を有するとともに静電吸着用電極を備えた静電チャック部と、静電チャック部に対し載置面とは反対側に配置され静電チャック部を冷却するベース部と、を有し、ベース部は、冷媒が流動する流路を内部に有するベース本体と、流路内に設けられ、ベース本体の静電チャック部側の表面の温度を制御する温度制御部と、を有する静電チャック装置。【選択図】図2

Description

本発明は、静電チャック装置に関するものである。
プラズマエッチング装置、プラズマCVD装置等のプラズマを用いた半導体製造装置においては、載置面に簡単にウエハを取付け、固定するとともに、ウエハを所望の温度に維持する装置として静電チャック装置が使用されている。静電チャック装置としては、載置面を含む静電チャック部と、静電チャック部を冷却するベース部とを有する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−049196号公報
近年、半導体を用いたデバイスは高集積化される傾向にある。そのため、デバイスの製造時には、配線の微細加工技術や三次元実装技術が必要とされている。このような加工技術を実施するにあたり、半導体製造装置には、ウエハの面内の温度分布(温度差)を低減させることが求められる。
なお、本明細書においては、「載置面に載置したウエハの面内温度分布(温度差)の度合い」のことを「均熱性」と称することがある。「均熱性が高い」とは、ウエハの面内温度分布が小さいことを意味する。
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ウエハの面内温度分布を所望の温度差にまで低減させることができないことがあり、改善が求められていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、均熱性が高い新規な静電チャック装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、一主面に板状試料を載置する載置面を有するとともに静電吸着用電極を備えた静電チャック部と、前記静電チャック部に対し前記載置面とは反対側に配置され前記静電チャック部を冷却するベース部と、を有し、前記ベース部は、冷媒が流動する流路を内部に有するベース本体と、前記流路内に設けられ、前記ベース本体の前記静電チャック部側の表面の温度を制御する温度制御部と、を有する静電チャック装置を提供する。
本発明の一態様においては、前記温度制御部は、前記流路の延在方向に沿って設けられたフィン部材である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記温度制御部は、前記流路の幅方向に設けられた壁部材である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記壁部材は、前記流路の幅方向に延在して設けられた第1部材と、前記第1部材から前記冷媒の流動方向の後方に延在して設けられた第2部材と、を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記ベース部は、前記流路と連通する流入口を有し、前記温度制御部は、前記流路内において前記流入口に対向して設けられた対向部材である構成としてもよい。
本発明によれば、均熱性が高い新規な静電チャック装置を提供することができる。
本実施形態の静電チャック装置1を示す断面図である。 流路31内に設けられたフィン41を示す説明図である。 流路31内に設けられたフィン41を示す説明図である 温度制御部を設けない流路31のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 図4の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。 フィン41を設けた流路のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 図6の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。 流路31内に設けられた壁部材51を示す説明図である。 流路31内に設けられた壁部材51を示す説明図である。 壁部材51を設けた流路のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 図10の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。 流路31内に設けられた対向部材61を示す説明図である。 流路31内に設けられた対向部材61を示す説明図である。 温度制御部を設けない流路31のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 図14の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。 対向部材61を設けた流路のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 図14の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。
