JP2020052126A - 電子機器 - Google Patents

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Koichi Odagaki
光一 小田垣
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Abstract

【課題】フレキシブル基板の断線を防ぐ。【解決手段】デジタルカメラ101は、カメラ本体部108に対して収納および突出可能なストロボ発光部109を有する。フレキシブル基板116は、一端部116aに近い側から順に、半田付部159、第1の曲げ部177、被固定部160、第2曲げ部178を有する。ベース124の基板固定部139は、被固定部160の厚み方向に延設された第1壁部174と第2壁部175とを有する。被固定部160の突起部167、168が壁部174、175に当接しているので、被固定部160は移動しない。【選択図】図16

Description

本発明は、フレキシブル基板を有する電子機器に関する。
従来、相対的に可動するユニット間を接続するフレキシブル基板を有する電子機器が知られている。例えば、機器本体に対してストロボ発光部の相対的な位置が変更できるように構成された撮像装置等の電子機器では、機器本体とストロボ発光部との間を電気的に接続するフレキシブル基板が採用される。ストロボ発光部の位置の変化に応じて、フレキシブル基板が所定の変形をすることにより、機器本体とストロボ発光部との間の電気的な接続が維持される。
フレキシブル基板には、補強や保護のために補強板や保護シートが貼られることがある。ところが、フレキシブル基板に所定の変形が繰り返し加わると、補強板や保護シートのある部分とない部分との境界等に変形が集中する。このように、フレキシブル基板の特定の箇所に変形が集中すると曲げ応力の集中により断線等が発生するおそれがある。そのため、変形の集中に起因するフレキシブル基板の断線対策が重要となる。
特開平8−184883号公報
特許文献1では、フレキシブル基板がストロボ発光部収容室の中でたるみをもって配置されたストロボ内蔵カメラが開示される。このカメラでは、ストロボ発光部がポップアップしてフレキシブル基板が緊張した時に、フレキシブル基板に設けたたるみが吸収されてフレキの過緊張が抑えられる。しかし、フレキシブル基板の特定の箇所への変形の集中を防止できないため、断線対策として改善の余地がある。
本発明は、フレキシブル基板の断線を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、第1ユニットと、前記第1ユニットに対して相対的に移動可能な第2ユニットと、前記第1ユニットに対して一端部が電気的および機械的に接続されるフレキシブル基板と、を有する電子機器であって、前記フレキシブル基板の他端部には、半田が設けられることで前記第2ユニットに対して電気的および機械的に接続される半田付部が設けられ、前記フレキシブル基板は、さらに、前記フレキシブル基板の配線方向において前記半田付部に対して前記一端部側に隣接する第1の曲げ部と、前記配線方向において前記第1の曲げ部に対して前記一端部側に隣接する平坦な被固定部と、前記配線方向において前記被固定部に対して前記一端部側に隣接する第2の曲げ部と、を有し、前記第2ユニットには、前記被固定部と係合し、前記被固定部の少なくとも前記一端部側への移動を規制する規制部が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、フレキシブル基板の断線を防ぐことができる。
電子機器の斜視図である。 電子機器の斜視図である。 デジタルカメラの内部構造を示す斜視図である。 ストロボ発光部の収納状態、突出状態におけるストロボユニットの斜視図である。 ストロボユニットの分解斜視図である。 ストロボ発光部の斜視図である。 ストロボ発光部の分解斜視図である。 前カバーの斜視図である。 キセノン管ユニットの斜視図である。 ベースの斜視図である。 可動部の腕部の分解斜視図である。 板状部材の斜視図である。 ユニット固定部の斜視図である。 フレキシブル基板の斜視図である。 フレキシブル基板の他端部近傍の斜視図である。 被固定部周辺におけるストロボ発光部の要部拡大斜視図である。 ストロボ発光部の要部拡大断面図である。 ストロボ発光部の要部拡大断面図である。 ストロボユニットの縦断面図である。 ストロボユニットの縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)、(b)、図2は、本発明の一実施の形態に係る電子機器の斜視図である。この電子機器として、撮像装置としてのデジタルカメラ101を例示する。図1(a)、図2は、デジタルカメラ101を正面側(被写体側)から見た斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ101を背面側から見た斜視図である。以下の説明では、方向に関し、XYZ座標系を用いて説明する。+Z方向が正面側(被写体方向;前方)であり、−Z方向が背面側(後方)である。+Y方向/−Y方向が上方/下方である。デジタルカメラ101は、カメラ本体部108に対して収納および突出可能なストロボ発光部109を有する。
