JP2020052552A - 導電性パターン基板及び導電性パターン基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子部と外部の構成要素とが接触する面積が確保された導電性パターン基板を提供する。【解決手段】導電性パターン基板であって、表示装置の表示領域に対応する第1領域と、第1領域の周辺に位置する第2領域と、に区画される基材と、基材の第1領域に位置する第1パターンと、基材の第2領域に位置し、第1パターンと電気的に接続された端子部を少なくとも有する第2パターンと、を備え、第1パターンは、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第1導線を含み、第2パターンは、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線と、複数の第2導線のうち並行して延びる少なくとも2つの第2導線の各々に接するよう配置され、遮光性及び導電性を有する複数のベタ部と、を含む、導電性パターン基板。【選択図】図3

Description

本発明は、導電性パターン基板及び導電性パターン基板の製造方法に関する。
メッシュタイプのタッチパネル基板や、移動体用メッシュアンテナや、電磁波シールド基板などの分野において、網目状に配置された導線から構成される配線パターンを備えた導電性パターン基板が利用されている。配線パターンは、引出配線や端子部等の構成と電気的に接続されている。また、端子部は、コネクタやフレキシブル基板などの、導電性パターン基板の外部の構成要素に電気的に接続されている。これにより、配線パターンに生じる電気信号を、導電性パターン基板の外部の構成要素に伝えることができる。
引出配線や端子部等の構成要素をベタパターンによって形成した場合、網目状に配置された導線から構成される配線パターンとの間で剛性の差が生じるために、配線パターンとの境界において応力集中が生じて断線するおそれがあった。このような課題を解決するため、例えば引用文献1においては、引出配線や端子部等の構成要素についても網目状に配置された導線によって形成することが提案されている。
特開2016−162078号公報
端子部を、網目状に配置された導線によって形成した場合には、端子部から外部の構成要素へ電気信号を伝える際に電気信号が通る界面の面積が小さくなる。よって、導電性パターン基板を、端子部を介して外部の構成要素と電気的に接続する際の電気抵抗が増大してしまうことが考えられる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る導電性パターン基板を提供することを目的とする。
本発明は、導電性パターン基板であって、表示装置の表示領域に対応する第1領域と、前記第1領域の周辺に位置する第2領域と、に区画される基材と、前記基材の前記第1領域に位置する第1パターンと、前記基材の前記第2領域に位置し、前記第1パターンと電気的に接続された端子部を少なくとも有する第2パターンと、を備え、前記第1パターンは、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第1導線を含み、前記第2パターンは、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線と、前記複数の第2導線のうち並行して延びる少なくとも2つの前記第2導線の各々に接するよう配置され、遮光性及び導電性を有する複数のベタ部と、を含む、導電性パターン基板である。
本発明による導電性パターン基板において、各第2導線の間には複数の第2導線開口部が画成されており、前記ベタ部の平均面積は、前記第2導線開口部の平均面積よりも大きくてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記基材は、第1方向に延びる第1辺と、前記第1方向に対して直交する第2方向に延びる第2辺とを含む矩形の形状を有し、前記ベタ部は、前記第1方向及び前記第2方向に対して傾斜した傾斜辺を有していてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記傾斜辺と前記第1方向とのなす角度、又は前記傾斜辺と前記第2方向とのなす角度が、15°以上75°以下であってもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記複数のベタ部は、所定の2方向に沿って配列されていてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記ベタ部は、菱形の形状を有し、前記菱形の2つの対角線のうちいずれか一方は、前記第1方向又は前記第2方向のいずれかと平行であってもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記端子部と電気的に接続され、前記基材の法線方向に沿って見た場合に、前記ベタ部の少なくとも一部と重なる導電部を有するコネクタをさらに備えていてもよい。
本発明は、導電性パターン基板の製造方法であって、導電性パターン基板は、前記表示装置の表示領域に対応する第1領域と、前記第1領域の周辺に位置する第2領域と、に区画される基材と、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第1導線を含み、前記基材の前記第1領域に位置する第1パターンと、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線と、前記複数の第2導線のうち並行して延びる少なくとも2つの前記第2導線の各々に接するよう配置された複数のベタ部と、を含み、前記基材の前記第2領域に位置し、前記第1パターンと電気的に接続された、端子部を少なくとも有する第2パターンと、を備え、前記導電性パターン基板の製造方法は、前記基材と、前記基材上に位置する金属層と、を含む積層体を準備する準備工程と、前記積層体の前記金属層が位置する側に、前記第1パターン及び前記第2パターンに対応したパターンを有するレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、前記レジスト層をマスクとして用いて前記金属層をエッチングする金属層エッチング工程と、を備える、導電性パターン基板の製造方法である。
本発明による導電性パターン基板の製造方法において、前記金属層エッチング工程は、前記積層体を搬送方向に搬送しながら、エッチング液を用いて前記金属層をエッチングする工程を含み、前記ベタ部は、前記ベタ部のうち前記搬送方向の下流側に位置する部分の輪郭を画定する傾斜辺を有し、前記傾斜辺は、前記搬送方向と直交する方向に対して傾斜していてもよい。
本発明による導電性パターン基板の製造方法において、前記傾斜辺と前記搬送方向とのなす角度が、15°以上45°以下であってもよい。
本発明による導電性パターン基板の製造方法において、前記ベタ部は、前記搬送方向に平行な対角線を有する菱形の形状を有していてもよい。
本発明による導電性パターン基板の製造方法において、前記菱形は、前記搬送方向に平行な対角線が延びる方向において対向するとともに、鋭角をなす、一対の第1内角を有していてもよい。
本発明によれば、導電性パターン基板を、端子部を介して外部の構成要素と電気的に接続する際の、端子部と外部の構成要素とが接触する面積が確保された導電性パターン基板を提供することができる。
