JP2020051381A - ポンプ装置 - Google Patents

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孝英 小澤
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Abstract

【課題】既設の通信ポートを利用して電動機を強制的に運転させる信号を生成するポンプ装置を提供する。【解決手段】インバータ4は、シリアル通信における信号が入力される入力ポートを備えた処理装置66を備える。処理装置66は、所定のアイドル状態と異なる信号レベルのスタートビットが入力ポート66b3に入力されたらシリアル通信の開始と判断し、シリアル通信の開始から高レベルおよび低レベルの両方の信号が所定の時間間隔内で入力ポート66b3に入力されたときは、インバータ4の運転モードを、電動機3をシリアル通信にて受信した運転指令情報に基づいて運転させる通常運転モードとし、シリアル通信の開始からスタートビットと同レベルの信号が、所定の時間継続して入力ポートに入力されたときは、インバータ4の運転モードを、電動機3を強制的に運転させる強制運転モードに切り替える。【選択図】図3

Description

本発明は、給水装置、消火ポンプ装置などの液体を移送するポンプ装置に関し、特に、シリアル通信ポートを持つ制御部を備えたポンプ装置に関する。
液体を加圧して移送するポンプ装置は、集合住宅などの建物の蛇口等に生活用水を供給する給水装置や、火災時にスプリンクラー等の消火設備に水を供給する消火ポンプ装置、汚水や雑排水を排水する汚水ポンプなどに広く適用されている。ポンプ装置は、一般に、制御盤に制御部を備えている。この制御部は、インバータや操作パネルに通信線で接続されている。制御部は、操作パネル等を介して操作者から指示された運転モードで動作し、インバータを制御することによって電動機およびポンプの運転を制御する。
制御部または操作パネルは消耗部品であって、ポンプ装置のメンテナンス時に定期的に交換される。交換やメンテナンスのために制御部または操作パネルをポンプ装置から取り外した場合は、インバータの運転は制御されず、ポンプ装置はその運転を行うことができない。そこで、制御部または操作パネルをポンプ装置から取り外す場合は、インバータに備え付けられているスイッチ等を操作して、インバータによって電動機を強制的に駆動してポンプ装置の運転を継続できるようになっている。
特開2005−351266号公報
本発明は、改良されたポンプ装置を提供するものであり、従来の運転スイッチ等の操作に代えてまたは加えて、既設の通信ポートを利用して電動機を強制的に運転させる信号を生成するポンプ装置を提供する。
一態様では、液体を移送するためのポンプ装置であって、ポンプと、前記ポンプを駆動する電動機と、前記電動機に可変周波数の電力を供給するインバータと、前記インバータとシリアル通信を行う制御部を備え、前記インバータは、前記シリアル通信における信号が入力される入力ポートを備えた処理装置を備え、前記入力ポートに入力される信号は、高レベルまたは低レベルの何れかの信号であって、前記処理装置は、所定のアイドル状態と異なる信号レベルのスタートビットが前記入力ポートに入力されたら前記シリアル通信の開始と判断し、前記シリアル通信の開始から前記高レベルおよび前記低レベルの両方の信号が所定の時間間隔内で前記入力ポートに入力されたときは、前記インバータの運転モードを、前記電動機を前記シリアル通信にて受信した運転指令情報に基づいて運転させる通常運転モードとし、前記シリアル通信の開始から前記スタートビットと同レベルの信号が、所定の時間継続して前記入力ポートに入力されたときは、前記インバータの運転モードを、前記電動機を強制的に運転させる強制運転モードに切り替えるように構成されている、ポンプ装置が提供される。
一態様では、前記ポンプ装置は、前記入力ポートへの信号レベルを前記スタートビットと同じ信号レベルとする接続セレクタをさらに備えている。
一態様では、前記シリアル通信の同期方式は調歩同期であり、前記制御部と前記インバータはマスタスレーブ方式のプロトコルを用いた通信を行い、前記制御部はマスタ側、前記インバータはスレーブ側であって、前記制御部は、所定の時間間隔で前記インバータに問い合わせを送信する。
一態様では、前記ポンプ装置は、前記ポンプを流れる液体の流量が所定の値まで低下したことを検出したときに流量低下信号を出力する流量検出器をさらに備え、前記インバータは、前記流量検出器から延びる信号線が接続された流量信号入力端子を備えている。
一態様では、前記ポンプ装置は、前記ポンプの吐出し圧力を測定する圧力センサをさらに備え、前記インバータは、前記圧力センサから延びる信号線が接続された圧力信号入力端子を備えており、前記インバータは、前記吐出し圧力の測定値に基づいて前記電動機の回転速度を制御する。
一態様では、前記インバータは前記電動機に一体化されている。
一態様では、液体を移送するためのポンプ装置であって、ポンプと、前記ポンプを駆動する電動機と、前記電動機に可変周波数の電力を供給するインバータと、前記インバータの動作を制御する制御部と、前記制御部とシリアル通信を行う操作パネルを備え、前記制御部は、前記シリアル通信における信号が入力される入力ポートを備えた処理装置を備え、前記入力ポートに入力される信号は、高レベルまたは低レベルの何れかの信号であって、前記処理装置は、所定のアイドル状態と異なる信号レベルのスタートビットが前記入力ポートに入力されたら前記シリアル通信の開始と判断し、前記シリアル通信の開始から前記高レベルおよび前記低レベルの両方の信号が所定の時間間隔内で前記入力ポートに入力されたときは、前記制御部の運転モードを前記シリアル通信にて受信した操作信号に基づいて運転させる通常運転モードとし、前記シリアル通信の開始から前記スタートビットと同レベルの信号が、所定の時間継続して前記入力ポートに入力されたときは、前記制御部の運転モードを、前記制御部を強制的に運転させる強制運転モードに切り替えるように構成されている、ポンプ装置が提供される。
一態様では、前記ポンプ装置は、前記入力ポートへの信号レベルを前記スタートビットと同じ信号レベルとする接続セレクタをさらに備えている。
一態様では、前記シリアル通信の同期方式は調歩同期であり、前記操作パネルと前記制御部はマスタスレーブ方式のプロトコルを用いた通信を行い、前記操作パネルはマスタ側、前記制御部はスレーブ側であって、前記操作パネルは、所定の時間間隔で前記制御部に問い合わせを送信する。
制御部または操作パネルがポンプ装置から取り外されているときに、制御部または操作パネルが接続されていた通信線を用いて電動機または制御部を強制的に運転させる信号を生成することができる。本発明によれば、既設の通信部をそのまま利用できるので、強制運転させるためのスイッチをインバータまたは制御部に増設する必要はなく、省スペース化が達成される。
ポンプ装置としての給水装置の一実施形態を示す模式図である。 図1に示す通信回路の拡大模式図である。 図1に示すインバータの模式図である。 通信用インターフェース回路の内部構成並びに通信回路の詳細を示す図である。 制御部がポンプ装置から取り外され、第1オープン端子と第2オープン端子とが接続セレクタによって電気的に接続された状態を示す模式図である。 ポンプ装置としての給水装置の他の実施形態を示す模式図である。 図6に示すインバータの模式図である。 インバータのさらに他の実施形態を示す模式図である。 インバータが電動機と一体化された一実施形態を示す模式図である。 ポンプ装置としての給水装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。 図10に示す操作パネルと制御部を示す拡大模式図である。 操作パネルがポンプ装置から取り外され、第1オープン端子と第2オープン端子とが接続セレクタによって電気的に接続された状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下に説明する実施形態は、ポンプ装置を給水装置に適用した例であるが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、例えば、消火ポンプ装置や汚水ポンプなどの他のタイプのポンプ装置にも適用することができる。
図1は、ポンプ装置としての給水装置の一実施形態を示す模式図である。給水装置は、集合住宅などの建物に水を供給するためのポンプ装置である。図1に示すように、給水装置の吸込み口1Aは、吸込管6を介して受水槽11に接続されている。受水槽11は、図示しない水道本管から延びる導水管14によって水が供給される。給水装置の吐出し口1Bは給水管7に接続されており、この給水管7は、図示しない建物の給水栓(蛇口など)に連通している。
