JP2020051103A - 貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造、前記結合構造を有する貯留浸透槽用筒状体、及び貯留浸透槽用箱体 - Google Patents

貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造、前記結合構造を有する貯留浸透槽用筒状体、及び貯留浸透槽用箱体 Download PDF

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幸徳 大石
宏俊 水野
Hirotoshi Mizuno
宏俊 水野
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【課題】貯留浸透槽用筒状体において側板部材同士が外れにくい結合構造を提供する。【解決手段】貯留浸透槽用筒状体2の結合構造1は、側板部材3,4の側縁部5,6に、係合部10及び被係合部20を配設し、筒状体2の軸線に直交する第1の方向から側板部材3,4同士を相対移動させて係合部10と被係合部20とを係合させ、さらに該第1の方向と直交する第2の方向に側板部材3,4同士を相対移動させることで係合部10と被係合部20との位置を合わせるものであって、係合部10と被係合部20が結合した状態で、係合部10が、被係合部20に設けられた移動規制片部25によって移動範囲が制限されている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば雨水を貯留浸透するための槽に用いられる貯留浸透槽用筒状体(以下、適宜、筒状体ともいう)に関し、特に、前記筒状体を構成する側板部材同士の結合構造、前記結合構造を有する貯留浸透槽用筒状体、及び貯留浸透槽用箱体に関する。
従来から、雨水を一時的に貯留し、貯留した雨水を地中に緩やかに浸透させて排水する雨水用の貯留浸透槽が提案されている。前記貯留浸透槽は、掘削して形成された凹部に透水シートが敷かれ、その上に複数の貯留浸透槽用筒状体が積み上げられて構成されていることが一般的である。
また、前記筒状体はコンクリート製であったが、近年、施工や運搬の容易さから、樹脂製のものが提案されている(例えば特許文献1)。特に特許文献1には、組み付け容易性を確保すべく、突出形状のスライド係合部と孔形状の被スライド係合部とを有する構造が開示されている。
特開2013−185315号公報
しかしながら、上記した従来構成は、例えば一対の側板部材を結合させた後、天板を取り付ける際に側板部材を揺らしながら嵌め合わせていくところ、側板部材同士が互い違いで上下に位置ずれしてスライド係合部が被スライド係合部から離脱してしまい、側板部材同士の結合状態が解除されやすい、という問題があった。
そこで本発明は、側板部材の結合作業が容易で、かつ、一旦結合すると側板部材同士が外れにくくなる貯留浸透槽用筒状体を構成することができる側板部材同士の結合構造、前記結合構造を有する貯留浸透槽用筒状体、及び貯留浸透槽用箱体を提供することを目的とする。
本発明は、複数の側板部材が互いに結合してなる貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造であって、一方の側板部材の側縁部には、被係合部が孔部状に配設されてなり、他方の側板部材の側縁部であって前記被係合部に対応する位置には、係合部が前記被係合部に向かって突出状に配設されてなり、前記側板部材同士が近接して前記係合部が前記被係合部内を相対的に挿入されると共に前記係合部が前記被係合部に挿入される方向である第1の方向と直交する第2の方向を含む方向に沿って移動されることで前記係合部と前記被係合部とが係合状態となって側板部材同士が結合するものであり、前記一方の側板部材には、前記被係合部と係合した状態の前記係合部と当接することで、当該係合部が前記第2の方向に沿って相対的に移動する範囲を規制する移動規制片部が備えられており、前記移動規制片部によって移動する範囲が規制された前記係合部は、前記被係合部から抜脱不能とされてなることを特徴とする貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造である。
