JP2012021611A - リニアソレノイド弁 - Google Patents

リニアソレノイド弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2012021611A
JP2012021611A JP2010160845A JP2010160845A JP2012021611A JP 2012021611 A JP2012021611 A JP 2012021611A JP 2010160845 A JP2010160845 A JP 2010160845A JP 2010160845 A JP2010160845 A JP 2010160845A JP 2012021611 A JP2012021611 A JP 2012021611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solenoid
solenoid valve
permanent magnet
linear solenoid
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010160845A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruki Yamamoto
晴樹 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2010160845A priority Critical patent/JP2012021611A/ja
Publication of JP2012021611A publication Critical patent/JP2012021611A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】調圧精度を確保しながら、永久磁石を用いてソレノイド力をアシストすることにより消費電力の低減を図る。
【解決手段】ソレノイドケース31を鉄などの強磁性材料により形成し、ソレノイドケース31の貫通孔31aを貫通してケース外に突出するようプランジャ36の軸中心に連結棒71を連結し、縮径部74aの内周面に螺旋状の溝が設けられたカバー74を外周面に螺旋状に溝が設けられた連結棒71にねじ込むことによりソレノイドケース31のケース外で磁石ユニット70を連結棒71に取り付ける。これにより、リニアソレノイド弁20として組み付けた後でも、比較的簡単に磁石ユニット70と強磁性体であるソレノイドケース31との間隔を微調整することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種ポートが形成された中空部に摺動可能に挿入され該各種ポートのポート間の継断を行なうスプールを有する弁部と、コイルへの通電を伴って可動部に推力を発生させることにより前記スプールを移動させるソレノイド部と、該ソレノイド部の推力とは逆方向に前記スプールを付勢する付勢部材と、前記ソレノイド部を収容するソレノイドケースとを備えるリニアソレノイド弁に関する。
従来、この種のリニアソレノイド弁としては、バルブハウジングに摺動可能に挿入されたスプール弁子と、電磁コイルへの通電によりソレノイド推力を発生させてスプール弁子を開弁方向に駆動するリニアソレノイド部と、バルブハウジングのリニアソレノイド部とは反対の端部にねじ止めされた強磁性体である蓋体と、スプール弁子の先端と蓋体との間に挿入されスプール弁子を閉弁方向に付勢する戻りスプリングと、スプール弁子の先端に蓋体(強磁性体)と対向するよう固定された永久磁石とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このソレノイド弁では、リニアソレノイド部の電磁コイルが励磁されてソレノイド推力によりスプール弁子が開弁方向のストローク端付近まで移動すると、永久磁石と強磁性体である蓋体との接近に伴って磁気吸引力が発生することにより、戻りスプリングの付勢力がある程度打ち消される。このため、ソレノイド部のソレノイド推力を低減させてもスプール弁子をストローク端で保持することができ、消費電力を抑制したり電磁コイルの発熱を抑制したりすることができるとしている。なお、磁気吸引力は戻りスプリングの付勢力よりも弱いため、電磁コイルが非励磁されると、スプール弁子は戻りスプリングの付勢力により閉弁方向のストローク端まで移動するようになっている。
特開2009−250315号公報
このように、永久磁石と強磁性体とによる磁気吸引力でソレノイド部のソレノイド推力をアシストすることにより、消費電力を抑制することができるが、磁気吸引力がリニアソレノイド弁としての調圧精度に悪影響を与えないよう永久磁石と強磁性体(蓋体)との距離を適切に調整する必要がある。上述したリニアソレノイド弁は、強磁性体である蓋体をねじ止めによりバルブハウジングに取り付けるものとしているから、ねじ込みの深さを調節することにより、永久磁石と強磁性体との距離を調整することができる。しかしながら、蓋体はスプリングを受けるスプリング受けとしても機能するため、スプリング荷重も同時に調整され、調圧精度に悪影響を与えてしまう。
