JP2020051599A - ダンパ装置およびスプリングシート - Google Patents

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雅樹 輪嶋
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【課題】コストアップの抑制や設置の自由度の向上を図りつつ、スプリングシートの回転を抑制して耐久性を確保すると共に、ヒステリシスをより小さくしてダンパ装置の振動減衰性能をより向上させる。【解決手段】ダンパ装置のスプリングシートは、弾性体の端部に差し込まれる差込部と、弾性体の端部に当接するように差込部の一端に形成されたシート部と、差込部およびシート部の中心軸に沿って延在する孔部とを含み、ダンパ装置の回転要素の少なくとも何れかは、スプリングシートを介して対応する弾性体との間でトルクを授受すると共に上記孔部内に差し込まれる突起を有するトルク授受部を含み、スプリングシートの孔部の内周面は、突起の回転要素の径方向における内側の面に当接する当接面を含み、スプリングシートの重心は、中心軸の径方向における外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置する。【選択図】図3

Description

本開示は、エンジンからのトルクが伝達される入力要素および出力要素を含むダンパ装置およびスプリングシートに関する。
従来、スプリング収容孔が形成された第1回転プレート部材と、第1回転プレート部材の軸方向における両側に配置されると共に互いに連結され、スプリング収容孔に対応する位置に形成されたスプリング収容部を有する一対の第2回転プレート部材と、スプリング収容孔およびスプリング収容部内に配置され、第1回転プレート部材と一対の第2回転プレート部材との間でトルクを伝達可能なコイルスプリングと、コイルスプリングの端面を支持する一対のスプリングシートとを含むダンパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このダンパ装置のスプリングシートは、コイルスプリングの座巻面を受ける座面およびコイルスプリング内に嵌合される突出部とを有するシート部と、シート部からコイルスプリングとは反対側に延びる角錐形状の一対の係合部とを含み、コイルスプリングの端部とスプリング収容孔およびスプリング収容部の円周方向端との間に配置される。また、各第2回転プレート部材のスプリング収容部の円周方向端には、スプリングシートの角錐形状に応じたシート受け部が形成されている。そして、一対の係合部は、第1回転プレート部材のスプリング収容孔の円周方向端を軸方向に挟むと共に、各第2回転プレート部材のシート受け部に回転不能に係合する。これにより、一対の第2回転プレート部材に対するスプリングシートおよびコイルスプリングの回転や遠心力による外周側への移動が制限され、コイルスプリングがスプリング収容部の縁部に対して摺動し難くなる。
特開2002−372099号公報
上記特許文献1に記載されたダンパ装置では、耐久性を確保しつつ、トルクを伝達するコイルスプリングが遠心力によりスプリング収容部の縁部に押し付けられて当該コイルスプリングと第2回転プレート部材との間で摩擦力が発生するのを抑制し、入力要素への入力トルクが増加していく際の出力トルクと、入力要素への入力トルクが減少していく際の出力トルクとの間の差すなわちヒステリシスを小さくすることができるかもしれない。しかしながら、特許文献1に記載されたダンパ装置では、スプリングシートに一対の係合部を形成したり、一対の第2回転プレート部材にシート受け部を形成したりすることで、装置全体のコストアップを招くおそれがある。また、特許文献1に記載されたスプリングシート(およびシート受け部)は、一対の第2回転プレート部材の間に1枚の第1回転プレート部材が配置される構成にしか適用し得ず、設置の自由度の面で改善の余地を有している。
そこで、本開示は、コストアップの抑制や設置の自由度の向上を図りつつ、スプリングシートの回転を抑制して耐久性を確保すると共に、ヒステリシスをより小さくしてダンパ装置の振動減衰性能をより向上させることを主目的とする。
本開示のダンパ装置は、エンジンからのトルクが伝達される入力要素および出力要素を含む複数の回転要素と、前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する複数の弾性体とを含むダンパ装置において、前記弾性体の端部に差し込まれる差込部と、前記弾性体の前記端部に当接するように前記差込部の一端に形成されたシート部と、前記差込部およびシート部の中心軸に沿って延在する孔部とを含むスプリングシートを含み、前記複数の回転要素の少なくとも何れか1つが、前記スプリングシートを介して対応する前記弾性体との間でトルクを授受するトルク授受部を含み、前記トルク授受部が、前記スプリングシートの前記孔部内に差し込まれる突起を含み、前記スプリングシートの前記孔部の内周面が、前記突起の前記回転要素の径方向における内側の面に当接する当接面を含み、前記スプリングシートの重心が、前記差込部の径方向における前記中心軸の外側かつ前記中心軸に関して前記当接面の反対側に位置するものである。
本開示のダンパ装置において、入力要素にエンジンからのトルクが伝達されて複数の回転要素が回転する際、スプリングシートは、その重心が差込部の径方向における中心軸の外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置することから、遠心力の作用により、中心軸の周りに回転することなく当接面が回転要素の回転中心側に位置する状態に維持される。これにより、複数の回転要素が回転する際、スプリングシート(孔部)の当接面を突起の回転要素の径方向における内側の面に適正に当接させることが可能となる。この結果、突起のエッジ部が孔部の内周面に接触することによるスプリングシートや突起の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。更に、摩耗の抑制のために突起のエッジ部に面取り加工等を施す必要がなくなるので、ダンパ装置のコストアップを良好に抑制することが可能となる。また、スプリングシートの回転を抑制するために当該スプリングシートや回転要素に機械的な回転規制部を設ける必要がなくなることから、スプリングシートの適用箇所の制約が実質的になくなり、当該スプリングシートの設置の自由度を向上させることができる。そして、本開示のダンパ装置において、突起を含むトルク授受部は、複数の回転要素が回転する際に、突起および当該突起が差し込まれるスプリングシートの差込部を介して弾性体に作用する遠心力を受ける。これにより、弾性体が遠心力により径方向外側に位置する部材に押し付けられて両者の間で摩擦力が発生するのを良好に抑制することが可能となる。この結果、ダンパ装置におけるヒステリシスをより小さくして振動減衰性能をより向上させることができる。従って、本開示のダンパ装置では、コストアップの抑制や設置の自由度の向上を図りつつ、スプリングシートの回転を抑制して耐久性を確保すると共に、ヒステリシスをより小さくして振動減衰性能をより向上させることが可能となる。
本開示のダンパ装置を含む発進装置を示す概略構成図である。 図1の発進装置を示す断面図である。 本開示のダンパ装置の要部を示す正面図である。 本開示のスプリングシートを示す説明図である。 本開示のダンパ装置におけるトルク伝達経路を示す模式図である。 エンジンの回転数と、ダンパ装置の出力要素におけるトルク変動との関係を例示する説明図である。 エンジンの回転数と、第1および第2トルク伝達経路からダンパ装置の出力要素に伝達される振動の振幅との関係を例示する説明図である。 本開示の他のスプリングシートを示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示のダンパ装置10を含む発進装置1を示す概略構成図であり、図2は、ダンパ装置10を示す断面図である。図1に示す発進装置1は、原動機としてのエンジン(本実施形態では、内燃機関)EGを備えた車両に搭載されるものであり、ダンパ装置10に加えて、エンジンEGのクランクシャフトに連結されるフロントカバー3や、フロントカバー3に固定されるポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5、ダンパ装置10に連結されると共に自動変速機(AT)、無段変速機(CVT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、ハイブリッドトランスミッション、あるいは減速機である変速機(動力伝達装置)TMの入力軸ISに固定される動力出力部材としてのダンパハブ7、ロックアップクラッチ8等を含む。
なお、以下の説明において、「軸方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10の中心軸CA(軸心、図3参照)の延在方向を示す。また、「径方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、当該ダンパ装置10等の回転要素の径方向、すなわち発進装置1やダンパ装置10の中心軸CAから当該中心軸CAと直交する方向(半径方向)に延びる直線の延在方向を示す。更に、「周方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、当該ダンパ装置10等の回転要素の周方向、すなわち当該回転要素の回転方向に沿った方向を示す。
ポンプインペラ4は、フロントカバー3に密に固定されるポンプシェル40と、ポンプシェル40の内面に配設された複数のポンプブレード41とを有する。タービンランナ5は、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを有する。タービンシェル50の内周部は、複数のリベットを介してタービンハブ52に固定され、タービンハブ52は、ダンパハブ7により回転自在に支持される。また、タービンハブ52(タービンランナ5)の発進装置1の軸方向における移動は、ダンパハブ7と、当該ダンパハブ7に装着されるスナップリングとにより規制される。
ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6が同軸に配置される。ステータ6は、複数のステータブレード60を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。ただし、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ61を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させてもよい。
ロックアップクラッチ8は、油圧式多板クラッチであり、ダンパ装置10を介してフロントカバー3とダンパハブ7とを連結するロックアップを実行すると共に当該ロックアップを解除する。ロックアップクラッチ8は、フロントカバー3に固定されたセンターピース3cにより軸方向に移動自在に支持されるロックアップピストン80と、クラッチドラム81と、ロックアップピストン80と対向するようにフロントカバー3の側壁部3wの内面に固定される環状のクラッチハブ82と、クラッチドラム81の内周に形成されたスプラインに嵌合される複数の第1摩擦係合プレート(両面に摩擦材を有する摩擦板)83と、クラッチハブ82の外周に形成されたスプラインに嵌合される複数の第2摩擦係合プレート(セパレータプレート)84とを含む。