本実施形態の給水装置は、受水槽11からの水を加圧して建物の各給水栓に水を供給するように構成される。このタイプの給水装置は、受水槽方式と呼ばれる。本発明は本実施形態に限定されず、給水装置は、水道本管に直接接続された直結給水方式であってもよい。この直結給水方式の給水装置は、水道本管の圧力を利用し、必要に応じて増圧することで建物の各給水栓に水を供給するように構成される。
図1に示す給水装置は、水を加圧する2台のポンプ2と、2台のポンプ2をそれぞれ駆動する2台の電動機3と、これら2台の電動機3に可変周波数の電力を供給するモータドライバとしての2台のインバータ4と、ポンプ2の吐出し側に配置された2つの逆止弁9と、逆止弁9の吐出し側に配置された2つのフロースイッチ12と、フロースイッチ12の吐出し側に配置された圧力センサ15および圧力タンク17を備えている。2台のポンプ2には、2本の吐出し管20Aがそれぞれ接続されており、2つの逆止弁9および2つのフロースイッチ12は、これら吐出し管20Aにそれぞれ取り付けられている。吐出し集合管20は、2本の吐出し管20Aの合流管である。圧力センサ15および圧力タンク17は、吐出し集合管20の流出管20Bに接続されている。圧力センサ15は、2本の吐出し管20Aのうちの一方に接続されてもよい。
2台のポンプ2には、これらポンプ2の温度を測定するサーミスタ(温度センサ)22が取り付けられている。各ポンプ2の吸込側に、吸込管6の一端が接続されており、吸込管6の他端は、上述した受水槽11に接続されている。本実施形態では、ポンプ2、電動機3、インバータ4、逆止弁9、およびフロースイッチ12は2組設けられ、これらは並列に配置されている。一実施形態では、1組、または3組以上のポンプ2、電動機3、インバータ4、逆止弁9、およびフロースイッチ12を設けてもよい。
逆止弁9は、ポンプ2が停止しているときの水の逆流を防止するための弁である。フロースイッチ12はポンプ2を流れる水の流量を検出する流量検出器である。本実施形態におけるフロースイッチ12は、ポンプ2から吐き出された水の流量が所定の値以下にまで低下したことを検出する。一実施形態として、フロースイッチ12は、ポンプ2に流入する水の流量を検出してもよい。さらに一実施形態として、フロースイッチ12は、ポンプ2毎の2つのフロースイッチ12に代えて、吐出し集合管20の流出管20Bにひとつのフロースイッチ12を設けてもよいし、またはフロースイッチ12がなくてもよい。圧力センサ15は、ポンプ2の吐出し圧力を測定するための水圧測定器である。一実施形態として、水圧測定器は、ポンプ2の吐出し圧力が所定の設定値に達したときに作動する圧力スイッチであってもよい。圧力タンク17は、ポンプ2が停止している間の吐出し圧力を保持するための圧力保持器である。
給水装置は、ポンプ2、電動機3、およびインバータ4の動作を制御する制御部25をさらに備えている。また、制御部25は、各種のプログラムを記憶したメモリ(不図示)と、当該メモリに記憶されたプログラムに従って演算を実行する処理装置(例えばCPU)28とを備えている。フロースイッチ12、圧力センサ15、およびサーミスタ22は、制御部25に信号線によって接続されている。インバータ4は、シリアル通信線30によって制御部25に接続されている。このシリアル通信線30は、RS−485規格に準拠したシリアル通信線である。シリアル通信線30の一端は、制御部25のシリアル通信ポート26に接続され、シリアル通信線30の他端は、2つのインバータ4のうちの一方のシリアル通信ポート64に接続されている。2つのインバータ4同士もシリアル通信線によって接続されている。
一実施形態として、制御部25とインバータ4は、各種指令や各種情報の送受信のため、RS−485規格に準拠したシリアル通信を行う。具体的に、制御部25の処理装置28は、通信回路28aを備える。図2は、通信回路28aの拡大模式図である。通信回路28aは、送受信を切り替えるための送受信切替ポート28b1、各種データを送信するための送信ポート28b2、および各種データを受信するための入力ポート28b3を備える。通信回路28aは、通信用インターフェース回路27と接続される。通信回路28aは、電源起動後の所定のタイミングで送受信切替ポート28b1を「受信状態」にセットし、その後、自身がデータを送信するタイミングで送受信切替ポート28b1を所定の「送信状態」に切り替える。そして、通信回路28aは、データの送信が終了したら送受信切替ポート28b1を「送信状態」から「受信状態」に切り替える。ここで、「送信状態」と「受信状態」は、ON/OFFの反転信号であるとよい。通信用インターフェース回路27は、送受信切替ポート28b1が「送信状態」のときに、送信ポート28b2より出力された信号をRS−485規格に準拠した信号に変換しインバータ4へ送信する。また、通信用インターフェース回路27は、送受信切替ポート28b1が「受信状態」のときに、インバータ4から受信したRS−485規格に準拠した信号を処理装置28用の信号に変換し、入力ポート28b3へ出力する。
制御部25は、以下に説明する自動運転による給水を行う。自動運転では、2台のポンプ2は、基本的に交互に始動されるように制御部25によって制御される。一実施形態として、2台のポンプ2のうちの一方が運転しているときは、他方のポンプ2は予備のポンプとして待機状態にある。制御部25は、ポンプ2のそれぞれの運転回数や停止時間が平準化されるようにこれらポンプ2の運転を制御する。ポンプ2が3台以上の給水装置は、少なくとも1台が予備ポンプとして待機状態にあるとよい。
2台のポンプ2のうちの一方が運転しているときに、建物での水の使用が停止されると、そのポンプ2を流れる水の流量が低下する。フロースイッチ12は、ポンプ2を流れる水の流量が所定の値以下まで低下したこと(過少流量)を検出すると、過少流量検出信号を制御部25に送る。制御部25はこの過少流量検出信号を受け、インバータ4に指令を出して吐出し圧力が所定の停止圧力に達するまでポンプ2の回転速度を一時的に増加させ、圧力タンク17に蓄圧した後にポンプ2を停止させる。このようなポンプ2の停止動作は、小水量停止動作と呼ばれる。また、小水量停止動作にて全てのポンプ2が停止した状態を小水量停止状態と称す。なお、フロースイッチ12に代えて/もしくは加えて、制御部25は、電動機3の電流値が所定の値以下であることを検出することで過少流量の検出を行ってもよい。
全てのポンプ2が小水量停止状態にあるときに建物内の水が使用されると、圧力タンク17内に保持されている水が建物に供給される。圧力タンク17は、ポンプ2の頻繁な起動停止を防止し、且つ給水圧力の変化を円滑に保つ作用をする。建物内でさらに水が使用されると、圧力タンク17内の水が少なくなり、結果として吐出し圧力が所定の始動圧力以下に低下する。この吐出し圧力は圧力センサ15によって測定される。吐出し圧力が上記始動圧力以下まで低下すると、制御部25は2台のポンプ2のうちの少なくとも一方の運転を開始するよう、対応するインバータ4に指令を出す。
ポンプ2の運転中に、制御部25は、圧力センサ15から送られる吐出し圧力の測定値に基づいて推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を実行する。吐出圧力一定制御では、吐出し圧力が所定の目標圧力を維持するように一定に制御される。推定末端圧力一定制御で制御部25は、ポンプ2の吐出し圧力の目標圧力を適切に変化させることにより、建物内の末端の給水栓での水圧(末端圧)が所定の値を維持するように制御する。また、制御部25は、給水先での水の需要が増えたら待機中のポンプ2を追加してもよい。このように、制御部25は、吐出し圧力の測定値に基づいてポンプ2を制御する。なお、圧力センサ15に代えて圧力スイッチを用いた場合、圧力スイッチは吐出し圧力の測定値が所定の始動圧以下にてON状態となり、制御部25は該ON状態の測定に基づいてポンプ2の運転を開始する。
制御部25は、圧力センサ15から延びる信号線が接続された圧力信号入力端子33、フロースイッチ12から延びる信号線が接続された流量信号入力端子34、サーミスタ22から延びる信号線が接続された温度信号入力端子35を備えている。吐出し圧力の測定値、過少流量検出信号、およびポンプ温度の測定値は、圧力信号入力端子33、流量信号入力端子34、および温度信号入力端子35を通じて制御部25の処理装置28に入力されるようになっている。制御部25は、サーミスタ22から送られてくるポンプ2の温度の測定値が上限値を超えたときは、インバータ4に指令を発して電動機3の運転を停止させる。
