JP2020051100A - ケラバカバー - Google Patents

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吾朗 島田
Goro Shimada
吾朗 島田
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Abstract

【課題】主に、建物の制限斜線を越えることなく薄物材から厚物材への屋根の葺き直しなどができるようにする。【解決手段】少なくとも、屋根3を構成する屋根面材13のケラバ11となる縁部に沿って設けられた下地桟部材17の上面を覆う上面カバー部31と、下地桟部材17の外側部を覆う外側カバー部32と、屋根面材13の上部に設置された屋根葺材14における下地桟部材17に近接する部分を上から覆う屋根葺材上部カバー33Aとを有するケラバカバー12Aに関する。下地桟部材17の上面の内側部分に制限斜線42内に収まる高さの上方突出部43を設けるようにする。上面カバー部31は、上方突出部43を覆う段差形状部44を有するものにする。屋根葺材上部カバー33Aは、段差形状部44の段下面46より高く、段上面47より低い位置に設けるようにする。【選択図】図4

Description

この発明は、ケラバカバーに関するものである。
建物の屋根には、勾配を有するもの(勾配屋根)がある。このような屋根では、水上側の縁部が棟となり、水下側の縁部が軒となり、棟と軒とをつなぐ斜めの縁部がケラバとなる。そして、棟樋には棟樋が取付けられ、ケラバにはケラバカバーが取付けられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−106436号公報
例えば、屋根に設置される屋根葺材を、(相対的に薄い)薄物材から(相対的に厚い)厚物材に葺き直しする場合、建物の制限斜線を越えないようにする必要があるが、制限斜線を越えないようにしつつ厚物材への葺き直しができるようなケラバカバーはこれまで特に存在していなかった。
そこで、本発明は、主に、上記した問題点を解決することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
少なくとも、屋根を構成する屋根面材のケラバとなる縁部に沿って設けられた下地桟部材の上面を覆う上面カバー部と、前記下地桟部材の外側部を覆う側面カバー部と、前記屋根面材の上部に設置された屋根葺材における前記下地桟部材と近接する部分を上から覆う屋根葺材上部カバーとを有するケラバカバーにおいて、
前記下地桟部材の上面の内側部分には制限斜線内に収まる高さの上方突出部が設けられていると共に、
前記上面カバー部は、前記上方突出部を覆う段差形状部を有し、
前記屋根葺材上部カバーは、前記段差形状部の段下面より高く、段上面より低い位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、建物の制限斜線を越えることなく薄物材から厚物材への屋根の葺き直しを行うことなどができる。
本実施の形態にかかるケラバカバーが適用される建物の斜視図である。 図1の建物の屋根の棟違い部に取付けられるケラバカバーの様子を示す斜視図である。 図1の建物の屋根の棟違い部のA−A線に沿った断面図である。 図3のB−B線に沿った断面図である。 図3のC−C線に沿った断面図である。 図3Aの部分拡大図である(第一実施例)。 図4の比較例(既存の構造)を示す図である。 図4と同様の部分の他の例(第二実施例)を示す図である。 図5の比較例(既存の構造)を示す図である。 図4同様の部分の別の例(第三実施例)を示す図である。 図6の比較例(既存の構造)を示す図である。 第一部材の部品図である(部分拡大斜視図)。 第二部材の部品図である(図7とは異なる方向から見た部分拡大斜視図)。 第一部材と第二部材とを組み合わせる状態を示す斜視図である。 第三部材の取付け状況を示す概略側面図である。 棟違い部における組み立て後のケラバカバーの状態を示す斜視図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図11は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1は、住宅などの建物1を斜め上方から見た部分的な斜視図である。