本発明のリニアソレノイド弁は、調圧精度を確保しながら、永久磁石を用いてソレノイド力をアシストすることにより消費電力の低減を図ることを主目的とする。
本発明のリニアソレノイド弁は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のリニアソレノイド弁は、
各種ポートが形成された中空部に摺動可能に挿入され該各種ポートのポート間の継断を行なうスプールを有する弁部と、コイルへの通電を伴って可動部に推力を発生させることにより前記スプールを移動させるソレノイド部と、該ソレノイド部の推力とは逆方向に前記スプールを付勢する付勢部材と、前記ソレノイド部を収容するソレノイドケースとを備えるリニアソレノイド弁であって、
前記ソレノイドケースに形成された貫通孔を貫通してケース外に突出するよう前記可動部に連結された軸部材を備え、
前記ソレノイドケースに永久磁石と該永久磁石に吸着される磁気吸着材とのうちの一方が形成され、前記軸部材に前記永久磁石と前記磁気吸着材とのうちの他方が該永久磁石と該磁気吸着材との隙間の調整が可能な隙間調整部を介して取り付けられてなる
ことを要旨とする。
この本発明のリニアソレノイド弁では、ソレノイドケースに形成された貫通孔を貫通してケース外に突出するよう軸部材をソレノイド部の可動部に連結させ、ソレノイドケースに永久磁石と磁気吸着材とのうちの一方を形成し、軸部材に永久磁石と磁気吸着材とのうちの他方を永久磁石と磁気吸着材との隙間の調整が可能な隙間調整部を介して取り付ける。これにより、リニアソレノイド弁として組み付けた後でも、永久磁石と磁気吸着材との間隔を比較的容易に調整することができる。この結果、調圧精度を確保しながら、永久磁石と磁気吸着材との間の磁気吸引力によってソレノイド部の推力をアシストすることができ、消費電力を低減させることができる。ここで、「隙間調整部」には、ねじ込みによるものが含まれる。
こうした本発明のリニアソレノイド弁において、前記ソレノイドケースは、前記磁気吸着材として機能するよう強磁性材料により形成され、前記軸部材に前記永久磁石が前記隙間調整部としてねじ込みにより取り付けられてなるものとすることもできる。この態様の本発明のリニアソレノイド弁において、前記ソレノイドケース側が開口した状態で前記永久磁石を収容し、前記軸部材にねじ込みにより取り付けられた強磁性のカバー部材を備えるものとすることもできる。こうすれば、永久磁石の磁石面と強磁性のカバー部材との間に磁力線を集中させることができるから、磁気吸引力を向上させることができ、小型化することができる。また、軸部材に永久磁石を直接固定するために永久磁石を加工する必要をなくすことができる。さらにこの態様の本発明のリニアソレノイド弁において、前記カバー部材は、前記永久磁石を収容した状態で底縁から開口縁までの高さが該永久磁石よりも高くなるよう形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、強磁性のソレノイドケースに永久磁石が吸引される際にケースと磁石とが直接に接触しないから、磁石の破損を防止することができる。また、磁石面に異物が付着しても、スプールのストローク精度に悪影響を与えないようにすることができる。
また、永久磁石を収容するカバー部材を備える態様の本発明のリニアソレノイド弁において、前記カバー部材は、前記軸部材にねじ込まれた状態でカシメにより該軸部材に回転不能に固定されてなるものとすることもできるし、前記軸部材は、先端の軸断面が多角形状に形成され、前記カバー部材に固定される固定部と、該固定部から延伸され前記軸部材の先端の側面を狭持することにより該軸部材を保持するU字状で且つ可撓性の保持部と、が形成された固定具を備えるものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのリニアソレノイド弁20の構成の概略を示す構成図である。 リニアソレノイド弁20を含む油圧回路の構成の概略を示す構成図である。 永久磁石72の磁束の分布の様子を示す説明図である。 ソレノイドケース31に磁石ユニット70が吸引されている様子を示す説明図である。 リニアソレノイド弁20のソレノイド電流Iと出力圧との関係を示す説明図である。示す説明図である。 ストロークSと、ソレノイド力と磁力との合力との関係を示す説明図である。 変形例の磁石ユニット160の構成の概略を示す構成図である。 固定ピンの168の外観を示す外観図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としてのリニアソレノイド弁20の構成の概略を示す構成図であり、図2はリニアソレノイド弁20を含む油圧回路の構成の概略を示す構成図である。