以下、図1〜図17を参照しながら、本実施形態に係る静電チャック装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。本明細書では、水平面内の所定方向をx軸方向、水平面内においてx軸方向と直交する方向をy軸方向、x軸方向およびy軸方向のそれぞれと直交する方向をz軸方向とする。z軸方向は、すなわち鉛直方向である。
図1は、本実施形態の静電チャック装置1を示す断面図である。静電チャック装置1は、円板状の静電チャック部2と、静電チャック部2の温度を調整する温度調整用ベース部(ベース部)3と、を有する。
(静電チャック部)
静電チャック部2は、上面を半導体ウエハ等の板状試料Wを載置する載置面11aとした載置板11と、載置板11と一体化され前記載置板11の底部側を支持する支持板12と、これら載置板11と支持板12との間に設けられた静電吸着用電極13、および静電吸着用電極13の周囲を絶縁する絶縁材層14と、を有する。
載置板11および支持板12は、重ね合わせた面の形状を同じくする円板状の部材である。載置板11および支持板12は、機械的な強度を有し、かつ腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を有する、セラミックス焼結体からなる。載置板11および支持板12について、詳しくは後述する。
載置板11の載置面11aには、直径が板状試料の厚みより小さい突起部11bが複数所定の間隔で形成され、これらの突起部11bが板状試料Wを支える。
また、載置面11aの周縁には、周縁壁17が形成されている。周縁壁17は、突起部11bと同じ高さに形成されており、突起部11bとともに板状試料Wを支持する。
載置板11、支持板12、静電吸着用電極13および絶縁材層14を含めた全体の厚み、即ち、静電チャック部2の厚みは、一例を挙げれば、0.7mm以上かつ5.0mm以下である。
例えば、静電チャック部2の厚みが0.7mm以上であると、静電チャック部2の機械的強度を十分に確保することができる。静電チャック部2の厚みが5.0mm以下であると、静電チャック部2の熱容量が大きくなりすぎず、載置される板状試料Wの熱応答性が劣化することがない。従って静電チャック部の横方向の熱伝達の増加がなく、板状試料Wの面内温度を所望の温度パターンに維持することができる。なお、ここで説明した各部の厚さは一例であって、前記範囲に限るものではない。
静電吸着用電極13は、電荷を発生させて静電吸着力で板状試料Wを固定するための静電チャック用電極として用いられる。その用途によって、その形状や、大きさが適宜調整される。
静電吸着用電極13は任意に選択される材料から構成できる。例えば、酸化アルミニウム−炭化タンタル(Al−Ta)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−タングステン(Al−W)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タングステン(AlN−W)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タンタル(AlN−Ta)導電性複合焼結体、酸化イットリウム−モリブデン(Y−Mo)導電性複合焼結体等の導電性セラミックス、あるいは、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属により形成されることが好ましい。
静電吸着用電極13の厚みは、特に限定されず任意に選択できる。例えば、0.1μm以上かつ100μm以下の厚みを選択することができ、1μm以上かつ50μm以下の厚みが好ましく、5μm以上かつ20μm以下の厚みがより好ましい。
静電吸着用電極13の厚みが0.1μm以上であると、充分な導電性を確保することができる。静電吸着用電極13の厚みが100μm以下であると、静電吸着用電極13と載置板11および支持板12との間の熱膨張率差に起因し、静電吸着用電極13と載置板11および支持板12との接合界面にクラックが入ることを防止できる。
このような厚みの静電吸着用電極13は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