この建物1は、建物本体2の上に屋根3を有している。建物本体2は、居室などとなる部分である。屋根3は、傾斜した複数の屋根部4〜6(勾配屋根)を有する山型の切妻屋根となっている。切妻屋根では、水上側の縁部が棟7,8となり、水下側の縁部が軒9となり、棟7,8と軒9とをつなぐ斜めの縁部がケラバ11(螻蛄羽)となる。そして、軒9には棟樋が取付けられ、ケラバ11には、ケラバカバー12が取付けられる(図2、図3)。ケラバカバー12は、ケラバ11を覆って保護するための部材である。
そして、図3Aに示すように、屋根3は、屋根面材13(野地板)の上に屋根葺材14を配置したものとなっている。屋根面材13のケラバ11側の縁部は、建物本体2の外壁15(破風外壁)の位置よりも外側へ延ばされている(延長部16)。延長部16の上部には下地桟部材17が取付けられる。延長部16の下部には、垂木18や破風化粧板19やケラバ下化粧材21などが取付けられる。図3Bに示すように、外壁15の下端側には、下屋カバー水切22や、壁下水切23などが設置されている。
ここで、既存のケラバカバー12Bについて説明すると、図4A(図5A、図6A)に示すように、既存のケラバカバー12Bは、少なくとも、屋根面材13のケラバ11となる縁部に沿って(屋根面材13の上部または側部(図6A)に)設けられた下地桟部材17の上面を覆う上面カバー部31と、下地桟部材17の外側部を覆う外側カバー部32と、屋根面材13の上部に設置された屋根葺材14における下地桟部材17と近接する部分を上から覆う屋根葺材上部カバー33とを有している。
既存のケラバカバー12Bの場合、上面カバー部31は、下地桟部材17の上面の平坦形状に合わせた平坦面とされている。上面カバー部31は、下地桟部材17の上面に当接固定される。下地桟部材17の上面は、屋根葺材14の上部の位置よりも高くなっている。
外側カバー部32は、下地桟部材17の外側面にほぼ沿うように下方へ延びるものなどとされている。この実施の形態では、外側カバー部32は、下地桟部材17の外側面に対し、若干の隙間を有して離間されている。外側カバー部32は、図4Aに示すように、屋根面材13の位置まで達しない長さのものとしても良いし、図5Aに示すように、屋根面材13の位置まで達するか、屋根面材13の位置を越える長さのものとしても良い。これらの場合に、上面カバー部31の外側の部分と外側カバー部32の上部と間の部分には、外方へ突出する横張出部32aなどを設けても良い。外側カバー部32の下縁部には、内側への折返部32b(内折部)を設けても良い。この折返部32bは、斜め上方へ向かって折り返されることにより、水切部などとして機能するようになっている。
また、図6Aに示すように、短く形成した外側カバー部32の下側に、下地桟部材17の外側面よりも外側へ向かって斜め下方へ延びる破風包み部34や、この破風包み部34の下側に接続された破風化粧部35などを設けたものなども存在している。破風化粧部35は、屋根面材13の延長部16の下方に設置された軒天井材36を、下地桟部材17の外側面下部に取付けるための軒天取付金具37の下部になどに固定されている。破風化粧部35の下端部には、側面視ほぼ逆L字状をした軒天井見切部材38などを取付けても良い。この軒天井見切部材38は、水切りとしても機能するようになっている。
屋根葺材上部カバー33は、屋根葺材14における下地桟部材17の内側面と近接する端部周辺を上から覆うものである。屋根葺材上部カバー33は、屋根面材13とほぼ平行な面(ほぼ平坦な面)を有している。この場合、屋根葺材上部カバー33の高さは、下地桟部材17の上面よりも低くなっており、屋根葺材14の上面の位置に合わせた高さに設定されている。そのために、屋根葺材上部カバー33には、高さ設定用の縦面部33aが設けられている。縦面部33aは下地桟部材17の内側面の上部にほぼ沿って延びるものとされる。