ストロボ発光部109は、閃光を発して暗所での撮影等の際に使用される。ストロボ発光部109は所定の範囲内で、カメラ本体部108に対してその相対的位置を変更可能に構成されている。ストロボ発光部109は、図1(a)、(b)では収納状態、図2では突出状態となっている。すなわち、ストロボ発光部109は使用されないときにはカメラ本体部108に収納された収納状態となる(図1(a)、(b))。また、ストロボ発光部109は使用されるときには、カメラ本体部108から上方に突出した突出状態となる(図2)。
カメラ本体部108には、撮像動作を指示するレリーズボタン102、ズーム倍率操作部103、各種撮影モードを設定するモードダイヤル104、各種操作を行う操作ボタン110a〜110iが備えられる。操作ボタン110cは、上下左右の4方向に操作が可能な操作ボタンである。操作ボタン110gはデジタルカメラ101の電源を入れたり電源を切ったりする際に操作する電源ボタンである。デジタルカメラ101はまた、レンズ鏡筒106のほか、撮影画像等種々の情報を表示するディスプレイ112を備える。レンズ鏡筒106は、レンズ105を含む複数のレンズからなる撮影レンズ群の各々の撮影レンズを所定の位置に保持する。デジタルカメラ101はさらに、外部機器と通信する不図示の端子を覆う端子カバー111や、リング状の回転操作部材107を備えている。
図3は、デジタルカメラ101の内部構造を示す斜視図である。図3では、ディスプレイ112、背面のカバー部材、上面のカバー部材等を除去したデジタルカメラ101を、内部の構造が見えるように背面から見ている。デジタルカメラ101は、ストロボユニット113を有している。ストロボユニット113は、可動部114、ユニット固定部115、およびフレキシブル基板116を有する。ストロボ発光部109は可動部114に含まれる。また、デジタルカメラ101は、カメラ本体部108に固定された制御基板122を有している。制御基板122は、ストロボ発光部109の発光を制御するための回路を有する。制御基板122にはコネクタ123が搭載されている。
図4(a)、(b)は、ストロボ発光部109の収納状態(図1)、突出状態(図2)におけるストロボユニット113の斜視図である。図5は、ストロボユニット113の分解斜視図である。ユニット固定部115はカメラ本体部108に固定される。可動部114はユニット固定部115に対して相対的に移動可能にユニット固定部115に保持される。従って、可動部114に設けられているストロボ発光部109は、収納状態と突出状態という2つの状態をとることが可能となる。
図5に示すように、ストロボユニット113は、第1シャフト117、腕部118、第2シャフト119を有する。可動部114は、ストロボ発光部109、第1シャフト117および腕部118から構成されている。ストロボ発光部109と腕部118とが、第1シャフト117を中心として回動自在に連結される。また、腕部118とユニット固定部115とが、第2シャフト119によって回動自在に連結される。ストロボ発光部109は、腕部118およびユニット固定部115を介してカメラ本体部108に対して相対移動する。カメラ本体部108は第1ユニットであり、ストロボ発光部109は第2ユニットである。フレキシブル基板116には絶縁テープ157が巻き付けられている。
図6は、ストロボ発光部109の斜視図である。図7は、ストロボ発光部109の分解斜視図である。ストロボ発光部109は、キセノン管ユニット120、前カバー121、ベース124、ビス125、126を有する。図8は前カバー121の斜視図である。前カバー121は、カバー穴127、128、カバー窓129を有している。前カバー121の内側面(−Y方向の面)には第1カバー面180(第1面)と第2カバー面181(第3面)とが形成されている。第1カバー面180と第2カバー面181との境界には段差179が存在し、第2カバー面181よりも第1カバー面180の方が−Y方向に少し突出している。第1カバー面180と第2カバー面181とは略平行である。