制御部25は、漏電遮断器(Earth Leakage Circuit Breaker:ELB)38から延びる信号線が接続されたトリップ信号入力端子39をさらに備えている。漏電遮断器38は、商用電源40に接続された電力線41に設けられている。電力線41は2つのインバータ4に接続されており、交流電力は、電力線41を通じてインバータ4に供給される。漏電遮断器38が漏電を検出すると、漏電遮断器38はトリップ信号を発する。このトリップ信号は、トリップ信号入力端子39を通じて制御部25に入力される。制御部25は、トリップ信号を漏電遮断器38から受信したときは、インバータ4に指令を発して電動機3の運転を停止させる。
制御部25は、ポンプ2が運転中であるかどうか(ポンプの発停)を示すON/OFF信号である運転信号や、ポンプ2やインバータ4などの故障を知らせる故障信号を装置外部に出力するための出力端子45をさらに備えている。
制御部25には、操作パネル47が配置されている。操作パネル47は、ポンプ2の試験・停止・自動運転を選択する運転切替スイッチ(操作部)52と、運転・故障を示すランプ53と、給水に関する設定(例えば始動圧や設定圧など)やインバータ4の設定等を行うのに使用される操作ボタン(操作部)54とを備えている。操作パネル47は、給水やインバータ4に関する情報を表示するための液晶ディスプレイや7セグメント表示器などからなる表示部55を備えている。
運転切替スイッチ52を操作することにより、ポンプ2の運転状態を切り替えることができる。また、操作ボタン54を操作することによりインバータ4の設定(例えば加速時間や減速時間等の設定)や表示部55に表示する内容を変更する(切り替える)ことができるようになっている。
操作パネル47の運転切替スイッチ52を「自動」にすると、制御部25は上述した自動運転による給水を行うため、インバータ4は制御部25からの指令に従って電動機3およびポンプ2を可変速制御する。運転切替スイッチ52を「停止」にすると、制御部25は、吐出し圧力の状態にかかわらず、インバータ4、電動機3およびポンプ2を停止する。また、運転切替スイッチ52を「試験」にすると、操作者は、制御部25を介して、インバータ4、電動機3、およびポンプ2を手動で運転することができる。
図3は、図1に示すインバータ4の模式図である。図3に示すように、インバータ4は、主基板50を備えている。主基板50は、漏電遮断器(ELB)38を介して供給された交流電力を整流する整流器60と、整流器60によって整流された電力を所望の周波数の交流電力に変換するスイッチング素子(パワー素子)61を備えている。主基板50は、漏電遮断器38を介して供給される交流電力を整流器60で直流電力に変換し、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子61を駆動して所望の周波数の交流電力に変換して、この交流電力を電動機3に供給する。
インバータ4は、制御部25や他のインバータ4とシリアル通信線30を介して情報の授受を行うシリアル通信ポート64と、各種のプログラムを記憶したメモリ65と、メモリ65に記憶されたプログラムに従って演算を実行する処理装置(例えばCPU)66とを備えている。本実施形態では、インバータ4と制御部25との間の通信は、RS−485規格のシリアル通信である。よって、制御部25のシリアル通信ポート26およびインバータ4のシリアル通信ポート64は、RS−485規格に準拠した通信ポートであり、シリアル通信線30は、RS−485規格に準拠した通信線である。
メモリ65には、スイッチング素子61の制御やシリアル通信ポート64を介した情報の授受を行うためのプログラムや、各種のインバータ4の制御および運転制御プログラムが記憶されている。これらのプログラムは、処理装置66によって実行される。メモリ65と処理装置66とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。メモリ65や処理装置66などは直流電力で駆動されるため、インバータ4の主基板50には、直流電力を主基板50に供給する電源部67が設けられている。この電源部67は、漏電遮断器38を介して商用電源40に接続されており、交流電源である商用電源40から直流電力を生成するように構成される。電源部67は、トランスや整流器、コンデンサなどにより構成され、主基板50の各回路に加える電力(±5V、±12V、±15V、±24V等の直流電力)を生成する。
一実施形態では、制御部25は、インバータ4の電源部67から直流電力の供給を受けて駆動するようになっている。主基板50は電源部67に接続された電源端子69を備えており、この電源端子69は、制御部25に接続されている。インバータ4の電源部67は、制御部25に電力(+5V、+12V、+24V等の直流電力)を供給できるようになっている。一実施形態では、制御部25が電源部を有し、当該電源部にて制御部25内の直流電力を生成してもよい。
インバータ4にはディップスイッチ71が設けられており、このディップスイッチ71は複数のインバータ4を有する給水装置におけるインバータ番号(ポンプ番号)の設定などに用いられる。ディップスイッチ71は主基板50に設けられてもよい。
インバータ4は、シリアル通信ポート64に接続された第1通信線73および第2通信線74を通じて送られるRS−485規格に準拠した信号を、処理装置66用の信号に変換する通信用インターフェース回路75をさらに備えている。図4は、通信用インターフェース回路75の内部構成並びに通信回路66aの詳細を示す図である。なお、第1通信線73、第2通信線74、および、後述する分岐線80,87等の各線は、電気的な導通状態を確立できる導電体であれば、特定の構造に限定されず、例えば、印刷回路基板に形成された配線パターン等であってもよい。
処理装置66は、通信回路66aを備える。通信回路66aは、送受信を切り替えるための送受信切替ポート66b1、各種データを送信するための送信ポート66b2、および、各種データを受信するための入力ポート66b3を備える。通信回路66aは、通信用インターフェース回路75と接続される。通信回路66aは、電源起動後の所定のタイミングで送受信切替ポート66b1を「受信状態」にセットし、入力ポート66b3により通信データを受信する。また、通信回路66aは、自身が通信データを送信するタイミングで送受信切替ポート66b1を所定の「送信状態」に切り替える。そして、通信回路66aは送信ポート66b2にて通信データを送信する。通信データの送信が終了したら送受信切替ポート66b1を「送信状態」から「受信状態」に切り替える。ここで、「送信状態」と「受信状態」は、高レベルであるONと低レベルであるOFFの反転信号であるとよい。
通信用インターフェース回路75は、送受信切替ポート66b1が「送信状態」のときに、送信ポート66b2より出力した信号をRS−485規格に準拠した信号に変換し制御部25へ送信する。また、通信用インターフェース回路75は、送受信切替ポート66b1が「受信状態」のときに、制御部25から受信したRS−485規格に準拠した信号を演算用の信号に変換し入力ポート66b3へ出力する。
通信用インターフェース回路75は、演算増幅器(オペアンプ)77,78を備えている。演算増幅器77の出力端子77cからの信号は、処理装置66の入力ポート66b3に入力される。演算増幅器78の出力端子78cからの信号は、第1通信線73へ出力されると共に、反転信号が第2通信線74を介してシリアル通信ポート64へ出力される。制御部25から延びるシリアル通信線30は、シリアル通信ポート64に接続される。制御部25は、シリアル通信線30を通じて、第1信号および第2信号をインバータ4に送る。第1信号および第2信号は、シリアル通信ポート64を介して通信用インターフェース回路75に入力され、通信用インターフェース回路75にて高レベル又は低レベルの信号に変換されて処理装置66の入力ポート66b3に入力される。
演算増幅器77は、非反転入力端子77aに入力された第1信号と、反転入力端子77bに反転入力された第2信号との電位差に基づいて高レベル(ON)または低レベル(OFF)の信号を出力端子77cから出力する。より具体的には、演算増幅器77は、第1信号と第2信号との電位差がしきい値よりも高ければ、高レベルの信号を出力端子77cから出力し、第1信号と第2信号との電位差がしきい値よりも低ければ、低レベルの信号を出力端子77cから出力するように構成されている。RS−485に準拠したシリアル通信では、第1信号および第2信号は反転信号であり、通信データのビットの値が1の時に演算増幅器77は高レベルの信号を出力端子77cから出力し、通信データのビットの値が0の時に低レベルの信号を出力端子77cから出力する。