かかる構成にあって、まず、互いに結合部位が向き合う位置におかれた側板部材同士が接近することにより、前記係合部が前記被係合部に挿入された状態が得られる。さらに側板部材同士は、例えば前記係合部が前記被係合部に挿入される前記第1の方向と直交する前記第2の方向に沿って移動されることで、当該係合部と当該被係合部とが係合状態となり、前記側板部材同士が結合された状態が得られる。この作業は、接近させた2枚の側板部材の結合部位を前記第2の方向に沿って移動するのみであるから、従来のように側板部材2枚分の長さを有する作業空間は不要である。また、側板部材同士が結合した状態にあっては、前記側板部材に備えられた、前記係合部の第2の方向に沿う移動の範囲を規制する移動規制片部が、前記被係合部から前記係合部が抜脱することを不能とするため、意図せず側板部材同士が外れてしまうことを防止することができる。なお、本発明において、側板部材同士を結合する際に、側板部材を厳密に第1の方向及び第2の方向に移動させる必要は無く、第1の方向を含む方向や第2の方向を含む方向にそれぞれ移動させてもよい。
また、前記一方の側板部材における前記移動規制片部は、当該側板部材における側縁部の少なくとも地上側に配置されている構成が提案される。
ここで、側板部材同士を結合する際には、側板部材の地上側に配された結合箇所が最も外れやすいところ、かかる位置に移動規制片部が形成されることで作業効率が飛躍的に向上する。
また、前記一方の側板部材の側縁部には、前記被係合部が、前記側縁部の長手方向に沿って複数列設されている構成が提案される。
かかる構成とすることにより、前記側縁部の一端から他端まで確実に結合させることができる。
また、前記一方の側板部材の前記被係合部は、当該一方の側板部材の側縁部に形成された貫通孔部からなり、前記他方の側板部材の前記係合部は、当該他方の側板部材の側縁部から突出した首部と、前記首部の先端に配設され、かつ前記首部よりも幅広な幅広頭部と、からなり、さらに前記貫通孔部には、前記幅広頭部より幅狭で前記首部が通過可能な幅狭孔部と、前記幅狭孔部と連続し、かつ前記幅狭孔部よりも幅広で前記幅広頭部が挿通可能な幅広孔部と、が形成されており、前記係合部の幅広頭部は、前記被係合部の貫通孔部の幅広孔部に挿通されてなり、さらに前記側板部材同士が前記第2の方向を含む方向に沿って相対的に移動した際に前記係合部の前記首部が前記被係合部の貫通孔部の幅狭孔部に位置して前記係合部と前記被係合部とが前記第1の方向において係止されて前記係合部と前記被係合部とが互いに係合した状態となり、また、前記移動規制片部は、前記貫通孔部の孔縁部から突成された舌片形状からなり、前記移動規制片部は、前記係合部の幅広頭部と当接可能である構成が提案される。
かかる構成とすることにより、前記係合部の前記首部を前記被係合部の貫通孔部の幅狭孔部に位置させることで互いを係止させることができる。しかも、前記移動規制片部は、前記係合部の幅広頭部と当接することで前記係合部の第2の方向に沿う移動の範囲を規制することができる。
また、前記幅広孔部における孔縁部の少なくとも一部には、側板部材同士の結合過程における前記係合部が当接する傾斜案内面部が形成されている構成が提案される。
かかる構成とすることにより、前記係合部が係合状態となる所要位置に向かう案内作用が得られることになるため、作業効率が飛躍的に向上する。
また、前記移動規制片部は弾性部材で構成されていることが望ましい。
かかる構成とすることにより、例えば前記係合状態で移動規制片部を撓ませて前記係合部の移動通路を確保することにより、前記係合部を前記被係合部から抜脱させることが可能となって全体として脱着可能な構造とすることができる。
さらに、前記被係合部の孔部の幅広孔部は、前記第2の方向に沿って前記幅狭孔部の両側に形成されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、前記係合部と前記被係合部とを係合状態とする際に、幅狭孔部の両側にある幅広孔部のうちいずれか一方を適宜選択して前記係合部の幅広頭部を挿通し、側板部材同士を第2の方向に沿って相対移動させることができる。このため、側板部材同士を第2の方向に沿って相対移動させる際に、該第2の方向のどちら側からでも結合作業が行える。
また、前記移動規制片部は、各幅広孔部に配置されて上下一対であることが好ましい。
かかる構成とすることにより、いずれの方向に幅広頭部が移動した場合にも適切に幅広頭部と移動規制片部とを干渉させることができる。
さらに、前記一方の側板部材と、前記他方の側板部材とが、互いに同一寸法形状である構成が提案される。