図9(a)、(b)は、キセノン管ユニット120の斜視図である。キセノン管ユニット120は、不図示のキセノン管と発光制御コイルを有する。接続端子130および接続端子131はキセノン管に電気的に接続される。接続端子132および接続端子133は発光制御コイルに電気的に接続される。ストロボレンズ134は、キセノン管が発光した際の光を所望の角度で放出するためのレンズである。ストロボレンズ134はストロボ発光部109が組み立てられた状態で、前カバー121のカバー窓129(図8)から露出する。
図10(a)、(b)はベース124の斜視図である。ベース124にはベース穴135、136、137、138が形成されている。ベース124は、フレキシブル基板116が固定されるための基板固定部139を有している。基板固定部139には、フレキシブル基板116の後述する第1突起部167(図16)に対応する位置に、第1受け面172と第1壁部174とが設けられている。基板固定部139にはまた、フレキシブル基板116の後述する第2突起部168(図16)に対応する位置に、第2受け面173と第2壁部175とが設けられている。第1壁部174および第2壁部175が一対の壁部である。基板固定部139へのフレキシブル基板116の固定の態様の詳細については後述する。受け面172、173(第2面)の上面(+Y方向の面)同士は略面一である。壁部174、175の上端(+Y方向の端)同士も略面一である。
図11は、可動部114の腕部118の分解斜視図である。腕部118は、板状部材140、141、142、ビス143、144を有する。板状部材141には穴145、146が形成されている。板状部材141はさらに、凹部169が形成されている。板状部材142には穴147、148が形成されている。
図12は、板状部材140の斜視図である。板状部材140は、ネジ穴149、150(図11)のほか、穴151、152、153、154を有している。ネジ穴149とネジ穴150の内壁に雌ネジが形成されている。図13は、ユニット固定部115の斜視図である。ユニット固定部115は穴155、156を有している。ユニット固定部115にはまた、ユニット固定穴170(図5)が形成されている。
図14は、フレキシブル基板116の斜視図である。上述したように、フレキシブル基板116には絶縁テープ157が所定の箇所に巻き付けられている。絶縁テープ157は、高電圧の信号が流れるフレキシブル基板116上の配線を保護するために設けられる。フレキシブル基板116の一端部116aには接続端子158が設けられる。接続端子158がコネクタ123に接続されることで、フレキシブル基板116は制御基板122に電気的および機械的に接続される。フレキシブル基板116の他端部116bには半田付部159が設けられる。他端部116bにおける半田付部159よりも一端部116a寄りの位置には、ストロボ発光部109に固定されるための被固定部160が設けられている。
図15(a)、(b)は、フレキシブル基板116の他端部116b近傍の斜視図である。図15(a)では絶縁テープ157が巻き付けられていない状態を示し、図15(b)では絶縁テープ157が巻き付けられている状態を示している。半田付部159は半田190(図17、図19、図20)が設けられる箇所である。フレキシブル基板116は、一端部116aに近い側から順に、半田付部159、第1の曲げ部177、被固定部160、第2曲げ部178を有する。すなわち、第1の曲げ部177は、フレキシブル基板116の配線方向(長手方向)において、半田付部159に対して一端部116a側(一端部側)に隣接する。被固定部160は、フレキシブル基板116の配線方向において第1の曲げ部177に対して一端部116a側に隣接する略平坦な部分である。第2曲げ部178は、フレキシブル基板116の配線方向において被固定部160に対して一端部116a側に隣接する。
補強等のために、半田付部159には第1補強板161(第1の板状部材)が貼り付けられており、被固定部160には第2補強板162(第2の板状部材)が貼り付けられている。第1補強板161と第2補強板162の効果については後述する。図15(a)に示すように、第1補強板161が貼られている領域と貼られていない領域との境界を境界P1とする。第2補強板162が貼られている領域と貼られていない領域との境界のうち、他端部116b側の境界を境界P2、一端部116a側の境界を境界P4とする。絶縁テープ157が巻かれている領域と巻かれていない領域との他端部116b側の境界を境界P3とする。他端部116b近傍においては、第1の曲げ部177および第2の曲げ部178が、湾曲する部分となる。