既存のケラバカバー12Bが使われる屋根葺材14は、標準的な厚みまたはそれ以下の厚みを有する既存の瓦材や屋根材などとなっている。以下、既存の瓦材や屋根材などを、相対的に厚みの薄い薄物材14bという。
更に、下地桟部材17の内側の位置には、下地桟部材17の内側面に沿って屋根面材13の上面に達するまで下方へ延びる内面カバー部39aや、内面カバー部39aの下縁部から屋根面材13の上面に沿って屋根3の内方へ延びる屋根面カバー部39bを有する捨水切39などが設置される。捨水切39の内面カバー部39aは、上端部が、屋根葺材上部カバー33の縦面部33aの内側に重なるように設けられる。捨水切39の屋根面カバー部39bは、屋根葺材上部カバー33とほぼ同じ長さにしても良いし、屋根葺材上部カバー33より短くしても良いし、屋根葺材上部カバー33より長くしても良い。
そして、上記構成に対し、この実施の形態では、ケラバカバー12を、以下のようなもの(ケラバカバー12A)にする。
(1)図4(図5、図6)に示すように、下地桟部材17の上面の内側部分には制限斜線42内に収まる高さの上方突出部43が設けられるようにする。
これに合わせて、上面カバー部31を、上方突出部43を覆う段差形状部44を有するものにする。
そして、屋根葺材上部カバー33Aは、段差形状部44の段下面46より高く、段上面47より低い位置に設けられるようにする。
ここで、この実施の形態のケラバカバー12Aは、屋根3の葺き替え時に、既存のケラバカバー12Bに替えて使う交換用のものなどとされる。但し、この実施の形態のケラバカバー12Aは、新築時に直接用いることもできる。ケラバカバー12Aは、制限斜線42が設定されるケラバ11のみに対して設けることもできるし、全てのケラバ11に対して設けることもできる。
制限斜線42は、法律などによって規定された建物1の高さを制限するための仮想の線である。制限斜線42は、隣地境界や道路境界からの距離に応じて徐々に高くなる斜線とされる。
既存の建物1の場合、例えば、図4Aの比較例に示すように、屋根3は、薄物材14b用のケラバカバー12Bにおける、上面カバー部31と外側カバー部32とのコーナー部12aが制限斜線42にギリギリ接するか、または、制限斜線42よりも僅かに低くなるように設計されている。なお、図6Aの比較例の場合には、屋根3は、破風包み部34の中間部34aが制限斜線42にギリギリ接するか、または、制限斜線42よりも僅かに低くなるように設計されている。
そして、制限斜線42は、土地の内側へ進むほど高くなって行く。そのため、下地桟部材17の上面においては、外側よりも内側の方が制限斜線42の位置が高くなる。そこで、図4(図5、図6)に示すように、下地桟部材17の上面の内側の部分(内側部分)であれば、上方突出部43を設けても、制限斜線42に引っかからないようにすることができる。この場合、内側部分は、屋根面材13の上に設置する屋根葺材14の上面の位置(即ち、ほぼ屋根葺材上部カバー33Aが設置される位置)よりも制限斜線42が高くなる部分とする。この実施の形態では、内側部分は、概ね下地桟部材17の上面のほぼ半部などとなっている。
上方突出部43は、単一の下地桟部材17に対して直接形成することができるが、この実施の形態では、下地桟部材17を、側面視ほぼ矩形断面の第一桟部材51と、第一桟部材51の上に載置固定される第二桟部材52とに分けて構成している。そして、第二桟部材52を側面視ほぼL字断面などとすることにより、第二桟部材52に上方突出部43を設けるようにしている。第二桟部材52は、第一桟部材51とほぼ同様の幅寸法にするのが好ましい。また、第一桟部材51と第二桟部材52との外側面間に当て部材53を設けて、両者の外側面の位置を上下方向に正確に揃えられるようにしても良い(図4)。この場合、第一桟部材51を、例えば、樹脂木桟などとし、第二桟部材52を、例えば、鋼製のケラバ11受梁などとしているが、第一桟部材51や第二桟部材52の構成は、これに限るものではない。