実施例のリニアソレノイド弁20は、ノーマルクローズ型のリニアソレノイドバルブとして構成されており、図1に示すように、電磁コイル32への通電を伴って推力(ソレノイド力)を発生させるソレノイド部30と、このソレノイド部30のソレノイド力によって開弁方向に駆動され入力した油圧を調圧して出力する調圧バルブ部40と、ソレノイド部30のソレノイド力をアシストして調圧バルブ部40を開弁状態で保持するための磁石ユニット70と、を備える。このリニアソレノイド弁20は、例えば、オートマチックトランスミッションに組み込まれたクラッチやブレーキの油圧制御に用いられ、図2に示すように、ポンプ82によりストレーナ81を介して吸引されリニアソレノイド弁86による駆動制御を受けてレギュレータバルブ84により調圧された油圧(ライン圧)を入力ポート52を介して入力し調圧して出力ポート54を介してクラッチ88に供給する。
ソレノイド部30は、底付き円筒部材としてのソレノイドケース31と、ソレノイドケース31の内周側に配置され絶縁性のボビン32aに絶縁導線が巻回されてなる電磁コイル32と、ソレノイドケース31の開口端部に外周部が固定されたフランジ部34aとフランジ部34aの内径側から電磁コイル32の内周面に沿って軸方向に延伸された円筒部34bとからなる第1のコア34と、ソレノイドケース31の底部に配置され電磁コイル32の内周面に沿って第1のコア34の円筒部34bと所定間隔を隔てた位置まで軸方向に延伸された円筒状の第2のコア35と、第2のコア35の内周側に挿入され第1および第2のコア34,35の内周面を軸方向に摺動可能なプランジャ36と、第1のコア34の円筒部34bの内周側に挿入されプランジャ36の先端に当接すると共に円筒部34bの内周面を軸方向に摺動可能なシャフト38と、を備える。また、ソレノイド部30は、電磁コイル32からの端子がソレノイドケース31の外周部に形成されたコネクタ部39に配策されており、この端子を介して電磁コイル32への通電が行なわれる。
第1のコア34の円筒部34bは、外周面では先端に向かうほど外径が小さくなるようテーパ状に形成され、内周面ではシャフト38の外径よりも大きな外径のプランジャ36の先端部が嵌挿可能に段差部34cが形成されている。段差部34cには、プランジャ36が第1のコア34に直接当接しないよう非磁性材料により形成された環状のリング34dが設けられている。
ソレノイドケース31と第1のコア34と第2のコア35とプランジャ36は、いずれも純度の高い鉄やニッケル,コバルトなどの強磁性材料により形成されており、第1のコア34の円筒部34bの端縁と第2のコア35の端縁との間の空間は、非磁性体として機能する。なお、この空間は、非磁性体として機能させればよいから、ステンレススチールや黄銅などの非磁性金属を設けるものとしても構わない。
ソレノイド部30では、電磁コイル32に通電すると、ソレノイドケース31,第2のコア35,プランジャ36,第1のコア34,ソレノイドケース31の順に電磁コイル32の周囲を周回するよう磁束が流れる磁気回路が形成され、これにより第1のコア34とプランジャ36との間に磁気吸引力が作用してプランジャ36が吸引される。前述したように、プランジャ36の先端には第1のコア34の内周面を軸方向に摺動可能なシャフト38が当接されているから、プランジャ36の吸引に伴ってシャフト38は前方に押し出される。
プランジャ36にはシャフト36が当接していない方の端部の軸中心に内周面に螺旋状の溝が設けられた凹部36aが形成されており、ソレノイドケース31の底部にはプランジャ36の軸中心の直線上に貫通孔31aが形成されている。この凹部36aには貫通孔31aを貫通してソレノイドケース31のケース外に突出するよう外周面に螺旋状の溝が設けられた連結棒71の一端側がねじ止めされており、この連結棒71の他端側に磁石ユニット70が取り付けられている。
磁石ユニット70は、図1に示すように、環状の永久磁石(例えば、ネオジウム磁石やフェライト磁石など)62と、強磁性材料により形成されソレノイドケース31側の磁石面(上面)が露出するよう開口すると共に永久磁石72の外周面と底面とを覆う環状のカバー74とにより構成されており、カバー74における永久磁石72を覆う部位よりも縮径された縮径部74aの内周面に設けられた螺旋状の溝を連結棒71の他端側の外周面に設けられた螺旋状の溝にねじ込んでカシメることにより連結棒71に固定されている。この磁石ユニット70は、実施例では、ソレノイドケース31が強磁性材料により形成されていることから、ソレノイドケース31に近接すると、永久磁石72,ソレノイドケース31,カバー74を周回するよう磁束が流れる磁気回路が形成され、永久磁石72がソレノイドケース31に吸引される。図3に永久磁石72の磁束の分布の様子を示し、図4にソレノイドケース31に磁石ユニット70が吸引されている様子を示す。なお、図3(a)は永久磁石72をカバー74で覆ったときの磁束の分布を示し、図3(b)は永久磁石72をカバー74で覆わないときの磁束の分布を示す。永久磁石72の磁束の分布は、図3に示すように、永久磁石72をカバー74で覆った場合には、永久磁石72とカバー74との間で磁気回路が形成されるから、永久磁石72をカバー74で覆わない場合に比して、磁束が集中する。したがって、磁石ユニット70がソレノイドケース31に近接しているときには吸引力はより強くなり、磁石ユニット70がソレノイドケース31から離れているときには吸引力はより弱くなる。また、カバー74は、底縁から開口縁までの高さH1が永久磁石72の底面から上面までの高さH2よりも高くなるよう形成されており(図3参照)、磁石ユニット70がソレノイドケース31に吸引された際にソレノイドケース31が永久磁石72に直接接触しないようにしている(図4参照)。