なお、境界P1は、半田付部159と第1の曲げ部177との境界でもある。境界P2は、第1の曲げ部177と被固定部160との境界でもある。境界P4は、被固定部160と第2の曲げ部178との境界でもある。境界P3は、絶縁テープ157の一端157a(図15(b))の位置でもある。
半田付部159には基板穴163、164、165、166が形成されている。基板穴163、164、165、166のそれぞれの周囲には半田付け用のランド(不図示)が設けられている。被固定部160には第1突起部167と第2突起部168が形成されている。突起部167、168は、フレキシブル基板116の幅方向(配線方向に直交する方向)に、互いに離反する方向に突出する一対の突起部である。
第2補強板162は、フレキシブル基板116の幅方向全長に亘って設けられ、従って、第1突起部167と第2突起部168とに跨る形状に形成される。第2補強板162は、一対の突起部167、168に跨る部分からフレキシブル基板116の配線方向における第2の曲げ部178の側に延設された延設部176を一体に有する。すなわち、延設部176は、第1突起部167と第2突起部168を結んだ直線と直交し半田付部159とは反対側に延びている。従って、第2補強板162は略T字形状となっている。
図15(b)に示すように、絶縁テープ157は、延設部176とオーバーラップするように(フレキシブル基板116の配線方向において、被固定部160と第2の曲げ部178とに跨るように)、フレキシブル基板116に巻き付けられている。従って、少なくとも延設部176と第2の曲げ部178との境界(境界P4)を絶縁テープ157が覆っている。絶縁テープ157の一端157aは、第1突起部167と第2突起部168とに略当接している。これにより、第1突起部167と第2突起部168は、他端部116b方向における絶縁テープ157の位置決めの役割を果たし、絶縁テープ157が延設部176に対して確実にオーバーラップ可能となる。
ストロボユニット113の組立方法について説明する。まず、作業者は、フレキシブル基板116の所定の箇所に、第1突起部167と第2突起部168とを指標にして、突起部167、168に突き当たるように絶縁テープ157を巻き付ける。作業者は、キセノン管ユニット120(図9(a))の接続端子130、131、132、133を半田付部159の基板穴163、164、165、166にそれぞれ挿通させる。その後、作業者は、接続端子130〜133とそれぞれに対応した半田付ランドとに半田付けを行う。その結果、キセノン管ユニット120とフレキシブル基板116とは固定される。それと同時に、フレキシブル基板116上の所定のパターンとキセノン管とが電気的に接続されると共に、フレキシブル基板116上の所定のパターンと発光制御コイルとが電気的に接続される。半田付部159に第1補強板161が貼り付けられていて、半田付部159の強度が増して形状が安定しているので、半田付けの作業性が向上する。作業者は、フレキシブル基板116の接続端子158(図14)をコネクタ123(図3)に接続する。すると、フレキシブル基板116が制御基板122に電気的に接続される。これにより、制御基板122はキセノン管と発光制御コイルに所定の信号を送り、ストロボ発光を制御することが可能となる。
続いて、作業者は、フレキシブル基板116が半田付けで固定されたキセノン管ユニット120を、前カバー121とベース124(図7)とで挟み込む。この状態で、作業者は、ビス125をカバー穴127に挿通させた後、ベース穴135(図10(a))に螺合すると共に、ビス126をカバー穴128に挿通させた後に、ベース穴136に螺合する。これにより、フレキシブル基板116が半田付けされたキセノン管ユニット120と前カバー121とベース124とが相互に固定される。さらには、基板固定部139(図10)に被固定部160が固定される。
続いて、作業者は、板状部材141(図11)を板状部材140に載置すると共に、フレキシブル基板116を凹部169に載置する。そして作業者は、板状部材141と板状部材142との間にフレキシブル基板116が位置するように板状部材142を板状部材141に載置する。その後、作業者は、ビス143を穴147、145に挿通させた状態でネジ穴149に螺合すると共に、ビス144を穴148、146に挿通させた状態でネジ穴150に螺合する。これにより、板状部材140と板状部材141と板状部材142とが相互に固定され、フレキシブル基板116は板状部材141と板状部材142との間に設けられた空間にその一部が存在した状態となる。