本発明の実施の形態におけるタッチ位置検出機能付き表示装置を示す展開図である。 図1のタッチ位置検出機能付き表示装置におけるタッチパネル基板を示す平面図である。 図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第1パターン及び第2パターンを拡大して示す平面図である。 タッチパネル基板を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図である。 図3において符号Vが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2パターンを拡大して示す平面図である。 タッチパネル基板を図5のVI線に沿って切断した場合を示す断面図である。 図3において符号VIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2パターンを拡大して示す平面図である。 図6におけるタッチパネル基板の端子部に対してコネクタを電気的に接続した場合の断面図である。 ベタ部の変形例に係るタッチパネル基板の第2パターンを拡大して示す平面図である。 タッチパネル基板の製造方法を説明するための図である。 タッチパネル基板の製造方法を説明するための図である。 タッチパネル基板の製造方法を説明するための図である。 タッチパネル基板の製造方法を説明するための図である。 タッチパネル基板の製造方法を説明するための図である。 第1の比較例に係るタッチパネル基板の端子部に対してコネクタを電気的に接続した場合の断面図である 第2の比較例に係るタッチパネル基板の引出配線及び端子部を拡大して示す平面図である。 タッチパネル基板の製造方法の第2の変形例におけるタッチパネル基板を示す平面図である。 タッチパネル基板の第1の変形例におけるタッチパネル基板を示す断面図である。 タッチパネル基板の第2の変形例におけるタッチパネル基板を示す平面図である。 タッチパネル基板の第2の変形例におけるタッチパネル基板を示す断面図である。 タッチパネル基板の第2の変形例におけるタッチパネル基板を示す平面図である。 タッチパネル基板の第2の変形例におけるタッチパネル基板を示す断面図である。 タッチパネル基板の第4の変形例におけるタッチパネル基板を示す断面図である。 タッチパネル基板の第5の変形例におけるタッチパネル基板を示す平面図である。 タッチパネル基板の第5の変形例におけるタッチパネル基板を示す平面図である。 タッチパネル基板の第5の変形例におけるタッチパネル基板を示す断面図である。 本発明の実施の形態におけるメッシュアンテナを示す平面図である。
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「基板」や「基材」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」や「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本実施の形態においては、導電性パターン基板が、外部の導体の接近を検出するタッチパネル基板として機能するものである例について説明する。はじめに、導電性パターン基板によって構成されたタッチパネル基板が組み込まれた表示装置(以下、タッチ位置検出機能付き表示装置とも称する)について説明する。
タッチパネル装置及びタッチ位置検出機能付き表示装置
図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15と、表示装置15の観察者側に配置されたタッチパネル基板30と、を組み合わせることによって構成されている。表示装置15は、表示面16aを有する表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができる矩形状の表示領域A1と、表示領域A1を取り囲むようにして表示領域A1の周辺に配置された非表示領域A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
タッチパネル基板30は、表示装置15の表示面16aに、例えば接着層(図示せず)を介して接着されている。なお図示はしないが、タッチパネル基板30の観察者側には、タッチパネル基板30や表示装置15を保護するための保護カバーが設けられていてもよい。
タッチパネル基板
次に図2を参照して、タッチパネル基板30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネル基板30を示す平面図である。
ここでは、タッチパネル基板30が、投影型の静電容量結合方式のタッチパネル基板として構成される例について説明する。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネル基板は、透光性を有する導電性のパターンを有しており、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネル基板に接近することにより、外部の導体とタッチパネル基板の導電性のパターンとの間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成に伴った電気的な状態の変化に基づき、タッチパネル基板上において外部導体が接近している位置の位置座標が特定される。なお本実施の形態によるタッチパネル基板30において採用されている、後述する技術思想は、自己容量方式又は相互容量方式のいずれにも対応可能である。
タッチパネル基板30は、基材32、第1パターン41及び第2パターン42を備える。タッチパネル基板30は、ダミーパターン47を更に備えていてもよい。以下、タッチパネル基板30の各構成要素について説明する。
(基材)
基材32は、表示装置15側を向く第1面32a及び観察者側を向く第2面32bを含み、透光性を有する部材である。図2に示すように、基材32は、第1方向D1に延びる第1辺32cと、第1方向D1に対して直交する第2方向D2に延びる第2辺32dとを含む矩形の形状を有する。
図1及び図2に示すように、基材32は、表示装置15とタッチパネル基板30とを組み合わせてタッチ位置検出機能付き表示装置10を構成した場合において、表示装置15の表示領域A1に対応する第1領域33と、第1領域33の周辺に位置し、表示装置15の非表示領域A2に対応する第2領域34と、に区画される。
基材32は、タッチパネル基板30において誘電体として機能するものである。基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。なお第1パターン41及び第2パターン42を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば基材32は、タッチパネル基板30における光の反射率や透過率を調整するためのインデックスマッチング層をさらに含んでいてもよい。他にも、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネル基板30を構成する第1パターン41や第2パターン42などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
(第1パターン)
第1パターン41は、基材32の第1面32a上の第1領域33に位置する、導電性を有するパターンである。第1パターン41は、指等の外部導体のタッチパネル基板への接触又は接近を検出するための構成要素である。図2に示すように、複数の第1パターン41が、第1方向D1に帯状に延びている。また、複数の第1パターン41は、第1面32a上において、一定の配列ピッチで第2方向D2に並べられている。第1パターン41の配列ピッチは、タッチ位置の検出に関して求められる分解能に応じて定められるが、例えば数mmである。図2に示すように、基材32の第2面32b上にも第1パターン41が設けられていてもよい。図2に示す例において、第2面32b上に位置する第1パターン41は、第1面32a上に位置する第1パターン41とは異なる方向に、例えば第2方向D2に延びている。なお図2においては、基材32の第1面32a側に設けられている構成要素が実線で表され、基材32の第2面32b側に設けられている構成要素が点線で表されている。図示はしないが、基材32の第1面32a上に、第2方向D2に延びる第1パターン41が設けられ、基材32の第2面32b上に、第1方向D1に延びる第1パターン41が設けられていてもよい。