更に、ロックアップクラッチ8は、ロックアップピストン80を基準としてフロントカバー3とは反対側に位置するように、すなわちロックアップピストン80よりもダンパ装置10およびタービンランナ5側に位置するようにフロントカバー3のセンターピース3cに取り付けられる環状のフランジ部材(油室画成部材)85と、フロントカバー3とロックアップピストン80との間に配置される複数のリターンスプリング86とを含む。図示するように、ロックアップピストン80とフランジ部材85とは、係合油室87を画成し、当該係合油室87には、図示しない油圧制御装置から作動油(係合油圧)が供給される。従って、係合油室87への係合油圧を高めることで、第1および第2摩擦係合プレート83,84をフロントカバー3に向けて押圧するようにロックアップピストン80を軸方向に移動させ、それによりロックアップクラッチ8を係合(完全係合あるいはスリップ係合)させることができる。なお、ロックアップクラッチ8として、摩擦材が貼着されたロックアップピストンを含む単板油圧式クラッチが採用されてもよい。
ダンパ装置10は、エンジンEGと変速機TMとの間で振動を減衰するものであり、図1に示すように、同軸に相対回転する回転要素(回転部材すなわち回転質量体)として、ドライブ部材(入力要素)11、第1中間部材(第1中間要素)12、第2中間部材(第2中間要素)14およびドリブン部材(出力要素)16を含む。更に、ダンパ装置10は、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ドライブ部材11と第1中間部材12との間に配置されて回転トルク(回転方向のトルク)を伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第1内側スプリング(第1弾性体)SP11、第1中間部材12とドリブン部材16との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第2内側スプリング(第2弾性体)SP12、ドライブ部材11と第2中間部材14との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第1外側スプリング(第3弾性体)SP21、第2中間部材14とドリブン部材16との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第2外側スプリング(第4弾性体)SP22、および第1中間部材12と第2中間部材14との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個あるいは6個)の中間スプリング(第5弾性体)SPmを含む。
本実施形態では、第1および第2内側スプリングSP11,SP12、第1および第2外側スプリングSP21,SP22並びに中間スプリングSPmとして、荷重が加えられていないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなる直線型コイルスプリングが採用される。これにより、アークコイルスプリングを用いた場合に比べて、スプリングSP11−SPmを軸心に沿ってより適正に伸縮させて、トルクを伝達するスプリングと回転要素との間で発生する摩擦力に起因したヒステリシス、すなわちドライブ部材11への入力トルクが増加していく際の出力トルクと、ドライブ部材11への入力トルクが減少していく際の出力トルクとの間の差を低減化することができる。ヒステリシスは、ドライブ部材11への入力トルクが増加する状態でダンパ装置10の捩れ角が所定角度になったときにドリブン部材16から出力されるトルクと、ドライブ部材11への入力トルクが減少する状態でダンパ装置10の捩れ角が上記所定角度になったときにドリブン部材16から出力されるトルクとの差分により定量化され得るものである。なお、スプリングSP11−SPmの少なくとも何れか1つは、アークコイルスプリングであってもよい。
また、本実施形態において、第1および第2内側スプリングSP11,SP12は、ダンパ装置10(第1中間部材12)の周方向に沿って交互に並ぶように、フロントカバー3やポンプインペラ4のポンプシェル40により画成される流体室9内に配設される。更に、第1および第2外側スプリングSP21,SP22は、ダンパ装置10(第2中間部材14)の周方向に沿って交互に並ぶように流体室9内の外周側領域に配設される。すなわち、第1および第2外側スプリングSP21,SP22は、ダンパ装置10の外周に近接するように第1および第2内側スプリングSP11,SP12の径方向外側に配設される。
また、本実施形態において、第1外側スプリングSP21の軸心と、第2外側スプリングSP22の軸心とは、中心軸CAに直交する一平面に含まれ、第1内側スプリングSP11の軸心と、第2内側スプリングSP12の軸心とは、中心軸CAに直交する一平面に含まれる。更に、ダンパ装置10では、第1および第2内側スプリングSP11,SP12が径方向(図2における太線矢印参照)からみて第1および第2外側スプリングSP21,SP22と軸方向(図2における点線矢印参照)に部分的に重なり合うように当該第1および第2外側スプリングSP21,SP22の径方向内側に配置される。これにより、ダンパ装置10を径方向にコンパクト化すると共に、当該ダンパ装置10の軸長をより短縮化することが可能となる。ただし、第1外側スプリングSP21の軸心と、第2外側スプリングSP22の軸心とは、中心軸CAに直交する一平面に含まれていなくてもよく、第1内側スプリングSP11の軸心と、第2内側スプリングSP12の軸心とは、中心軸CAに直交する一平面に含まれていなくてもよい。また、スプリングSP11,SP12,SP21およびSP22の軸心が中心軸CAに直交する一平面に含まれてもよく、スプリングSP11,SP12,SP21およびSP22の少なくとも何れか1つの軸心が当該一平面に含まれなくてもよい。
そして、本実施形態では、第1内側スプリングSP11の剛性すなわちばね定数を“k11”とし、第2内側スプリングSP12の剛性すなわちばね定数を“k12”とし、第1外側スプリングSP21の剛性すなわちばね定数を“k21”とし、第2外側スプリングSP22の剛性すなわちばね定数を“k22”としたときに、ばね定数k11,k12,k21およびk22が、k11≠k21、かつk11/k21≠k12/k22という関係を満たすように選択される。より詳細には、ばね定数k11,k12,k21,およびk22は、k11/k21<k12/k22、およびk11≦k12<k22≦k21という関係を満たす。すなわち、第1および第2内側スプリングSP11,SP12のばね定数k11,k12の小さい方(k11)は、第1および第2外側スプリングSP21,SP22のばね定数k21,k22の小さい方(k22)よりも小さくなる。更に、中間スプリングSPmの剛性すなわちばね定数を“km”としたときに、ばね定数k11,k12,k21,k22およびkmは、k11≦k12<km<k22≦k21という関係を満たす。
図2に示すように、ダンパ装置10のドライブ部材11は、エンジンEGからのトルクが伝達される上述のロックアップクラッチ8のクラッチドラム81(第1入力部材)と、複数のリベット115を介してクラッチドラム81に軸方向に並ぶように連結(固定)される環状の入力プレート111(第2入力部材)とを含む。これにより、ロックアップクラッチ8の係合によりフロントカバー3(エンジンEG)とダンパ装置10のドライブ部材11とが連結されることになる。クラッチドラム81は、上記スプラインよりも径方向外側に形成されると共にダンパ装置10の外周を規定する環状のスプリング支持部(弾性体支持部)81aと、それぞれ軸方向に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部(トルク授受部)81cとを有する。スプリング支持部81aは、複数の第1および第2外側スプリングSP21,SP22の外周部やフロントカバー3側(エンジン側)の側部(図2における左側の側部)および当該側部の内周側、タービンランナ5側(変速機側)の側部の外周側(肩部)を支持(ガイド)するように形成されている。クラッチドラム81は、当該スプリング支持部81aが発進装置1の外周に近接するように流体室9内に配置される。
また、入力プレート111は、板状の環状部材であり、複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部111aと、複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング当接部(トルク授受部)111coと、複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部(トルク授受部)111ciとを含む。複数のスプリング支持部111aは、入力プレート111の外周部に周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成されている。複数の外側スプリング当接部111coは、それぞれ径方向に延在するように周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成されている。内側スプリング当接部111ciは、周方向に沿って互いに隣り合うスプリング支持部111aの間に1個ずつ設けられ、各内側スプリング当接部111ciは、入力プレート111の内周部から周方向に間隔をおいて(等間隔に)径方向内側に延びる。また、本実施形態において、複数の内側スプリング当接部111ciは、複数の外側スプリング当接部111coよりもタービンランナ5に近接するようにダンパ装置10の軸方向にオフセットされている。
第1中間部材12は、図2に示すように、質量体としてのタービンランナ5に一体に回転するように連結(固定)される環状の第1プレート部材121と、第1プレート部材121よりもフロントカバー3に近接するように配置されると共に複数のリベットを介して第1プレート部材121に連結(固定)される環状の第2プレート部材122と、ダンパハブ7により回転自在に支持(調心)されると共に第1プレート部材121と一体に回転可能な環状の第3プレート部材123と、第1プレート部材121よりもタービンランナ5に近接するように配置されると共に、当該複数のリベットを介して第1および第2プレート部材121,122に連結(固定)される環状の第4プレート部材124とを含む。
第1中間部材12の第1プレート部材121は、周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数(例えば3個)のスプリング収容窓121wと、それぞれ対応するスプリング収容窓121wの内周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部121aと、それぞれ対応するスプリング収容窓121wの外周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部121bと、それぞれ軸方向に延びる複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部(トルク授受部)121cと、それぞれ径方向に延びる複数(例えば、中間スプリングSPmの個数の2倍の数)の外側スプリング当接部(トルク授受部)121dとを含む。図示するように、第1プレート部材121の内周部は、タービンランナ5のタービンシェル50と共にタービンハブ52に固定される。
第1プレート部材121の各内側スプリング当接部121cは、スプリング支持部121aよりも径方向内側で周方向に間隔をおいて(等間隔に)ダンパ装置10の軸方向における一側(図2における左側、すなわちフロントカバー3側)に突出する。各内側スプリング当接部121cの先端部には、先細の突起部121pが形成されている。また、スプリング収容窓121wは、中間スプリングSPmの自然長に応じた周長を有し、外側スプリング当接部121dは、当該内側スプリング当接部121cよりも径方向外側に位置するように各スプリング収容窓121wの周方向における両側に1個ずつ設けられている。更に、第1プレート部材121は、外周部からダンパ装置10の軸方向における一側(フロントカバー3側)に延出された環状延出部121eを有する。