続いて、作業者は、第1シャフト117(図5)をベース124のベース穴138、板状部材140の穴151、152、ベース124のベース穴137(図10、図12)に挿通する。これにより、第1部材であるストロボ発光部109と第2部材である腕部118とが第1シャフト117によって相対的に回動可能に連結される。続いて、作業者は、第2シャフト119(図5)をユニット固定部115の穴155、板状部材140の穴153、154、ユニット固定部115の穴156(図12、図13)に挿通する。これにより、腕部118とユニット固定部115とが第2シャフト119によって相対的に回動可能に連結される。さらに、作業者は、フレキシブル基板116をユニット固定部115のユニット固定穴170(図5)に挿通する。その後、作業者は、フレキシブル基板116の所定の箇所を、ユニット固定部115の所定の箇所に両面テープ171(図19、図20)で貼り付けることで、ストロボユニット113が完成する。
次に、基板固定部139への被固定部160の固定状態について図16〜図20を用いて説明する。図16は、前カバー121を不図示とした被固定部160周辺におけるストロボ発光部109の要部拡大斜視図である。図17は、被固定部160周辺におけるストロボ発光部109の要部拡大断面図である。図18は、図17とは異なる方向から見た、被固定部160周辺におけるストロボ発光部109の要部拡大断面図である。特に、図17は、ストロボ発光部109の収納状態において、フレキシブル基板116の配線方向に平行で第2壁部175を通る線に沿う縦断面を示している。また、図18は、フレキシブル基板116の幅方向に平行で第2壁部175を通る線に沿う縦断面を示している。
図19、図20はそれぞれ、ストロボ発光部109が突出状態、収納状態であるストロボユニット113の縦断面図である。第1シャフト117を中心とするストロボ発光部109と腕部118との回動、及び、第2シャフト119を中心とする腕部118とユニット固定部115との回動によって、ストロボ発光部109とユニット固定部115との相対的な位置関係が変化する。突出状態と収納状態との間の遷移の際に、フレキシブル基板116の両面テープ171でユニット固定部115に固定された部分と、ベース124の基板固定部139に固定された被固定部160との間の領域が変形する。その際、絶縁テープ157のうちのフレキシブル基板116が変形する領域に貼られた部分もフレキシブル基板116と一緒に変形する。
ところで、一般に、フレキシブル基板が変形する際、フレキシブル基板の配線方向において曲げ剛性(あるいは硬さ)が急激に変化する箇所には変形が集中し、変形の繰り返しにより変形集中箇所に断線等が発生するおそれがある。本実施の形態において、フレキシブル基板116の曲げ剛性が変わる箇所は、上記した境界P1、P2、P3、P4である。
図17に示すように、被固定部160に対する第1曲げ部177および第2曲げ部178の曲がり方向は共通で、−Y方向(下方)である。ストロボ発光部109の収納状態においては、第2の曲げ部178に対して一端部116a側に連接する部分である連接部116cと半田付部159とは略平行に対向する。すなわち、連接部116cは、被固定部160に対して略90°となっている。連接部116cと被固定部160と半田付部159とに囲まれた領域に回動軸である第1シャフト117が位置することで、スペースが有効利用されている。また、第2補強板162が被固定部160の下面側に貼り付けられているので、第1曲げ部177および第2曲げ部178の各曲率半径を大きくとることが可能となり、フレキシブル基板116への負荷を小さくすることが可能となっている。
フレキシブル基板116の第1突起部167はベース124の第1受け面172と第1カバー面180との間に配置される。第2突起部168はベース124の第2受け面173と第1カバー面180との間に配置される(図17)。被固定部160と第1カバー面180とは略平行である。受け面172、173と第1カバー面180とも略平行である。受け面172、173は、一対の突起部167、168を挟んで第1カバー面180と対向する。これらにより、被固定部160のY方向(被固定部160の厚み方向)の動きが規制される。
図16に示すように、第1突起部167に対し、Z方向においてキセノン管ユニット120の反対側(−Z方向)に第1壁部174が位置する。第2突起部168に対し、Z方向においてキセノン管ユニット120の反対側に第2壁部175が位置する。また、被固定部160に対し、Z方向においてキセノン管ユニット120側(+Z方向)に第1曲げ部177が位置し、キセノン管ユニット120の反対側に第2曲げ部178が位置する。第1曲げ部177が、曲げ状態から戻ろうとして発生させる反力により、突起部167、168はそれぞれ−Z方向に付勢されて壁部174、175に当接している。これにより、被固定部160の少なくとも一端部116a側(−Z方向)への移動が規制される。壁部174、175は本発明における「規制部」に該当する。
