JP2020051610A - スプール弁、及びスプール弁装置 - Google Patents
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Abstract
Description
<全体構成>
図1は、実施形態に係るスプール弁装置の縦断面図である。本実施形態のスプール弁装置1は、図1に示されるように、ソレノイド部10と、スプール弁50と、を備える。ソレノイド部10とスプール弁50とは、軸方向に沿って配置される。ソレノイド部10は、コイル29への通電により駆動部材としての軸部11を軸方向のリア側からフロント側に向けて移動させる。図1は、コイル29に通電していない状態のスプール弁装置1を示す。スプール弁50は、ソレノイド部10の軸方向の一方側としてのフロント側に位置し、軸部11の移動とともに軸方向に移動可能なスプール弁体52を備える。
ソレノイド部10は、図1に示されるように、ヨーク21と、コア17と、軸部11と、ボビン25と、コイル29と、ハウジング30と、を備える。
ハウジング30は、磁性金属材料製であり、軸方向の他方側としてのリア側に、底部30aを備える有底筒状である。本実施形態では、ハウジング30は有底円筒状である。ハウジング30の軸方向フロント側端部の周縁部には、軸方向のフロント側へ突出する加締め部32を備える。加締め部32は、径方向内側に倒されてスプール弁50の軸方向のリア側端部を固定する。
軸部11は、図1に示されるように、プランジャ11aとシャフト部11bとを備える。プランジャ11aは、シャフト部11bの軸方向のリア側に位置し、コア17に対して軸方向に移動する。シャフト部11bは、プランジャ11aを貫通してプランジャ11aに固定される。
ヨーク21は、軸方向のリア側に位置し、軸方向のフロント側に延びる第1円筒部21bを備える。本実施形態では、ヨーク21は、リア側に位置して円柱状であり、ボビン25の内面25aに接触するヨーク本体部21cと、ヨーク本体部21cのフロント側の面の中央部からフロント側へ延びる第1円筒部21bと、を備える。第1円筒部21bの軸方向長さは、プランジャ11aの軸方向長さよりもやや短い。第1円筒部21bの内径は、プランジャ11aの外径よりも大きい。このため、第1円筒部21bは、プランジャ11aの軸方向への移動を可能にするとともに、プランジャ11aの軸方向への移動を案内する。
コア17は、ヨーク21に対して軸方向のフロント側に位置し、軸方向のリア側に延びる第2円筒部17bを備える。本実施形態では、コア17は、磁性材料製であり、ハウジング30のフロント側に配置されてハウジング30内に固定される。コア17は、ボビン25の内面25aに接触する円柱状の大径部17cと、大径部17cのリア側の側面からリア側へ延びて大径部17cよりも小径の第2円筒部17bと、を備える。大径部17cと第2円筒部17bは同軸上に位置する。大径部17cの径方向外側の側面17c1は、ボビン25の内面25aに嵌合して固定される。第2円筒部17bの軸方向のリア側端部は、リア側に進むに従って径方向内側に傾斜する突起部17b1を備える。突起部17b1は、コイル29の通電時に、突起部17b1からプランジャ11a側に延びる磁力線を集中させて、プランジャ11aをフロント側へ引っ張る力を増大する。
ボビン25は、第1円筒部21b及び第2円筒部17bの径方向外側に配置される。本実施形態では、ボビン25は、樹脂製であり、第1円筒部21b及び第2円筒部17bの径方向外側の側面21d、17c1を覆う。ボビン25は、円筒部25bと、円筒部25bの軸方向両側に設けられて径方向外側へ突出するフランジ部25cと、を備える。円筒部25bにコイル29が巻かれる。コイル29が巻かれたボビン25と、ターミナル49とは、樹脂からなる単一の部材の部分である。
コイル29は、ボビン25に巻かれる。本実施形態では、コイル29は、ボビン25の円筒部25bの径方向外側の外周面に沿って周方向に巻かれる。コイル29の軸方向両端部はターミナル49に設けられた端子48に電気的に接続される。
スプール弁50は、図1に示されるように、オイルを流入及び流出させる複数のポートを備える。本実施形態では、スプール弁50には、3つのポートが設けられる。3つのポートは、スプール弁50のリア側からフロント側へ向かって、入力ポート54と、出力ポート56と、排出ポート58の順に配置される。入力ポート54は、図示しない油圧タンクからポンプによって供給されるオイルが流入するポートである。出力ポート56は図示しない自動変速機にオイルを供給又は自動変速機にからのオイルを流入させるポートである。排出ポート58は出力ポート56のオイルをドレインに排出するポートである。