(第2パターン)
第2パターン42は、基材32の第1面32a上の第2領域34に位置する、導電性を有するパターンである。第2パターン42は、第1領域33と第2領域34の境界において第1パターン41と電気的に接続されている。第2パターン42は、第1パターン41において検出した信号をタッチパネル基板30の外部に取り出すための構成要素である。図2に示すように、基材32の第2面32b上にも第1パターン41が設けられている場合には、第2パターン42もまた第2面32b上にも設けられ、第1パターン41に電気的に接続されていてもよい。
図2に示すように、本実施の形態に係る第2パターン42は、第1パターン41に電気的に接続されている引出配線44、及び引出配線44に対して電気的に接続されていることにより引出配線44を介して第1パターン41に電気的に接続されている端子部45を有する。
引出配線44は、第1パターン41において検出した信号を端子部45へ伝えるための構成要素である。また、端子部45は、第1パターン41において検出した信号をタッチパネル基板30の外部に伝える、又は、外部からの信号を第1パターン41へ入力するための構成要素である。端子部45は、第1パターン41に電気的に接続されている引出配線44よりも大きな幅を有する。端子部45は、例えば、第2パターン42の延在する領域のうち、引出配線44の延在する領域と比べて、第2パターン42の延在する幅が大きくなっている領域として定義される。
(ダミーパターン)
ダミーパターン47は、第1領域33において隣り合う2つの第1パターン41の間に位置するパターンである。ダミーパターン47は、第1パターン41及び第2パターン42のいずれにも電気的に接続されていない。ダミーパターン47は、第1パターン41と同様のパターン及び構造を有する。ダミーパターン47を第1領域33に設けることにより、観察者によって第1パターン41が視認されることを抑制することができる。
(第1パターン及び第2パターンの構成)
次に図3及び図4を参照して、第1パターン41及び第2パターン42の構成について詳細に説明する。図3は、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分において第1面32a上に位置する第1パターン41及び第2パターン42を拡大して示す平面図である。また図4は、タッチパネル基板30を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面の一部を拡大した図である。
まず、第1パターン41の構成について説明する。本実施の形態において、第1パターン41は、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第1導線51を含んでいる。第1導線51が網目状に配置されていることにより、各第1導線51の間には、複数の第1導線開口部51aが画成されている。
第1導線51の面積と第1導線開口部51aの面積とを合わせた面積のうち、第1導線開口部51aによって占められる面積の比率(以下、第1導線51の開口率と称する)が十分に高くなり、これによって、表示装置15からの映像光が、適切な透過率で、タッチパネル基板30のうち基材32の第1領域33に相当する領域を透過することができる限りにおいて、第1パターン41を構成する第1導線51の寸法や形状が特に限られることはない。例えば図3に示す例において、第1パターン41は、菱形に形成された第1導線51を第1方向D1に沿って並べることによって構成されている。図3に示す例においては、菱形の内角のうち鋭角になる内角が第1方向D1に沿って並ぶよう、第1導線51が並べられている。第1導線51の開口率の範囲は、表示装置15から放出される映像光の特性などに応じて適宜設定される。
第1導線51の線幅は、求められる第1導線51の開口率などに応じて設定されるが、例えば第1導線51の幅は1μm以上10μm以下の範囲内、より好ましくは2μm以上7μm以下の範囲内に設定されている。これによって、観察者が視認する映像に対して第1導線51が及ぼす影響を、無視可能な程度まで低くすることができる。第1導線51の厚さは、第1パターン41に対して求められる電気抵抗値などに応じて適宜設定されるが、例えば0.1μm以上5μm以下の範囲内となっている。
次に、第1パターン41を構成する第1導線51の層構成について説明する。
図4に示すように、第1導線51は、密着層61と、密着層61上に設けられた金属層62と、を含んでいる。
このうち密着層61は、例えば、金属層62と基材32との密着性を確保することができる層である。密着層61の材料は、例えば、金属層62と基材32との密着性を確保することができる材料である。好ましくは、密着層61の材料は、金属層62のためのエッチング液に対する溶解性を有する。この場合、同一のエッチング液を用いて金属層62及び密着層61を同時にエッチングすることが可能になる。密着層61は、例えばIn(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)又はMo(モリブデン)を含む。In又はZnを含む密着層61の材料は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの酸化膜系の材料である。
また、金属層62は、第1導線51における導電性を主に実現するための層である。本実施の形態における金属層62の材料は、導線に用いることのできる金属層であれば特に限定されないが、例えばAg系、Cu系又はAl系の合金若しくはCuを含むものである。このような構成の金属層62が第1導線51に設けられることにより、第1導線51における高い導電性を確保することができる。図示はしないが、第1導線51は、金属層62上に設けられ、金属層62を保護するキャップ層を含んでいてもよい。キャップ層の材料としては、例えば上述した密着層61の材料と同様の材料を用いることができる。
なお、図示はしないが、第1導線51は、金属層62上、又はキャップ層上に設けられた低反射層を含んでいてもよい。
低反射層は、金属層62に比べて金属光沢が抑制された層である。低反射層を設けることにより、第1導線51の金属光沢を軽減することができる。
次に、第2パターン42の構成について説明する。図5は、図3において符号Vが付された一点鎖線で囲まれた部分における、引出配線44及び端子部45を有する第2パターン42を拡大して示す平面図である。本実施の形態における引出配線44は、図5に示すように、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線52を含む。また、本実施の形態における端子部45は、図3に示す例においては、符号S1が付された破線で囲まれた領域として定義できる。端子部45は、図5に示すように、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線52と、第2導線52のうち並行して延びる少なくとも2つの第2導線52の各々に接するよう配置された複数のベタ部53とを含む。