なお、図6に示すように、側面視ほぼ矩形断面の第一桟部材51の上に、上方突出部43の大きさ(幅および高さ)に形成した小型の第二桟部材52を載置固定することで、下地桟部材17に、下地桟部材17よりも幅の狭い上方突出部43を形成するようにしても良い。第一桟部材51や第二桟部材52を、鋼製などとする場合には、第一桟部材51や第二桟部材52は中空の閉断面のものとしても開断面のものとしても良い。この実施の形態では、いずれも第二桟部材52を中空の開断面のものとしている。
段差形状部44は、段差形状をした部分のことである。外側に位置する段下面46は、既存のケラバカバー12Bの上面カバー部31とほぼ同じ高さの平坦面とされる。段下面46と外側カバー部32とによって形成されるコーナー部12aは、制限斜線42に対してギリギリ接するか、または、制限斜線42よりも僅かに低くなるように形成される。内側に位置する段上面47は、制限斜線42の下側に収まる高さの平坦面とされる。段下面46と段上面47との間には、上方突出部43の外側の位置にほぼ沿ったほぼ垂直な段差面48が形成される。段上面47と段差面48とによって形成されるコーナー部12bは、制限斜線42に対してギリギリ接するか、または、制限斜線42よりも僅かに低くなるように形成される。
既存のケラバカバー12Bでは、屋根葺材上部カバー33は、この実施の形態のケラバカバー12Aの段下面46の高さよりも低い位置に設けられるのに対し、この実施の形態のケラバカバー12Aでは、屋根葺材上部カバー33Aを、段下面46よりは高く、段上面47よりも低い位置に設けることで、既存の屋根葺材上部カバー33よりも高い位置に設置できるようにしている。この屋根葺材上部カバー33Aにより、新規のケラバカバー12Aは、既存の屋根葺材14(薄物材14b)よりも厚みのある新規の屋根葺材14(例えば、厚物瓦などの厚物材14a)に対して用いることが可能になる。新規の屋根葺材14は、強度や耐久性を向上するために既存の屋根葺材14よりも十分に厚肉に形成される。この実施の形態の屋根葺材上部カバー33Aの高さは、新規の屋根葺材14(例えば、厚物瓦などの厚物材14a)の上面に合わせた位置に形成される。なお、厚物材14aは、上記した薄物材14bに対する相対的な名称である。
(2)図1に示すように、屋根3を、上側の棟7と下側の棟8とによって形成される棟違い部61を備えたものとしても良い。
図2に示すように、下側の棟8には、山型の棟包み部材62が取付けられる。
そして、上側の棟7から下側の棟8へ向う棟違い部61のケラバ11Aに取付けられるケラバカバー12Aの上面カバー部31は、段差形状部44の段上面47が山型の棟包み部材62の一方の斜面部63とほぼ面一に連なるように設けられても良い。
段差形状部44の段下面46は、山型の棟包み部材62の他方の斜面部64に対して下側の棟8よりも低い位置に合流されても良い(合流部分65)。
段下面46の、他方の斜面部64との合流部分65の近傍に、下側の棟8よりも高い位置66から下側の棟8へ向けて、段下面46の他の部分よりも緩い下り勾配で延びる排水用スロープ部67を設けても良い。
ここで、屋根3に対し、上側の棟7と下側の棟8は、互いに平行な状態で形成される。そして、上側の棟7と下側の棟8とは、その高さと、横方向の位置とが異なるものとされる。
棟違い部61を有する屋根3は、3つの傾斜した屋根部4〜6を有している。即ち、上側の棟7および下側の棟8の片側に位置する第一の屋根部4と、上側の棟7の他側に位置する第二の屋根部5、および、下側の棟8の他側に位置する第三の屋根部6である。
下側の棟8は、第一の屋根部4の面内の位置に設けられる。
下側の棟8に取付けられる山型の棟包み部材62は、下側の棟8を共有する2つの屋根部4,6のそれぞれに沿った2つ斜面部63,64を有している。また、山型の棟包み部材62は、2つ斜面部63,64の下縁部に、下方へ延びる短い立下部62aと、立下部62aの下縁部から屋根部4,6に沿って斜め下方へ延びる外広がりの脚部62bとをそれぞれ有しても良い。この立下部62aおよび脚部62bには、上記した捨水切39と同様の機能を持たせることができる。