図17に示すように、主としてストロボ発光部109が突出状態から収納状態に遷移する過程で、連接部116cには、矢印Aの方向の力(引っ張り力)が作用する。矢印Aの方向の力が作用した場合でも、突起部167、168が壁部174、175と当接しているので、被固定部160は動かない。
一方、主としてストロボ発光部109が収納状態から突出状態に遷移する過程で、フレキシブル基板116の連接部116cには、矢印Bの方向の力が作用する。矢印Bの方向の力が作用した場合、連接部116cおよび第2曲げ部178を介して、被固定部160が第1カバー面180に押圧される。すなわち、ストロボ発光部109が移動する過程において、矢印Bの方向に作用する付勢力に対して、被固定部160を介して第1カバー面180が当接面となって反力を発生させる。これにより、被固定部160には、他端部116b方向(他端部方向;+Z方向)への力がほとんど作用しなくなるので、突起部167、168が壁部174、175から離れる方向に移動しにくい。従って、突起部167、168は壁部174、175に当接したままとなり、被固定部160のZ方向の位置が安定して維持される。
このようにして、被固定部160は基板固定部139に対してY方向及びZ方向に安定して固定される。その結果、ストロボ発光部109が収納状態と突出状態との間を遷移する際、フレキシブル基板116における被固定部160よりも半田付部159側の領域は変形しない。すなわち、半田付部159、第1の曲げ部177及び被固定部160が成す形状は変化しない。その結果、境界P1と境界P2のいずれにも変形の繰り返しが生じないので、境界P1、P2での断線が回避される。
ところで、次に説明するように、被固定部160の基板固定部139に対する固定状態がより確実になるように工夫されている。まず、被固定部160に第2補強板162が貼ってあるので、被固定部160の強度が向上し、被固定部160の基板固定部139に対する固定がより確実になる。
図17に示すように、被固定部160の厚み方向(Y方向)において、第2カバー面181と受け面172、173との間の距離をaとする。第1カバー面180と受け面172、173との間の距離をbとする。受け面172、173からの壁部174、175の延出高さ(+Y方向への突出量)を距離cとする。距離a、b、cの間に、b<c≦aの関係が成立する。
まず、Y方向においては、受け面172、173に対して、第1カバー面180の方が第2カバー面181よりも近い(b<a)。突起部167、168の上面には第1カバー面180が対向し、壁部174、175の上端には第2カバー面181が対向している。壁部174、175の上端は、第1カバー面180よりも上方(+Y方向)に位置している(b<c)。壁部174、175の上端に第2カバー面181が当接してc=aであってもよいが、両者が当接せずにc<aであってもよい。
上記のような関係が規定されることで、突起部167、168が壁部174、175を+Y方向に乗り越えて−Z方向へ脱落することが回避される。従って、Z方向における壁部174、175と突起部167、168との当接が確実となるので、被固定部160の基板固定部139に対する特にZ方向に関する固定状態が安定する。
図18に示すように、被固定部160における、突起部167、168よりも第2の曲げ部178に近い領域157b(図16も参照)は、第1カバー面180に対して当接関係となっている。具体的には、領域157bにおいては、絶縁テープ157が第1カバー面180に当接している。従って、絶縁テープ157の上面位置は第1カバー面180と同じである。第1カバー面180は第2カバー面181よりも−Y方向に位置する。壁部174、175の上端は第1カバー面180よりも+Y方向に位置する。よって、領域157bが壁部174、175を+Y方向に乗り越えてフレキシブル基板116の幅方向に変位することが回避される。従って、フレキシブル基板116の特に幅方向および厚み方向における、被固定部160の基板固定部139に対する固定状態が安定する。
また、図15(b)に示すように、絶縁テープ157は延設部176にオーバーラップしており、境界P4は絶縁テープ157により覆われて補強されている。そのため、境界P4には断線等が発生するおそれが少ない。一方、絶縁テープ157の一端157aは、フレキシブル基板116の配線方向において第2補強板162の両端の間に位置する。従って、絶縁テープ157の一端157aの位置である境界P3は、第2補強板162によって補強されるので、境界P3には断線等が発生するおそれが少ない。