第2パターン42が第2導線52を含むことの効果について説明する。まず、第2パターン42が、第1パターン41と同様のパターンを有さず、第2パターンの全面がベタパターンにより構成される場合について考える。この場合、エッチングの際に、網目状の導線を形成する第1パターン41よりも、第2パターン42のほうが、早期にパターン形成が完了してしまう。このため、第2パターン42が形成されてから、第1パターン41が形成されるまでの間に、第2パターン42においてサイドエッチングが進行し、第1パターン41と第2パターン42との間でエッチングの進行度が不均一になってしまう。これに対し、本実施の形態においては、第2パターン42が第1パターン41と同様に網目状の導線を含むことにより、エッチングの進行度を均一にすることができる。
また、第2パターン42が第1パターン41と同様に網目状の導線を含むことにより、第1パターン41と第2パターン42との間の剛性差に起因する断線が生じることを抑制することができる。
第1導線51の場合と同様に、図5に示すように、各第2導線52の間には、複数の第2導線開口部52aが画成されている。なお、第2導線52は、表示装置15の非表示領域A2に対応する第2領域34に位置しており、このため、第2導線52及びその周辺の領域には、映像光を透過させる透光性が不要である。従って、第2導線52は、透光性よりも導電性を重視して構成されていてもよい。例えば、第2導線52の線幅は、第1導線51の線幅よりも大きくてもよい。第2導線52の線幅は、例えば1μm以上30μm以下、好ましくは2μm以上20μm以下である。また、第2導線52の面積と第2導線開口部52aの面積とを合わせた面積のうち、第2導線開口部52aによって占められる面積の比率(以下、第2導線52の開口率と称する)は、第1導線51の開口率よりも小さくてもよい。第2導線52のピッチは、第1導線51のピッチと同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、第2導線52のピッチは、第1導線51のピッチよりも大きい。
ベタ部53は、第1方向D1又は第2方向D2の少なくともいずれかにおいて、第2導線52に比べて大きな寸法を有する、導電性を有する部分である。図5に示す例において、ベタ部53は、第2導線52のうち並行して延びる少なくとも2つの第2導線52の各々に接するよう配置されている。例えば、ベタ部53は、端子部45が全域にわたって網目状の第2導線52によって構成されると仮定した場合に第2導線開口部52aとなる領域を埋めるよう配置されている。図5に示す例において、ベタ部53は、4つの第2導線開口部52aに相当する面積にわたって連続的に広がっている。
第2パターン42に含まれる第2導線52及びベタ部53の層構成は、第1パターン41に含まれる第1導線51と同様とすることができる。
(オーバーコート層)
次に、図4及び図6を参照して、第1パターン41上、又は第2パターン42上に設けられる構成要素について説明する。図6は、タッチパネル基板30を図5のVI線に沿って切断した場合を示す断面図である。本実施の形態に係るタッチパネル基板30は、図4及び図6に示すように、第1パターン41、並びに第2パターン42の引出配線44及び端子部45の一部を覆うように、基材32の第1領域33及び第2領域34の一部に広がるオーバーコート層71を有する。オーバーコート層71は、図6に示すように、端子部45上に端部71aを有する。オーバーコート層71の材料は、透光性及び絶縁性を有し、第1パターン41及び第2パターン42を保護することができる限り特に限定されないが、好ましくはアクリル系樹脂、より好ましくはアクリル系光硬化性樹脂である。オーバーコート層71の厚さは、表示装置15からの映像光が適切な透過率でオーバーコート層71を透過することができる透光性を確保でき、第1パターン41及び第2パターン42を保護することができる限り特に限定されないが、好ましくは0.5μm以上10μm以下である。
(透明導電膜)
図6に示すように、本実施の形態に係るタッチパネル基板30は、透明導電膜72を更に備えていてもよい。図6に示すように、透明導電膜72は、端子部45のうちオーバーコート層71から露出している部分を覆っている。透明導電膜72は、図6に示すように、オーバーコート層71上にまで広がっていてもよい。透明導電膜72の材料は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電性材料である。透明導電膜72の厚さは特に限定されないが、例えば0.1μm以上0.5μm以下である。端子部45を透明導電膜72によって覆うことにより、端子部45の酸化を抑制することができる。
図6及び図7を参照して、透明導電膜72の寸法について説明する。図7は、図2において符号VIIが付された一点鎖線で囲まれた部分において第1面32a上に位置する第2パターン42を拡大して示し、かつ基材32の法線方向に沿って見た場合における透明導電膜72の輪郭線72aを表示した図である。図6及び図7に示す、基材32の法線方向に沿って見た場合に透明導電膜72とオーバーコート層71とが重なる幅W1は、特に限定されないが、例えば10μm以上である。また、図7に示すように、基材32の法線方向に沿って見た場合における1つの透明導電膜72は、端子部45の輪郭を超えて広がっていることが好ましい。この場合、透明導電膜72が、第1方向D1において、端子部45の輪郭を超えて広がる幅W2は、隣接する複数の端子部45上の透明導電膜72同士が導通しない限り、特に限定されないが、例えば5μm以上である。また、透明導電膜72が、第2方向D2において、端子部45の輪郭を超えて広がる幅W3は、特に限定されないが、例えば5μm以上である。
(コネクタ)
次に、図8を参照して、端子部45に対して電気的に接続することができる構成要素について説明する。端子部45には、コネクタ73が電気的に接続されていてもよい。図8は、図6におけるタッチパネル基板30の端子部45に対してコネクタ73を電気的に接続した場合の断面図である。
コネクタ73は、第1パターン41からの信号を、端子部45を介して取り出して外部に伝える、又は、外部からの信号を、端子部45を介して第1パターン41へ入力するための構成要素である。コネクタ73は、端子部45と電気的に接続され、基材32の法線方向に沿って見た場合に、ベタ部53の少なくとも一部と重なる導電部を有する。図8に示すように、本実施の形態においては、透明導電膜72が端子部45の各々を覆っている。このため、本実施の形態においては、端子部45を覆う透明導電膜72に対して導電部を接続することにより、端子部45に対してコネクタ73を電気的に接続することができる。
端子部45に対してコネクタ73を電気的に接続する方法は、特に限定されないが、例えば、図8に示す通り、コネクタ73と端子部45との間に導電性接着層74を設け、導電性接着層74を介してコネクタ73と端子部45とを電気的に接続することができる。
(ベタ部の変形例)
上述の実施の形態においては、ベタ部53が菱形の形状を有する例を示したが、ベタ部53の形状はこれに限られることはない。ベタ部53は、例えば図9に示すように、矩形状の形状を有している。
タッチパネル基板の製造方法
次に、以上のような構成からなるタッチパネル基板30を製造する方法について、図10乃至図14を参照して説明する。なお、本実施の形態における第1パターン41は、第2パターン42と同一の方法により形成されるため、第1パターン41の製造方法については説明を省略する。図10乃至図14は、本実施の形態に係るタッチパネル基板30の製造方法を説明するための図である。なお、図10乃至図14においては、タッチパネル基板30のうち、図6に示した部分、すなわち第1パターン41が分布せず第2パターン42が分布する領域の製造方法のみを示している。
(準備工程)