絶縁材層14は、静電吸着用電極13を囲繞して腐食性ガスおよびそのプラズマから静電吸着用電極13を保護する。また絶縁材層14は、載置板11と支持板12との境界部を、すなわち静電吸着用電極13以外の外周部領域を、接合一体化する。絶縁材層14は、載置板11および支持板12を構成する材料と同一組成または主成分が同一の絶縁材料により構成されている。
(ベース部)
ベース部3は、静電チャック部2を所望の温度に調整するためのもので、厚みのある円板状の部材である。ベース部3は、冷媒が流動する流路31を内部に有する。また、流路31には、ベース部3の外部から流路31内に冷媒を引き込む流入口32と、流路31内の冷媒をベース部3の外部に排出する流出口33と、が連通している。流入口32および流出口33は、ベース部3の底面3Yに開口している。
ベース部3は、流路31が設けられたベース本体30と、流路31の内部に設けられ、ベース本体30の静電チャック部2側の表面の温度を制御する温度制御部が設けられている。温度制御部については後述する。
ベース部3を構成する材料としては、熱伝導性、導電性、および加工性に優れた金属、またはこれらの金属を含む複合材であれば特に制限はなく選択できる。例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅(Cu)、チタン(Ti)、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等が好適に用いられる。ベース部3の少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理が施されているか、あるいはアルミナ等の絶縁膜が成膜されていることが好ましい。
(ヒータエレメント)
静電チャック部2の下面側には、ヒータエレメント5が設けられている。ヒータエレメント5の構造や材料は、任意に選択できる。例を挙げれば、厚みが0.2mm以下、好ましくは0.1mm程度の一定の厚みを有する非磁性金属薄板を、例えばチタン(Ti)薄板、タングステン(W)薄板、およびモリブデン(Mo)薄板等を、フォトリソグラフィー法やレーザー加工により、所望のヒータ形状、例えば帯状の導電薄板を蛇行させた形状などであって、全体輪郭が円環状の形状など、に加工することで得られる。
ヒータエレメント5は、静電チャック部2に非磁性金属薄板を接着した後に、静電チャック部2の表面で加工成型することで設けてもよい。静電チャック部2とは異なる位置でヒータエレメント5を別途加工成形したものを、静電チャック部2の表面に転写印刷することで設けてもよい。
ヒータエレメント5は、厚みの均一な耐熱性および絶縁性を有する、シート状またはフィルム状のシリコーン樹脂またはアクリル樹脂などからなる接着層4により、支持板12の底面に接着および固定されている。
静電チャック部2とベース部3とは、静電チャック部2とベース部3の間に設けられた接着剤層8を介して接着されている。接着剤層8は、例えば、シリコーン系樹脂組成物を加熱硬化した硬化体またはアクリル樹脂で形成されている。接着剤層8は、例えば、流動性を有する樹脂組成物を静電チャック部2とベース部3の間に配置した後に、加熱硬化させることで形成することが好ましい。これにより、静電チャック部2とベース部3と間の凹凸が、接着剤層8により充填され、接着剤層8に空隙や欠陥が生じ難くなる。そのため、接着剤層8の熱伝導特性を面内に均一にすることができ、静電チャック部2の均熱性を高めることができる。
[その他の構成]
静電チャック装置1は、静電チャック部2を厚み方向に貫通する不図示のガス供給孔、およびリフトピン挿通孔を有している。ガス供給孔およびリフトピン挿通孔は、載置面11aに開口している。
ガス供給孔には、He等の冷却ガスが供給される。ガス導入孔から導入された冷却ガスは、載置面11aと板状試料Wの下面と間の隙間や、複数の突起部11bの間を流れ板状試料Wを冷却する。
リフトピン挿通孔には、板状試料Wを支持し、板状試料Wを上下動させる不図示のリフトピンが挿通されている。
(温度制御部)
以下、ベース部が有する温度制御部について説明する。
(フィン部材)
図2は、流路31内に設けられた温度制御部の一例を示す説明図である。図2に示す温度制御部は、流路の延在方向に沿って設けられたフィン(フィン部材)41である。
図2において符号Rで示す矢印は、冷媒の流動方向を示す。すなわち、図2に示す流路31では符号A側が冷媒Rの流動方向において上流側であり、符号B側が冷媒Rの流動方向において下流側である。
図2に示すフィン41は、流路31の上部内壁31aに形成された板状部材である。図2では流路31内に2枚のフィン41が設けられることとしている。
ベース部3において、流路31の内部にフィン41が設けられた箇所は、フィン41が設けられていない箇所と比べ、冷媒Rとの接触面積が増加する。そのため、フィン41が設けられた箇所では、フィン41が設けられていない箇所と比べて、冷媒Rによる冷却効率が高まり、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が低下する。