調圧バルブ部40は、図1に示すように、油路が形成されたバルブボディ10に組み込まれており、一端がソレノイド部30のソレノイドケース31および第1のコア34に取り付けられ略円筒状の内部空間を形成するスリーブ50と、スリーブ50の内部空間に挿入され一端がソレノイド部30のシャフト38の先端に当接されたスプール60と、スリーブ50の他端にねじ止めされたエンドプレート42と、エンドプレート42とスプール60の他端との間に設けられてスプール60をソレノイド部30側の方向へ付勢するスプリング44とを備える。なお、エンドプレート42は、そのねじ込み量を調整することにより、スプリング44の付勢力を微調整することができるようになっている。
スリーブ50は、その内部空間の開口部として、作動油を入力する入力ポート52と、入力した作動油を吐出する出力ポート54と、入力した作動油をドレンするドレンポート56と、出力ポート54上の作動油をバルブボディ10の内壁とスリーブ50の外壁とにより形成された油路58aを介して入力してスプール60にフィードバック力を作用させるためのフィードバックポート58とが形成されている。
スプール60は、スリーブ50の内部空間に挿入されてスリーブ50内を摺動する軸状部材として形成されており、図1に示すように、ソレノイド部30側のランド62と、ランド62に隣接する中央のランド64と、ランド64に隣接しランド64よりも外径の小さなランド66と、ランド62,64間を連結しランド62,64の外径よりも小さな外径で且つ互いのランド62,64から中央部に向かうほど外径が小さくなるようテーパ状に形成され入力ポート52と出力ポート54とドレンポート56の各ポート間を連通可能な縮径部68と、を備える。なお、ランド64,66の間には、フィードバックポート58が形成されており、フィードバックポート58から入力された油圧は、ランド間の径差(受圧面積差)に応じた差圧によってフィードバック力としてスプリング44の付勢力と同方向にスプール60を押圧する。
こうして構成された実施例のリニアソレノイド弁20の動作について説明する。図5は、リニアソレノイド弁20のソレノイド電流Iと出力圧との関係を示す説明図であり、図6は、ストロークSと、ソレノイド力と磁力との合力との関係を示す説明図である。図6(a)にストロークSとソレノイド力との関係をストロークSと磁力との関係を示し、図6(b)にストロークSと合力との関係を示す。いま、電磁コイル32への通電が停止されている場合を考える。この場合、スプール60はスプリング44の付勢力によりソレノイド部30側へ移動しているから、ランド64により入力ポート52が閉塞されると共に縮径部68を介して出力ポート54とドレンポート56とが連通する。したがって、出力ポート54から出力される出力圧はゼロとなる。一方、電磁コイル32への通電が開始されると、電磁コイル32に流れるソレノイド電流Iが大きいほど大きな吸引力(ソレノイド力)をもって第1のコア34にプランジャ36が吸引され、これに伴って先端にスプール60が当接されたシャフト38が前方に押し出され、スプール60がスプリング44側へ移動する。このとき、スプール60は、スプリング44側に移動するほど入力ポート52の開口面積を広げると共にドレンポート56の開口面積を狭め、出力ポート54から出力する出力圧を増大させる。また、スプール60がスプリング44側のストローク端まで移動すると、入力ポート52と出力ポート54とが完全に連通すると共にドレンポート56が完全に閉塞し、出力ポート54から最大圧Pmaxが出力される。ここで、磁石ユニット70は、スプール60がスプリング44側のストローク端に近づくほど強磁性体であるソレノイドケース31に近づいてソレノイド力をアシストする方向に吸引力(磁力)が増大し、スプール60がストローク端まで移動したときに吸引力が最大となる。したがって、スプール60がストローク端まで移動したときには、電磁コイル32に流す電流を所定電流Isに低下させても、ソレノイド力と磁力との合力によりスプール60はストローク端で保持され、最大圧Pmaxの出力が維持される。電磁コイル32に流すソレノイド電流Iを所定電流Isよりも更に低下させると、ソレノイド力の低下により、スプリング44のバネ力がソレノイド力と磁力との合力に打ち勝ち、出力ポート54の油圧がドレンポート56を介してドレンされる。油圧のドレンは、所定電流Isから値0に向けてソレノイド電流Iを徐々に低下させることにより徐々に行なうことができる。