はじめに図10に示すように、タッチパネル基板30を作製するための元材としての積層体60を準備する。本実施の形態における積層体60は、基材32と、基材32の第1面32a上に設けられた密着層61と、密着層61上に設けられた金属層62と、を備えている。密着層61上に金属層62を形成する方法は特に限定されることはなく、蒸着法やスパッタリング法などの公知の方法が適宜用いられ得る。なお、基材32の第2面32b上にも第2パターン42を形成する場合には、第2面32b上にも密着層61及び金属層62を設けてもよい。
(レジスト層形成工程)
積層体60を準備した後、図11に示すように、金属層62上に、第2パターン42に対応したパターンを有するレジスト層81を形成する。
本実施の形態におけるレジスト層81の一例について説明する。レジスト層81は、例えば特定波長域の光、一例としては紫外線に対する感光性を有する感光層である。感光層のタイプが特に限られることはない。例えば光硬化型の感光層が用いられてもよく、若しくは光溶解型の感光層が用いられてもよい。ここでは、レジスト層81として光溶解型の感光層が用いられる例について説明する。
レジスト層81は、第2パターン42に対応したパターンで形成されている。レジスト層81は、例えば、はじめに、積層体60の表面上にコーターを用いて感光性材料をコーティングし、次に、感光性材料を所定のパターンで露光して現像することによって形成される。
(金属層エッチング工程)
レジスト層81の形成の後、図11に示すレジスト層81をマスクとして用いて、密着層61及び金属層62をエッチングする。本実施の形態においては、積層体60を、図5及び図11において符号D3で示す搬送方向に搬送しながら、エッチング液を用いて、密着層61及び金属層62をエッチングする。これによって、図12に示すように、密着層61及び金属層62をパターニングして、第2パターン42を形成することができる。図11は第1方向D1に沿った断面図である。このため、本実施の形態においては、搬送方向D3は第1方向D1に沿った方向である。
次に、金属層62上に残っているレジスト層81を、アルカリ剥離液を用いて除去する。レジスト層81の除去に用いられるアルカリ剥離液は、レジスト層81を剥離することができる限り特に限定されない。これによって、図13に示すように、レジスト層81を除去することができる。
(オーバーコート層形成工程)
本実施の形態においては、エッチングの後、図14に示すように第2パターン42の引出配線44及び端子部45の一部を覆い、かつ、図示はしないが第1パターン41を覆うように、基材32の第1領域33及び第2領域34の一部に広がるオーバーコート層71を形成する。オーバーコート層71は、例えば以下のように形成することができる。まず、第1パターン41及び第2パターン42を覆うように、アクリル系光硬化性樹脂を含むオーバーコート層材料層を形成する。次に、所定のパターンで開口部が設けられた図示しないマスクを介して、オーバーコート層材料層に所定のパターンで露光光を照射する。これにより、オーバーコート層材料層のうちオーバーコート層71として残るべき部分を硬化させる。その後、オーバーコート層材料層を現像して、オーバーコート層材料層の不要分を除去する。これによって、図14に示すオーバーコート層71を形成することができる。
(透明導電膜形成工程)
オーバーコート層71の形成の後、図6に示すように、端子部45のうちオーバーコート層71から露出している部分を覆う透明導電膜72を形成してもよい。例えば、まず、スパッタリング法などの物理成膜法によって透明導電膜72を形成する。次に、透明導電膜72上に、得ようとする複数の透明導電膜72のパターンに対応したパターンを有するレジストを形成する。次に、レジストをマスクとして用いて、透明導電膜72をエッチングする。これにより、図6に示す透明導電膜72を得ることができる。
以下、本実施の形態に係るタッチパネル基板30の製造方法によってもたらされる作用効果について、比較例と比較することによって具体的に説明する。
〔第1の比較例〕
はじめに第1の比較例として、第2パターン42を、網目状に配置された導線のみから構成する場合について考える。図15は、第2パターン42を、網目状に配置された導線のみから構成した場合におけるタッチパネル基板30の端子部45に対してコネクタ73を電気的に接続した場合の断面図である。この場合、端子部45、又は端子部45上の構成要素(本実施の形態においては、透明導電膜72)と、コネクタ73とが接触する面積が小さいので、両者の界面における電気抵抗が高くなってしまう。
これに対して、本実施の形態における端子部45は、網目状の第2導線52に加えて、複数のベタ部53を更に有している。このため、第1の比較例の場合に比べて、端子部45、又は端子部45上の構成要素と、コネクタ73等の外部の構成要素とが接触する面積を大きくすることができ、両者の界面における電気抵抗を低くすることができる。
なお、本実施の形態においては、端子部45に接触する構成要素が透明導電膜72である例を示したが、その他の構成要素が端子部45に接触していてもよい。例えば、導電性接着層74が端子部45に接触していてもよい。
ところで、導電性接着層74に含まれる粒子の大きさは、直径数μm程度と小さい。このため、第1の比較例のように、端子部45を含む第2パターン42を網目状に配置された導線のみから構成した場合には、導電性接着層74に含まれる粒子が、導線上に位置するのではなく導線の開口部に嵌まりこむことが考えられる。この場合、導線と導電性接着層74との間の導通が十分に確保できなくなる。
これに対して、本実施の形態においては、端子部45がベタ部53を有するので、導電性接着層74に含まれる粒子がベタ部53の上に安定に位置することができる。このため、端子部45と導電性接着層74との間の導通を確保することができる。
ベタ部53の平均面積は、図5に示すように、第2導線開口部52aの平均面積よりも大きくなっていることが好ましい。ベタ部53の平均面積が第2導線開口部52aの平均面積よりも大きいことにより、端子部45と端子部45上の構成要素とが接触する面積を、より大きくすることができる。1つの端子部45内において第2パターン42に含まれるベタ部53の面積の合計は、1つの端子部45の面積の20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。これにより、端子部45と端子部45上の構成要素とが接触する面積を、より大きくすることができる。
〔第2の比較例〕
次に、第2の比較例として、第2パターン42の端子部45の全面を、遮光性及び導電性を有するベタパターンとする場合について考える。図16は、端子部45の全面をベタパターンとした場合における引出配線44及び端子部45を拡大して示す図である。
第2の比較例のデメリットについて説明する。上述の通り、第2パターン42は、金属層62を含む積層体60を準備し、金属層62上にレジスト層81を形成した上で、エッチング液を用いて金属層62をエッチングすることにより、形成される。タッチパネル基板30を製造する場合において、積層体60を搬送方向D3に搬送しながら、積層体60上にエッチング液を供給するとき、エッチング液は、相対的に、搬送方向とは逆向きの方向(図16に示す液流れ方向D4)に、積層体60上を流れていく。具体的には、エッチング液は、金属層62のうち引出配線44に対応する部分を通過した後、金属層62のうち端子部45に対応する部分に到達する。
第2の比較例の場合、端子部45に対応する金属層62の全面がレジスト層81によって覆われている。よって、端子部45を形成する領域には、エッチング液が侵入できるレジスト層81の隙間がない。したがって、引出配線44を形成する領域のうち、端子部45を形成する領域との境界近傍領域44aには、エッチング液が滞留しやすくなる。この結果、境界近傍領域44aにおいて、金属層62のサイドエッチングが進行し、第2導線52の細線化及び断線が生じやすくなるおそれがある。