例えばプラズマ環境下で用いる静電チャック装置においては、プラズマにより静電チャック装置が加熱され、載置面の温度が上昇することがある。ベース部3は、静電チャック部2を冷却することにより、このような温度上昇を抑制し、均熱性を担保するために用いられる。
しかし、静電チャック部2においては、上述したガス供給孔やリフトピン挿通孔などの貫通孔と、貫通孔の周囲とでは温度差が生じやすい。また、ベース部3においては、流路31の引き回し方によって、冷却しやすい箇所と冷却しにくい箇所とが生じることがある。これらの理由により、従来の構成の静電チャック装置においては、載置面の温度が不均一となりやすかった。
対して、本実施形態の静電チャック装置1においては、流路31内の所望の位置にフィン41を設けることで、フィン41を設けた位置における冷媒Rの冷却効率を制御することができる。これにより、ベース部3の静電チャック部2側の温度を制御しやすく、載置面での均熱性を高めることができる。
フィン41を配置する位置は、静電チャック装置の温度分布のシミュレーションから、周囲よりも相対的に温度が高い箇所を選択して決定してもよい。また、温度制御部を有さないベース部、すなわちベース本体30のみをベース部として用いた静電チャック装置を作製し、載置面11aの温度を実測することで、周囲よりも相対的に温度が高い箇所を選択して決定してもよい。
フィン41の数は、設計に応じて変更可能である。フィン41の数を増やすと、フィン41の設置個所において、冷媒Rとベース部3との接触面積が増加して冷却効率が高まる。そのため、フィン41の数を増やすと、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が低下する傾向にある。
また、フィン41の長さL1、幅W1、高さH1は、設計に応じて変更可能である。フィン41の長さL1、幅W1、高さH1を変更することにより、冷媒Rとベース部3との接触面積が変化し冷却効率が高まる。
フィン41の上流側の先端41aは、幅W1が狭くなっているとよい。例えば、先端41aが楔状になっていると、冷媒Rの流れを阻害しにくく、冷却効率が低下しにくいため好ましい。
図3に示すように、フィン41は、流路31の上部内壁31aに設けることとしてもよく、側壁31bに設けることとしてもよく、底部31cに設けることとしてもよい。いずれの位置であっても、流路31の内壁にフィン41を設けることにより、冷媒Rとベース部3との接触面積が増加して冷却効率が向上することが期待される。冷却対象である静電チャック部2がベース部3の上方に配置されているため、上部内壁31aにフィン41を設けると最も効率よく静電チャック部2を冷却可能である。側壁31b、底部31cとフィン41の設ける位置を変更するにしたがって、静電チャック部2の冷却効率が低下する。
このように、温度制御部としてフィン41を用いる場合、フィン41の数、形状、形成位置を制御することによって、冷却効率を制御し、好適にベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度を制御することができる。これにより、載置面11aの均熱性を高めることができる。
図4〜7は、フィン41の効果を示すシミュレーション結果である。
図4は、温度制御部を設けない流路31のシミュレーションモデルを説明する説明図である。図5は、図4の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。
図6は、温度制御部としてフィン41を設けた流路のシミュレーションモデルを説明する説明図である。図7は、図6の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。
図5に示すように、図4のモデルでは、流路31の湾曲部下流側の箇所(符号αで示す)で周囲よりも温度が上昇しており、均熱性が低くなっていることが分かる。
対して、図7に示すように、図6のモデルでは、図5において符号αで示した位置の温度が低下していることが分かる。また、図7に示す結果では、図5の結果と比べ、流路全体において温度が低下するとともに、均熱性が高まっていることが分かる。
(壁部材)
図8は、流路31内に設けられた温度制御部の一例を示す説明図である。図8に示す温度制御部は、流路の幅方向(y軸方向)に沿って設けられた壁部材51である。
図8に示す壁部材51は、流路31の側壁31bから流路31の幅方向に延在して設けられた第1部材511と、第1部材511の端部から冷媒Rの流動方向の後方に延在して設けられた第2部材512と、を有する。