かかる構成とすることにより、共通の金型等を用いて一方の側板部材と他方の側板部材とを大量生産することが可能となり、全体として貯留浸透槽用筒状体の製造コストを抑えることが可能となる。また、1種類の側板部材を互いに結合させて貯留浸透槽用筒状体を構成することができるため、全体として該貯留浸透槽用筒状体の部品点数を減らすことも可能となる。なお、このように一方の側板部材と他方の側板部材とを互いに同一寸法形状とした場合にあっては、前記被係合部の孔部の幅広孔部が前記第2の方向に沿って前記幅狭孔部の両側に形成されていると、適切に両側板部材を結合させることが可能となる。
また、前記側板部材は、前記貯留浸透槽用筒状体の軸線に直交する断面においてL字形状であってもよい。
かかる構成とすることにより、該側板部材の製造時において、L字に曲がった角部にリブなどを設けて、あらかじめ強度を高めておくことができる。また、例えば平板状の側板部材を4枚用いて断面矩形の筒状体を構成するよりも側板部材の結合箇所が少なくなるため強度的に安定し、施工現場等における結合作業の手間も軽減することができる。また、一体成形された筒状体に比べて成形コストを抑えることができるし、製造工場等から運搬する際にも手間がかかりにくい。
また、本発明は、上記貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造を有する貯留浸透槽用筒状体であって、前記結合構造が、各側板部材の側縁部に沿って複数配設されてなり、前記移動規制片部は、少なくとも前記側縁部の端部に配設されていることを特徴とする貯留浸透槽用筒状体である。
上記構成を適用した筒状体は、上記したとおり施工現場等での側板部材同士の結合が容易で、また最初から一体成形されたものよりも場所をとらず、余計な作業負担が軽減される。また、かかる構成の筒状体を備えた貯留浸透槽は、作業現場が狭小であったり作業期間が限定されていたりする場合であっても、側板部材の端部に移動規制片部が配設されているため、従来に比べてはるかに容易、かつ短工期で施工することが可能となる。さらに、一旦結合させた側板部材同士が意図せず外れにくいという利点もある。
また、本発明は、上記の貯留浸透槽用筒状体の一端に天板が配設されてなることを特徴とする貯留浸透槽用箱体である。
かかる構成とすることにより、天板が乗載されて両側板部材が互い違いに位置ずれしようとする力が作用した場合でも、前記移動規制片部により、側板部材同士の離脱を防止することができる。
本発明にかかる前記結合構造は、結合が容易であると共に、一度結合させた側板部材同士が外れにくいという優れた効果がある。
また、本発明の前記貯留浸透槽用筒状体は、施工現場での側板部材同士の結合が容易であると共に、結合させた側板部材同士が外れにくいという優れた効果がある。
また、本発明の前記貯留浸透槽用箱体は、側板部材同士の位置ずれが生じにくく、外れにくいという優れた効果がある。
貯留浸透槽用筒状体の斜視図である。 他方の側板部材の係合部を拡大して示す拡大斜視図である。 一方の側板部材の被係合部を拡大して示す拡大斜視図である。 被係合部を拡大して示し、(a)は正面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 結合過程の係合部と被係合部とを示す縦断面図であり、(a)は係合部が被係合部に挿入されている状態であり、(b)は係合部が被係合部における傾斜案内面部に当接して案内されている状態である。 結合状態の係合部と被係合部とを示し、(a)は正面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。 結合状態において係合部が移動規制片部に当接した状態を示し、(a)は正面図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、便宜上、貯留浸透槽用筒状体2の軸線に沿う方向をZ軸方向(図1等参照)とし、該軸線に直交する第1の方向をX軸方向(図1等参照)とし、該第1の方向に直交する第2の方向をY軸方向(図1等参照)として説明する。なお、通常、前記筒状体2は、その軸線が鉛直方向に沿うように使用されることが一般的であるが、勿論これに限定されない。
(貯留浸透槽用筒状体2)
図1に示すように、断面矩形状の貯留浸透槽用筒状体2は、互いに向き合う一対の側板部材3,4によって構成されている。そして、一対の側板部材3,4は、樹脂製であり、多数の透水孔hが設けられ、筒状体2の軸線(Z軸方向)に直交する断面(XY平面)においてL字形状とされている。また、一対の側板部材3,4は、互いに同一寸法形状であり共通の金型で作製される。
ここで、側板部材3、4の左右両端に形成された縦長帯状の側縁部5,6が、一対の側板部材3,4において互いに突き合わされて結合することで、前記筒状体2とされる。