これに対して本実施の形態における端子部45は、図5に示すように、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線52を有し、各第2導線52の間には、複数の第2導線開口部52aが画成される。このため、積層体60を搬送方向D3に搬送しながら金属層62をエッチングするとき、第2導線開口部52aとなる領域は、エッチング液が侵入できるレジスト層81の隙間となっている。これによって、エッチング液を、第2導線開口部52aとなる領域を介して図5に示す方向D5に流すことができる。したがって、エッチング液の滞留を抑制して、第2導線52の細線化及び断線を抑制することができる。この点において第2の比較例よりも優れている。
次に、ベタ部53の輪郭を画定する辺の好ましい形態について説明する。図5に示すように、ベタ部53は、ベタ部のうち搬送方向D3の下流側に位置する部分の輪郭を画定する傾斜辺55を有することが好ましい。本実施の形態における傾斜辺55とは、図5に示すように、搬送方向D3と直交する方向に対して傾斜している辺である。図5に示す例において、傾斜辺55は、搬送方向D3(ここでは第1方向D1に等しい)及び第2方向D2の両方に対して傾斜している。この場合、図5における方向D5として示したように、エッチング液の液流れ方向を、直角より小さな角度だけ曲げることにより、傾斜辺55の傾斜に沿うようにして、エッチング液を流すことができる。このため、エッチング液の滞留を抑制して、第2導線52の細線化及び断線を抑えることができる。なお、図5においては、ベタ部のうち搬送方向D3の上流側に位置する部分の輪郭を画定する辺も傾斜辺である例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、ベタ部のうち搬送方向D3の上流側に位置する部分の輪郭を画定する辺は、搬送方向D3と直交する方向に対して傾斜していなくてもよい。
傾斜辺55と搬送方向D3とのなす角度(図5に示す角度α)は特に限定されないが、15°以上45°以下であることが好ましく、15°以上40°以下であることがより好ましい。角度αは、搬送方向D3と逆方向である液流れ方向D4と傾斜辺55とのなす角度(図5に示す角度β)と等しい。よって、角度αを上記の範囲とすることにより、角度βを小さな値に制御して、液流れ方向D4に流れるエッチング液を、傾斜辺55の傾斜に沿うようにして流すために必要な液流れ方向の角度変化を、より小さくすることができる。また、傾斜辺55と第1方向D1とのなす角度、又は傾斜辺55と第2方向D2とのなす角度は、15°以上75°以下であってもよい。
また、図5に示すように、ベタ部53は、所定の2方向に沿って配列されていることが好ましい。所定の2方向とは、例えば図5における方向d1及び方向d2である。ここで、「所定の2方向に沿って配列されている」とは、ある一つのベタ部53が有する、異なる方向に延びる2辺をそれぞれ延長すると、それぞれの延長直線上に、別のベタ部53の辺が重なることを意味する。
ベタ部53が所定の2方向に沿って配列されていることにより、あるベタ部53の辺に沿って流れるエッチング液を、さらに、ベタ部53の辺の延長直線上に重なる別のベタ部53の辺に沿って流すことができる。このため、エッチング液の滞留をより抑制することができる。
また、図5に示すように、ベタ部53は、搬送方向D3に平行な対角線を有する菱形の形状を有することが好ましい。菱形は、搬送方向D3に平行な対角線が延びる方向において対向するとともに、鋭角をなす、一対の第1内角56を有することがより好ましい。これにより、全ての傾斜辺55について、搬送方向D3と逆方向である液流れ方向D4と、傾斜辺55とのなす角度(図5における角度α)を、少なくとも45°より小さくすることができる。このため、液流れ方向D4に流れるエッチング液を、傾斜辺55の傾斜に沿うようにして流すために必要な液流れ方向の角度変化を、より小さくすることができる。
なお、図示はしないが、引出配線44も、端子部45と同様にベタ部53を有していてもよい。引出配線44がベタ部53を有することにより、引出配線44と端子部45との構成要素が同じになるため、引出配線44と端子部45とを同一のエッチング方法により形成しつつ、エッチングの進行度を揃えることができる。また、引出配線44の面積を大きくして、引出配線の電気抵抗を低減することができる。
また、上述の実施の形態においては、搬送方向D3が第1方向D1と平行である例を示したが、これに限られることはなく、搬送方向D3が第2方向D2と平行であってもよい。上述のように、傾斜辺55は、第1方向D1及び第2方向D2の両方に対して傾斜している。このため、搬送方向D3が第2方向D2と平行である場合にも、傾斜辺55の傾斜に沿うようにして、エッチング液を流すことができる。
(タッチパネル基板の製造方法の第1の変形例)
上述の実施の形態においては、第2パターン42のベタ部53が、第1パターン41と比較して搬送方向の上流側に位置するように、積層体60を搬送しながらエッチングする、タッチパネル基板30の製造方法について説明した。しかしながら、本実施の形態に係るタッチパネル基板30の製造方法は、これに限られない。例えば、図3に示すタッチパネル基板30の製造の際に、第2方向D2を搬送方向として搬送してもよい。この場合、ベタ部53は、搬送方向に垂直な方向において第1パターン41と並ぶことになる。
なお、第2方向D2を搬送方向とした場合には、ベタ部53の辺のうち、搬送方向である第2方向D2の下流側に位置する部分の輪郭を画定する辺が、搬送方向と直交する方向に対して傾斜している傾斜辺であることが好ましい。これにより、ベタ部53の周囲においてエッチング液の滞留が生じることを抑制することができる。このことにより、ベタ部53に接続された導線の細線化及び断線が生じることを抑制することができる。
(タッチパネル基板の製造方法の第2の変形例)
上述の実施の形態及びタッチパネル基板の製造方法の第1の変形例においては、ベタ部53が、所定の一方向において第1パターン41から変位した位置に設けられる例を示した。例えば、上述の実施の形態においては、ベタ部53が第1パターン41に対して搬送方向の上流側に位置する例を示した。また、第1の変形例においては、ベタ部53が第1パターン41に対して、搬送方向に垂直な二方向のうちの一方の側に位置する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、ベタ部53は、第1パターン41に対して複数方向に位置していてもよい。
一例として、図17に示すタッチパネル基板30について説明する。図17に示すタッチパネル基板30は、矩形状の基材32の4辺のうちの3辺に位置する複数の引出配線44と、引出配線44に接続された端子部45と、を含む。引出配線44は、図示はしないが、上述の実施の形態における端子部45と同様に、複数の第2導線52に加えて、第2導線52に接続されたベタ部53を含む。このため、図17に示す例においては、ベタ部53が、第1パターン41に対して、搬送方向D3の上流側、下流側、及び搬送方向D3に垂直な二方向のうちの一方の側にそれぞれ位置する。
本変形例においても、各位置に設けられたベタ部53の辺のうち、搬送方向D3の下流側に位置する部分の輪郭を画定する辺が、搬送方向と直交する方向に対して傾斜している傾斜辺であることが好ましい。これにより、ベタ部53の周囲においてエッチング液の滞留が生じることを抑制することができる。このことにより、ベタ部53に接続された導線の細線化及び断線が生じることを抑制することができる。