第1中間部材12の第2プレート部材122は、図2に示すように、第1プレート部材121の内径よりも大きい内径を有すると共に、当該第1プレート部材121の外径よりも小さい外径を有する環状部材である。第2プレート部材122は、周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数(例えば3個)のスプリング収容窓122wと、それぞれ対応するスプリング収容窓121wの内周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部122aと、それぞれ対応するスプリング収容窓121wの外周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部122bと、それぞれ径方向に延びる複数(例えば、中間スプリングSPmの個数の2倍の数)のスプリング当接部(トルク授受部)122dとを含む。スプリング収容窓122wは、中間スプリングSPmの自然長に応じた周長を有し、スプリング当接部122dは、各スプリング収容窓122wの周方向における両側に1個ずつ設けられる。第2プレート部材122は、外周面が第1プレート部材121の環状延出部121eにより径方向に間隔をおいて包囲されるように、複数のリベットを介して第1プレート部材121に固定される。
第1中間部材12の第3プレート部材123は、周方向に間隔をおいて(等間隔に)径方向外側に突出する複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部(トルク授受部)123cを有する。各スプリング当接部123cには、図2に示すように、当該スプリング当接部123cを貫通する矩形状あるいは長穴状の開口部123hが形成されており、開口部123hには、第1プレート部材121の内側スプリング当接部121cの先端に形成された突起部121pが嵌合される。突起部121pは、第3プレート部材123の周方向における開口部123hの幅よりも僅かに短い幅を有すると共に、当該第3プレート部材123の径方向における開口部123hの長さ(開口長さ)よりも充分に小さい厚みを有している。
第1中間部材12の第4プレート部材124は、図2に示すように、第1プレート部材121の内径よりも大きい内径を有すると共に、当該第1プレート部材121の外径よりも大きい外径を有する環状部材である。また、第4プレート部材124は、外周部からダンパ装置10の軸方向における一側(フロントカバー3側)に延出された環状延出部124eを有する。図示するように、第4プレート部材124は、環状延出部124eが第1プレート部材121の環状延出部121eを包囲するように、上記複数のリベットを介して第2プレート部材122と共に第1プレート部材121に固定される。
第2中間部材14は、第1中間部材12のものよりも小さい慣性モーメントを有する単一の環状部材である。第2中間部材14は、環状のプレート部14aと、当該プレート部14aの外周部からダンパ装置10の軸方向における一側(フロントカバー3側)に延出された環状延出部14eと、複数(本実施形態では、例えば3個)の第1スプリング当接部(トルク授受部)14cと、プレート部14aに周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数(例えば3個)のスプリング収容窓14wと、複数(例えば、中間スプリングSPmの個数の2倍の数)の第2スプリング当接部(トルク授受部)14dとを含む。プレート部14aは、第2プレート部材122の内径よりも若干小さい内径を有すると共に、当該第2プレート部材122の外径よりも大きく、かつ第1プレート部材121(環状延出部121e)の外径よりも小さい外径を有する。複数の第1スプリング当接部14cは、環状延出部14eの遊端から周方向に間隔をおいてダンパ装置10の軸方向における一側(フロントカバー3側)に延出されている。また、スプリング収容窓14wは、中間スプリングSPmの自然長に応じた周長を有し、複数の第2スプリング当接部14dは、第2スプリング当接部14dは、各スプリング収容窓14wの周方向における両側に1個ずつ設けられ、それぞれ径方向に延在する。
ドリブン部材16は、第1出力プレート(第1出力部材)161と、第1出力プレート161よりもタービンランナ5に近接するように配置されると共に複数のリベットを介して当該第1出力プレート161に軸方向に並ぶように連結(固定)される環状の第2出力プレート(第2出力部材)162とを含む。ドリブン部材16の第1出力プレート161は、板状の環状部材であり、当該第1出力プレート161の内周部は、複数のリベットを介してダンパハブ7に固定される。図示するように、第1出力プレート161は、周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数(例えば3個)のスプリング収容窓161wと、それぞれ対応するスプリング収容窓161wの内周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部161aと、それぞれ対応するスプリング収容窓161wの外周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部161bと、複数(例えば3個)の内側スプリング当接部(トルク授受部)161ciと、複数(例えば3個)の外側スプリング当接部(トルク授受部)161coとを有する。
複数の内側スプリング当接部161ciは、周方向に沿って互いに隣り合うスプリング収容窓161w(スプリング支持部161a,161b)の間に1個ずつ設けられ、それぞれ径方向に延在する。複数の外側スプリング当接部161coは、第1出力プレート161の外周部から周方向に間隔をおいて(等間隔に)径方向外側に延出されている。また、本実施形態において、複数の外側スプリング当接部161coは、複数の内側スプリング当接部161ciよりもフロントカバー3に近接するようにダンパ装置10の軸方向にオフセットされている。更に、第1出力プレート161は、複数の内側スプリング当接部161ciと、複数の外側スプリング当接部161coとの径方向における間で軸方向に延びる短尺円筒状の支持部161sを有する。
ドリブン部材16の第2出力プレート162は、板状の環状部材であり、周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数(例えば3個)のスプリング収容窓162wと、それぞれ対応するスプリング収容窓162wの内周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部162aと、それぞれ対応するスプリング収容窓162wの外周縁に沿って延びる複数(例えば3個)のスプリング支持部162bと、複数(例えば3個)のスプリング当接部(トルク授受部)162cとを有する。複数のスプリング当接部162cは、周方向に沿って互いに隣り合うスプリング収容窓162w(スプリング支持部162a,162b)の間に1個ずつ設けられ、それぞれ径方向に延在する。
図2に示すように、第1および第2出力プレート161,162は、対応するスプリング支持部161aおよび162a同士が互いに対向すると共に、対応するスプリング支持部161bおよび162b同士が互いに対向するように連結される。更に、第1および第2出力プレート161,162の軸方向における間には、ドライブ部材11の入力プレート111の内周側半部が配置され、入力プレート111に形成された短尺円筒状の被支持部111sは、第1出力プレート161の支持部161sにより支持される。これにより、入力プレート111は、ドリブン部材16(第1出力プレート161)により回転自在に支持(調心)され、当該入力プレート111の各外側スプリング当接部111coは、当該支持部161sを超えて径方向外側に延びる。また、ドリブン部材16の外側スプリング当接部161coは、入力プレート111の外側スプリング当接部111coとクラッチドラム81(スプリング当接部81c)との軸方向における間で径方向に延在する。
更に、第1および第2出力プレート161,162の間には、入力プレート111の環状部によって包囲されるように第1中間部材12の第3プレート部材123が配置される。入力プレート111の各内側スプリング当接部111ciと第3プレート部材123の各内側スプリング当接部121cとは、第1および第2出力プレート161,162の間で周方向に並び、径方向からみて(図2における実線矢印参照)軸方向に重なり合う(概ね同一平面上に位置する)。また、第2出力プレート162の側方には、第1中間部材12、第2中間部材14、複数の中間スプリングSPm、タービンハブ52およびタービンランナ5の組立体が配置される。すなわち、第1および第2プレート部材121,122は、当該第1プレート部材121のタービンハブ52への固定に先立って、第2中間部材14のプレート部14a(複数の第2スプリング当接部14d)と、それぞれ対応するスプリング収容窓14w内に配置された複数の中間スプリングSPmとを挟み込むように複数のリベットを介して互いに連結(固定)される。
図2に示すように、第1プレート部材121の複数のスプリング支持部121aは、それぞれ対応する中間スプリングSPm(各1個)のフロントカバー3側の側部を内周側から支持(ガイド)し、スプリング支持部121bは、それぞれ対応する中間スプリングSPm(各1個)のフロントカバー3側の側部を外周側から支持(ガイド)する。また、第2プレート部材122の複数のスプリング支持部122aは、それぞれ対応する中間スプリングSPm(各1個)のタービンランナ5側の側部を内周側から支持(ガイド)し、複数のスプリング支持部122bは、それぞれ対応する中間スプリングSPm(各1個)のタービンランナ5側の側部を外周側から支持(ガイド)する。
更に、第2中間部材14の環状延出部14eの内周面は、図2に示すように、第2プレート部材122の外周面により支持され、第2中間部材14は、当該第2プレート部材122により回転自在に支持(調心)される。また、第2中間部材14の各第1スプリング当接部14cは、第2プレート部材122の外周面と、第1プレート部材121の環状延出部121eとの間における径方向の隙間を介してフロントカバー3側に突出する。更に、タービンハブ52をダンパハブ7に嵌合することで、当該タービンハブ52に固定された第1中間部材12の第1プレート部材121は、タービンランナ5と第2出力プレート162との軸方向における間で径方向に延在し、第2プレート部材122は、当該第1プレート部材121よりもフロントカバー3に近接する。
そして、第1および第2内側スプリングSP11,SP12は、1個ずつ対をなす(直列に作用する)と共に周方向(第1中間部材12の周方向)に交互に並ぶように、ドリブン部材16すなわち第1および第2出力プレート161,162の対応するスプリング支持部161a,161b,162a,162bにより支持される。すなわち、第1出力プレート161の複数のスプリング支持部161aは、図2に示すように、それぞれ対応する第1および第2内側スプリングSP11,SP12(各1個)のフロントカバー3側の側部を内周側から支持(ガイド)する。第1出力プレート161の複数のスプリング支持部161bは、それぞれ対応する第1および第2内側スプリングSP11,SP12(各1個)のフロントカバー3側の側部を外周側から支持(ガイド)する。また、第2出力プレート162の複数のスプリング支持部162aは、それぞれ対応する第1および第2内側スプリングSP11,SP12(各1個)のタービンランナ5側の側部を内周側から支持(ガイド)する。第2出力プレート162の複数のスプリング支持部162bは、それぞれ対応する第1および第2内側スプリングSP11,SP12(各1個)のタービンランナ5側の側部を外周側から支持(ガイド)する。