このように、リニアソレノイド弁20による出力圧の調圧は、電磁コイル32に流れるソレノイド電流Iの大きさを変更することによって行なわれるが、閉弁方向の出力圧の調圧は、磁石ユニット70の磁力により、所定電流Isから値0の範囲内でしか行なうことができないため、ソレノイドケース31と磁気ユニット60との間の間隔をより適切に管理しなければならない。実施例では、ソレノイドケース31を強磁性材料により形成し、ソレノイドケース31の貫通孔31aを貫通してケース外に突出するようプランジャ36の軸中心に連結棒71を連結し、縮径部74aの内周面に螺旋状の溝が設けられたカバー74を外周面に螺旋状に溝が設けられた連結棒71にねじ込むことによりソレノイドケース31のケース外で磁石ユニット70を連結棒71に取り付けるものとしたから、リニアソレノイド弁20として組み付けた後でも、比較的簡単に磁石ユニット70と強磁性体であるソレノイドケース31との間の間隔を微調整することができる。
以上説明した実施例のリニアソレノイド弁20によれば、ソレノイドケース31を強磁性材料により形成し、ソレノイドケース31の貫通孔31aを貫通してケース外に突出するようプランジャ36の軸中心に連結棒71を連結し、縮径部74aの内周面に螺旋状の溝が設けられたカバー74を外周面に螺旋状に溝が設けられた連結棒71にねじ込むことによりソレノイドケース31のケース外で磁石ユニット70を連結棒71に取り付けたから、リニアソレノイド弁20として組み付けた後でも、比較的簡単に磁石ユニット70と強磁性体であるソレノイドケース31との間隔を微調整することができる。この結果、調圧精度を確保しながら、永久磁石62とソレノイドケース31(強磁性体)との間の磁力よりソレノイド部30の推力をアシストすることができ、消費電力を低減させることができる。しかも、磁石ユニット70を、永久磁石72と、ソレノイドケース31側の上面が露出するよう開口すると共に永久磁石72の外周面と底面とを覆う環状のカバー74とにより構成するから、永久磁石72の磁束の分布を永久磁石72とカバー74との間に集中させることができ、磁石ユニット70がソレノイドケース31に近接しているときには吸引力はより強くし、磁石ユニット70がソレノイドケース31から離れているときには吸引力はより弱くすることができる。さらに、カバー74は、底縁から開口縁までの高さH1が永久磁石72の底面から上面までの高さH2よりも高くなるよう形成しているから、磁石ユニット70がソレノイドケース31に吸引された際にソレノイドケース31が永久磁石72に直接接触することがなく、破損などを防止することができる。また、ソレノイドケース31と永久磁石72との間に異物が侵入するものとしても、その異物がスプール60のストロークに悪影響を与えるのを防止することができる。
実施例のリニアソレノイド弁20では、カバー74の縮径部74aの内周面に設けられた螺旋状の溝と連結棒71の外周面に設けられた螺旋状の溝とによりカバー74を連結棒71にねじ込んだ状態でかしめることにより磁石ユニット70を連結棒71に固定するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、固定金具178を用いて磁石ユニット170を連結棒171に固定するものとしてもよい。図8は、固定金具178の外観を示す外観図である。この変形例では、連結棒171は、その先端の断面が六角形状に形成されており、固定金具178は、カバー174の縮径部174aの外周面を拘束する円弧状の第1ピン178aと、第1ピン178aと一体に連結され連結棒171の先端の側面を両側から狭持して拘束するU字状の第2ピン178bとから形成されている。第2ピン168bは、可撓性を有しており、カバー174に対して所定トルク以上の回転トルクを付与されたときに、第2ピン178bの拘束が解除され、カバー174を60度単位で回転させることができるようになっている。したがって、60度単位の回転量に応じたねじ込み量で永久磁石72とソレノイドケース31との間隔を微調整することができる。ここで、連結棒171の先端の断面形状は、六角形に限られず、四角形や八角形などの他の多角形の形状とするものとしても構わない。なお、連結棒171の断面形状を四角形とする場合には、90度単位でカバー174のねじ込み量を調節することができ、連結棒171の断面形状を八角形とする場合には、45度単位でカバー174のねじ込み量を調節することができる。
実施例のリニアソレノイド弁20では、永久磁石72にカバー74を取り付けると共にカバー74を連結棒71にねじ込みにより取り付けるものとしたが、カバー74を用いることなく、永久磁石を直接に連結棒71に取り付けるものとしても構わない。ただし、この場合、永久磁石の加工が必要となる。