(タッチパネル基板の第1の変形例)
図18は、タッチパネル基板30の第1の変形例を示す図である。図18は、タッチパネル基板の第1の変形例の第1領域33における部分断面図を示している。なお、図18においては、密着層61や金属層62などの第1導線51の層構成の図示は省略し、第1導線51の輪郭のみを図示している。また、図18においては、基材32の第2面32bが図中の上方を向くようにして、部分断面図を表示している。タッチパネル基板の第1の変形例においては、タッチパネル基板30の一方の面に、異なる方向に延び、互いに接続されていない2種類の第1パターン41が設けられている。以下、タッチパネル基板30が、延びる方向などが異なる2種類の第1パターン41を備える場合に、2種類の第1パターン41の一方を、一方の第1パターン41aとも称し、他方を、他方の第1パターン41bとも称する。タッチパネル基板の第1の変形例においては、図18に示すように、基材32の第2面32b上に一方の第1パターン41aが設けられている。そして、一方の第1パターン41aを覆うように、第1のオーバーコート層71bが設けられている。さらに、第1のオーバーコート層71b上に、他方の第1パターン41bが設けられ、他方の第1パターン41bを覆うように、第2のオーバーコート層71cが設けられている。図示はしないが、タッチパネル基板30の第2のオーバーコート層71c上には、保護カバーが設けられてもよい。
(タッチパネル基板の第2の変形例)
図19及び図20は、タッチパネル基板の第2の変形例を示す図である。図19は、タッチパネル基板の第2の変形例の第1領域33における部分平面図を示している。なお、図19においては、第1導線開口部51aが正方形となるように形成された第1導線51によって第1パターン41が構成されている場合を示している。図20は、タッチパネル基板30を図19のXX線に沿って切断した場合を示す部分断面図である。なお、図20においては、密着層61や金属層62などの導線の層構成の図示は省略し、導線の輪郭のみを図示している。また、図20においては、基材32の第2面32bが図中の上方を向くようにして、部分断面図を表示している。タッチパネル基板の第2の変形例においては、基材32の平面視において、一方の第1パターン41aと、他方の第1パターン41bとが重なる部分に、オーバーコート層71が設けられている。そして、一方の第1パターン41aは、オーバーコート層71上を経由して延び、他方の第1パターン41bは、基材32とオーバーコート層71との間を経由して延びている。これによって、基材32の平面視において2種類の第1パターン41が重なる部分において、2種類の第1パターン41が電気的に接続されてしまうことを避けている。
図20に示す例において、一方の第1パターン41aは、オーバーコート層71上を経由して延びる一方の第1導線51cを有する。また、他方の第1パターン41bは、複数に分割された他方の第1導線51dと、基材32とオーバーコート層71との間を経由して延び、複数に分割された他方の第1導線51dを互いに接続する接続導線57とを有する。図示はしないが、タッチパネル基板の第2の変形例において、一方の第1パターン41aが、基材32とオーバーコート層71との間を経由して延びる一方の第1導線51cを有し、他方の第1パターン41bが、複数に分割された他方の第1導線51dと、オーバーコート層71上を経由して延び、複数に分割された他方の第1導線51dを互いに接続する接続導線57とを有してもよい。
また、タッチパネル基板の第2の変形例は、図21及び図22に示すように、基材32の第2面32b上に設けられた接続導線57と、接続導線57を部分的に露出させる溝部71dを有し、溝部71dが設けられた部分を除いて基材32の全体を覆うように設けられたオーバーコート層71と、を有していてもよい。この場合、一方の第1パターン41aは、オーバーコート層71上に設けられた第1導線51cを有する。また、他方の第1パターン41bは、上述の接続導線57と、オーバーコート層71上に設けられ、複数に分割された他方の第1導線51dと、を有する。図22に示すように、複数に分割された他方の第1導線51dは、それぞれ溝部71dを通して接続導線57に電気的に接続される。
タッチパネル基板の第2の変形例においては、図示はしないが、オーバーコート層71上に設けられた導線を覆うように、さらに追加のオーバーコート層を設けてもよい。また、図示はしないが、タッチパネル基板30の追加オーバーコート層上には、保護カバーが設けられてもよい。
(タッチパネル基板の第3の変形例)
タッチパネル基板の第1の変形例、及びタッチパネル基板の第2の変形例においては、基材32の第2面32b上に、異なる方向に延びる2種類の第1パターン41の両方を設ける場合について示した。しかしながら、これに限られることなく、基材32の第1面32a上に、異なる方向に延びる2種類の第1パターン41の両方を設けてもよい。この場合において、タッチパネル基板30を用いてタッチパネルを製造するときには、基材32は、タッチパネルの保護カバーとして利用されてもよい。
(タッチパネル基板の第4の変形例)
タッチパネル基板の第4の変形例において、タッチパネル基板30は、2枚の基材32を有する。そして、2枚の基材32の一方に一方の第1パターン41aが設けられ、基材32の他方に、他方の第1パターン41bが設けられている。図23は、タッチパネル基板30の第4の変形例を示す図である。図23は、タッチパネル基板の第4の変形例の第1領域33における部分断面図を示している。なお、図23においては、密着層61や金属層62などの第1導線51の層構成の図示は省略し、第1導線51の輪郭のみを図示している。また、図23においては、基材32の第2面32bが図中の上方を向くようにして、部分断面図を表示している。図23に示すタッチパネル基板は、第1積層部63と、第2積層部64と、第1積層部63と第2積層部64とを接続する接続部65とを有する。第1積層部63は、基材32と、基材32の第2面32b上に設けられた一方の第1パターン41aと、一方の基材32及び一方の第1パターン41aを覆うオーバーコート層71と、を有する。また、第2積層部64は、基材32と、基材32の第2面32b上に設けられた他方の第1パターン41bと、基材32及び一方の第1パターン41aを覆うオーバーコート層71と、を有する。図23に示す例においては、第1積層部63のオーバーコート層71側と、第2積層部64の基材32側とが、接続部65によって接続されている。図23に示すタッチパネル基板30においては、第1積層部63側に表示装置15が配置される。なお、第4の変形例に係るタッチパネル基板30は、図23に示すタッチパネル基板30と同様の層構成を有し、第2積層部64側に表示装置15が配置されるタッチパネル基板30であってもよい。
(タッチパネル基板の第5の変形例)
図24乃至図26は、タッチパネル基板の第5の変形例を示す図である。図24は、タッチパネル基板の第5の変形例の部分平面図を示している。なお、図24においては、第1パターン41に含まれる網目状の第1導線51の図示は省略し、第1パターン41の概形を示している。また、図24においては、ダミーパターン47の図示は省略している。図25は、図24において符号XXVが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図である。図26は、タッチパネル基板30を図25のXXVI線に沿って切断した場合を示す部分断面図である。なお、図26においては、密着層61や金属層62などの導線の層構成の図示は省略し、導線の輪郭のみを図示している。図24に示す例において、一方の第1パターン41aは、一方向に延びている。また、図24に示す例において、他方の第1パターン41bは、一方の第1パターン41aが延びる方向に並べられた複数の第1パターン構成単位41b1〜41b5を有する。図24及び図25に示すように、複数の第1パターン構成単位41b1〜41b5は、それぞれ一方の第1パターン41aと対向している。図26に示すように、一方の第1パターン41a及び他方の第1パターン41bは、基材32の第1面32a上に設けられている。図示はしないが、一方の第1パターン41a及び他方の第1パターン41bは、基材32の第2面32b上に設けられていてもよい。タッチパネル基板の第5の変形例においては、例えば、一方の第1パターン41aがタッチパネルの駆動パターンとして用いられ、他方の第1パターン41bがタッチパネルの検出パターンとして用いられる。