図3に示すように、ダンパ装置10の取付状態において、ドライブ部材11すなわち入力プレート111の各内側スプリング当接部111ciは、互いに異なるスプリング収容窓161w,162w内に配置されて対をなさない(直列に作用しない)第1および第2内側スプリングSP11,SP12の間で両者の端部に当接する。また、ダンパ装置10の取付状態において、第1出力プレート161の各内側スプリング当接部161ciは、入力プレート111の内側スプリング当接部111ciと同様に、対をなさない(直列に作用しない)第1および第2内側スプリングSP11,SP12の間で両者の端部に当接する。同様に、第2出力プレート162の各スプリング当接部162cも、ダンパ装置10の取付状態において、対をなさない(直列に作用しない)第1および第2内側スプリングSP11,SP12の間で両者の端部に当接する。これにより、ダンパ装置10の取付状態において、第1内側スプリングSP11の一端部と、当該第1内側スプリングSP11と対をなす第2内側スプリングSP12の他端部とは、ドライブ部材11の対応する内側スプリング当接部111ciと、ドリブン部材16の対応するスプリング当接部161ci,162cとに当接する。
更に、第1中間部材12の第3プレート部材123の各スプリング当接部123cは、互いに対をなす(直列に作用する)第1および第2内側スプリングSP11,SP12の間に径方向に延在するように配置される。本実施形態において、第1内側スプリングSP11の他端部と、当該第1内側スプリングSP11と対をなす第2内側スプリングSP12の一端部とには、図3に示すように、スプリングシート90が装着されている。スプリングシート90は、円盤状のシート部91と、当該シート部91から一側に突出する短尺円柱状の第1突起92と、シート部91から第1突起92とは反対側に突出する例えば半球状の第2突起93とを含む。スプリングシート90の第1突起92は、第1内側スプリングSP11の他端部または第2内側スプリングSP12の一端部内に嵌合され(差し込まれ)、それにより各スプリングシート90が第1内側スプリングSP11または第2内側スプリングSP12と一体になる。また、各スプリングシート90の第2突起93は、第1内側スプリングSP11の他端部または第2内側スプリングSP12の一端部とは反対側に突出する。
図3に示すように、第3プレート部材123の各スプリング当接部123cの両側の側面には、断面半円形状の凹部(切り欠き)123crが形成されている。各スプリング当接部123cの両側の側面は、それぞれ対応する第1内側スプリングSP11または第2内側スプリングSP12に装着されたスプリングシート90のシート部91の表面に当接し、スプリング当接部123cの凹部123crには、スプリングシート90の第2突起93が嵌合される。更に、本実施形態では、図2に示すように、第3プレート部材123のスプリング当接部123cの開口部123hに第1プレート部材121の内側スプリング当接部121cの突起部121pが嵌合(連結)される。各内側スプリング当接部121cは、第1および第2内側スプリングSP11,SP12の間で軸方向に延在する。また、各内側スプリング当接部121cの周方向における両側の側面(2つの当接面)は、第1および第2内側スプリングSP11,SP12の端部に装着されたスプリングシート90のシート部91の表面に当接する。
これにより、ダンパ装置10の取付状態において、第1内側スプリングSP11の他端部に装着されたスプリングシート90(シート部91の表面)と、当該第1内側スプリングSP11と対をなす第2内側スプリングSP12の一端部に装着されたスプリングシート90(シート部91の表面)とは、第1中間部材12、すなわち第1プレート部材121の内側スプリング当接部121cおよび第3プレート部材123のスプリング当接部123cに当接する。この結果、ドリブン部材16は、複数の第1内側スプリングSP11と、第1中間部材12(第3プレート部材123および第1プレート部材121)と、複数の第2内側スプリングSP12とを介してドライブ部材11に連結されることになる。
また、第1および第2外側スプリングSP21,SP22は、1個ずつ対をなす(直列に作用する)と共に周方向(第2中間部材14の周方向)に交互に並ぶようにドライブ部材11のクラッチドラム81のスプリング支持部81aにより包囲されると共に、当該スプリング支持部81aと入力プレート111の各スプリング支持部111aとによって支持される。本実施形態において、第1外側スプリングSP21の両端部および第2外側スプリングSP22の両端部には、図3に示すように、スプリングシート100が配置されている。スプリングシート100は、対応する第1外側スプリングSP21または第2外側スプリングSP22の端部内に差し込まれる筒状の差込部101と、対応する第1外側スプリングSP21または第2外側スプリングSP22の端部に当接するように差込部101の一端に形成されたシート部102と、差込部101等の軸方向に延在する孔部103とを含む。スプリングシート100の差込部101は、第1外側スプリングSP21および第2外側スプリングSP22の端部内に差し込まれ、シート部102は、対応する第1外側スプリングSP21および第2外側スプリングSP22の端部に当接する。
ドライブ部材11、すなわちクラッチドラム81の各スプリング当接部81cと、入力プレート111の各外側スプリング当接部111coとは、ダンパ装置10の取付状態において、対をなさない(直列に作用しない)第1および第2外側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部に配置されたスプリングシート100のシート部102の表面に当接する。また、第2中間部材14の各第1スプリング当接部14cは、スプリング支持部81aと入力プレート111との間に画成された開口内に差し込まれ、各第1スプリング当接部14cの周方向における両側の側面(2つの当接面)は、互いに対をなす(直列に作用する)第1および第2内側スプリングSP11,SP12の間で、第1または第2外側スプリングSP21,SP22の端部に配置されたスプリングシート100のシート部102の表面に当接する。更に、第1出力プレート161の各外側スプリング当接部161coは、ダンパ装置10の取付状態において、対をなさない(直列に作用しない)第1および第2外側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部に配置されたスプリングシート100のシート部102の表面に当接する。
これにより、ダンパ装置10の取付状態において、第1外側スプリングSP21の一端部と、当該第1外側スプリングSP21と対をなす第2外側スプリングSP22の他端部とに配置されたスプリングシート100(シート部102の表面)は、それぞれドライブ部材11の対応するスプリング当接部81cおよび111coと、ドリブン部材16の対応する外側スプリング当接部161coとに当接する。また、ダンパ装置10の取付状態において、第1外側スプリングSP21の他端部と、当該第1外側スプリングSP21と対をなす第2外側スプリングSP22の一端部とに配置されたスプリングシート100(シート部102の表面)は、第2中間部材14の第1スプリング当接部14cに当接する。この結果、ドリブン部材16は、複数の第1外側スプリングSP21と、第2中間部材14と、複数の第2外側スプリングSP22とを介してドライブ部材11に連結されることになる。
そして、本実施形態において、第1出力プレート161の各外側スプリング当接部161coの第2外側スプリングSP22側の側面には、図3に示すように、周方向に突出する突起161cpが形成されている。突起161cpは、第1出力プレート161の製造に際して、プレス成形により略矩形状に形成され、当該突起161cpの第1出力プレート161の中心側(径方向内側)の面は、概ね平坦に形成される。各外側スプリング当接部161coの突起161cpは、対応する第2外側スプリングSP22の端部に配置されたスプリングシート100の孔部103(差込部101)内に差し込まれる。
一方、各中間スプリングSPmは、上述のように、第2中間部材14の対応するスプリング収容窓14w内に配置(嵌合)されると共に、第1および第2プレート部材121,122の対応するスプリング支持部121a,121b,122aおよび122bによって挟み込まれる。これにより、各中間スプリングSPmは、第1および第2内側スプリングSP11,SP12の径方向外側に第1および第2外側スプリングSP21,SP22とダンパ装置10の軸方向に間隔をおいて配置される。また、本実施形態において、中間スプリングSPmは、軸方向からみて(図2における点線矢印参照)第1および第2外側スプリングSP21,SP22の少なくとも何れか一方と径方向に部分的に重なり、径方向からみて第1および第2内側スプリングSP11,SP12の少なくとも何れか一方と軸方向に部分的に重なる。
ダンパ装置10の取付状態において、第1プレート部材121のスプリング収容窓121wの両側に位置する一対の外側スプリング当接部121dは、それぞれ中間スプリングSPmの対応する端部に当接し、第2プレート部材122のスプリング収容窓122wの両側に位置する一対のスプリング当接部122dは、それぞれ中間スプリングSPmの対応する端部に当接する。同様に、第2中間部材14の一対の第2スプリング当接部14dも、第1および第2プレート部材121,122の軸方向における間で、それぞれ中間スプリングSPmの対応する端部に当接する。これにより、ダンパ装置10の取付状態において、各中間スプリングSPmは、第1中間部材12、すなわち第1プレート部材121の一対の外側スプリング当接部121dおよび第2プレート部材122の一対のスプリング当接部122dにより周方向における両側から支持されると共に、第2中間部材14の一対の第2スプリング当接部14dにより周方向における両側から支持される。従って、第1中間部材12と第2中間部材14とは、複数の中間スプリングSPmを介して互いに連結されることになる。
更に、ダンパ装置10は、図1に示すように、第1中間部材12とドリブン部材16との相対回転および第2内側スプリングSP12の撓みを規制する第1ストッパ21と、第2中間部材14とドリブン部材16との相対回転および第2外側スプリングSP22の撓みを規制する第2ストッパ22と、ドライブ部材11とドリブン部材16との相対回転を規制する第3ストッパ23とを含む。第1および第2ストッパ21,22は、エンジンEGからドライブ部材11に伝達される入力トルクがダンパ装置10の最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2(第2の閾値)よりも小さい予め定められたトルクT1(第1の閾値)に達した段階で対応する回転要素の相対回転およびスプリングの撓みを概ね同時に規制するように構成される。また、第3ストッパ23は、ドライブ部材11への入力トルクが最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2に達した段階でドライブ部材11とドリブン部材16との相対回転を規制するように構成される。これにより、ダンパ装置10は、2段階(2ステージ)の減衰特性を有することになる。
本実施形態において、第1ストッパ21は、図2に示すように、ドリブン部材16の第2出力プレート162の外周部から周方向に間隔をおいてダンパ装置10の軸方向における一側(図2における右側、すなわちタービンランナ5側)に延出された複数のストッパ部162zと、それぞれ円弧状に延在するように第1中間部材12の第1プレート部材121に周方向に間隔をおいて形成された複数のスリット(切欠部)121zとにより構成される。ダンパ装置10の取付状態において、ドリブン部材16の(第2出力プレート162)の各ストッパ部162zは、第1中間部材12(第1プレート部材121)の対応するスリット121z内に当該スリット121zの両側の端部を画成する第1プレート部材121の壁面に当接しないように挿通される。これにより、第1中間部材12とドリブン部材16とが相対回転するのに伴って第2出力プレート162の各ストッパ部162zとスリット121zの両側の端部を画成する壁面の一方とが当接すると、第1中間部材12とドリブン部材16との相対回転および第2内側スプリングSP12の撓みが規制されることになる。