実施例のリニアソレノイド弁20では、ソレノイドケース31を強磁性材料により形成すると共にソレノイドケース31のケース外まで突出するようプランジャ36に連結された連結棒71に磁石ユニット70をねじ込みにより取り付けるものとしたが、ソレノイドケース31側に永久磁石を取り付け、ケース外の連結棒71に強磁性体をねじ込みにより取り付けるものとしても構わない。また、実施例のリニアソレノイド弁20では、ソレノイドケース31を強磁性材料により形成するものとしたが、磁石ユニット70の永久磁石72に吸引されればよいから、ソレノイドケース31にも永久磁石を取り付けるものとしても構わない。
実施例のリニアソレノイド弁20では、オートマチックトランスミッションに組み込まれたクラッチやブレーキの油圧制御に用いるものとしたが、これに限定されるものではなく、流体圧により作動する如何なる作動機構の流体圧制御に用いるものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、調圧バルブ部40が「弁部」に相当し、ソレノイド部30が「ソレノイド部」に相当し、スプリング44が「付勢部材」に相当し、ソレノイドケース31が「ソレノイドケース」に相当し、磁石ユニット70がねじ込みにより取り付けられた連結棒71が「軸部材」に相当する。また、カバー74が「カバー部材」に相当する。第1ピン178aと第2ピン178bとからなる固定金具178が「固定具」に相当する。ここで、なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、リニアソレノイド弁の製造産業などに利用可能である。
10 バルブボディ、20 リニアソレノイド弁、30 ソレノイド部、31 ケース、31a 貫通孔、32 電磁コイル、32a ボビン、33 非磁性体、34 第1のコア、34a フランジ部、34b 円筒部、34c 段差部、34d リング、35 第2のコア、36 プランジャ、36a 係合凹部、38 シャフト、39 コネクタ部、40 調圧バルブ部、42 エンドプレート、44 スプリング、50 スリーブ、52 入力ポート、54 出力ポート、56 ドレンポート、58 フィードバックポート、58a フィードバック用油路、60 スプール、62,64,66 ランド、68 縮径部、70,170 磁石ユニット、71 連結棒、72 永久磁石、74,174 カバー、74a,174a 縮径部、81 ストレーナ、82 ポンプ、84 レギュレータバルブ、86 リニアソレノイド弁、88 クラッチ、178 固定金具、178a 第1ピン、178b 第2ピン。

Claims (6)

  1. 各種ポートが形成された中空部に摺動可能に挿入され該各種ポートのポート間の継断を行なうスプールを有する弁部と、コイルへの通電を伴って可動部に推力を発生させることにより前記スプールを移動させるソレノイド部と、該ソレノイド部の推力とは逆方向に前記スプールを付勢する付勢部材と、前記ソレノイド部を収容するソレノイドケースとを備えるリニアソレノイド弁であって、
    前記ソレノイドケースに形成された貫通孔を貫通してケース外に突出するよう前記可動部に連結された軸部材を備え、
    前記ソレノイドケースに永久磁石と該永久磁石に吸着される磁気吸着材とのうちの一方が形成され、前記軸部材に前記永久磁石と前記磁気吸着材とのうちの他方が該永久磁石と該磁気吸着材との隙間の調整が可能な隙間調整部を介して取り付けられてなる
    ことを特徴とするリニアソレノイド弁。
  2. 請求項1記載のリニアソレノイド弁であって、
    前記ソレノイドケースは、前記磁気吸着材として機能するよう強磁性材料により形成され、
    前記軸部材に前記永久磁石が前記隙間調整部としてねじ込みにより取り付けられてなる
    ことを特徴とするリニアソレノイド弁。
  3. 請求項2記載のリニアソレノイド弁であって、
    前記ソレノイドケース側が開口した状態で前記永久磁石を収容し、前記軸部材にねじ込みにより取り付けられた強磁性のカバー部材を備える
    ことを特徴とするリニアソレノイド弁。
  4. 前記カバー部材は、前記永久磁石を収容した状態で底縁から開口縁までの高さが該永久磁石よりも高くなるよう形成されてなることを特徴とする請求項3記載のリニアソレノイド弁。
  5. 請求項3または4記載のリニアソレノイド弁であって、
    前記カバー部材は、前記軸部材にねじ込まれた状態でカシメにより該軸部材に回転不能に固定されてなることを特徴とする
    リニアソレノイド弁。
  6. 請求項3または4記載のリニアソレノイド弁であって、
    前記軸部材は、先端の軸断面が多角形状に形成され、
    前記カバー部材に固定される固定部と、該固定部から延伸され前記軸部材の先端の側面を狭持することにより該軸部材を保持するU字状で且つ可撓性の保持部と、が形成された固定具を備える
    ことを特徴とするリニアソレノイド弁。