このように、フレキシブル基板116の曲げ剛性が変わる箇所(境界P1、P2、P3、P4)において、特に、変形の抑制や補強の工夫によって断線が防止される。
本実施の形態によれば、壁部174、175が、被固定部160の突起部167、168と当接係合し、被固定部160の少なくとも一端部116a側への移動を規制する。また、ストロボ発光部109が移動する過程において、矢印Bの方向に作用する付勢力に対して、被固定部160を介して第1カバー面180が反力を発生させるので、突起部167、168が壁部174、175から離れる方向に移動しにくい。これらにより、フレキシブル基板116における被固定部160よりも半田付部159側の領域は変形しないので、境界P1、P2におけるフレキシブル基板116の断線を防ぐことができる。
また、距離a、b、cの間に、b<c≦aの関係が成立するので、突起部167、168と壁部174、175との当接係合関係を確実なものとし、配線方向における被固定部160の変位を確実に規制できる。しかも、被固定部160における、突起部167、168よりも第2の曲げ部178に近い領域157bは、第1カバー面180に対して当接関係となっているので、幅方向および厚み方向における被固定部160の変位も規制できる。よって、被固定部160の基板固定部139に対する固定状態を確実にし、フレキシブル基板116の断線防止に寄与する。
また、絶縁テープ157は延設部176にオーバーラップしているので、境界P3、P4においても断線等が発生するおそれを少なくすることができる。
また、第1シャフト117は、半田付部159の−Z方向で且つ、被固定部160の−Y方向で且つ、連接部116cの+Z方向に位置する(図17)。つまり、連接部116cと被固定部160と半田付部159とに囲まれた領域に第1シャフト117が位置する。これにより、三方をフレキシブル基板116で囲まれた領域をデッドスペースとすることなく有効に活用できるので、ストロボ発光部109の小型化に寄与する。
なお、壁部174、175が突起部167、168と当接係合して被固定部160の少なくとも一端部116a側への移動を規制する観点からは、壁部174、175は、上方に突設されることは必須でない。例えば、壁部174、175が第2カバー面181から下方に延設されてもよい。
なお、本発明が適用される電子機器は、相対的に移動可能な第1ユニット、第2ユニットを有すればよく、第1ユニット、第2ユニットは、カメラ本体部108、ストロボ発光部109に限らない。また、本発明が適用される電子機器は、撮像装置に限定されない。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
108 カメラ本体部
109 ストロボ発光部
116 フレキシブル基板
159 半田付部
160 被固定部
174 第1壁部
175 第2壁部
177 第1の曲げ部
178 第2曲げ部

Claims (16)

  1. 第1ユニットと、
    前記第1ユニットに対して相対的に移動可能な第2ユニットと、
    前記第1ユニットに対して一端部が電気的および機械的に接続されるフレキシブル基板と、を有する電子機器であって、
    前記フレキシブル基板の他端部には、半田が設けられることで前記第2ユニットに対して電気的および機械的に接続される半田付部が設けられ、
    前記フレキシブル基板は、さらに、前記フレキシブル基板の配線方向において前記半田付部に対して前記一端部側に隣接する第1の曲げ部と、前記配線方向において前記第1の曲げ部に対して前記一端部側に隣接する平坦な被固定部と、前記配線方向において前記被固定部に対して前記一端部側に隣接する第2の曲げ部と、を有し、
    前記第2ユニットには、前記被固定部と係合し、前記被固定部の少なくとも前記一端部側への移動を規制する規制部が設けられたことを特徴とする電子機器。
  2. 前記半田付部には、第1の板状部材が貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第1ユニットに対して前記第2ユニットが移動する過程において、前記半田付部、前記第1の曲げ部及び前記被固定部が成す形状は変化しないことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 前記第2ユニットには、前記被固定部に対する前記第1の曲げ部および前記第2の曲げ部の曲がり方向とは反対側において前記被固定部と当接する当接面が設けられ、