そして、上面カバー部31の段上面47と棟包み部材62の一方の斜面部63とがほぼ面一に設けられ、段下面46が棟包み部材62の他方の斜面部64に下側の棟8よりも低い位置で合流されることで、段下面46の、他方の斜面部64との合流部分65の周辺に谷状の凹み部68が形成される。
すると、谷状の凹み部68は雨水69が溜まり易い箇所となるため、棟違い部61ではケラバ11A内への雨水69の侵入のおそれが生じる。そこで、谷状の凹み部68をなくすために、段下面46の、他方の斜面部64との合流部分65の周辺に排水用スロープ部67を設置する。排水用スロープ部67は、段下面46の他の部分よりも緩い下り勾配を有して下側の棟8のほぼ頂部へ向かうものとされる。排水用スロープ部67は、少なくとも、排水勾配となり得る程度の角度を有するものとされる。そのために、排水用スロープ部67は、段下面46における、下側の棟8よりも高い位置66から開始されて、下側の棟8の位置で終了されるものとなる(高低差h、図3)。
(3)ケラバカバー12Aは、図7に示すように、外側カバー部32と、段差形状部44の段下面46とが、第一の部材71によって構成されても良い。
また、ケラバカバー12Aは、図8に示すように、段差形状部44の段上面47と、屋根葺材上部カバー33Aとが、第二の部材72によって構成されても良い。
ここで、ケラバカバー12Aは、1つの部材で構成しても良いが、複数の部材で構成することができる。この実施の形態では、ケラバカバー12Aを、少なくとも2つの部材に分割して設けている。
第一の部材71は、交換用のケラバカバー12Aにとって基本となる部材である(基本部材)。第一の部材71は、フッ素鋼板などの金属製の板などで形成することができる。フッ素鋼板は、耐久性の高いガルバリウム鋼板(登録商標)にフッ素樹脂塗料を焼付け塗装した鋼板である。
第一の部材71は、図9に示すように、外側カバー部32と段下面46の他に、上方突出部43の側面(段差部分)に当接固定可能な固定面73を一体に有しても良い。固定面73は、段差面48の内側に設置される。第一の部材71は、固定面73などを、上方突出部43の側面にスクリューや釘などの固定部材74で横からほぼ面直方向に取付けられる。
第二の部材72は、交換用のケラバカバー12Aにとって厚物材14aの屋根葺材14を取付けられるように拡張するための部材である(拡張部材)。第二の部材72は、フッ素鋼板などの金属製の板などで形成することができる。
第二の部材72は、段上面47と屋根葺材上部カバー33Aの他に、段差面48や、段下面46の上側に当接配置可能な段下当接部76や、縦面部33aなどを有するようにしても良い。第二の部材72は、段上面47や段差面48などを上方突出部43の上面や側面などにスクリューや釘などの固定部材74で横や上からほぼ面直方向に取付けられる。
そして、ケラバ11に沿って第一の部材71が先に下地桟部材17に取付けられ、後から第二の部材72が第一の部材71の上に、第一の部材71と平行に取付けられることで、第一の部材71と第二の部材72とが組み合わされて、この実施の形態のケラバカバー12Aとなる。なお、第一の部材71や第二の部材72の端部、例えば、下端部などには、端部固定部71a,72aなどを適宜設けることができる。
(4)図10に示すように、ケラバカバー12Aでは、排水用スロープ部67が、第三の部材81によって構成されても良い。
ここで、第三の部材81は、排水用スロープ部67を形成するための部材である(スロープ形成部材)。第三の部材81は、フッ素鋼板などの金属製の板などで形成することができる。第三の部材81は、最低限、段下面46の上に設置して排水用スロープ部67を形成する緩い下り勾配の斜面を有していれば良いが、排水用スロープ部67の外側面から下方へ屈曲して外側カバー部32に達する、または、外側カバー部32を覆う、側面カバー部82(図11)を一体に有するのが好ましい。