また、本実施形態において、第2ストッパ22は、ドリブン部材16の第2出力プレート162に形成された複数のストッパ部162zと、第2中間部材14のプレート部14aの内周部に周方向に間隔をおいて形成された複数の切欠部14zとにより構成される。ダンパ装置10の取付状態において、ドリブン部材16の(第2出力プレート162)の各ストッパ部162zは、第2中間部材14の対応する切欠部14z内に当該切欠部14zの両側の端部を画成するプレート部14aの壁面に当接しないように差し込まれる。これにより、第2中間部材14とドリブン部材16とが相対回転するのに伴って第2出力プレート162の各ストッパ部162zと切欠部14zの両側の端部を画成する壁面の一方とが当接すると、第2中間部材14とドリブン部材16との相対回転および第2外側スプリングSP22の撓みが規制されることになる。
更に、本実施形態において、第3ストッパ23は、クラッチドラム81と入力プレート111とを連結する複数のリベット115と、第1出力プレート161の複数の外側スプリング当接部161coとにより構成される。ダンパ装置10の取付状態において、各リベット115は、ドリブン部材16の隣り合う外側スプリング当接部161co同士の周方向における間に両側の外側スプリング当接部161coに当接しないように配置される。これにより、ドライブ部材11とドリブン部材16とが相対回転するのに伴って各リベット115と両側の外側スプリング当接部161coの一方の側面とが当接すると、ドライブ部材11とドリブン部材16との相対回転が規制されることになる。なお、ダンパ装置10における複数のストッパ21,22,23の設置箇所は、図1に示す箇所に限られるものではない。すなわち、複数のストッパは、第1および第2内側スプリングSP11,SP12、第1および第2外側スプリングSP21,SP22並びに中間スプリングSPmの撓みを適正に規制することができるのであれば、任意の箇所に設置可能である。
図4は、ダンパ装置10に設けられるスプリングシート100を示す説明図である。同図に示すように、スプリングシート100の差込部101は、先端部が拡径された円筒状に形成されている。本実施形態において、第1外側スプリングSP21および第2外側スプリングSP22の端部(内径)は、当該端部以外の部分よりも縮径化されており、差込部101の先端側の拡径部は、第1外側スプリングSP21や第2外側スプリングSP22の端部の内径よりも大きい外径を有する。また、差込部101の拡径部よりも基端側の部分は、第1外側スプリングSP21や第2外側スプリングSP22の端部以外の部分の内径よりも小さい外径を有する。これにより、差込部101の先端部を第1外側スプリングSP21および第2外側スプリングSP22の端部内に圧入すると、スプリングシート100は、第1外側スプリングSP21および第2外側スプリングSP22に対して移動可能となる。この結果、スプリングSP21,SP22や外側スプリング当接部161coに対するスプリングシート100の追従性を向上させることができる。また、シート部102は、差込部101と同軸の円環状に形成されており、当該差込部101の一端から径方向外側に延在する。
更に、スプリングシート100の孔部103は、差込部101およびシート部102の中心軸Csに沿って延在し、当該差込部101およびシート部102を貫通する。本実施形態において、孔部103は、長方形と半円形とを組み合わせた一様かつ左右対称の断面形状を有し、当該孔部103の内周面は、平坦な底面(当接面)104を含む。また、孔部103の幅(図4中左右方向の寸法)および高さ(図4中上下方向の寸法)は、当該孔部103内に差し込まれる外側スプリング当接部161coの突起161cpの厚みおよび高さ(径方向長さ)よりも充分に大きい。更に、底面104は、図4に示すように、孔部103内に差し込まれた突起161cp(図4中二点鎖線参照)の径方向内側の面と面接触可能である。
また、本実施形態において、孔部103は、中心軸Csを含んで底面104と平行に延在する平面Pxの当該底面104側(図4中下側)における断面形状が長方形状となり、平面Pxの底面104とは反対側(図4中上側)における断面形状が半円形状となるように形成されている。これにより、平面Pxの底面104とは反対側における孔部103の断面積は、平面Pxの底面104側における孔部103の断面積よりも小さくなる。この結果、スプリングシート100の重心Gは、差込部101の径方向における中心軸Csの外側かつ当該中心軸Csに関して底面104の反対側に位置することになる。より詳細には、重心Gは、中心軸Csを含み底面104の幅方向(図4における左右方向)における中央を通る(底面104と直交する)平面Py内に含まれ、上記平面Pxに関して底面104の反対側に位置する。
次に、ロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されている際のダンパ装置10の動作について説明する。ロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されている際、エンジンEGからドライブ部材11に伝達された入力トルク(回転トルク)は、当該入力トルクが上記トルクT1に達しておらず、かつスプリングSP11,SP12,SP21,SP22およびSPmのすべての撓みが許容されている間、図5に示すように、第1内側スプリングSP11、第1中間部材12および第2内側スプリングSP12を含む第1トルク伝達経路P1と、第1外側スプリングSP21、第2中間部材14および第2外側スプリングSP22を含む第2トルク伝達経路P2とを介してドリブン部材16に伝達される。また、ダンパ装置10では、上述のように、ばね定数k11,k12,k21およびk22が、k11≦k12<k22≦k21という関係を満たす。このため、ドライブ部材11にトルクが伝達されると、中間スプリングSPmは、ドライブ部材11から第1外側スプリングSP21を介して第2中間部材14に伝達されたトルクの一部(平均トルクの一部)を第1中間部材12に伝達する。
従って、ロックアップの実行中に入力トルクがトルクT1に達するまでの間、ドライブ部材11に伝達されたトルクは、図5に示すように、第1および第2トルク伝達経路P1,P2に加えて、第1外側スプリングSP21、第2中間部材14、中間スプリングSPm、第1中間部材12および第2内側スプリングSP12を含む第3トルク伝達経路P3を介してドリブン部材16に伝達されることになる。これにより、スプリングSP11−SPmのすべての撓みが許容されている間、第2内側スプリングSP12には、第1内側スプリングSP11からの回転トルクと、第1外側スプリングSP21、第2中間部材14および中間スプリングSPmからの回転トルクとが伝達される。また、第2外側スプリングSP22には、第1外側スプリングSP21からの回転トルクが伝達される。
このようにロックアップの実行中に入力トルクがトルクT1に達しておらず、スプリングSP11−SPmのすべての撓みが許容されている状態では、ダンパ装置10に対して、2つの固有振動数を設定可能である。また、ダンパ装置10では、図6に示すように、当該2つの固有振動数の小さい方での共振(図6における共振点R1参照)の発生により第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動の位相と第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の位相とが反転して両振動が互いに打ち消し合うようになる(ドリブン部材16の振動振幅(トルク変動TFluc)を理論上ゼロにし得る)反共振点Aを設定することができる。
更に、ダンパ装置10では、反共振点A付近でドリブン部材16の振動の減衰ピークが発生してから、2つの固有振動数の大きい方での共振(図6における共振点R2参照)が発生して第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動と第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動とが同位相になるまでの間、第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動および第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の一方により他方の少なくとも一部を打ち消すことができる。これにより、ダンパ装置10によれば、ロックアップの実行中であって入力トルクがトルクT1に達するまでの間、ドライブ部材11に伝達されるトルクの変動すなわち振動を良好に減衰(吸収)することが可能となる。
一方、ドライブ部材11への入力トルクが上記トルクT1に達して第1および第2ストッパ21,22が作動すると、第1ストッパ21により第1中間部材12とドリブン部材16との相対回転および第2内側スプリングSP12の撓みが規制され、第2ストッパ22により第2中間部材14とドリブン部材16との相対回転および第2外側スプリングSP22の撓みが規制される。これにより、ドリブン部材16に対する第1および第2中間部材12,14の相対回転が規制されることで、中間スプリングSPmの撓みも規制される。従って、ドライブ部材11への入力トルクが上記トルクT1に達してから、当該入力トルクが上記トルクT2に達して第3ストッパ23が作動するまで、第1内側スプリングSP11と第1外側スプリングSP21とが並列に作用してドライブ部材11に伝達されるトルクの変動を減衰(吸収)する。
本実施形態のダンパ装置10では、第1中間部材12の固有振動数f21が上記2つの固有振動数のうちの小さい方に一致しており、第2中間部材14の固有振動数f22が当該2つの固有振動数のうちの大きい方に一致している。また、ダンパ装置10では、第1中間部材12の固有振動数f21が例えばロックアップクラッチ8のロックアップ回転数Nlupに対応した周波数よりも小さく設定されている。これにより、反共振点Aを生じさせる共振、すなわち第1および第2中間部材12,14が同位相で振動するときの第1中間部材12の共振は、ロックアップクラッチ8の非ロックアップ領域(図6における二点鎖線参照)に含まれる仮想的なものとなる。更に、反共振点Aの振動数faは、例えば、ロックアップクラッチ8のロックアップ領域(図6における実線参照)で生じるダンパ装置10を含む振動系全体の共振、すなわちダンパ装置10全体と車両のドライブシャフトとの振動による共振(ドライブ部材11とドライブシャフトとの間で発生する振動による共振)の周波数以上に設定されている。
従って、ダンパ装置10では、第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動および第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の一方が他方の少なくとも一部を打ち消す回転数帯(周波数帯)の始点をより低回転側(低周波側)に設定することができる。この結果、ロックアップクラッチ8によりロックアップが実行された時点から、第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動および第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の一方により他方の少なくとも一部を打ち消すことが可能となる。これにより、ダンパ装置10では、ドライブ部材11の回転数が比較的低いときの振動減衰性能を極めて良好に向上させることができる。