弁ハウジング89に設けられるスリーブ60は、図1に示されるように、軸方向に延びて弁ハウジング89を貫通する。スリーブ60には、入力ポート54と出力ポート56と排出ポート58とが連通する。弁ハウジング89における軸方向のフロント側端部の内面には、雌ネジ部89aが設けられる。
内側コイルバネ81の軸方向のリア側端部は、第2凹部52a2の径方向内側に位置した状態で、第2凹部52a2によって保持される。第2面52a4には、内側コイルバネ81の軸方向のリア側の端が押し当てられる。
(1)実施形態に係るスプール弁装置1においては、図5に示されるように、非通電時に、外側コイルバネ80の軸方向のリア側の端が、第1面52a3から離間する。あるいは、実施形態に係るスプール弁装置1においては、非通電時に、外側コイルバネ80のフロント側の端が、第3面70bから離間する。あるいは、実施形態に係るスプール弁装置1においては、非通電時に、外側コイルバネ80の軸方向のリア側の端が、第1面52a3から離間し、且つ外側コイルバネ80のフロント側の端が、第3面70bから離間する。このため、非通電時には、スプール弁体52が外側コイルバネ80によって付勢されない状態になる。通電時にコイルバネ29に対して例えば図3に示されるように100〔A〕程度の電流が供給されて、スプール弁体52が軸方向のリア側からフロント側に向けて移動したとする。このとき、内側コイルバネ81、及び外側コイルバネ80のうち、内側コイルバネ81だけがスプール弁体52に対して軸方向のリア側に向かう抗力を付与する。内側コイルバネ81及び外側コイルバネ80の2つがスプール弁体52に対して抗力を付与する場合に比べて、スプール弁体52を軸方向のフロント側に所定量だけ移動させるのに必要な電流値が低くなる。つまり、電流値が僅かに増加しただけで、スプール弁体52が軸方向のフロント側に大きく移動する。よって、A→T特性は、図3に示されるように、急激に下降するフラフになる。一方、スプール弁体52が軸方向において排出ポート58を開く位置まで移動すると、軸方向のフロント側に移動しようとするスプール弁体52に対し、内側コイルバネ81及び外側コイルバネ80の2つが反対側に向かう抗力を発揮する。このため、内側コイルバネだけが抗力を付与する場合に比べて、スプール弁体52を軸方向のフロント側に所定量だけ移動させるのに必要な電流値が高くなる。よって、P→A特性は、図3に示されるように、緩やかに上昇するグラフになる。
実施形態に係るスプール弁装置1によれば、スプール弁体52に対して軸方向のリア側に向かう抗力を付与するコイルバネの数を、開弁するポートに応じて異ならせるので、電流の変化に対する流体の流出量の特性をポートに応じて異ならせることができる。
よって、実施形態に係るスプール弁装置1によれば、スプール弁50の生産性を向上させることができる。
また、実施形態に係るスプール弁装置1においては、プラグ70の第2凸部70eの軸方向におけるフロント側端部が、軸方向に沿った円柱形状であることで、内側コイルバネ81の軸方向のフロント側端部を軸方向に沿った姿勢で保持する。このような保持により、実施形態に係るスプール弁装置1においては、内側コイルバネ81の軸方向のフロント側での座屈の発生を抑えることができる。
実施形態に係るスプール弁装置1によれば、軸方向のフロント側でのバネ座屈に起因する外側コイルバネ80と内側コイルバネ81との接触による、A→T特性、及びP→A特性の変動を抑えることができる。
よって、実施形態に係るスプール弁装置1によれば、スプール弁50の生産性を向上させることができる。
また、実施形態に係るスプール弁装置1においては、第1保持部52aの第2凹部52a2の軸方向におけるリア側端部の内壁が、軸方向に沿った円筒形状であることで、内側コイルバネ81の軸方向のリア側端部を軸方向に沿った姿勢で保持する。このような保持により、実施形態に係るスプール弁装置1においては、内側コイルバネ81の軸方向のリア側での座屈の発生を抑える。
実施形態に係るスプール弁装置1によれば、軸方向のリア側でのバネ座屈に起因する外側コイルバネ80と内側コイルバネ81との接触による、A→T特性、及びP→A特性の変動を抑えることができる。
まず、プラグ70をねじ込んでいない弁ハウジング89を、フロント側を上に向けて垂直に立てて、弁ハウジング89のスリーブ60の開口を上に向ける。次に、外側コイルバネ80を開口からスリーブ60内に挿入し、外側コイルバネ80の軸方向のリア側端部を、第1保持部52aの第1凹部52a1の径方向内側に差し込む。その後、内側コイルバネ81を開口からスリーブ60内に挿入し、外側コイルバネ80の径方向内側に通しながら、内側コイルバネ81の軸方向のリア側端部を、第1保持部52aの第2凹部52a2内に差し込む。次に、第1凸部70cを内側コイルバネ81の軸方向のフロント側端部に挿入し、且つ第2凸部70eを外側コイルバネ80の軸方向のフロント側端部に挿入しながら、プラグ70を弁ハウジング89にねじ込む。その後、コイル29に所定の電流を流し、所定のストロークが得られるように、弁ハウジング89のねじ込み量を調整する。