(結合構造1)
側板部材3,4同士の結合構造1について詳述する。
図1に示すように、結合構造1は、係合部10及び被係合部20を備えている。さらに詳述すると、各側板部材3,4のうち一方の側縁部5には、側縁部5の側縁に沿って係合部10が複数(例えば3箇所)配置されている。また、各側板部材3,4のうち他方の側縁部6であって、係合部10に対応する位置には、被係合部20が係合部10と同様に複数(例えば3箇所)設けられている。
〔係合部〕
以下、図2に従って他方の側板部材3における一側の側縁部5に設けられた係合部10について詳述する。なお、一対の側板部材3,4は互いに同一寸法形状であって一方の側板部材4の一側の側縁部5にも係合部10が設けられているところ、かかる係合部10については、同様の構成であるため説明を省略する。また、本発明の理解を容易なものとするために、図2以降では部分的に拡大した図を記載してある。
図2に拡大して示すように、側縁部5に配設された係合部10は、側縁部5に形成された首部11と、首部11の先端に形成され、かつ首部11よりも幅広な幅広頭部12と、を備えている。なお、首部11は、後で詳しく述べる被係合部20を貫通する方向(X軸方向)に向かって突出していると共に、幅広頭部12は、首部11に対してY軸方向に沿って両側に幅広とされている。
〔被係合部〕
以下、図3,図4に従って一方の側板部材4における他側の側縁部6に設けられた被係合部20について詳述する。なお、上述のように、一対の側板部材3,4は互いに同一寸法形状であって他方の側板部材3の他側の側縁部6にも被係合部20が設けられているところ、かかる被係合部20については、同様の構成であるため説明を省略する。
図3,図4に拡大して示すように、側縁部6に配設された被係合部20は、側縁部6に設けられた貫通孔部21を備えている。さらに、貫通孔部21は、中央に配置された幅狭孔部22と、幅狭孔部22に連続し、かつ幅狭孔部22よりもY軸方向に沿って幅広な幅広孔部23,23とが形成されている。なお、本実施例においては、幅広孔部23が、Z軸方向に沿って幅狭孔部22の両側にそれぞれ形成されている。
ここで、係合部10と被係合部20とについて、さらに詳述すると、被係合部20の幅広孔部23は、係合部10の幅広頭部12が挿脱自在な大きさに設定されている。また、被係合部20の幅狭孔部22は、係合部10の首部11が通過自在な大きさに設定され、かつ幅広頭部12における幅広方向(Y軸方向)よりは幅狭の大きさに設定されている。
さらに、幅広孔部23における孔縁部のうち幅狭孔部22の両側には、後述する結合過程における係合部10の幅広頭部12が当接する傾斜案内面部27が形成されている。
(結合構造1の結合方法)
以下、筒状体2を得るべく、側板部材3,4同士を結合する手順を説明する。なお、他方の側板部材3の側縁部5に形成された係合部10のうち1個と、一方の側板部材4の側縁部6に形成された被係合部20のうち1個とを結合させる手順について説明し、他方の側板部材3の側縁部6と、一方の側板部材4の側縁部5とを結合させる手順については同様の手順となるため説明を省略する。
まず図5(a)に示したように、他方の側板部材3の側縁部5に形成された係合部10の幅広頭部12を、一方の側板部材4の側縁部6に形成された被係合部20の幅広孔部23に挿通する。このとき、側板部材3,4は互いにX軸方向に沿って近づく。
幅広頭部12がある程度幅広孔部23に挿通されると、側板部材3,4は若干Z軸方向に沿ってずれながらX軸方向に沿って近づいていく。
さらに、側板部材3,4をZ軸方向に沿って移動させ、図6に示したように、係合部10の首部11が被係合部20の幅狭孔部22に位置することで、幅広頭部12は幅狭孔部22からX軸方向に沿って抜けなくなり、側板部材3,4同士が結合状態とされる。
次に、本発明の要部について説明する。
上記構成に加えて、側縁部6に配設された被係合部20には、薄板状で舌片形状の移動規制片部25が設けられている。さらに詳述すると、移動規制片部25は、貫通孔部21におけるZ軸方向に沿った両端において、孔縁部から差し出されるように互いに向かい合う配置で突成されている。
かかる構成にあって、両側板部材3,4を上述した手順で結合させる過程では、図5(b)に示したように、幅広頭部12が移動規制片部25を押し付けて弾性変形させながら傾斜案内面部27に案内されつつ、所要の結合位置へ到達するまで結合過程が進む。