図9に示すように、ベース部3において、流路31の内部に壁部材51が設けられた箇所(符号βで示す)では、流路31の内径が狭まり、冷媒Rの流動を阻害する。そのため、壁部材51が設けられた箇所では、壁部材51が設けられていない箇所と比べて、冷媒Rが流れにくく、相対的に低温の冷媒Rが供給されにくくなる。その結果、壁部材51が設けられた箇所では、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が上昇する。
また、壁部材51が設けられた流路31では、流路の内壁と壁部材51とで囲まれた空間S1が形成される。空間S1内で、冷媒Rが滞留し、流動する冷媒Rよりも温度が上昇しやすい。そのため、壁部材51が設けられた箇所では、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が上昇する。
壁部材51を配置する位置は、静電チャック装置の温度分布のシミュレーションから、周囲よりも相対的に温度が低い箇所を選択して決定してもよい。また、温度制御部を有さないベース部、すなわちベース本体30のみをベース部として用いた静電チャック装置を作製し、載置面11aの温度を実測することで、周囲よりも相対的に温度が低い箇所を選択して決定してもよい。
また、第1部材511の幅W2、第1部材511の高さH2、第2部材512の長さL2は、設計に応じて変更可能である。第1部材511の幅W2、第1部材511の高さH2、第2部材512の長さL2を制御して壁部材51の構成を変更することにより、空間S1の容積を調整することができ、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度を制御することができる。
壁部材51は、流路31の上部内壁31aに設けることとしてもよく、側壁31bに設けることとしてもよく、底部31cに設けることとしてもよい。いずれの位置であっても、流路31の内壁に壁部材51を設けることにより、冷媒Rの流動を阻害し、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が上昇する。
冷却対象である静電チャック部2がベース部3の上方に配置されていることから、上部内壁31aに壁部材51を設けると、空間S1の冷媒の温度が上がりやすい。また、壁部材51の設ける位置を側壁31b、底部31cと変更するにしたがって、空間S1の冷媒の温度が低下する。
壁部材51は、1つのみ設けてもよく、複数設けてもよい。
また、壁部材51は、第2部材512を有さない構成(第1部材511のみからなる構成)であってもよい。
このように、温度制御部として壁部材51を用いる場合、壁部材51の数、形状、形成位置を制御することによって、好適にベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度を制御することができる。
本実施形態の静電チャック装置1においては、流路31内に壁部材51を設けることで、壁部材51を設けた位置における冷媒Rの冷却効率を制御することができる。これにより、ベース部3の静電チャック部2側の温度を制御しやすく、載置面での均熱性を高めることができる。
図10、11は、壁部材51の効果を示すシミュレーション結果である。比較するシミュレーション結果は、上述の図4,5である。
図10は、温度制御部として壁部材51を設けた流路のシミュレーションモデルを説明する説明図である。図11は、図10の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。図10,11のシミュレーションでは、壁部材51として、第1部材511のみの構成を採用した。
図11に示すように、壁部材51を設けた位置において、温度が上昇していることが分かる。
(対向部材)
図12は、流路31内に設けられた温度制御部の一例を示す説明図である。図12に示す温度制御部は、流路31内において流入口32に対向して設けられた対向部材61である。
図12では、対向部材61は、流路31の内壁に設けられた中実の板状部材であることとしているが、これに限らず、メッシュ板やパンチング板のような孔が設けられた板材であってもよい。また、対向部材61は、流路31の内壁に設けられた複数の棒状部材であってもよい。複数の棒状部材は、互いに離間していてもよく、隣接していてもよい。
図13に示すように、ベース部3においては、流入口32と、上部内壁31aの流入口32に対向する箇所(符号γで示す)との間に、対向部材61が設けられている。
対向部材61が存在しない場合には、流入口32から流入する冷媒Rは、符号γで示す箇所に衝突する。流入口32から流入したばかりの冷媒Rは、流路31の内部に存在する冷媒Rの中でも最も低温であることからも、冷媒Rが上部内壁31aに衝突すると、符号γで示す箇所が周囲と比べて冷却されやすくなる。その結果、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の均熱性が低下しやすい。