10:ソレノイド部(ソレノイド)
11:軸部(駆動部材)
29:コイル
50:スプール弁
52:スプール弁体
52a:第1保持部(第1保持体)
52a1:第1凹部
52a2:第2凹部
52a3:第1面
52a4:第2面
54:入力ポート
56:出力ポート
58:排出ポート
60:スリーブ
60a:開口部
70:プラグ(第2保持体)
70b:第3面
70c:第1凸部
70d:第4面
70e:第2凸部
80:外側コイルバネ
81:内側コイルバネ
89:弁ハウジング
L1:非通電時における第1面と第3面との距離
L2:外側コイルバネの自由長
Claims (8)
- スプール弁体と、
前記スプール弁体を軸方向に移動可能に収容するスリーブを備える弁収容体と、
前記スプール弁体よりも軸方向の一方側に配置され、前記スプール弁体を軸方向の一方側から他方側に向けて付勢するコイルバネと、
前記スプール弁体の軸方向の一方側端部に設けられ、前記コイルバネの軸方向の他方側端部を保持する第1保持体と、
前記コイルバネの軸方向の一方側端部を保持する第2保持体とを備え、
前記スプール弁体が、軸方向の他方側から一方側に駆動される駆動部材によって軸方向の他方側から一方側に押されるスプール弁であって、
前記コイルバネとしての外側コイルバネと、
前記外側コイルバネの径方向内側に配置される内側コイルバネとを備え、
前記第1保持体が、前記外側コイルバネの軸方向の他方側端部、及び前記内側コイルバネの軸方向の他方側端部を保持し、
前記第1保持体の第1面に、前記外側コイルバネの軸方向の他方側の端が押し当てられ、
前記第1保持体の第2面に、前記内側コイルバネの軸方向の他方側の端が押し当てられ、
前記第2保持体が、前記外側コイルバネの軸方向の一方側端部、及び前記内側コイルバネの軸方向の一方側端部を保持し、
前記第2保持体の第3面に、前記外側コイルバネの軸方向の一方側の端が押し当てられ、
前記第2保持体の第4面に、前記内側コイルバネの軸方向の一方側の端が押し当てられ、
前記駆動部材の非駆動時における前記第1面と前記第3面との軸方向の距離が、前記外側コイルバネの自由長よりも長い、
スプール弁。 - 前記第2保持体が、前記第3面から軸方向の他方側に向けて突出する第1凸部と、前記第1凸部の軸方向の他方側の端に設けられる前記第4面から軸方向の他方側に向けて突出する第2凸部とを備え、
前記第1凸部が、前記外側コイルバネの軸方向の一方側端部の径方向内側に位置し、
前記第2凸部が、前記内側コイルバネの軸方向の一方側端部の径方向内側に位置する、
請求項1に記載のスプール弁。 - 前記第1凸部の軸方向の他方側端部の形状が、軸方向の他方側から一方側に向かうにつれて大径になるテーパー形状であり、
前記第2凸部の軸方向の他方側端部の形状が、軸方向の他方側から一方側に向かうにつれて大径になるテーパー形状である、
請求項2に記載のスプール弁。 - 前記第1凸部の軸方向の一方側端部の形状が、軸方向に沿った円柱形状であり、
前記第2凸部の軸方向の一方側端部の形状が、軸方向に沿った円柱形状である、
請求項3に記載のスプール弁。 - 前記第1保持体が、前記第1保持体の軸方向の一方側の端面から軸方向の他方側に向けて窪む第1凹部と、前記第1凹部の軸方向の他方側の端に設けられる前記第1面から軸方向の他方側に向けて窪む第2凹部とを備え、
前記外側コイルバネの軸方向の他方側端部が、前記第1凹部の径方向内側に位置し、
前記内側コイルバネの軸方向の他方側端部が、前記第2凹部の径方向内側に位置する、
請求項2乃至4の何れか一項に記載のスプール弁。 - 前記第1凹部の軸方向の一方側端部の形状が、軸方向の一方側から他方側に向けて小径になるテーパー形状であり、
前記第2凹部の軸方向の一方側端部の形状が、軸方向の一方側から他方側に向けて小径になるテーパー形状である、
請求項5に記載のスプール弁。 - 前記第1凹部の軸方向の他方側端部の内壁形状が、軸方向に沿った円筒形状であり、
前記第2凹部の軸方向の他方側端部の内壁形状が、軸方向に沿った円筒形状である、
請求項6に記載のスプール弁。 - スプール弁と、前記スプール弁のスプール弁体を軸方向に駆動する駆動部材を有するソレノイドとを備えるスプール弁装置であって、
前記スプール弁が、請求項1乃至7の何れか一項に記載のスプール弁である、
スプール弁装置。
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