但し、第三の部材81の形状は、これに限るものではなく、例えば、上端側に段下面46などに対する重ね代を備えたり、内側部に段差面48などに対する重ね代を備えたり、下端部に、棟包み部材62などに対する重ね代を備えたりしても良い。第三の部材81は、設置後に周縁部などをシーリング材85などによって適宜シールされる。
<作用>以下、この実施の形態の作用について説明する。
例えば、図4A(図5A、図6A)のような既存の屋根3に対して、屋根葺材14の葺き替えを行う場合、既存のケラバカバー12Bと屋根葺材14と下地桟部材17を取り外す。そして、下地桟部材17を、上方突出部43を有する新たなもの(第一桟部材51および第二桟部材52)に取り替える。新たな屋根葺材14を屋根面材13の上に設置して、新たな下地桟部材17に新たなケラバカバー12Aを取付けることで、図4(図5、図6)ような屋根3となる。
この際、屋根葺材14は、薄物材14bから厚物材14aに葺き替えられる。建物1では、屋根葺材14に薄物材14bを用いることを前提として既存の屋根3が設計されているため、屋根葺材14を、単純に薄物材14bから厚物材14aに葺き替えるだけだと、建物1に対する制限斜線42を越えてしまうことになる。そこで、この実施の形態のケラバカバー12Aを用いるようにする。これにより、厚物材14aに葺き替えても制限斜線42を越えないようにすることができる。
<効果>この実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)ケラバカバー12Aは、少なくとも、上面カバー部31と外側カバー部32と屋根葺材上部カバー33Aとを備えたものとされる。上面カバー部31は、屋根3を構成する屋根面材13のケラバ11となる縁部に沿って設けられた下地桟部材17の上面を覆う。外側カバー部32は、下地桟部材17の外側部を覆う。屋根葺材上部カバー33Aは、屋根面材13の上部に設置された屋根葺材14における下地桟部材17の内側面と近接する端部を上から覆う。
そして、屋根葺材14を、薄物材14bから厚物材14a(例えば、厚物瓦など)へ葺き直しする場合に、制限斜線42を越えないようにする必要がある。
そこで、下地桟部材17の上面の内側部分に対して、制限斜線42内に収まる高さの上方突出部43を設けるようにする。そして、上面カバー部31を、上方突出部43を覆う段差形状部44を有するものにする。更に、屋根葺材上部カバー33Aを、段差形状部44の段下面46より高く、段上面47より低い位置に設けるようにする。屋根葺材14には、屋根葺材上部カバー33Aと同じ高さのものを使用することができる。これにより、薄物材14bを前提として設計された建物1であっても、制限斜線42を越えないようにしつつ、薄物材14bから厚物材14aへの屋根葺材14の葺き直しを行うことが可能になる。
(効果2)屋根3が上側の棟7と下側の棟8とによって形成される棟違い部61を有する場合に、上面カバー部31に段差形状部44を有するケラバカバー12Aを使用すると、構造的に、段差形状部44の段上面47が山型の棟包み部材62の一方の斜面部63と面一に連なるように設置されることになる。これにより、段下面46は、山型の棟包み部材62の他方の斜面部64に対して下側の棟8よりも低い位置で合流されることになる(合流部分65)。すると、段下面46と他方の斜面部64との合流部分65が谷状に凹んだ凹み部68となってしまい、谷状の合流部分65に雨水69が滞留するおそれなどが生じる。
そこで、合流部分65の近傍に、下側の棟8よりも高い位置66から下側の棟8へ向けて、段下面46よりも緩い下り勾配で延びる排水用スロープ部67を設けても良い。これにより、合流部分65の近傍に設けた排水用スロープ部67によって谷状の凹み部68を上から塞ぐことができ、排水用スロープ部67が雨水69の排水経路になる。そのため、段下面46を流下した雨水69は、排水用スロープ部67に沿って下側の棟8の頂部に達し、更に、山型の棟包み部材62の一方の斜面部63へと導かれて、段上面47を流下した雨水69と合流し、共に第一の屋根部4を流下されることになる。よって、棟違い部61におけるケラバ11内への雨水69の侵入を抑制したり最小限に抑えたりすることができる。