更に、ダンパ装置10では、第2中間部材14の固有振動数f22よりも小さい固有振動数f21を有する第1中間部材12に対応した第1および第2内側スプリングSP11,SP12が、第2中間部材14に対応した第1および第2外側スプリングSP21,SP22の径方向内側に配置される。これにより、第1および第2内側スプリングSP11,SP12に比べて剛性が高い第1および第2外側スプリングSP21,SP22の捩れ角(ストローク)をより大きくすることが可能となり、ドライブ部材11に対する大きなトルクの伝達を許容しつつ、第1および第2外側スプリングSP21,SP22を低剛性化することができる。この結果、ダンパ装置10の等価剛性keqをより小さくすると共に、ダンパ装置10を含む振動系全体の共振、すなわちダンパ装置10全体と車両のドライブシャフトとの振動による共振(ドライブ部材11とドライブシャフトとの間で発生する振動による共振)をより低回転側(低周波側)にシフトさせることが可能となる。従って、ダンパ装置10では、上記反共振点Aの振動数faを当該振動系全体の共振の周波数により近づけることで、振動減衰性能を極めて良好に向上させることができる。加えて、ダンパ装置10では、ばね定数k11,k12,k21,k22およびkmが、k11≦k12<km<k22≦k21という関係を満たすように選択される。これにより、第1および第2中間部材12,14の固有振動数f21,f22やダンパ装置10の等価剛性keqをより適正に設定することが可能となる。
また、ダンパ装置10に設けられたスプリングシート100の重心Gは、上述のように、差込部101の径方向における中心軸Csの外側かつ当該中心軸Csに関して当接面としての底面104の反対側に位置する。これにより、ドライブ部材11にエンジンEGからのトルクが伝達されて当該ドライブ部材11やドリブン部材16等が回転する際、スプリングシート100は、遠心力の作用により、中心軸Csの周りに回転することなく底面104がドライブ部材11やドリブン部材16の回転中心すなわち中心軸CA側に位置する状態に維持される。従って、ドリブン部材16等が回転する際、スプリングシート100(孔部103)の底面104を当外側スプリング当接部161coの突起161cpの径方向内側の面に面接触させることが可能となる。この結果、突起161cpのエッジ部が孔部103の内周面に接触することによるスプリングシート100や突起161cpの摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。また、摩耗の抑制のために突起161cpのエッジ部に面取り加工等を施す必要がなくなるので、ダンパ装置10のコストアップを良好に抑制することが可能となる。
更に、スプリングシート100の回転を抑制するために当該スプリングシート100やドライブ部材11やドリブン部材16といった回転要素に機械的な回転規制部を設ける必要がなくなることから、スプリングシート100の適用箇所の制約が実質的になくなり、当該スプリングシート100の設置の自由度を向上させることができる。すなわち、本開示のスプリングシート100は、機械的な回転規制部を必要としないものであることから、ドライブ部材11(クラッチドラム81)のスプリング支持部81aにより包囲される第2外側スプリングSP22とドリブン部材16の外側スプリング当接部161coとの間に容易に配置することが可能となる。
また、ダンパ装置10において、突起161cpを含むドリブン部材16(第1出力プレート161)の外側スプリング当接部161coは、突起161cpおよび当該突起161cpが差し込まれるスプリングシート100の差込部101を介して第2外側スプリングSP22に作用する遠心力を受ける。すなわち、ドライブ部材11にエンジンEGからのトルクが伝達されて当該ドライブ部材11やドリブン部材16等が回転し、第2外側スプリングSP22に遠心力が作用した際、当該第2外側スプリングSP22の上記他端部(外側スプリング当接部161co側の端部)の径方向外側への移動は、スプリングシート100や突起161cpを介して外側スプリング当接部161co(ドリブン部材16)により規制される。
これにより、エンジンEGからの動力によりドライブ部材11やドリブン部材16が回転する際に、外側スプリング当接部161coにより第2外側スプリングSP22を軸心に沿って適正に伸縮するように押圧可能としつつ、当該第2外側スプリングSP22が遠心力により径方向外側に位置するドライブ部材11(クラッチドラム81)のスプリング支持部81aの内周面に押し付けられて両者の間で摩擦力が発生するのを良好に抑制することが可能となる。より詳細には、第2外側スプリングSP22に大きな遠心力が作用した際に、ドライブ部材11に対して比較的大きく捩れるドリブン部材16と実質的に一体となって移動する第2外側スプリングSP22の端部が遠心力によりスプリング支持部81aの内周面に押し付けられるのを極めて良好に抑制することができる。この結果、第2トルク伝達経路P2ひいてはダンパ装置10におけるヒステリシスをより小さくすることが可能となるので、第2内側スプリングSP12および第2外側スプリングSP22からの振動の一方により他方が打ち消される周波数すなわち反共振点Aが高周波側(高回転側)にズレてしまうのを良好に抑制し、振動減衰性能をより向上させることができる。
更に、より大きな遠心力が作用する第1および第2外側スプリングSP21,SP22を含む第2トルク伝達経路P2のヒステリシスを小さくすることで、図7において実線で示すように、第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の振幅が当該第2トルク伝達経路P2のヒステリシスを小さくしなかった場合に比べて(図7における破線参照)ロックアップ領域で大きくなるのを抑制することが可能となる。これにより、ロックアップ回転数Nlupから共振点R2に対応した回転数NR2までの間の回転数帯において、ヒステリシスが本来小さい内周側の第1トルク伝達経路P1の第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動の振幅と、ヒステリシスが大きくなりがちな外周側の第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の振幅とをより近づけて、両振動の一方により他方を良好に打ち消すことができる。
従って、ダンパ装置10では、コストアップの抑制や設置の自由度の向上を図りつつ、スプリングシート100の回転を抑制して耐久性を確保すると共に、ヒステリシスをより小さくして振動減衰性能をより向上させることが可能となる。更に、スプリングシート100および突起161cpを用いて第2外側スプリングSP22に作用する遠心力を受けることで、例えば第2外側スプリングSP22を径方向外側から支持する爪部が外側スプリング当接部161coに形成される場合に比べて、ダンパ装置10が径方向において大型化(大径化)するのを抑制することもできる。
また、上記スプリングシート100の孔部103は、中心軸Csを含んで底面104に沿って延在する平面Pxの底面104とは反対側における断面積が、当該平面Pxの底面104側における断面積よりも小さくなるように形成される。これにより、スプリングシート100の重心Gを差込部101の径方向における中心軸Csの外側かつ当該中心軸Csに関して底面104の反対側に位置させることが可能となる。なお、孔部103の内周面の底面104は、幅方向における中央部が中心軸Csに向けて突出する緩やかな曲面であってもよい
更に、ダンパ装置10では、第1および第2内側スプリングSP11,SP12との間でトルクを授受する第1中間部材12(第3プレート部材123)のスプリング当接部123cが、第1および第2内側スプリングSP11,SP12の端部に差し込まれるスプリングシート90の第1突起92(および第2突起93)を介して第1および第2内側スプリングSP11,SP12に作用する遠心力を受ける。これにより、ドライブ部材11やドリブン部材16等が回転する際に、スプリング当接部123cにより第1および第2内側スプリングSP11,SP12を軸心に沿って適正に伸縮するように押圧可能としつつ、第1および第2内側スプリングSP11,SP12が遠心力により径方向外側に位置するドライブ部材11やドリブン部材16の内周面に押し付けられて摩擦力が発生するのを良好に抑制することが可能となる。この結果、ダンパ装置10におけるヒステリシスをより小さくして振動減衰性能をより一層向上させることが可能となる。加えて、スプリングシート90の第1突起92を用いて第1および第2内側スプリングSP11,SP12に作用する遠心力を受けることで、例えば第1および第2内側スプリングSP11,SP12を径方向外側から支持する爪部がスプリング当接部123cに形成される場合に比べて、ダンパ装置10が径方向において大型化(大径化)するのを抑制することもできる。ただし、第1および第2内側スプリングSP12,SP12に対するスプリングシート90の装着が省略されてもよい。
なお、ダンパ装置10において、ドライブ部材11やドリブン部材16等の回転が停止した際には、スプリングシート100が中心軸Csの周りに回転したり、突起161cpが孔部103(差込部101)から抜け出したりすることもあり得る。ただし、ドライブ部材11やドリブン部材16が再度回転し始めると、スプリングシート100は、遠心力により底面104がドライブ部材11等の回転中心すなわち中心軸CA側に位置する状態に戻される。従って、突起161cpは、ドライブ部材11等の回転に応じてスムースに孔部103に差し込まれ、底面104に当接することになる。
また、ドライブ部材11の外側スプリング当接部111coや、第2中間部材14の第1スプリング当接部14cにスプリングシート100の孔部103(差込部101)内に差し込まれる突起が形成されてもよい。更に、第1および第2内側スプリングSP11,SP12の両端部に上述のスプリングシート100が配置されてもよく、この場合、スプリング当接部123cや内側スプリング当接部111ci,161ciに孔部103(差込部101)内に差し込まれる突起が形成されるとよい。加えて、中間スプリングSPmの両端部にスプリングシート100が配置されてもよく、第1中間部材12の外側スプリング当接部121dやスプリング当接部122d、第2中間部材14の第2スプリング当接部14dに孔部103(差込部101)内に差し込まれる突起が形成されてもよい
更に、ダンパ装置10において、その設計を容易にするために、第1外側スプリングSP21の諸元(ばね定数K21やコイル径、軸長)と、第2外側スプリングSP22の諸元とを同一(k21=k22)にしてもよい。同様に、第1内側スプリングSP11の諸元と、第2内側スプリングSP12諸元とを同一(k11=k12)にしてもよい。また、ダンパ装置10において、中間スプリングSPmのばね定数kmは、第1および第2内側スプリングSP11,SP12並びに第1および第2外側スプリングSP21,SP22のばね定数k11,k12,k21およびk22よりも小さく定められてもよい。これにより、固有振動数f21と振動数faとをより一層小さくすることができる。更に、中間スプリングSPmのばね定数kmは、第1および第2内側スプリングSP11,SP12並びに第1および第2外側スプリングSP21,SP22のばね定数k11,k12,k21およびk22よりも大きく定められてもよい。これにより、固有振動数f21と振動数faとの差(fa−f21)を大きくして、第2内側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動および第2外側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の一方が他方の少なくとも一部を打ち消す回転数帯、すなわちドリブン部材16の振動レベルを良好に低下させ得る範囲をより広くすることが可能となる。