通信用インターフェース回路27は、通信用インターフェース回路75と同じ構成とする。また、通信用インターフェース回路75は、電源部67の電源端子Vcc1に接続されており、さらに主基板50のグランド端子GNDに接続されている。
ここで、制御部25とインバータ4間のシリアル通信について説明する。本明細書内で送受信切替ポート28b1および送受信切替ポート66b1の双方が「受信状態」であるとき、「アイドル状態」と称し、送受信切替ポート28b1または送受信切替ポート66b1のどちらか一方が「送信状態」であるとき、「通信中」と称する。
制御部25とインバータ4は、共通の通信仕様として、プロトコル、同期方式、通信方式、通信速度、キャラクタ方式、キャラクタ長、パリティ、スタートビット、ストップビット、エラーチェック方法等の設定値を記憶している。一実施形態で、通信仕様として、プロトコルはModbus、同期方式は調歩同期、通信方式は半2重方式、通信速度は19200bps(bit per second)、キャラクタ方式はバイナリ、キャラクタ長は8ビット、パリティは有り、スタートビットならびにストップビットは1ビット、エラーチェック方法はCRC(Cyclic Redundancy Check)とする。各通信仕様は、同一の値が制御部25とインバータ4の双方に記憶されることで、制御部25とインバータ4間の通信が可能となる。ここで、エラーチェック方法であるCRCは、送信データに誤りがないかをチェックするための方法である。具体的には、制御部25とインバータ4は、共通した所定の演算式にてCRCデータを算出でき、送信側は、送信データに基づいて算出したCRCデータを送信データの最終に付加し、受信側は受信データに基づいて算出したCRCデータと受信データの最終に付加されたCRCデータを比較して、受信データが正しいか否かを判定することができる。
また、キャラクタ長(8ビット)のバイナリデータの前にスタートビット(例えば、1ビット長)が追加され、バイナリデータの後にパリティ(例えば、2ビット長)、ストップビット(例えば、1ビット長)等が追加される。入力ポート66b3に入力されるスタートビットの信号レベルは、アイドル状態の信号レベルとは異なる。本実施形態では、通信仕様の同期方式が非同期の調歩同期であるため、処理装置66は、入力ポート66b3に入力される信号のレベルが、アイドル状態である高レベルから低レベルに変化したらスタートビットを受信したと判断して、通信データの受信を開始する。
本実施形態のModbusプロトコルは、マスタスレーブ方式であって、マスタ側を制御部25、スレーブ側をインバータ4とする。具体的には、スレーブ側のインバータ4は、各自の局番を記憶し、且つ、制御部25は各インバータ4に対応する局番を記憶している。制御部25は所定の通信タイミングにてインバータ4のうちのひとつの局番を問い合わせ先に指定し、所定の「問い合わせ」を、対応するインバータ4に送信する。問い合わせ先の局番に該当するインバータ4は、「問い合わせ」に対応する正常応答を返信するか、もしくは、「問い合わせ」が不正な場合は異常応答を返信する。問い合わせ先の局番に該当しないインバータ4は、無応答となる。なお、マスタ側の制御部25は、全てのインバータ4を問い合わせ先に指定するブロードキャストの「問い合わせ」を送信してもよい。ブロードキャストによる「問い合わせ」の場合は、接続されている全てのインバータ4は、無応答となる。
通電中、制御部25は、インバータ4とのシリアル通信を所定の時間間隔ΔT1(たとえば、数msecから数秒の通信タイミング)毎に実行して、ポンプ2の運転停止や回転速度等の制御指令や、インバータ4の現在状態(例えば、周波数、電流、電圧、トリップ情報など)の読み出しを行う。具体的には、インバータ4に対する制御指令の「問い合わせ」をコマンド1、インバータ4の現在状態を読み出すための「問い合わせ」をコマンド2とし、インバータ4のいずれか一方の局番を局番1、他方を局番2とする。所定の時間間隔ΔT1で制御部25は、下記(1)〜(4)を順番に実行する。
(1) 局番1に対するコマンド1を送信
(2) 局番2に対するコマンド1を送信
(3) 局番1に対するコマンド2を送信
(4) 局番2に対するコマンド2を送信
また、通電中、制御部25は、上記(1)〜(4)を繰り返し実行する。
このように、制御部25は、各インバータ4に対して所定の時間間隔ΔT1毎に何らかの「問い合わせ」を送信する。なお、上記したコマンドや通信順は上記に依らないが、各インバータ4に対して定期的に通信されることが好ましい。
なお、制御部25による時間間隔ΔT1の計時は、上記(1)〜(4)の送信を開始するタイミングにてリセットスタートしてもよいし、上記(1)〜(4)の送信が完了するタイミングにてリセットスタートしてもよい。または、上記(1)〜(4)の送信に対する正常応答を受信したタイミングにてリセットスタートしてもよい。
なお、制御部25は、問い合わせを送信後、該当するインバータ4からの正常応答が確認できずに所定の時間間隔ΔT2が経過したら、通信エラーとする。制御部25は通信エラーを判断したら時間間隔ΔT1の計時をリセットスタートしてもよい。上述した「問い合わせ」には運転指令情報が含まれる。この運転指令情報には、ポンプ2の始動指令、ポンプ2の停止指令、電動機3の目標回転速度などが含まれる。
インバータ4は、第1通信線73および第2通信線74にそれぞれ接続された2本の分岐線80,87と、これら分岐線80,87にそれぞれ取り付けられた第1オープン端子81,91を備えている。第1オープン端子81は、第1通信線73に電気的に接続されている。第1オープン端子81に隣接して、第2オープン端子82が配置されている。第2オープン端子82は主基板50のグランド端子GNDに抵抗R1を介して接続されている。
第1オープン端子91は、第2通信線74に電気的に接続されている。第1オープン端子91と対になる第2オープン端子92が配置されている。第2オープン端子92は第2オープン端子91に隣接している。第2オープン端子92は、電源部67の電源端子Vcc2に抵抗R2を介して接続されている。抵抗R1,R2,R3,R4は、演算増幅器77への入力信号の電圧を調整するために備えられている。なお、電源端子Vcc1,電源端子Vcc2は、電源部67とは別に設けられた専用の電源の電源端子であってもよい。
第1通信線73は、抵抗R3を介して電源端子Vcc2に接続され、第2通信線74は、抵抗R4を介して主基板50のグランド端子GNDに接続されている。電源部67、第1オープン端子81,91、および第2オープン端子82,92は、インバータ4内に配置されている。一実施形態では、電源部67、第1オープン端子81,91、および第2オープン端子82,92は、主基板50と異なる基板に配置されてもよい。
第2オープン端子82,92は、第1オープン端子81,91から離れている。図5は、制御部25がポンプ装置から取り外され、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とが接続セレクタ90によって電気的に接続された状態を示す模式図である。接続セレクタ90は、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92の両方に接触可能な導電材を備えている。接続セレクタ90によって第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とが電気的に接続されると、非反転入力端子77aと反転入力端子77bの電位差がしきい値より低くなり、演算増幅器77の出力端子77cから出力される信号は低レベルとなる。よって、処理装置66の入力ポート66b3への入力信号は低レベルとなる。接続セレクタ90を、第1オープン端子81,91および第2オープン端子82,92から離すと、非反転入力端子77aの電位は電源端子Vcc2の電位、反転入力端子77bの電位はグランド端子GNDの電位となり、演算増幅器77の出力端子77cから出力される信号は高レベルとなる。よって、処理装置66の入力ポート66b3への入力信号は高レベルとなる。接続セレクタ90の具体例としては、ジャンパーピンなどの着脱可能な導電体、またはスイッチが挙げられる。また、接続セレクタ90は、外部信号によってON/OFFされるスイッチでもよいし、第1オープン端子81,91および第2オープン端子82,92がほぼ同時(時間間隔ΔT1内)に導通される構造が好ましい。