ところで、結合状態における係合部10は、被係合部20の貫通孔部21内において、Z軸方向に沿って移動が若干許容されている。しかし図7に示したように、移動規制片部25の先端に係合部10の幅広頭部12が当接する位置で、Z軸方向に沿う移動範囲が規制されており、幅広頭部12が被係合部20の幅広孔部23から抜脱することが不能となっている。これによって側板部材3,4同士が離開してしまうことをより一層確実に防止することが可能となっている。
このように、本実施例の結合構造1においては、X軸方向(第1の方向)に側板部材3,4を移動させることで係合部10と被係合部20とを容易に係合することができるため、作業者の負担が大幅に軽減される。
加えて、結合状態における係合部10は、移動規制片部25が幅広頭部12に当接することによってZ軸方向に沿う移動範囲が規制されるため、被係合部20との結合状態が意図せず解除されることが防止される。
なお、結合された係合部10及び被係合部20の結合状態を解除したい場合には、いわゆるドライバー等の手工具によって移動規制片部25を強制的に弾性変形させてから係合部10の幅広頭部12が通過可能な移動通路を確保することで、側板部材3,4同士を離開させることができる。
また、本実施例の結合構造1は、側板部材3,4同士を相対移動させる距離が従来構成に比べて短いため、側板部材3,4の結合作業に要するスペースが狭くても作業が行える。
さらに、被係合部20の幅広孔部23が、幅狭孔部22の両側に設けられているため、作業者は、Y軸方向において所望する側から側板部材3,4をスライドさせて結合作業を行うことが可能となる。
なお、上記筒状体2が貯留浸透槽に使用される際には、該筒状体2の上端に天板(図示省略)が配設され、下端に底板(図示省略)が配設されて貯留浸透槽用箱体とされた上で使用される。このように天板と底板が配設される際に、側板部材3,4に位置ずれを生じさせる力が作用したとしても、移動規制片部25を備えているため側板部材3,4が離脱することはない。なお、貯留浸透槽の施工については、周知のものが好適に用いられる。
本発明は、上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
例えば、側縁部5,6に配設される係合部10及び被係合部20の数や形状は適宜変更可能である。なお、結合状態を好適に維持するために、少なくとも側縁部5,6のZ軸方向に沿った端部(例えば側板部材3,4の最上位置)に1個ずつ配設されていることが望ましい。
また、側板部材3,4の側縁部5には係合部10が配設され、側縁部6には被係合部20が配設されているが、一方の側板部材3の側縁部5,6に係合部10が配設され、他方の側板部材4の側縁部5,6に被係合部20が配設されてもよい。さらに、一側の側縁部5に係合部10及び被係合部20が配設され、他側の側縁部6には一側の側縁部5に対応した係合部10及び被係合部20が配設されてもよい。
また、側板部材3,4には、強度を増すための凹凸やリブが設けられていても構わない。
また、前記被係合部の貫通孔部21は、幅広孔部23と幅狭孔部22とが一つずつ形成された構成であってもよい。
またさらに、側板部材3,4は筒状体2の軸線に直交する断面においてL字形状である必要はなく、平板形状の側板部材を3枚以上採用して断面多角形状の筒状体としてもよい。また、断面半円状の側板部材を2つ突き合わせて、円筒形状の筒状体としてもよい。
なお、移動規制片部25は被係合部20側ではなく係合部10側に配設されていてもよいが、施工容易性や成形容易性の点で、上述した実施例の構成が望ましい。また、移動規制片部25は、上下方向(Z方向)に差し出された形状に限定されることはなく、左右方向(Y方向)に差し出された形状としてもよい。
側板部材3,4の材料としては、製造又は加工の容易さや、運搬又は施工作業の容易さを考慮して、弾性を有する樹脂製部材からなるものが好ましい。また、再生PPや再生PETなどを使用することで、環境への配慮を図ることもできる。
1 結合構造
2 貯留浸透槽用筒状体
3,4 側板部材
5,6 側縁部
10 係合部
11 首部
12 幅広頭部
20 被係合部
21 貫通孔部
22 幅狭孔部
23 幅広孔部
25 移動規制片部
27 傾斜案内面部

Claims (12)

  1. 複数の側板部材が互いに結合してなる貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造であって、
    一方の側板部材の側縁部には、被係合部が孔部状に配設されてなり、
    他方の側板部材の側縁部であって前記被係合部に対応する位置には、係合部が前記被係合部に向かって突出状に配設されてなり、