これに対し、図に示すように流入口32と上部内壁31aとの間に、対向部材61が配置されていることにより、流入口32から流入したばかりの冷媒Rが上部内壁31aに衝突することなく、下流側に流動する。その結果、対向部材61を設けない構成と比べて、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が上昇する。
また、対向部材61が設けられた流路31では、流路の内壁と対向部材61とで囲まれた空間S2が形成される。空間S2内で、冷媒Rが滞留し、流動する冷媒Rよりも温度が上昇しやすい。そのため、対向部材61が設けられた箇所では、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度が上昇する。
また、対向部材61の幅W3、流路31の延在方向の対向部材61の長さL3、対向部材61の上部内壁31aからの離間距離(設置高さ)H3は、設計に応じて変更可能である。幅W3、長さL3、設置高さH3を制御して対向部材61の構成を変更することにより、空間S2の容積を調整することができ、ベース部3(ベース本体30)の静電チャック部2側の表面の温度を制御することができる。
本実施形態の静電チャック装置1においては、流路31内に対向部材61を設けることで、対向部材61を設けた位置における冷媒Rの冷却効率を制御することができる。これにより、ベース部3の静電チャック部2側の温度を制御しやすく、載置面での均熱性を高めることができる。
図14〜17は、対向部材61の効果を示すシミュレーション結果である。
図14は、対向部材61を設けない流路31のシミュレーションモデルを説明する説明図である。図15は、図14の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。
図16は、温度制御部として対向部材61を設けた流路のシミュレーションモデルを説明する説明図である。図17は、図16の流路モデルに冷媒Rを流動させた場合の、ベース部3の表面の温度分布を示すシミュレーション結果である。
図15と図17とを比較すると、対向部材61を設けた図17のシミュレーション結果では、符号δで示した流入口32に対向する位置の温度が、図15のシミュレーション結果における同箇所の温度よりも上昇していることが分かる。また、図17に示す結果では、図15の結果と比べ、流路全体において温度が低下するとともに、均熱性が高まっていることが分かる。
静電チャック装置1においては、上述したフィン41、壁部材51、対向部材61のうち1種のみを有していてもよく、2種以上を併用してもよい。
静電チャック装置1は、以上のような構成となっている。
以上のような構成の静電チャック装置1によれば、均熱性が高く、載置面の温度制御が容易となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…静電チャック装置、2…静電チャック部、3…温度調整用ベース部(ベース部)、11a…載置面、13…静電吸着用電極、30…ベース本体、31…流路、32…流入口、41…フィン(フィン部材、温度制御部)、51…壁部材(温度制御部)、61…対向部材(温度制御部)、511…第1部材、512…第2部材、R…冷媒、W…板状試料

Claims (5)

  1. 一主面に板状試料を載置する載置面を有するとともに静電吸着用電極を備えた静電チャック部と、
    前記静電チャック部に対し前記載置面とは反対側に配置され前記静電チャック部を冷却するベース部と、を有し、
    前記ベース部は、冷媒が流動する流路を内部に有するベース本体と、
    前記流路内に設けられ、前記ベース本体の前記静電チャック部側の表面の温度を制御する温度制御部と、を有する静電チャック装置。
  2. 前記温度制御部は、前記流路の延在方向に沿って設けられたフィン部材である請求項1に記載の静電チャック装置。
  3. 前記温度制御部は、前記流路の幅方向に設けられた壁部材である請求項1または2に記載の静電チャック装置。
  4. 前記壁部材は、前記流路の幅方向に延在して設けられた第1部材と、
    前記第1部材から前記冷媒の流動方向の後方に延在して設けられた第2部材と、を有する請求項3に記載の静電チャック装置。
  5. 前記ベース部は、前記流路と連通する流入口を有し、
    前記温度制御部は、前記流路内において前記流入口に対向して設けられた対向部材である請求項1から4のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
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