JP2010160845A 2010-07-15 2010-07-15 リニアソレノイド弁 Pending JP2012021611A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010160845A JP2012021611A (ja) 2010-07-15 2010-07-15 リニアソレノイド弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010160845A JP2012021611A (ja) 2010-07-15 2010-07-15 リニアソレノイド弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012021611A true JP2012021611A (ja) 2012-02-02

Family

ID=45776035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010160845A Pending JP2012021611A (ja) 2010-07-15 2010-07-15 リニアソレノイド弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012021611A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202505A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Aisin Aw Co Ltd リニアソレノイドバルブおよびその異常判定方法
JP2017522565A (ja) * 2014-07-23 2017-08-10 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 試料コンテナキャリヤ、ラボラトリ試料分配システム、およびラボラトリ自動化システム
RU204822U1 (ru) * 2020-10-30 2021-06-11 Илья Александрович Новгородов Бесшумный клапан с дополнительными магнитами

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202505A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Aisin Aw Co Ltd リニアソレノイドバルブおよびその異常判定方法
JP2017522565A (ja) * 2014-07-23 2017-08-10 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 試料コンテナキャリヤ、ラボラトリ試料分配システム、およびラボラトリ自動化システム
RU204822U1 (ru) * 2020-10-30 2021-06-11 Илья Александрович Новгородов Бесшумный клапан с дополнительными магнитами

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5125441B2 (ja) リニアソレノイド装置および電磁弁
JP2010278403A (ja) リニアアクチュエータ
JP2010171059A (ja) リニアソレノイド
JP2012204574A (ja) リニアソレノイド
US8141842B2 (en) Solenoid valve
JP5630354B2 (ja) リニアソレノイドバルブおよびその異常判定方法
JP5076666B2 (ja) スプール装置、リニアソレノイドバルブ
WO2016129261A1 (ja) リニアソレノイド
JP2008089080A (ja) 電磁駆動装置およびそれを用いた電磁弁
JP2012021611A (ja) リニアソレノイド弁
WO2017056919A1 (ja) リニアソレノイドバルブ及びリニアソレノイドバルブの製造方法
JP2009174623A (ja) 電磁弁
JP2009203991A (ja) 電磁弁
JP5760936B2 (ja) スプール制御弁
JP2010025217A (ja) 電磁弁
JP2009236308A (ja) ソレノイド装置、リニアソレノイドバルブ、流体制御装置及びリニアソレノイドバルブの制御方法
EP4242503A1 (en) Solenoid valve
JP4998315B2 (ja) 電磁弁
US11948737B2 (en) Solenoid
JP2006038153A (ja) 電磁弁の製造方法
JP2008303961A (ja) 電磁弁
KR102344692B1 (ko) 솔레노이드
US20220122753A1 (en) Solenoid
JP2009203992A (ja) 電磁弁
JP2014222076A (ja) 電磁弁