接続セレクタ90は、制御部25の交換、または制御部25のメンテナンスなどに起因して制御部25をポンプ装置から取り外すときに使用される。具体的には、制御部25をポンプ装置から取り外すと、インバータ4の入力ポート66b3への入力信号は高レベルとなり、且つ、インバータ4はスレーブ側であるため、インバータ4の通信状態はアイドル状態となる。そこで、制御部25をポンプ装置から取り外す前または後に、接続セレクタ90によって第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とを電気的に接続し、これによって演算増幅器77の出力端子77cから出力される信号は、スタートビットと同じ低レベルに固定される。図5に示す状態では、上述したシリアル通信における第1信号および第2信号は、第1通信線73および第2通信線74には入力されない。一実施形態では、アイドル状態の信号レベルを低レベルとし、接続セレクタ90によって第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とが電気的に接続されたときに、演算増幅器77の出力端子77cから出力される信号は高レベルとなるように構成されてもよい。
処理装置66は、高レベルおよび低レベルの両方の信号が所定の時間間隔ΔTN1内に入力されたときは、インバータ4の運転モードを通常運転モードとし、スタートビットと同じ高レベルまたは低レベルのいずれかの信号が、所定の時間ΔTN2の間に継続して入力されたときは、インバータ4の運転モードを、強制運転モードに切り替えるように構成されている。また、処理装置66は、アイドル状態と同じ高レベルまたは低レベルのいずれかの信号が、所定の時間ΔTN2の間に継続して入力されたときは、インバータ4を停止とする。
強制運転モードに切り替える信号レベルは、スタートビットと同じ信号レベルである。そうすることで、制御部25が取り外され、且つ接続セレクタ90が接続されていないときは、電動機3は強制運転されず停止が継続される。これにより、シリアル通信線30の断線等で処理装置66に高レベルおよび低レベルの両方の信号が所定の時間間隔ΔTN1内に入力されないときに、誤って強制運転するのを防止できる。また、時間間隔ΔTN1は、制御部25から各インバータ4へ「問い合わせ」が送信されるタイミング以上であるとよい。また、時間ΔTN2は、時間間隔ΔTN1より十分長い、数100ミリ秒から数十秒とするとよい。
通常運転モードは、上述した操作パネル47の運転切替スイッチ52を「自動」にしたときの運転モードであり、インバータ4は、制御部25からのシリアル通信による指令に従って電動機3を駆動する。例えば、通常運転モードでは、吐出し圧力の測定値に基づいて推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御が行われる。通常運転モードの間は、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とは電気的に接続されていない。
強制運転モードは、電動機3を強制的に運転させる運転モードである。この強制運転モードでは、インバータ4は、受信した制御部25からの指令によらず、電動機3を所定の回転速度で駆動する。一実施形態として強制運転時の電動機3の回転速度は、ディップスイッチ71によって設定することができる。一実施形態として強制運転時の電動機3の回転速度は、制御部25の操作パネル47や入力部より設定変更可能であり、シリアル通信を介して処理装置66の不揮発性メモリに記憶することができる。強制運転モードの間は、接続セレクタ90は、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とを電気的に接続する。
シリアル通信にて第1信号および第2信号が制御部25から演算増幅器77に送られているとき、演算増幅器77は、通信データに基づいた高レベル信号および低レベル信号を生成する。なぜならば、制御部25とインバータ4は、給水装置の状態によって常に変化する周波数指令値や各種状態、更にはプロトコルに含まれる局番やコマンド、CRCデータ、パリティビット等を通信データとして通信するため、一度に送受信する通信データの中には、必ず低レベルの信号と高レベルの信号が混在するからである。これに対して、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92とが電気的に接続されたとき、演算増幅器77は、高レベル信号または低レベル信号のいずれか一方を継続的に生成する。この継続的な高レベル信号または低レベル信号は、インバータ4の運転モードを、強制運転モードとするトリガー信号として機能する。
新たな制御部25、またはメンテナンスされた制御部25がポンプ装置に取り付けられ、制御部25がシリアル通信線30によってインバータ4に接続される前または後、接続セレクタ90は、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92から切り離され、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92との電気的な接続が解除される。結果として、入力ポート66b3は、抵抗R3,R4を介してそれぞれ接続された電源端子Vcc2とグランド端子GNDによってアイドル状態となる。処理装置66は、演算増幅器77から送られていた継続的なアイドル状態と異なる高レベル信号または低レベル信号が途絶えてアイドル状態に戻ると、強制運転モードを終了して、電動機3を停止する。そして、制御部25がシリアル通信線30によってインバータ4も接続されてシリアル通信が開始されると、処理装置66は運転モードを通常運転モードに切り替える。通常運転モードで処理装置66は制御部25からの「問い合わせ」を正常に受信したら、当該受信データに基づいてインバータ4が運転される。
このように、接続セレクタ90により、継続的な高レベル信号または低レベル信号からなるトリガー信号を演算増幅器77に生成させ、かつトリガー信号を停止させることができる。本実施形態によれば、既設の第1通信線73および第2通信線74をそのまま利用できるので、強制運転を行うためのスイッチをインバータ4に増設する必要はなく、省スペース化が達成される。また、本実施形態によれば、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92との電気的な接続を行うといった簡易的な方法で強制運転を行うことができるため、強制運転のためのスイッチ操作の手順を簡略化できる。
図6は、ポンプ装置としての給水装置の他の実施形態を示す模式図であり、図7は、図6に示すインバータ4の模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、圧力信号入力端子33、流量信号入力端子34、温度信号入力端子35、トリップ信号入力端子39、および出力端子45は、制御部25ではなく、2つのインバータ4にそれぞれ設けられている。通常運転モード中では、吐出し圧力の測定値、過少流量検出信号、ポンプ2の温度の測定値、トリップ信号、運転信号、および故障信号は、インバータ4を経由し、シリアル通信線30を通って制御部25に送られる。したがって、制御部25は、先に説明した実施形態と同じように、インバータ4の動作を制御することができる。
強制運転モード中では、先に説明した実施形態と同じように、インバータ4は、電動機3を所定の回転速度で駆動する。インバータ4は、サーミスタ22から送られてくるポンプ2の温度の測定値が上限値を超えたときは、電動機3の運転を停止させる。また、インバータ4は、トリップ信号を漏電遮断器38から受信したときは、電動機3の運転を停止させる。所定の時間が経過した後に、インバータ4は、電動機3を再始動するリトライ動作を実行してもよい。このリトライ動作は複数回実行してもよい。
強制運転モード中において、インバータ4は、先に説明した自動運転によって電動機3を単独運転する。具体的には、インバータ4は、フロースイッチ12から送られる過少流量検出信号を受信したときは、電動機3の強制運転を停止させる。この場合、圧力センサ15から送られてくる吐出し圧力の測定値が上記所定の始動圧力まで低下したときに、電動機3を再び運転させる。さらに、強制運転モード中において、インバータ4の処理装置66は、圧力センサ15から送られてくる吐出し圧力の測定値に基づいて、推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を実行してもよい。このように、本実施形態では、通常運転モード中では、複数台のポンプ2の台数制御にて自動運転を行うことができ、強制運転モードでは、インバータ4自身が、単独の自動運転(電動機3の始動、停止、および回転速度制御)を実行することも可能である。