    前記側板部材同士が近接して前記係合部が前記被係合部内を相対的に挿入されると共に前記係合部が前記被係合部に挿入される方向である第1の方向と直交する第2の方向を含む方向に沿って移動されることで前記係合部と前記被係合部とが係合状態となって側板部材同士が結合するものであり、
    前記一方の側板部材には、
    前記被係合部と係合した状態の前記係合部と当接することで、当該係合部が前記第2の方向に沿って相対的に移動する範囲を規制する移動規制片部が備えられており、
    前記移動規制片部によって移動する範囲が規制された前記係合部は、前記被係合部から抜脱不能とされてなる
    ことを特徴とする貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  2. 前記一方の側板部材における前記移動規制片部は、当該側板部材における側縁部の少なくとも地上側に配置されている
    請求項1に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  3. 前記一方の側板部材の側縁部には、前記被係合部が、前記側縁部の長手方向に沿って複数列設されている
    請求項1又は請求項2に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  4. 前記一方の側板部材の前記被係合部は、当該一方の側板部材の側縁部に形成された貫通孔部からなり、
    前記他方の側板部材の前記係合部は、当該他方の側板部材の側縁部から突出した首部と、前記首部の先端に配設され、かつ前記首部よりも幅広な幅広頭部と、からなり、
    さらに前記貫通孔部には、前記幅広頭部より幅狭で前記首部が通過可能な幅狭孔部と、前記幅狭孔部と連続し、かつ前記幅狭孔部よりも幅広で前記幅広頭部が挿通可能な幅広孔部と、が形成されており、
    前記係合部の幅広頭部は、前記被係合部の貫通孔部の幅広孔部に挿通されてなり、さらに前記側板部材同士が前記第2の方向を含む方向に沿って相対的に移動した際に前記係合部の前記首部が前記被係合部の貫通孔部の幅狭孔部に位置して前記係合部と前記被係合部とが前記第1の方向において係止されて前記係合部と前記被係合部とが互いに係合した状態となり、
    また、前記移動規制片部は、前記貫通孔部の孔縁部から突成された舌片形状からなり、前記移動規制片部は、前記係合部の幅広頭部と当接可能である
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  5. 前記幅広孔部における孔縁部の少なくとも一部には、側板部材同士の結合過程における前記係合部が当接する傾斜案内面部が形成されている
    請求項4に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  6. 前記移動規制片部は弾性部材で構成されている
    請求項4又は請求項5に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  7. 前記被係合部の幅広孔部は、前記第2の方向に沿って前記幅狭孔部の両側に形成されている
    請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  8. 前記移動規制片部は、各幅広孔部に配置されて上下一対である
    請求項7に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  9. 前記一方の側板部材と、前記他方の側板部材とが、互いに同一寸法形状である
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  10. 前記側板部材は、前記貯留浸透槽用筒状体の軸線に直交する断面においてL字形状である
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の貯留浸透槽用筒状体における側板部材同士の結合構造を有する貯留浸透槽用筒状体であって、
    前記結合構造が、各側板部材の側縁部に沿って複数配設されてなり、
    前記移動規制片部は、少なくとも前記側縁部の端部に配設されている
    ことを特徴とする貯留浸透槽用筒状体。
  12. 請求項11に記載の貯留浸透槽用筒状体の一端に天板が配設されてなる
    ことを特徴とする貯留浸透槽用箱体。

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