    前記第1ユニットに対して前記第2ユニットが移動する過程において、前記第2の曲げ部に対して前記他端部方向に作用する付勢力に対して、前記被固定部を介して前記当接面が反力を発生させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
  5. 前記被固定部は、前記フレキシブル基板の幅方向に突出する一対の突起部を有し、
    前記規制部は、前記被固定部の厚み方向に延設され前記フレキシブル基板の配線方向において前記一対の突起部と当接する一対の壁部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
  6. 前記規制部は、前記被固定部に対する前記第1の曲げ部および前記第2の曲げ部の曲がり方向とは反対側において前記被固定部と当接し、前記被固定部と略平行な第1面と、前記一対の突起部を挟んで前記第1面と対向し、前記被固定部と略平行な第2面と、を有することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記被固定部には、前記一対の突起部に跨るように第2の板状部材が貼り付けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の電子機器。
  8. 前記被固定部には、前記被固定部における前記第2面と対向する側に、前記一対の突起部に跨るように第2の板状部材が貼り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  9. 前記第2ユニットには、前記被固定部の厚み方向における前記第1面と同じ側に前記被固定部と略平行で前記壁部と対向する第3面が設けられ、
    前記被固定部の厚み方向において、前記第3面と前記第2面との間の距離をaとし、前記第1面と前記第2面との間の距離をbとし、前記第2面からの前記壁部の延出高さをcとしたき、前記aと前記bと前記cとの間に、
    b<c≦a
    の関係が成立することを特徴とする請求項6または8に記載の電子機器。
  10. 前記被固定部における、前記一対の突起部よりも前記第2の曲げ部に近い領域は、前記第1面に対して当接関係となっていることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記第2の板状部材は、前記一対の突起部に跨る部分と、前記一対の突起部に跨る部分から前記フレキシブル基板の配線方向における前記第2の曲げ部の側に延設された延設部とを有し、
    前記フレキシブル基板の配線方向において、少なくとも前記延設部と前記第2の曲げ部との境界を絶縁テープが覆っていることを特徴とする請求項7または8に記載の電子機器。
  12. 前記フレキシブル基板の配線方向における前記絶縁テープの一端は、前記一対の突起部に当接していることを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
  13. 前記フレキシブル基板の配線方向において、前記絶縁テープの前記一端は、前記第2の板状部材の両端の間に位置することを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
  14. 前記フレキシブル基板の配線方向において、前記被固定部と前記第2の曲げ部とに跨るように絶縁テープが巻かれていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子機器。
  15. 前記被固定部に対する前記第1の曲げ部および前記第2の曲げ部の曲がり方向は共通であり、
    前記第1ユニットに対して前記第2ユニットが移動する過程において、前記第2ユニットのうち第1部材と第2部材とが回動軸を中心に相対的に回動し、
    前記フレキシブル基板における、前記第2の曲げ部に対して前記一端部側に連接する部分と前記被固定部と前記半田付部とに囲まれた領域に、前記回動軸が配置されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の電子機器。
  16. 前記電子機器は画像を撮像する撮像装置であり、
    前記第1ユニットは前記撮像装置の本体であり、
    前記第2ユニットは、発光するストロボ発光部であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の電子機器。
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