図8は、インバータ4のさらに他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、電源部67はインバータ4内に配置されているが、接続セレクタ90、第1オープン端子81,91、および第2オープン端子82,92は、インバータ4の外に配置されている。接続セレクタ90、第1オープン端子81,91、および第2オープン端子82,92は、外部基板93上に配置されている。本実施形態の接続セレクタ90は、第1オープン端子81,91と第2オープン端子82,92との電気的接続を確立し、かつ解除するスイッチから構成されている。ただし、接続セレクタ90の具体的構成は、同様の機能を奏することができるものであれば本実施形態に限られない。
本実施形態は、ユーザーがアクセスしにくい場所にインバータ4が配置されている場合に有効である。例えば、図9に示す一実施形態では、インバータ4は、電動機3に固定されたハウジング95内に収容されている。インバータ4は、対応する電動機3と一体であり、インバータ4は操作パネル47等に比べてユーザーがアクセスしにくい位置にある。一方、接続セレクタ90、第1オープン端子81,91、および第2オープン端子82,92が固定された外部基板93は、ハウジング95の外面に近い位置や操作パネル47の近傍に配置できる。本実施形態によれば、インバータ4の配置に関わらず、接続セレクタ90、第1オープン端子81,91、および第2オープン端子82,92を、ユーザーがアクセスしやすい場所に設置することが可能である。
図10は、ポンプ装置としての給水装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、操作パネル47は、制御部25の外に配置され、シリアル通信線100によって制御部25に接続されている。制御部25は、交流電源である商用電源40に電気的に接続された電源部125を備えている。この電源部125には、商用電源40により供給される交流電力から電力(+5V、+12V、+24V等の直流電力)を生成するように構成されている。
操作パネル47と制御部25との間の通信は、RS−485規格のシリアル通信である。よって、制御部25のシリアル通信ポート101、および操作パネル47のシリアル通信ポート103は、RS−485規格に準拠した通信ポートであり、シリアル通信線100は、RS−485規格に準拠した通信線である。シリアル通信線100の一端は、制御部25のシリアル通信ポート101に接続され、シリアル通信線100の他端は、操作パネル47のシリアル通信ポート103に接続されている。
図11は、図10に示す操作パネル47と制御部25を示す拡大模式図である。制御部25は、シリアル通信ポート101に接続された第1通信線106および第2通信線107を通じて送られるRS−485規格に準拠した信号を、処理装置28用の信号に変換する通信用インターフェース回路110をさらに備えている。なお、第1通信線106、第2通信線107、および、後述する分岐線115,116等の各線は、電気的な導通状態を確立できる導電体であれば、特定の構造に限定されず、例えば、印刷回路基板に形成された配線パターン等であってもよい。
処理装置28は、通信回路28cを備える。通信回路28cは、送受信を切り替えるための送受信切替ポート28c1、各種データを送信するための送信ポート28c2、および、各種データを受信するための入力ポート28c3を備える。通信回路28cは、通信用インターフェース回路110と接続される。通信回路28cは、電源起動後の所定のタイミングで送受信切替ポート28c1を「受信状態」にセットし、入力ポート28c3により通信データを受信する。また、通信回路28cは、自身が通信データを送信するタイミングで送受信切替ポート28c1を所定の「送信状態」に切り替える。そして、通信回路28cは送信ポート28c2にて通信データを送信する。通信データの送信が終了したら送受信切替ポート28c1を「送信状態」から「受信状態」に切り替える。ここで、「送信状態」と「受信状態」は、高レベルであるONと低レベルであるOFFの反転信号であるとよい。
通信用インターフェース回路110は、送受信切替ポート28c1が「送信状態」のときに、送信ポート28c2より出力した信号をRS−485規格に準拠した信号に変換し操作パネル47へ送信する。また、通信用インターフェース回路110は、送受信切替ポート28c1が「受信状態」のときに、操作パネル47から受信したRS−485規格に準拠した信号を演算用の信号に変換し処理装置28の入力ポート28c3へ出力する。
通信用インターフェース回路110は、演算増幅器(オペアンプ)111,112を備えている。演算増幅器111の出力端子111cからの信号は、処理装置28の入力ポート28c3に入力される。演算増幅器112の出力端子112cからの信号は、第1通信線106を介してシリアル通信ポート101に出力され、反転信号が第2通信線107を介してシリアル通信ポート101に出力される。操作パネル47から延びるシリアル通信線100は、シリアル通信ポート101に接続される。操作パネル47は、シリアル通信線100を通じて、第1信号および第2信号を制御部25に送る。第1信号および第2信号は、シリアル通信ポート101を介して通信用インターフェース回路110に入力され、通信用インターフェース回路110にて高レベル又は低レベルの信号に変換されて処理装置28の入力ポート28c3に入力される。
演算増幅器111は、非反転入力端子111aに入力された第1信号と、反転入力端子111bに反転入力された第2信号との電位差に基づいて高レベル(ON)または低レベル(OFF)の信号を出力端子111cから出力する。より具体的には、演算増幅器111は、第1信号と第2信号との電位差がしきい値よりも高ければ、高レベルの信号を出力端子111cから出力し、第1信号と第2信号との電位差がしきい値よりも低ければ、低レベルの信号を出力端子111cから出力するように構成されている。RS−485に準拠したシリアル通信では、第1信号および第2信号は反転信号であり、通信データのビットの値が1の時に演算増幅器111は高レベルの信号を出力端子111cから出力し、通信データのビットの値が0の時に低レベルの信号を出力端子111cから出力する。
通信用インターフェース回路110は、電源部125の電源端子Vcc3に接続されており、さらに制御部25のグランド端子GNDに接続されている。制御部25と操作パネル47間のシリアル通信は、上述の実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。なお、一実施形態として、制御部25と操作パネル47間はマスタスレーブ方式のプロトコル(Modbus等)を用いた通信を行い、マスタ側を操作パネル47、スレーブ側を制御部25とし、制御部25は、所定の時間間隔で操作パネル47に問い合わせを送信する。
制御部25は、第1通信線106および第2通信線107にそれぞれ接続された2本の分岐線115,116と、これら分岐線115,116にそれぞれ取り付けられた第1オープン端子121,131を備えている。第1オープン端子121は、第1通信線106に電気的に接続されている。第1オープン端子121に隣接して、第2オープン端子122が配置されている。第2オープン端子122は制御部25のグランド端子GNDに抵抗R5を介して接続されている。
第1オープン端子131は、第2通信線107に電気的に接続されている。第1オープン端子131と対になる第2オープン端子132が配置されている。第2オープン端子132は第2オープン端子131に隣接している。第2オープン端子132は、電源部125の電源端子Vcc4に抵抗R6を介して接続されている。抵抗R5,R6,R7,R8は、演算増幅器111への入力信号の電圧を調整するために備えられている。なお、電源端子Vcc3,電源端子Vcc4は、制御部25とは別に設けられた専用の電源の電源端子であってもよい。
第1通信線106は、抵抗R7を介して電源端子Vcc4に接続され、第2通信線107は、抵抗R8を介して制御部25のグランド端子GNDに接続されている。電源部125、第1オープン端子121,131、および第2オープン端子122,132は、制御部25内に配置されている。一実施形態では、電源部125、第1オープン端子121,131、および第2オープン端子122,132は、制御部25の外に配置されてもよい。