(効果3)外側カバー部32と、段差形状部44の段下面46とを、第一の部材71によって構成し、段差形状部44の段上面47と、屋根葺材上部カバー33Aとを、第二の部材72によって構成しても良い。これにより、ケラバカバー12Aを、その形状や機能に合った最適な構造に分割して、施工し易いものとすることができる。
(効果4)排水用スロープ部67は、第三の部材81によって構成しても良い。これにより、排水用スロープ部67が第一の部材71および第二の部材72とは別の第三の部材81で形成されることで、第一の部材71および第二の部材72に影響を与えることなく、排水用スロープ部67を作ることができると共に、第三の部材81を小型で取扱い易い部材にできる。そして、第三の部材81は棟違い部61の棟包み部材62と段下面46との合流部分65の周辺に取付けるだけで良いため、簡単に排水用スロープ部67を設置できる。
(その他)上記ケラバカバー12Aを備えた屋根3および建物1は、上記ケラバカバー12Aと同様の作用効果を得ることができる。
3 屋根
7 上側の棟
8 下側の棟
11 ケラバ
12 ケラバカバー
12A ケラバカバー
13 屋根面材
14 屋根葺材
17 下地桟部材
31 上面カバー部
32 外側カバー部
33A 屋根葺材上部カバー
42 制限斜線
43 上方突出部
44 段差形状部
46 段下面
47 段上面
61 棟違い部
62 棟包み部材
63 一方の斜面部
64 他方の斜面部
65 合流部分
66 高い位置
67 排水用スロープ部
71 第一の部材
72 第二の部材
81 第三の部材

Claims (4)

  1. 少なくとも、屋根を構成する屋根面材のケラバとなる縁部に沿って設けられた下地桟部材の上面を覆う上面カバー部と、前記下地桟部材の外側部を覆う側面カバー部と、前記屋根面材の上部に設置された屋根葺材における前記下地桟部材と近接する部分を上から覆う屋根葺材上部カバーとを有するケラバカバーにおいて、
    前記下地桟部材の上面の内側部分には制限斜線内に収まる高さの上方突出部が設けられていると共に、
    前記上面カバー部は、前記上方突出部を覆う段差形状部を有し、
    前記屋根葺材上部カバーは、前記段差形状部の段下面より高く、段上面より低い位置に設けられていることを特徴とするケラバカバー。
  2. 請求項1に記載のケラバカバーにおいて、
    前記屋根は上側の棟と下側の棟とによって形成される棟違い部を備えており、
    前記下側の棟には、山型の棟包み部材が取付けられており、
    前記上側の棟から前記下側の棟へ向かうケラバに取付けられる前記上面カバー部は、前記段差形状部の前記段上面が山型の前記棟包み部材の一方の斜面部と面一に連なるように設けられ、
    前記段差形状部の前記段下面は、山型の前記棟包み部材の他方の斜面部に対して前記下側の棟よりも低い位置に合流され、
    前記段下面の、前記他方の斜面部との合流部分の近傍には、前記下側の棟よりも高い位置から前記下側の棟へ向けて、前記段下面の他の部分よりも緩い下り勾配の排水用スロープ部が設けられていることを特徴とするケラバカバー。
  3. 請求項1または請求項2に記載のケラバカバーにおいて、
    前記側面カバー部と、前記段差形状部の前記段下面とが、第一の部材によって構成され、
    前記段差形状部の前記段上面と、前記屋根葺材上部カバーとが、第二の部材によって構成されていることを特徴とするケラバカバー。
  4. 請求項2を引用する請求項3に記載のケラバカバーにおいて、
    前記排水用スロープ部が、第三の部材によって構成されていることを特徴とするケラバカバー。
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