また、反共振点Aの振動数faは、ロックアップ回転数Nlupの想定設定範囲(例えば500−1500rpm)に対応した周波数帯内に設定されてもよく、ロックアップクラッチ8のスリップ制御が実行される際に発生するシャダーの周波数付近の値に設定されてもよい。更に、ダンパ装置10は、第1、第2および第3トルク伝達経路P1,P2,P3に加えて、例えば第1および第2トルク伝達経路P1,P2と並列に設けられる少なくとも1つのトルク伝達経路を更に含んでもよい。また、ダンパ装置10の例えば第1および第2トルク伝達経路P1,P2の少なくとも何れか一方には、それぞれ少なくとも1組の中間部材およびスプリング(弾性体)が追設されてもよい。更に、ダンパ装置10が偶数個の中間スプリングSPmを有する場合には、2つの中間スプリングSPmを第1および第2中間部材12,14の一方に設けられた一対のスプリング当接部により周方向における両側から支持しつつ、第1および第2中間部材12,14の他方に設けられたスプリング当接部を当該2つの中間スプリングSPmの間で両者の端部に当接させてもよい。
図8は、本開示の他のスプリングシート100Bを示す説明図である。なお、スプリングシート100Bの構成要素のうち、上述のスプリングシート100と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示すように、スプリングシート100Bの孔部103Bは、差込部101およびシート部102の中心軸Csに沿って延在し、当該差込部101およびシート部102を貫通する角穴である。また、孔部103Bの内周面は、当接面としての平坦な底面104と、当該底面104と対向すると共にシート部102から差込部101のシート部102とは反対側の端部(図8中右側の端部)に向かうにつれて底面104に徐々に近接する平坦な傾斜面105とを含む。すなわち、孔部103Bは、中心軸(Cs)含んで底面104と平行に延在する平面Pxの底面104とは反対側(図8中上側)における断面積がシート部102から差込部101のシート部102とは反対側の端部(図8中右側の端部)に向かうにつれて徐々に減少するように形成されている。これにより、スプリングシート100Bにおいても、重心Gを差込部101の径方向における中心軸Csの外側かつ当該中心軸Csに関して底面104の反対側に位置させることができる。スプリングシート100Bの重心Gも、中心軸Csを含み底面104の幅方向(図8における左右方向)における中央を通る(底面104と直交する)平面Py内に含まれ、上記平面Pxに関して底面104の反対側に位置する。
なお、孔部103Bの内周面に含まれる傾斜面105は、シート部102から差込部101のシート部102とは反対側の端部に向かうにつれて底面104に近接する例えば断面円弧状の凹曲面であってもよい。また、孔部103Bの内周面は、傾斜面105の代わりに、シート部102から差込部101のシート部102とは反対側の端部(図8中右側の端部)に向かうにつれて底面104に段階的に近接する段差面(図8における二点鎖線参照)を含むものであってもよい。すなわち、孔部103Bは、平面Pxの底面104とは反対側における断面積がシート部102側から差込部101のシート部102とは反対側の端部に向かうにつれて段階的に減少するように形成されてもよい。更に、孔部103Bの底面104は、幅方向における中央部が中心軸Csに向けて突出する緩やかな曲面であってもよい。
そして、上述のスプリングシート100,100Bの適用対象は、上述のダンパ装置10に限られるものではない。すなわち、スプリングシート100,100Bは、ダンパ装置10から中間スプリングSPmが省略されたものに相当する並列式ダンパ装置に適用されてもよい。また、スプリングシート100,100Bは、入力要素と、出力要素と、入力要素と出力要素との間でトルクを伝達する複数の弾性体(コイルスプリング)とを含むダンパ装置に適用されてもよい。更に、スプリングシート100,100Bは、入力要素と、中間要素と、出力要素と、入力要素と中間要素との間でトルクを伝達する複数の第1弾性体(コイルスプリング)と、中間要素と出力要素との間でトルクを伝達する複数の第2弾性体(コイルスプリング)とを含むダンパ装置に適用されてもよい。また、スプリングシート100,100Bは、入力要素と、第1中間要素と、第2中間要素、出力要素と、入力要素と第1中間要素との間でトルクを伝達する複数の第1弾性体(コイルスプリング)と、第1中間要素と第2中間要素との間でトルクを伝達する複数の第2弾性体(コイルスプリング)と、第2中間要素と出力要素との間でトルクを伝達する複数の第3弾性体(コイルスプリング)とを含むダンパ装置に適用されてもよい。更に、上述の発進装置1は、いわゆる湿式の発進装置として構成されるが、本開示の発進装置は、ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ等を含む流体伝動装置が省略された、いわゆる乾式の発進装置であってもよい。従って、本開示のダンパ装置も、いわゆる乾式のダンパ装置であってもよい。
以上説明したように、本開示のダンパ装置は、エンジン(EG)からのトルクが伝達される入力要素(11)および出力要素(16)を含む複数の回転要素と、前記入力要素(11)と前記出力要素(16)との間でトルクを伝達する複数の弾性体(SP22)とを含むダンパ装置(10)において、前記弾性体(SP22)の端部に差し込まれる差込部(101)と、前記弾性体(SP22)の前記端部に当接するように前記差込部(101)の一端に形成されたシート部(102)と、前記差込部(101)およびシート部(102)の中心軸(Cs)に沿って延在する孔部(103,103B)とを含むスプリングシート(100,100B)を含み、前記複数の回転要素の少なくとも何れか1つ(16)が、前記スプリングシート(100,100B)を介して対応する前記弾性体(SP22)との間でトルクを授受するトルク授受部(161co)を含み、前記トルク授受部(161co)が、前記スプリングシート(100,100B)の前記孔部(103,103B)内に差し込まれる突起(161cp)を含み、前記スプリングシート(100,100B)の前記孔部(103,103B)の内周面が、前記突起(161cp)の前記回転要素(16)の径方向における内側の面に当接する当接面(104)を含み、前記スプリングシート(100,100B)の重心(G)が、前記差込部(101)の径方向における前記中心軸(Cs)の外側かつ前記中心軸(Cs)に関して前記当接面(104)の反対側に位置するものである。
本開示のダンパ装置において、入力要素にエンジンからのトルクが伝達されて複数の回転要素が回転する際、スプリングシートは、その重心が差込部の径方向における中心軸の外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置することから、遠心力の作用により、中心軸の周りに回転することなく当接面が回転要素の回転中心側に位置する状態に維持される。これにより、複数の回転要素が回転する際、スプリングシート(孔部)の当接面を突起の回転要素の径方向における内側の面に適正に当接させることが可能となる。この結果、突起のエッジ部が孔部の内周面に接触することによるスプリングシートや突起の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。更に、摩耗の抑制のために突起のエッジ部に面取り加工等を施す必要がなくなるので、ダンパ装置のコストアップを良好に抑制することが可能となる。また、スプリングシートの回転を抑制するために当該スプリングシートや回転要素に機械的な回転規制部を設ける必要がなくなることから、スプリングシートの適用箇所の制約が実質的になくなり、当該スプリングシートの設置の自由度を向上させることができる。そして、本開示のダンパ装置において、突起を含むトルク授受部は、複数の回転要素が回転する際に、突起および当該突起が差し込まれるスプリングシートの差込部を介して弾性体に作用する遠心力を受ける。これにより、弾性体が遠心力により径方向外側に位置する部材に押し付けられて両者の間で摩擦力が発生するのを良好に抑制することが可能となる。この結果、ダンパ装置におけるヒステリシスをより小さくして振動減衰性能をより向上させることができる。従って、本開示のダンパ装置では、コストアップの抑制や設置の自由度の向上を図りつつ、スプリングシートの回転を抑制して耐久性を確保すると共に、ヒステリシスをより小さくして振動減衰性能をより向上させることが可能となる。
また、前記スプリングシート(100)の前記孔部(103)は、前記中心軸(Cs)含んで前記当接面(104)に沿って延在する平面(Px)の前記当接面(104)とは反対側における断面積が、前記平面(Px)の前記当接面(104)側における断面積よりも小さくなるように形成されてもよい。これにより、スプリングシートの重心を差込部の径方向における中心軸の外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置させることが可能となる。
更に、前記スプリングシート(100B)の前記孔部(103B)は、前記中心軸(Cs)を含んで前記当接面(104)に沿って延在する平面(Px)の前記当接面(104)とは反対側における断面積が、前記シート部(102)から前記差込部(101)の前記シート部(102)とは反対側の端部に向かうにつれて減少するように形成されてもよい。かかる構成を採用しても、スプリングシートの重心を差込部の径方向における中心軸の外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置させることが可能となる。
また、前記複数の弾性体の少なくとも一部(SP21,SP22)は、前記ダンパ装置(10)の外周に近接するように配置されると共に前記スプリングシート(100,100B)を介して前記突起(161cp)を含む前記トルク授受部(161co)との間でトルクを授受してもよい。これにより、より大きな遠心力が作用する外周側の弾性体が径方向外側に位置する部材に押し付けられるのを極めて良好に抑制することが可能となり、当該弾性体を含むトルク伝達経路のヒステリシスを小さくして当該トルク伝達経路から出力要素に伝達される振動の振幅が大きくなるのを抑制することができる。
更に、前記入力要素(11,81)は、前記複数の弾性体の前記少なくとも一部(SP21,SP22)を包囲するように形成され、前記突起(161cp)を含む前記トルク授受部(161co)は、前記出力要素(16)に設けられてもよい。すなわち、本開示のスプリングシートは、機械的な回転規制部を必要としないものであることから、入力要素により包囲される弾性体とトルク授受部との間に容易に配置することができる。加えて、かかるダンパ装置では、入力要素に対して比較的大きく捩れる出力要素と共に移動する弾性体の端部が遠心力により径方向外側に位置する入力要素に押し付けられて両者の間で摩擦力が発生するのを良好に抑制可能となり、ダンパ装置におけるヒステリシスをより一層小さくすることができる。
また、前記複数の回転要素は、中間要素(14)を更に含んでもよく、前記複数の弾性体は、前記入力要素(11)と前記中間要素(14)との間でトルクを伝達する第1弾性体(SP21)と、前記中間要素(14)と前記出力要素(16)との間でトルクを伝達する第2弾性体(SP22)とを含んでもよく、前記スプリングシート(100,100B)は、前記第2弾性体(SP22)の端部と前記トルク授受部(161co)との間に配置されてもよい。