第2オープン端子122,132は、第1オープン端子121,131から離れている。図12は、操作パネル47が制御部25から取り外され、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とが接続セレクタ130によって電気的に接続された状態を示す模式図である。接続セレクタ130は、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132の両方に接触可能な導電材を備えている。接続セレクタ130によって第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とが電気的に接続されると、非反転入力端子111aと反転入力端子111bの電位差がしきい値より低くなり、演算増幅器111の出力端子111cから出力される信号は低レベルとなる。よって、処理装置28の入力ポート28c3への入力信号は低レベルとなる。接続セレクタ130を、第1オープン端子121,131および第2オープン端子122,132から離すと、非反転入力端子111aの電位は電源端子Vcc4の電位、反転入力端子111bの電位はグランド端子GNDの電位となり、演算増幅器111の出力端子111cから出力される信号は高レベルとなる。よって、処理装置28の入力ポート28c3への入力信号は高レベルとなる。接続セレクタ130の具体例としては、ジャンパーピンなどの着脱可能な導電体、またはスイッチが挙げられる。また、接続セレクタ130は、外部信号によってON/OFFされるスイッチでもよいし、第1オープン端子121,131および第2オープン端子122,132がほぼ同時(時間間隔ΔT1内)に導通される構造が好ましい。
接続セレクタ130は、操作パネル47の交換、または操作パネル47のメンテナンスなどに起因して操作パネル47を制御部25から切り離すときに使用される。具体的には、操作パネル47を制御部25から取り外すと、処理装置28の入力ポート28c3への入力信号は高レベルとなり、且つ、制御部25はスレーブ側であるため、制御部25の通信状態はアイドル状態となる。そこで、操作パネル47を制御部25から切り離す前または後に、接続セレクタ130によって第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とを電気的に接続し、これによって演算増幅器111の出力端子111cから出力される信号は、スタートビットと同じ低レベルに固定される。図12に示す状態では、上述したシリアル通信における第1信号および第2信号は、第1通信線106および第2通信線107には入力されない。一実施形態では、アイドル状態の信号レベルを低レベルとし、接続セレクタ130によって第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とが電気的に接続されたときに、演算増幅器111の出力端子111cから出力される信号は高レベルとなるように構成されてもよい。
処理装置28は、高レベルおよび低レベルの両方の信号が所定の時間間隔ΔTN1内に入力されたときは、制御部25の運転モードを通常運転モードとし、スタートビットと同じ高レベルまたは低レベルのいずれかの信号が、所定の時間ΔTN2の間に継続して入力されたときは、制御部25の運転モードを、強制運転モードに切り替えるように構成されている。
強制運転モードに切り替える信号レベルは、スタートビットと同じ信号レベルである。そうすることで、操作パネル47が取り外され、且つ接続セレクタ130が接続されていないときは、制御部25は強制運転されない。また、時間間隔ΔTN1は、操作パネル47から制御部25へ「問い合わせ」が送信されるタイミング以上であるとよい。また、時間ΔTN2は、時間間隔ΔTN1より十分長い、数100ミリ秒から数十秒とするとよい。
通常運転モードでは、制御部25は、操作パネル47からの操作信号に基づいてポンプ2を運転する。例えば、運転切替スイッチ52が「自動」であれば、先に説明した自動運転によって吐出し圧力の測定値に基づいて推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御が行われる。運転切替スイッチ52が「試験」であれば、操作パネル47の手動操作によってポンプ2が運転される。運転切替スイッチ52が「停止」であれば、ポンプ2は停止される。通常運転モードの間は、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とは電気的に接続されていない。
強制運転モードは、操作パネル47からの操作信号によらず、制御部25にてポンプ2を運転させる運転モードである。この強制運転モードでは、制御部25は、操作パネル47からの操作信号によらず、インバータ4に指令を与え、ポンプ2の駆動機である電動機3を駆動する。強制運転モードの間は、接続セレクタ130は、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とを電気的に接続する。
この強制運転モードには、以下の第1運転モードおよび第2運転モードがある。
第1運転モードは、制御部25は、上記通常運転モードの自動運転と同様に、吐出し圧力の測定値および過少流量検出信号に基づいてポンプ2を始動停止させ、さらに吐出し圧力の測定値に基づいて推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を行う運転モードである。この第1運転モードでは、制御部25は、ポンプ2のそれぞれの運転回数や停止時間が平準化されるようにこれらポンプ2の運転を制御する。
第2運転モードは、制御部25は、インバータ4に指令を発して電動機3を所定の回転速度で回転させる運転モードである。電動機3の回転速度は、ユーザーが設定することができる。
一実施形態として、制御部25は、操作パネル47が接続中に運転切替スイッチ52の状態を記憶し、強制運転モードとなる直前の該記憶した運転切替スイッチ52の状態が「自動」であれば、強制運転モードは第1運転モードとする。強制運転モードとなる直前の該記憶した運転切替スイッチ52の状態が「試験」であれば、強制運転モードは第2運転モードとする。さらに、強制運転モードとなる直前の該記憶した操作パネル47の運転切替スイッチ52が「停止」であれば、ポンプ2は停止される。また、一実施形態として、強制運転モードで制御部25は、操作パネル47が接続されていた時の運転切替スイッチ52の状態によらずに、第1運転モードまたは第2運転モードの何れかを選択してもよい。更には、強制運転モードでの動作は、ユーザーによって選択された第1運転モードまたは第2運転モードの何れかに設定されてもよい。
シリアル通信にて第1信号および第2信号が制御部25から演算増幅器111に送られているとき、演算増幅器111は、送信データに基づいた高レベル信号および低レベル信号を生成する。これに対して、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132とが電気的に接続されたとき、演算増幅器111は、高レベル信号または低レベル信号のいずれか一方を継続的に生成する。この継続的な高レベル信号または低レベル信号は、制御部25の運転モードを、通常運転モードから強制運転モードに切り替えるトリガー信号として機能する。
新たな操作パネル47、またはメンテナンスされた操作パネル47がポンプ装置に取り付けられ、操作パネル47がシリアル通信線100によって制御部25に接続される前または後、接続セレクタ130は、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132から切り離され、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132との電気的な接続が解除される。結果として、入力ポート28c3は、抵抗R7,R8を介してそれぞれ接続された電源端子Vcc4とグランド端子GNDによってアイドル状態となる。処理装置28は、演算増幅器111から送られていた継続的なアイドル状態と異なる高レベル信号または低レベル信号が途絶えてアイドル状態に戻ると、強制運転モードを終了する。そして、操作パネル47がシリアル通信線100によって制御部25に接続されてシリアル通信が開始されると、処理装置28は運転モードを通常運転モードに切り替える。通常運転モードで処理装置28は、操作パネル47からの「問い合わせ」を正常に受信したら、当該受信データに基づいてポンプ2の運転制御が行われる。