(タッチパネル基板の第6の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、タッチパネル基板30が、表示装置15とは異なる構成要素となっている場合について示した。しかしながら、タッチパネル基板30の形態はこれに限られず、タッチパネル基板30は、表示装置15の一構成要素となっていてもよい。この場合において、第6の変形例に係るタッチパネル基板30を用いてタッチパネルを製造するときには、表示装置15の一構成要素となっているタッチパネル基板30と、表示装置15とは異なる構成要素となっているタッチパネル基板30とを組み合わせて、タッチパネルを製造してもよい。
導電性パターン基板のその他の用途
上述の実施の形態においては、導電性パターン基板をタッチパネル基板30として用いる例を示したが、導電性パターン基板の用途はこれに限られることはない。例えば図27に示すように、第1パターン41をループ状に形成して、メッシュアンテナとして用いることができる。図27に示す例において、第1パターン41は、基材32の第1面32a上に設けられている。図示はしないが、第1パターン41は、第2面32b上に設けられていてもよい。なお、図示はしないが、第1パターン41の間にはダミーパターンが形成されている。
10 タッチ位置検出機能付き表示装置
15 表示装置
16 表示パネル
16a 表示面
30 タッチパネル基板
32 基材
32a 第1面
32b 第2面
32c 第1辺
32d 第2辺
33 第1領域
34 第2領域
41 第1パターン
42 第2パターン
44 引出配線
45 端子部
47 ダミーパターン
51 第1導線
51a 第1導線開口部
52 第2導線
52a 第2導線開口部
53 ベタ部
55 傾斜辺
57 接続導線
60 積層体
61 密着層
62 金属層
71 オーバーコート層
71a 端部
72 透明導電膜
73 コネクタ
74 導電性接着層
81 レジスト層
90 メッシュアンテナ

Claims (13)

  1. 導電性パターン基板であって、
    表示装置の表示領域に対応する第1領域と、前記第1領域の周辺に位置する第2領域と、に区画される基材と、
    前記基材の前記第1領域に位置する第1パターンと、
    前記基材の前記第2領域に位置し、前記第1パターンと電気的に接続された端子部を少なくとも有する第2パターンと、を備え、
    前記第1パターンは、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第1導線を含み、
    前記第2パターンは、網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線と、前記複数の第2導線のうち並行して延びる少なくとも2つの前記第2導線の各々に接するよう配置され、遮光性及び導電性を有する複数のベタ部と、を含む、導電性パターン基板。
  2. 各第2導線の間には複数の第2導線開口部が画成されており、
    前記ベタ部の平均面積は、前記第2導線開口部の平均面積よりも大きい、請求項1に記載の導電性パターン基板。
  3. 1つの前記端子部内において前記第2パターンに含まれる前記ベタ部の面積の合計は、1つの前記端子部の面積の20%以上である、請求項1又は2に記載の導電性パターン基板。
  4. 前記基材は、第1方向に延びる第1辺と、前記第1方向に対して直交する第2方向に延びる第2辺とを含む矩形の形状を有し、
    前記ベタ部は、前記第1方向及び前記第2方向に対して傾斜した傾斜辺を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  5. 前記傾斜辺と前記第1方向とのなす角度、又は前記傾斜辺と前記第2方向とのなす角度が、15°以上75°以下である、請求項4に記載の導電性パターン基板。
  6. 前記複数のベタ部は、所定の2方向に沿って配列されている、請求項4又は5に記載の導電性パターン基板。
  7. 前記ベタ部は、菱形の形状を有し、
    前記菱形の2つの対角線のうちいずれか一方は、前記第1方向又は前記第2方向のいずれかと平行である、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  8. 前記端子部と電気的に接続され、前記基材の法線方向に沿って見た場合に、前記ベタ部の少なくとも一部と重なる導電部を有するコネクタをさらに備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  9. 導電性パターン基板の製造方法であって、
    前記導電性パターン基板は、表示装置の表示領域に対応する第1領域と、前記第1領域の周辺に位置する第2領域と、に区画される基材と、
    網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第1導線を含み、前記基材の前記第1領域に位置する第1パターンと、
    網目状に配置され、遮光性及び導電性を有する複数の第2導線と、前記複数の第2導線のうち並行して延びる少なくとも2つの前記第2導線の各々に接するよう配置された複数のベタ部と、を含み、前記基材の前記第2領域に位置し、前記第1パターンと電気的に接続された、端子部を少なくとも有する第2パターンと、を備え、
    前記導電性パターン基板の製造方法は、前記基材と、前記基材上に位置する金属層と、を含む積層体を準備する準備工程と、
    前記積層体の前記金属層が位置する側に、前記第1パターン及び前記第2パターンに対応したパターンを有するレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
    前記レジスト層をマスクとして用いて前記金属層をエッチングする金属層エッチング工程と、を備える、導電性パターン基板の製造方法。
  10. 前記金属層エッチング工程は、前記積層体を搬送方向に搬送しながら、エッチング液を用いて前記金属層をエッチングする工程を含み、
    前記ベタ部は、前記ベタ部のうち前記搬送方向の下流側に位置する部分の輪郭を画定する傾斜辺を有し、
    前記傾斜辺は、前記搬送方向と直交する方向に対して傾斜する、請求項9に記載の導電性パターン基板の製造方法。
  11. 前記傾斜辺と前記搬送方向とのなす角度が、15°以上45°以下である、請求項10に記載の導電性パターン基板の製造方法。
  12. 前記ベタ部は、前記搬送方向に平行な対角線を有する菱形の形状を有する、請求項10又は11に記載の導電性パターン基板の製造方法。
  13. 前記菱形は、前記搬送方向に平行な対角線が延びる方向において対向するとともに、鋭角をなす、一対の第1内角を有する、請求項12に記載の導電性パターン基板の製造方法。
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