更に、前記複数の回転要素は、第1中間要素(12)と、第2中間要素(14)とを含んでもよく、前記複数の弾性体は、前記入力要素(11)と前記第1中間要素(12)との間でトルクを伝達する第1弾性体(SP11)と、前記第1中間要素(12)と前記出力要素(16)との間でトルクを伝達する第2弾性体(SP12)と、前記入力要素(11)と前記第2中間要素(14)との間でトルクを伝達する第3弾性体(SP21)と、前記第2中間要素(14)と前記出力要素(16)との間でトルクを伝達する第4弾性体(SP22)と、前記第1中間要素(12)と前記第2中間要素(14)()との間でトルクを伝達する第5弾性体(SPm)とを含んでもよく、前記第3および第4弾性体(SP21,SP22)は、前記ダンパ装置(10)の前記外周に近接するように前記ダンパ装置(10)の径方向における前記第1および第2弾性体(SP11,SP12)の外側に配置されてもよく、前記スプリングシート(100,100B)は、前記第4弾性体(SP22)の端部と前記トルク授受部(161co)との間に配置されてもよい。かかるダンパ装置に上述のようなスプリングシートを適用することで、第3および第4弾性体を含むトルク伝達経路のヒステリシスを小さくして、第4弾性体から出力要素に伝達される振動の振幅が大きくなるのを抑制することができる。これにより、第2および第4弾性体からの振動の一方により他方の少なくとも一部が打ち消される周波数(タイミング)と狙いの周波数(タイミング)とのズレや、当該一方の振動の振幅と他方の振動の振幅とのズレをより小さくして振動減衰性能をより向上させることが可能となる。
本開示のスプリングシートは、ダンパ装置(10)の回転要素(16)に形成されたトルク授受部(161co)と弾性体(SP22)との間に配置されるスプリングシート(100,100B)において、前記弾性体(SP22)の端部に差し込まれる差込部(101)と、前記弾性体(SP22)の前記端部に当接するように前記差込部(101)の一端に形成されたシート部(102)と、前記差込部(101)およびシート部(102)の中心軸(Cs)に沿って延在し、前記回転要素(16)の前記トルク授受部(161co)に形成された突起(161cp)が差し込まれる孔部(103,103B)とを含み、前記孔部(103,103B)の内周面が、前記突起(161cp)の前記回転要素(16)の径方向における内側の面に当接する当接面(104)を含み、前記スプリングシート(100,100B)の重心(G)が、前記差込部(101)の径方向における前記中心軸(Cs)の外側かつ前記中心軸(Cs)に関して前記当接面(104)の反対側に位置するものである。
かかるスプリングシートによれば、コストアップの抑制や設置の自由度の向上を図りつつ、当該スプリングシートの回転を抑制して耐久性を確保すると共に、ヒステリシスをより小さくしてダンパ装置の振動減衰性能をより向上させることが可能となる。
また、前記孔部(103)は、前記中心軸(Cs)含んで前記当接面(104)に沿って延在する平面(Px)の前記当接面(104)とは反対側における断面積が、前記平面(Px)の前記当接面(104)側における断面積よりも小さくなるように形成されてもよい。これにより、スプリングシートの重心を差込部の径方向における中心軸の外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置させることが可能となる。
更に、前記孔部(103B)は、前記中心軸(Cs)を含んで前記当接面(104)に沿って延在する平面(Px)の前記当接面(104)とは反対側における断面積が、前記シート部(102)から前記差込部(101)の前記シート部(102)とは反対側の端部に向かうにつれて減少するように形成されてもよい。かかる構成を採用しても、スプリングシートの重心を差込部の径方向における中心軸の外側かつ中心軸に関して当接面の反対側に位置させることが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、ダンパ装置の製造分野等において利用可能である。
1 発進装置、3 フロントカバー、3c センターピース、3w 側壁部、4 ポンプインペラ、5 タービンランナ、6 ステータ、7 ダンパハブ、8 ロックアップクラッチ、9 流体室、10 ダンパ装置、11 ドライブ部材、12 第1中間部材、14 第2中間部材、14a プレート部、14c 第1スプリング当接部、14d 第2スプリング当接部、14e 環状延出部、14w スプリング収容窓、14z 切欠部、16 ドリブン部材、21 第1ストッパ、22 第2ストッパ、23 第3ストッパ、40 ポンプシェル、41 ポンプブレード、50 タービンシェル、51 タービンブレード、52 タービンハブ、60 ステータブレード、61 ワンウェイクラッチ、80 ロックアップピストン、81 クラッチドラム、81a スプリング支持部、81c スプリング当接部、82 クラッチハブ、83 第1摩擦係合プレート、84 第2摩擦係合プレート、85 フランジ部材、86 リターンスプリング、87 係合油室、90 スプリングシート、91 シート部、92 第1突起、93 第2突起、100,100B スプリングシート、101 差込部、102 シート部、103,103B 孔部、104 底面、105 傾斜面、111 入力プレート、111a スプリング支持部、111ci 内側スプリング当接部、111co 外側スプリング当接部、111s 被支持部、115 リベット、121 第1プレート部材、121a,121b スプリング支持部、121c 内側スプリング当接部、121d 外側スプリング当接部、121e 環状延出部、121p 突起部、121w スプリング収容窓,121z スリット、122 第2プレート部材、122a,122b スプリング支持部、122d スプリング当接部、122w スプリング収容窓、123 第3プレート部材、123c スプリング当接部、123cr 凹部、123h 開口部、124 第4プレート部材、124e 環状延出部、161 第1出力プレート、161a,161b スプリング支持部、161ci 内側スプリング当接部、161co 外側スプリング当接部、161cp 突起、161s 支持部、161w スプリング収容窓、162 第2出力プレート、162a,162b スプリング支持部、162c スプリング当接部、162w スプリング収容窓、162z ストッパ部、A 反共振点、CA,Cs 中心軸、EG エンジン、G 重心、IS 入力軸、Px,Py 平面、P1 第1トルク伝達経路、P2 第2トルク伝達経路、P3 第3トルク伝達経路、R1,R2 共振点、TM 変速機、SP11 第1内側スプリング、SP12 第2内側スプリング、SP21 第1外側スプリング、SP22 第2外側スプリング、SPm 中間スプリング。

Claims (10)

  1. エンジンからのトルクが伝達される入力要素および出力要素を含む複数の回転要素と、前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する複数の弾性体とを含むダンパ装置において、
    前記弾性体の端部に差し込まれる差込部と、前記弾性体の前記端部に当接するように前記差込部の一端に形成されたシート部と、前記差込部およびシート部の中心軸に沿って延在する孔部とを含むスプリングシートを備え、
    前記複数の回転要素の少なくとも何れか1つは、前記スプリングシートを介して対応する前記弾性体との間でトルクを授受するトルク授受部を含み、
    前記トルク授受部は、前記スプリングシートの前記孔部内に差し込まれる突起を含み、
    前記スプリングシートの前記孔部の内周面は、前記突起の前記回転要素の径方向における内側の面に当接する当接面を含み、
    前記スプリングシートの重心は、前記差込部の径方向における前記中心軸の外側かつ前記中心軸に関して前記当接面の反対側に位置するダンパ装置。
  2. 請求項1に記載のダンパ装置において、
    前記スプリングシートの前記孔部は、前記中心軸を含んで前記当接面に沿って延在する平面の前記当接面とは反対側における断面積が、前記平面の前記当接面側における断面積よりも小さくなるように形成されているダンパ装置。
  3. 請求項1に記載のダンパ装置において、
    前記スプリングシートの前記孔部は、前記中心軸を含んで前記当接面に沿って延在する平面の前記当接面とは反対側における断面積が、前記シート部から前記差込部の前記シート部とは反対側の端部に向かうにつれて減少するように形成されているダンパ装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のダンパ装置において、
    前記複数の弾性体の少なくとも一部は、前記ダンパ装置の外周に近接するように配置されると共に前記スプリングシートを介して前記突起を含む前記トルク授受部との間でトルクを授受するダンパ装置。
  5. 請求項4に記載のダンパ装置において、
    前記入力要素は、前記複数の弾性体の前記少なくとも一部を包囲するように形成され、前記突起を含む前記トルク授受部は、前記出力要素に設けられているダンパ装置。
  6. 請求項4または5に記載のダンパ装置において、
    前記複数の回転要素は、中間要素を更に含み、
    前記複数の弾性体は、前記入力要素と前記中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、前記中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第2弾性体とを含み、
    前記第1および第2弾性体は、前記ダンパ装置の前記外周に近接するように配置され、前記スプリングシートは、前記第2弾性体の端部と前記トルク授受部との間に配置されるダンパ装置。
  7. 請求項4または5に記載のダンパ装置において、
    前記複数の回転要素は、第1中間要素と、第2中間要素とを更に含み、
    前記複数の弾性体は、前記入力要素と前記第1中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、前記第1中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第2弾性体と、前記入力要素と前記第2中間要素との間でトルクを伝達する第3弾性体と、前記第2中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第4弾性体と、前記第1中間要素と前記第2中間要素との間でトルクを伝達する第5弾性体とを含み、
    前記第3および第4弾性体は、前記ダンパ装置の前記外周に近接するように前記ダンパ装置の径方向における前記第1および第2弾性体の外側に配置され、前記スプリングシートは、前記第4弾性体の端部と前記トルク授受部との間に配置されるダンパ装置。
  8. ダンパ装置の回転要素に形成されたトルク授受部と弾性体との間に配置されるスプリングシートにおいて、
    前記弾性体の端部に差し込まれる差込部と、
    前記弾性体の前記端部に当接するように前記差込部の一端に形成されたシート部と、
    前記差込部およびシート部の中心軸に沿って延在し、前記回転要素の前記トルク授受部に形成された突起が差し込まれる孔部とを備え、
    前記孔部の内周面は、前記突起の前記回転要素の径方向における内側の面に当接する当接面を含み、
    前記スプリングシートの重心は、前記差込部の径方向における前記中心軸の外側かつ前記中心軸に関して前記当接面の反対側に位置するスプリングシート。
  9. 請求項8に記載のスプリングシートにおいて、
    前記孔部は、前記中心軸を含んで前記当接面に沿って延在する平面の前記当接面とは反対側における断面積が、前記平面の前記当接面側における断面積よりも小さくなるように形成されているスプリングシート。
  10. 請求項8に記載のスプリングシートにおいて、
    前記孔部は、前記中心軸を含んで前記当接面に沿って延在する平面の前記当接面とは反対側における断面積が、前記シート部から前記差込部の前記シート部とは反対側の端部に向かうにつれて減少するように形成されているスプリングシート。
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