このように、接続セレクタ130により、継続的な高レベル信号または低レベル信号からなるトリガー信号を演算増幅器111に生成させ、かつトリガー信号を停止させることができる。本実施形態によれば、既設の第1通信線106および第2通信線107をそのまま利用できるので、強制運転を行うためのスイッチを制御部25に増設する必要はなく、省スペース化が達成される。また、本実施形態によれば、第1オープン端子121,131と第2オープン端子122,132との電気的な接続を行うといった簡易的な方法で強制運転を行うことができるため、強制運転のためのスイッチ操作の手順を簡略化できる。
上述した実施形態では、RS−485規格に準拠したシリアル通信について記述したが、『スタートビットと同レベルの信号が、所定の時間継続して入力ポートに入力されたとき、運転モードを強制運転モードに切り替える』という構成は、RS232C規格等のRS−485規格以外のシリアル通信においても適用できる。その場合、通信用インターフェース回路27,75,110は、各通信規格に準ずる信号に変換するか、もしくは、信号を変換する必要がない場合は省略できる。また、抵抗R1〜R8、分岐線80,87,115,116、第1オープン端子81,91,121,131、第2オープン端子82,92,122,132等の、接続セレクタ90,130によって強制運転モードに切替わるための構成は、用いられるシリアル通信の信号の構成に応じて適切な構成が用いられるとよい。具体的には、接続セレクタ90,130が取り付けられたとき、入力ポート28c3,66b3へ入力される信号のレベルがスタートビットと同じ信号レベルに固定されればよい。
更に、上述した実施形態では、制御部25とインバータ4間の通信において、マスタ側を制御部25、スレーブ側をインバータ4としたが、マスタ側をインバータ4、スレーブ側を制御部25としてもよい。また、制御部25と操作パネル47間の通信では、マスタ側を操作パネル47、スレーブ側を制御部25としたが、マスタ側を制御部25、スレーブ側を操作パネル47としてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1A 吸込み口
1B 吐出し口
2 ポンプ
3 電動機
4 インバータ
6 吸込管
7 給水管
9 逆止弁
11 受水槽
12 フロースイッチ
14 導水管
15 圧力センサ
17 圧力タンク
20 吐出し集合管
22 サーミスタ(温度センサ)
25 制御部
28 処理装置
28a 通信回路
28b1 送受信切替ポート
28b2 送信ポート
28b3 入力ポート
28c 通信回路
28c1 送受信切替ポート
28c2 送信ポート
28c3 入力ポート
30 シリアル通信線
33 圧力信号入力端子
34 流量信号入力端子
35 温度信号入力端子
38 漏電遮断器
39 トリップ信号入力端子
40 商用電源
41 電力線
45 出力端子
47 操作パネル
50 主基板
52 運転切替スイッチ(操作部)
53 ランプ
54 操作ボタン(操作部)
55 表示部
60 整流器
61 スイッチング素子(パワー素子)
64 シリアル通信ポート
65 メモリ
66 処理装置
66a 通信回路
66b1 送受信切替ポート
66b2 送信ポート
66b3 入力ポート
67 電源部
69 電源端子
71 ディップスイッチ
73 第1通信線
74 第2通信線
77,78 演算増幅器(オペアンプ)
80,87 分岐線
81,91 第1オープン端子
82,92 第2オープン端子
90 接続セレクタ
93 外部基板
95 ハウジング
100 シリアル通信線
101 シリアル通信ポート
103 シリアル通信ポート
106 第1通信線
107 第2通信線
110 通信用インターフェース回路
111,112 演算増幅器
115,116 分岐線
121,131 第1オープン端子
122,132 第2オープン端子
125 電源部
130 接続セレクタ

Claims (9)

  1. 液体を移送するためのポンプ装置であって、
    ポンプと、
    前記ポンプを駆動する電動機と、
    前記電動機に可変周波数の電力を供給するインバータと、
    前記インバータとシリアル通信を行う制御部を備え、
    前記インバータは、前記シリアル通信における信号が入力される入力ポートを備えた処理装置を備え、前記入力ポートに入力される信号は、高レベルまたは低レベルの何れかの信号であって、
    前記処理装置は、
    所定のアイドル状態と異なる信号レベルのスタートビットが前記入力ポートに入力されたら前記シリアル通信の開始と判断し、
    前記シリアル通信の開始から前記高レベルおよび前記低レベルの両方の信号が所定の時間間隔内で前記入力ポートに入力されたときは、前記インバータの運転モードを、前記電動機を前記シリアル通信にて受信した運転指令情報に基づいて運転させる通常運転モードとし、
    前記シリアル通信の開始から前記スタートビットと同レベルの信号が、所定の時間継続して前記入力ポートに入力されたときは、前記インバータの運転モードを、前記電動機を強制的に運転させる強制運転モードに切り替えるように構成されている、ポンプ装置。
  2. 前記入力ポートへの信号レベルを前記スタートビットと同じ信号レベルとする接続セレクタをさらに備えている、請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記シリアル通信の同期方式は調歩同期であり、
    前記制御部と前記インバータはマスタスレーブ方式のプロトコルを用いた通信を行い、
    前記制御部はマスタ側、前記インバータはスレーブ側であって、
    前記制御部は、所定の時間間隔で前記インバータに問い合わせを送信する、請求項1または2に記載のポンプ装置。
  4. 前記ポンプを流れる液体の流量が所定の値まで低下したことを検出したときに流量低下信号を出力する流量検出器をさらに備え、
    前記インバータは、前記流量検出器から延びる信号線が接続された流量信号入力端子を備えている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポンプ装置。
  5. 前記ポンプの吐出し圧力を測定する圧力センサをさらに備え、
    前記インバータは、前記圧力センサから延びる信号線が接続された圧力信号入力端子を備えており、
    前記インバータは、前記吐出し圧力の測定値に基づいて前記電動機の回転速度を制御する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
  6. 前記インバータは前記電動機に一体化されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポンプ装置。
  7. 液体を移送するためのポンプ装置であって、
    ポンプと、
    前記ポンプを駆動する電動機と、
    前記電動機に可変周波数の電力を供給するインバータと、
    前記インバータの動作を制御する制御部と、
    前記制御部とシリアル通信を行う操作パネルを備え、
    前記制御部は、前記シリアル通信における信号が入力される入力ポートを備えた処理装置を備え、前記入力ポートに入力される信号は、高レベルまたは低レベルの何れかの信号であって、
    前記処理装置は、
    所定のアイドル状態と異なる信号レベルのスタートビットが前記入力ポートに入力されたら前記シリアル通信の開始と判断し、
    前記シリアル通信の開始から前記高レベルおよび前記低レベルの両方の信号が所定の時間間隔内で前記入力ポートに入力されたときは、前記制御部の運転モードを前記シリアル通信にて受信した操作信号に基づいて運転させる通常運転モードとし、
    前記シリアル通信の開始から前記スタートビットと同レベルの信号が、所定の時間継続して前記入力ポートに入力されたときは、前記制御部の運転モードを、前記制御部を強制的に運転させる強制運転モードに切り替えるように構成されている、ポンプ装置。
  8. 前記入力ポートへの信号レベルを前記スタートビットと同じ信号レベルとする接続セレクタをさらに備えている、請求項7に記載のポンプ装置。
  9. 前記シリアル通信の同期方式は調歩同期であり、
    前記操作パネルと前記制御部はマスタスレーブ方式のプロトコルを用いた通信を行い、
    前記操作パネルはマスタ側、前記制御部はスレーブ側であって、
    前記操作パネルは、所定の時間間隔で前記制御部に問い合わせを送信する、請求項8に記載のポンプ装置。
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